ファーストパーティデータはどこから集める?|同意を取りながら育てる

ファーストパーティデータはどこから集める?|同意を取りながら育てる

「自社で集めた情報を活かしましょうと言われるのですが、どこから集めればよいのか分かりません」「名刺とフォームと受注の記録がばらばらにあって、同じ会社なのかどうかも突き合わせられていません」——自社の情報を使おうとした段階で必ず出てくる声です。足りないのは集める道具ではありません。どの接点で、何のために、どこまで使ってよいと言って受け取ったのかが決まっていないために、集めたそばから使えない情報になっているのです。この記事では、接点ごとの集め方と、同意の取り方と残し方、そして使える形にするところまでを順に整理します。


カメ先生カメ先生

自社で直接集めた情報はね、量を集めれば使えるようになる、と思われがちなんだ。でも使えなくなる原因のほとんどは、集めた後の整理ではなく、集めた時点の書き方のほうにあるんだよ。


カメ子カメ子

集めた後の作業ではなく、集める前の決め方の問題だということですか。


カメ先生カメ先生

そういう順番になるね。何に使うのかを狭く書いて受け取ると、後から別の使い方をするときに、もう一度取り直すことになる。取り直せない相手のぶんは、持っているのに使えない情報として残り続ける。


カメ子カメ子

それなら先に広く書いておけばよい、という単純な話にはならないのでしょうか。


この記事のポイント
  • 接点ごとに、集まるものの性質と同意の取り方が変わる。接点を分けずに設計すると必ず穴が出る
  • 同意は取った事実ではなく、いつ・どの文面で取ったのかまで残して初めて後から使える
  • AIに渡してよい範囲は、渡す前に人が列の単位で線を引く。判定はAIにさせない

データ分析にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

目次

足りないのは量ではありません。集めたものが使えないのです

自社の情報を活かすという話になると、まず集め方の道具の相談から始まりがちです。ところが実際に手を動かすと、詰まるのは集める段ではありません。手元にあるはずの情報を使おうとした段で止まります。法人のマーケティング担当や営業企画の担当が直面するのは、だいたい次の3つです。

1つ目は、使いたい用途が、受け取ったときに書いた目的の外にあること。2つ目は、同意を取ったはずなのに、いつ何に対して取ったのかが残っていないこと。3つ目は、同じ相手なのかどうかを突き合わせる手立てが無いことです。どれも、集める量を増やしても解けません

だから最初に決めるのは、集める道具ではなく接点です。どの接点で何が集まり、そこで何と言って受け取るのか。接点ごとに集まるものの性質が違うため、接点を分けずに設計すると必ず穴が出ます。以降では、まず自社が直接集めた情報の範囲をそろえ、そのうえで4つの接点を順に見ていきます。

自社が直接集めた情報の範囲を、先にそろえる

自社が直接集めた情報とは、第三者を介さずに、自社の接点を通じて受け取った情報を指します。問い合わせや会員登録で受け取った情報、自社サイトでの行動の記録、購買や契約の履歴、オフラインでの来場の記録などが含まれます。社内で話が食い違うのは、この範囲に何を入れるかがそろっていないときです。

区別しておきたい並びが4つあります。読み方をそろえるだけで、会話が短くなります。

  • 本人が自分の意思で答えたもの:アンケートや希望の申告など、聞かれて初めて出てくる情報
  • 自社が直接集めたもの:自社の接点で受け取った登録情報、行動の記録、取引の履歴
  • 提携先から受け取ったもの:相手が集めた情報を、取り決めのうえで渡してもらったもの
  • 第三者が集めて提供しているもの:自社の接点を通っていない、外から買う属性の情報

このうち、自社で育てられるのは上の2つだけです。提携先から受け取るものと外から買うものは、条件が変わった瞬間に使えなくなります。育てるという言い方をするのは、自社の接点を通ったものだけが、時間とともに積み上がり、精度も上がっていくからです。

