Media > AI活用ユースケース > カスタマーサポート > 眼鏡店がレンズの加工の完了と受取・調整の予約を Zapier でつなぎ、お客様ごとに受取の案内と保証の説明を送る

眼鏡店がレンズの加工の完了と受取・調整の予約を Zapier でつなぎ、お客様ごとに受取の案内と保証の説明を送る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

レンズの加工が終わって台帳に完了の時刻が入ると、注文の中身と店の保証の表から、お客様ごとの受取の案内と保証の説明をAIが下書きします。受取・調整の予約は Calendly で受け、入った日時を台帳に書いて店頭に知らせます。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
その他/小売
対象部門
カスタマーサポート
対象業務
問い合わせ対応/書類作成
主な課題
人手が足りない/書類作成に時間がかかる/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
生成
主な効果
品質標準化/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
48h/月
AI導入後
12h/月
想定削減
75%
年間削減
432h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 加工の担当が加工を終え、注文の台帳に「完了」と書いて、眼鏡を受け渡しの引き出しに入れる
  2. 店頭の担当が台帳を見て、お客様に電話する。つながらなければ留守番電話に残し、後でかけ直す
  3. つながったら受取の日時を聞き、紙の予約表に書く
  4. 紙の保証書に、レンズとフレームの保証の期間と条件を書き写す
  5. 受取のときに、フィッティングをして、保証書を見せながら口で説明して渡す
導入後(After)
  1. 人加工の担当が加工を終え、台帳の行の「加工完了」のチェックを入れる。完了の時刻が入る
  2. 自動完了の時刻が入ると Zapier の Zap が動き、台帳の行と、式が保証の表から引いた保証の行を受け取る
  3. 自動AI が、お客様ごとの受取の案内と保証の説明の文を作る
  4. 自動メールのあるお客様には案内をメールの下書きにする。メールの無いお客様には、決まった文面の SMS を送る
  5. 人店頭の担当が下書きを開き、保証の期間と条件が台帳と合っているかを確かめて送る
  6. 人お客様が案内の予約のページで受取・調整の日時を選ぶ
  7. 自動Calendly の予約で別の Zap が動き、台帳の行に日時を書いて、その店の担当に用意するものを知らせる
  8. 自動毎朝、案内から7日たっても予約の無い行を一覧にして、店頭の担当に送る
  9. 人一覧のお客様に電話する。受取のときにフィッティングをして、保証書を渡す
各工程の詳しい説明を読む
  1. 加工の担当が加工を終え、注文の台帳に「完了」と書いて、眼鏡を受け渡しの引き出しに入れる
  2. 店頭の担当が台帳を見て、お客様に電話する。つながらなければ留守番電話に残し、後でかけ直す
  3. つながったら受取の日時を聞き、紙の予約表に書く
  4. 紙の保証書に、レンズとフレームの保証の期間と条件を書き写す
  5. 受取のときに、フィッティングをして、保証書を見せながら口で説明して渡す

(a)電話がつながらない。 2番で、平日の昼につながるお客様は多くありません。留守番電話に残しても折り返しが来ず、 2回、3回とかけ直します。かけ直す予定は担当の頭の中にあり、休みの日をはさむと抜けます。

(b)受取の日時が予約表に残らない。 3番で、電話を受けた担当が予約表に書き忘れると、お客様が来店したときに眼鏡が見つからない、 フィッティングの担当がいない、ということが起きます。

(c)保証の説明が担当によって違う。 4番と5番で、度数の交換の期間を「3か月」と言う担当と、「受取から3か月」と言う担当がいます。起点が注文の日か受取の日かで、保証の終わる日が変わります。 後で交換を頼まれたときに、言った・言わないになります。

(d)初めての遠近両用のお客様に時間が足りない。 5番で、混み合う夕方に初めての遠近両用のお客様が来ると、掛け方の説明を急いでしまいます。 見え方に慣れないまま帰ったお客様から、数日後に「見えにくい」と電話が来ます。

