Gemini Enterpriseとは?|社内エージェントを束ねる場

「グーグルの企業向けAIを検討するよう言われたが、ワークスペースに付いているジェミニと何が違うのか説明できない」「部署ごとにAIの道具が増えて、どれが何につながっているのか誰も把握していない」。情報システム部門やマーケの責任者から、こうした声が続いています。製品の名前が短い期間に何度か変わり、機能の説明も広がっているので、戸惑うのは自然なことです。事実を確かめると、グーグルは2026年4月の公式ブログで、ジェミニ エンタープライズ(Gemini Enterprise)を「職場のAIの入口」と位置づけ、エージェントを探し、作り、共有し、動かすことを一つの環境で行う場だと説明しています。8月には使った分だけ払う版も加わりました。つまりこれは、賢い対話の窓を一つ増やす話ではありません。本当は、社内に散らばるAIエージェントを一か所に集め、つなぐデータと使える人を管理する場を持つかどうかの判断です。この記事では、ジェミニ エンタープライズでできること、版の違い、ワークスペースのAIとの違い、管理の機能、導入を判断する観点を、情シスとマーケの使い分けの例とともに整理します。
カメ先生ジェミニ エンタープライズは、ひとことで言えば社内のAIエージェントの置き場なんだ。社員がエージェントを探して使い、自分でも作って仲間に配る。そのとき、どのデータにつながり、誰が使えるかを管理者がまとめて見られるようにする仕組みだよ。
カメ子ワークスペースのメールや文書の中で使えるジェミニとは、別物なんですか。
カメ先生アプリの中で文章を整えるAIと、複数のシステムをまたいで仕事を進めるエージェントの置き場は、役割が違うんだ。ただ、つないだデータの権限はそのまま答えに出るし、エージェントが間違えることもある。だから答えには根拠の文書を添えさせ、何を任せてどこで人が確かめるかを先に決めておく必要がある。
カメ子置き場を用意する前に、置いてよいものの決まりを作るわけですね。
- ジェミニ エンタープライズは、社内データにつながるAIエージェントを探す・作る・共有する・見張るための企業向けの場
- 版は5つ。エージェントを作れる版、使った分だけ払う版、現場向けの版で、できることと容量が違う
- つないだデータの権限がそのまま答えに出る。根拠を添えさせ、人が確かめる範囲を導入前に決める
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ジェミニ エンタープライズとは、社内エージェントを束ねる場
ジェミニ エンタープライズは、グーグルクラウドが提供する企業向けのAIエージェントの基盤です。2026年4月23日の公式ブログでは、この製品の画面を「職場のAIの入口」と呼び、チームがエージェントを見つけ、作り、共有し、共同で使い、動かすことを一つの環境で行えると説明しています。社員一人ひとりが対話で質問するだけでなく、決まった手順で仕事を進めるエージェントを使い回す場、と考えると輪郭がつかめます。
この画面は、開発者向けの「エージェントプラットフォーム」の上に作られています。同じブログでは、エージェントプラットフォームを以前の開発基盤の発展形と説明し、そこで開発者が作ったエージェントは、そのまま社員向けの画面に並べられるとしています。つまり、現場が画面で作るエージェントと、開発者が作り込んだエージェントが、同じ場所に並ぶのが特徴です。
「束ねる」という言葉の中身は、管理の一本化です。部署ごとに別々のAIの道具を契約すると、どこにどのデータを渡しているかが見えなくなります。ジェミニ エンタープライズは、エージェントごとの識別、つなぐデータの範囲、使える人の範囲を、管理者が一つの管理画面から見ることを売りにしています。便利さより先に、この管理の一本化に価値を感じるかどうかが、検討の出発点になります。
できることは「探す・作る・使う・見張る」の4つ