もう1つ、先にそろえたい言葉があります。集めたという状態と、使えるという状態は別だということです。受け取って保管されていることと、目的の範囲内で、同意の記録とともに、突き合わせられる形で置かれていることは、まったく違います。この記事で育てると呼んでいるのは、後者に近づける作業のほうです。

接点ごとに、集まるものの性質が違う

接点は大きく4つに分かれます。問い合わせと資料請求のフォーム、ウェビナーとイベント、ログインと会員、そしてオフラインの接点です。それぞれ集まるものの性質が違い、同意の取り方も、後から効いてくる弱点も違います。

接点そこで集まるもの同意の取り方後から効いてくる弱点
問い合わせ・資料請求社名と役割、困っていることの文送信の前に目的を示して受け取る項目を増やすほど途中でやめられる
ウェビナー・イベント申込時の属性と、当日の視聴の記録申込の時と当日の記録で別々に示す当日の記録の扱いを示していない
ログイン・会員続いていく行動と、本人が入れた設定登録時に一度、変更のたびに更新登録時の文面が古いまま残る
オフライン名刺、来場の記録、電話のやり取りその場で口頭と書面の両方に残す受け取った記録が個人の手元で止まる

表を見て気づくのは、集まる量が多い接点ほど、同意の文面が古くなりやすいということです。ログインのある接点は行動が続けて溜まりますが、その同意は登録した日の文面のままです。一方、オフラインの接点は量が少ない代わりに、記録が担当者の手元で止まりやすい。弱点の形が接点ごとに違うため、対策も接点ごとに変わります。

接点を1枚の表にしておくこと自体にも効き目があります。どの接点が抜けているのかが見えるためです。多くの会社で抜けているのは、当日の視聴の記録と、電話のやり取りの記録です。どちらも、集まっているのに設計の対象になっていない接点です。

接点1:問い合わせと資料請求のフォーム

いちばん整えやすい接点です。送信の直前という、目的を示すのに最も自然な位置があるためです。ここで集めるべきものは、連絡先そのものよりも、困っていることが書かれた文のほうです。自由記述の1行は、属性の10項目より後の判断に効きます。

設計の要点は、項目を増やさないことです。項目が増えると途中でやめる人が増え、集まる件数そのものが落ちます。その場で聞くのは、後の対応を分けるために要る項目だけに絞り、残りは後続のやり取りで足していく形にします。役割や規模は、返信のやり取りの中で聞いても遅くありません。

目的の示し方も具体にします。ご案内のためという言い方では、後から何に使えるのかが決まりません。問い合わせへの回答、関連する情報の案内、サービス改善のための分析、といった粒度で並べておくと、後から別の使い方をするときに、取り直しが要るかどうかを判定できます

もう1つ、自由記述欄の扱いを決めておきます。ここには、社内の固有名詞や他社名、個人の事情が書かれることがあります。この列をそのまま分析に回すかどうかは、集める時点で決めておく必要があります。決めていないと、後でAIに渡す段になって列ごと止まります。

接点2:ウェビナーとイベント

この接点の特徴は、情報が2回に分かれて集まることです。申込の時点で属性が集まり、当日に視聴の記録が集まります。多くの会社が設計しているのは前半だけで、後半の扱いを示していません。

当日の記録には、どこまで見たか、どの場面で離脱したか、質問を出したかどうか、といったものが含まれます。これらは関心の強さを読む材料になりますが、申込のときの文面が視聴の記録まで含んでいなければ、使える範囲の外にあります。申込画面の目的の欄に、当日の参加の記録も含む旨を書いておくだけで、この穴は閉じます。

共催のイベントでは、もう一段の取り決めが要ります。申込を受け付けたのがどちらの会社なのか、集まった情報を双方が持つのか、持つ場合はその旨を申込の時点で示しているか。ここを曖昧にしたまま名簿を受け渡すと、後から使えない情報になります。示し方は、共催する相手の社名を挙げ、双方が受け取ることを明記する形が確実です。

