AIの文章が自社らしくならない原因|言い回しを揃える材料

「指示文をどれだけ細かく書いても、出てくる文章がよその会社の文みたいになります」「校正で直しているうちに、結局ほとんど全部書き直していました」——AIに文章を書かせ始めた現場で、最初に詰まるのがここです。ここで起きているのは、指示の書き方が足りないことではありません。本当は、自社の書き手が無意識に使っている判断の材料が、AIの手元に1つも渡っていない状態です。自社らしさは文体の飾りではなく、どこまで言い切るか、何を呼ばないかという判断の集まりです。この記事では、渡していない材料を5つに分け、集め方と渡す形、出てきた文をどこまで機械で直せるか、どこから先は人が書き直すかを整理します。
カメ先生AIの文章が自社らしくならないと、まず指示文を長くする人が多いんだ。ところが、長くするほど平均的な言い回しに寄っていくことがある。指示文に書けるのは決まりごとであって、その会社が何を言い切って何を濁すかという判断そのものではないからなんだ。
カメ子決まりを増やしても、判断までは伝わらないということですか。
カメ先生そうなんだ。判断のほうは、過去に書いた文の中に形として残っている。どこで言い切り、どこに条件を付け、どの言葉を避けたか。その跡が残っている文をそのまま渡すと、指示文を半分に減らしても近づくことがある。
カメ子同じ「自社らしく書いて」でも、渡している物が違えば結果が変わるのですね。渡す物には順番があるのでしょうか。
- 自社らしさは文体の飾りではなく判断の集まり。指示文を厚くしても、判断そのものは書き写せない
- 渡していない材料は5つに整理できる。過去の文/言い切りの強さ/使わない言葉/呼び方/読み手の立場
- 機械で直せるのは表記と呼び方まで。事実と言い切りの強さは人が読む。AIに判断させない範囲を先に決める
コンテンツ制作・SEOにAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
「自社らしくない」の正体は、判断の跡が写っていないこと
同じ題材で2つの会社が書いた文を並べると、違いは語尾や漢字の開き方だけではありません。どこで言い切り、どこに条件を付け、どの話題に触れないか。この3つが会社ごとに違い、読み手はその差を「らしさ」として受け取っています。AIが出す文は、この3つが世の中の平均値になった状態です。平均値は読みやすいのですが、どの会社の文にも見えません。
具体で見ます。導入の効果を書く一文で、「業務が効率化します」と言い切る会社と、「条件がそろえば短くなるが、条件が変われば戻ることがある」と留める会社があります。世の中の文章では前者のほうが多数派なので、何も渡さなければ出力は前者に寄ります。後者の書き方をしてきた会社にとっては、それだけで自社の文ではなくなります。直しているうちに全文を書き直すことになるのは、この段差が1文ごとに出るためです。
だから最初にやるのは、指示文の書き直しではありません。自社の書き手が書いた文と、AIが出した文を同じ題材で並べ、違いが出た箇所に印を付けます。印の付いた場所が、渡していない材料の在りかです。10本も並べれば、印は数種類に固まります。種類が見えてから、何を渡すかを決めます。
書かせること自体は、もう珍しい作業ではありません。総務省の令和7年版情報通信白書(2025年公表)によると、日本の企業で「メールや議事録、資料作成等の補助」に生成AIを業務で使用していると答えた割合は47.3%、何らかの業務で使用中と答えた割合は55.2%でした。使う会社が増えたぶん、出てきた文が自社の文に見えないという詰まりは、編集の現場に集まっています。
これはAIっぽさを抜く話ではない。直す場所が2つある
よく混ざるので先に分けます。1つは、AIが書いたと分かる癖の軸です。文末が同じ形で続く、同じことを言い換えて繰り返す、固有名詞と数字が入っていない。もう1つが、自社らしいかどうかの軸です。癖を全部抜いても、自社らしくはなりません。癖のない平均的な文になるだけです。