  1. 【人】 加工の担当が加工を終え、台帳の行の「加工完了」のチェックを入れる。完了の時刻が入る
  2. 【自動】 完了の時刻が入ると Zapier の Zap が動き、台帳の行と、式が保証の表から引いた保証の行を受け取る
  3. 【自動】 AI が、お客様ごとの受取の案内と保証の説明の文を作る
  4. 【自動】 メールのあるお客様には案内をメールの下書きにする。メールの無いお客様には、決まった文面の SMS を送る
  5. 【人】 店頭の担当が下書きを開き、保証の期間と条件が台帳と合っているかを確かめて送る
  6. 【人】 お客様が案内の予約のページで受取・調整の日時を選ぶ
  7. 【自動】 Calendly の予約で別の Zap が動き、台帳の行に日時を書いて、その店の担当に用意するものを知らせる
  8. 【自動】 毎朝、案内から7日たっても予約の無い行を一覧にして、店頭の担当に送る
  9. 【人】 一覧のお客様に電話する。受取のときにフィッティングをして、保証書を渡す

3番目でAIが書くのは文だけです。 保証の期間、条件、保証の終わる日の数え方は、台帳の式が保証の表から引いた値です。AIはそれを、お客様の眼鏡に当てはまる行だけ選んで、読みやすい文に直します。

5番目で担当が見るのは、保証の部分です。 案内のあいさつや来店の案内は決まった型ですが、保証の文はお客様への約束になります。 台帳の保証の列と下書きを見比べ、合っていれば送ります。

8番目が、電話のかけ直しの代わりです。 予約が入らないお客様だけを毎朝並べるので、かけ直す予定を頭で覚えておく必要がなくなります。

02今回想定するシステム構成

構成図
注文の台帳(Google スプレッドシート)+保証の表
   ▼【トリガー】Updated Spreadsheet Row(加工完了の時刻)
Zapier の Zap(受取の案内)
   ├──▶ Lookup Spreadsheet Row:行と保証の列を受け取る
   ├──▶ AI by Zapier:受取の案内と保証の説明の文
   ├──▶ Paths:メールあり/メールなし(携帯)/どちらもなし
   ├──▶ Gmail:Create Draft(受取の案内)
   └──▶ Twilio:Send SMS(決まった文面)
   ▼【人】店頭の担当が確かめて送る

Calendly:Invitee Created or Rescheduled / Invitee Canceled
   ▼【トリガー】
Zapier の Zap(予約)
   ├──▶ Lookup Spreadsheet Row(メールで注文の行を探す)
   ├──▶ Update Spreadsheet Row(受取の日時)
   └──▶ Gmail:Send Email(店の担当へ、用意するもの)

Schedule by Zapier:毎朝
   ▼
Zapier の Zap(未予約の一覧)
   ├──▶ Lookup Spreadsheet Rows (Advanced)
   └──▶ Gmail:Send Email(店の担当へ)
役割想定する製品代替候補
ワークフローZapier(Paths、Schedule by Zapier)Make、n8n、Power Automate
生成AIAI by ZapierChatGPT(OpenAI)、Claude
集計Google スプレッドシート(注文の台帳・保証の表・保証の行を引く式)Zapier Tables
予約Calendly(受取・調整の予約のページ)Google カレンダーの予約スケジュール
メールGmail(店のアドレス)Microsoft Outlook
SMSTwilio(Send SMS)店の LINE 公式アカウント

新しく足すのは、Zap 3本と、保証の表と、Calendly の予約のページです。 注文の台帳は今のスプレッドシートに列を足して使います。紙の予約表は、Calendly の予約と台帳の日時の列に置き換えます。

保証の表は、店の保証書の中身を行に分けたものです。 「度数の交換」「レンズのキズ・破損」「フレームの破損」「子どもの眼鏡の破損」といった保証の種類ごとに、対象の商品の区分、期間、期間の起点、条件、対象外、費用を列に持ちます。台帳の行の式が、注文のレンズの区分とフレームの区分でこの表を引き、そのお客様に当てはまる保証の行だけを列に並べます。

