AIの商品画像は使用例か誇大表示か|イメージ画像の線引き

「生成AIで使用場面や導入後の画面の画像が数分で作れるようになり、撮影の予算がなくても広告が組めるようになった」「でも、実物よりきれいに見える画像を出して、問題にならないのだろうか」。この一年で、広告やサイトの担当者から聞くことが増えた声です。便利さと不安が同時にあるのは、生成した画像の扱いについて、決まった答えが見えにくいからでしょう。一方で、消費者庁の資料は以前から、表示された効果や性能は文章だけでなく、写真やイメージ図、体験談を含めた表示全体から判断するという考え方を示しています。問題の中心は、AIで作ったかどうかではありません。本当は、その画像が、実物より良い商品だと見る人に思わせるかどうかです。この記事では、使用例として出せる画像と誇大になる画像を分ける軸、断り書きの効き方、制作の段取りを整理します。
カメ先生生成AIで作った画像そのものを一律に禁じる決まりは、今の日本にはないんだ。ただ、画像も広告の表示の一部として見られる。実物にない機能や効果を画像が見せていれば、文章で書いたのと同じように扱われるんだよ。
カメ子それなら「画像はイメージです」と添えておけば、大丈夫そうに聞こえますね。
カメ先生そこが誤解されやすい所なんだ。断り書きは、画像が見せている中身と矛盾していると誤認を解けない。AIに任せるのは画像を作ることと、実物との違いを洗い出すことまでで、出してよいかは法務と担当の人が決めるんだよ。
カメ子作る前に実物をそろえて、違いを人が見て判断するということですね。
- 画像も表示の一部。実物にない機能・性能・効果を見せれば、文章と同じく誇大表示になりうる
- 一般消費者向けは景品表示法、法人向けでも不正競争防止法などで問われる。断り書きは中身の誇張を消せない
- 実物を先に集め、生成した部分を記録し、差分をAIで洗い出して、出してよいかは人が決める
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生成画像で何が変わったのか
以前は、商品の使用場面や導入後の画面を見せるには、撮影するか、デザイナーに作図を頼むしかありませんでした。手間と費用がかかる分、作る前に「何を見せるか」を決める工程が自然に入っていました。生成AIは、この工程を飛ばして、それらしい画像を短い時間で何枚も出してくれます。
変わったのは、実物にないものが簡単に写り込むようになったことです。指示の書き方しだいで、製品にない機能のボタンが画面に描かれ、実際より広い部屋や整った作業場が背景になり、存在しない利用者の笑顔が添えられます。作った側に誇張する意図がなくても、画像が実物より良く描いてしまうことがある点が、撮影との大きな違いです。
日本では、生成AIで作った広告であることの表示を一般に義務づける法律はない、と解説する法律事務所の記事があります(2026年7月)。同じ記事は、AIの出力をほぼそのまま使いながら「描き下ろし」「手描き」とうたうような場合には優良誤認に当たりうると指摘しています。問われるのは作り方の表示より、画像が伝える商品の中身が、実物と合っているかのほうです。
生成した画像が使われる場所は、広告だけではありません。製品ページ、営業資料、展示会の掲示、提案書の表紙にも広がっています。後で見る不正競争防止法は、広告に加えて取引に使う書類や通信の表示も対象にしています。画像の確認を広告の出稿前だけにせず、営業資料や製品ページに載せる前にも同じ物差しで見るようにしておくと、確認の漏れが減ります。
優良誤認は一般消費者向けの取引が対象
表示の規制の中心にあるのは、景品表示法です。同法の第5条第1号は、商品やサービスの品質などについて、実際のものや競争相手のものよりも著しく優良であると示す表示を禁じています。これが優良誤認表示です。消費者庁の説明では、故意や過失の有無は問われず、誤って出した表示でも対象になります。
