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デイサービスが毎月ケアマネジャーへ送る空き状況と行事の案内を、利用予定の集計から事業所ごとに下書きする

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

翌月の利用予定から曜日ごとの空き状況を集計し、行事や新しいサービスの予定とあわせて、地域のケアマネジャーへ送る案内文を事業所ごとに下書きします。生活相談員は読んで直し、送るだけになります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
介護/医療
対象部門
営業
対象業務
書類作成/集計・分析
主な課題
人手が足りない/営業フォローが追いつかない/書類作成に時間がかかる
AIで行う処理
生成
主な効果
品質標準化/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
API連携(中)
人間の確認
必須
現在工数
18h/月
AI導入後
6h/月
想定削減
67%
年間削減
144h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 生活相談員が、利用予定の表を開き、翌月の曜日ごとの利用予定の人数を数える
  2. 定員から引いて、曜日ごとの空きを紙に書き出す
  3. 行事の予定と新しいサービスを、職員の会議のメモから拾う
  4. 共通の案内文を、前月の文を直して作る
  5. 送り先の一覧を見ながら、事業所ごとに強調する段落を入れ替え、宛名を変える
  6. メールの事業所にはメールで、FAXの事業所にはFAXで送る
  7. 送った日を一覧に書く
導入後(After)
  1. 人生活相談員が、送り先の一覧に事業所ごとの関心(入浴、機能訓練、認知症への対応、短時間、送迎の範囲など)を書いておく
  2. 人毎月20日までに、行事と新しいサービスの予定を「今月の案内」のシートに書く
  3. 自動利用予定の表の式が、翌月の曜日ごとの空きを数と区分(空きあり/少しあり/空きなし)にする
  4. 自動毎月25日の朝に Zap が動き、空きの集計、今月の案内、送り先の一覧を取る
  5. 自動送り先の事業所ごとに、AIが関心に合わせた案内文を書く
  6. 自動案内文を、送付の管理表に事業所ごとの行として書く
  7. 人生活相談員が管理表で案内文を読み、直し、承認の列を「メール」「FAX」「送らない」のどれかにする
  8. 自動承認の列が「メール」になった行から、共有の Gmail で事業所へ送る
  9. 人「FAX」の行は、生活相談員が印刷してFAXで送る
各工程の詳しい説明を読む
  1. 生活相談員が、利用予定の表を開き、翌月の曜日ごとの利用予定の人数を数える
  2. 定員から引いて、曜日ごとの空きを紙に書き出す
  3. 行事の予定と新しいサービスを、職員の会議のメモから拾う
  4. 共通の案内文を、前月の文を直して作る
  5. 送り先の一覧を見ながら、事業所ごとに強調する段落を入れ替え、宛名を変える
  6. メールの事業所にはメールで、FAXの事業所にはFAXで送る
  7. 送った日を一覧に書く

(a)事業所ごとの書き分けに時間がかかる。 5番目で、90か所の宛名と強調する段落を1つずつ入れ替えます。同じ文を少しずつ変える作業で、途中で前の事業所の名前が残ったまま送ってしまうことがあります。

(b)空きの数字を写し間違える。 2番目で数えた空きを、4番目と5番目で案内文に写します。利用予定は月の途中でも変わるので、下書きを作った日と送った日で数字が違うこともあります。 「火曜に空きあり」と案内したのに、問い合わせが来たときにはもう埋まっていた、ということが起きます。

(c)忙しい月は案内が出ない。 生活相談員は、利用者や家族の相談、ケアマネジャーとの連絡、新規の利用者の契約も受け持っています。下旬に相談が重なると、案内は後回しになり、そのまま翌月の初めになってしまいます。 案内が来ない月が続くと、ケアマネジャーの頭の中から事業所の名前が消えていきます。

