【2026年】AIが作った資料の来歴|いつ誰が作ったかを残す

【2026年】AIが作った資料の来歴|いつ誰が作ったかを残す

「先方から、この画像はAIで作ったものですかと聞かれて、社内の誰も答えられませんでした」「制作会社から納品された資料が、どこまで生成AIで作られているのかが分かりません」——広告や提案の資料を出している会社から、この二つが同じ週に出てきます。どちらも、慌てて探しに行って、何も出てこないという結末になります。困っているのは表示の書き方ではなく、後から示せる記録が残っていないことのほうです。この記事では、AIが作った成果物について、いつ・誰が・何で作ったかを後から示せる状態にするために、何を使い、どこまで付け、社内に何を残すのかを整理します。


カメ先生カメ先生

来歴というと証明書のようなものを思い浮かべがちだけれど、実際には、いつ、誰が、何で作ったかを後から取り出せる状態のことなんだ。


カメ子カメ子

取り出せる状態、というのは、記録が残っているということですか。


カメ先生カメ先生

記録があるだけでは足りないんだ。後から書き足せない形で残っていて、社外の人にも同じものを見せられるところまでが要る。


カメ子カメ子

自分で記録を書いておくことと、証明の道具を使うことは、何が違うのでしょうか。


この記事のポイント
  • 示せるようにしたいのは3つ。いつ存在したか、誰が出したか、何で作ったか
  • 時刻の証明・電子署名・法人のシールは証明する中身が違う。1つで3つは埋まらない
  • 全部の成果物に付けるのではなく、社外に出る先ごとに線を引く。判断はAIに出させない

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目次

聞かれてから探し始めることになる

問い合わせは、たいてい前触れなく来ます。取引先の法務から届く確認票、媒体の審査、取材の問い合わせ、そして公開後の指摘。どれも「これは誰が、いつ、何を使って作ったものですか」という同じ問いです。答えるには記録が要りますが、探し始めた時点で足りないことに気づきます。

足りない理由は、いくつかの型に分かれます。生成した道具の履歴は残っているが、社内の誰の指示だったのかが残っていない。指示文が上書きされている。参照した資料が別のフォルダに散っている。作った担当者が異動している。ファイルが何度も保存し直されて、作成日時が最後の保存の日時に変わっていることもあります。

ここで押さえておきたいのは、後からでは作れない記録があるという一点です。担当者名や用途は、後からでも書けます。しかし、そのとき実際に使った指示文、参照した資料の版、その時点の道具の版、生成された瞬間の日時は、後から書き足しても、それを裏づけるものがありません。記録を作るタイミングを決めることが、この運用の本体です

この問題が一部の会社だけの話でないことは、数字にも出ています。2026年7月24日に公表された令和8年版の情報通信白書によれば、企業の生成AIの利用率は86.4%に達しています。一方で、活用の方針を定めている企業は68.9%で、組織的な取組は行っていないと答えた企業が27.0%残っています。つまり、使っている会社はほぼ全部になったのに、4社に1社は組織としての決めごとを持たないまま使っているという状態です。記録が残らないのは担当者の不注意ではなく、決めごとを置いていないところで必ず起きる現象だ、と捉えたほうが手が打てます。

「来歴」には、埋め込む話と、社内に残す話の2つがある

この言葉が社内で通じにくいのは、性質の違う2つを同じ言葉で呼んでいるからです。ひとつは、画像や動画のファイルそのものに、作られた経緯を署名付きで持たせる話。ファイルが自社の手を離れて流通したあと、受け取った人が自分で確かめられるようにするための仕組みです。

もうひとつは、自社が後から示すために、社内に記録を残す話です。こちらはファイルの中ではなく、自社の運用の中で決まります。誰が、どの指示で、何を参照して作り、どこを人が直したのか。問い合わせが来たときに出せるのは、実はこちらです。付ける道具の話と、残す運用の話を混ぜると、どちらも決まりません

