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病院・クリニックのWebサイトの更新原稿を、医療広告等ガイドラインと院内の基準に照らして一次チェックし、該当しそうな表現と根拠の箇所、書き換えの案を示す

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

病院・クリニックのWebサイトに載せる更新原稿を、医療広告等ガイドラインと院内の基準に照らして一次チェックします。該当しそうな表現、根拠となるガイドラインの箇所、書き換えの案を広報の担当に示します。違反かどうかを決めるのは人です。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Google Apps Script/Python
対象業界
医療/広告
対象部門
マーケティング
対象業務
内容確認・チェック
主な課題
判断に時間がかかる/属人化している/確認ミスが多い
AIで行う処理
判定
主な効果
判断支援/品質標準化/工数削減
導入難易度
★★★☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
API連携(中)
人間の確認
必須
現在工数
40h/月
AI導入後
16h/月
想定削減
60%
年間削減
288h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 医師・事務長・制作会社から原稿が届き、受付の一覧に行を足す
  2. 広報の担当が原稿を読み、ガイドラインと院内の基準で気になる表現に印を付ける
  3. 印を付けた表現について、ガイドラインのどこに当たるかを探して確かめる
  4. 自由診療のページなら、治療内容・費用・期間と回数・リスクと副作用・問い合わせ先がそろっているかを見る
  5. 書き換えの案を書き、書いた人に戻す
  6. 直った原稿を確かめ、CMSに入れて公開する
導入後(After)
  1. 人原稿を受付の一覧に登録し、掲載先(自院サイト、リスティング広告、SNS、チラシ)と原稿の種類を選ぶ
  2. 自動新しい行をきっかけに、原稿を取り出し、文の単位に分ける
  3. 自動プログラムが、院内の基準の「使わない言葉」の一覧と照らして、該当する語を拾う
  4. 自動Claude API が、禁止される広告の類型に照らして、該当しそうな表現と根拠の箇所を出す
  5. 自動自由診療のページなら、Claude API が限定解除の要件の項目ごとに記載の有無を判定する
  6. 自動プログラムが、引用された表現が原稿に本当にあるか、根拠の箇所が条項の一覧にあるかを確かめる
  7. 自動確認票を作り、広報の担当に通知する
  8. 人担当が確認票を読み、止める表現と書き換えの案を決めて、書いた人に戻す
  9. 人判断に迷うものは、広報課長が決める。必要に応じて顧問弁護士や保健所に相談する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 医師・事務長・制作会社から原稿が届き、受付の一覧に行を足す
  2. 広報の担当が原稿を読み、ガイドラインと院内の基準で気になる表現に印を付ける
  3. 印を付けた表現について、ガイドラインのどこに当たるかを探して確かめる
  4. 自由診療のページなら、治療内容・費用・期間と回数・リスクと副作用・問い合わせ先がそろっているかを見る
  5. 書き換えの案を書き、書いた人に戻す
  6. 直った原稿を確かめ、CMSに入れて公開する

(a)ガイドラインのどこを見ればよいかが、原稿ごとに違う。 ガイドラインは本文だけで数十ページあり、Q&Aや事例解説書もあります。コラムなら誇大広告、料金のページなら費用を強調した広告と限定解除、医師紹介なら比較優良広告と、見る箇所が原稿の種類で変わります。3番目の「探して確かめる」に時間がかかります。

(b)担当者によって、止める表現が違う。 「最新の」「痛くない」「安心の」を止める人と通す人がいます。ガイドラインは「比較的安全な手術です」を、何と比較して安全であるか不明であり誇大広告として取り扱うとしていますが、似た言い回しのどこまでを止めるかは、担当者の経験に頼っています。

(c)書くべきことの抜けは、読んでも気づきにくい。 4番目は、書かれていることではなく書かれていないことを探す作業です。リスクと副作用の記載が別のページへのリンクだけになっている、費用が最低金額だけになっている。ガイドラインは、リンク先のページへの掲載や、極端に小さな文字での掲載といった形式を採用しないこととしています。