(d)書き方が担当で違う。 1人は空きを数字で、もう1人は「若干名」と書きます。

  1. 【人】 生活相談員が、送り先の一覧に事業所ごとの関心(入浴、機能訓練、認知症への対応、短時間、送迎の範囲など)を書いておく
  2. 【人】 毎月20日までに、行事と新しいサービスの予定を「今月の案内」のシートに書く
  3. 【自動】 利用予定の表の式が、翌月の曜日ごとの空きを数と区分(空きあり/少しあり/空きなし)にする
  4. 【自動】 毎月25日の朝に Zap が動き、空きの集計、今月の案内、送り先の一覧を取る
  5. 【自動】 送り先の事業所ごとに、AIが関心に合わせた案内文を書く
  6. 【自動】 案内文を、送付の管理表に事業所ごとの行として書く
  7. 【人】 生活相談員が管理表で案内文を読み、直し、承認の列を「メール」「FAX」「送らない」のどれかにする
  8. 【自動】 承認の列が「メール」になった行から、共有の Gmail で事業所へ送る
  9. 【人】 「FAX」の行は、生活相談員が印刷してFAXで送る

7番目が、この設計の分かれ目です。 AIの案内文は、承認の列を人が選ぶまで送られません。生活相談員が1件ずつ読み、送る方法を自分で選びます。

3番目を表の式に任せているのも、意図してのことです。 空きの数は、利用予定の表から機械的に決まります。AIに利用予定を渡して数えさせると、利用者の名前を外部に渡すことになり、数え間違いも起きます。 表の式なら、利用予定が変わればその場で数が変わります。

02今回想定するシステム構成

構成図
利用予定の表(利用者ごと)
   │  表の式で翌月の曜日ごとの空きを集計(数と区分だけ)
   ▼【トリガー】毎月25日 9時(Schedule by Zapier の Every Month)
Zapier(Zap 1:案内文を作る)
   ├──▶ Google Sheets:Lookup Spreadsheet Row(翌月の空きの集計の行)
   ├──▶ Google Sheets:Lookup Spreadsheet Row(今月の案内の行)
   ├──▶ Google Sheets:Lookup Spreadsheet Rows (Advanced)(送り先の一覧)
   ├──▶ Looping by Zapier:Create Loop From Line Items(事業所ごと)
   │       ├──▶ AI by Zapier(Claude、Bring Your Own Key)── 案内文を書く
   │       └──▶ Google Sheets:Create Spreadsheet Row(送付の管理表)
   ▼
【人】生活相談員が管理表で読み、直し、承認の列を選ぶ
   ▼【トリガー】承認の列の変更(New or Updated Spreadsheet Row)
Zapier(Zap 2:送る)
   ├──▶ Filter by Zapier(承認が「メール」のときだけ進む)
   ├──▶ Gmail:Send Email(事業所へ)
   └──▶ Google Sheets:Update Spreadsheet Row(送った日時)
役割想定する製品代替候補
ワークフローZapierMake、n8n、Power Automate
生成AIClaude API(AI by Zapier の Bring Your Own Key)OpenAI API、Gemini API
連携Google スプレッドシート(利用予定の表・送り先の一覧・送付の管理表)Zapier Tables
連携Gmail(デイサービスの共有のアドレス)Outlook
FAX事業所のFAX(人が送る)インターネットFAX

利用予定の表と送り先の一覧は、いま使っているものに手を入れます。 利用予定の表には、曜日ごとの空きを数える集計のシートを足します。送り先の一覧には、関心と送付の方法の列を足します。新しく作るのは、今月の案内のシートと、送付の管理表です。

AIの呼び出しは、Zapier の AI by Zapier を使います。 プロンプトを書き、出力の項目(Output Fields)を名前と型で決めると、その項目ごとに値を返します。モデルは Zapier が用意するものか、自分のアカウントをつなぐ Bring Your Own Key(OpenAI、Anthropic、Google Gemini、Azure OpenAI、Amazon Bedrock)を選べます。 Zapier が用意するモデルは段階によってタスクの消費が1倍〜5倍で、新しいステップの既定は Premium(5倍)です。Bring Your Own Key は1倍なので、Anthropic のアカウントをつないで Claude を使います。

事業所ごとの繰り返しは、Looping by Zapier で行います。 Create Loop From Line Items で、送り先の一覧の行(ラインアイテム)を1件ずつ回します。Looping by Zapier はオープンベータで、開発中のため変わることがあるとされています。 Professional、Team、Enterprise のプランで使えます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