Calendly の予約のページは、2種類に分けます。 15分の「受取・調整」と、30分の「初めての遠近両用の受取」です。どちらのページを案内に付けるかは、台帳の式が決めます。 Calendly の公式のヘルプでは、Zapier との連携には Standard 以上のプランが要るとされています。

店は3つありますが、Zap は共通です。 台帳の行に店の列を持たせ、予約のページを店ごとに作ります。知らせの宛先も店の列で引き分けます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

受取の案内の Zap は、Google Sheets の Updated Spreadsheet Row で動かします。 見張る列は「加工完了の時刻」です。Zapier の公式のヘルプでは、このトリガーは見張る列に新しい値が入ったときだけ動き、その行で前に見た値に戻しても動きません。

「状態」の列を見張らないのは、この性質のためです。 レンズに不具合が見つかって加工をやり直し、状態を「加工中」に戻してまた「完了」にすると、2回目の「完了」は前に見た値なので動きません。 公式のヘルプが勧めるとおり、毎回違う値になる時刻の列を見張ります。加工の担当はチェックを入れるだけにし、時刻はチェックで入る形にしておきます。

予約の Zap は、Calendly の Invitee Created or Rescheduled で動かします。 お客様が予約したときと、日時を変えたときの両方で動くトリガーです。取り消しは Invitee Canceled で別の Zap にします。 どちらも、受取用の2つのイベントの種類だけを拾うよう、トリガーの絞り込みでイベントの種類を選びます。店のほかの予約(視力の測定の予約など)が混ざらないようにするためです。

未予約の一覧の Zap は、Schedule by Zapier の Every Day で毎朝の開店前に動かします。 店の定休日に合わせ、週末に動かすかどうかを選びます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
注文の台帳の行受付の番号、店、レンズの区分(単焦点・遠近両用・中近両用・度付きサングラス)、初めての遠近両用か、フレームの区分(素材)、子どもの眼鏡か、注文の日、連絡の方法、メール、携帯の番号Google スプレッドシート
保証の行(式で引いたもの)保証の種類、期間、期間の起点、条件、対象外、費用保証の表を台帳の式が引いた列
受取の予約のページ台帳の式が選んだ Calendly のページのアドレス台帳の列
店の情報店の名前、営業時間、受取のときに持ってきてほしいもの店の表
予約お客様のメール、日時、イベントの種類Calendly のトリガー

質を決めるのは、保証の表の「期間の起点」の列です。 「受取の日から」「注文の日から」を列で持たせます。第3章の(c)は、この起点が担当の頭の中にあったことから起きていました。 表に書いてあれば、AIも担当も同じ起点で書きます。

AIに渡すのは、商品と保証と店の列だけです。 お客様の名前、メール、携帯の番号は、下書きを作るステップで台帳から直接差し込みます。度数の値も渡しません。 案内の文に度数は要らず、度数は受取のときに担当が確かめるものだからです。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
完了した行Updated Spreadsheet Row が返す行Zap の起点
保証の列・予約のページ同じ行を Lookup Spreadsheet Row で引き直すAI の入力と下書き
注文の行(予約のとき)Calendly が返すお客様のメールで Lookup Spreadsheet Row日時を書く行を決める
未予約の行Lookup Spreadsheet Rows (Advanced)毎朝の一覧

保証の列は、トリガーの行ではなく引き直した行から取ります。 台帳の式は、完了の時刻が入った後に保証の終わる日を数え直すことがあり、引き直したほうが式の結果がそろっています。

予約の行は、メールで探します。 同じお客様が眼鏡を2本注文していることがあるので、探す条件に「状態が案内済み」を加えた列(メールと状態をつないだ列)を台帳に作り、その列で引きます。Lookup Spreadsheet Row は条件に合う最初の行を返すので、2本が同時に案内済みなら、2本目は人が確かめます(例外処理)。