機能は多岐にわたりますが、利用者の目線で整理すると4つに分けられます。一つ目は探すことです。公式の版の比較では、すべての版に権限に沿った社内検索と、社内や他社のサービスにあるデータに基づいて答える仕組みが含まれています。社内の文書や表を横断して、自分が見てよい範囲から答えを返します。
二つ目は作ることです。プログラムを書かずにエージェントを組む「エージェントデザイナー」があり、決まった時刻や、ほかの業務システムでの出来事をきっかけに動くエージェントを、文章で指示して作れると説明されています。三つ目は使うことで、既製のエージェントや、提携する企業のエージェントを選んで使えます。四つ目が見張ることで、長い時間をかけて動くエージェントの状況を一か所で確かめる「受信箱」の機能があります。
4つのうち、どこに重みを置くかで評価が変わります。社内検索の精度だけを求めるなら、ほかの手段と比べる余地があります。一方、作ったエージェントを社内に配り、動きを見張るところまで一続きで持ちたいなら、この製品の設計と合っています。検討の最初に、自社が4つのどれを一番求めているかを書き出しておくと、比較の軸がぶれません。
社内データへの接続は、今の権限がそのまま答えに出る
ジェミニ エンタープライズは、コネクタと呼ばれる接続の部品を通じて、社内や他社のサービスのデータを読みます。公式の更新情報では、2026年9月にマイクロソフトのファイル置き場、メール、共有サイト、チャットでの操作に対応したと告知されています。グーグルの製品だけでなく、他社の業務ソフトのデータにもつながることが前提の設計です。
ここで気をつけたいのは、「権限に沿って探す」という言葉の意味です。社員が見てよい範囲から答えを返すということは、共有の設定が緩いまま放置された文書があれば、それも答えの材料になるということです。部署の外に見せるつもりのなかった資料が「全員が閲覧可」になっていれば、AIが新しく情報を漏らすのではなく、元から開いていた扉が見つけやすくなるだけです。
そのため、つなぐ前の作業の中心は、AIの設定ではなく共有の棚卸しです。人事・給与・契約・顧客の個人情報を置いた場所から先に、閲覧できる人の範囲を確かめます。2026年7月には、使えるデータの接続先と外部への送信先を管理者が組織のポリシーで絞れる機能が正式に提供されました。つないでよい先を一覧にし、一覧にない先は技術的にも閉じておくと、後から一つずつ止める手間が減ります。
エージェントを作る道具:エージェントデザイナー
エージェントデザイナーは、プログラムを書かない人向けのエージェント作成の道具です。公式ブログでは、複数のシステムにまたがる手順を自然な文章で指示して自動化でき、決まった日時や、ほかの業務アプリでの出来事をきっかけに動くエージェントも作れると説明されています。組んだ流れは、流れ図のような形で確かめられるとされています。
2026年6月には、AIによる自動化と人の関与を組み合わせた複数の段階からなる「ワークフロー型のエージェント」が正式に提供されました。ただし、この提供は許可リストに載った組織が対象とされています。機能が発表されたことと、自社の契約ですぐ使えることは別なので、検討の段階で自社の版と地域で使えるかを確かめます。
エージェントを作れる版は限られています。公式の版の比較では、プログラムを書かずにエージェントを作る機能はビジネス版・スタンダード版・プラス版にあり、現場向けの版では用意された部品を入れて使うことはできても、自分で新しく作ることはできないとされています。誰に作らせるかは、どの版を何席買うかと一緒に決めることになります。
既製のエージェントと、提携企業のエージェント
自分で作らなくても使えるエージェントがあります。公式の版の比較では、深い調べものを行う機能とデータの分析の機能が、現場向けの版を除く版に含まれています。社外の公開情報を集めて報告書の下書きにまとめるような作業を、既製の部品で始められます。