Zap 1 は、毎月25日の朝9時に予定で動かします。 Schedule by Zapier の Every Month で、Day of the Month と Time of Day を決めます。予定は Zap の設定ではなく、Zapier のアカウントの時間帯で動きます。 アカウントの時間帯が日本になっているかを、最初に確かめます。変えたときは、Zap を一度止めて動かし直す必要があります。

25日にしているのは、翌月の利用予定がおおむね固まる時期だからです。ケアプランの翌月分の提供票がそろうのが月の下旬で、それより早いと空きの数が大きく変わります。遅すぎると、ケアマネジャーが翌月のプランを組み終えてしまいます。

Zap 2 は、送付の管理表の承認の列が変わったときに動かします。 Google Sheets の New or Updated Spreadsheet Row を使い、見張る列を承認の列だけにします。 すべての列を見張ると、生活相談員が案内文を直しているだけで Zap が動いてしまいます。Zapier のヘルプも、特定のトリガーの列を選ぶことを勧めています。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
翌月の空きの集計曜日ごと・午前午後ごとの空きの数と、区分(空きあり/少しあり/空きなし)利用予定の表の集計のシート(表の式)
今月の案内翌月の行事、新しいサービス、休業日、見学の受付の案内今月の案内のシート(生活相談員が書く)
送り先の一覧事業所名、ケアマネジャーの名前、送付の方法、メールアドレス、関心、送迎の範囲、前回のやり取りのメモ送り先の一覧
書き方の決まり敬称、空きの書き方(数か区分か)、使わない語、署名生活相談員が用意する一覧

質を決めるのは、送り先の一覧の「関心」の列です。 ここが空なら、AIは共通の案内しか書けません。「認知症の方の受け入れ」「入浴を希望する方が多い」「送迎の範囲の端」のように、1〜3語で書いておくと、事業所ごとの段落が具体的になります。 これは、生活相談員の頭の中にあった選び方を、一覧の列に書き出す作業です。

前回のやり取りのメモには、利用者の名前を書かない決まりにします。 「先月、土曜の入浴の空きを問い合わせいただいた」のように、事業所とのやり取りだけを書きます。このメモはAIに渡るので、利用者の情報を入れると外部に出ることになります。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこからどのステップで
翌月の空きの集計集計のシートGoogle Sheets の Lookup Spreadsheet Row(月の列で引く)
今月の案内今月の案内のシートGoogle Sheets の Lookup Spreadsheet Row
送り先の一覧送り先の一覧Google Sheets の Lookup Spreadsheet Rows (Advanced)(状態が「送る」の行)
事業所ごとの繰り返し上の行Looping by Zapier の Create Loop From Line Items
案内文ClaudeAI by Zapier

Lookup Spreadsheet Rows (Advanced) は、列と値で探した行を最大500行までラインアイテムとして返します。 90か所なら1回で取れます。送り先が500か所を超えるなら、地区ごとにZapを分けます。

空きの集計は、利用予定の表とは別のシートにします。 集計のシートには、月、曜日、午前午後、定員、予定の数、空きの数、区分だけを置きます。Zapier がつなぐのは、この集計のシートの行だけです。 利用予定の表そのもの(利用者の名前が入ったシート)を、Zap の参照先にしません。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 区分を表の式で決める … 空きの数が5以上なら「空きあり」、1〜4なら「少しあり」、0なら「空きなし」のように、区分の境目を表の式で決めます
  2. 休業日を落とす … 祝日や年末年始の休業日は、集計のシートで「休業」にします。AIには休業日の空きを渡しません
  3. 送らない事業所を落とす … 送り先の一覧の状態が「休止中」「送らない」の事業所は、Lookup の条件で外します
  4. 今月の案内が空でないか確かめる … 空なら Zap を止めて、生活相談員に知らせます(Filter by Zapier で、案内の列が空のときに止める)
  5. メールアドレスを確かめる … 送付の方法が「メール」なのにアドレスが空の事業所は、管理表に「アドレス未登録」と書きます