2つは直す場所が違います。癖は出てきた文の表面にあるので後から削れますが、自社らしさは書かせる前に何を渡したかで決まるので、後から足せません。順番を逆にすると、編集がいつまでも終わりません。癖を抜く手順そのものは別の記事の領分なので、ここでは扱いません。ここで扱うのは、渡す材料の側だけです。
見分け方も決めておきます。出てきた文を自社の書き手に見せ、赤が入った箇所の理由を一言で書いてもらいます。「読みにくい」「くどい」なら癖の軸です。「言い過ぎ」「うちはそこに触れない」「その呼び方はしない」なら材料の軸です。材料の軸に入った赤だけを数えると、渡すべき材料の優先順位がそのまま出ます。
両方の軸に当たる赤が同時に出たときは、機械で削れる癖のほうを先に落とします。文末のそろいすぎと、言い換えの繰り返しを削ってから、残った違和感だけを材料の軸に回します。先に材料を足すと、癖に埋もれて効いたかどうかが読めません。順番を固定しておけば、1本ごとに判断する必要がなくなります。
指示文を厚くすると、どこで頭打ちになるか
最初に試されるのは、たいてい指示文を長くする方法です。語尾をそろえる、一文を短くする、専門用語を減らす。ここまでは効きます。ところが項目が20を超えたあたりから、直りと崩れが同時に起き始めます。1つ守らせると別の1つが外れる状態になり、追加した指示の数と仕上がりが比例しなくなります。
理由は指示文の性質にあります。指示文に書けるのは、守らせたい決まりと避けさせたい形の並びです。並びが長くなるほど、AIは全部を同時に満たそうとして、どの条件にも触れない無難な言い回しに寄ります。細かく指示するほど平均に寄る、という逆向きの動きが起きます。しかも同じ文面でも、その日の題材によって結果が動きます。
実務の目安を1つ置きます。指示文が画面1枚に収まらなくなったら、足すのをやめます。そこから先は、決まりを言葉で足すのではなく、その決まりが守られている自社の文そのものを渡す側に切り替えます。言葉で説明しにくい判断ほど、例のほうに残っています。
実際に起きる失敗は、次の3つの形で現れます。
- 指示文に語尾と禁止語を30項目まで書き足したが、守らせるほど文が硬くなり、結局は書き手が全文を書き直した
- 過去の記事を10本渡したものの、渡したのが清書後の完成版だけだったので、迷った末に削った表現と、最後まで残した言い切りの区別が伝わらなかった
- うまくいった1回の指示文を保存したが、どの一文が効いたのかを記録していないので、翌月に別の題材で使うと同じようには出なかった
3つとも、指示文の書き方ではなく材料の側で起きています。1つ目は言葉で足しすぎ、2つ目は渡す形の誤り、3つ目は記録の欠落です。直す順番は、材料をそろえる、渡す形を決める、効いた材料を記録に残す、の3つです。
材料1:自社の過去の文。清書後の版だけでは足りない
1つ目の材料は、自社が書いた文そのものです。ただし、公開されている完成版だけを渡しても足りません。完成版は結果しか残していないので、どこを削ったか、何を言い切らずに済ませたかという判断の跡が消えています。写ってほしいのは、その跡のほうです。
そこで渡すのは3種類にします。公開した完成版、その1つ前の版、そして赤が入った箇所の理由です。3つ目は改めて書き起こすのではなく、校正のやりとりに残っている一言をそのまま拾います。「ここは断定しない」「この語は使わない」で十分です。直す前と直した後を対にして渡すと、決まりを一行も書かずに基準が伝わります。
本数は多ければよいわけではありません。題材がばらばらの30本より、同じ種類の文が5本から10本そろっているほうが効きます。記事、提案資料、案内のメールは別々にそろえます。3つは読み手も目的も違うので、混ぜると平均化してしまい、材料としての働きが落ちます。
選び方の基準も決めておきます。社内で「これはうちらしい」と複数人が言える文だけを入れ、判断が割れた文は外します。割れた理由を1行書き残しておくと、後で基準そのものを決め直すときの材料になります。
材料2:どこまで言い切ってよいかの基準
2つ目は断定の強さです。ここが会社ごとにいちばん違い、いちばん渡されていません。同じ事実でも、「短縮できます」「短縮できた例があります」「条件によっては短縮します」の3つは、読み手に残る印象がまったく違います。どれを選ぶかは好みではなく、その会社が過去に引き受けてきた責任の範囲です。
