Microsoft Agent 365とは?|誰の分の席を買うか

Microsoft Agent 365とは?|誰の分の席を買うか

「エージェントが社内で増えてきたので管理の製品を入れたいが、エージェントの数だけ費用がかかるのか」「全社員分の席を買わないと使えないのか、情シスだけで足りるのか」。こうした問い合わせは、見積もりを取り始めた段階でほぼ必ず出てきます。迷うのは無理もありません。これまでのソフトウェアは、使う人の数か、動かす台数で数えるのが普通でした。公式の文書を見ると、エージェント365は2026年5月1日に一般提供が始まり、利用者単位で課金され、エージェントそのものにはライセンスが要らないと説明されています。つまり、席の数はエージェントの数で決まるものではありません。本当は、どの人がエージェントに権限を委ね、どの人がエージェントの持ち主や管理者になっているかで決まります。この記事では、エージェント365でできること、課金の考え方、そして誰の分の席を買うかをシナリオごとに整理します。


カメ先生カメ先生

エージェント365は、社内で動いているAIエージェントを一か所に登録して、使われ方を見て、危ない動きを止めるための製品なんだ。2026年5月に一般提供が始まったばかりだよ。


カメ子カメ子

エージェントを管理する製品なのに、エージェントの数ではなく人の数で払うんですか。


カメ先生カメ先生

そう。エージェントに自分の権限を委ねる人と、エージェントの持ち主や管理者になる人に席が要る、という考え方だね。だから、どのエージェントが誰にひも付いているかを知らないと、席の数も決められない。利用状況の集計はAIに手伝わせてもいいけれど、誰に席を配るかをAIに判断させてはいけないよ。


カメ子カメ子

エージェントの一覧より先に、人とエージェントのつながりを書き出す必要がありそうですね。


この記事のポイント
  • エージェント365は、社内のAIエージェントを登録し、使われ方を見て、守るための管理の製品
  • 課金は利用者単位で、エージェントそのものにはライセンスが要らない
  • 席が必須なのは、権限を委ねる人と、自分の権限で動くエージェントの持ち主・後見人・管理者

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目次

エージェント365とは何か——エージェントを「見る・決める・守る」製品

エージェント365は、マイクロソフトが社内のAIエージェントを管理するために出している製品です。公式の概要では、観る、統制する、守るの3つを柱にしています。エージェントを作るための道具ではなく、すでにある、あるいはこれから増えるエージェントを、管理者の側から把握するための仕組みだと考えると分かりやすいでしょう。作り方の話は、この記事では扱いません。

観る、の中心は、マイクロソフト365の管理センターにある一元の登録簿です。社内のエージェントを一覧にし、どれだけ使われているか、どんな状態にあるかを一つの画面で見られるとされています。加えて、エージェントと人、データ、ほかの仕組みとのつながりを図にする「エージェントの地図」という画面も用意されています。セキュリティの責任者や事業部門の責任者が、自分の範囲だけを見られるように役割ごとの見え方を分ける考え方も示されています。

統制する、では、登録簿とエントラ(身元とアクセスの管理)、パービュー(データの保護とコンプライアンス)を組み合わせて、エージェントの作成から廃止までの流れ、アクセスの権限、審査を管理します。守る、では、ディフェンダー(脅威の検知と防御)が危ない振る舞いを見つけて止め、パービューが情報の持ち出しを防ぐとされています。つまり、エージェント365は単独の画面ではなく、既存のセキュリティ製品をエージェントに広げる束ね役です。

この性質は、買い方にも影響します。エージェント365だけを入れても、エントラやパービュー、ディフェンダーが使える契約になっていなければ、統制と保護の部分は十分に働きません。後で詳しく触れますが、公式の文書が前提となる契約を明記しているのはこのためです。製品の説明を読むときは、どの機能がエージェント365そのもので、どの機能が組み合わせる製品の側にあるのかを分けて見ておくと、見積もりの段階で食い違いが起きにくくなります。

2026年5月に一般提供、価格は利用者ごとの月額

公式の概要によると、エージェント365は2026年5月1日に商用向けとして一般提供が始まりました。提供開始の時点で、提携先の会社が作ったエージェントのいくつかを、管理センターから直接配備できるようになっています。同日のマイクロソフトのセキュリティのブログでは、登録簿の機能の広がりや、ほかの会社の製品との連携が発表されました。2026年9月時点の公式の文書でも名称は変わっておらず、提供終了の告知も見当たりません。

