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タイヤ販売店が点検で撮ったタイヤの溝・ひび割れ・偏摩耗の写真を Gemini で見て、交換の目安とお客様への説明文の下書きを作る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

店頭の点検で撮ったタイヤ4本の写真から、スリップサインの露出・ひび割れ・偏摩耗・ふくらみ・異物の刺さりの候補を位置付きで拾います。スタッフが計った溝の深さと合わせて、点検表とお客様への説明文の下書きを作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Google Apps Script/Python
対象業界
その他/小売
対象部門
営業
対象業務
内容確認・チェック/書類作成
主な課題
人手が足りない/属人化している/書類作成に時間がかかる
AIで行う処理
画像認識
主な効果
品質標準化/属人化解消/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
120h/月
AI導入後
45h/月
想定削減
63%
年間削減
900h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 作業の受付で、お客様に点検の案内をする
  2. スタッフが4本のタイヤの主溝の深さをデプスゲージで計り、点検表に書く
  3. トレッドとサイドウォールを目で見て、ひび割れ、偏摩耗、ふくらみ、釘などの刺さりを探し、点検表に書く
  4. 製造年週の表示を見て、点検表に書く
  5. 待合室のお客様のところへ点検表を持って行き、交換の目安を口で説明する
  6. 交換を勧める場合は、販売管理で見積を作る
  7. 点検表の内容を販売管理の顧客の記録に書き写す
導入後(After)
  1. 人作業の受付で、お客様に点検の案内をする
  2. 人スタッフが4本の主溝の深さを計り、タブレットの点検アプリに入れる
  3. 人タブレットで4本のトレッドと外側・内側のサイドウォールを決まった順に撮る
  4. 自動点検アプリが写真を Gemini API に渡し、損傷の候補と位置、製造年週の表示の書き写しの候補を受け取る
  5. 自動アプリが写真に印を描き、「スタッフが確かめる事項」の一覧を画面に出す
  6. 人スタッフが画面とタイヤを見比べ、候補ごとに「確認済み」「該当なし」を選ぶ。見落としていた箇所は足す
  7. 自動計った溝の深さと確かめた結果、店の目安から、タイヤごとの区分を規則で決め、説明文の下書きを作る
  8. 人スタッフが説明文を読み直し、お客様に写真を見せながら伝える
  9. 自動確定した点検の結果と写真を販売管理の顧客の記録に結び付け、お客様に点検の結果の控えを渡す
各工程の詳しい説明を読む
  1. 作業の受付で、お客様に点検の案内をする
  2. スタッフが4本のタイヤの主溝の深さをデプスゲージで計り、点検表に書く
  3. トレッドとサイドウォールを目で見て、ひび割れ、偏摩耗、ふくらみ、釘などの刺さりを探し、点検表に書く
  4. 製造年週の表示を見て、点検表に書く
  5. 待合室のお客様のところへ点検表を持って行き、交換の目安を口で説明する
  6. 交換を勧める場合は、販売管理で見積を作る
  7. 点検表の内容を販売管理の顧客の記録に書き写す

(a)見る場所が人によって違う。 タイヤの内側の肩、サイドウォールの下の方、スペアタイヤは、慣れた人は見ますが、入ったばかりの人は見ません。同じ店の同じ日でも、点検表の厚みが立った人で変わります。

(b)説明の仕方が経験で決まる。 日本自動車タイヤ協会(JATMA)は、タイヤの使用限度は残り溝1.6mmで、それ以前に新品に交換するよう案内しています。この数字を言うだけの人もいれば、溝の減り方の写真を見せて説明する人もいます。 説明の上手い人のいる店だけ、交換の見積が通ります。

(c)お客様の手元に残らない。 口で伝えた内容は、お客様が家に帰ると細部が抜けます。次の来店のときに「前回は何も言われなかった」と言われても、何を伝えたかを示せるものがありません。

(d)書き写しで抜ける。 点検表から販売管理への書き写しは、閉店前にまとめて行います。混んだ日の分は抜けます。 抜けた分は、次の点検のときに比べる材料になりません。