(d)料金のページで、費用だけが目立つ。 ガイドラインは、品位を損ねる内容の広告の例として「今なら○円でキャンペーン実施中!」のような費用を強調した広告を挙げ、厳に慎むべきとしています。キャンペーンの原稿は締め切りが短く、確認が駆け足になりがちです。

(e)体験談が紛れ込む。 医師のコラムに「患者さんから『痛みが消えた』と喜びの声をいただきました」と書かれることがあります。ガイドラインは、医療機関が自らのウェブサイト等に掲載する治療等の内容又は効果に関する体験談は広告に該当し、禁止されるとしています。書いた医師にその意識がないことが多い表現です。

  1. 【人】 原稿を受付の一覧に登録し、掲載先(自院サイト、リスティング広告、SNS、チラシ)と原稿の種類を選ぶ
  2. 【自動】 新しい行をきっかけに、原稿を取り出し、文の単位に分ける
  3. 【自動】 プログラムが、院内の基準の「使わない言葉」の一覧と照らして、該当する語を拾う
  4. 【自動】 Claude API が、禁止される広告の類型に照らして、該当しそうな表現と根拠の箇所を出す
  5. 【自動】 自由診療のページなら、Claude API が限定解除の要件の項目ごとに記載の有無を判定する
  6. 【自動】 プログラムが、引用された表現が原稿に本当にあるか、根拠の箇所が条項の一覧にあるかを確かめる
  7. 【自動】 確認票を作り、広報の担当に通知する
  8. 【人】 担当が確認票を読み、止める表現と書き換えの案を決めて、書いた人に戻す
  9. 【人】 判断に迷うものは、広報課長が決める。必要に応じて顧問弁護士や保健所に相談する

8番目は全件で行います。 確認票は、止めるべき表現の候補と根拠を並べたものです。AIが「問題なし」とした原稿も、担当が目を通してから公開します。

3番目をプログラムに置いているのは、院内の基準の「使わない言葉」は、決まった語だからです。 「日本一」「No.1」「最高」「絶対」「必ず治る」は、文字列で拾えます。AIには、言葉ではなく文の意味で決まる判断だけを任せます。

02今回想定するシステム構成

構成図
医師・事務長・制作会社の原稿
   │  受付の一覧に登録(掲載先・原稿の種類)
   ▼【トリガー】受付の一覧の新しい行
Python(取り出し・文の分割・語の照合)
   ├──▶ 院内の「使わない言葉」の一覧との照合
   ▼
Claude API ── ① 禁止される広告の類型の判定
   │   虚偽/比較優良/誇大/公序良俗/体験談/治療の前後の写真/広告可能事項以外
   ▼
Claude API ── ② 限定解除の要件の判定(自由診療のページのみ)
   │   問い合わせ先/治療内容/費用/期間と回数/リスクと副作用/未承認医薬品等の明示
   ▼
Python ── 引用の照合、条項の一覧との照合、確認票の作成
   ▼
【広報の担当が全件を確認 → 書いた人へ戻す → CMSに入れて公開】
役割想定する製品代替候補
処理Claude API(禁止の類型の判定、限定解除の要件の判定、書き換えの案)OpenAI API、Gemini API
連携Python(取り出し、文の分割、語の照合、引用の照合、確認票の作成)Google Apps Script
受付原稿の受付の一覧案件管理のツール
公開既存のCMS制作会社への入稿

CMSには書き込みません。 確認票は担当が読むためのもので、公開の操作は人が行います。AIの判定が公開の可否に直結する経路を作らないためです。

根拠の箇所は、ガイドラインの全文から自由に引かせるのではなく、条項の一覧から選ばせます。 広報課が、ガイドラインの禁止の類型と限定解除の要件、院内の基準を、1行ずつ番号を付けた一覧にしておきます。AIはその番号を返し、プログラムが一覧にある番号かを確かめます。存在しない条項を根拠に書かれることを防ぐためです。