未予約の一覧は、Lookup Spreadsheet Rows (Advanced) で引きます。 Zapier の Google Sheets のページでは、この操作は条件に合う行を最大500行まで返します。台帳に「未予約で7日以上」を TRUE にする式の列を置き、その列で引きます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 連絡の方法を決める … メールがあれば「メール」、メールが無く携帯の番号があれば「SMS」、どちらも無ければ「電話」の印を台帳の式で付けます
  2. 予約のページを選ぶ … 初めての遠近両用なら30分のページ、それ以外は15分のページのアドレスを式で選びます
  3. 保証の行を引く … レンズの区分、フレームの区分、子どもの眼鏡かで、保証の表から当てはまる行を式で引きます
  4. 保証の終わる日の扱いを決める … 起点が「注文の日から」なら終わる日を式で数えます。起点が「受取の日から」なら、終わる日は書かず、「受取の日から◯か月」と書きます
  5. AIに渡す列を絞る … 名前・メール・携帯の番号・度数を除いた列だけを、AIのステップに渡します
  6. 電話の印のお客様は Zap を止める … 連絡の方法が「電話」なら Paths で AI のステップの前に分け、店の担当に電話の依頼を送ります

4番目が、言った・言わないを防ぎます。 受取の日はまだ決まっていないので、受取から数える保証の終わる日は、この時点では書けません。 受取の日が決まってから保証書に書きます。

6番目は、AIの手間を省くためでもあります。 電話で伝えるお客様に文を作っても、読み上げる担当が要約し直すことになります。電話のお客様には、台帳の保証の列をそのまま見ながら伝えてもらいます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、受取の案内と保証の説明を、決まった型の文にすることだけです。

させること中身
受取の案内眼鏡ができあがったこと、受取のときにフィッティングをすること、予約のページから日時を選んでほしいこと
保証の説明保証の行ごとに、何が、いつまで、どういう条件で受けられるかを1〜2文で
持ってきてほしいもの店の表の値(今お使いの眼鏡、保証書の控えなど)
初めての遠近両用の一言初めての遠近両用なら、受取のときに掛け方の説明の時間を取ることを1文で

保証の説明は、行ごとに1つの段落にさせます。 「度数の交換」「レンズのキズ・破損」を1つの文にまとめると、期間と条件がどちらの保証のものか分からなくなります。

させないこと理由
保証の期間・条件・費用を変える、足す保証の表の値だけを使う。言い換えで中身を変えない
保証が使えると約束する使えるかは、受取の後に店が眼鏡を見て決める
見え方や度数について書く見え方は受取のときに担当が確かめる
保証の終わる日を数える式が数える。受取から数えるものは日付を書かない
遠近両用の見え方の慣れ方を説明する受取のときに担当が掛けてもらいながら説明する

1行目がいちばん大事な禁止です。 「度数が合わないときは1回まで無料で交換」を「度数が合わないときは交換できます」と書くと、回数の条件が消えます。 お客様は何度でも交換できると読みます。条件の言葉を省かずに写すよう、指示に書きます。

5行目も、書かせると起きやすい失敗です。 遠近両用の案内に「1〜2週間で慣れます」とAIが書き足すと、店が言っていない見通しを約束したことになります。 慣れ方は人によって違い、担当が受取のときに話すことです。

Step6

指示内容を固定する

あなたは眼鏡店の店頭の担当として、加工が終わった眼鏡の受取の案内を書きます。
書いた文は担当が確かめてからお客様に送ります。

【入力】
- 店の名前:{store_name}/営業時間:{store_hours}
- 受取の予約のページ:{booking_url}
- 眼鏡の区分:レンズ {lens_type}/フレーム {frame_type}/子どもの眼鏡 {is_kids}
- 初めての遠近両用:{first_progressive}
- 保証の行(保証の種類|期間|期間の起点|条件|対象外|費用):
{warranty_rows}
- 受取のときに持ってきてほしいもの:{bring_items}

【書くこと】
1. 眼鏡ができあがったこと。受取のときに掛け具合を合わせること。
2. 予約のページから受取の日時を選んでほしいこと。ページのアドレスをそのまま書く。
3. 保証の行ごとに1つの段落で、保証の種類、期間、期間の起点、条件、対象外、費用を書く。
4. 持ってきてほしいもの。
5. 初めての遠近両用が「はい」のときだけ、受取のときに掛け方の説明の時間を
   取ることを1文で書く。