  1. 【人】 作業の受付で、お客様に点検の案内をする
  2. 【人】 スタッフが4本の主溝の深さを計り、タブレットの点検アプリに入れる
  3. 【人】 タブレットで4本のトレッドと外側・内側のサイドウォールを決まった順に撮る
  4. 【自動】 点検アプリが写真を Gemini API に渡し、損傷の候補と位置、製造年週の表示の書き写しの候補を受け取る
  5. 【自動】 アプリが写真に印を描き、「スタッフが確かめる事項」の一覧を画面に出す
  6. 【人】 スタッフが画面とタイヤを見比べ、候補ごとに「確認済み」「該当なし」を選ぶ。見落としていた箇所は足す
  7. 【自動】 計った溝の深さと確かめた結果、店の目安から、タイヤごとの区分を規則で決め、説明文の下書きを作る
  8. 【人】 スタッフが説明文を読み直し、お客様に写真を見せながら伝える
  9. 【自動】 確定した点検の結果と写真を販売管理の顧客の記録に結び付け、お客様に点検の結果の控えを渡す

6番目が、この設計の分かれ目です。 候補は、スタッフがタイヤのどこを見ればよいかの順番です。スタッフがその箇所に触れて確かめた結果だけが記録に残ります。 候補をそのまま点検表に入れると、誰も確かめていない損傷がお客様に伝わります。

7番目の区分を規則で決めているのも、意図してのことです。 「交換をお勧め」「次回の点検で確認」の線は、店の決まりで、時期や車種で変わります。AIには区分を決めさせず、決まりはアプリの側に置きます。

02今回想定するシステム構成

構成図
店頭の作業場(タブレットと撮影の手順書)
   ▼ スタッフが溝の深さを入れ、決まった順に撮る
点検アプリ(タブレット)
   ▼【トリガー】1台分の撮影を終えたとき
Python のサーバー(全店で共通)
   ├── 写真の向き・大きさを整える
   ▼
Gemini API(画像の理解・構造化出力)── 1台分の写真
   │   スリップサインの露出、ひび割れ、偏摩耗、ふくらみ、異物の候補と枠
   │   製造年週の表示の書き写しの候補
   ▼
点検アプリ ── 印を描いた写真と「確かめる事項」の一覧
   ▼
【人】スタッフがタイヤを確かめる → 確定の欄へ
   ▼
規則(溝の深さと店の目安)で区分 → 説明文の下書き
   ▼
【人】お客様に説明 → 販売管理の顧客の記録へ
役割想定する製品代替候補
処理Gemini API(タイヤの写真から損傷の候補と製造年週の表示の候補を返し、説明文の下書きを作る)Claude API、OpenAI API
連携Python(点検アプリとの受け渡し、前処理、呼び出し、区分の規則、印の描画)Google Apps Script
端末店頭のタブレットスマートフォン
記録販売管理の顧客と車両の記録-

新しく足すのは、タブレットと点検アプリ、Python のサーバー、Gemini API の契約です。 販売管理の見積と伝票の作り方は変えず、顧客と車両の記録に、点検の結果と写真を結び付けます。

写真を見る土台は、Gemini API の画像の理解です。 公式の案内では、対応する形式は PNG、JPEG、WEBP、HEIC、HEIF で、1つのリクエストに複数の画像を入れられます。 画像を直接入れる場合は、指示の文と合わせたリクエスト全体が20MBまでです。

位置は枠で返させます。 枠は [ymin, xmin, ymax, xmax] の順で、画像の大きさに対して0〜1000に正規化されます。元の画像の大きさを使って画素の位置に戻します。ひび割れやふくらみは、枠で場所を示せば足ります。

出力は構造化出力で受けます。 /v1beta/interactions に送り、response_format で mime_type を application/json にし、schema にスキーマを入れます。enum で値を決まった文字列に絞れます。値はアプリ側で検証するよう公式に書かれています。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

1台分の撮影を終えたときに動きます。 スタッフが点検アプリで4本の溝の深さを入れ、決まった順に写真を撮り、「この車の点検を終える」を押すと、写真がサーバーに送られます。溝の深さが4本ぶん入っていないと、終えるボタンが押せないようにします。 写真だけで先に進むと、説明文に数字の入らない点検の結果ができます。

お客様の作業の待ち時間の中で返る必要があります。 オイル交換などの作業が終わるまでの間に、スタッフは点検の結果を確かめ、説明の準備をします。一定の時間を過ぎても返らないときは、アプリが「目で確かめてください」と出し、これまでどおり点検表に書く流れに切り替えます。

