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時計店がオーバーホールの依頼を Make で受け、症状・型式・付属品から受付の区分を判定して、料金表から概算を添えた返信の下書きを作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

時計店の Web のフォームに届くオーバーホールと修理の依頼を Make で受け、Claude API で症状と受付の区分を判定します。型式の表と料金表から概算の幅を引き、お客様への返信の下書きと受付の票を作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
その他/小売
対象部門
カスタマーサポート
対象業務
内容確認・チェック/問い合わせ対応
主な課題
判断に時間がかかる/問い合わせが多い/属人化している
AIで行う処理
判定
主な効果
対応スピード向上/属人化解消/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
40h/月
AI導入後
12h/月
想定削減
70%
年間削減
336h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. フォームかメールで届いた依頼を、受付の店員が開く
  2. ブランド、裏蓋の型式、症状、付属品を読み、足りない情報があればお客様に聞き返す
  3. 技能を持つ店員に、受けられるか・メーカーへ送るかを口頭かチャットで聞く
  4. 料金表と受付台帳を開き、駆動の方式と症状から概算の幅を探す
  5. 預かりの期間の目安と、持ち込みか送付かの案内を書き添えて返信する
  6. 受付台帳に、問い合わせの内容と返信した日を書く
導入後(After)
  1. 自動フォームの送信で Make の Webhook が動き、受付の番号を返す
  2. 自動型式の表を引き、ブランドと型式から駆動の方式と取り次ぎ先の決まりを付ける
  3. 自動Claude API が、症状の型、受付の区分、足りない情報、聞き返す質問を判定する
  4. 自動料金表から、駆動の方式と症状の型で概算の幅と預かりの期間の目安を引く
  5. 自動ルーターで区分ごとに分け、返信の下書きと受付の票を作る
  6. 人受付の店員が、自店で受付・メーカーへ取り次ぎの下書きを確かめて送る
  7. 人技能を持つ店員が、現物を見てから・受付が難しい候補の票だけを見て、返信の方針を決める
  8. 人来店か送付で時計を預かったら、技能を持つ店員が現物を確かめ、正式な見積を出す
各工程の詳しい説明を読む
  1. フォームかメールで届いた依頼を、受付の店員が開く
  2. ブランド、裏蓋の型式、症状、付属品を読み、足りない情報があればお客様に聞き返す
  3. 技能を持つ店員に、受けられるか・メーカーへ送るかを口頭かチャットで聞く
  4. 料金表と受付台帳を開き、駆動の方式と症状から概算の幅を探す
  5. 預かりの期間の目安と、持ち込みか送付かの案内を書き添えて返信する
  6. 受付台帳に、問い合わせの内容と返信した日を書く

(a)技能を持つ店員の手が空くのを待つ。 3番目で止まります。返信が遅れた依頼ほど、お客様は別の店にも問い合わせています。

(b)足りない情報を聞き返す往復が多い。 裏蓋の型式が書かれていない、症状が「調子が悪い」だけ、付属品に何があるか分からない。1回の聞き返しで返事が来るまで1〜2日かかり、そのあいだ依頼は止まります。

(c)概算の答え方が人によって違う。 料金表は駆動の方式ごとの基本の料金で、部品の交換や外装の仕上げは別です。どこまでを概算に入れるかが店員ごとに違い、来店してから金額の話が食い違うことがあります。

(d)メーカーへ送るべきものを工房で受けかける。 ブランドや型式によっては、メーカーの修理の窓口へ取り次いだほうがよいものがあります。その線引きが技能を持つ店員の頭の中にしか無く、その店員の休みの日に判断がぶれます。

(e)古い時計の依頼の扱いが決まっていない。 親から譲られた時計、何十年も前に買った時計の依頼は少なくありません。部品があるかは開けて調べるまで分からないのに、受付の店員が「たぶん大丈夫です」と答えてしまうことがあります。 受けられなかったときの説明が、最初の返信の言葉と食い違います。