録画の視聴も同じ接点として扱います。開催後に録画で見た人は、申込の時点とは別の日に、別の形で行動を残しています。いつの行動なのかを行ごとに持っておくと、開催から半年後の視聴を、開催直後の関心と同じ強さで数えてしまう誤りを避けられます。

接点3:ログインと会員

4つの接点の中で、唯一、行動が続けて溜まる接点です。同じ人の行動が時間の並びで残るため、変化を読めます。逆に、ここでしか得られないものを他の接点で代替することはできません。

設計の難所は、同意の文面が古くなることです。登録した日の文面のまま、行動の記録だけが溜まっていきます。数年前に登録した人に対して、当時は想定していなかった使い方をしようとすると、そこで止まります。だから、文面を改めた日と、誰がどの版に同意しているのかを、人ごとに持っておきます。版を持っていないと、古い同意と新しい同意が同じ1行に見えます。

本人が自分で入れた設定も、この接点で集まる重要な材料です。受け取りたい情報の種類、通知の頻度、関心のある領域。これらは本人が答えた情報なので、精度が高く、かつ扱いの線も明確です。本人が自分で入れた設定は、行動の記録より優先して使える材料として扱います。

退会の扱いも先に決めます。退会したら消すのか、取引の記録として残す部分があるのか。残す場合は何を残し、どこまで使わないのかを書いておきます。退会の扱いを決めていないと、退会した人が分析の対象に混ざり続けます。

接点4:オフラインの接点

名刺、展示会の来場記録、電話や訪問のやり取り。量は少ないのに、内容がいちばん濃い接点です。困っていることを本人の言葉で聞ける場面が、ここに集まっています。

最大の弱点は、記録が担当者の手元で止まることです。名刺は机の引き出しに、会話の内容は担当者の記憶に残ります。ここを直すのに凝った仕組みは要りません。その日のうちに、誰と、何について話したのかを1行だけ残すという決めごとだけで、材料の量が変わります。

同意の取り方も、この接点だけ形が違います。画面が無いため、口頭で伝えたことしか残りません。だから、口頭で伝えるだけで終わらせず、書面か、後追いの連絡の文面として残します。展示会では、受け取る用紙に目的を印字しておく。訪問では、後日の連絡の冒頭に、いただいた情報の扱いを1文で書く。言った記録が残らない接点では、言ったことを文字で残す手順を足します

もう1つ、名刺を受け取った場面の記録も残します。展示会で受け取ったのか、紹介で会ったのか、こちらから訪ねたのか。受け取った場面は、後から連絡してよい範囲を決める材料になります。場面が分からない名刺は、扱いを決められないまま溜まっていきます。

集めたのに使えなくなる3つの原因

接点を整えても、使えない状態は起きます。原因は3つに分かれ、それぞれ別の直し方が要ります。ここを混ぜて語ると、どれも中途半端に直ることになります。

1つ目は、目的の書き方が狭いことです。問い合わせへの回答のためだけと書いて受け取った情報を、後から傾向の分析に使おうとすると、書いた範囲の外に出ます。2つ目は、同意の記録が残っていないことです。同意を取ったという印だけがあって、いつ、どの文面に対して取ったのかが無い。この状態は、取っていないのと説明のうえでは同じ扱いになります

3つ目は、形がそろっていないことです。同じ会社名が、株式会社を前に付けた形と付けない形で入っている。同じ人が、部署の異動前と異動後で別の行になっている。取得した日が入っている表と入っていない表がある。形がそろっていない情報は、突き合わせる手立てそのものを持てません

3つの原因には順番があります。目的を直しても、記録が無ければ使えません。記録を残しても、形がそろっていなければ突き合わせられません。だから直す順番は、目的、記録、形の順です。以降の3つの節で、この順に対策を見ていきます。

対策1:利用目的は、後で使う幅まで含めて書く

2026年9月時点の個人情報保護法は、集めた情報を何に使うのかをできる限り具体的に決めておくことと、集めるときに本人へその目的を知らせるか、あらかじめ公表しておくことを求めています。決めた目的の外で使うときには、原則として本人の同意が必要になります。