もう一つが、提携企業のエージェントを並べた「エージェントギャラリー」です。公式ブログでは、アドビ、セールスフォース、サービスナウ、ワークデイなどのエージェントが並び、グーグルクラウドが安全性と連携のしやすさの要件を確かめたものだと説明されています。すでに使っている業務ソフトのエージェントを、同じ画面から呼び出せる形です。
ただし、提携企業のエージェントを入れるということは、そのエージェントがつながる先のデータの扱いが、その企業の契約にも関わるということです。グーグルが要件を確かめていても、自社のデータをどこまで渡してよいかを決めるのは自社です。入れる前に、そのエージェントが読むデータ、書き込む先、利用料の扱いを、元の業務ソフトの契約と照らし合わせます。
既製の調べものの機能を使うときも、使い方の決まりは要ります。集める先の条件(公的機関や発行元の一次資料を優先する、まとめ記事は参考にとどめる)を指示に書き、出てきた報告書には、どの主張がどの出典に基づくかを添えさせます。報告書をそのまま社外の資料に貼らず、引用する数字だけを人が原典で確かめてから使うことにすると、調べる時間を減らしつつ、誤りの持ち込みを防げます。
版は5つ。できることと容量で比べる
公式の版の比較では、ジェミニ エンタープライズには5つの版があります。違いは、利用できる人数、利用者1人あたりの保存と索引の容量(全員で共有する枠)、エージェントを自分で作れるか、深い調べものの機能が使えるか、の4点に表れます。
| 版 | 人数の条件 | 容量の枠(1人あたり・共有) | エージェントを作る | 向く組織 |
|---|---|---|---|---|
| ビジネス | 1〜500人 | 25ギビバイト | 作れる | 情シスの手を多くかけずに始めたい中小規模 |
| スタンダード | 1人以上 | 30ギビバイト | 作れる | 管理と統制を重く見る中〜大規模 |
| プラス | 1人以上 | 75ギビバイト | 作れる | つなぐデータが多く、容量が要る組織 |
| 使った分だけ払う版 | 1席から | 使った分に応じて変わる | 公式の比較で確かめる | 利用の量が読めず、まず試したい組織 |
| 現場向け | スタンダードかプラスが150人以上ある組織 | 2ギビバイト | 作れない(用意された部品を入れて使う) | 机に向かわない現場の社員 |
表の容量は、社内のデータを読み込ませて探せるようにするための枠です。つなぐデータが多い組織ほど、席の数より先に容量の枠で上の版が必要になることがあります。使った分だけ払う版は2026年8月に始まり、9月には請求書払いのすべての契約に広がったと告知されています。
また、2026年9月17日以降に新しく契約するスタンダード版とプラス版には、開発者向けのコード支援の道具が含まれなくなったと告知されています。既存の契約は期間中は使えるとされていますが、版の中身は短い間隔で変わるので、見積もりを取るたびに公式の比較の頁で確かめ直します。
料金の見立て方:席・容量・使った分
料金の額は、本稿の調査では公式の料金の頁で確かめられなかったため、ここでは見立て方だけを示します。費用は大きく三つの部分でできています。一つ目は席の料金で、版ごとに1人あたりの月額が決まる形です。二つ目は容量で、枠を超えると追加の費用がかかる形が一般的です。三つ目は使った分に応じた費用で、使った分だけ払う版ではこれが中心になります。
見立ての手順は、まず使う人を三つに分けることです。エージェントを作る人、作られたエージェントを使う人、ほとんど使わない人。作る人にだけ上位の版を割り当て、使うだけの人は別の扱いにできないかを販売代理店やグーグルに確かめます。全員に同じ版を配ると、使わない人の席代が大きく残ります。
もう一つは、すでに払っている費用との重なりです。ワークスペースの契約、他社のAIの基盤、部署ごとに契約している対話型AIの有料版などを並べ、ジェミニ エンタープライズを入れたときに止められる契約があるかを確かめます。足し算の費用だけで判断せず、止められる契約の分を引いて比べると、導入の是非が見えやすくなります。