  1. 【自動】 フォームの送信で Make の Webhook が動き、受付の番号を返す
  2. 【自動】 型式の表を引き、ブランドと型式から駆動の方式と取り次ぎ先の決まりを付ける
  3. 【自動】 Claude API が、症状の型、受付の区分、足りない情報、聞き返す質問を判定する
  4. 【自動】 料金表から、駆動の方式と症状の型で概算の幅と預かりの期間の目安を引く
  5. 【自動】 ルーターで区分ごとに分け、返信の下書きと受付の票を作る
  6. 【人】 受付の店員が、自店で受付・メーカーへ取り次ぎの下書きを確かめて送る
  7. 【人】 技能を持つ店員が、現物を見てから・受付が難しい候補の票だけを見て、返信の方針を決める
  8. 【人】 来店か送付で時計を預かったら、技能を持つ店員が現物を確かめ、正式な見積を出す

7番目が、この設計の分かれ目です。 技能を持つ店員が見るのは、AI が「現物を見てから」か「受付が難しい候補」とした票だけです。判断の要らない依頼から先に返信が出るので、技能を持つ店員の手が空くのを待つ依頼が減ります。

2番目と4番目を AI にさせないのも、意図してのことです。 駆動の方式・取り次ぎ先・概算の幅は、型式の表と料金表という店の決まりから引けます。決まりのあるものは表で引き、AI には依頼の言葉を読むことだけをさせます。 表を直せば、翌日の判定から反映されます。

8番目は今と変わりません。 正式な見積と修理を受けるかの最後の判断は、時計を開けて確かめてから技能を持つ店員が行います。

02今回想定するシステム構成

構成図
お客様(Web のフォーム:ブランド・裏蓋の型式・購入の時期・症状・付属品・履歴)
   ▼【トリガー】フォームの送信(Webhook)
Make(シナリオ)
   ├──▶ Webhook response:受付の番号を返す
   ├──▶ Google スプレッドシート:型式の表を Search Rows で引く
   ▼
Claude API(Make an API Call で Messages API)
   │   症状の型・受付の区分・足りない情報・聞き返す質問
   ▼
Make ── 料金表で概算の幅と預かりの期間を引く
   ▼ ルーター
   ├── 自店で受付 ─────── 返信の下書き(概算の幅つき)
   ├── メーカーへ取り次ぎ ── 返信の下書き(取り次ぎの案内)
   ├── 現物を見てから ──── 技能を持つ店員の確認の一覧
   └── フォールバック ──── 技能を持つ店員の確認の一覧
   ▼
Gmail:返信の下書き(Create a draft email)/受付台帳に Add a Row
   ▼
【人】受付の店員が確かめて送る
役割想定する製品代替候補
ワークフローMake(シナリオ。Webhooks、Google Sheets、Gmail、ルーター)Zapier、n8n、Power Automate
生成AIClaude API(Messages API、構造化出力)OpenAI API
保管Google スプレッドシート(型式の表・料金表・症状の型の一覧・受付台帳)Airtable
メールGmail(修理の受付のアドレス)Microsoft Outlook

新しく作るのは、型式の表と症状の型の一覧です。 型式の表は、ブランドと裏蓋の型式(ムーブメントの番号)ごとに、駆動の方式、工房で受けられるか、取り次ぎ先、補修用の部品の保有期間の目安を1行にしたものです。症状の型の一覧は、「止まる」「遅れ・進み」「竜頭が回らない」「ガラスの曇り・水の入り」「ベルトの不具合」「定期のオーバーホール」など、受付の店員が使う言葉で12個ほど並べます。

補修用の部品の保有期間は、メーカーの公表から写します。 たとえばセイコーのページでは、クレドール、グランドセイコー、ガランテは通常10年、その他は通常7年とされ、生産終了後もこの期間を超えて修理できる体制があるともされています。年数はメーカーとブランドで違い、過ぎていても修理できることがあるので、この表は「現物を見てから」に回す目安として使います。