価格は、公式のライセンスの説明で、単体の契約が利用者あたり月15ドルと示されています。あわせて、大企業向けの最上位の契約であるE7(利用者あたり月99ドル)にはエージェント365が含まれると案内されています。これらは米ドルでの公式の表示で、日本円での価格や、販売の経路ごとの条件は自社が契約している経路の最新の見積もりで確かめる必要があります。

費用の見積もりは、席を配る人数に月15ドルと12か月をかけ合わせる形になります。例えば50人に配れば、単体の契約の部分だけで年に9,000ドルです。ここで大事なのは、50という人数がどこから出てきたかを説明できることです。後で見るように、必須の人と推奨の人を分けずに「関係しそうな人を全員」と数えると、人数は簡単に数倍に膨らみます。

一般提供の日から間もない製品であることも頭に入れておきます。同じブログでは、いくつかの機能がプレビュー、つまり試験提供の段階にあると明記されています。例えば、アマゾンやグーグルのクラウドで動くエージェントの登録簿と同期する機能はプレビューとされています。見積もりの前提にする機能が一般提供か試験提供かを一つずつ確かめておくと、導入後に「まだ使えなかった」という事態を避けられます。

課金の単位は「エージェント」ではなく「人」

エージェント365の買い方でいちばん誤解されやすいのが、課金の単位です。公式のライセンスの説明は、エージェント自体には独自のライセンスは要らないと明記しています。一人の利用者がとても多くのエージェントを管理でき、その数に決まった上限はないとも書かれています。つまり、エージェントを10体から100体に増やしても、それだけでは請求は増えません。

では、何に対して払うのか。公式の説明の軸は、エージェントとひも付いている人です。自分の権限をエージェントに委ねて代わりに仕事をさせる人、そして自分の権限を持って動くエージェントの持ち主、後見人、管理者が、ライセンスの対象になります。複数の解説記事も、1つのライセンスでその人が持つ、後見する、管理する、やり取りするエージェントをまとめて覆う、と説明しています。

この考え方は、エージェントを増やす判断と、席を増やす判断を切り離せるという利点があります。部署ごとに小さなエージェントをいくつも作らせたい会社にとっては、数が増えても費用が読みやすい形です。一方で、持ち主や管理者として名前が載る人が増えれば、その分だけ席が要ることになります。エージェントを作った人がそのまま持ち主になる運用を続けると、作る人が増えるたびに席も増えていきます。

よくある落とし穴は、エージェントの一覧だけを見て席の数を見積もろうとすることです。一覧には、そのエージェントが誰の権限で動いているのか、誰が持ち主なのかが書かれていないことが多く、数だけ数えても席の数は出ません。見積もりの材料になるのは、エージェントごとに「誰の権限で動くか」と「誰が責任を持つか」を書いた表です。この表の作り方は後の手順で扱います。

席が必須になる人、推奨にとどまる人

公式のライセンスの説明は、ライセンスが必要な人と、ライセンスを持つことが推奨される人を分けて書いています。必須とされているのは2種類です。1つ目は、自分のアクセスの権限をエージェントに委ねる利用者です。本人の代わりに動くエージェント、つまり本人の名前でメールを読んだり予定を組んだりする型を使う人がこれに当たります。

2つ目は、自分自身のアクセスの権限を持って動くエージェントの持ち主、後見人、管理者です。特定の人の代わりではなく、エージェントに専用の身元を与えて動かす場合、その身元の責任を持つ人に席が要ります。エージェントが独立して動いていても、責任を持つ人間の側に席が付くという考え方です。

推奨とされているのは、管理対象のエージェントとやり取りする人、管理する人、後見する人、そしてマイクロソフト365のコパイロットの利用者です。推奨は必須ではありませんが、公式の説明は、ライセンスの無い利用者にひも付いたエージェントの動きはエージェント365の保護の対象にならず、契約に沿わない状態になるとも書いています。必須の範囲を外れた人を無理に数えなくてよい一方で、必須の人を漏らすと、保護されないエージェントが残るうえに契約の問題も抱えることになります。

  • 必須・推奨の区分は、2026年9月時点で確認した公式のライセンスの説明による。区分は改定されることがあるため、見積もりの直前にもう一度確かめる
  • エージェント365を有効にするには、少なくとも1人に対象のライセンスが割り当てられている必要がある