実務で効くのは、この具体的にという要請と、後で使う幅を確保したいという事情の両立です。広く書けば幅は取れますが、抽象的になりすぎると具体的に決めたとは言えなくなります。だから、抽象的な1行で広げるのではなく、具体的な用途を複数並べて幅を作ります。問い合わせへの回答、関連する情報の案内、サービスの改善に向けた分析、と並べるやり方です。

並べるときには、社内で実際に出てくる使い方を先に洗い出します。営業への引き渡し、メールでの案内、傾向の分析、資料の改善。使い方を洗い出さずに文面を作ると、必ず後から足りない用途が出ます。洗い出しは会議室ではなく、直近半年に実際に行った作業の記録から拾います。

それでも足りなくなったときの手順も決めておきます。新しい用途が必要になったら、その用途を追加した文面を作り、改めて知らせるか、同意を取り直す。取り直せなかった相手のぶんは、新しい用途では使わない。この線を引いておけば、全部を止めるか全部を使うかの二択になりません。

対策2:同意は、取った事実ではなく取った中身を残す

同意の記録として残すのは、同意したという印ではありません。後から説明に使える形にするには、何に対する同意なのかまで残す必要があります。残す中身は次の4つです。

  • 取得した日と時刻:いつの同意なのかが分からないと、文面の版と結び付けられない
  • 示した文面の版:文面を改めた履歴とともに保管し、どの版に同意したのかを人ごとに持つ
  • 接点の名前:どの画面、どの用紙、どの場面で受け取ったのかを1つの語で残す
  • 本人を指す識別子:同意の記録と、その人の情報の行を後から結び付けるための鍵

4つのうち、いちばん抜けやすいのは文面の版です。文面は改めるものなのに、改めた履歴が残っていないことが多い。版を持っていないと、古い同意と新しい同意が同じ1行に見えます。文面を変えた日付と、変えた内容を、公開しているページの履歴として残しておくだけでも十分です。

記録の置き場所は、情報の本体と同じ場所か、少なくとも同じ鍵でたどれる場所にします。別の担当が別の表で管理していると、使ってよいかどうかを確かめるたびに人に聞くことになり、確かめない運用が定着します。

撤回の扱いも同時に決めます。案内を止めてほしいと言われたとき、どの範囲が止まるのか。案内だけ止めるのか、分析からも外すのか。撤回の範囲を決めていないと、撤回の連絡が来てから慌てて範囲を決めることになります。決めた範囲は、同意の文面の中に書いておきます。

対策3:接点をまたいで同じ相手だと言える鍵を決める

3つ目の対策は、形をそろえることです。ここで全部をそろえようとすると終わりません。先に決めるのは1つだけ、接点をまたいで同じ相手だと言うための鍵です。

法人向けの取引では、鍵を2段に分けるのが扱いやすくなります。会社を指す鍵と、人を指す鍵です。会社は名称の表記が揺れるため、名称そのものを鍵にはしません。人は所属が変わるため、所属を含めた文字列を鍵にはしません。揺れる値ではなく、こちらが振った番号を鍵にするのが原則です。

鍵を決めたら、次の4つの工程で使える形に寄せていきます。全部を一度にやる必要はなく、上から順に進めます。

STEP1
接点ごとの持ち物を1枚に並べる

どの接点で、どの項目が、どの表に入っているのかを一覧にします。ここで重複と欠けが見えます。

STEP2
同じ相手だと言える鍵を1つ決める

会社を指す鍵と人を指す鍵を分け、揺れる名称ではなく自社で振った番号を鍵にします。

STEP3
取得の時点と同意の記録を行に付ける

いつ受け取ったのか、どの版の文面に同意しているのかを、行の属性として持たせます。

STEP4
渡してよい範囲を列で分ける

分析に回してよい列、人が見る前に止める列、外に出さない列を、列の単位で分けます。

この4工程のうち、工程2までが名寄せの前段です。同じ相手をどの項目で決めるかという突合の細かい規則は、この先の話になります。鍵を決めていない状態で突合の規則を作ると、規則のほうが揺れます。まず鍵、次に規則、という順番だけを守ります。