この記事が扱うのは、後者を中心にした運用です。ファイルに埋め込む仕組みそのものの構造や、確かめる側の見方は、別の記事で整理しています。ここでは、埋め込みが何を答えてくれて何を答えてくれないのか、という切り分けだけを次の節で済ませ、そこから先の社内の運用に進みます。

埋め込みだけでは、社内の問いの半分しか答えられない

ファイルに来歴を持たせる仕組みは、業界の仕様として整理が進んでいます。公開されている仕様書は第2.4版が2026年4月1日付で、版が上がり続けています。内容との結びつけ方は大きく2種類で、ひとつはファイルのバイト列に暗号学的に結びつける形、もうひとつは内容そのものから計算して突き合わせる形です。

この2種類がある理由が、そのまま弱点を示しています。前者は、切り抜いたり別の形式で保存し直したりすると成立しなくなります。だから、記録が外れても別に保管された記録と突き合わせられるように、後者が用意されています。生成AIが作った素材には、作成の動作に「学習済みの仕組みが作ったもの」という種別の値を記録する形も定義されています。仕組みとしては、かなり手が打たれています。

それでも足りません。仕様が記録するのは「どの道具で、どんな操作が行われたか」であって、「社内の誰が、どの指示で、何を参照して作ったか」ではないからです。取引先が聞いてくるのは後者です。埋め込みは外向きの仕掛け、社内の記録は内向きの備えだと考えて、両方を別々に決めます。以降は、内向きの備えのほうを組み立てます。

もう一点、外向きの仕掛けには時間の問題があります。この仕様には、実装した製品が仕様どおりかを確かめる適合の仕組みと、どの署名を信用するかの一覧が用意されており、公式の案内によれば2025年の半ばに始まりました。それまで暫定として使われていた一覧は2026年1月1日に凍結され、新しい登録は行われなくなっています。つまり、確かめる側の土台のほうも入れ替わっていきます。数年前に付けた記録が、今の確かめ方でそのまま読めるとは限りません。この点でも、社内に自分の記録を持っておく必要があります。

示したいのは3つ——いつ・誰が・何で

問い合わせに答えられる状態を作るには、何を示したいのかを先に分けます。示したいのは3つです。その資料がいつ存在したか、誰が出したものか、何で作ったか。この3つは、まったく別の手段で示すことになります。1つの道具で3つが埋まることはありません。

「いつ存在したか」は、時刻の証明で示します。「誰が出したか」は、個人としての作成者なら電子署名、組織としての発行元なら法人のシールです。そして「何で作ったか」は、制度の道具では埋まりません。どの生成AIを、どんな指示で使い、何を参照し、どこを人が直したか。これは自社の記録で持つしかない部分です。

実務でつまずくのは、3つのうち1つだけを用意して、全部が済んだつもりになる場面です。時刻の証明を付けたから来歴が残った、という理解が典型です。時刻の証明が示すのは、その時刻にそのデータが存在したことと、それ以降変わっていないことだけで、中身をAIが作ったかどうかは何も言いません。次の3節で、それぞれが何を証明し、何を証明しないのかを確かめます。

時刻の証明——ある時刻に存在し、それ以降変わっていないこと

総務省の掲載では、この技術を「ある時刻にその電子データが存在していたことと、それ以降改ざんされていないことを証明する技術」と説明しています。つまり証明するのは存在と不変の2点で、誰が作ったかにも、何で作ったかにも触れません。ここを取り違えると、社内の説明が噛み合わなくなります。

制度も整っています。時刻認証業務について、総務大臣による認定の制度があり、根拠は令和3年総務省告示第146号の「時刻認証業務の認定に関する規程」です。公開されている一覧では、令和8年3月の時点で6つの業務が認定されています。認定日を見ると、3件が令和5年2月16日、1件が令和6年3月18日、2件が令和7年8月8日で、少しずつ増えてきた経緯が読めます。調査等を行う指定調査機関は、令和3年6月24日に一般財団法人日本データ通信協会が指定されています。