点検アプリに入れるのは、18歳以上のスタッフのアカウントだけにします。 Gemini API の規約は、18歳以上であることを利用の条件とし、18歳未満の人に向けた、または使う見込みのあるアプリでの利用を認めていません。高校生のアルバイトが作業場に立つ店舗では、その人の点検はアプリを使わない流れにします。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
タイヤの写真4本それぞれのトレッド、外側のサイドウォール、内側のサイドウォール店頭のタブレット
溝の深さ4本それぞれの主溝の深さ(スタッフが計った数字)点検アプリ
車両の情報車種、タイヤのサイズ、夏用か冬用か、前回の点検の日販売管理
候補の種類の一覧スリップサインの露出、ひび割れ、偏摩耗(内側・外側・中央・段差)、ふくらみ、外傷、異物の刺さりサーバーに持たせる
店の目安溝の深さで「交換をお勧め」「次回確認」に分ける線、製造からの年数の線サーバーに持たせる

質を決めるのは、写真の撮り方です。 作業場の照明の下で、車体に付いたままのタイヤを斜めから撮ると、内側の肩は影になり、ひびは写りません。 撮影の手順書で、トレッドは真上に近い角度から、サイドウォールは横から光を当てて撮る、と決めます。

溝の深さは、AIに渡しません。 渡すと、写真の見え方を数字に合わせて読もうとします。数字は区分の規則と説明文の下書きだけに使い、写真の判定とは切り離します。

店の目安は、JATMA の案内を下限に、店で決めます。 JATMA は使用限度を残り溝1.6mmとし、それ以前に新品へ交換するよう案内しています。また、使用開始後5年以上たったタイヤは販売店などで点検を受けること、製造後10年たったタイヤは交換することを勧め、10年は目安だとしています。「何mmで交換をお勧めするか」は、この下限より上のどこに線を引くかを店で決めます。

Step3

データの取得方法を決める

写真は、点検アプリからサーバーに直接送ります。 アプリは車両の番号と溝の深さを一緒に送り、サーバーは写真を点検の番号のフォルダに置いてから Gemini API を呼びます。写真を先に保存してから呼ぶのは、呼び出しに失敗しても写真が残るようにするためです。

Gemini API へは、1台ごとに1回、まとめて渡します。 タイヤ1本ずつ呼ぶと、4本を比べて「右前だけ内側が減っている」という見方ができません。1台を1回の呼び出しにすると、どの写真がどのタイヤのどの面かを1つの JSON で受け取れます。 写真の並び順は、アプリが「左前のトレッド、左前の外側、左前の内側、右前の…」と決めて付けます。

車両の情報は販売管理から読むだけです。 タイヤのサイズと前回の点検の日を引き、説明文の下書きに使います。前回の点検で記録したひび割れや偏摩耗があれば、その箇所を「前回から続いている箇所」として一覧に出します。

有料の利用枠で使い、store を false にします。 Gemini API の規約では、有料のサービスではプロンプトと応答が製品の改善に使われないとされています。Interactions API は既定でやり取りを保存し(有料の枠で55日)、store=false で保存しない動きにできると案内されています。写真は自社のサーバーに残すので、AI側に残す必要はありません。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 形式と向き … タブレットの写真の向きの情報で回転しているだけのものは、画素を回転させます。トレッドの写真が横倒しのままだと、内側と外側が入れ替わります
  2. 縮小 … 長い辺を1,600ピクセル程度に縮めます。製造年週の表示を写した写真は、文字がつぶれないよう大きめに残します
  3. 写真の数の確認 … 4本×3面の12枚がそろっているかを見ます。足りない面は撮り直しを促し、撮れない面はスタッフが「撮影不可」を選びます
  4. ナンバープレートの確認 … 車体の写り込みでナンバープレートが入っていれば、その部分を塗りつぶします
  5. 車両の情報の付け足し … 夏用か冬用か、タイヤのサイズを指示に入れます
  6. 大きさの確認 … 12枚と指示の文を合わせて20MBを超えないかを見ます

3番目の「撮影不可」を軽く見ないでください。 内側のサイドウォールは、車体に付いたままでは見えにくい面です。写真が無い面について、AIが「損傷なし」と返す形にしてはいけません。 撮影不可の面は、説明文にも「今回は見ていない面」として残します。