AI の部品は Claude API です。 Make の Anthropic Claude アプリのページには構造化出力の記載が無いため、Make an API Call で Messages API を呼び、output_config.format に JSON Schema を渡します。 構造化出力は数値の範囲の制約に対応しないとされているので、概算の金額は AI の出力に入れず、Make が料金表から引きます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

フォームの送信を起点にします。 フォームの送り先を Make の Custom webhook の URL にし、受け取るとすぐにシナリオが動きます。Webhook は既定で並行に動くとされていますが、この構成では受付の番号を順に振りたいので、「Process data in order」を有効にして1件ずつ処理します。

シナリオの最初に Webhook response を置き、受付の番号をお客様の画面に返します。 公式のページでは、Webhook response を途中に置くとその後のエラーが送り手に伝わらないことがあるとされています。この構成で返すのは「受け付けました」と番号だけで、判定の結果は返しません。 判定の後で止まっても、お客様には受付の番号が残り、店の側には未処理として残ります。

受付台帳には、Webhook を受けた時点で「受付済み・判定前」の行を足します。 判定と下書きまで終わったら「下書きあり」に変えます。朝に「判定前」のまま残っている行があれば、途中で止まった依頼です。

メールで届く依頼は、受付の店員がフォームに写します。 経路を2つにすると、メールの依頼だけが判定されない日が出ます。電話の依頼も同じフォームに入れます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
依頼の内容氏名、連絡先、ブランド、裏蓋の型式、購入の時期、症状(選択と自由記述)、付属品、過去の修理の履歴、持ち込みか送付かWeb のフォーム
型式の表ブランド、型式、駆動の方式、工房で受けられるか、取り次ぎ先、部品の保有期間の目安Google スプレッドシート
症状の型の一覧12個ほどの型と、それぞれの説明と例Google スプレッドシート
料金表駆動の方式と症状の型ごとの基本の料金の幅、預かりの期間の目安Google スプレッドシート

質を決めるのは、フォームの設問です。 症状は「止まる・遅れる・進む・竜頭が回らない・ガラスが曇る・その他」から選ばせ、その下に自由記述の欄を置きます。付属品は「保証書・箱・余りのコマ・替えのベルト・購入時の明細」をチェックで選ばせます。 自由記述だけにすると、AI が読む前に足りない情報が決まってしまいます。

裏蓋の型式の欄には、どこを見ればよいかの写真を添えます。 裏蓋に刻まれた番号を書いてもらえれば、型式の表で駆動の方式が引けます。書かれていなければ、聞き返す質問の筆頭になります。

過去の修理の履歴は、「他の店で修理したことがある」を選べるようにします。 メーカーへ取り次ぐときに、他店での修理の有無を聞かれることがあるからです。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
依頼の内容Webhook が受け取った値AI に渡す・受付の票にする
型式の行型式の表を Search Rows(ブランドと型式で検索)駆動の方式と取り次ぎ先を付ける
症状の型の一覧一覧のシート指示に埋め込む
概算の幅料金表を Search Rows(駆動の方式と症状の型で検索)返信の下書きに差し込む

型式の表は、AI より先に引きます。 駆動の方式と取り次ぎ先が分かっていれば、AI に渡す材料がそろいます。型式が表に無ければ、駆動の方式を「不明」として AI に渡し、AI に方式を推し量らせません。 型式の書き方の揺れ(ハイフンの有無、大文字と小文字)は、引く前に Make の側でそろえます。