【厳守事項】
- 保証の期間、起点、条件、対象外、費用は、保証の行の言葉をそのまま使ってください。
  回数、期間、費用の言葉を省いたり、言い換えたりしないでください。
- 保証の行に無い保証を書かないでください。
- 「必ず交換できます」など、保証が使えることを約束しないでください。
- 期間の起点が「受取の日から」の保証には、終わる日の日付を書かないでください。
- 見え方、度数、慣れるまでの期間について書かないでください。
- お客様の名前、宛名、署名は書かないでください。後で差し込みます。

「回数、期間、費用の言葉を省かない」を書かないと、AIは文を短くします。 短くした文は読みやすく見えますが、条件の言葉から先に消えます。 保証の説明で消えてはいけないのは、まさにその言葉です。

「宛名を書かない」は、名前を渡していないことと対になっています。 名前を渡さずに宛名を書かせると、AIは「お客様各位」や架空の名前を入れます。 宛名と署名は下書きのステップで台帳から差し込みます。

Step7

出力形式を固定する

AI by Zapier の出力項目で、次の形に決めます。

{
  "subject": "眼鏡のお受け取りのご案内(受付番号の後に差し込み)",
  "pickup_text": "ご注文の眼鏡ができあがりました。お受け取りの際に掛け具合を合わせます。…",
  "warranty_paragraphs": [
    { "warranty_type": "度数の交換", "text": "受取の日から3か月のあいだ、度数が合わない場合に1回まで…" },
    { "warranty_type": "フレームの破損", "text": "…" }
  ],
  "bring_text": "今お使いの眼鏡をお持ちください。",
  "first_progressive_text": ""
}

1つ目の理由は、保証の段落を行ごとに確かめられることです。 warranty_type は保証の表の保証の種類と同じ言葉にさせ、下書きのステップで、台帳の保証の種類の列と数が合うかを Filter で見ます。数が合わなければ、AIが行を落としたか足したかなので、下書きを作らずに担当に知らせます。

2つ目は、下書きの組み立てを Zap の側に置けることです。 宛名、受付の番号、pickup_text、保証の段落、bring_text、店の署名の順に、Gmail の Create Draft の本文で並べます。 AIの出力に宛名と署名が入らないので、名前の取り違えが起きません。

3つ目は、空の項目を空のまま扱えることです。 first_progressive_text は初めての遠近両用でなければ空で返させ、空なら本文に何も入れません。

Paths は、連絡の方法の列で3つに分けます。 公式のヘルプでは、条件に合う分岐はそれぞれ動くので、「メール」「SMS」「電話」の3つの値で条件が重ならないように書きます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Google スプレッドシートUpdated Spreadsheet Row(トリガー)加工完了の時刻が入った行を受ける
Google スプレッドシートLookup Spreadsheet Row、Update Spreadsheet Row保証の列を読み、案内と予約の日時を書く
Google スプレッドシートLookup Spreadsheet Rows (Advanced)未予約の行を引く
GmailCreate Draft受取の案内の下書き
GmailSend Email(宛先は店の中に固定)用意するもの、未予約の一覧、電話の依頼
TwilioSend SMSメールの無いお客様への決まった文面
CalendlyInvitee Created or Rescheduled、Invitee Canceled(トリガー)受取・調整の予約と取り消し

SMS には、AIの文を入れません。 「◯◯眼鏡店です。受付番号◯◯の眼鏡ができあがりました。お受け取りの予約はお渡しした控えのご案内からお願いします」のような決まった文面にします。Twilio の日本向けの SMS の案内では、本文に電話番号を入れることは認められず、固定電話の番号には送れないとされています。注文の受付のときに、予約のページを載せた控えを渡しておきます。

予約が入ったら、店の担当に「用意するもの」を送ります。 受付の番号、日時、レンズとフレームの区分、初めての遠近両用か、子どもの眼鏡かを並べた短いメールです。初めての遠近両用なら、フィッティングに慣れた担当がその時間にいるかを、店で確かめます。

