GA4のAIアシスタントに何を聞く?|答えを鵜呑みにしない使い方

「GA4にAIのアシスタントが入ったと聞いたのに、自社の管理画面のどこにも見当たらない」「AIが返した数字を、そのまま週次の会議資料に貼ってよいのだろうか」。GA4を毎週開いている担当者ほど、この二つの疑問を同時に抱えています。どちらも、新しい機能を前にした自然な戸惑いです。まず事実を押さえると、グーグルは2025年11月12日の公式ブログで、ジェミニを使った対話型の分析アシスタントを発表し、12月初めから英語のアカウントに順に届けると案内しました。公式ヘルプでは今もベータ版と書かれ、使えるのは表示言語に英語を選んだプロパティに限られています。日本語の画面で見当たらないのは、設定の誤りではありません。そのうえで大事なのは、使えるかどうかではありません。本当は、聞いてよい質問と聞かない質問を、使う前に分けておけるかどうかです。この記事では、GA4のAIアシスタントの提供状況を公式情報で確かめたうえで、向く質問と向かない質問の見分け方、答えの裏の取り方、社内で共有するときの注意までを整理します。
カメ先生GA4のAIアシスタントは、言葉で質問すると、そのプロパティのデータをもとに答えやグラフ、関係するレポートへの入口を返してくれる機能だよ。今は英語の画面から順に提供されている段階なんだ。
カメ子質問すれば何でも答えてくれるなら、分析の担当者はいらなくなりそうですね。
カメ先生そこが一番の誤解なんだ。期間の比較や流入元ごとの集計のように定義が決まった数字は得意だけど、なぜ下がったか、次に何をするかの答えは候補にすぎない。どの質問を任せて、どこから人が確かめるかは、使う前に決めておくものだよ。
カメ子数字を取り出す係と、意味を考える係を分けておく、ということですか。
- GA4のAIアシスタントは公式ヘルプでベータ版とされ、使えるのは表示言語が英語のプロパティに限られる(2026年9月時点)
- 定義が決まった集計は向き、原因の説明・施策の判断・定義があいまいな数字は向かない
- 答えには期間と絞り込み条件を書かせ、同じ数字を標準レポートか探索で一度開いて確かめる
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GA4のAIアシスタントは何をする機能か
公式ブログでは「アナリティクス・アドバイザー」、公式ヘルプでは「アスク・アドバイザー」と呼ばれている、ジェミニを使った対話型の機能です。プロパティの右上にあるアイコンか、画面上部の検索窓から呼び出し、言葉で質問すると、そのプロパティのデータをもとにした答え、グラフ、関係するレポートへの入口が返ってきます。開くと質問の候補がいくつか示され、候補を選んでも、自分で質問を書いてもかまいません。
ヘルプに挙がっている質問の種類は、大きく六つです。サイト全体の調子を聞く大まかな質問、特定の指標や項目の推移、数字が動いた理由を聞く質問、機能の使い方、測定用の番号やデータストリームといった設定の確認、そして数字を伸ばすための提案です。公式ブログでは、ある日にアクティブユーザーが急に増えた理由を聞く例や、手順付きの改善提案を返す例が紹介されています。
一方で、ヘルプには制限も書かれています。答えに使われるのはそのプロパティの中の情報だけで、他のプロパティや外部のデータは混ざりません。答えが返るまで時間がかかることがあり、レポートを編集している間は使えません。そして、機能に限界があり、誤ることもあると明記され、答えごとに良し悪しを送る仕組みが用意されています。公式の側も、答えをそのまま信じる前提では作っていないということです。
提供の範囲と時期を公式情報で確かめる
社内で話題にする前に、公式で確かめられた事実と、まだ確かめられないことを分けておきます。下の表は、2026年9月時点で公式ブログ、公式ヘルプ、ヘルプのお知らせの欄で確認できた内容です。噂や海外の解説記事にだけ出てくる情報は入れていません。
| 項目 | 公式で確かめられた内容 | 出どころ |
|---|---|---|