基準は3段で足ります。数字と出典があるときだけ言い切る、自社の実績があるときは条件を添えて書く、どちらもないときは書かない。この3段を、自社の文から実例を一文ずつ添えて渡します。段の名前だけを渡しても効きません。段ごとに実例の一文を必ず付けます。
段の判定は人が持ちます。この文は言い切ってよいか、という判断をAIにさせないと決めておきます。代わりに、出力の段落ごとに、どの段のつもりで書いたかを書き添えさせます。書き添えがあれば、人は文を読み直さずに段の誤りだけを拾えるので、確認が数分で終わります。
効果の出方も具体的です。この材料を渡すと、差し戻しの理由から「言い過ぎ」が減ります。逆に「弱すぎる」が増えることがありますが、それは3段目を広く取りすぎているだけなので、2段目の実例を足せば収まります。
材料3:使わない言葉と、その言い換え先
3つ目は使わない言葉です。禁止語の一覧だけを渡す会社は多いのですが、それだけでは効きません。禁止された語を避けた結果、もっと不自然な語に置き換わるからです。使わない語と、その代わりに使う語を、必ず対にして渡します。
対にする語は3つの束に分かれます。誇大に読まれる語、社内でしか通じない略し方、そして業界で意味が割れている語です。3つ目がいちばん見落とされます。同じ語を相手が別の意味で使っていると、文全体が噛み合わなくなります。意味が割れる語は、言い換えるのではなく、その場で自社の定義を一文添える、という扱いにします。
専門用語をどこまで噛み砕くかという問いには、ここでは踏み込みません。別の記事の領分です。ここで扱うのは、噛み砕く度合いではなく、同じ物を毎回同じ語で呼べているかどうかだけです。度合いは読み手によって動きますが、呼び方は社内で固定できます。固定できるものから先に渡します。
集め方は簡単です。直近半年の校正のやりとりから、置き換えを指示した行だけを抜き出します。20組もそろえば、出力の見え方が変わります。新しく一覧を作り起こさず、既に指摘された語から作るほうが早く終わります。
対にした語は、そのまま機械の置き換えにも使えます。ただし全部を機械に回すわけではありません。誇大に読まれる語と社内の略し方は置き換えられますが、意味が割れる語は文脈によって扱いが変わるので、印を付けるところで止めます。この線を先に引いておくと、置き換えの一覧が育っても事故になりません。
材料4:自社・相手・製品の呼び方
4つ目は呼び方です。自社を何と呼ぶか、読み手を何と呼ぶか、製品やサービスをどの表記で書くか。地味ですが、ここがそろっていない文は、読んだ瞬間に外の会社の文に見えます。呼び方は判断ではなく決めごとなので、渡せば必ず守られます。材料の中でいちばん手間に対する戻りが大きい部分です。
決めるのは4つです。自社の一人称、読み手の呼び方、製品名の表記、そして敬称の付け方。読み手の呼び方は文書の種類で変わります。記事では読者に近い呼び方、提案資料では相手の会社を指す呼び方になります。文書の種類ごとに1組ずつ決め、種類をまたいで混ぜないようにします。
表記のゆれは機械で拾えます。全角と半角、送り仮名、中黒の有無。この3つは出てきた文を一括で置き換えられるので、指示文に書くのをやめて後処理に回します。指示文から後処理に移すだけで指示文が短くなり、他の材料の効きがよくなります。
決めた呼び方は、社外に出す文と社内で回る文の両方に効きます。議事録や社内の通知まで同じ呼び方にそろえておくと、社内の文をそのまま材料として再利用できるようになります。材料が自然に増える循環に入ります。
材料5:読み手の立場と、その人が既に知っていること
5つ目は読み手です。多くの指示文には、担当者向け、決裁者向けといった属性だけが書かれています。これでは足りません。必要なのは属性ではなく、その人が既に知っていることと、まだ知らないことの線です。線が渡っていないと、AIは全員に向けて説明を足すので、前置きの長い文になります。