予約の取り消しが来たら、台帳の日時を消し、状態を「案内済み」に戻します。 戻した行は、7日を数え直して未予約の一覧に載ります。

Step9

人が確認する

店頭の担当が、案内の下書きを開いて保証の部分を確かめてから送ります。

  1. 保証の段落を見る … 台帳の保証の列と並べ、期間、起点、条件、費用の言葉が抜けていないかを見ます
  2. 起点を見る … 受取から数える保証に、日付が入っていないかを見ます
  3. 予約のページを見る … 初めての遠近両用のお客様に、30分のページが付いているかを見ます
  4. 送る … 合っていれば送り、台帳の状態を「案内済み」にします

受取のときは、保証書を担当が書きます。 受取の日が決まったので、受取から数える保証の終わる日をここで書きます。案内のメールの保証の段落と同じ言葉で書くので、口で説明するのは要点だけで済みます。

目標は、480本をならして1本1.5分です。 下書きを確かめて送る時間、予約が入ったときに用意を見る時間、未予約の電話と保証書を書く時間をならした値です。

Step10

例外に対処する

起きること対応
メールも携帯の番号も無い電話の印。保証の列を見ながら担当が電話する
保証の段落の数が台帳と合わない下書きを作らず担当に知らせる。担当が台帳の列から書く
保証の表に当てはまる行が無い式が空を返す。案内を止め、店長が保証の表を直す
加工のやり直しで完了が2回時刻は毎回違う値なので2回目でも動く。1回目の下書きは担当が消す
予約のメールで行が見つからない注文と違うメールで予約された。担当が Calendly の予約と台帳を見て書く
同じメールで2本が案内済み1本目に日時が入る。担当が2本目にも同じ日時を書き、2本を一緒に用意する
7日たっても予約が無い毎朝の一覧に載る。担当が電話する
AIのステップが失敗する下書きを作らず担当に知らせる。これまでどおり電話で伝える

4行目は、完了の時刻を見張っているから成り立ちます。 状態の列を見張っていたら、やり直した眼鏡の案内が出ません。 逆に、1回目の案内がすでに送られていたら、担当がお客様におわびの連絡をします。 1回目を送る前にやり直しが分かるよう、加工の担当は検品の後にチェックを入れます。

Step11

記録を残す

  • 注文の台帳(加工完了の時刻、AIの出力の全文、下書きを作った時刻、送った時刻、予約の日時、受取の日)
  • 担当が下書きを直した記録 … どの保証の段落を、どう直したか
  • そのときの保証の表の版(表を直した日)
  • SMS の送信の結果と、電話の依頼の記録
  • 予約の取り消しと、未予約の一覧に載った日

2つ目は、指示を直す材料です。 同じ保証の種類で言い換えが直されているなら、保証の表の言葉が分かりにくいか、指示の禁止が足りていません。

3つ目は、後で交換を頼まれたときのためです。 保証の表を改めた後に、前の条件で案内したお客様から交換を頼まれることがあります。どの版の表で案内したかが分かれば、 そのお客様にはその条件で応じられます。

04実装レベルの3段階

最小構成:保証の表と注文の区分を手でAIの画面に貼り、案内の文を出させる / 1本ごとの案内の文
半自動化:上記+加工完了の時刻で Zap を動かし、案内を下書きにする / 案内の文と下書き
本格構成:上記+Calendly の予約を台帳に戻し、用意するものを知らせ、未予約を毎朝一覧にする / 完了の案内から受取の準備まで