1番目の区分の境目は、デイサービスで決めます。 空きの数をそのまま書くか、区分で書くかは、問い合わせが来たときに受けられるかどうかで決めます。数を書くと、月の途中で変わったときに案内と食い違います。区分にしておくと、少しの変化では案内とずれません。

4番目を省かないでください。 案内のシートが空のまま動くと、AIは空き状況だけで文を作り、行事や新しいサービスがあるのに書かれていない案内が90か所に並びます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、事業所1か所ずつについて、渡した空きの区分と今月の案内を、その事業所の関心に合わせて並べ替えた案内文を書くことだけです。

書くもの中身書けないときの扱い
件名「〇月の空き状況とご案内」とデイサービスの名前-
宛名と書き出し事業所名、ケアマネジャーの名前、季節のあいさつ1文名前が空なら「ご担当者様」
曜日ごとの空き区分を曜日の順に並べる(午前午後があれば分ける)区分をそのまま写す
関心に合わせた段落関心の列に合う空きや案内を1〜2文で取り上げる関心が空なら書かない
行事と新しいサービス今月の案内のシートの内容書かれていなければ書かない
見学と問い合わせの案内決まった文と連絡先-
取り上げた理由関心に合わせた段落で、どの関心とどの情報を結び付けたか管理表にだけ書く

いちばん下の「取り上げた理由」が、生活相談員の確認を速くします。 「関心:入浴 → 火曜午後の空きと個別入浴の時間帯を取り上げた」のように、なぜその段落を選んだかを並べさせます。 生活相談員は、選び方が自分の考えと合っているかを1行で確かめられます。

させないこと理由
空きの数や区分を変える表の式で決めた値だけを使う
利用回数を増やす、サービスを足すよう頼む運営の基準が禁じる不当な働きかけになりうる
紹介へのお礼の品や特典を書く利益の供与を思わせる
「必ずお受けできます」と書く受け入れの可否は、利用者の状態を聞いてから決める
案内に無い行事やサービスを書く事実だけを書く
他のデイサービスと比べる比べる根拠を渡していない

2行目と3行目が、この構成でいちばん気をつけるところです。 AIに「新規の利用者を増やしたい」と伝えると、「ご利用回数を週2回に増やしてみませんか」「ご紹介いただいた方に」のような文を自然に書きます。 ケアマネジャーへの案内で、そうした文は書いてはいけません。指示で禁じ、生活相談員の確認でも見ます。

Step6

指示内容を固定する

あなたはデイサービスの生活相談員で、地域の居宅介護支援事業所の
ケアマネジャーへ、毎月の空き状況とご案内のメールを書く立場です。
渡した空きの区分、今月の案内、送り先の情報だけを使って書いてください。

【書くもの】
1. 件名:「{month}の空き状況とご案内({facility_name})」
2. 宛名と季節のあいさつ(1文)
3. 曜日ごとの空き:曜日の順に、区分をそのまま並べる
4. 関心に合わせた段落:送り先の関心に合う空きや案内を1〜2文。関心が空なら書かない
5. 行事と新しいサービス:今月の案内にあるものだけ
6. 見学と問い合わせの案内(決まった文をそのまま使う):{fixed_contact}

【厳守事項】
- 空きは「空きあり」「少しあり」「空きなし」の区分をそのまま写してください。
  数に言い換えたり、区分を変えたりしないでください。
- 利用回数を増やすこと、サービスを追加することを頼む文を書かないでください。
- 紹介へのお礼、特典、贈り物を思わせる文を書かないでください。
- 「必ずお受けできます」「すぐにご利用いただけます」と書かないでください。
  受け入れは、ご本人の状態をうかがってから相談する、と書いてください。
- 今月の案内に無い行事・サービス・設備を書かないでください。
- 他の事業所との比較を書かないでください。
- 利用者の名前、要介護度、病名を書かないでください。
- reason には、関心に合わせた段落で、どの関心とどの情報を結び付けたかを書いてください。
- 本文は「です・ます」で、400字以内にしてください。