成果物との相性で言うと、第三者に検証される前提のものに効きます。自主調査の結果を出すとき、公開前の時点でその数字が存在していたことを示せると、後から数字を直したのではないかという疑いを消せます。なお、税務のための保存については条件が別に決まっており、この記事の話とは切り分けて考えてください。そちらは保存の要件の一部として扱われるもので、成果物の出どころを示す目的とは違います。

この分野には「タイムビジネスに係る指針」が平成16年11月5日から置かれており、いまの認定制度はその延長線上に整えられてきました。制度の歴史よりも、実務で決めることのほうが大事です。決めるのは、どの瞬間に付けるかです。自主調査であれば、集計を終えて社内の確認が済んだ時点。提案に添える資料であれば、相手に送る直前。作り終えてから何日も経ってから付けると、その間に直していないことを示せなくなります。付ける瞬間を成果物の種類ごとに決めておくと、担当者が迷いません。

電子署名——作成者が誰かの推定まで働く

電子署名及び認証業務に関する法律は平成12年法律第102号で、第2条第1項が電子署名を定義しています。その情報が措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること、そして、その情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。この2つの両方に当たる措置が電子署名です。

この法律が強いのは第3条です。本人による電子署名、しかも本人だけが行うことができることとなるものが行われているときは、真正に成立したものと推定すると定めています。推定が働くという効果は、ほかの手段にはありません。ただし、ここで言う本人は自然人です。誰が出したかを個人まで特定して示したいときの道具だと理解しておくと、使いどころを間違えません。

実務では、提案書や見積のように、相手が社内の稟議に回す資料に効きます。回された先で「これは本当に先方の誰が出したものか」が問われる場面だからです。ここでAIとの関係を整理しておくと、署名が示すのは「誰が出したか」までで、「中身をどう作ったか」ではありません。生成AIで下書きを作っていても、出す人が署名すれば、出したことの責任は明確になります。作り方の説明は、別に用意した記録で行います。

ただし、電子署名と呼ばれるものなら何にでも推定が働くわけではありません。同じ法律は、第2条第2項で認証業務を、第3項で特定認証業務を定義し、第4条で、特定認証業務を行おうとする者は主務大臣の認定を受けることができると定めています。制度としての層が用意されている、ということです。導入を検討するときに見るのは、署名が付けられるかどうかではなく、その署名が第3条の言う「本人だけが行うことができる」形になっているかどうかです。押印の代わりという説明だけで選ぶと、この層の違いが見えないまま決まってしまいます

法人のシール——発行元が自社であることを示す

3つ目が、組織としての発行元を示す仕組みです。総務省の掲載では「企業等が発行する電子データの発行元を証明し、また、電子データに改ざんがないことを証明する技術」と説明されています。個人ではなく法人が出したものだ、と示す点が電子署名との違いです。請求書や証明書のように、担当者個人ではなく会社として出す文書に向きます。

ここは2026年時点の状況を正確に押さえておく必要があります。総務大臣による認定制度は令和7年3月に整備され、令和8年3月30日から全面施行されています。根拠は令和7年総務省告示第113号です。同じ日から認定申請の受付が始まっており、指定調査機関として一般財団法人日本データ通信協会が令和8年3月13日に指定されています。指針のほうは令和3年6月25日に出され、第2版が令和6年4月16日に出ています。

ただし、公開されている掲載には「現時点で認定された事業者はありません」と書かれています。制度は動き出したものの、認定を受けた事業者はまだ出ていない、という段階です。制度が整ったことと、使える認定事業者がいることは、別の話です。社内の規程に制度の名前だけを書いてしまうと、運用を始めようとした時点で止まります。現時点で使うのであれば、認定によらない仕組みを選ぶことになり、その旨を相手に説明できるようにしておく必要があります。