線は3行書けば足ります。相手が毎日使っている言葉、相手が説明を必要とする言葉、そして相手が自分だけでは決められないこと。3行目が効きます。決める権限がない相手に決断をうながす一文を書いても動きません。相手が次に誰へ何を持っていくのかまで書くと、文の終わり方が変わります。
材料は営業の記録から取れます。直近の商談で相手が使った言葉、質問された言葉、社内で説明が要ると言われた点。想像で書いた読み手像より、実際に交わした言葉のほうが材料として強く働きます。3件も拾えば、前置きの長さが目に見えて変わります。
読み手の線は文書ごとに違うので、1つにまとめません。記事は検索から来る人、提案資料は既に会っている人、案内のメールは一度接点のある人。3つ分を別々に持ち、渡すときに1つだけ選びます。まとめてしまうと、また平均に戻ります。
材料の集め方:新しく書き起こさず、既にある文から抜く
材料と聞くと新しい文書を作る話に聞こえますが、逆です。5つとも、既に社内にある文から抜けます。新しく書き起こすと、書いた人の考える「あるべき姿」が入り、実際の書きぶりから離れます。作る作業ではなく、抜く作業として進めます。
半日で終わる5工程にします。順番に意味があるので、飛ばさずに進めます。
記事、提案資料、案内のメールのうち、本数がいちばん多いものから始めます。3つ同時には進めません。
社内で複数人が「うちらしい」と言える文だけを選びます。判断が割れた文は外し、割れた理由を1行残します。
完成版だけでなく、直す前の版と、直した理由の一言を拾います。校正のやりとりに残っているものをそのまま使います。
使わない語と、代わりに使う語を対にします。校正で置き換えを指示した行から取ると、探す手間がかかりません。
相手が毎日使う言葉、説明が要る言葉、相手が自分だけでは決められないこと。営業の記録から拾って3行にします。
工程の順番には理由があります。先に文書の種類を絞らないと、混ざった材料ができあがります。1種類を仕上げてから次に移ると、2種類目は半分の時間で終わります。1種類目で作った形をそのまま使えるためです。
更新は四半期に1回で足ります。それ以上の頻度で回すと、材料の更新そのものが仕事になります。ただし、呼び方の変更と使わない言葉の追加だけは、決まった時点ですぐ反映します。この2つは決めごとなので、遅らせる理由がありません。
工程を始める前に、置き場所を1か所だけ決めます。集めた材料が個人の手元に散ると、次の四半期に誰も探せません。文書の種類ごとにひとまとめにして、同じ場所に置きます。置き場所が決まっていれば、5工程を2人で分担しても同じ形に仕上がります。
渡す形:規定の文ではなく、対の例で渡す
集めた材料をどう渡すかで、効き方が変わります。規定の文章に仕立てて渡すと、指示文を長くしたのと同じ結果になります。渡す形は対の例です。直す前と直した後、使わない語と使う語、言い切る場合と留める場合。対になっていると、決まりを一行も書かずに基準が伝わります。
材料ごとに、抜き出す場所と渡す形、そして渡さなかったときに出る症状を並べます。症状の側から逆に引けるようにしておくと、次に困ったときの当たりが早くなります。
| 渡す材料 | どこから抜くか | 渡す形 | 渡さないと出る症状 |
|---|---|---|---|
| 自社の過去の文 | 公開済みの文と、その1つ前の版 | 直す前と直した後の対を5組から10組 | 平均的で読みやすいが、どの会社の文にも見える |
| 言い切りの強さ | 過去の文で断定した箇所と、条件を付けて留めた箇所 | 3段の基準に、実例の一文を段ごとに添える | 効果を言い切りすぎる、または根拠のない断定が混ざる |
| 使わない言葉 | 直近半年の校正で置き換えを指示した行 | 使わない語と使う語の対を20組 | 禁止語は避けるが、もっと不自然な語に置き換わる |
| 呼び方 | 既存の文書と、製品の正式な表記 | 文書の種類ごとに一人称・相手・製品・敬称の4つ | 1本の中で表記が揺れ、社外の文のように見える |
| 読み手の立場 | 直近の商談の記録と、問い合わせの文面 | 知っている語・説明が要る語・決められないことの3行 | 前置きが長くなり、締めの一文が相手に合わない |