| 発表 | 2025年11月12日、広告とアナリティクスの対話型アシスタントとして発表 | 公式ブログ |
| 提供開始 | 12月初めから、英語のアカウントに世界で順に提供 | 公式ブログ/ヘルプのお知らせ(2025年12月12日) |
| 対象 | 無料版と有料版(アナリティクス360)の両方のプロパティ | 公式ブログ |
| 言語 | 表示言語に英語を選んだプロパティのみ。他の言語へは広げる予定とだけ記載 | 公式ヘルプ |
| 段階 | ベータ版。答えに良し悪しを送る仕組みがある | 公式ヘルプ |
日本語での提供時期は、公式には示されていません。ネット上には他の言語への展開時期を書いた記事もありますが、公式ヘルプで確かめられるのは「広げる予定」という一文だけです。社内に説明するときは、日本語版の時期は未定、英語の画面なら今も試せると、事実のとおりに伝えるのが安全です。
英語の画面で試す場合、指標や項目の名前も英語で表示されます。社内の資料が日本語の指標名で作られていると、答えと資料を突き合わせるたびに名前の対応を探すことになります。試す前に、よく使う指標の英語名と日本語名の対応を一覧にしておくと、後の確認がずっと楽になります。切り替えの方法や対象は画面の案内で確かめ、他の利用者の画面に影響しないかも事前に見ておきます。
日本語の画面で使えないときの代わりの手
日本語のまま使える手は三つあります。一つ目は、以前からある「アナリティクス インサイト」です。機械学習でデータの急な変化や新しい傾向を拾って知らせる自動インサイトと、自分で条件を決めて監視するカスタムインサイトがあり、ホーム画面の「インサイト」の欄などに表示されます。対話はできませんが、気づきの候補を出す役目は日本語の画面でも果たせます。カスタムインサイトはプロパティごとに最大50個まで作れ、作成と編集には編集者以上の権限が要ります。
二つ目は、標準レポートや探索の表を書き出し、社内で使ってよいと認められた外部の生成AIに渡す方法です。三つ目は、グーグルが公開している公式の接続の仕組みです。開発者向けの案内では、アナリティクスのデータを大規模言語モデルにつなぎ、対話で質問できるようにする仕組みとして紹介され、読み取り専用で、設定は変更できないと書かれています。導入には開発の知識が要るため、情報システムの担当と相談して決めます。
三つの手は、目的で選び分けます。変化に早く気づきたいだけなら、インサイトの通知で足ります。月に一度の振り返りで数字を読み解きたいなら、表を書き出して渡す方法が手軽です。多くの人が日常的に質問する使い方なら、公式の接続の仕組みが候補になります。どの手を選んでも、どのデータを渡すか、答えをどこまで信じるかは人が決める点は変わりません。書き出す方法を選ぶ場合は、社内の規程で外部の生成AIに渡してよい情報の範囲を先に確かめておきます。
書き出して渡す方法は手軽ですが、何を渡すかは人が決める必要があります。書き出した表には期間と絞り込みの条件が残らないことが多いので、ファイル名や表の先頭に書き添えてから渡します。外部の生成AIで数字を読み解く進め方は別の記事で扱っているため、ここでは深入りせず、GA4の中のアシスタントに絞って話を進めます。
向く質問と向かない質問を分ける物差し
どの質問をAIに任せるかは、一つの物差しで分けられます。その答えを、誰がどの画面で出しても同じ数字になるかです。先月と先々月のセッション数の比較は、期間と指標が決まれば答えが一つに決まります。一方で「なぜ問い合わせが減ったのか」は答えが一つに決まらず、答える側の仮説が混ざります。
前者は、AIの答えを標準レポートと突き合わせれば正誤が分かります。後者は突き合わせる先がなく、もっともらしい説明ほど信じてしまいがちです。ヘルプには理由を聞く質問も扱えると書かれていますが、扱えることと正しいことは別の話です。答えの正誤を画面で確かめられる質問だけを、答えとして扱う。これを最初の線として引いておきます。