判定の結果はJSONで受け取ります。 Claude API の構造化出力は、output_config.format にJSONスキーマを指定すると、返答がスキーマに沿ったJSONになる仕組みです。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

原稿の受付の一覧に、新しい行が足されたことを起点にします。 Python のスクリプトを15分おきに動かし、状態が「受付」の行を拾います。登録のときに、掲載先と原稿の種類を必ず選ばせます。 この2つが空の行は処理せず、登録した人に戻します。

掲載先を必須にしているのは、物差しが変わるからです。 自院のサイトなら限定解除の要件を見ます。リスティング広告やバナー広告は、ガイドラインが限定解除の要件の1つ目を満たさないとしているので、広告可能事項の範囲に収まっているかを見ます。

直した原稿が再登録されたときも、最初から判定し直します。 前回の指摘箇所だけを見ると、直したことで新しく入った表現を見落とします。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
原稿本文、見出し、画像の説明文、リンクの文言とリンク先受付の一覧に添付された文書
掲載の情報掲載先、原稿の種類(自由診療/保険診療/お知らせ/コラム/医師紹介)受付の一覧
条項の一覧ガイドラインの禁止の類型と具体例、限定解除の要件、院内の基準を、番号付きで1行ずつ広報課で作る一覧
使わない言葉の一覧院内で使わないと決めた語と、その理由の条項番号広報課で作る一覧
過去の指摘の記録過去に止めた表現と、書き換えた後の表現確認票の保存先

質を決めるのは、3つ目の条項の一覧です。 ガイドラインの文をそのまま渡すと長く、どこに当たるかの番号もぶれます。禁止の類型ごとに、ガイドラインの説明と具体例を1行ずつ切り出し、番号を付けておきます。 ガイドラインが改正されたら、この一覧を直します。

画像そのものは渡しません。 治療の前後の写真は患者の写真で、外部に渡す必要はありません。原稿の中で写真がどこに置かれ、どんな説明文が付いているかを渡し、写真の近くに治療内容・費用・リスクの説明があるかを見ます。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
本文と見出し添付の文書をテキストにする禁止の類型の判定
画像の位置と説明文文書の中の画像の位置と、その前後の文治療の前後の写真の説明の有無
リンクの文言とリンク先文書の中のリンクリスク・費用の説明が別ページへのリンクだけになっていないか
文字の大きさの指定文書の書式(注記の指定など)注記が極端に小さくされていないか

リンクと文字の大きさを取るのは、ガイドラインが掲載の形式まで求めているからです。 リスクや副作用の情報を、リンクを張った先のページへ掲載したり、利点や長所に関する情報と比べて極端に小さな文字で掲載したりする形式を採用しないこととされています。本文の文だけを見ると、この形式の問題は見えません。

医師紹介のページは、写真と肩書きの扱いにも気を付けます。 ガイドラインは、著名人との関連性を強調するなど、他の医療機関より著しく優れているかのような印象を与える表現も比較優良広告の例に挙げています。肩書きや受賞歴の行は、本文と同じく文の単位で渡します。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. テキスト化 … 添付の文書から本文・見出し・画像の説明文を取り出し、段落と文の単位に分けて番号を付けます
  2. 画像の位置の印 … 画像の前後3文に、画像のあることを示す印を付けます
  3. リンクの印 … 「リスクについてはこちら」のような文と、そのリンク先を対にして残します
  4. 注記の大きさの印 … 本文より小さい文字に指定された文に印を付けます
  5. 使わない言葉の照合 … 院内の一覧の語を、表記ゆれ(全角・半角、「No.1」「№1」「ナンバーワン」)をそろえて文字列で拾います
  6. 条項の一覧の絞り込み … 原稿の種類と掲載先に応じて、渡す条項を選びます

6番目で絞るのは、判定のぶれを減らすためです。 休診のお知らせに限定解除の要件を渡すと、「費用の記載がない」と返ってきます。原稿の種類が自由診療のときだけ、限定解除の要件を渡します。

