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発明の掘り起こしの打合せ(Teams)の記録から、出たアイデアごとの課題・構成・効果を発明提案書の骨子にまとめ、発明者に確かめる質問を添える

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

知財部と研究開発のグループが開く発明の掘り起こしの打合せ(Teams)の記録を、出たアイデアごとに分けます。アイデアごとに課題・構成・効果を発明提案書の骨子にし、発明者に確かめる質問を添えます。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
対象業界
IT・SaaS/医療/建設/製造
対象部門
知財/研究開発
対象業務
書類作成/記録・議事録作成
主な課題
人手が足りない/属人化している/書類作成に時間がかかる
AIで行う処理
生成
主な効果
品質標準化/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
必須
現在工数
40h/月
AI導入後
13h/月
想定削減
68%
年間削減
324h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 知財部の担当が打合せを設定し、テーマを研究開発のグループに伝える
  2. 打合せで技術者の話を聞き、メモを取る
  3. 打合せの後、メモと録画を見返し、アイデアを1件ずつに切り分ける
  4. アイデアごとに、課題・構成・効果・実施の手がかり・変形の例を骨子に書く
  5. 構成や効果があいまいな箇所を、発明者への質問として書き出す
  6. 骨子と質問を発明者に送り、案件の一覧に登録する
導入後(After)
  1. 人知財部の担当が打合せを主催する。前日に、テーマ、グループの直近の開発の一覧、骨子の5つの欄の説明を会議のチャットに貼る
  2. 人打合せの冒頭で、文字起こしを骨子づくりに使うことを出席者に伝え、了解を得てから始める
  3. 人担当は、アイデアが出るたびに「これをアイデア3とします」と番号を口で付ける
  4. 人打合せの最後に、担当がアイデアの番号と一言の名前を読み上げ、出席者に確かめる
  5. 人打合せの当日中に、担当が会議のチャットから Copilot を開き、決めておいた指示文を送る
  6. 自動Copilot が、アイデアの番号ごとに話を集め、課題・構成・効果・実施の手がかり・変形の例を、発言の引用と時刻を付けて出す
  7. 自動Copilot が、構成や効果があいまいな箇所を、発明者に確かめる質問にする
  8. 自動Copilot が、学会・展示会・顧客への提示・論文などの予定が話に出た箇所と、社外の人の関与が話に出た箇所に印を付ける
  9. 人担当が、出力を発明提案書の様式の Word に移し、Word の Copilot で手引に沿って欄を整える
  10. 人担当が、引用と時刻で中身を確かめ、骨子と質問を発明者に送る。公開の予定の印があるものは、知財部の上長にすぐ知らせる
各工程の詳しい説明を読む
  1. 知財部の担当が打合せを設定し、テーマを研究開発のグループに伝える
  2. 打合せで技術者の話を聞き、メモを取る
  3. 打合せの後、メモと録画を見返し、アイデアを1件ずつに切り分ける
  4. アイデアごとに、課題・構成・効果・実施の手がかり・変形の例を骨子に書く
  5. 構成や効果があいまいな箇所を、発明者への質問として書き出す
  6. 骨子と質問を発明者に送り、案件の一覧に登録する

(a)切り分けに時間がかかる。 アイデアは話の途中で生まれ、別の話に移り、20分後に戻ってきます。同じアイデアの話が打合せの中に3か所に散らばっていることも珍しくありません。 録画を何度も行き来して、1件分の話を集めます。

(b)埋もれるアイデアがある。 打合せの最後のほうで「そういえば」と出た話や、技術者が「大したことではない」と言いながら話した工夫は、メモに残りにくい部分です。録画を見返す時間が取れない月は、メモにあるアイデアだけが骨子になります。

(c)構成が担当の言葉で埋まる。 技術者が「ここを少し斜めにしたら詰まらなくなった」と言ったとき、担当が骨子に「傾斜面を設けることで搬送路の詰まりを防止する」と書きます。どの角度で、何に対して斜めなのかは、言われていません。 担当の言葉で埋めた骨子は、発明者が読むと「そういう意味ではない」となり、直しが増えます。

(d)公開の予定が見落とされる。 打合せの雑談で「この試作、来月の展示会に出すんですよ」と出ても、メモはアイデアの中身に集中していて、予定は残りません。 骨子が出る2週間後には、展示会が終わっていることがあります。