会社を指す鍵には、公表されている番号が使える

鍵は自社で振ると書きましたが、法人の相手については土台になるものが外にあります。国税庁は、設立の登記がある法人などに13桁の法人番号を指定し、その基本の3つの情報、つまり商号または名称、本店または主たる事務所の所在地、そして法人番号を、法人番号公表サイトで公表しています。13桁は、12桁の基礎となる番号と、1桁の検査用の数字で構成されています。

この番号が使いやすいのは、利用に制約が置かれていないことです。誰でも自由に利用でき、まとめて取り込む手立ても用意されています。自社の中だけで通じる番号と違い、外の情報とも突き合わせられる鍵になります。名刺とフォームで社名の表記が揺れていても、番号に寄せてしまえば、同じ会社かどうかを一度で決められます。

限界も先に知っておきます。番号は法人に対して1つなので、支店や事業所、部署の単位では分かれません。相手が事業所ごとに違う場合、事業所を指す鍵は自社で持つ必要があります。個人で事業を営んでいる相手にも指定されません。会社を指す鍵にはなりますが、人を指す鍵にも事業所を指す鍵にもなりません。だから鍵は2段に分ける、という話に戻ります。

経理の側で使っている番号ともつながります。適格請求書を発行する事業者として登録した法人の登録番号は、アルファベットの1文字に続けて、この13桁の法人番号を並べた形になっています。請求の記録と、マーケティングの側が持っている相手の一覧を、同じ番号で結び付けられるということです。社内で別々に管理されてきた2つの一覧を突き合わせる入口として、ここから手を付けると早く進みます。

運用では、受け取った時点を一緒に持ちます。商号や所在地は変わるため、公表されている情報も更新されていきます。いつ時点の名称で受け取ったのかを残しておくと、後から番号で照合し直したときに、変わったのか取り違えたのかを区別できます。番号を付ける作業は、すべての行に一度で付ける必要はありません。取引のある相手、商談が進んでいる相手から順に付けていけば、突き合わせが要る範囲から先に効き始めます。

2026年に公布された改正法で、どこが変わるのか

集め方の設計は、法令の動きと切り離せません。2026年7月10日に個人情報保護法の改正法が成立し、同年7月17日に公布されました。原則として公布から2年以内に施行され、遅くとも2028年7月までに効力を持ちます。罰則の一部は、公布から6か月後の2027年1月17日に施行されるとされています。

内容は、緩める向きと締める向きが同時に進みます。統計を作るような、本人の権利利益を侵しにくい使い方については同意の要件が緩められる方向です。一方で、子どもの個人データや、顔などの身体的な特徴に関するデータの扱いには規律が加わり、違反に対して金銭的な負担を課す制度も導入されるとされています。

ここで大事なのは、緩む部分を先取りしないことです。2026年9月時点では、細かい基準を定める規則や手引きがまだ出そろっていません。緩むと言われている範囲を前提に集め方を組むと、基準が示された時点で作り直しになります。

だから今できるのは、条文の細部に合わせることではありません。目的と同意の記録と形の3点を、後から基準が示されても書き換えずに済む形にしておくことです。日付と版と接点を残しておけば、どの基準が来ても、どの範囲が使えるのかを数えられます。残していなければ、どの基準でも数えられません。

AIに渡してよい範囲を、先に線で引く

集めた情報をAIで扱う段では、渡す前に線を引きます。渡してから考えると、渡した事実だけが残ります。線は列の単位で引くのが分かりやすく、3つに分けます。

1つ目は、そのまま渡してよい列です。業種、規模の区分、受け取った接点の名前、取得した時点のように、個人や1社を特定しない区分の値が入る列です。2つ目は、加工してから渡す列です。会社名や担当者名は、自社で振った番号に置き換えてから渡します。3つ目は、渡さない列です。自由記述のうち他社名や個人の事情が書かれた部分、連絡先そのもの、同意の範囲外の用途に当たる列がここに入ります。