料金表は、AI の後に引きます。 AI が返した症状の型と、型式の表の駆動の方式の2つで1行を引きます。引けなければ概算の欄は空のまま、区分を「現物を見てから」に寄せます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 型式の表記をそろえる … 全角を半角に、小文字を大文字にし、ハイフンと空白を外します
  2. 購入の時期を年に直す … 「5年くらい前」のような書き方は、そのまま残して AI に渡します。年に直せるものだけ直します
  3. 連絡先を外す … 氏名・電話番号・メールアドレスは AI に渡しません。受付の票と返信の宛先にだけ使います
  4. 同じお客様の二重の送信を外す … 同じ連絡先から同じ内容が数分のうちに2回届いたら、1件として扱います
  1. 自由記述の長さを確かめる … 症状の自由記述が極端に長いもの(経緯を何年分も書いたものなど)は、そのまま渡しますが、票に「長文」の印を付けて技能を持つ店員が全文を読めるようにします

3番目を軽く見ないでください。 判定に要るのは時計の情報だけです。AI に渡す本文には、受付の番号と時計の情報だけを並べます。

1番目は、型式の表の側にも同じ処理をかけておきます。 表の型式を書いた人と、依頼を書いたお客様で表記が違うのはふつうのことです。両方を同じ形にそろえてから比べれば、表を書き直さずに当たる率が上がります。

Step5

AIに処理させる

させるのは、依頼の内容から症状の型と受付の区分を判定し、足りない情報と聞き返す質問を書き出すことです。

判定するもの判定の仕方判断できないとき
症状の型一覧の12個から1〜2個other
受付の区分下の表の決まりに沿って4つから1つinspect_first(現物を見てから)
足りない情報型式・購入の時期・症状の具体・付属品のうち書かれていないもの空の配列
聞き返す質問足りない情報ごとに1つ、お客様が答えやすい形で空の配列
注意の印水が入った・落とした・他店で修理した・改造の疑いなど空の配列

受付の区分の決まりは、店が決めて指示に埋め込みます。

区分決まり(例)
shop(自店で受付)型式の表で「工房で受けられる」、症状の型が料金表にある、注意の印が無い
maker(メーカーへ取り次ぎ)型式の表で取り次ぎ先がメーカーになっている
inspect_first(現物を見てから)型式が表に無い、水が入った・落としたなどの注意の印がある、症状がはっきりしない
difficult(受付が難しい候補)部品の保有期間の目安を大きく過ぎている、改造の疑いがある

difficult は断る区分ではありません。 技能を持つ店員に回して、受けられる方法を探すか、お断りするかを人が決めるための印です。

判定の例を3つ挙げます。

依頼の内容型式の表判定
「5年ほどオーバーホールしていない。少し遅れる」。保証書・箱あり機械式、工房で受けられるshop。症状の型は「定期のオーバーホール」と「遅れ・進み」
「竜頭を引いても針が動かない」。他店で電池交換ありクロノグラフ、取り次ぎ先がメーカーmaker。flags に他店での作業
「海で使った後にガラスが曇った」表に無いinspect_first。flags に水の入り。駆動の方式は「不明」

3つ目のように、型式が表に無く注意の印もあるものは、迷わず inspect_first です。 判定の例を指示に入れておくと、区分の決まりの読み方が月ごとにぶれにくくなります。

させないこと理由
概算の金額を出す料金表から Make が引く
駆動の方式を推し量る型式の表で引く。表に無ければ「不明」
修理を断る文面を書く技能を持つ店員が方針を決めてから書く
故障の原因を言い切る開けて確かめるまで分からない
Step6