  1. 【人】 知財部の担当が打合せを主催する。前日に、テーマ、グループの直近の開発の一覧、骨子の5つの欄の説明を会議のチャットに貼る
  2. 【人】 打合せの冒頭で、文字起こしを骨子づくりに使うことを出席者に伝え、了解を得てから始める
  3. 【人】 担当は、アイデアが出るたびに「これをアイデア3とします」と番号を口で付ける
  4. 【人】 打合せの最後に、担当がアイデアの番号と一言の名前を読み上げ、出席者に確かめる
  5. 【人】 打合せの当日中に、担当が会議のチャットから Copilot を開き、決めておいた指示文を送る
  6. 【自動】 Copilot が、アイデアの番号ごとに話を集め、課題・構成・効果・実施の手がかり・変形の例を、発言の引用と時刻を付けて出す
  7. 【自動】 Copilot が、構成や効果があいまいな箇所を、発明者に確かめる質問にする
  8. 【自動】 Copilot が、学会・展示会・顧客への提示・論文などの予定が話に出た箇所と、社外の人の関与が話に出た箇所に印を付ける
  9. 【人】 担当が、出力を発明提案書の様式の Word に移し、Word の Copilot で手引に沿って欄を整える
  10. 【人】 担当が、引用と時刻で中身を確かめ、骨子と質問を発明者に送る。公開の予定の印があるものは、知財部の上長にすぐ知らせる

3番目と4番目の番号付けが、この設計の分かれ目です。 番号が口で付いていれば、Copilot は話が散らばっても番号でアイデアを集められます。 番号の無い打合せでは、アイデアの切れ目をAIが推し量ることになり、2つのアイデアが1つにまとまったり、1つが2つに割れたりします。

6番目で、構成に引用を付けさせるのは、言われていない構成を骨子に入れないためです。 引用の無い構成は、骨子に書かずに質問に回します。

02今回想定するシステム構成

構成図
打合せの前日:テーマ、直近の開発の一覧、骨子の5つの欄の説明を会議のチャットへ
   ▼
Teams 会議(知財部の担当が主催。出席者の了解を得て文字起こしを開始)
   │  アイデアが出るたびに番号を口で付ける/最後に番号と名前を読み上げる
   ▼【トリガー】打合せの終了と文字起こしの保存
Microsoft Copilot(Teams 会議の Copilot に、決めておいた指示文を送る)
   ├──▶ アイデアごとの課題・構成・効果・実施の手がかり・変形の例(引用と時刻)
   ├──▶ 発明者に確かめる質問
   └──▶ 公開の予定の印/社外の人の関与の印
   ▼
Microsoft Copilot(発明提案書の様式の Word で、手引のファイルを指して欄を整える)
   ▼【担当が引用と時刻で確かめる】
発明者へ骨子と質問を送付/案件の一覧に登録/公開の予定は上長へ
役割想定する製品代替候補
処理Microsoft Copilot(旧称 Microsoft 365 Copilot。Teams 会議の Copilot と、Word の Copilot)ChatGPT Enterprise、Gemini、Claude
会議Microsoft Teams(文字起こし)Zoom の文字起こし
保管SharePoint(発明提案書の骨子、手引、案件の一覧)-

新しく足すのは、発明発掘チーム4名の Copilot のライセンスだけです。 技術者の側にライセンスは要りません。Teams 会議の Copilot は、会議の参加者のうち Copilot のライセンスを持つ人が、自分にだけ見えるプロンプトを送れるとされています。

打合せは、知財部の担当が主催します。 公式のページでは、参加者の組織の外で主催された会議では Copilot が動かないとされています。大学や取引先との共同研究の打合せで相手が主催すると、この構成は使えません。

打合せは、月1回の繰り返しの予定にせず、1回ずつ設定します。 公式のページでは、定期的な会議で後の回の文字起こしが行われると、前の回の Copilot とのやり取りの履歴が使えなくなるとされています。骨子を発明者が直している最中に、前の回の Copilot の出力に戻れなくなるのを避けます。

Word の側では、手引のファイルを「/」で指します。 公式のページでは、Word の Copilot で特定の資料を使うときは「/」を入力してファイルを選ぶとされています。手引の書き方に欄をそろえるところを Word で行い、中身を集めるところを会議の Copilot で行う、と役目を分けます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