前提となる契約を先に確かめる

エージェント365は、単体で動く製品ではありません。公式の概要は、E5を前提にすると最もよく動くと書いています。公式のライセンスの説明では、前提となる契約が会社の規模や働き方ごとに示されています。大企業向けはE5、またはE3にディフェンダーとパービューの両方の追加のスイートを足した形です。

店舗や工場などの現場で働く人向けの契約では、現場向けのディフェンダーとパービューのスイートが前提とされています。中小企業向けでは、ビジネス・プレミアムに、中小企業向けのディフェンダーとパービューのスイートを足した形です。自社がどの形に当たるかを確かめる作業が、席の数を数えるより先になります。

ここで見落としやすいのは、前提の契約が「会社として持っているか」ではなく、「席を配る人に割り当てられているか」で効いてくる点です。E5を一部の人だけに配っている会社では、エージェント365の席を配りたい人がE5を持っていないことがあります。見積もりの表には、席の候補者ごとに、今どの契約を割り当てられているかの列を必ず作っておきます。

前提の契約が足りない場合、エージェント365の単価だけでなく、前提を満たすための追加の費用が乗ります。E3の会社がディフェンダーとパービューのスイートを足すと、その費用は席の候補者の数だけ増えます。比較の段階で、エージェント365の15ドルだけを並べて安いと判断すると、稟議の途中で前提の費用が見つかって話が戻ることになります。

シナリオ1:部署で共有するエージェントを使う営業部

ここからは、よくある状況ごとに、誰の分の席が要るかを考えます。1つ目は、営業部が共有で使うエージェントです。例えば、コパイロット・スタジオで作った「過去の提案書を探して要点を返すエージェント」を、営業部の30人が使っている場合を考えます。作ったのは営業企画の1人、管理しているのは情シスの1人です。

このエージェントが、使う人それぞれの権限で資料を探す型なら、使う30人は自分の権限をエージェントに委ねていることになり、必須の範囲に入ると読めます。一方、エージェントに専用の身元を与え、決められた資料の置き場所だけを読む型なら、必須になるのはその身元の持ち主、後見人、管理者で、使う30人は推奨の範囲にとどまります。同じ「共有のエージェント」でも、どちらの型で動いているかで席の数が大きく変わります。

この違いは、エージェントの設定を見ないと分かりません。作った人に聞いても、本人が型の違いを意識していないことはよくあります。まず情シスが、エージェントがどの身元で資料にアクセスしているかを設定から確かめます。判断に迷う場合は、自社の構成を書いたうえで、販売の経路かマイクロソフトに型の読み方を確かめるのが確実です。

型を決めるのは、席の数だけの問題ではありません。使う人の権限で動く型は、人によって見える資料が違うので、答えも人によって変わります。専用の身元で動く型は、全員に同じ範囲の資料から答えますが、その範囲を誰が決めるかが論点になります。席の費用を下げるためだけに型を変えると、業務に合わない答えを返すエージェントになりかねません。

シナリオ2:本人の代わりに動くエージェントを使う担当者

2つ目は、個人が自分の代わりにエージェントを動かす場合です。マーケティングの担当者が、自分のメールと予定を読んで、商談の前に取引先とのやり取りを要約させるエージェントを使っている、といった例です。ここでは、担当者が自分のアクセスの権限をエージェントに委ねているので、公式の説明に沿えば担当者本人に席が必須です。

この型のエージェントは、数が見えにくいのが特徴です。担当者が自分で作ったものや、社内で配られたものを個人で使っているので、部署の一覧には載っていないことがあります。エージェント365の登録簿に載せて初めて、誰が代わりに動かしているのかが管理者の側から見えるようになります。

席の数を見積もるときは、コパイロットの利用者のうち、実際に本人の代わりに動くエージェントを使っている人がどれだけいるかを数えます。コパイロットの利用者は推奨の範囲に入っていますが、代わりに動くエージェントを使っている人は必須です。ここを混ぜて「コパイロットの利用者全員」と数えると多すぎ、「情シスだけ」と数えると必須の人が漏れて、保護されないエージェントが残ることになります。

実務では、代わりに動くエージェントの利用を、申請制にしている会社もあります。申請の時点で、エージェント365の席を割り当てるかどうかを一緒に決めると、席と利用がずれにくくなります。申請の書式に「このエージェントはあなたの権限で動きますか」という問いを1つ入れておくだけでも、後の棚卸しがずっと楽になります。