指示内容を固定する

あなたは時計店の修理の受付で、オーバーホールと修理の依頼を読む担当です。
渡された依頼の内容と型式の表の情報だけを使って判定してください。

【症状の型】{symptom_types}
【受付の区分の決まり】{intake_rules}

【厳守事項】
- 依頼に書かれていることと、型式の表の情報だけを使ってください。
  書かれていない症状や故障の原因を補わないでください。
- 駆動の方式は、型式の表の値をそのまま使ってください。
  表の値が「不明」なら、方式を推し量らず intake を inspect_first にしてください。
- 金額を書かないでください。概算は別の仕組みで出します。
- 「修理できません」「お断りします」と書かないでください。
  受けるのが難しそうなときは intake を difficult にし、理由を reason に書いてください。
- 迷ったときは inspect_first を選んでください。shop を選ぶのは、
  決まりのすべてに当てはまるときだけにしてください。
- 水が入った、落とした、他の店で修理した、部品を替えた、のいずれかが
  書かれていれば、flags に入れてください。
- 聞き返す質問は、お客様が時計を手に取って答えられる形にしてください。
  (例:「裏蓋に刻まれている英数字を教えていただけますか」)
- 判定の根拠にした依頼の言葉を evidence に写してください。

【依頼の内容】{request}
【型式の表の情報】{model_row}

「迷ったときは inspect_first」が、この指示でいちばん効く一文です。 shop を広く取ると、受けられないものに概算つきの返信が出ます。「現物を見てから」に寄せて困るのは技能を持つ店員の確認の件数が増えることだけで、お客様との食い違いは生みません。

「金額を書かない」を明記するのは、症状を読むと AI が相場を書きたがるからです。 書かせてしまうと、料金表の幅と食い違う数字が返信の下書きに混ざります。

Step7

出力形式を固定する

次の形の JSON で受け取ります。

{
  "request_id": "W-2026-1103",
  "symptom_types": ["stopped"],
  "intake": "shop | maker | inspect_first | difficult",
  "reason": "",
  "missing_info": ["case_back_number"],
  "questions": ["裏蓋に刻まれている英数字を教えていただけますか"],
  "flags": ["water_entry"],
  "evidence": ["「洗面所で水がかかってから止まった」"]
}

1つ目の理由は、intake でルーターを分けられることです。 Make のルーターは各ルートを順に評価し、どれにも当たらないものはフォールバックのルートで処理されるとされています。shop・maker・inspect_first の3つのルートを置き、difficult と想定外の値はフォールバックで技能を持つ店員の確認の一覧に落とします。

2つ目は、missing_info があれば返信を聞き返しに切り替えられることです。 型式が足りなければ、概算を書かずに questions だけの返信の下書きを作ります。聞き返しを1通にまとめられるので、往復が1回で済みます。

3つ目は、evidence で技能を持つ店員の確認が速くなることです。 票を開く前に、何を根拠に区分を選んだかが一覧で読めます。

返信の下書きは、区分ごとのひな形に値を差し込んで作ります。

区分下書きに入れるもの
shop概算の幅(料金表の基本の料金。部品の交換と外装の仕上げは別)、預かりの期間の目安、持ち込みか送付の案内
makerメーカーへ取り次ぐこと、取り次ぎにかかる期間の目安、付属品で持ってきてほしいもの
inspect_first現物を見てから見積を出すこと、点検の流れ
聞き返しquestions の質問

どの下書きにも、「正式な見積はお預かりして確かめてからお出しします」の一文を固定で入れます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Web のフォームMake の Custom webhook と Webhook response依頼を受け、受付の番号を返す
型式の表・料金表Google Sheets の Search Rows駆動の方式・取り次ぎ先・概算の幅を引く
Claude APIAnthropic Claude アプリの Make an API Call症状の型と受付の区分を判定する
GmailCreate a draft email返信の下書きを作る
受付台帳Google Sheets の Add a Row受付の票を1行足す

返信は下書きまでにします。 送るのは受付の店員です。型式の表と料金表には書き込みません。 表を直すのは技能を持つ店員の仕事にします。

Step9

人が確認する

  1. shop と maker の下書きを確かめて送る … 受付の店員が、型式と概算の幅が依頼と合っているかを見て送ります
  2. inspect_first と difficult の票を見る … 技能を持つ店員が、根拠を読み、返信の方針(来店を勧める、メーカーへ取り次ぐ、お断りする)を決めます
  3. 判定を覆したら記録する … どの区分から、どの区分に変えたかと理由を受付台帳に残します
  4. 型式の表に無かった型式を足す … 確認のついでに表に1行足します