Step5

AIに処理させる

させるのは、写真の中の損傷の候補を枠で返して種類を付けることと、製造年週の表示の書き写しの候補を返すことだけです。

返すもの中身判断できないときの扱い
スリップサイン露出しているように見える位置の候補光の加減で分からなければ unclear
ひび割れ・外傷写真の番号、枠、種類(ひび割れ、切り傷、えぐれ)汚れか傷か分からなければ unclear として候補に入れる
偏摩耗トレッドのどの側が減って見えるか(内側、外側、中央、段差)写真の角度で分からなければ unclear
ふくらみ・異物ふくらみ、釘やガラスなどの刺さりの位置の候補刺さりか小石の噛み込みか分からなければ unclear
製造年週の表示サイドウォールに見える数字と文字の書き写しの候補読めない文字は ?。写っていなければ not_visible
見えない範囲影や泥で見えない範囲範囲がはっきりしなければ写真ごと「見えない範囲あり」

右端の列の考え方は、迷ったらスタッフが見る側に倒すことです。 汚れか傷か分からないものは候補に入れます。候補が多いのは、スタッフがタイヤに触れて「汚れでした」と数秒で済みますが、候補から落ちたひびは、次の点検まで誰も見ません。

させないこと理由
溝の深さの推定写真では測れない。スタッフが計った数字を使う
使い続けてよいか・安全かの判断タイヤに触れたスタッフが決め、お客様に自分の言葉で伝える
損傷の原因の特定(空気圧不足、アライメントなど)写真では分からない。原因の見立ては店の整備の担当が行う
車検に通るかの判断検査を行う側が決める
製造年週から年数を計算すること書き写しの候補まで。年数の計算は規則の側で行う
交換の区分を決めること店の決まりで、規則の側で決める

2行目がいちばん起きやすい失敗です。 ひびの少ないタイヤの写真を渡すと、AIは「問題なく使用できます」と書きたがります。説明文にこの言葉が入ると、スタッフがそのままお客様に伝え、お客様にはそれが店の保証に聞こえます。 返すのは、写真で見える箇所の位置と種類までにします。

3行目は、説明文の下書きにも響きます。 偏摩耗の原因は空気圧やアライメントなどいくつか考えられますが、写真の減り方から1つに決めて書くと、お客様に誤った整備を勧めることになります。 JATMA の案内でも、偏摩耗の兆候があればローテーションを速やかに行うこととされており、何をするかは店の整備の担当が決めます。

説明文の下書きは、別の呼び出しで作ります。 1回目の呼び出しで損傷の候補を受け、スタッフが確かめたあと、確定した箇所と計った溝の深さ、規則で決めた区分だけを渡して、お客様向けの言葉に直させます。確かめていない候補は、2回目には渡しません。

Step6

指示内容を固定する

あなたはタイヤ販売店の店頭で、点検の写真から損傷の候補を探す手伝いをする係です。
写真は同じ1台の車のタイヤで、並び順は次のとおりです。
{1: 左前・トレッド, 2: 左前・外側サイド, 3: 左前・内側サイド, 4: 右前・トレッド, ...}
撮影できなかった面: {右後・内側サイド}

【タイヤの種類】{夏用/冬用}

【やること】
1. トレッドの写真で、次の候補を探す。
   スリップサインの露出、ひび割れ、切り傷、えぐれ、ふくらみ、
   釘・ガラス・金属片の刺さり、溝の小石の噛み込み。
2. トレッドの減り方が、内側・外側・中央のどこかに偏って見えるか、
   段差のように減って見えるかを、タイヤごとに返す。
3. サイドウォールの写真で、ひび割れ、切り傷、ふくらみの候補を探す。
4. 候補ごとに、写真の番号と枠を [ymin, xmin, ymax, xmax] の順で、
   0〜1000 に正規化して返す。種類と、見え方を短く書く。
5. サイドウォールに見える製造年週の表示を、見えるとおりに書き写す。
6. 影や泥で見えない範囲を返す。

【厳守事項】
- 溝の深さを書かないでください。写真から推し量らないでください。
- 「安全です」「使用できます」「交換が必要です」と書かないでください。
- 減り方や傷の原因(空気圧、アライメント、運転の仕方など)を書かないでください。
- 汚れか傷か分からないものは、kind を unclear にして候補に入れてください。
- 撮影できなかった面と、見えない範囲について「損傷なし」と書かないでください。
- 製造年週の表示は見えるとおりに写し、読めない文字は ? にしてください。
  年数を計算しないでください。
- ナンバープレート、人、車内については何も書かないでください。