Step5

AIに処理させる

させることは2つです。1つ目は禁止される広告の類型の判定、2つ目は限定解除の要件の判定です。 呼び出しを分けます。

1つ目は、文の番号ごとに、禁止の類型に当たりそうかを判定させます。

類型ガイドラインの例見るところ
虚偽「絶対安全な手術です!」、根拠・調査方法の提示がない「○%の満足度」断定、根拠のない数値
比較優良「日本一」「No.1」「最高」最上級の表現、他院との比較
誇大「比較的安全な手術です。」、科学的根拠に乏しい有効性の強調比較の対象が不明な表現、受診をあおる表現
体験談患者の主観や伝聞に基づく治療の内容や効果の体験談患者の声、感想の引用
治療の前後の写真説明が不十分な術前・術後の写真画像の印の近くに説明があるか
広告可能事項以外専門外来、死亡率・術後生存率、未承認医薬品による治療の内容掲載先が限定解除の対象外のとき

2つ目は、自由診療のページについて、限定解除の要件の項目ごとに記載があるかを判定させます。

項目記載があるとする条件
問い合わせ先電話番号、Eメールアドレス等がある
通常必要とされる治療内容治療の内容が書かれている
標準的な費用費用が書かれている。明確でなければ最低金額から最高金額までの範囲
治療期間と回数期間と回数が書かれている
主なリスクと副作用同じページに書かれている。リンク先だけなら不足
未承認医薬品等の明示使う場合のみ。承認を得ていないこと、入手経路、国内の承認医薬品等の有無、諸外国の安全性の情報、救済制度の対象外であること
させないこと理由
違反かどうかの結論広報課長と、必要に応じて顧問弁護士・保健所が決める
条項の一覧にない根拠を書く存在しない根拠で医師を説得することになる
医学的な正しさの判断治療の効果やリスクの内容が正しいかは医師が決める
費用やリスクの文の作成書き換えの案は表現の直しまで。費用やリスクの中身は書かせない
原稿を全文書き直す指摘の箇所だけの案にする。書いた医師が直す

コラムで多いのは、受診をあおる表現です。 ガイドラインは、「こんな症状が出ていれば命に関わりますので、今すぐ受診ください。」のように、科学的な根拠が乏しいのに特定の症状のリスクを強調して受診を誘導するものを、誇大広告として取り扱うとしています。医師が善意で書く健康コラムほど、この型が入ります。 指摘には、根拠の文献を確かめるよう添えます。

4行目がいちばん大事です。 「リスクと副作用の記載がない」と判定させると、AIはそれらしいリスクの文を書き足そうとします。リスクの中身は医師にしか書けません。 書き換えの案には「主なリスクと副作用を、このページに書いてください」とだけ出させます。

Step6

指示内容を固定する

1つ目(禁止の類型)の指示です。

あなたは医療機関の広報部門で、Webサイトの原稿を公開前に確かめる担当です。
原稿の文を1つずつ読み、条項の一覧に当たりそうな表現を挙げてください。

【決め方】
- 当たりそうな表現ごとに、条項の一覧から番号を1つ選んでください。
  一覧にない番号や、一覧にない根拠を書かないでください。
- quote には、原稿の文をそのまま写してください。言い換えないでください。
- level は次のどれかにしてください。
  - likely ..... 一覧の具体例とほぼ同じ形で当たる
  - possible ... 似ているが、文脈や掲載先によって判断が分かれる
- 迷ったときは possible にしてください。挙げずに済ませないでください。
- rewrite には、その表現だけの書き換えの案を書いてください。
  治療の効果やリスクの中身を新しく書き足さないでください。

【気を付けること】
- 「患者さんの声」「喜びの声」「〜とおっしゃっていました」のような、
  患者や家族の感想の引用は、体験談に当たらないかを必ず確かめてください。
- 画像の印がある段落は、治療の内容、費用、主なリスクと副作用の説明が
  近くにあるかを見てください。
- 違反かどうかの結論は書かないでください。