この物差しで分けると、AIへの質問は三つの帯に分かれます。答えとして使ってよい集計、候補として受け取る原因や提案、そしてAIに聞く前に社内で定義を決めるべき数字です。次の節から、帯ごとに具体的な質問の例を見ていきます。
向く質問1:期間を決めた比較
最も向くのは、期間をはっきり決めた比較です。「先月と先々月で、アクティブユーザー数とセッション数はどう変わったか」「前年の同じ月と比べて、キーイベントの数はどうか」といった質問は、答えが一つに決まります。標準レポートで同じ比較をするには期間の設定を開き直す手間がかかるため、手間の割に答えの確かさが高い使い方です。
聞くときは、期間を日付で書きます。「最近」「この前」のようなあいまいな言葉は、AIの側で期間を補って解釈されます。「9月1日から9月30日まで、比較は8月1日から8月31日まで」と書けば、答えの前提がぶれません。週単位の比較なら、曜日の並びがそろうように、週の始まりを月曜にするか日曜にするかも書き添えます。
比較の答えは、差の大きさと向きだけを受け取ります。増えた、減ったの先に付いてくる「良い傾向です」「改善が必要です」といった評価の言葉は、読み飛ばしてかまいません。評価は自社の目標と照らして人がするもので、AIはその目標を知らないからです。
向く質問2:流入元別・ページ別の集計
次に向くのは、決まった切り口での集計です。「先月、自然検索から来たセッションが多かったページの上位10本は」「参照元とメディアごとのキーイベント数を多い順に」といった質問は、標準レポートの表を並べ替えるのと同じ答えになります。表を探して並べ替える操作を覚えていない人でも、言葉で取り出せるのが利点です。
ただし、切り口の名前は、GA4の画面での呼び方と一致させます。「広告から来た人」と書くと、有料検索だけを指すのか、ディスプレイ広告や広告経由の参照まで含むのかを、AIが補って解釈します。デフォルトチャネルグループのどの区分を指すのかを書くと、答えと画面の数字がそろいやすくなります。
BtoBのサイトでは、資料請求や問い合わせの完了ページごとに集計を取り出す使い方が役に立ちます。ただ、完了ページの名前が似ていると取り違えが起きやすいので、答えに出てきたページのパスを一度確かめます。取り違えに気づかないまま報告すると、資料請求の数字と問い合わせの数字が入れ替わったまま会議が進むこともあります。
向く質問3:設定の場所と使い方の確認
三つ目は、数字ではなく設定や操作の質問です。ヘルプでは、測定用の番号やデータストリームの確認、機能の使い方を聞く質問が例に挙がっています。「このプロパティのデータストリームはいくつあるか」「探索でセグメントを作る手順は」といった質問は、管理画面を探し回る時間を減らしてくれます。
設定の質問は、答えを見ながら実際の画面で確かめやすいので、試しに使う最初の質問としても向いています。AIが案内した場所に本当にその項目があるか、名前が変わっていないかを確かめる作業が、そのまま答えの確かさを測る練習になります。何問か試して、案内の場所がずれることが多いと分かれば、その後の数字の答えも慎重に扱うという目安になります。
注意したいのは、設定を「変えるべきか」を聞く質問です。データ保持期間を延ばすべきか、キーイベントに何を加えるべきかは、自社が何を測りたいかによって答えが変わります。設定の場所を聞くのはAI、設定を変えるかどうかを決めるのは人、と分けておきます。
向かない質問1:数字が動いた原因の説明
「なぜ先週、問い合わせが減ったのか」は、担当者が一番聞きたい質問です。公式ブログでも、アクティブユーザーが急に増えた理由を聞く例が紹介されています。AIは、同じ期間に大きく動いた流入元や地域、端末などを探し、変化に効いた要素として示してくれます。
ここで受け取れるのは、同じ時期に一緒に動いた要素の一覧までです。一緒に動いたことと、それが原因であることは別の話です。流入元の一つが減ったことは分かっても、それが検索順位の変動なのか、広告の予算が尽きたのか、競合の値下げなのかは、GA4のデータの中には入っていません。ヘルプにあるとおり、答えに使われるのはそのプロパティの中の情報だけです。社外の出来事も、社内で止めた施策も、AIには見えていません。