「撮影できなかった面について損傷なしと書かない」を入れないと、点検表の空いた面が「異常なし」で埋まります。 内側のサイドウォールは損傷が見つかりにくい面で、見ていないことと、見て何も無かったことが区別できなくなります。

説明文の下書きの指示は、次の形です。

次の点検の結果を、お客様に渡す控えの文にしてください。
【確定した箇所】{スタッフが確認済みにした箇所}
【溝の深さ】{4本の数字} 【店の区分】{規則で決めた区分}
【厳守事項】
- 書かれている箇所と数字だけを使ってください。増やさないでください。
- 「安全」「保証」「まだ大丈夫」と書かないでください。
- 区分の言葉は渡したとおりに使い、言い換えないでください。
- 撮影できなかった面は「今回の点検では見ていない面」と書いてください。
Step7

出力形式を固定する

1台ごとに、次の形の JSON で受け取ります。 kind、wear_pattern は enum で決まった文字列に絞ります。

{
  "inspection_id": "S03-20261027-041",
  "findings": [
    { "photo": 4, "tire": "front_right", "box_2d": [120, 610, 260, 700],
      "kind": "wear_indicator | crack | cut | gouge | bulge | foreign_object | stone | unclear",
      "note": "トレッドの内側の肩に細かいひびが並んで見える" }
  ],
  "wear_patterns": [
    { "tire": "front_right", "wear_pattern": "inner | outer | center | stepped | none_seen | unclear" }
  ],
  "date_codes": [ { "photo": 5, "text": "?425", "state": "partly_readable" } ],
  "not_visible": [ { "photo": 9, "area": "下半分", "reason": "shadow | mud | not_photographed" } ]
}

1つ目の理由は、findings をそのまま「確かめる事項」の一覧にできることです。 アプリは findings をタイヤごとに並べ、写真に印を描きます。スタッフは一覧の上から順にタイヤのその箇所に触れ、確かめます。

2つ目は、確定の欄と分けて記録できることです。 顧客の記録には、各候補にスタッフが付けた「確認済み」「該当なし」と、スタッフが足した箇所が別の欄で残ります。後から見ると、AIが出した候補、スタッフが確かめた箇所、スタッフが足した箇所が区別できます。

3つ目は、区分の規則が findings と溝の深さだけを読めばよいことです。 区分はアプリの側で次のように決めます。

区分決め方の例(線の数字は店で決める)
交換をお勧め溝の深さが店の線を下回るタイヤがある、または確認済みのふくらみ・コードに達するように見える外傷がある
次回の点検で確認確認済みのひび割れ・偏摩耗がある、または製造からの年数が店の線を超える
今回は記録のみ上のどれにも当たらない
共通unclear が残っている、または撮影不可の面がある場合は、区分の横に「未確認の箇所あり」を付ける

お客様に渡す控えは、次の形です。

タイヤ溝の深さ確かめた箇所区分
左前4.2mm-今回は記録のみ
右前2.1mm内側の肩にひび(写真あり)交換をお勧め
右後3.8mm内側のサイドは今回見ていない面次回の点検で確認
Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
点検アプリサーバーとの受け渡し写真と溝の深さを受け、印を描いた写真と一覧を返す
Gemini APIAPI呼び出し(/v1beta/interactions、store=false)損傷の候補、偏摩耗の向き、製造年週の表示の候補、見えない範囲。2回目で説明文の下書き
販売管理読み取りと、点検の記録の書き込み車両の情報を読み、確定した点検の結果と写真の場所を書く
お客様への控え印刷またはメール確定した箇所、溝の深さ、区分、写真

販売管理の見積は、この構成から作りません。 交換を勧めるかどうか、どのタイヤを勧めるかはスタッフがお客様と話して決め、見積はこれまでどおり販売管理で作ります。 点検の結果から自動で見積を作ると、お客様には「交換ありき」の点検に見えます。