【掲載先】{channel}
【原稿の種類】{doc_type}
【条項の一覧】{rules}
【原稿(文の番号付き)】{sentences}

2つ目(限定解除の要件)の指示です。

自由診療のページの原稿について、次の項目ごとに記載があるかを判定してください。

【項目】
1. 問い合わせ先(電話番号、Eメールアドレス等)
2. 通常必要とされる治療内容
3. 標準的な費用(明確でなければ最低金額から最高金額までの範囲)
4. 治療期間と回数
5. 主なリスクと副作用
6. 未承認医薬品等を使う場合の明示(使わない原稿なら not_applicable)

【status の選び方】
- present ......... 同じページに書かれている
- link_only ....... リンク先のページにだけ書かれている
- small_text ...... 本文より小さい文字の注記にだけ書かれている
- missing ......... 書かれていない
- not_applicable .. その原稿に当てはまらない

【決まり】
- evidence には、根拠にした文をそのまま写してください。
- 書かれていない項目の文を、作って補わないでください。
- 費用が最低金額だけのときは、status を present にして note に
  「範囲の記載がない」と書いてください。

【原稿(文の番号付き、リンクと注記の印付き)】{sentences}

1つ目の指示で「挙げずに済ませない」を書いているのは、この構成が一次チェックだからです。 迷った表現を挙げないと、人の確認から漏れます。多めに挙げて、人が外すほうが安全です。

2つ目の指示で link_only と small_text を分けているのは、ガイドラインが掲載の形式を問題にしているからです。 「書いてある」と「同じページに分かりやすく書いてある」は違います。

Step7

出力形式を固定する

2つの呼び出しの結果を、次の形のJSONにまとめて確認票にします。

{
  "doc_id": "",
  "channel": "own_site | listing_ad | sns | flyer",
  "doc_type": "self_pay | insured | notice | column | doctor_profile",
  "banned_words": [ { "sentence_no": 3, "word": "", "rule_id": "" } ],
  "findings": [
    { "sentence_no": 5, "quote": "", "category": "exaggeration",
      "rule_id": "", "level": "likely | possible",
      "rewrite": "", "quote_found": true, "rule_found": true }
  ],
  "limited_lifting": [
    { "item": "risk_side_effects", "status": "present | link_only | small_text | missing | not_applicable",
      "evidence": "", "note": "" }
  ],
  "overall": "clear | needs_review"
}

1つ目の理由は、quote_found と rule_found をプログラムが付けられることです。 AIが写した quote が原稿にあるか、rule_id が条項の一覧にあるかを文字列で確かめます。どちらかが false の指摘は、確認票の先頭に「根拠の確認が要る」として出します。

2つ目は、禁止の指摘と書くべきことの不足を別の欄にできることです。 findings は「削るか直す」、limited_lifting は「書き足す」です。書いた医師に戻すとき、何をすればよいかが欄で分かれます。

3つ目は、overall を規則で決められることです。 banned_words か findings が1つでもあるか、limited_lifting に present と not_applicable 以外があれば needs_review です。

構造化出力は、enum の値の大文字・小文字が保証されないとされているので、判定の文字列は大文字・小文字を区別せずに比べます。拒否や max_tokens での打ち切りではスキーマに合わない出力になりうるとされているので、stop_reason を見て、打ち切りなら原稿を段落で分けて呼び直します。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
原稿の受付の一覧Python で15分おきに読む新しい行と添付の文書を拾い、状態を「確認中」にする
Claude APIAPI呼び出し(自由診療は2回)禁止の類型の判定、限定解除の要件の判定
条項の一覧・使わない言葉の一覧共有の一覧を読む指示に渡す、照合に使う
確認票共有フォルダに書き出す担当が開いて読む
社内チャット通知担当に、確認票ができたことと overall を知らせる