線を引いたら、渡す作業のほうを固定します。毎回手で選ぶと、急ぐ日に線が動きます。渡す列の並びを決めた1枚を作り、そこから外れた列は渡さないという運用にします。列を足すときは、足す理由と、足してよい根拠を1行で書き残します。

そして、判定はAIにさせません。この情報は使ってよいか、この人は同意しているか、という判断をAIに答えさせると、もっともらしい答えがその場で返り、根拠が残りません。同意の有無は記録の行を見て決めるものです。AIに判断させず、記録の行に当たって人が決める。この順番を崩すと、記録を残した意味が無くなります。

実務仕様:接点ごとに決めておく項目

ここまでの内容を、接点を整えるときに決めておく項目の形にまとめます。すべてを一度に決める必要はありません。上から順に決めていくと、後の工程が止まりにくくなります。

決めておく項目書き方の例決めていないと起きること
利用目的の幅後で使う用途まで、具体的な言葉で複数並べる使い方を足すたびに取り直しが要る
同意の記録日時、文面の版、接点の名前、本人の識別子を残す同意の有無を後から説明できない
取得の時点いつ受け取ったのかを行ごとに持たせる古い情報と新しい情報が混ざって数えられる
同じ相手の鍵会社と人で鍵を分け、自社で振った番号を使う同じ相手が複数として数えられる
自由記述の扱い分析に回す列と、人が見る前に止める列を分けるAIに渡す段になって列ごと止まる
撤回の範囲案内を止めるのか、分析からも外すのかを書く撤回の連絡が来てから範囲を決め始める

この表は、社内の合意を取る道具としても使えます。決めていない行がどれかを見せると、何が止まっているのかが一目で伝わります。目的の幅だけが空欄なら法務と、鍵だけが空欄なら情報システムの担当と、それぞれ別の相手に持っていけます。

人が確認する範囲も、この表と同じ場所に書いておきます。公開の前や分析の前に人が必ず見るのは、目的の幅から外れていないか、同意の記録がそろっているか、渡す列の並びが決めたとおりか、の3点です。この3点だけは人が原本に当たると決めておけば、急ぐ週でも最低限が崩れません。決めていない場合、確かめる作業はいちばん忙しい日に最初に省かれます。

育てる途中でつまずくところ

最後に、実際に起きやすいつまずきを挙げます。どれも、集める前に決めておけば起きないものです。

  • 先に道具を選ぶ:接点と目的が決まっていないため、入れる情報の形が後から決まらない
  • 目的を抽象的な1行で広げる:具体的に決めたとは言えず、かえって使える範囲が狭まる
  • 同意の印だけを残す:いつ、どの文面に対する同意なのかが無く、説明に使えない
  • 揺れる名称を鍵にする:表記の違いで同じ相手が複数に分かれ、突合が終わらない
  • 渡す列をその都度選ぶ:急ぐ日に線が動き、渡さないと決めた列が混ざる

共通しているのは、集めた後の作業で直そうとしていることです。後から直せるのは形だけで、目的と同意は集めた時点でしか決められません。集める前に決める項目を1枚にしておくことが、いちばん費用の掛からない備えになります。

まとめ

自社が直接集めた情報を育てる要点は、集める前に、接点と目的と残す記録を決めておくことです。接点は問い合わせ、ウェビナー、ログイン、オフラインの4つに分け、それぞれ集まるものと弱点が違うことを踏まえて設計する。利用目的は抽象的な1行ではなく、具体的な用途を複数並べて幅を作る。同意は取った事実ではなく、日時と文面の版と接点と識別子まで残す。接点をまたぐ鍵は、揺れる名称ではなく自社で振った番号にする。AIに渡す範囲は列の単位で線を引き、使ってよいかどうかの判定はAIにさせず、記録の行に人が当たる。まずは、いま情報が集まっている接点を数え上げ、そのうち目的の文面を持っていない接点が何本あるかを数えるところから始めてみてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

データ分析にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

運営会社:株式会社デボノ

目次