3つを1枚で見比べる

ここまでの3つと、自社の記録を並べると、役割の違いがはっきりします。大事なのは「証明しないこと」の列です。この列を読まずに道具を選ぶと、付けたのに問いに答えられない、という状態になります。

手段証明すること証明しないこと2026年時点の状況
時刻の証明その時刻に存在したこと、以後変わっていないこと誰が作ったか、何で作ったか認定制度が動いており、6つの業務が認定済み
電子署名その個人が出したこと、改変されていないこと組織としての発行元、作り方法律に真正な成立の推定の定めがある
法人のシールその法人が発行元であること、改変がないこと誰が作ったか、何で作ったか制度は全面施行済み。認定事業者はまだいない
自社の記録何で、どの指示で、誰が、どこまで人が直したか第三者による裏づけ制度に依らない。自社の運用で決まる

表を見ると、「何で作ったか」を埋められるのは自社の記録だけだと分かります。そして自社の記録は、第三者の裏づけを持ちません。だから、外向きの裏づけが要る場面では制度の道具を、中身の説明が要る場面では自社の記録を、というように組み合わせます。次は、どの成果物にどこまで付けるかを決めます。

どの成果物にどこまで付けるか——出る先で線が変わる

全部の成果物に付けようとすると、必ず止まります。付ける作業に手間がかかり、急ぐ案件から順に飛ばされ、飛ばした記録も残らないからです。決めるべきは、どこまで付けるかではなく、どの出る先には必ず付けるか、です。出る先ごとに、問われ方が違います。

出る先問われやすいこと効く手段社内の記録の粒度
広告・販促の素材AIで作ったものか、素材の権利は大丈夫か自社の記録が中心指示文と参照素材、人が直した範囲まで
自主調査の発表数字を後から直していないか時刻の証明集計前のデータと、集計の手順まで
提案書・見積本当にその会社の誰が出したものか電子署名作成者と確認者、版の履歴
請求書などの定型文書発行元が本当にその法人か法人のシール発行の記録と、送付先
制作会社への発注・納品どこまでを生成AIで作ったか契約で決める納品時に提出させる記録の項目

表の最後の行が、実務では一番抜けます。外に作らせたものは、自社の記録の外側で作られています。発注の時点で、生成AIを使う範囲と、納品時に何を提出してもらうかを決めておかないと、後から聞いても出てきません。逆に言えば、ここを契約に一行足すだけで、社外の制作物の来歴が埋まります。

足す一行は、禁止の文言にしないほうがうまくいきます。生成AIを使ってはいけない、と書くと、使ったかどうかを隠す動機が生まれ、確かめようもなくなります。書くのは「使った場合は、どの工程で、どの道具を使ったかを納品時に書面で示すこと」という報告の義務のほうです。あわせて、素材として使った他社の資料や写真の出どころを書かせる欄を作ります。使わせないと決めるより、使ったことを書ける形にするほうが、記録は集まります。受け取った記録は、自社の成果物の記録と同じ場所に置きます。

取引先から「これはAI製か」と聞かれたときに出せるもの

実際の問い合わせは、3通りの形で来ます。契約前の確認票に項目として書かれている形、納品や検収のときに口頭で聞かれる形、そして公開したあとに外部から指摘される形です。同じ問いに見えて、出すべき粒度が違います。確認票は書面で残るので、書ける範囲を先に決めておく必要があります。

出せるようにしておく項目は、次のとおりです。すべてを毎回出すわけではなく、聞かれ方に応じてどこまで出すかを選べる状態にしておくことが目的です。逆に、社内の検討の経緯や、他社から預かった情報は、出さない側に分けておきます。

  • 生成した日時と、使った道具の名称と版
  • そのとき使った指示文の原文(要約ではなく、実際に入力したもの)
  • 参照した資料の名称と、その時点の版や取得日
  • 人が直した範囲と、直した理由
  • 確認した人と、確認した日
  • 社外の制作会社が関わっている場合は、その範囲と、提出を受けた記録