CMSにはつなぎません。 確認票を読んだ担当が、直った原稿をCMSに入れます。公開の操作は人の手に残します。

Step9

人が確認する

広報の担当が全件を確かめます。 見る順番を決めておきます。

  1. 根拠の確認が要るものを先に見る … quote_found か rule_found が false の指摘です
  2. likely を見る … 条項の一覧の具体例と照らして、止めるかを決めます
  3. possible を見る … 掲載先と文脈で判断します。迷ったものは広報課長に回します
  4. limited_lifting を見る … 不足の項目を、書いた医師に書き足してもらいます
  5. clear の原稿も流し読む … 一覧にない表現がないかを見ます
  6. 判断を記録する … 止めた・通した・直したを、指摘ごとに残します

書いた医師に戻すときは、指摘ごとに条項の一覧の番号とガイドラインの該当の文を添えます。 「広報が気にしている」ではなく「ガイドラインのここに当たりうる」と伝えると、直してもらいやすくなります。

3番目の possible が、人の判断の中心です。 同じ「最新の機器を導入しました」でも、導入の事実を知らせるお知らせと、他院より優れていると読める文脈では扱いが変わります。その判断を担当者ごとにぶらさないために、6番目の記録を次の判断の材料にします。

Step10

例外に対処する

起きること対応
掲載先・原稿の種類が空処理せず、登録した人に戻す
添付の文書がテキストにできない担当へ通知し、テキストでの再提出を頼む
画像が多く、説明文がない画像の印だけを確認票に出し、担当が画像を見る
引用が原稿に見つからない確認票の先頭に出し、担当が原稿で確かめる
条項の一覧にない番号が返る指摘は残し、rule_found を false にして担当が確かめる
応答が打ち切られた原稿を段落で分けて呼び直す
制作会社の原稿で、事実関係が不明費用やリスクの中身は、院内の担当医に確かめる
院内掲示用の原稿が混ざるガイドラインは院内掲示を広告とは見なさないとしている。掲載先を院内掲示に直して、物差しを切り替える
ガイドラインが改正された条項の一覧を直すまで、確認票に「一覧の更新待ち」と出す

最後の行が大事です。 ガイドラインは改正されており、最近では令和8年3月30日に最終改正されています。条項の一覧が古いまま判定を続けると、改正で足された点を見落とします。 改正の知らせを受けたら、広報課が一覧を直し、直した日を確認票に印字します。

Step11

記録を残す

  • 原稿の版、掲載先、原稿の種類、受付の日時
  • 使った条項の一覧の版(直した日)
  • 2回の呼び出しの指示と応答の全文、使ったモデル
  • プログラムの照合の結果(quote_found、rule_found、banned_words)
  • 担当が止めた・通した・直したの記録と、その理由
  • 公開した原稿の版と公開日

5つ目が、この構成を育てる記録です。 担当が通した possible が同じ型で何度も出るなら、条項の一覧の書き方を直します。担当が止めた表現をAIが挙げていなかったら、その表現を使わない言葉の一覧か条項の一覧に足します。

04実装レベルの3段階

最小構成:条項の一覧と原稿を手でAIの画面に貼り、判定させる / 1件ごとの一次チェック
半自動化:上記+受付の一覧から自動で取り出し、禁止の類型の判定と使わない言葉の照合をして確認票を作る / 表現の一次チェックと根拠の提示
本格構成:上記+限定解除の要件の判定、引用と条項の照合、掲載先ごとの物差しの切り替え、判断の記録の集計 / 一次チェックの全体と、判断のそろえ