- 料金の額・席の最低数・年契約と月契約の差は変わるため、公式の料金の頁か販売代理店の見積もりで確かめる
- 2026年6月以降、ライセンスの割り当てはグーグルクラウドの管理画面で行う形に変わったと告知されている
- 容量の枠を超えたときの費用の扱いは、契約の前に書面で確かめる
ワークスペースに入っているAIとの違い
よく混同されるのが、メールや文書、表計算、会議といったワークスペースの各アプリの中で使えるAIの機能です。こちらは、いま開いているメールや文書を相手に、要約や下書き、言い換えを手伝うものです。一つのアプリの中で、一人の作業を速くする道具と言えます。
ジェミニ エンタープライズは、アプリの外に立つ場です。ワークスペースだけでなく、マイクロソフトの製品や業務ソフトのデータにもつながり、複数のシステムをまたぐ手順を、エージェントとして組んで配ります。アプリの中の手伝いと、システムをまたぐ仕事の置き場という違いで覚えておくと、社内で説明するときに混乱しません。
両方を使う組織では、管理の担当が二つに分かれやすい点に注意します。ワークスペースのAIは管理コンソール、ジェミニ エンタープライズはグーグルクラウドの管理画面で主に扱います。どちらの画面で何を止められるかを一覧にしておかないと、片方だけ閉じて安心する事故が起きます。なお、ワークスペースのAIを全社に開ける範囲の決め方は、ワークスペースに入るAIの項目を扱った記事で整理しています。
管理と監査の機能で確かめること
導入を判断するうえで、情シスが最も重く見るのが管理と監査の機能です。公式ブログでは、すべてのエージェントに一意の識別子を割り当て、何をしたかを追跡し監査できる仕組みや、エージェントとデータの間のやり取りを見張る仕組み、外部からの不正な指示や機密の漏れを防ぐ仕組みが紹介されています。プログラムを書かずに作ったものも、開発者が作ったものも、同じ管理の考え方で扱うとされています。
運用の場面で効くのは、細かな管理の機能です。2026年9月には、共有されたエージェントの所有者を、管理者が別の人や自分に移せるようになったと告知されています。作った社員が異動や退職をしたとき、持ち主のいないエージェントが動き続けるのを防ぐための機能です。こうした更新は頻繁にあるため、公式の更新情報を担当者が月に一度読む決まりにしておきます。
確かめる項目は、機能の有無だけでは足りません。誰がどのエージェントを使ったかの記録がどこに残り、何日保存されるか。エージェントが読んだ文書と、答えに使った根拠が後から追えるか。記録が残ることと、記録を誰かが読むことは別なので、読む担当と頻度まで決めて初めて監査になります。
他社のAI基盤とどう重なるか
多くの企業では、すでに別のAIの基盤が動いています。マイクロソフトの製品に組み込まれたAIや、その作成の道具、部署が独自に入れた作成の道具などです。ジェミニ エンタープライズを検討するときは、製品の優劣ではなく、重なりをどう整理するかが論点になります。個別の製品の中身は、それぞれを扱った記事に譲ります。
整理の観点は三つです。一つ目は、社員が毎日使う文書やメールがどちらの製品にあるか。データの置き場に近い基盤のほうが、つなぐ手間も権限の整理も軽く済みます。二つ目は、エージェントを誰が作るか。現場が作るなら、現場が慣れている画面の側に寄せたほうが定着します。三つ目は、管理を一本にできるか。二つの基盤を並べると、止める場所と監査の場所も二つになります。
ジェミニ エンタープライズは、マイクロソフトの製品のデータにもつながる設計なので、どちらか一方に寄せない組織にも候補になります。ただし、つなげられることと、つなぐべきことは別です。同じ業務のエージェントを二つの基盤で作らないという決まりを先に置き、業務ごとに置き場を一つに決めておきます。
導入を判断する5つの観点
ここまでの内容を、導入を判断する手順にまとめます。機能の説明会に出る前に、社内で次の5つを話し合っておくと、説明を聞いたときに何を確かめればよいかがはっきりします。