2番目で「お断りする」と決めた返信は、技能を持つ店員が自分で書きます。 下書きのひな形を作らないのは、お断りの理由が時計ごとに違い、決まった文面では伝わらないからです。

1番目で見るのは、概算の幅が依頼の時計に合っているかです。 料金表の行は駆動の方式と症状の型で引くので、型式の表の方式が誤っていると、別の方式の料金が出ます。受付の店員は、下書きの概算の横に出ている方式の名前と、依頼のブランドと型式が合うかだけを見ます。

3番目の記録は、型式の表と区分の決まりを直す材料になります。 同じ型式で shop から maker に変えることが続いたら、表の取り次ぎ先を直します。

目標は、240件をならして1件3分です。 shop と maker は確かめて送るだけで1〜2分、技能を持つ店員の確認の票は数分かかります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
型式が表に無い駆動の方式を「不明」にして判定。区分は inspect_first
型式が書かれていない聞き返しの下書きを作る
料金表に行が無い概算の欄を空にし、inspect_first に寄せる
水が入った・落としたflags を付け、inspect_first。早く持ってきてもらうよう下書きに書く
電池の交換だけの依頼料金表の電池交換の行を引き、shop
腕時計でない(置時計・掛時計)フォールバックで技能を持つ店員へ
AI の応答が形に合わない1回だけ送り直し、だめなら技能を持つ店員の確認の一覧へ
Webhook の受信が多すぎる10秒あたり300件を超えると429が返るとされる。この構成の件数では届かないが、フォームの二重の送信を止める

上の3行が大半を占めます。 どれも AI の問題ではなく、型式の表と料金表の行が足りないことの問題です。 毎月、表に無かった型式を足していくと、inspect_first の割合が下がっていきます。

水が入った時計は、急ぐ必要があります。 中で錆びが進む前に開けたほうがよいので、この区分の票は確認の一覧の上に出し、その日のうちに返信します。

Step11

記録を残す

  • 受付の番号、受け取った日時、依頼の内容(連絡先は受付台帳にだけ)
  • 型式の表で引いた行と、料金表で引いた行
  • AI が返した JSON の全文
  • 送った返信の区分と、送った店員
  • 技能を持つ店員が区分を覆した記録と理由
  • 時計を預かった後の正式な見積と、受付の区分との違い

最後の行が、この構成を育てる材料です。 shop で概算を返したのに正式な見積が大きく違ったものを月に一度見て、料金表の幅か症状の型の分け方を直します。

型式の表と料金表を直したときは、直した日と中身を表の別のシートに残します。 ある依頼にどの版の表で概算を返したかが分からないと、お客様から「最初の返信と違う」と言われたときに確かめられません。AI の JSON と一緒に、引いた行の値そのものを票に写しておくのが確実です。

04実装レベルの3段階

最小構成:依頼を手で Claude の画面に貼り、症状の型と受付の区分を判定させる / 1件ずつの判定
半自動化:上記+Make で依頼を受け、型式の表と料金表を引いて、返信の下書きと受付の票を作る / 判定・概算・下書きの全体
本格構成:上記+受付台帳の過去の作業と金額から、似た型式の実績の幅を票に添える / 技能を持つ店員の確認の材料まで