【翌月の空きの区分】{vacancy}
【今月の案内】{monthly_notice}
【送り先】事業所名:{office}/ケアマネジャー:{cm_name}/関心:{interests}
         送迎の範囲:{area}/前回のやり取り:{last_memo}

「受け入れは、ご本人の状態をうかがってから相談する」と書かせているのは、空きがあることと受けられることが違うからです。 空きがあっても、入浴の介助の体制や送迎の経路で受けられない方がいます。案内の段階で受け入れを約束すると、問い合わせのあとで断ることになります。

「区分をそのまま写す」も同じ理由です。 AIは読みやすさのために「火曜は2〜3名ほど空いています」と数に言い換えます。表の区分は、少しの変化では変わらないように作ってあります。 数に戻すと、その工夫が消えます。

Step7

出力形式を固定する

AI by Zapier の出力の項目(Output Fields)として、次の項目を決めておきます。 項目ごとに型と説明を付け、必ず返す項目には印を付けます。

項目名型中身
subjectテキスト件名
bodyテキスト本文(宛名から署名の前まで)
highlightedテキスト関心に合わせて取り上げた空きや案内(無ければ空)
reasonテキスト取り上げた理由(どの関心とどの情報を結び付けたか)
questionsテキスト生活相談員に確かめてほしいこと(無ければ空)

送付の管理表には、次の並びで1行ずつ書きます。

| 事業所名 | 送付の方法 | 件名 | 本文 | 取り上げた点 | 理由 | 確認事項 | 承認 | 送った日時 |
| ○○居宅介護支援事業所 | メール | 11月の空き状況とご案内(△△デイサービス) | (本文) | 火曜午後の空き、個別入浴 | 関心:入浴 → 火曜午後の空きと個別入浴の時間帯 | | (人が選ぶ) | |

項目を分けて受ける1つ目の理由は、本文と確認の材料を分けられることです。 reason と questions は管理表にだけ書き、メールには入れません。本文に確認事項が混ざると、ケアマネジャーに「確認してほしいこと」が届いてしまいます。

2つ目は、管理表の1行で読めることです。 生活相談員は、本文の横に取り上げた点と理由を見ながら読みます。90行を上から順に読み、承認の列を選んでいくだけで済みます。

AI by Zapier は、前の実行のことを覚えていません。 実行のたびに知識がリセットされるので、前月にどう書いたかは、前回のやり取りのメモの列で渡します。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
集計のシートGoogle Sheets の Lookup Spreadsheet Row翌月の空きの区分を取る(読むだけ)
今月の案内のシートGoogle Sheets の Lookup Spreadsheet Row行事と新しいサービスを取る(読むだけ)
送り先の一覧Google Sheets の Lookup Spreadsheet Rows (Advanced)送り先の行をラインアイテムで取る
ClaudeAI by Zapier(Bring Your Own Key)事業所ごとの案内文
送付の管理表Google Sheets の Create Spreadsheet Row、Update Spreadsheet Row案内文の行を足し、送った日時を書く
共有の GmailGmail の Send Email(Zap 2)承認が「メール」の行を送る

Zap 2 では、Filter by Zapier で承認が「メール」の行だけを先へ進めます。 条件に合わなければ、そこで Zap が止まります。「FAX」「送らない」の行は、メールの送信に進みません。 Filter は Professional 以上のプランで使えます。

送るのは、生活相談員が直した後の本文です。 Zap 2 は管理表の行の本文の列を読むので、生活相談員が管理表で直した文がそのまま送られます。 AIが最初に書いた文を送ることはありません。

Gmail には送信の上限があり、超えると最大24時間の停止になることがあります。 90か所は1日の上限には遠いですが、同じ日に別の一斉送信をする予定がある場合は、日をずらします。