つなぐ候補のデータを書き出し、それぞれの閲覧の権限が今どうなっているかを確かめます。権限が整っていない場所は、つなぐ候補から外すか、先に整えます。
作る人を情シスに限るか、部署の担当者にも開くかを決めます。開く場合は、作ったものを共有する前に誰が見るかも決めます。
調べる・下書きする・送る・書き込むのうち、どこまでをエージェントに任せるかを業務ごとに書きます。外に出る作業と記録を書き換える作業には、人の確認を挟みます。
使った記録を読む担当、所有者の移し替えを行う担当、公式の更新情報を追う担当を決めます。
作る人・使う人・使わない人の数を分け、止められる既存の契約の分を引いて比べます。
5つのうち、三つ目が最も後回しにされがちです。AIエージェントに何を任せるかを決めないまま席を買うと、使い道が見つからないまま費用だけが続きます。最初は、調べて下書きするところまでを任せる業務を二つか三つ選び、そこから広げるのが確実です。
情シスでの使い方の例
情報システム部門でまず考えやすいのは、社内の問い合わせへの一次回答です。パスワードの再設定の手順、機器の貸し出しの規程、ソフトの申請の流れといった、答えが社内の手順書に書いてある問いを、エージェントに答えさせます。答えには、根拠にした手順書の名前と該当箇所を必ず添えさせ、手順書に記載がない問いは担当者に回す形にします。
もう一つは、エージェントそのものの棚卸しです。部署の担当者がエージェントを作れるようにすると、似たものが増え、使われないまま残るものも出てきます。管理画面で、作った人、共有の範囲、つながるデータ、最後に使われた日を四半期に一度一覧にして見直す作業を、情シスの定例に組み込みます。
情シスがエージェントに任せないのは、権限の付与や設定の変更の確定です。アカウントの権限を広げる、共有の設定を変える、といった操作は、エージェントに申請の下書きを作らせても、実行は人が承認してから行います。記録を書き換える操作は、下書きと実行を分けると決めておくと、誤った指示で広い範囲が変わる事故を防げます。
決まった時刻に動くエージェントを置く場合は、知らせの受け手も決めます。公式ブログでは、受信箱の機能で動いているエージェントを見張り、設定を直し、状況の知らせをメールやチャットで受け取れると説明されています。知らせが作った本人にしか届かない状態だと、休暇や異動の間に止まったことに誰も気づきません。知らせの受け手は個人ではなく、担当の窓口となるグループにすると、持ち主が不在でも異常に気づけます。
マーケでの使い方の例と、情シスとの分担
マーケでは、社外の公開情報を集める調べものと、社内の資料を横断した下書きが中心になります。たとえば展示会の前に、出展企業の公開資料を深い調べものの機能で集めさせ、要点を一覧にまとめさせる。あるいは、過去の事例資料と製品資料を根拠に、提案書の骨子の下書きを作らせる、といった使い方です。
注意したいのは、社外の公開情報を集めた結果には、古い記事やまとめ記事が混ざることです。数字や固有名詞は、エージェントが示した出典を人が開いて確かめることを決まりにします。社内の資料を根拠にする場合も、公開前の製品情報や顧客名が入った資料をつなぐ範囲から外しておかないと、社外向けの下書きに紛れ込みます。
情シスとマーケの分担を、次の表にまとめます。どちらの部署も、エージェントに任せるのは調べることと下書きまでで、判断と確定は人が持つという点は共通です。
| 観点 | 情シス | マーケ |
|---|---|---|
| 主な使い方 | 社内の問い合わせへの一次回答、エージェントの棚卸し | 公開情報の調べもの、提案書や記事の下書き |
| つなぐデータ | 手順書・規程・申請の記録 | 製品資料・事例資料・公開済みの記事 |
| 外すデータ | 人事・給与・個人の申請内容 | 公開前の製品情報・顧客名入りの資料 |
| 人が確かめる所 | 権限や設定を変える操作の実行 | 出典の数字と固有名詞、社外に出す前の文面 |