打合せが終わり、文字起こしが保存されたことを起点にします。 Teams 会議の Copilot は、会議が終わった後に質問するには文字起こしが必要とされています。出席者の了解が得られず文字起こしをしなかった打合せは、この構成に乗りません。

担当の会議ポリシーは、Copilot を「On with saved transcript required」にします。 公式のページでは、これが既定の値で、主催者の会議オプションが「会議中と会議後」に固定されるとされています。文字起こしを始めるのは、出席者の了解を得てからです。

指示文を送るのは、打合せの当日中です。 担当は打合せに出ていたので、アイデアの切り分けの誤りに記憶で気づけます。公開の予定の印も、早く出るほど出願の準備の時間が取れます。 会議のチャットの右上の「Copilot を開く」から、または「まとめ」のタブから開けると公式のページにあります。

指示文は、知財部の共有のフォルダに1つだけ置き、4名が同じものを使います。 担当ごとに指示文を変えると、骨子の書き方のばらつきがそのまま残ります。直すときは1か所を直し、版の日付を付けます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
文字起こし発言者と時刻の付いた打合せの発言Teams 会議の記録
会議のチャット前日に貼ったテーマ・直近の開発の一覧・骨子の欄の説明、打合せ中に貼られた資料の名前や数値会議のチャット
指示文アイデアの集め方、骨子の欄、質問の作り方、印の付け方知財部の共有のフォルダ
発明提案書の様式欄の並びと見出しWord のひな形
書き方の手引欄ごとの書き方の例と、避ける書き方Word の文書(「/」で指す)

質を決めるのは、2行目の会議のチャットです。 公式のページでは、文字起こしがあるとき、Copilot は会議のチャットと文字起こしの両方を使い、文字起こしが始まると会議の24時間前までのチャットも含めるとされています。前日に貼る一覧は、打合せの24時間前より後に貼ります。

【第3グループ 10月 掘り起こし】
テーマ:搬送ユニットの新機種(K-200)の開発で工夫したこと
直近の開発の一覧:
 ・K-200 搬送路の改良(試作3号機まで)
 ・検査工程の治具の見直し
 ・量産ラインの立ち上げ(11月)
骨子の欄:
 1 従来の課題  2 解決の構成  3 効果  4 実施の手がかり  5 変形の例
アイデアが出たら、担当が「アイデア1」「アイデア2」と番号を付けます。

直近の開発の一覧を貼るのは、アイデアを開発の名前に結び付けるためです。 技術者は「あの3号機の件」と短く話します。一覧があれば、Copilot は「3号機」がどの開発かを一覧から結び付けられます。

図は文字起こしに入りません。 打合せでホワイトボードや画面に描いた図は、口で説明した部分だけが記録に残ります。 担当は、図を描いた技術者に「いまの図を言葉で言うと」と促し、図そのものは打合せの後にファイルで受け取ります。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
文字起こしと会議のチャット会議のチャットから開いた Copilot がそのまま使うアイデアの集め、骨子、質問、印
指示文共有のフォルダから担当が写して送る出力の形をそろえる
手引Word の Copilot で「/」を入力して選ぶ欄の書き方をそろえる

会議の Copilot に、別の打合せの記録を混ぜません。 会議のチャットから開いた Copilot が使うのは、その打合せの文字起こしとチャットです。前の月の打合せで同じアイデアが出ていても、結び付けるのは担当が案件の一覧で行います。

Word に移すときは、会議の Copilot の出力を写します。 公式のページでは、機密のラベルが会議の内容の書き出しを止めている場合や、会議のチャット・字幕・文字起こしのコピーと転送を止める設定がある場合には、Copilot の応答を Word に書き出せないとされています。発明の掘り起こしの打合せに機密のラベルを付けている会社は、書き出しを止める設定かどうかを先に確かめ、止めているなら、Word の作業を省いて会議の Copilot の出力から直接骨子を作る運用にします。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 打合せを知財部の担当が主催する … 研究開発のグループから届いた招待は使わず、こちらで1回ずつ設定し直します
  2. 打合せの24時間前より後に、テーマと直近の開発の一覧と骨子の欄をチャットに貼る
  3. 打合せの冒頭で、骨子づくりに使うことを伝える … 了解が得られてから文字起こしを始めます
  4. アイデアが出るたびに番号を口で付ける … 「これをアイデア3とします」と言います。前のアイデアに話が戻ったら「アイデア1の続きです」と言います
  5. 図を言葉にしてもらう … 「どこが、何に対して、どう違うか」を促します
  6. 最後に番号と一言の名前を読み上げる … 「アイデア1は搬送路の傾斜、アイデア2は治具の兼用」と言い、出席者に確かめます