Step9

人が確認する

生活相談員は、送付の管理表の90行を全件読みます。 ここは省けません。ケアマネジャーとの関係は、デイサービスにとっていちばん大事な関係です。

  1. 集計のシートの区分を先に見る … 25日の時点の区分が、自分の感覚と合っているかを確かめます。合わなければ、利用予定の表の入力が遅れていないかを見ます
  2. 取り上げた点と理由を読む … 関心と取り上げた情報の結び付きが合っているかを見ます
  3. 本文を読む … 回数の増加を頼む文、受け入れを約束する文、案内に無い行事が無いかを見ます
  4. 確認事項を見る … あれば、本文を直してから承認します
  5. 承認の列を選ぶ … 「メール」「FAX」「送らない」から選びます

1番目を最初にするのは、区分が誤っていれば90行すべてが誤っているからです。 1行ずつ読む前に、元の数字を1回だけ確かめます。

目標は、90件をならして1件4分です。 取り上げた点と理由を見て、本文を流し読みし、承認を選ぶまでで3分前後、FAXの印刷と送信が加わる事業所はもう少しかかります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
今月の案内のシートが空Filter で Zap 1 を止め、生活相談員に知らせる
集計のシートに翌月の行が無いLookup が空になる。Zap 1 を止め、集計のシートを確かめる
関心の列が空の事業所関心に合わせた段落を書かず、共通の案内だけにする
メールアドレスが空管理表に「アドレス未登録」と書き、承認の列で「FAX」を選ぶ
送り先が500か所を超える地区ごとに Zap を分ける
25日以降に予定が大きく変わる集計のシートの区分を見直し、管理表の本文を直してから承認する
メールが届かず戻ってくる送り先の一覧のアドレスを確かめ、FAXで送り直す
AI by Zapier のステップが失敗する管理表に「失敗」の行を書き、生活相談員が共通の案内から作る
承認の列を誤って「メール」にした送信は取り消せない。送る前の列の選び直しは、行を読み終えてから行う決まりにする

いちばん下の行は、仕組みでは防げません。 承認の列を選んだ瞬間に Zap 2 が動きます。生活相談員には、1行を読み終えてから列を選ぶ、まとめて選ばない、という決まりを守ってもらいます。

Step11

記録を残す

  • Zap 1 を動かした日時と、そのときの集計のシートの区分
  • 今月の案内のシートの内容
  • 事業所ごとの案内文(AIが書いたもの)と、取り上げた点・理由・確認事項
  • 生活相談員が直した後の本文と、承認の列の選択
  • 送った日時と送った方法(メール・FAX)
  • ケアマネジャーからの問い合わせと、どの案内を見ての問い合わせか

4つ目は、書き方の決まりを育てる材料です。 生活相談員が毎月同じ箇所を直しているなら、指示か書き方の決まりの一覧に足します。

最後の行は、関心の列の見直しに使います。 どの事業所から、どの曜日やサービスについて問い合わせが来たかを数か月分並べると、関心の列に書くべきことが分かってきます。

04実装レベルの3段階

最小構成:空きの区分と案内を手で生成AIの画面に貼り、案内文を書かせる / 1か所ごとの案内文
半自動化:上記+毎月25日に Zap 1 で全事業所の案内文を管理表に書き、承認した行を Zap 2 でメールで送る / 案内文の作成、メールの送付と記録
本格構成:上記+ケアマネジャーからの問い合わせを管理表に集め、関心の列の見直しの候補を出す / 関心の見直しまで