お客様への控えは、スタッフが説明を終えてから渡します。 控えを先に渡して説明を省くと、区分の言葉だけが一人歩きします。

Step9

人が確認する

  1. 候補をタイヤで確かめる … 一覧の上から順に、タイヤのその箇所に触れて見ます。「確認済み」か「該当なし」を選びます
  2. 見落としを足す … 指でなでて分かる段差や、写真に写らない溝の底の異物を足します
  3. 撮影不可の面を見る … ジャッキで上げる作業がある車は、そのときに内側を見て足します
  4. 説明文を読み直す … 区分の言葉と数字が合っているかを見て、お客様に写真を見せながら伝えます
  5. 外した候補を記録する … 汚れをひびと言った、模様をふくらみと言った、などの理由を残します

1番目を省かないでください。 AIの候補は写真に写ったものだけで、ふくらみや段差は、写真よりも指で触れたほうが確かに分かります。 確かめずに確定すると、写真の影が「ふくらみ」としてお客様に伝わります。

目標は、900件をならして1件3分です。 損傷の候補の少ない車は、溝を計って撮り、印の箇所を見るだけで済みます。候補の多い車や、撮り直しの多い車は数分かかります。 外す候補が1台で半分を超えるなら、撮影の角度か照明が崩れています。

Step10

例外に対処する

起きること対応
結果が一定の時間を過ぎても返らない「目で確かめてください」と出し、点検表に書く流れに切り替える
内側のサイドウォールが撮れない「撮影不可」を選び、控えに「今回は見ていない面」と書く
泥や雪でトレッドが見えない拭いてから撮り直す。拭けないときは not_visible のまま人が見る
溝の深さが入っていない終えるボタンを押せない。計り忘れを防ぐ
釘などの刺さりが確認された区分の規則とは別に、その場でスタッフが店の手順に沿ってお客様に伝える
スペアタイヤ・応急用タイヤこの構成の対象外として、目で見る流れにする
冬用タイヤタイヤの種類を指示に入れ、店の冬用の目安で区分する
18歳未満のスタッフの点検アプリを使わず、点検表に書く流れにする
JSON の値が enum に無い候補を出さず、目で確かめる流れに切り替える

上から3行目までが大半を占めます。 どれもAIの精度の問題ではなく、撮る順番と、撮れない面の扱いの問題です。 撮影の手順書を整えるほうが、指示の文をいじるより効きます。

Step11

記録を残す

  • 点検ごとの写真と、Gemini API が返した JSON の全文
  • 候補ごとにスタッフが付けた「確認済み」「該当なし」と、スタッフが足した箇所
  • 4本の溝の深さ、計った日時、計ったスタッフ
  • そのとき使った店の目安の線と、規則で決めた区分
  • お客様に渡した控えの文と、渡した日時

2つ目と4つ目が、次の点検のときの材料です。 前回の写真と溝の深さを並べて見られると、「半年でこれだけ減りました」と数字と写真で伝えられます。

4つ目で「そのときの線」を残すのは、店の目安が後から変わるためです。 線を見直したあとに過去の控えを見ると、当時の線が残っていないと、なぜその区分だったのかが分かりません。

04実装レベルの3段階

最小構成:写真を手で渡し、損傷の候補と製造年週の表示の候補を出させる / 1台ごとの候補の拾い出し
半自動化:上記+点検アプリから呼び、印を描いた写真と「確かめる事項」の一覧を画面に出す / 候補の拾い出しと一覧の表示
本格構成:上記+溝の深さと確かめた結果から区分を決め、説明文の下書きと控え、販売管理への記録まで出す / 点検表と説明文と書き写しの大部分

最小構成では、お客様の待ち時間の中で使えません。 手で写真を渡す時間がありません。確かめるための段階です。 半自動化で、1件8分が5分程度になります。 候補の拾い出しは自動になりますが、説明文と販売管理への書き写しが残ります。本格構成で3分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、確かめた結果がそのまま控えと記録になり、書き直しが無くなるからです。 段階を飛ばさないでください。 半自動化の一覧を1か月見ると、外す候補の多い車種やタイヤの銘柄が分かります。そこの撮り方と指示の文を直してから本格構成に進むほうが、店頭での確認が短くなります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
16 名
月間件数
900 件
1件あたり現在時間
8 分
1件あたり導入後時間
3 分
現在  900件 × 8分 ÷ 60 = 120 時間/月
導入後 900件 × 3分 ÷ 60 = 45 時間/月
月間削減時間
75h
削減率
63%
年間削減時間
900h
年間金額換算(時間単価2,500円)
225万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