渡す量の上限も決めます。材料は全部で画面2枚分までにし、超えたら古い対から落とします。上限がないと、材料そのものが指示文と同じ道をたどって膨らみます。落とした対は捨てずに別の場所に置き、四半期の見直しで戻すかどうかを決めます。
渡す順番も結果に影響します。呼び方と使わない言葉を先に、言い切りの強さと読み手の立場を後に置きます。前半は必ず守られる決めごと、後半は判断の手本という並びにすると、出力が安定します。逆に並べると、決めごとのほうが後ろの例に押し流されます。
出てきた文を、機械で直せる範囲
材料を渡しても、出てきた文がそのまま使えるわけではありません。ここで大事なのは、人が読む前に、機械で片付く部分を先に全部片付けることです。人の目は、機械で拾えないところにだけ使います。順番を逆にすると、人が表記の直しに時間を取られます。
機械で片付くのは4つです。表記のゆれ、使わない言葉の混入、呼び方の不一致、そして一文の長さ。4つとも正誤がはっきりしているので、判断が要りません。置き換えの一覧を作っておけば、1本あたり数十秒で終わります。一覧は材料3と材料4をそのまま流用できます。
一文の長さだけは扱いを分けます。長い文を機械で切ると意味が変わることがあるので、切らずに印を付けるところで止めます。印の付いた文を人が読み、切るか残すかを決めます。文の長さは自社らしさに直結することがあるので、一律に短くしません。
機械の側を先に整えると、材料の効きも測りやすくなります。表記の乱れが消えた状態で残る違和感だけが、材料の不足です。順番を守ると、次にどの材料を足せばよいかが1回の作業で分かります。
置き換えの一覧を作るときの注意も1つあります。語の区切りを見ないで置き換えると、別の語の一部まで巻き込みます。短い語ほど起きやすいので、前後の文字を含めた形で登録します。あわせて、置き換えた箇所の一覧を残しておきます。残っていれば、直しすぎた語を後から戻せます。
機械で直せない範囲と、人が書き直す線
機械で拾えないものが3つ残ります。事実が当たっているか、言い切りの強さが段に合っているか、締めの一文が読み手の次の動きに合っているか。3つとも、正誤が文の外にあるので、文だけを見ても判定できません。ここから先は人が読みます。
人が読む範囲は、作業を始める前に決めておきます。決めずに始めると、忙しい週に確認が飛びます。制作会社が公開している解説でも、数字・固有名詞・日付・出典は人が一次情報にあたって確認すること、最後の2割は人の仕事として残ることが指摘されています。確認する範囲を先に決め、範囲の外は読まないと決めるほうが、結果として確認が続きます。
線の引き方は次の3つにします。
- 数字・固有名詞・日付・出典が入った段落は、本数にかかわらず全件を人が一次情報と突き合わせる
- 外に出す文で、自社の責任の範囲に触れる一文は、段の書き添えがあっても人が読み直す
- 社内だけで回る文は、表記と呼び方の機械の確認までで止め、人による読み合わせは行わない
3つ目を決めておかないと、確認の量が際限なく増えます。社外に出る文と社内で止まる文で手間を変えると、人の読みが本当に要る場所に時間が残ります。ここで書き直しになった文は、そのまま次の章の材料に戻します。
直した跡を材料に戻す回し方
1回そろえて終わりにすると、3か月で効きが落ちます。製品も体制も相手も変わるためです。直した跡を材料に戻す道を先に作っておくと、材料は放っておいても育ちます。道がないと、毎回ゼロから集め直すことになります。
戻し方は1つで足ります。人が書き直した文を、直す前と直した後の対にして、材料の同じ場所に足します。足すときに理由を一言だけ添えます。理由の一言が、次に同じ直しを繰り返さないための決め手になります。理由のない対は、後から見たときに意味が分かりません。
溜まった対は四半期に1回だけ整理します。同じ理由の対が3組以上あれば、それは材料ではなく決めごとに昇格させ、使わない言葉や呼び方の側に移します。逆に1組しかない対は落とします。1組だけの対を残すと、まれな場合に引きずられた文が出ます。