シナリオ3:自分の権限で動くエージェントを持つ人

3つ目は、エージェントに専用の身元を持たせて動かす場合です。例えば、毎朝決まった時間に問い合わせの受付箱を読んで、担当の部署に振り分けるエージェントを、情シスが専用の身元で動かしているとします。このエージェントは誰かの代わりではなく、自分の権限で動いています。

公式の説明では、この型では、エージェントの持ち主、後見人、管理者に席が要ります。一人の席で多数のエージェントを管理でき、数の上限はないとされているので、情シスの担当者1人が20体のエージェントの管理者でも、席は1つで足りる計算です。ここが、エージェントの数で払う製品との大きな違いです。

ただし、持ち主と管理者を別の人にしている会社では、それぞれに席が要ると読めます。作った部署の担当者を持ち主にし、情シスを管理者にする分担はよく見られますが、その場合は両方の人が数に入ります。誰を持ち主にするかは統制の設計の問題なので、この記事では深入りしませんが、持ち主の決め方が席の数に直結することは、設計の段階で共有しておきます。

異動と退職の扱いも考えておきます。持ち主が異動したのにエージェントが動き続けていると、ライセンスの無い人にひも付いたエージェントになるおそれがあります。公式の説明が言う契約に沿わない状態です。持ち主の異動の手続きに、エージェント365の席とエージェントの持ち主の付け替えを入れておくと、この状態を防げます。

シナリオ4:他社製・自社製のエージェントを登録する

4つ目は、マイクロソフト以外のエージェントを管理したい場合です。公式のライセンスの説明は、エージェント365の観る、統制する、守るの仕組みが、マイクロソフト製のエージェントにも、テナントの中で動く提携先のエージェントにも同じように働くと書いています。一般提供の日のブログでは、アドビやエヌビディア、ゼンデスクなど、提携先の製品が挙げられています。

対象として明記されているのは、コパイロットのエージェント、コパイロット・スタジオで作ったエージェント、ファウンドリーで作ったエージェント、そして提携先が提供するクラウドのエージェントです。自社で開発したエージェントも、これらの仕組みの上に作ったものなら登録の道筋があります。一方で、アマゾンやグーグルのクラウドの登録簿との同期は試験提供の段階です。

他社製のエージェントを登録するときも、席の考え方は変わりません。そのエージェントが誰の権限で動き、誰が持ち主なのかで数えます。注意したいのは、他社製のエージェントでは、誰の権限で動いているかを自社の側で確かめにくいことです。提供元の資料で身元の扱いを確かめ、分からない点は契約の前に問い合わせておきます。

すべての他社製エージェントを登録できるわけではない点も押さえておきます。提携先として一覧に載っているかどうかで、登録の手間は大きく違います。社内で使っている他社製のエージェントを書き出し、提携先の一覧と突き合わせる作業は、AIに下書きさせてもよい部分です。その際は、突き合わせに使った公式の一覧の該当箇所を必ず書かせ、人が照らし合わせて確かめます。

シナリオ5:社員の端末で動くエージェントを見つけたい

5つ目は、社員が自分の端末に入れたエージェントを把握したい場合です。一般提供の日のブログでは、ディフェンダーとインチューンを通じて、ウィンドウズの端末の上で動くエージェントを見つける機能が発表されました。最初の対応はオープンソースの自律型エージェントであるオープンクローで、ほかのコード生成の道具にも広げる予定とされています。

同じブログは、端末の上のエージェントが悪意のある振る舞いの型を示した場合に、ディフェンダーが実行中に止められるとも説明しています。管理者が把握していないエージェント、いわゆるシャドーAIの発見も、登録簿の役割に含まれています。端末の管理までを視野に入れる会社にとっては、登録簿とセキュリティ製品がつながっていることが、この製品を選ぶ理由の一つになります。

ここでの席の考え方は、これまでと少し違います。端末で見つかったエージェントは、多くの場合、社員が自分の権限で動かしているものです。登録簿に載せて管理の対象にするなら、その社員の分の席が論点になります。ただし、見つけたエージェントを止めるのか、認めるのかが決まる前に席を配る必要はありません。先に扱いを決め、認めたものだけを席の数に入れるのが順番です。