「著しく」の意味について、消費者庁が打消し表示の留意点をまとめた資料(2018年6月)は、誇張の程度が社会一般に許される程度を超え、一般消費者の商品選びに影響を与える場合だとしています。広告に多少の演出があること自体は前提とされていて、問題になるのは、見る人の選択を変えるほどの誇張です。
景品表示法が守るのは、一般消費者の選択です。事業者同士の取引、つまり法人向けの商材の広告は、原則としてこの法律の対象の外にあります。ただし、法人向けのつもりの商材を個人事業主や一般の人も買える形で売っている場合は、その部分に景品表示法が関わってきます。自社の商材が誰に売られているかを、画像の判定より先に確かめることが出発点です。
優良誤認と聞くと、数字や言い切りの文言を思い浮かべる人が多いでしょう。社内の確認も文言を中心に組まれていることが多く、画像は「デザインの話」として素通りしがちです。生成画像が増えた今は、確認の手順の中に、画像を一枚ずつ見る工程を名前を付けて置くことが要ります。文言の確認者と画像の確認者が別の人なら、どちらが判定の責任を持つかも決めておきます。
画像も「表示」に含まれる
消費者庁の同じ資料は、表示された効果や性能とは、文章、写真、試験結果から引いた数値、イメージ図、消費者の体験談などを含めた表示全体から一般消費者が受け取るものだと述べています。文章に「高性能」と書いていなくても、画像がそう見せていれば、その見せ方が表示として扱われるということです。
この考え方に立つと、生成AIで作った使用例の画像も、広告の文言と同じ重さで見る必要があります。画像の中で製品が見せている働きや、画面に映る機能、背景に写る利用の場面は、すべて「この商品はこういうものだ」という主張として読まれます。
画像が見せた内容について、根拠を求められることもあります。景品表示法には、表示の裏付けとなる合理的な根拠の資料の提出を消費者庁が求められる仕組みがあり、出せなければ、措置命令では違反の表示とみなされ、課徴金の命令では違反と推定されます。生成した画像の一枚ずつについて、実物のどこに基づくかを説明できるかが、出す前の確認の芯になります。
法人向け商材で効く別の法律
法人向けの商材なら何を見せてもよい、というわけではありません。不正競争防止法は、商品や役務、その広告や取引に使う書類・通信に、品質や内容、用途などについて誤認させるような表示をすることを、不正競争の一つとして定めています(第2条第1項第20号)。消費者向けか法人向けかで対象を分けていない規定です。
法律事務所の解説によれば、この規定では実際に誤認が起きたことまでは要らず、表示そのものが取引の相手に誤認を生じさせるおそれがあれば足りるとされます。請求するのは主に競争相手の事業者で、表示の差止め、ウェブからの削除を含む廃棄除去、損害賠償、訂正広告などの信用回復が求められることがあります。法人向けの広告では、行政ではなく競争相手から問われる可能性がある、と押さえておきます。
法人向けの取引で誤認させる勧誘については、独占禁止法の不公正な取引方法(ぎまん的顧客誘引)が関わりうるとする解説もあります。どの法律がどこまで関わるかは商材と売り方で変わるので、個別の判断は法務の担当や弁護士に確かめてください。この記事では、どの法律でも共通して問われる実物と違う中身を見せていないかを、判定の軸に置きます。
法律の話とは別に、取引の上での問題もあります。法人向けの取引では、契約の前に広告や資料の画像を見て候補を絞ることがよくあります。画像が選ぶ理由の一つになっていれば、導入の後に「資料の画面と違う」という苦情や、契約の条件をめぐる話し合いにつながることがあります。規制の対象かどうかだけでなく、顧客との信頼の面からも、画像は実物に合わせておくのが得策です。
使用例として出せる画像の条件
では、どんな画像なら使用例として出してよいのか。考え方の出発点は、画像が見せる商品の働きが、実物で再現できるかどうかです。背景の部屋の雰囲気や照明、写っている小物の配置は、演出の範囲に収まることが多い部分です。一方、商品そのものが見せる機能や性能、効果は、演出ではなく中身の主張になります。