本記事の想定は半自動化です。 1件10分が3分になり、技能を持つ店員が見る依頼が絞られます。本格構成は、受付台帳の過去の記録が型式ごとに引ける形に整ってから足します。 段階を飛ばさないでください。 半自動化で2〜3か月回すと、型式の表に無かった型式が足され、料金表の幅も正式な見積と見比べて直されます。表が育ってから過去の実績を添えるほうが、確認の材料が当てになります。 実績の幅は、技能を持つ店員が見るための材料にとどめ、お客様への返信の概算には料金表の幅だけを使います。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
240 件
1件あたり現在時間
10 分
1件あたり導入後時間
3 分
現在  240件 × 10分 ÷ 60 = 40 時間/月
導入後 240件 × 3分 ÷ 60 = 12 時間/月
月間削減時間
28h
削減率
70%
年間削減時間
336h
年間金額換算(時間単価2,500円)
84万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 腕時計の販売と修理の受付を行う時計店で、Web のフォームやメールでオーバーホールと修理の依頼を月に数百件受け、受けられるか・メーカーへ送るか・概算はいくらかを時計の技能を持つ店員に聞かないと答えられない場合。自店で扱う駆動の方式ごとの料金表と、ブランドと型式ごとの取り次ぎ先を表にできる場合。
向いていない
  1. 依頼が月に数十件で、技能を持つ店員が全件を自分で返信できる店。メーカーの正規の修理の窓口への取り次ぎだけを行い、自店で分解しない店。なお、修理を受けるかの最終の判断、部品があるか、正式な見積の金額、改造品や他店で修理された時計の扱いは、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の依頼から30件を選ぶ(メーカーへ送ったもの、受けられなかったもの、水が入ったものを入れる)
  2. 連絡先を外し、時計の情報だけにする
  3. 手元の Claude の画面に、症状の型の一覧と区分の決まりと1件ずつの依頼を貼り、第7章の指示で判定させる
  4. 判定を、当時の技能を持つ店員の判断と見比べる

見比べるのは、shop に入れたものが本当に工房で受けたものかです。 ここが外れると、受けられない時計に概算つきの返信が出ます。

出てきた内容判断
当時の判断とほぼ同じMake のシナリオの組み立てに進む
shop を広く取りすぎる区分の決まりを細かく書き、inspect_first に寄せる指示を強める。構成は有効
型式が分からず判定できない依頼が多いフォームで裏蓋の型式を聞くのが先。 AI の問題ではない

3行目が出たら、フォームの裏蓋の型式の欄を必須にし、見る場所の写真を添えてください。

30件の中に、古い時計の依頼を数件入れてください。 第3章の(e)の型で、部品の保有期間の目安を過ぎているものです。ここで shop と出るなら、型式の表の保有期間の目安の列が判定に効いていません。 指示の区分の決まりに、保有期間の目安との比べ方を書き足します。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
受けられない時計に概算つきの返信が出る迷ったら inspect_first。 shop は決まりのすべてに当てはまるときだけ
AI が相場の金額を書く金額を書かせず、料金表から Make が引く
型式の書き方が揺れて表に当たらない引く前に全角・小文字・ハイフンをそろえる
駆動の方式を AI が推し量る表に無ければ「不明」で渡し、inspect_first
部品の保有期間を過ぎたものを断ってしまうdifficult は断る区分ではなく、技能を持つ店員に回す印にする
足りない情報の聞き返しが何往復もするquestions を1通にまとめる
受付の番号が重なるWebhook の「Process data in order」を有効にする
Webhook response の後のエラーが見えない返すのは番号だけにし、未処理を受付台帳で見張る
構造化出力で400が返る数値の範囲・文字数の制約をスキーマに書かない
お断りの文面が定型になるお断りは技能を持つ店員が自分で書く

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも「受けられるか分からないものに、受けられる前提の返信を出す」ことから起き、来店してからの食い違いになります。

「difficult を断る区分にしない」も、早いうちに効いてきます。 保有期間の目安を過ぎた時計でも、代わりの部品で直せることがあります。メーカーの公式のページでも、外観の異なる代わりの部品を使うことがあるとされています。断る前に技能を持つ店員が見る、という順番を崩さないでください。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: お客様の氏名と連絡先、時計のブランドと型式、購入の時期、修理の履歴です。高価な時計の持ち主の一覧になりうる情報です。