どれも、打合せの進め方の決まりです。 システムの前処理ではなく、担当が打合せの中で行う前処理です。とくに4番目は、アイデアの切れ目をAIに推し量らせないための決まりです。

4番目の番号付けは、技術者の話を止めない程度に行います。 話の途中で割り込まず、一区切りしたところで「いまのをアイデア3としますね」と言うだけで足ります。

Step5

AIに処理させる

させるのは、番号ごとに話を集め、骨子の欄に、打合せで言われた言葉を引用付きで並べること、足りない欄を質問にすること、決まった種類の話に印を付けることだけです。

拾うもの拾い方拾えないときの扱い
従来の課題従来の製品や工程で困っていたことの発言を引用する「言及なし」→ 質問へ
解決の構成何を、どう変えたかの発言を引用する。形・位置・材料・手順の言葉を残す「どこが・何に対して」が無ければ質問へ
効果変えたことで何が良くなったかの発言を、構成と結び付けて引用する構成との結び付きが無ければ質問へ
実施の手がかり試作の番号、数値、条件の発言「言及なし」
変形の例「他の形でも」「別の工程でも」の発言「言及なし」
発言した人そのアイデアについて話した人の名前と、話した部分-
印公開の予定(学会・展示会・論文・顧客への提示・サンプルの出荷)/社外の人の関与「該当なし」

「発言した人」は、発明者を決めるための欄ではありません。 誰がどこを話したかを並べるだけで、誰を発明者とするかは、知財部と発明者が別に決めます。 打合せで話した人が発明者とは限らず、話していない人が発明者のこともあります。

させないこと理由
言われていない構成で欄を埋める発明の中身と発明者が記録からずれる。足りなければ質問にする
特許になるか(新規性・進歩性)を書く先行技術を見ていないAIが書くと、根拠の無い見込みが残る
発明者を決める発明者の認定は、知財部と発明者が決める
請求項の形の文を作る権利の範囲の書き方は、弁理士と知財部の仕事
2つのアイデアを独断でまとめる・分ける番号に従う。番号と話が合わないときは担当への注意に出す

1行目がいちばん起きやすい失敗です。 「ここを斜めにしたら詰まらなくなった」から、「搬送面に対して5度から15度の傾斜面を設け」と書き足します。 数値も向きも、技術者は言っていません。引用の無い構成は書かない、と指示と出力の形の両方で縛ります。

Step6

指示内容を固定する

あなたは知財部の発明発掘の担当を手伝い、発明の掘り起こしの打合せから、
アイデアごとの発明提案書の骨子と、発明者への確認の質問を作る立場です。
この打合せの文字起こしと会議のチャットだけを見てください。
一般的な技術の知識や、他社の製品の情報で補わないでください。

【アイデアの集め方】
- 担当が口で付けた「アイデア1」「アイデア2」の番号ごとに話を集めてください。
- 「アイデア1の続き」と言われた部分も、アイデア1に入れてください。
- 番号の付いていない話でアイデアらしいものは、「番号なし」として別に出してください。

【骨子の欄】(アイデアごと)
1 従来の課題  2 解決の構成  3 効果  4 実施の手がかり  5 変形の例
- 各欄は、打合せの発言を引用し、発言者と時刻を付けてください。
- 欄の文は、引用を短くまとめるだけにしてください。
  引用に無い形・位置・数値・材料・手順を書き足さないでください。
- 引用が無い欄は「言及なし」とし、発明者への質問に回してください。

【発明者への質問】
- 構成について「どこが・何に対して・どう違うか」が言われていない箇所。
- 効果が、どの構成から生まれるのかが言われていない箇所。
- 数値や条件が「少し」「だいたい」で言われている箇所。
- 1つのアイデアにつき3問までにし、答えやすい形にしてください。