端末の管理の側から見ると、インチューンやディフェンダーが端末に行き渡っていることが前提になります。管理されていない私物の端末で動いているエージェントは、この仕組みでは見つかりません。見つける範囲がどこまでかを先に書き出しておくと、「登録簿に載っていないから無い」という誤解を防げます。

シナリオ6:前提の契約がない、または上位の契約に切り替える

6つ目は、前提となる契約をまだ持っていない会社です。E3だけの会社や、ビジネス・プレミアムだけの中小企業は、エージェント365の席に加えて、ディフェンダーとパービューのスイートが要ります。この場合の比較は、エージェント365の単価と、前提を満たすための追加の費用を足した額で行います。

上位の契約に切り替える選択肢もあります。公式の説明では、E7にはエージェント365が含まれています。ただし、E7への切り替えは、エージェントの管理以外の機能も含めた全体の判断になります。エージェント365の単体の費用とE7の差額を単純に比べるのではなく、ほかに必要としている機能があるかを並べて判断します。この記事では、選択肢があることを押さえるにとどめます。

まだエージェントが数体しかない会社では、無理に今すぐ買う必要はありません。エージェント365は、エージェントが増えて、誰の権限で何が動いているかを人の手で追えなくなったときに効いてくる製品です。エージェントの数と、ひも付く人の数を半年ごとに数え、追えなくなる前に判断するという進め方もあります。

反対に、すでにエージェントが部署ごとに散らばり、持ち主が分からないものが出てきている会社は、前提の契約の費用を含めても早めに検討する価値があります。持ち主が分からないエージェントは、ライセンスの問題以前に、止めたいときに止められない危うさを抱えています。費用の比較には、この危うさを放置した場合の手間も書き添えておくと、判断する人に伝わりやすくなります。

誰の分の席を買うかを決める手順

ここまでのシナリオを、実際に席の数を決める手順に落とします。いきなり見積もりを取るのではなく、エージェントと人のつながりを書き出すところから始めます。

STEP1
社内のエージェントを書き出す

コパイロット・スタジオやファウンドリーで作ったもの、提携先の製品、社員が個人で使っているものを、分かる範囲で一覧にします。一覧の整形はAIに下書きさせてよい部分です。

STEP2
それぞれの動き方の型を確かめる

本人の代わりに動くのか、専用の身元で動くのかを、設定から情シスが確かめます。作った人の記憶ではなく、設定の画面で確かめるのが大事です。

STEP3
ひも付く人を書き込む

代わりに動く型なら使う人を、専用の身元の型なら持ち主・後見人・管理者を書き込みます。1人が複数のエージェントに出てくる場合は、1人として数えます。

STEP4
必須と推奨に分け、前提の契約を確かめる

書き込んだ人を必須と推奨に分け、それぞれが今どの契約を持っているかを並べます。前提が足りない人には、追加の費用を書き添えます。

STEP5
配る人数と予算を人が決める

必須の人は漏らさず、推奨の人はどこまで含めるかを、情シスと予算を持つ部門の責任者が決めます。この段階はAIに判断させません。

手順の中でAIに任せてよいのは、エージェントの一覧の整形と、利用状況の集計の下書きまでです。どのエージェントを止めるか、誰に席を配るかはAIに判断させないことを、最初に関係者で確かめておきます。AIに下書きさせた一覧には、どの画面や資料から拾ったかという根拠を必ず添えさせます。

手順の途中で、持ち主が分からないエージェントが見つかることがあります。その場合は、席の数を数える前に、持ち主を決めるか、止めるかを決めます。持ち主の決まらないエージェントを数に入れたまま見積もると、誰の席なのか説明できない枠が残り、配った後の見直しでも扱いに困ります。

席の数を決める前の確認表

見積もりを取る前に、次の項目を埋めておきます。どの項目も、誰の分の席を買うかを説明するための材料になります。

確認する項目どこで確かめるか席の数への影響
エージェントの動き方の型各エージェントの設定の画面代わりに動く型なら使う人が必須
専用の身元の持ち主・後見人・管理者設定の画面と社内の分担表それぞれが必須。1人で多数を持てる
コパイロットの利用者管理センターのライセンスの画面推奨。必須の人と混ぜて数えない
前提の契約の割り当て候補者ごとのライセンスの割り当て足りない人は追加の費用が乗る
提携先の一覧に載っているか公式の提携先の一覧登録の手間と対象の範囲が変わる
機能が一般提供か試験提供か公式の文書とブログ試験提供の機能は見積もりの前提から外す
持ち主の異動の手続き人事の手続きの流れ付け替えを入れないと保護の対象外が生まれる