出しやすいのは、次のような画像です。実際の製品の写真や実際の画面の撮影をもとに、背景だけを生成で差し替えたもの。使う場面を想像しやすくするための人物や部屋で、商品の働きには手を加えていないもの。商品の部分が実物と同じで、変えたのが周りの演出だけという画像は、使用例として説明がつきます。
ただし、背景でも中身の主張になることがあります。たとえば清掃の道具の広告で、背景の床から実際には落ちない汚れまで消えたように描かれていれば、背景が効果を見せています。演出と中身の境目は、その部分を見た人が、商品の働きだと受け取るかどうかで引きます。迷ったら、その部分を実物の写真に置き換えても広告が成り立つかを考えると、境目が見えてきます。
背景だけを差し替えたつもりでも、商品そのものが変わってしまうことがあります。生成の処理が商品の縁に食い込み、形が少し丸くなったり、部品が一つ消えたり、表面の傷や継ぎ目がなくなったりするのです。差し替えた画像は、元の写真と重ねて、商品の輪郭と部品の数が変わっていないかを確かめてから使います。
誇大になりやすい画像の4つの型
誇大になりやすい画像は、大きく四つの型に分けられます。実物にない機能・性能・効果を描いた画像、実際の画面と違う操作画面、存在しない導入事例の風景、生成した人物が利用者の声に見える画像です。
四つに共通するのは、画像を見た人が「この商品を使えばこうなる」と受け取る部分に、実物にないものが入っていることです。生成AIは、指示にない部分も自然に見えるよう描き足すので、指示した人が気づかないうちに四つの型のどれかに入ることがあります。次の節から、型ごとに見分け方を整理します。
四つの型は、商材によって起きやすさが違います。家電や道具のような形のある商品では型1、ソフトウェアやウェブのサービスでは型2、法人向けの設備や仕組みでは型3、個人向けのサービスでは型4に入りやすいと考えられます。自社の商材で起きやすい型を先に知っておけば、確かめの手間をそこに集められます。
型に当てはまるかどうかは、画像単体ではなく、並べる文言と合わせて見ます。同じ画像でも、「導入企業の実際の画面」と書き添えれば実物の主張になり、「操作の流れの説明図」と書けば説明の図として読まれます。文言で画像の主張を強めていないかも、同時に確かめます。広告の文言そのものの確認項目は別の記事で扱っているので、ここでは画像と文言の組み合わせに絞ります。
型1 機能・性能・効果を描き足す
一つ目の型は、商品にない機能や、実物を上回る性能・効果を画像が見せてしまうものです。家電なら実際より大きな容量、道具なら実際には届かない仕上がり、サービスなら実際より短い時間で片づく作業の様子などです。
生成AIは、「きれいに仕上がった様子」「快適に使っている場面」といった指示を、見た目をできるだけ良くする方向で解釈します。その結果、実物の写真で撮れる仕上がりより、一段上の状態が描かれがちです。実物で同じ写真が撮れるかを問いにすると、この型は見つけやすくなります。
効果を見せる画像で特に注意したいのは、使う前と使った後を並べる見せ方です。前後の差は、そのまま効果の大きさの主張として読まれます。前後を並べるなら、実際の試験や使用の記録から作り、生成で差を広げないようにします。効果の大きさを画像で見せるなら、その大きさの裏付けを先に持つことが条件です。
見落としやすいのが、色と質感です。生成AIは、照明や光沢を足して素材を実物より上等に見せることがあります。木目が実際より深く、布地が実際より滑らかに、金属が実際より輝いて描かれれば、品質の見え方が変わります。とくに、色や素材感が選ぶ理由になる商品では、実物の写真と色味を並べて確かめます。
型2 実際と違う操作画面