【印】
- 学会・展示会・論文・顧客への提示・サンプルの出荷など、
  社外に見せる予定が話に出た箇所(予定の日と、どのアイデアか)。
- 社外の人(大学・取引先・委託先)が関わったと話に出た箇所。

【厳守事項】
- 特許になりそうか、新規性や進歩性があるかを書かないでください。
- 誰が発明者かを書かないでください。「発言した人」を並べるだけにしてください。
- 請求項の形の文を作らないでください。
- 番号と話の中身が合わないときは、まとめたり分けたりせず、
  「担当への注意」に書いてください。

【出力】
1. アイデアの一覧(番号、一言の名前、発言した人)
2. アイデアごとの骨子(5つの欄、引用と時刻)
3. アイデアごとの発明者への質問
4. 印(公開の予定/社外の人の関与)
5. 番号なしの話
6. 担当への注意

「引用に無いものを書き足さない」を、欄の説明と厳守事項の両方に書いています。 1か所だけだと、欄の文を整える途中で、技術的にもっともらしい言葉が足されます。

質問を「1つのアイデアにつき3問まで」に絞るのは、発明者が答えるからです。 10問並んだ質問票は後回しにされ、骨子が発明提案書になるまでの時間がかえって延びます。

Step7

出力形式を固定する

会議の Copilot には、表で返させます。 担当は表を、発明提案書の様式の Word にそのまま移せます。欄の並びを様式と合わせておくことが、この構成での構造化の役目です。

【アイデアの一覧(第3グループ 10/8)】
| 番号 | 一言の名前 | 発言した人 |
| 1 | 搬送路の傾斜 | 山本、伊藤 |
| 2 | 検査治具の兼用 | 伊藤 |

【アイデア1 骨子】
| 欄 | 内容 | 引用 | 発言者 | 時刻 |
| 従来の課題 | 小さな部品が搬送路で詰まる | 「K-100 だと小さいのが詰まるんですよ」 | 山本 | 00:12:40 |
| 解決の構成 | 搬送路の一部を斜めにした | 「ここを少し斜めにしたら」 | 山本 | 00:13:05 |
| 効果 | 詰まりが減った | 「3号機では詰まらなくなった」 | 山本 | 00:13:20 |
| 実施の手がかり | 試作3号機 | 「3号機では」 | 山本 | 00:13:20 |
| 変形の例 | 言及なし | - | - | - |

【アイデア1 発明者への質問】
1. 斜めにしたのは搬送路のどの部分で、何に対してどの向きに斜めですか。
2. 斜めにしたことで、なぜ詰まりが減るのですか。
3. 斜めの角度は、どのくらいの範囲で試しましたか。

【印】
| 種類 | 内容 | アイデア | 発言者 | 時刻 |
| 公開の予定 | 「3号機は来月の展示会に出します」 | 1 | 伊藤 | 00:51:10 |

1つ目の理由は、骨子の各欄に引用が並ぶことです。 発明者は、自分の言葉がどの欄に入ったかを読めます。担当の言葉で埋めた骨子より、直す量が少なくなります。

2つ目は、質問が骨子の空欄と対になっていることです。 上の例では、構成の「どこが・何に対して」が言われていないので、それが1問目になっています。質問に答えてもらえば、そのまま空欄が埋まります。

3つ目は、公開の予定の印が別の表になっていることです。 上の例では、アイデア1の試作機が来月の展示会に出ます。骨子を読む前に、この表だけを見て上長に知らせられます。

Word に移した後、Word の Copilot で手引を「/」で指して、欄の文を手引の書き方にそろえます。 このときも、引用の列は消さずに残し、欄の文だけを整えるよう指示します。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Teams 会議会議のチャットから Copilot を開く文字起こしと会議のチャットを読む
発明提案書の様式担当が出力を Word に移すアイデアごとに1ファイル
書き方の手引Word の Copilot で「/」で指す欄の文をそろえる
発明者担当が骨子と質問を Teams のチャットかメールで送るアイデアごとの骨子と質問
案件の一覧担当が SharePoint の一覧に登録する番号、名前、発明者の候補、状態
知財部の上長担当が印の表を送る公開の予定のあるアイデア