たとえば、答えに「自然検索からの流入が減ったことが最も効いた」と出たとします。次にやるのは、サーチコンソールで同じ期間のクリック数と表示回数を開き、表示回数ごと減ったのか、順位だけが下がったのかを見ることです。表示回数ごと減っていれば季節や需要の変化を、順位が下がっていれば検索結果の変化や自社の記事の変更を疑います。同じ期間にサイトの改修や記事の削除がなかったかは、社内の作業記録で確かめます。ここまで調べて初めて、原因と呼べる説明になります。
そこで、原因の質問への答えは「調べる順番の候補」として扱います。AIが挙げた要素を上から順に、広告の管理画面、サーチコンソール、社内の施策の記録と突き合わせ、裏が取れたものだけを原因として報告します。AIに原因を判断させないことが、このアシスタントを使う前提です。
向かない質問2:次に何をするかの判断
ヘルプと公式ブログは、数字を伸ばすための提案を手順付きで返せることも紹介しています。「問い合わせを増やすには何をすべきか」と聞けば、それらしい施策の一覧が返ってくるはずです。しかし、提案の材料はプロパティのデータだけで、自社の予算、人手、営業の体制、商材の単価は入っていません。
BtoBでは特に、サイトの数字が良くなることと商談が増えることが一致しない場面があります。問い合わせの数を増やす提案が、実は営業が追いきれない小口の問い合わせを増やすだけ、ということも起こりえます。提案を受け取ったら、その提案が自社の目標のどの数字を動かすのかを人が書き直してから検討に回します。AIの提案を、そのまま施策の決定にしないことを、チームの約束として書いておきます。
使い道があるとすれば、自分たちが見落としていた観点の洗い出しです。提案の一覧を見て「この切り口は見ていなかった」と気づいたら、その切り口で集計を取り出し直し、数字で確かめます。提案をそのまま実行の候補にせず、次に聞く集計の質問に変えるのがこつです。
向かない質問3:定義があいまいな数字
三つ目の帯は、質問の前に定義を決めるべき数字です。GA4の直帰率はエンゲージメントのなかったセッションの割合として定義されていて、以前のアナリティクスの直帰率とは意味が違います。キーイベントも、どのイベントを数えるかはプロパティごとの設定で決まります。社内で「成果」や「コンバージョン」と呼んでいるものと、GA4のキーイベントが同じものとは限りません。ここまでの三つの帯をまとめると、次のようになります。
| 質問の種類 | 例 | 扱い |
|---|---|---|
| 期間を決めた比較 | 9月と8月のセッション数の差 | 答えとして使う(画面で確かめる) |
| 決まった切り口の集計 | 自然検索からの流入が多いページ上位10本 | 答えとして使う(切り口の名前をそろえる) |
| 設定・操作の確認 | データストリームの数、探索の作り方 | 答えとして使う(画面で場所を確かめる) |
| 原因の説明 | なぜ問い合わせが減ったか | 調べる順番の候補として受け取る |
| 施策の判断 | 何をすれば問い合わせが増えるか | 次に聞く集計の質問に変える |
| 定義があいまいな数字 | 直帰率は高いか、成果は増えたか | 社内の定義を先に決めてから聞く |
さらに、しきい値やサンプリングがかかった数字にも注意が要ります。利用者の数が少ない切り口では、個人が特定されないように一部の行が表示されないことがあり、探索ではデータ量が上限を超えると一部のデータから推計されることがあります。AIの答えがこうした条件のかかった数字をもとにしているかは、答えの文章だけでは分かりません。仕様の詳しい説明は別の記事に譲りますが、数字が小さい切り口ほど画面で確かめると覚えておきます。