二つ目は、ソフトウェアやウェブのサービスで起きやすい型です。導入後の画面のイメージを生成すると、実際にはないグラフやボタン、実際より整った一覧が描かれることがあります。法人向けのサービスでは、画面の見た目がそのまま機能の説明として受け取られます。
開発中の機能を先に見せたい場面もあるでしょう。その場合でも、画面の中の機能が今使えるかどうかは、見る人にとって選ぶ理由そのものです。まだ提供していない機能を、提供中の画面のように見せないことが線になります。提供予定の機能なら、画面と同じくらい目に入る形で「提供予定」と分かるようにし、時期の見込みと合わせて示します。
実際の画面を使う場合でも、見本のデータの作り方に注意します。一覧に並ぶ数字が、実際の利用ではまず出ない良い成績ばかりだと、成果の大きさを見せる表示になります。画面を撮るときは、現実的な見本のデータを入れておき、どんな条件の数字かを画像のそばに添えます。
実際の画面を撮った画像を、掲載の枠に合わせて生成で横に広げる使い方にも注意が要ります。広げた部分に、実在しないメニューや数字、別の画面の一部がもっともらしく描き足されることがあるからです。画面の撮影を加工したときは、広げた部分と元の撮影の境目を確かめ、描き足された表示がないかを一つずつ見ます。
型3 存在しない導入の風景
三つ目は、導入事例や利用の現場を思わせる風景を、生成で作ってしまう型です。大勢の社員が同じ製品を使うオフィス、全国の店舗に並ぶ端末、工場のラインに組み込まれた装置といった画像は、「これだけ使われている」という実績の主張として読まれます。
実際にそうした導入がないのに風景だけを作ると、画像が導入実績を見せていることになります。とくに、事例の紹介ページや利用者の声の近くに置くと、実在の事例の写真だと受け取られやすくなります。事例の近くには、実際の事例の写真か、作った図だとはっきり分かる絵だけを置くと決めておきます。
風景の中に、実在する会社の看板や制服、よく知られた建物に似たものが描かれていないかも確かめます。生成AIは学習した画像に近いものを描くことがあり、特定の会社が導入しているかのような印象を生むことがあります。実在の会社を思わせる細部は、見つけたら消すか作り直すのが原則です。
一方で、業種の雰囲気を伝えるだけの風景まで避ける必要はありません。一般的な事務所や店舗の様子を背景に使い、「利用場面の例」と分かる添え書きを付け、事例の紹介とは離れた場所に置けば、導入実績の主張とは受け取られにくくなります。線は、風景が雰囲気を伝えているのか、実績を見せているのかで引きます。
型4 生成した人物が利用者の声に見える
四つ目は、生成した人物の画像が、実在の利用者に見えてしまう型です。笑顔の人物の画像に、名前や肩書きと感想の文を添えると、見る人は実際の利用者の声だと受け取ります。人物を生成で作り、感想も作って並べれば、存在しない体験談を出していることになります。
消費者庁の資料は、体験談について、捏造した体験談や、都合の良い一部だけを引いた体験談を使う場合は不当な表示に当たるおそれがあるとする過去の通知を挙げています。さらに、体験談を見た人は「たいていの人に効果がある」と受け取り、「個人の感想です」と添えても、その受け取り方はほとんど変わらないとしています。生成した人物に感想を語らせる見せ方は、断り書きでは直せないと考えておきます。
人物を使うなら、利用者の声とは切り離し、使う場面を示すための人物だと分かる置き方にします。実際の利用者の声を載せるときは、本人の了解を得た本人の写真か、写真なしの文章だけにすると決めます。人物の生成画像そのものの権利の扱いは別の記事で扱っているので、ここでは表示の誤認の面に絞ります。利用者の声の欄に置く画像は、生成した人物を使わないと社内の決まりに書いておくのが確実です。
「画像はイメージです」はどこまで効くか
生成画像に「画像はイメージです」と添えれば問題ない、と考える人は少なくありません。消費者庁の留意点の資料は、目立たせた表示(強調表示)と、それに添える断り書き(打消し表示)について、強調表示が実際を反映していることが原則で、断り書きは強調表示だけでは分からない例外や条件を伝えるために例外的に使うものだとしています。