最小構成は、確かめるための段階です。 月480本には使えません。 半自動化で、1本6分が3分程度になります。 電話と保証の書き写しが無くなり、日時の聞き取りと予約表、かけ直しが残ります。本格構成で1.5分になり、この段階が本記事の想定です。 段階を飛ばさないでください。 半自動化の1か月で、担当が下書きのどこを直したかを見ると、保証の表の言葉の足りないところが分かります。それを直してから予約をつなぎます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
480 件
1件あたり現在時間
6 分
1件あたり導入後時間
1.5 分
現在  480件 × 6分 ÷ 60 = 48 時間/月
導入後 480件 × 1.5分 ÷ 60 = 12 時間/月
月間削減時間
36h
削減率
75%
年間削減時間
432h
年間金額換算(時間単価1,700円)
73万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 眼鏡を店内または加工の拠点で仕上げて受け渡す眼鏡店で、月に数百本の受け渡しがあり、加工の完了を電話で知らせていて、つながらないお客様へのかけ直しや受取の日時の聞き取りに手が取られている場合。度数の交換や破損の保証を店ごとに決めていて、保証書の書き写しや受取のときの口頭の説明が担当によってばらつく場合。遠近両用の初めてのお客様など、受取のときのフィッティングに時間をかけたいお客様を前もって分けたい場合。
向いていない
  1. 受け渡しが月に数十本で、担当が加工から受け渡しまで1人で見ている場合。即日の仕上げが中心で、お客様が店内で待って受け取る場合。保証の中身が商品ごとに細かく違い、表に書き出せない場合。なお、見え方や度数が合っているかの判断と、保証を適用するかの判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の注文から30件を選ぶ(単焦点、初めての遠近両用、子どもの眼鏡、度付きサングラス、フレームの素材の違いを混ぜる)
  2. 店の保証書を、保証の種類・期間・起点・条件・対象外・費用の6列の表にする
  3. 手元のAIサービスに、表のうち当てはまる行と注文の区分を貼り、「受取の案内と保証の説明を書いて。保証の言葉は省かずにそのまま使って。見え方や慣れ方は書かないで」と指示する
  4. 出てきた文を、店長が保証書と並べて見る

30件は必ずやってください。 Zap を組む前に、「表の値だけで、店が言いたい保証の説明になるのか」を確かめます。

出てきた内容判断
保証の言葉がそのまま入っている台帳の式と Zap を組む段階に進む
回数や費用の言葉が抜ける指示の書き方で直る。構成は有効
保証の表に書けない条件が多い保証の表を作り直すのが先

3行目は珍しくありません。 保証の条件の一部が、店長の頭の中にしか無かったということです。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
保証の回数や費用の言葉が抜ける言葉を省かないと指示し、担当が台帳と見比べる
受取から数える保証に日付が入る起点の列を持たせ、日付を書かないと指示する
加工のやり直しで案内が出ない前に見た値では動かない。 完了の時刻の列を見張る
宛名に架空の名前が入る名前を渡さず、宛名を書かせない。下書きで差し込む
予約が別のお客様の行に入るメールと状態をつないだ列で引き、2本目は人が確かめる
予約のページを取り違える30分と15分のページは台帳の式で選び、AIに選ばせない
店のほかの予約で Zap が動くトリガーでイベントの種類を受取の2つに絞る
SMS に店の電話番号を書く本文に電話番号は入れられない。 決まった文面にする
電話のお客様に下書きが作られるAI のステップの前に Paths で分ける
3つの分岐が同時に動く条件に合う分岐はそれぞれ動く。 値で重ならないように書く
AIのステップの既定が Premium段階を選び直す

上の2行が、お客様への約束を誤る失敗です。 どちらも、AIが文を短く、親切にしようとすることから起きます。言葉を省かせず、日付を数えさせないことで止めます。

次の行は、案内が出ない失敗です。 やり直した眼鏡ほど、お客様を待たせています。見張る列の選び方を最初に決めておきます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: お客様の名前、メール、携帯の番号、眼鏡の区分です。台帳には度数も並び、子どもの眼鏡では、子どもの名前と保護者の連絡先が入ります。