表のうち、エージェントの動き方の型だけは、推測で埋めないでください。型を取り違えると、席の数が数倍ずれることがあります。分からない場合は空欄のままにし、設定を確かめてから埋めます。

表は、導入の前と、導入して3か月後の2回埋めるのがおすすめです。エージェントは導入後に増えるので、3か月後には必須の人が増えていることがあります。2回目の表と実際の席の割り当てを比べ、漏れている人がいないかを確かめます。比較の表づくりはAIに下書きさせてよいですが、漏れの判断は人が行います。

やりがちな失敗と、AIに判断させない範囲

エージェント365の席を決める場面で、よく見られる失敗を挙げておきます。

  • エージェントの数で費用を見積もり、実際の請求と大きくずれる
  • コパイロットの利用者全員を必須と数え、推奨の人まで一律に買う
  • 情シスの分だけ買い、本人の代わりに動くエージェントを使う人が漏れる
  • 前提の契約の費用を見落とし、稟議の途中で見積もりが膨らむ
  • 持ち主の異動の手続きを決めず、ライセンスの無い人にひも付いたエージェントが残る

AIに任せてよい範囲も確かめておきます。登録簿から書き出した一覧の整形、利用状況の集計、公式の文書の更新点の要約は、AIに手伝わせて構いません。その際は、要約の根拠となった公式の文書の該当箇所を必ず書かせます。ライセンスの区分は改定されることがあるので、AIが古い情報で答えていないかを人が確かめます。

一方で、どのエージェントを止めるか、誰に席を配るか、推奨の人をどこまで含めるかは、人が決めます。人が確認する範囲を先に決め、AIの集計はその判断の材料にとどめることで、席の数を社内で説明できるものにします。説明できない席は、見直しのたびに削られるか、逆に誰も手を付けずに費用だけが残るかのどちらかになりがちです。

よくある質問

エージェントを増やすと、エージェント365の費用も増えますか?

エージェントの数だけでは増えません。公式の説明では、エージェント自体にライセンスは要らず、一人で多数のエージェントを管理できるとされています。ただし、エージェントが増えて、代わりに動かす人や持ち主になる人が増えれば、その人たちの分の席が要ります。

全社員分の席を買う必要がありますか?

必須とされているのは、権限をエージェントに委ねる人と、自分の権限で動くエージェントの持ち主・後見人・管理者です。全社員が当てはまるとは限りません。推奨の範囲の人をどこまで含めるかは、自社の運用に合わせて決めます。

E3しか持っていない会社でも使えますか?

公式の説明では、E3にディフェンダーとパービューのスイートを足した形が前提の一つとして示されています。E3だけでは前提を満たさないため、追加の費用を含めて比べる必要があります。

日本円ではいくらですか?

公式の表示で確かめられたのは米ドルの価格で、単体の契約が利用者あたり月15ドルです。日本円の価格や条件は販売の経路で変わるため、自社が契約している経路の見積もりで確かめてください。

社員が個人で入れたエージェントも見つけられますか?

ディフェンダーとインチューンが行き渡ったウィンドウズの端末なら、端末の上のエージェントを見つける機能が発表されています。最初の対応はオープンクローです。管理されていない私物の端末は対象になりません。

まとめ

エージェント365は、社内のAIエージェントを登録し、使われ方を見て、危ない動きを止めるための製品で、2026年5月1日に商用向けの一般提供が始まりました。課金は利用者単位で、エージェントそのものにはライセンスが要りません。席が必須なのは、自分の権限をエージェントに委ねる人と、専用の身元で動くエージェントの持ち主・後見人・管理者で、コパイロットの利用者などは推奨の範囲です。前提となる契約はE5、またはE3にディフェンダーとパービューのスイートを足した形などで、足りない場合は追加の費用が乗ります。部署で共有するエージェントは動き方の型で、他社製のエージェントは提携先かどうかで、端末で見つかったエージェントは扱いを決めてから、席の数を考えます。まずは社内のエージェントを書き出し、それぞれが誰の権限で動いているかを設定の画面で確かめるところから始めてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?

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