案件の一覧には、Copilot から書き込みません。 一覧は、出願か秘匿かを決める審査の入口で、担当が確かめたアイデアだけが入る形にします。

Step9

人が確認する

この構成では、全件を担当が確かめます。 骨子は発明者に送り、発明提案書の元になるからです。

  1. 印の表を先に見る … 公開の予定があるアイデアは、その日のうちに上長に知らせます
  2. アイデアの切り分けを確かめる … 番号ごとの話が、打合せの最後の読み上げと合っているかを見ます
  3. 構成の欄を引用と照らす … 引用に無い言葉が入っていないかを、時刻から発言を開いて見ます
  4. 質問を読み直す … 発明者が答えやすい形か、答えると空欄が埋まるかを見ます
  5. 番号なしの話を見る … アイデアとして拾うかを担当が決めます

3番目を省かないでください。 引用に無い構成が骨子に残ると、発明者が「こういう意味でもいい」と受け入れてしまい、 発明の中身が打合せで言われたことから離れます。

目標は、1回あたり39分です。 録画の行き来が無くなり、確かめる箇所が引用と時刻で示されることで、見る場所が決まります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
共同研究の相手先が主催した打合せだったCopilot は動かない。担当のメモで作り、次回から知財部が主催する
出席者が文字起こしに同意しなかったこの構成の対象から外し、従来どおりメモで作る
番号を付け忘れた「番号なし」として出させ、担当が記憶と時刻で番号を付け直す
図で説明した部分が多い引用が少なく「言及なし」が増える。図をファイルで受け取り、質問で言葉にしてもらう
社外の人が話した印の表に出させ、共同の発明になりうるかを知財部が確かめる
前の月の打合せと同じアイデアが出た結び付けはAIにさせない。担当が案件の一覧で探して結び付ける
英語で話す海外の拠点の技術者が出た話し言葉の設定を英語にし、引用は英語のまま、欄の文は日本語で書かせる
会議の途中で文字起こしが止まった止まった後のアイデアは拾えない。出力の最後の時刻を見て、メモで補う
Copilot の応答を Word に書き出せない機密のラベルか設定が書き出しを止めている。会議の Copilot の出力から骨子を作る

上から5行目は、見落とすと後で大きくなります。 打合せで「大学の先生に相談したら」と出たアイデアは、発明者や権利の持ち分の話につながります。 印を付けて知財部に回すところまでをこの構成で行い、判断は知財部が行います。

Step11

記録を残す

  • 打合せの文字起こしと、会議のチャットに貼った一覧
  • Copilot の出力(アイデアの一覧・骨子・質問・印)の全文と、使った指示文の版
  • 担当が直した箇所 … どの欄の文を、どう変えたか
  • 発明者に送った骨子と質問、発明者の答え
  • 公開の予定の印と、上長に知らせた日
  • グループごとの「番号なし」と「言及なし」の件数

Copilot の出力は、骨子とは別に保存します。 公式のページでは、文字起こしが使えなくなると Copilot とのやり取りの履歴も消えるとされています。出力を Word の別ファイルとして、グループのフォルダに置きます。

担当が直した箇所は、指示文を直す材料になります。 同じ種類の書き足しを何度も消しているなら、指示文の厳守事項に1行足せば、次の回から消す手間が減ります。

04実装レベルの3段階

最小構成:会議の Copilot に骨子の欄を貼り、アイデアごとの表を作らせる / 1回の打合せの骨子の一次整理
半自動化:上記+決めた指示文と番号付けの進め方で、骨子・質問・印をそろえ、Word の Copilot で手引に合わせる / アイデアの切り分け、骨子、質問、印
本格構成:上記+発明者の答えを Copilot で骨子に反映し、案件の一覧への登録を Power Automate で行う / 答えの反映と登録