持ち主は1人決めます。部署ではなく個人です。ただし、ここで決めるのは材料の持ち主だけで、書き手の育成や後任の手当てには入りません。そこは別の領分になります。持ち主がやるのは、四半期の整理と、上限を超えた対の入れ替えだけです。
AIに判断させない範囲と、効いたかどうかの測り方
任せてよいのは、材料の当てはめと候補出しまでです。渡した対に照らして言い回しを3案出す、使わない語が混ざっていないかを一覧で返す、読み手の線に合わない段落に印を付ける。ここまでは下書きなので、外れていても人が直せます。
任せない範囲は3つです。言い切りの段を決めること、事実が当たっているかを判定すること、外に出してよいかを決めること。AIに判断させないと決めたうえで、出力には必ず根拠を書かせます。どの対を根拠にその言い回しを選んだのかを一行添えさせると、突き合わせが数分で終わります。あわせて、人が確認する範囲を先に決めておきます。
効いたかどうかは、感想ではなく件数で見ます。見るのは3つです。1本あたりの差し戻し回数、差し戻しの理由に「言い過ぎ」と「呼び方が違う」が出た件数、そして人が書き直した段落の数。3つとも、材料を渡す前の2週間分を先に数えておきます。前がなければ、後も読めません。
数が動かないときは、材料ではなく渡し方を疑います。量が上限を超えていないか、対になっていない説明文が混ざっていないか、文書の種類を混ぜていないか。3つのどれかに当たることがほとんどです。材料を増やすのは、渡し方を確かめた後にします。
よくある質問
材料をそろえる作業に、どのくらい時間がかかりますか
1つの文書の種類なら半日です。5本から10本を選ぶところにいちばん時間がかかりますが、社内の何人かに「うちらしいと思う文を1本ずつ挙げてほしい」と頼む形にすると、1時間ほどで集まります。2種類目からは形が決まっているので、半分の時間で終わります。
過去の文が少ない、または質がそろっていない場合はどうしますか
本数を増やそうとせず、3本に絞ります。その3本を社内で書き直し、直す前と直した後の対を作ります。書き直した理由の一言が材料になるので、完成版の本数が少ないことは不利になりません。むしろ、直した理由が新しいぶん、対としては強く働きます。
文書の種類ごとに材料を分けると、管理が増えませんか
分けるのは、読み手の線と過去の文の2つだけです。使わない言葉と呼び方と言い切りの基準は、全社で1つに保ちます。増えるのは2つ分なので、置き場所を1か所にまとめておけば、探す手間はほとんど変わりません。
外注の書き手にも同じ材料を渡してよいですか
同じ形のまま渡せます。対の形は人にも読みやすいので、指示書より早く伝わります。渡す前に確かめるのは、社外に出してよい材料かどうかの1点だけです。商談の記録から取った読み手の線には、相手の会社が分かる記述が混ざることがあるので、その部分だけ落とします。
材料を渡しても、同じ言い回しが繰り返し出てきます
対の数が少ないか、同じ対ばかりが引かれています。同じ言い回しが3回出たら、その言い回しを含む対を1組落として、別の対を足します。落とした対は捨てずに残し、四半期の見直しで戻すかどうかを決めます。対の入れ替えは、材料を増やすより早く効きます。
まとめ
自社らしくならない原因は、指示文の巧拙ではなく、渡していない材料のほうにありました。過去の文、言い切りの強さ、使わない言葉、呼び方、読み手の立場。5つとも、社内に既にある文から抜けます。集めるときは新しく書き起こさず、渡すときは規定の文ではなく対の例にします。機械で直すのは表記・使わない言葉・呼び方・文の長さまで。事実と言い切りの段と締めの一文は人が読みます。AIには材料の当てはめと候補出しまでを任せ、言い切ってよいかどうかと外に出してよいかどうかは人が決めます。人が確認する範囲を先に決めておくことも忘れません。今日の30分でできるのは、自社の文とAIの文を同じ題材で並べ、違いが出た箇所に印を付けるところまでです。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
コンテンツ制作・SEOにAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