  1. 連絡先を AI に渡さない … 判定に要るのは時計の情報だけです。受付の番号と時計の情報だけを渡します
  2. 受付台帳の権限を絞る … 高価な時計の型式と持ち主の連絡先が並ぶので、見られる人を受付と工房に限ります
  3. 返信を自動で送らない … 概算と受付の区分は、お客様との約束に近い意味を持ちます。送るのは店員です
  4. 修理を受けるかの最後の判断を AI にさせない … メーカーの公式のページでも、修理の可否は時計を預かって状態を確かめて判断するとされています。この構成が出すのは受付の区分の案までです
  5. 概算を正式な見積として扱わない … 下書きに「正式な見積はお預かりして確かめてから」の一文を固定で入れます
  6. お客様が送ってくる写真を AI に渡さない … フォームに時計の写真を添えられるようにする場合も、写真は技能を持つ店員が見るためのものにします。写真には持ち主の手や部屋が写り込むことがあり、判定には文字の情報で足ります

誤りが起きた場合のリスクは、受けられない時計を受けると返信することと、受けられる時計を難しいと伝えることの2つです。 前者は inspect_first に寄せることで、後者は difficult を技能を持つ店員に回すことで防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:型式の表と料金表を作る

店で多く扱うブランドと型式の上位から、駆動の方式、工房で受けられるか、取り次ぎ先、部品の保有期間の目安を書き出します。料金表は駆動の方式と症状の型の組み合わせで、基本の料金の幅と預かりの期間を書きます。

2週目:30件で試す

先月の依頼から30件を手元の Claude の画面で判定し、当時の技能を持つ店員の判断と見比べます。shop に入れたものが本当に工房で受けたものかを最優先で見ます。

3週目:フォームを直す

症状と付属品を選ばせる設問と、裏蓋の型式の欄と見る場所の写真を足します。

4週目:Make で受けるところから下書きまでをつなぐ

Webhook、型式の表の Search Rows、Make an API Call、料金表の Search Rows、ルーター、下書きと受付台帳までを作ります。この時点では下書きを送らず、区分と概算の幅だけを店員が見比べます。

2か月目: 下書きを使って返信を始め、技能を持つ店員が区分を覆した件数を毎週数えます。3か月目以降: 正式な見積と概算の幅の違いを見て料金表を直します。技能を持つ店員の休みの日にも、同じ基準で最初の返信が出せるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-28/最終更新:2026-10-29
確認した内容情報源確認日
補修用性能部品の保有期間がクレドール・グランドセイコー・ガランテは通常10年、その他は通常7年であること。生産終了後もこの期間を超えて修理できる体制があること。外観の異なる代替部品を使うことがあること。修理の可否は時計を預かって状態を確かめて判断することセイコーウオッチ: アフターサービスについてのご注意2026-10-28
Custom webhook が受け取るとすぐシナリオが動き、既定で並行に動き「Process data in order」で順に処理できること。10秒あたり300件を超えると429が返ること。Webhook response を途中に置くと後のエラーが伝わらないことがあることMake Help Center: Webhooks2026-10-28
ルーターの各ルートが順に評価され、どれにも当たらないものがフォールバックのルートで処理されることMake Help Center: Router2026-10-28
Anthropic Claude アプリに Make an API Call があり、構造化出力の記載が無いことMake Apps: Anthropic Claude2026-10-28
Google Sheets に Search Rows・Add a Row があることMake Apps: Google Sheets2026-10-28
Gmail に Create a draft email があることMake Apps: Gmail2026-10-28
構造化出力を output_config.format で指定し、数値の範囲や文字列の長さの制約に対応しないことClaude API Docs: Structured outputs2026-10-28

修理を受けるか、部品があるか、正式な見積の金額は、時計を預かって確かめたうえで技能を持つ店員とメーカーで決めてください。 本記事は公開の資料で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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