本記事の想定は本格構成です。 1件30分が12分になるのは、根拠の箇所を探す時間と、自由診療の記載のそろいの確認が自動になるからです。担当の確認と、書いた人に戻す作業は残ります。 段階を飛ばさないでください。 半自動化の確認票を1か月見ると、どの条項で possible が多く出るかが分かります。そこを条項の一覧で書き分けてから本格構成に進むと、確認の時間が減ります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
80 件
1件あたり現在時間
30 分
1件あたり導入後時間
12 分
現在  80件 × 30分 ÷ 60 = 40 時間/月
導入後 80件 × 12分 ÷ 60 = 16 時間/月
月間削減時間
24h
削減率
60%
年間削減時間
288h
年間金額換算(時間単価3,500円)
101万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 病院とクリニックを複数持つ医療法人で、Webサイトの更新を広報の担当が毎月数十件行っている場合。自由診療(美容皮膚科、歯科矯正、健診のオプションなど)のページがあり、費用やリスクの記載の抜けを公開前に止めたい場合。院長や各科の医師が原稿を書き、広報が表現を確かめる分担になっている場合。原稿の作成を制作会社に任せており、受け取った原稿の確認を自院で行う場合。
向いていない
  1. Webサイトの更新が月に数件で、担当者がガイドラインを読み込んで確かめられる場合。保険診療だけで、掲載する内容が診療時間・診療科名・医師の紹介などの定型の情報に限られる場合。なお、表現が医療法の広告規制に違反するかどうかの判断と、掲載するかどうかの決定は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 過去3か月の原稿から20件を選ぶ(広報が実際に止めた表現を含むものを10件入れる)
  2. 条項の一覧の最初の版を作る。ガイドラインの禁止の類型と具体例、限定解除の要件、院内の基準を1行ずつ並べ、番号を付ける
  3. 手元のAIサービスに条項の一覧と原稿を貼り、第7章の1つ目の指示で判定させる
  4. 自由診療の原稿には、2つ目の指示も試す
  5. 出てきた指摘を、当時の広報の判断と突き合わせる
出てきた内容判断
当時止めた表現がほぼ挙がった受付の一覧からの自動の判定に進む
当時止めた表現が挙がらなかった条項の一覧に、その型の具体例が足りない。一覧を直す
条項の一覧にない根拠を書いた番号で返させる指示を強める。照合の仕組みが必須だと分かった
リスクの文を書き足してきた指示で禁じる。書き換えの案の範囲を決め直す

2行目が出たら、AIの問題ではなく一覧の問題です。 院内の判断が一覧に書かれていない、ということが分かります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
存在しない条項を根拠に書かれる番号で返させ、一覧にあるかをプログラムで確かめる
原稿にない表現を引用する文字列で照合し、見つからなければ先頭に出す
お知らせにまで費用の不足を出す原稿の種類で、渡す条項を絞る
リスクの文を書き足してくる指示で禁じる。書き換えの案は表現の直しまで
リンク先にだけリスクがあるのを見逃すリンクを印として渡し、link_only を出させる
患者の声が体験談と気づかれない指示で、感想の引用を必ず確かめさせる
掲載先で結論が変わることを忘れる受付で掲載先を必須にする
費用を強調したキャンペーンの原稿を通す品位を損ねる広告の例を条項の一覧に入れる
「No.1」の表記ゆれで拾えない照合の前に表記をそろえる
possible が多すぎて読まれなくなる判断の記録から、条項の一覧の書き方を直す
一覧が改正に追いつかない改正の知らせで一覧を直し、直した日を確認票に出す

上の2行が、この構成の信頼を決めます。 医師に戻す指摘の根拠が存在しなかったら、その後の指摘はすべて疑われます。 根拠は番号で返させ、一覧にあるかを機械で確かめます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 公開前の原稿、自由診療の料金、医師の経歴です。原稿に患者の写真や症例の記載が含まれることがあります。

  1. 患者の情報を渡さない … 治療の前後の写真や症例の記載は、患者の健康に関わる情報です。画像は渡さず、位置と説明文だけを渡します。 症例の記載に患者が特定できる情報があれば、その原稿は判定の前に止めます
  2. 違反かどうかを決めない … 確認票が出すのは、該当しそうな表現の候補と根拠の箇所です。医療法の広告規制に違反するかどうかの判断は、広報課長と、必要に応じて顧問弁護士や保健所が行います
  3. 医学的な中身を書かせない … 治療の効果、リスク、副作用の中身は医師が書きます。AIの書き換えの案に、医学的な主張を入れさせません
  4. 公開を自動にしない … CMSにはつなぎません。clear の原稿も人が読んでから公開します
  5. 条項の一覧の版を残す … どの版の一覧で判定したかを確認票に残します。後から指摘を受けたときに、当時の基準で何を見たかを示せるようにします