定義を決める作業は、大がかりでなくてかまいません。社内の用語集に「成果=資料請求の完了と問い合わせの完了の二つのキーイベント」のように1行ずつ書き、AIに質問するときもその言い方をそのまま使います。社内の言葉とGA4の言葉を1対1で結んでおくと、答えの数字と会議資料の数字がずれる原因が一つ減ります。定義が決まっていない数字をAIに聞くと、AIの側で定義を補って答えるため、答えが正しく見えても社内の数字とは合いません。
答えに前提を書かせる聞き方
答えを確かめやすくするには、質問の段階で前提を書かせます。質問の最後に「使った期間、絞り込みの条件、指標の名前を答えの先頭に書いてください」と添えるだけで、答えと画面を突き合わせる手間が大きく減ります。答えの根拠になった条件を、答えと一緒に書かせるのが、確かめられる答えを受け取るための基本です。質問は、次の四つの項目を並べる形で組み立てます。
期間:2026年9月1日から9月30日(比較:8月1日から8月31日)
絞り込み:デフォルトチャネルグループが「自然検索」
聞きたいこと:セッション数とキーイベント数の差
答え方:使った期間・絞り込み・指標名を先頭に書く。原因の推測は書かない
英語の画面で使う場合は、この四つの項目を英語で書くことになります。日本語の質問が通るかどうかは公式ヘルプに書かれていないため、確実に使うなら英語で書きます。同じ組み立ては、書き出した表を外部の生成AIに渡すときにもそのまま使えます。
答えの先頭に前提が書かれていないときは、そのまま使わずに「どの期間と条件で集計しましたか」と聞き返します。聞き返しても前提がはっきりしない答えは、会議資料には使いません。前提の書かれていない数字は、正しくても後から誰も確かめられないからです。
答えの裏を取る手順
AIの答えを資料に使う前に、次の四つの手順で裏を取ります。標準レポートか探索で、同じ数字を1回開くことが中心です。
答えに書かれた期間・絞り込み・指標を、メモに書き写します。書かれていなければ聞き返します。
標準レポートか探索で、同じ期間と絞り込みの表を1回開きます。AIが示したレポートへの入口があれば、そこから開くと早く済みます。
主要な数字が一致するかを見ます。ずれていれば、期間の端の日付、時間帯の設定、絞り込みの違いを順に確かめます。
画面で一致した数字だけを資料に使い、確かめた日と確かめた人を書き添えます。
この手順は、慣れれば1問あたり数分で済みます。全部の答えを確かめる必要はなく、社外に出す数字、会議で判断に使う数字、前回と大きく違う数字の三つだけは必ず確かめる、と決めておくと続けやすくなります。人が確認する範囲を先に決めておくことが、AIの速さを生かす条件です。
突き合わせてずれが出たら、ヘルプにある良し悪しを送る仕組みで知らせておくと、改善の材料になります。ずれの内容は社内のメモにも残し、同じ種類の質問で同じずれが続くなら、その種類の質問はAIに聞かない帯へ移します。
やりがちな使い方の失敗
使い始めの時期に起こりやすい失敗を挙げます。どれも、機能そのものより、使う側の決めごとが足りないことから起きています。
- AIの答えの数字を、画面で確かめずに週次の報告に貼る
- 「なぜ減ったか」の答えを、そのまま原因として上司に伝える
- 「最近」「先月あたり」とあいまいな期間で聞き、前提のずれに気づかない
- 提案の一覧を、そのまま来月の施策の候補にする
- 社内の「成果」の定義を決めないまま、成果が増えたかを聞く
どれも、AIの答えが自然な文章で返ってくるほど起こりやすくなります。表の数字なら疑って見るのに、言葉で説明されると納得してしまうからです。答えの文章の読みやすさと、数字の確かさは関係がないと、担当者の間で共有しておきます。
もう一つ多いのが、英語の画面に切り替えたまま、社内の資料と指標の名前が合わなくなる失敗です。先に触れた英語名と日本語名の対応表を1枚作っておくと、裏を取る手順のたびに迷わずに済みます。対応表はチームで共有し、新しい指標を使ったら書き足していきます。
社内で共有するときの注意
AIの答えやグラフを社内で共有するときは、見る人の権限を考えます。GA4の閲覧権限を持たない人に答えの画面を切り取って送ると、本来は見せない切り口の数字まで渡ってしまうことがあります。共有の範囲は、GA4の権限の範囲に合わせるのが原則です。