| 持つ役割 | 接続先の許可、記録の確認、所有者の移し替え | 業務ごとのエージェントの中身と根拠の資料の更新 |
AIに任せる範囲と、人が確かめる範囲
ジェミニ エンタープライズを入れても、エージェントが間違えなくなるわけではありません。根拠の文書を読み違える、古い版の資料を引く、根拠にないことを補って答える、といった誤りは残ります。だからこそ、AIに判断させない、根拠を書かせる、人が確認する範囲を先に決めるの三つを、導入の最初の文書に書いておきます。
具体的には、答えには根拠にした文書の名前と場所を必ず添えさせ、根拠が見つからない問いには答えさせず担当者に回します。社外に出る文面、顧客の記録の書き換え、費用が発生する操作は、エージェントが下書きまで作り、人が承認してから実行します。長い時間動くエージェントは、受信箱で状況を確かめる担当者を決め、止める人と止める条件を動かす前に決めることにします。
導入の初期にやりがちな失敗を並べておきます。どれも、便利さを急いで確認の段取りを飛ばしたことから起きます。
- 共有の設定を見直さないまま、社内の文書置き場を丸ごとつなぐ
- 全社員にエージェントを作れる版を配り、共有の前に誰も中身を見ない
- 提携企業のエージェントを、読むデータと契約を確かめずに入れる
- 作った社員が異動した後も、持ち主のいないエージェントが動き続ける
- 根拠の無い答えを、出典が付いていないことに気づかずに社外へ使う
よくある質問
ワークスペースを契約していれば、ジェミニ エンタープライズも使えますか?
別の製品として考えるのが安全です。ワークスペースの各アプリに入っているAIの機能と、ジェミニ エンタープライズの版は、公式の説明でも別に案内されています。自社の契約で何が含まれているかは、管理画面と販売代理店で確かめます。
グーグル以外のサービスのデータも読めますか?
コネクタを通じて読めます。2026年9月にはマイクロソフトのファイル置き場やメール、共有サイト、チャットでの操作への対応が告知されました。ただし、多くのコネクタは試験提供の段階で追加されることがあるため、使いたい接続先が正式な提供かどうかを確かめます。
社員が作ったエージェントを、会社として管理できますか?
管理者が共有の範囲や所有者を扱える機能があります。2026年9月には、共有されたエージェントの所有者を管理者が移せるようになりました。機能があっても、誰がいつ見直すかを決めなければ管理にはならないので、棚卸しの周期と担当を決めます。
まず何から始めればよいですか?
つなぎたいデータの置き場を書き出し、それぞれの閲覧の権限を確かめるところから始めます。あわせて、調べて下書きするところまでを任せる業務を二つか三つ選び、少人数で試します。答えと根拠の食い違いを記録してから、使う人と作る人を広げるのが確実です。
まとめ
ジェミニ エンタープライズは、社内データにつながるAIエージェントを探し、作り、共有し、動きを見張るための、グーグルクラウドの企業向けの場です。権限に沿った社内検索、プログラムを書かずに作るエージェントデザイナー、既製と提携企業のエージェント、長く動くエージェントを見る受信箱、エージェントごとの識別と監査の仕組みを備えています。版はビジネス・スタンダード・プラス・使った分だけ払う版・現場向けの5つで、作れるかどうかと容量の枠が違い、中身は短い間隔で変わります。ワークスペースのアプリの中で使うAIとは役割が違い、複数のシステムをまたぐ仕事の置き場と考えると区別できます。導入の判断では、どのデータにつなぐか、誰が作るか、何を任せてどこで人が確かめるか、管理を誰が持つか、費用をどう見立てるかの5つを先に決めます。つないだデータの権限はそのまま答えに出るので、答えには根拠の文書を添えさせ、判断と確定は人が持ちます。まずは、つなぎたいデータの置き場とその閲覧の権限を一覧にしてみてください。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