本記事の想定は半自動化です。 1回120分が39分になるのは、録画の行き来と、空欄から質問を考える作業が無くなるからです。 本格構成でも、発明者の答えの反映は担当が確かめます。 答えから骨子を直すときも、答えに無い構成を書き足さない決まりは同じです。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
20 件
1件あたり現在時間
120 分
1件あたり導入後時間
39 分
現在  20件 × 120分 ÷ 60 = 40 時間/月
導入後 20件 × 39分 ÷ 60 = 13 時間/月
月間削減時間
27h
削減率
68%
年間削減時間
324h
年間金額換算(時間単価5,000円)
162万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 研究開発のグループと知財部が定期的に発明の掘り起こしの打合せを開き、1回の打合せで複数のアイデアが出る製造業・IT企業・医療機器メーカー・建設会社。打合せの後に知財部の担当者が録画を見返してアイデアを切り分け、発明提案書の骨子に起こす作業に時間がかかり、骨子にできないまま埋もれるアイデアがある場合。骨子の書き方が担当者ごとに違う場合。知財部の担当者が Microsoft Copilot(旧称 Microsoft 365 Copilot)を使える場合。
向いていない
  1. 発明の届出が年に数件で、掘り起こしの打合せを開いていない場合。打合せをほとんど共同研究の相手先が主催する場合(Copilot が使えない)。発明者が文字起こしを残すことに同意しない場合。なお、出願するか、ノウハウとして秘匿するか、誰を発明者とするか、新規性や進歩性があるかの判断は、知財部と発明者、弁理士が行います。この構成は打合せの記録を骨子に起こすもので、判断は代替しません。

07最小構成で試す方法

  1. 文字起こしが残っている先月の掘り起こしの打合せを2回分選ぶ(アイデアが多く出た回を入れる)
  2. 会議のチャットから Copilot を開き、骨子の5つの欄と、引用を付ける決まりを貼る
  3. 「この打合せで出たアイデアを1件ずつに分け、アイデアごとに5つの欄を、発言の引用と時刻を付けて表にしてください。引用に無いことは書かず、足りない欄は発明者への質問にしてください」と指示する
  4. 出てきた表を、当時の担当が書いた骨子と突き合わせる

2回分は、当時の骨子が残っている打合せにしてください。 当時の骨子に無かったアイデアや、担当の言葉で埋めていた構成が、引用の付いた形でどう出るかを見ます。

出てきた内容判断
当時の骨子に無かったアイデアが出た指示文を決めて、全グループに広げる
引用に無い構成が書き足された指示の書き方で直る。構成は有効
アイデアの切れ目がばらばら打合せの進め方が先。 番号を口で付ける

3行目が出ることは珍しくありません。 番号の無い打合せの記録を、AIに切り分けさせるのは難しい作業です。番号付けを始めた次の月の打合せで、同じことを試してください。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
言われていない構成が書き足される引用の無い構成は書かないと、欄の説明と厳守事項の両方に書く
アイデアの切れ目がばらばら担当が番号を口で付け、最後に読み上げる
特許になりそうかを書かれる指示で禁じ、出力に見込みの言葉が無いかを担当が見る
「発言した人」が発明者として扱われる欄の名前を「発言した人」にし、発明者の認定は別に行う
質問が多すぎて答えてもらえない1つのアイデアにつき3問まで
前日に貼った一覧が読まれない打合せの24時間前より後に貼る
共同研究の相手の主催で Copilot が使えない知財部が主催することを最初に伝える
前の月の Copilot のやり取りが消える月1回の打合せを繰り返しの予定にせず、1回ずつ設定する
Word に書き出せない機密のラベルや設定を確かめ、会議の Copilot の出力から骨子を作る

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、AIが打合せの記録に無いものを足したり、記録の切れ目を推し量ったりする失敗です。引用の決まりと番号付けを入れれば、毎回同じように防げます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 出願前の発明の内容、試作の数値と条件、開発の予定、技術者の名前です。出願前の発明は、社外に知られると特許を受けられなくなりうる情報で、社内でも関係者だけに限る情報です。

  1. 打合せの記録の権限を絞る … Copilot は、利用者が少なくとも閲覧の権限を持つデータだけを示すとされています。文字起こしと録画、骨子のフォルダの権限を、グループの出席者と知財部の担当に絞ります
  2. データの扱いを確かめておく … Microsoft の公式ページでは、プロンプト、応答、Microsoft Graph で参照したデータは基盤のモデルの学習に使われないとされています。それでも、骨子を社外のサービスや個人の生成AIに貼らない決まりを、技術者にも伝えます
  3. 公開の予定を早く知らせる … 特許法では、出願前に公然知られた発明、公然実施をされた発明、刊行物に記載された発明などは特許を受けられないとされ、特許を受ける権利を有する者の行為で該当するに至った発明は、1年以内の出願などの手続きで例外の扱いを受けられるとされています。例外に頼るかどうかは知財部が決め、この構成は予定を早く見つけることに使います
  4. 共同研究の情報を混ぜない … 社外の人の関与の印が付いたアイデアは、相手との契約で扱いが決まっていることがあります。 骨子を広く回す前に知財部が確かめます
  5. 技術者の評価に使わない … 「発言した人」の欄やアイデアの数を、技術者の評価の材料にしない決まりにします。評価に使われると、打合せで話してもらえなくなります
  6. 判断を自動で確定させない … 出願か秘匿か、誰を発明者とするか、特許になりうるかは、知財部と発明者、弁理士が決めます