同じ資料は、強調表示と打消し表示が矛盾する場合は誤認されるおそれがあるとし、文字が小さい、強調表示から離れている、背景と区別しにくい、といった表示の方法でも打消し表示は読まれないとしています。画像に当てはめれば、画像が実物にない機能を見せていれば、「イメージです」は画像の中身と矛盾し、誤認を解けません。
断り書きが意味を持つのは、商品の中身ではなく演出の部分についてです。背景の部屋や小物、色味の雰囲気が実際の利用の場面と違うことを伝えるなら、画像のすぐそばに、読める大きさで置けば役に立ちます。断り書きの文字の大きさや置き場所の決め方そのものは別の記事で詳しく扱っています。ここでは、断り書きは中身の誇張を消す道具ではない、という一点を押さえます。
もう一つ、断り書きを付ける習慣には副作用があります。どの画像にも「イメージです」を添えるのが決まりになると、制作の側で「添えてあるから大丈夫」という思い込みが生まれ、画像の中身を確かめる手が緩みます。断り書きは、判定表で演出の違いだけが残った画像に限って付けるものと決めておくと、確認の順番が逆にならずに済みます。
使用例として出せるか、誇大になるかの判定表
ここまでの軸を一つの表にまとめます。画像を一枚ずつ当てはめ、どちらの列に入るかを確かめます。迷う画像は、誇大の側に倒して作り直すほうが安全です。
| 見る所 | 使用例として出せる | 誇大になりやすい |
|---|---|---|
| 商品の機能・性能 | 実物の写真・実画面のまま使っている | 実物にない機能や、実物を上回る仕上がりを描いている |
| 操作画面 | 実際の画面の撮影に、現実的な見本のデータ | 未提供の機能や、実際と違う配置の画面 |
| 効果の見せ方 | 試験や使用の記録どおりの前後 | 生成で前後の差を広げている |
| 利用の風景 | 実際の事例の写真、作った図と分かる絵 | 導入がない現場を、実在の事例のように描く |
| 人物 | 使う場面を示す人物で、感想を添えない | 生成した人物に名前・肩書き・感想を付ける |
| 断り書き | 演出の違いを、画像のそばに読める大きさで | 中身の誇張を「イメージです」で打ち消そうとする |
表の使い方で大切なのは、一つでも右の列に当てはまれば、他の行がすべて左でも作り直すと決めておくことです。判定は、画像と並べる文言をひと組にして行います。表で判断がつかない画像は、担当者だけで決めず法務の担当に回します。判定した結果は、画像ごとの記録に残します。
判定表は、社内の確認票の形に写しておくと使われやすくなります。表の六つの行をそのまま確認の項目にし、行ごとに「左」「右」「該当なし」を選ぶ欄と、確認した人の名前の欄を付けます。確認票が画像と一緒に回ってくる状態にしておけば、確認を飛ばして公開する事故を防げます。
誇大な画像を作らないための制作の段取り
誇大な画像は、公開の前に見つけるより、作る段階で入れないほうが楽です。制作は、次の順で進めます。
製品の写真、実際の画面の撮影、試験や使用の記録、導入事例の写真など、画像の元になる材料を先にそろえます。材料がない部分には、生成で埋めない部分として印を付けます。
生成で作るのは背景や演出の部分に限り、商品の部分は実物の写真を使うよう指示します。
一枚ずつ、元にした材料と、生成した部分、加えた加工を書き残します。
生成した画像と実物の材料を並べ、違う所を一覧にします。この下ごしらえはAIに任せられます。
担当と法務の確認者が、差分の一覧と判定表を見て、出してよいかを決めます。
この段取りの中心は、一つ目の工程です。元になる実物がない画像は、そもそも作らないと決めておけば、誇大な画像の多くは入口で止まります。実物がまだない新製品は、完成予想図であることを画像の中ではっきり示すようにし、使用例の写真のようには見せません。
画像ごとに残す記録