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06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 店舗を数店から十数店持ち、オイル交換や空気圧の点検、季節のタイヤの履き替えのついでにタイヤの点検を行っているタイヤ販売店・カー用品店。点検表の書き方とお客様への説明が、スタッフの経験で大きく違う場合。点検のあとで交換を勧めても理由がうまく伝わらず、「まだ使えると言われた」「前回は何も言われなかった」と言われることがある場合。店頭のスタッフを18歳以上に限れる場合。
向いていない
  1. 1店舗で店長が点検から説明まで1人で行っていて、説明の仕方がそろっている場合。大型車・建設機械のタイヤが中心で、点検の基準が乗用車と大きく違う場合。点検の件数が月に数十件で、目で見て書けば足りる場合。なお、タイヤを使い続けてよいかの判断、損傷の原因の特定、車検に通るかの判断、事故やバーストの責任の判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 1店舗を選び、点検に来たお客様の了承を得て、30台分の写真を決まった順に撮る(うち10台は、ベテランのスタッフが交換を勧めた車)
  2. ナンバープレートが写った写真は外すか塗りつぶす
  3. Gemini API の有料の利用枠で、1台ずつ写真をまとめて渡す
  4. 「スリップサインの露出、ひび割れ、偏摩耗、ふくらみ、刺さりの候補を、写真の番号と枠で返してください。溝の深さ、安全かどうか、原因は書かないでください。製造年週の表示は見えるとおりに書き写してください」と指示する
  5. 出てきた候補を、ベテランのスタッフがタイヤを見て書いた点検表と突き合わせる

30台は必ずやってください。 アプリを組む前に、「自社の作業場の照明と撮り方で、ひびや偏摩耗が写るのか」を確かめます。

出てきた内容判断
ベテランが点検表に書いた箇所が、候補として出た点検アプリの作成に進む
「安全です」や原因を書いた指示の書き方で直る。構成は有効
内側の肩のひびや偏摩耗がほとんど出ない撮る角度と照明が先。 AIの問題ではない

3行目が出ることは珍しくありません。 失敗ではなく、ベテランがタイヤを指でなでていた理由が1つ分かったということです。 撮影の角度とライトの当て方を変えて、同じ車で撮り直してください。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
写真から溝の深さを書く指示で禁じる。 数字はスタッフが計った値だけを使う
「安全です」「まだ使えます」と書く指示で禁じ、説明文の下書きでも禁じる
候補がそのまま点検の確定になる確定の欄はスタッフの選択だけ。自動で移さない
撮れなかった面が「損傷なし」になる「撮影不可」を選ばせ、控えに見ていない面として書く
偏摩耗の原因を決めつける原因を書かせない。整備の担当が見立てる
内側と外側が入れ替わる写真の並び順をアプリが付け、向きを前処理で直す
汚れや模様をひびと言う撮る角度と照明を整え、unclear で候補に入れる
製造年週の表示を読み違える書き写しの候補まで。スタッフがタイヤで確かめてから年数を計算する
結果を待って作業場が詰まる時間を過ぎたら目で見る流れに切り替える

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、写真では分からないことを、分かったように書く失敗です。写真で見える位置だけを返させ、数字はスタッフが計り、区分は規則で決めるかどうかで、お客様への説明が店の責任のある言葉になるかが決まります。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: タイヤの写真、車種とタイヤのサイズ、点検の日時と結果です。写真にはナンバープレート、車体、お客様の持ち物が写り込むことがあります。

  1. アプリを使う人を18歳以上に限る … Gemini API の規約は、18歳以上であることを利用の条件とし、18歳未満の人が使う見込みのあるアプリでの利用を認めていません。点検アプリのアカウントは18歳以上のスタッフだけに発行します。 線引きが難しい店では、代替候補の Claude API などで同じ構成を組むことを検討します
  2. 写り込みを外す … ナンバープレートは前処理で塗りつぶし、お客様の名前や車両の番号はAIに渡しません。 車両の番号と顧客の対応は販売管理の側だけに置きます
  3. 有料の利用枠で、保存させない … 規約では、有料のサービスではプロンプトと応答が製品の改善に使われないとされています。Interactions API の store を false にします。禁止された使い方の検知のために限られた期間記録されることは書かれています
  4. 専門的な判断をAIに寄せない … Gemini API の規約は、専門的な助言をサービスに頼らないよう書いています。タイヤを使い続けてよいかはスタッフが決め、お客様に伝えます。 AIの候補はその材料です
  5. 交換を勧める文を自動で送らない … 控えは、スタッフが説明を終えてから渡します。営業のメールに点検の結果を自動で流用しません
  6. 写真の保存の期間を決める … 次の点検で比べるのに要る期間を決め、過ぎたら消します