誤りが起きた場合のリスクは、言われていない構成が骨子に入ることと、公開の予定を見落とすことの2つです。 前者は引用の決まりで防ぎ、後者は印の表を担当が最初に見ることで防ぎます。どちらも、打合せで言われた言葉に戻れる形で出力させているから確かめられます。

10まず何から始めるか

1週目:骨子の欄と書き方の手引を整える

発明提案書の骨子を、従来の課題、解決の構成、効果、実施の手がかり、変形の例の5つの欄にそろえます。書き方の手引に、欄ごとの良い例と、引用に無いことを書き足した悪い例を並べます。

2週目:2回分で試す

先月の打合せから2回分を選び、会議の Copilot に欄と引用の決まりを貼って、アイデアごとの表を作らせます。当時の骨子に無かったアイデアが出るか、構成が書き足されていないかを最優先で見ます。

3週目:打合せの進め方を決める

知財部が主催すること、前日の午後にテーマと直近の開発の一覧をチャットに貼ること、冒頭で骨子づくりに使うことを伝えること、アイデアに番号を付けて最後に読み上げることを、4名の担当で決めます。研究開発のグループの責任者にも説明します。

4週目:指示文を決める

2週目の結果から指示文を直し、共有のフォルダに1つだけ置きます。会議ポリシーで Copilot を「On with saved transcript required」にします。

2か月目: 20グループすべての打合せで回し、「番号なし」と「言及なし」の件数を数えます。3か月目以降: 1回120分が何分になったかを実測します。打合せの当日中に、アイデアごとの骨子と質問が発明者に届き、公開の予定のあるアイデアが上長に知らされるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-12/最終更新:2026-10-13
確認した内容情報源確認日
会議の後に Copilot に質問するには文字起こしが必要なこと。文字起こしがあるとき Copilot が会議のチャットと文字起こしの両方を使い、会議の24時間前までのチャットを含めること。会議のチャットの「Copilot を開く」や「まとめ」のタブから Copilot を開けること。社外で主催された会議では Copilot が動かないこと。定期的な会議で後の回の文字起こしが行われると前の回の履歴が使えなくなること。文字起こしが使えなくなると履歴が消えること。機密のラベルやコピー・転送を止める設定があると Copilot の応答を Word に書き出せないことMicrosoft Support: Get started with Copilot in Microsoft Teams meetings2026-10-12
ライセンスを持つ参加者が自分にだけ見えるプロンプトを送れること。会議ポリシーの On with saved transcript required が既定で、主催者の会議オプションが「会議中と会議後」に固定されることMicrosoft Learn: Manage Microsoft Copilot in Teams meetings and events2026-10-12
Word の Copilot で特定の資料を使うときは「/」を入力してファイルを選ぶこと。出力の事実・数字・名前などを確かめる必要があることMicrosoft Support: Draft and add content with Copilot in Word2026-10-12
Microsoft 365 Copilot が Microsoft Copilot に改称されたこと。利用者が少なくとも閲覧の権限を持つデータだけを示すこと。プロンプト・応答・Microsoft Graph で参照したデータが基盤のモデルの学習に使われないことMicrosoft Learn: Data, Privacy, and Security for Microsoft Copilot2026-10-12
特許出願前に公然知られた発明、公然実施をされた発明、頒布された刊行物に記載された発明などは特許を受けられないこと(第29条第1項)。特許を受ける権利を有する者の行為に起因して該当するに至った発明は、該当するに至った日から1年以内の出願などの手続きにより例外の扱いを受けられること(第30条)e-Gov 法令API: 特許法(昭和34年法律第121号)2026-10-12

出願か秘匿か、誰を発明者とするか、新規性の喪失の例外に頼るかどうかは、知財部と発明者、弁理士が決めてください。 本記事は公開されている製品の仕様と特許法の条文で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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