  1. AI に渡す列を限る … 案内の文に要るのは眼鏡の区分と保証の行と店の情報だけです。名前、連絡先、度数は渡しません
  2. 保証の判断を AI にさせない … 保証が使えるかは、受取の後に店が眼鏡を見て決めます。案内に書くのは表の値だけです
  3. 見え方の話を AI に書かせない … 見え方や慣れ方は、受取のときに担当がお客様と話して確かめます
  4. 案内は担当が確かめて送る … 保証の文はお客様への約束です。自動で送るのは、AIの文を含まない SMS だけにします
  5. 台帳の共有の範囲を決める … 台帳には度数と連絡先が並びます。店のアカウントと店員だけが開けるようにします
  6. 使うモデルの事業者を決める … AI by Zapier は、Zapier が用意するモデルのほか、自前のキーで事業者をつなぐ形も選べます。どの事業者に眼鏡の区分と保証の行を渡すかを決めて記録し、 子どもの眼鏡の注文も流れるので、その事業者の利用規約に未成年に関わる利用の制限がないかを確かめます

子どもの眼鏡でも、AIに渡すのは眼鏡の区分と保証の行だけです。 名前や学校名をAIの入力に入れない設計にしておけば、誰の眼鏡かがAIの事業者に渡りません。

誤りが起きた場合のリスクは、保証の条件を誤って伝えることと、受取の案内が漏れて眼鏡が店に残ることの2つです。 前者は表の言葉をそのまま使わせることと担当の見比べで、後者は完了の時刻の見張りと未予約の一覧で止めます。

10まず何から始めるか

1週目:保証の表を作る

店の保証書を、保証の種類・期間・起点・条件・対象外・費用の6列の表にします。子どもの眼鏡の保証も別の行にします。起点が「注文の日」か「受取の日」かを、店長と決め直します。

2週目:30件で試す

先月の注文30件の区分と保証の行を手元のAIサービスに貼り、案内の文を出させます。回数や費用の言葉が抜けていないか、見え方について書いていないかを最優先で見ます。

3週目:台帳に列と式を足す

注文の台帳に、加工完了のチェックと時刻、連絡の方法、予約のページ、保証の行を引く式の列を足します。加工の担当には、検品の後にチェックを入れてもらいます。

4週目:案内の Zap をつなぐ

完了の時刻で案内を下書きにするところまで作ります。この時点では受取の日時はこれまでどおり電話で聞きます。

2か月目: Calendly の予約のページを2つ作り、予約の Zap と未予約の一覧の Zap を足します。3か月目以降: 担当が直した記録から保証の表の言葉を直し、1本6分が何分になったかを実測します。電話のかけ直しが未予約の一覧だけになり、保証の説明が店でそろった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-27/最終更新:2026-10-27
確認した内容情報源確認日
Google Sheets の Updated Spreadsheet Row(既存の行が変わったときだけ動く)、Lookup Spreadsheet Row(最初に合う行を返す)、Lookup Spreadsheet Rows (Advanced)(最大500行)、Update Spreadsheet Row の操作Zapier: Google Sheets integrations2026-10-27
Updated Spreadsheet Row が見張る列の新しい値だけを拾い、前に見た値に戻しても動かないこと。一意の値の列か補助の列を勧めていることZapier Help: Updated Spreadsheet Row trigger isn't working2026-10-27
AI by Zapier が Professional・Team・Enterprise で使えること。Standard(1倍)・Advanced(3倍)・Premium(5倍、新しいステップの既定)と自前のキー。出力項目を決められることZapier Help: AI by Zapier2026-10-27
Paths の分岐が左から順に評価され、条件に合う分岐がそれぞれ動くこと。Paths と Filter がタスクに数えられないことZapier Help: Paths2026-10-27
Calendly の Invitee Created or Rescheduled、Invitee Canceled のトリガー(イベントの種類で絞れること)Zapier: Calendly integrations2026-10-27
Calendly と Zapier の連携に Standard 以上のプランが要ることCalendly Help: Calendly and Zapier2026-10-27
Gmail の Create Draft、Send Email の操作Zapier: Gmail integrations2026-10-27
Twilio の Send SMS の操作Zapier: Twilio integrations2026-10-27
日本向けの SMS で、本文に電話番号を入れられないこと。固定電話の番号には送れないことTwilio: Japan SMS Guidelines2026-10-27

保証を適用するかの判断と、見え方や度数が合っているかの確認は、店の担当がお客様と眼鏡を見て行ってください。 本記事は Zapier、Calendly、Twilio の公式ページで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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