誤りが起きた場合のリスクは、損傷を見落として「記録のみ」の控えを渡すことと、写真から推した「安全です」がお客様への約束になることの2つです。 前者は候補を確かめずに確定するか、撮れなかった面を「損傷なし」にすると起き、後者は使い続けてよいかを書かせると起きます。どちらも、候補と確定を分け、写っている位置だけを返させる設計で防げます。

10まず何から始めるか

1週目:撮影の順番と角度を決める

1店舗の作業場で、4本×3面を撮る順番と角度、ライトの当て方を決めます。撮影の手順書を1枚にまとめ、スタッフが同じ順で撮れるようにします。 内側のサイドウォールが撮れない車の扱いも決めます。

2週目:30台で試す

お客様の了承を得て30台を撮り、Gemini API に渡します。ベテランの点検表に書かれた箇所が候補に出るかと、溝の深さや「安全です」を書いていないかを最優先で見ます。

3週目:店の目安の線と説明の言葉を決める

溝の深さと製造からの年数で「交換をお勧め」「次回の点検で確認」に分ける線を、JATMA の案内を下限にして決めます。お客様に伝える言葉と、「まだ使えるか」と聞かれたときの答え方も決めます。

4週目:点検アプリから一覧までをつなぐ

1台分を撮ると候補の一覧が画面に出るところまで作ります。この時点では点検表は紙のまま続け、一覧と紙を見比べます。

2か月目: 「確認済み」「該当なし」の選択と、区分の規則、控えの印刷を足します。外した候補の理由を毎週数えます。3か月目以降: 販売管理への記録と前回の点検との並べ表示を足し、ほかの店舗に広げます。外した理由が撮影の手順書と指示の文に反映され、点検の控えが写真付きで全店にそろった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-27/最終更新:2026-10-27
確認した内容情報源確認日
対応する画像の形式が PNG、JPEG、WEBP、HEIC、HEIF であること。画像を直接入れる場合に、指示の文などを含むリクエスト全体が20MBまでであること。1つのリクエストに複数の画像を入れられること。枠が [ymin, xmin, ymax, xmax] の順で画像の大きさに対して0〜1000に正規化されること。大きな画像が768×768の区画に分けられ、区画ごとに258トークンであること。例が Interactions API で書かれていることGemini API: Image understanding2026-10-27
構造化出力が /v1beta/interactions に response_format で mime_type を application/json にし、schema にスキーマを入れて送る形であること。enum が使えること。値はアプリ側で検証するよう書かれていることGemini API: Structured output2026-10-27
Interactions API が既定でやり取りを保存し、有料の枠で55日、無料の枠で1日保持すること。store=false で保存しない動きにできることGemini API: Interactions2026-10-27
18歳以上であることが利用の条件で、18歳未満の人に向けた、または使う見込みのあるアプリでは使えないこと。有料のサービスではプロンプトと応答が製品の改善に使われないこと。禁止された使い方の検知などのために限られた期間記録されること。専門的な助言をサービスに頼らないよう書かれていることGemini API Additional Terms of Service2026-10-27
タイヤの使用限度が残り溝1.6mmで、それ以前に新品に交換すること。残り溝1.6mmの目安としてスリップサインが設けられていること。コードに達している外傷やゴム割れのあるタイヤを使わないこと。局部的なふくれが交換の目安とされていること。偏摩耗の兆候があればローテーションを速やかに行うこと。使用開始後5年以上たったタイヤは販売店などで点検を受けること、製造後10年たったタイヤは交換することを勧め、10年は目安であること日本自動車タイヤ協会: タイヤの日常点検2026-10-27

交換を勧める線の決め方、お客様への説明の仕方、損傷の見立ては、タイヤメーカーの案内と店の整備の担当の判断に沿って決めてください。 本記事は公開の資料で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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