記録は、出した後に説明を求められたときの備えです。先に見たとおり、表示の裏付けとなる資料の提出を求められることがあり、競争相手から表示を問われることもあります。そのとき、画像のどこが実物で、どこが生成なのかを説明できなければ、判断の材料を出せません。残すのは次の五つです。
- 元にした実物の写真・実画面・記録の保管場所
- 生成した部分と、使った指示の要旨
- 実物との差分の一覧と、差分を残した理由
- 確認した人の名前と日付、判定の結果
- 掲載した媒体と期間、差し替えた日
記録は、画像の保存場所と同じ所に同じ名前で残すと探しやすくなります。確認した人の名前は必ず人が書くことにし、差分の一覧をAIに作らせた場合も、確認者が目で見て書き足したものを最終版にします。掲載をやめた画像の記録も、一定の期間は消さずに残しておきます。
記録は、製品の仕様が変わったときにも役に立ちます。機能をなくした、画面の配置を変えた、といった変更があると、以前は実物どおりだった画像が、ある日から実物と違う画像になります。仕様を変えるたびに、その製品の画像の一覧を記録から引き出して見直すことを、製品の担当と広告の担当の間の決まりにしておきます。
AIの使いどころと、任せない所
この線引きでAIに任せるのは、画像の生成と、実物との差分の洗い出しまでです。生成した画像と実物の写真を並べて渡し、違う所を挙げさせると、人が見落としやすい細部の違いを拾えることがあります。頼むときは、判断ではなく違いの一覧を求め、どこを見たかを根拠として書かせます。
次の2枚の画像を比べてください。1枚目は実物の写真、2枚目は広告用に生成した画像です。
商品の部分(形・大きさ・ボタン・画面の表示・仕上がり)で違う所を、場所と内容に分けて一覧にしてください。
背景や小物の違いは、別の欄にまとめてください。
出してよいかどうかの判断は書かないでください。違いごとに、どこを見てそう判断したかを書いてください。
差分の一覧は、あくまで確認の材料です。AIは違いを見落とすことも、違わない所を違うと言うこともあります。出してよいかをAIに判断させず、差分の根拠を示させたうえで人が決めることを決まりにし、商品の部分・操作画面・人物・事例の近くの画像は必ず人が見る、と人が確認する範囲を先に決めておきます。
- 実物の材料なしに使用例を生成する:画像がそのまま商品の主張になり、裏付けを出せない
- 「画像はイメージです」で済ませる:中身の誇張は断り書きでは打ち消せない
- 法人向けだから規制はないと考える:不正競争防止法などで競争相手から問われうる
- 生成した人物に感想を添える:存在しない体験談として受け取られる
- 出してよいかをAIに判定させる:誰が判断したのかを説明できない
まとめ
生成AIの商品画像が使用例で収まるか誇大表示になるかは、AIで作ったかどうかではなく、画像が伝える商品の中身が実物と合っているかで決まります。画像も表示の一部で、一般消費者向けなら景品表示法の優良誤認、法人向けでも不正競争防止法の品質などの誤認を招く表示として問われることがあります。誇大になりやすいのは、機能・性能・効果の描き足し、実際と違う操作画面、存在しない導入の風景、利用者の声に見える生成人物の四つの型です。「画像はイメージです」は演出の違いを伝えるには役立ちますが、中身の誇張は打ち消せません。制作では実物と実画面を先に集め、生成した部分を記録し、差分をAIで洗い出したうえで、出してよいかは担当と法務が判定表で決めます。個別の判断は法務の担当や専門家に確かめてください。まずは今使っている生成画像を一枚選び、商品の部分が実物で同じように撮れるかを確かめるところから始めてみてください。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AIの導入・活用、何から始めるべきかお悩みですか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