次に、期間の注意です。探索で細かい集計を取れる期間は、プロパティのデータ保持期間の設定に左右されます。AIに古い時期の細かい集計を聞いて答えが返ってこない、あるいは標準レポートの数字と合わないときは、この設定を確かめます。仕様の詳細は別の記事で扱っているので、ここでは確かめる順番の一つとして覚えておけば十分です。
共有の形にも工夫が要ります。AIの答えの画面をそのまま転送するより、確かめた数字だけを社内の定例資料の形に書き直して共有するほうが、読む人の誤解が減ります。資料には数字の出どころの欄を設け、「標準レポート」「探索」「AIの答えを画面で確認」のどれかを書きます。出どころの欄があるだけで、読む人が数字をどこまで信じてよいかを自分で判断できるようになります。
最後に、共有する答えには、確かめたかどうかを書き添えます。確かめた数字と確かめていない数字が同じ資料に並ぶと、読む人には区別がつきません。
- 画面で確かめた数字には「確認済み(日付・氏名)」と書く
- 確かめていない答えは「AIの答え・未確認」と書いて区別する
- 原因や提案は「候補」と明記し、結論の欄には書かない
よくある質問
日本語で質問しても答えてくれますか?
公式ヘルプに書かれているのは、表示言語が英語のプロパティで使えるという点だけで、日本語の質問が通るかどうかは書かれていません。確実に使うなら、英語の画面で英語の質問を書きます。日本語の画面での提供は、公式の発表を待つのが安全です。
無料版のGA4でも使えますか?
公式ブログでは、無料版と有料版の両方のプロパティで使えると案内されています。ただしヘルプでは「対象のアカウントであれば」と書かれており、すべてのプロパティで表示されるとは限りません。右上にアイコンが出ていなければ、表示言語と提供状況を確かめます。
AIの答えと標準レポートの数字が違うときは、どちらを使いますか?
標準レポートか探索で、条件をそろえて開いた数字を使います。ずれの理由は、期間の端の日付、絞り込みの違い、しきい値のかかり方などが多く、理由が分からないまま使うのは避けます。
書き出したデータを外部の生成AIに渡すのと、どちらがよいですか?
定義の決まった集計を早く取り出すなら、プロパティの中で動くアシスタントのほうが、データを外に出さずに済みます。営業の記録や広告費など、GA4の外の数字と合わせて考えたいときは、社内で認められた外部の生成AIに必要な表だけを渡す方法が向きます。どちらを使っても、原因と施策の判断は人が行います。
まとめ
GA4のAIアシスタントは、2025年11月に公式ブログで発表され、12月から英語のアカウントに順に提供されている対話型の機能です。公式ヘルプでは今もベータ版で、使えるのは表示言語が英語のプロパティに限られ、日本語での提供時期は示されていません。日本語の画面では、アナリティクス インサイト、書き出した表を外部の生成AIに渡す方法、読み取り専用の公式の接続の仕組みが代わりになります。使うときの芯は、聞いてよい質問と聞かない質問を分けることです。期間を決めた比較、決まった切り口の集計、設定の確認は答えとして使い、原因の説明と施策の判断は候補として受け取り、定義があいまいな数字は社内で定義を決めてから聞きます。答えには期間と絞り込みの条件を書かせ、社外に出す数字と判断に使う数字は標準レポートか探索で一度開いて確かめます。AIに任せるのは集計の取り出しと気づきの候補出しまでで、数字の解釈と施策の判断は人が行います。まずは、来週の定例で使う比較の数字を一つ、この手順で取り出して確かめるところから始めてみてください。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
データ分析にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
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