誤りが起きた場合のリスクは、禁止される表現を見落として公開することと、書くべき費用やリスクの抜けを見落とすことの2つです。 前者は是正命令や罰則等の対象になりえ、後者は自由診療の料金のトラブルにつながります。どちらも、一次チェックを人の確認の代わりにしないことで防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:条項の一覧を作る

ガイドラインの禁止の類型と具体例、限定解除の要件、院内の基準を、1行ずつ番号を付けて一覧にします。過去に保健所から指摘を受けた表現と、広報が止めた表現を必ず入れます。

2週目:20件で試す

過去の原稿20件を、手元のAIサービスで判定させます。当時止めた表現が挙がるか、条項の一覧にない根拠を書かないかを最優先で見ます。

3週目:受付の一覧に掲載先と原稿の種類を足す

受付の一覧に、掲載先と原稿の種類の欄を足し、必須にします。書いた医師と制作会社に、登録のしかたを周知します。

4週目:受付から確認票までをつなぐ

受付の一覧を読み、禁止の類型の判定と使わない言葉の照合をして確認票を出すところまで作ります。この時点では、担当の従来の確認と並べて比べます。

2か月目: 自由診療の原稿に限定解除の要件の判定を足し、引用と条項の照合を入れます。3か月目以降: 判断の記録を集計し、possible の多い条項を書き分けます。1件30分が何分になったかを実測し、担当者による止める・通すの差が小さくなった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
医療法における病院等の広告規制のページで、医療広告等ガイドライン、Q&A、事例解説書(第6版)が示されていること厚生労働省: 医療法における病院等の広告規制について2026-10-08
ガイドラインが令和8年3月30日に最終改正されたこと。平成29年の改正で医療機関のウェブサイト等も規制の対象とし、虚偽又は誇大等の表示を禁止し是正命令や罰則等の対象としたこと。誘引性と特定性。自らのウェブサイト等に掲載する体験談は広告に該当し禁止されること。虚偽(「絶対安全な手術です!」、根拠の提示がない「○%の満足度」)、比較優良(「日本一」「№1」「最高」は客観的な事実でも禁止)、誇大(「比較的安全な手術です。」)、公序良俗、体験談、治療の前後の写真(説明を付した場合は当たらず、リンク先や極端に小さな文字での掲載をしない)、広告可能事項以外(専門外来、死亡率・術後生存率、未承認医薬品による治療の内容)。限定解除の4要件(患者が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイト等、問い合わせ先の明示、自由診療の通常必要とされる治療内容・費用等、主なリスク・副作用等)と、バナー広告や検索のスポンサー表示は1つ目を満たさないこと。標準的な費用が明確でない場合は最低金額から最高金額までの範囲を示すこと。未承認医薬品等を使う場合の明示の5項目。著名人との関連性の強調が比較優良の例とされること。科学的根拠に乏しい症状のリスクを強調して受診を誘導するものが誇大広告とされること。費用を強調した広告(「今なら○円でキャンペーン実施中!」)が品位を損ねる広告の例とされること。院内掲示は広告とは見なされないこと厚生労働省: 医療広告等ガイドライン(PDF)2026-10-08
「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書(第6版)」が令和8年3月30日付けで示され、自由診療の限定解除要件を満たしていない事例やSNS・動画の事例が拡充されたこと厚生労働省: 事例解説書(第6版)について(事務連絡、PDF)2026-10-08
output_config.format にJSONスキーマを指定すると返答がスキーマに沿ったJSONになること。enum の大文字・小文字が保証されないこと。拒否や max_tokens での打ち切りではスキーマに合わない出力になりうることClaude Docs: Structured outputs2026-10-08

表現が医療法の広告規制に違反するかどうかの判断と、掲載するかどうかの決定は、医療機関の責任者が、必要に応じて顧問弁護士や保健所に相談して行ってください。 本記事は厚生労働省と Anthropic の公開している情報で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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