最小構成では、90か所に届きません。 1か所ずつ貼る形なので、確かめるための段階です。 半自動化で、1件12分が4分程度になります。 書き分けと宛名の書き換え、メールの送付と記録が自動になり、生活相談員は読んで承認を選ぶだけになります。この段階が本記事の想定です。 FAXの事業所は、印刷と送信が人に残ります。 本格構成は、問い合わせを管理表に書く習慣ができてから進みます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
2 名
月間件数
90 件
1件あたり現在時間
12 分
1件あたり導入後時間
4 分
現在  90件 × 12分 ÷ 60 = 18 時間/月
導入後 90件 × 4分 ÷ 60 = 6 時間/月
月間削減時間
12h
削減率
67%
年間削減時間
144h
年間金額換算(時間単価2,500円)
36万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 定員に空きのある曜日があり、地域の居宅介護支援事業所のケアマネジャーへ毎月空き状況を知らせているデイサービス(通所介護・地域密着型通所介護)。送り先が数十か所あり、生活相談員が事業所ごとに案内文を書き分けている場合。利用予定を Google スプレッドシートで持ち、共有の Gmail から案内を送れる場合。
向いていない
  1. 定員がほぼ埋まっていて、空き状況を知らせる必要が少ない場合。送り先の事業所が数か所で、電話や訪問で足りている場合。送り先のほとんどがFAXだけで、メールで送れる事業所が無い場合。なお、どの事業所にどの頻度で案内するか、受け入れの可否の判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 送り先の一覧から10か所を選ぶ(関心のはっきりした事業所と、よく分からない事業所の両方を入れる)
  2. その10か所に先月送った案内文を集める
  3. 先月の曜日ごとの空きの区分と、行事の予定と、10か所の関心を、手元の生成AIの画面に貼る
  4. 第7章の指示を少し短くして渡し、10か所分の案内文を書かせる
  5. 出てきた案内文を、先月実際に送ったものと見比べる

10か所は必ずやってください。 Zap を組む前に、「関心の書き方で、事業所ごとの段落が書き分けられるか」を確かめます。

出てきた内容判断
実際に送ったものと同じくらい書き分けられたZap に進む
回数の増加を頼む文や、受け入れの約束が入った指示の書き方で直る。構成は有効
どの事業所にも同じ段落しか書けない関心の列の書き方が先。 AIの問題ではない

3行目が出たら、関心の列を書き直します。 「熱心」「よく紹介してくれる」のような書き方では、取り上げる情報が決まりません。「入浴」「土曜」「認知症」のように、デイサービスの情報と結び付けられる語で書きます。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
回数の増加を頼む文が入る指示で禁じ、生活相談員の確認でも見る
受け入れを約束する文が入る「ご本人の状態をうかがってから」と書かせる
空きの区分が数に言い換えられる「区分をそのまま写す」を指示に入れる
利用者の名前がAIに渡る集計のシートだけを参照し、メモに名前を書かない決まりにする
案内を直している途中で Zap 2 が動く見張る列を承認の列だけにする
タスクが想定の数倍になるAI by Zapier を Bring Your Own Key にする
予定がアカウントの時間帯でずれるZapier のアカウントの時間帯を日本にする
今月の案内が空のまま動くFilter で止める
どの事業所にも同じ段落になる関心の列を具体的な語で書く
承認の選び間違いで送ってしまう1行を読み終えてから列を選ぶ決まりにする

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、AIが「新しい利用者を増やしたい」という目的に沿って、親切に書き足すことから起きます。指示で禁じるだけでなく、生活相談員が1行ずつ読むことで防ぎます。

4行目は、気づかないうちに起きます。 メモに「〇〇様の件で」と書けば、その名前がAIに渡ります。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 曜日ごとの空きの区分、行事とサービスの予定、居宅介護支援事業所の名前とケアマネジャーの名前・メールアドレス、事業所とのやり取りのメモです。利用者の名前や要介護度は、AIに渡しません。

  1. 利用者の情報を渡さない … 空きは表の式で数と区分にしてから渡します。利用予定の表そのものを、Zap の参照先にしません
  2. 不当な働きかけと利益の供与を書かない … 指定居宅サービス等の運営の基準は、通所介護の事業者に対して、ケアマネジャーに利用者に必要のないサービスを位置付けるよう求めるなどの不当な働きかけと、特定の事業者のサービスを利用させることの対償として金品その他の財産上の利益を供与することを禁じています(通所介護には準用の規定で適用されます)。AIに、回数の増加の依頼や、紹介へのお礼を思わせる文を書かせません
  3. 広告として虚偽や誇大にしない … 同じ基準は、事業所について広告をする場合に、内容を虚偽又は誇大なものにしてはならないとしています。案内に無い設備やサービスを書かせず、他の事業所との比較もさせません
  4. 送る判断を人に残す … 承認の列を選ぶのは生活相談員です。AIの文がそのまま送られる経路を作りません
  5. ケアマネジャーの連絡先を守る … 送り先の一覧は、90か所のケアマネジャーの名前とアドレスの一覧です。AIに渡すのは、その回の1か所分だけです
  6. Bring Your Own Key の扱いを決める … Anthropic のアカウントの API キーを Zapier に登録します。キーを管理する人を決め、退職や異動のときに取り替えます

誤りが起きた場合のリスクは、ケアマネジャーへの不適切な働きかけと、受けられない方を受けられると案内することの2つです。 前者は指示と生活相談員の確認で、後者は区分の写しと「状態をうかがってから」の一文で防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:送り先の一覧に2つの列を足す

送り先の一覧に、「関心」と「送付の方法」の列を足します。生活相談員2名で、90か所の関心を1〜3語で書きます。あわせて、前回のやり取りのメモに利用者の名前を書かない決まりを確かめます。

2週目:集計のシートを作る

利用予定の表から、翌月の曜日ごと・午前午後ごとの空きの数と区分を出す集計のシートを作ります。区分の境目(空きあり・少しあり・空きなし)を、問い合わせが来たときに受けられるかどうかで決めます。

3週目:10か所で試す

10か所を選び、手元の生成AIに空きの区分と案内と関心を貼って案内文を書かせます。回数の増加を頼む文、受け入れの約束、区分の数への言い換えが無いかを最優先で見ます。

4週目:Zap 1 をつなぐ

Schedule by Zapier から、集計のシート、今月の案内、送り先の一覧、Looping、AI by Zapier、送付の管理表までを作ります。この時点では Zap 2 を作らず、管理表の行を読んで、これまでどおり手で送ります。

2か月目: Zap 2 を作り、承認の列の「メール」からの送付を始めます。3か月目以降: ケアマネジャーからの問い合わせを管理表に書き、1件12分が何分になったかを実測します。25日に案内文がそろい、下旬が忙しい月にも毎月の案内が欠けずに出せた時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-13/最終更新:2026-10-14
確認した内容情報源確認日
AI by Zapier でプロンプトと出力の項目(Output Fields)を決められること。モデルが Zapier の段階(Standard・Advanced・Premium、新しいステップの既定は Premium)か Bring Your Own Key(OpenAI、Anthropic、Google Gemini、Azure OpenAI、Amazon Bedrock)であること。タスクの消費が Standard 1倍・Advanced 3倍・Premium 5倍・Bring Your Own Key 1倍であること。前の実行から学ばないことZapier: Use AI by Zapier to analyze and return data2026-10-13
Schedule by Zapier の Every Month で Day of the Month と Time of Day を決めること。予定がアカウントの時間帯で動き、変えたら Zap を止めて動かし直すことZapier: Schedule Zap workflows2026-10-13
Lookup Spreadsheet Row、最大500行をラインアイテムで返す Lookup Spreadsheet Rows (Advanced)、New or Updated Spreadsheet Row、Create Spreadsheet Row、Update Spreadsheet Row があることZapier: How to get started with Google Sheets2026-10-13
Looping by Zapier の Create Loop From Line Items の手順。オープンベータで変わることがあり、Professional・Team・Enterprise で使えることZapier: Loop your Zap actions2026-10-13
すべての列を見張ると小さな編集でも Zap が動くため、特定のトリガーの列を選ぶよう勧めていることZapier: Google Sheets triggers unexpectedly or too soon2026-10-13
Filter で条件に合うときだけ後のステップに進み、合わなければ Zap が止まること。Professional 以上で使えることZapier: Add conditions to Zap workflows with filters2026-10-13
Gmail の Send Email、Create Draft などがあること。送信の上限を超えると最大24時間の停止になりうることZapier: How to get started with Gmail2026-10-13
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準の第34条(広告:虚偽又は誇大の禁止)、第34条の2(不当な働きかけの禁止)、第35条(居宅介護支援事業者に対する利益供与の禁止)と、これらを通所介護に準用する第105条e-Gov 法令API: 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準2026-10-13

どの事業所にどの頻度で案内するか、受け入れの可否は、デイサービスの管理者と生活相談員で決めてください。 本記事は上の公開情報で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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