この一覧を作っておく効果は、答えられることだけではありません。出せないと分かった項目が、そのまま運用の穴の一覧になります。指示文が残っていないと気づいたなら、次の案件からは残す。参照した資料の版が分からないなら、保存の形を変える。問い合わせが来る前に、この一覧で一度自己点検しておくのが近道です。

確認票に答える場面では、もう一段の準備が要ります。書面は相手の社内で回覧され、何年も残るからです。回答を作る前に、社内で3つを決めておきます。生成AIを使っている事実をどこまで書くか。使った道具の名称まで出すか、種類だけにとどめるか。そして、個別の案件ごとに答えるのか、全社の方針として1つの文面を用意しておくのか。案件ごとにその場で書くと、同じ会社に出した回答どうしで食い違います。方針の文面を1つ持ち、案件固有の事情だけを足す形にしておくと、答えるまでの時間も短くなります。

社内に残す形——成果物と同じ場所に置く

記録の残し方で最も多い失敗が、別の場所に台帳を作ることです。表計算のファイルを1つ用意して、作ったものを一覧にしていく形。始めた月は埋まりますが、3か月後には空欄が並びます。成果物を作る作業と、台帳に書く作業が別なので、忙しくなると後者が落ちるからです。

続く形は決まっています。成果物のフォルダの中に、同じ名前で記録を1つ置く。中身は、いつ・誰が・何で・何を見て・どこを人が直したか。成果物を開いた人が、隣のファイルを開けば経緯が分かる状態にします。記録を探しに行かなくてよい場所に置くと、記録を書く手も止まりません

もうひとつ決めるのが、版の扱いです。資料を直したら、記録は上書きせずに増やします。上書きすると、最初に作った時点の指示文が消え、最後の修正の記録だけが残ります。公開後に問われるのは、多くの場合、最初にどう作ったかのほうです。増やす形にしておけば、どの段階で何が変わったかも一緒に説明できます。

残す瞬間を決める——後から書けない項目がある

運用を設計するときの分かれ目が、ここです。記録の項目は、後から書けるものと、後から書けないものに分かれます。この区別をつけずに「作り終わったら記録する」という運用にすると、後から書けないほうが必ず欠けます。

後から書けるのは、担当者名、用途、出し先、確認した人。後から書けないのは、実際に入力した指示文、参照した資料のその時点の版、使った道具の版、そして生成された日時です。指示文は、少し直せば同じものに見えますが、同じではありません。参照した資料は、翌月には更新されているかもしれません。道具の版は、気づかないうちに上がります。

だから、後から書けない項目だけは、生成した直後に保存するという順番にします。具体的には、生成に使った画面から指示文をそのまま保存し、参照した資料は、リンクではなくその時点のファイルを一緒に置きます。リンクだけを残すと、リンク先が書き換わったときに何も残りません。書き出しを手作業にしないことも大切で、手順が3つ以上になると、急ぐ案件から飛ばされます。

止まらない形にするための実務仕様

ここまでの内容を、着手の順番に並べます。順番を変えないでください。特に最初の工程を飛ばして記録の様式から作り始めると、全部の成果物に付ける前提の重い様式ができあがり、2か月で止まります。

STEP1
出る先を分けて、必ず付けるところを先に決める

社外に出るものだけに絞ります。社内で完結する資料は対象外にしてかまいません。対象を広げるのは、回り始めてからです。

STEP2
成果物と同じ場所に記録を置く形を、名前の付け方まで決める

どこに置くかだけでなく、ファイル名の付け方まで決めます。探せない記録は、無い記録と同じ扱いになります。

STEP3
生成した直後に、指示文と参照資料を保存する

後から書けない項目だけを、この段で確実に押さえます。担当者名や用途は、後で足せばかまいません。

STEP4
社外に出す前に、時刻の証明と署名のどちらが要るかを判定する

出る先の表に当てて決めます。両方要らない成果物のほうが多いので、判定を省かないことが結果的に手間を減らします。

STEP5
問い合わせが来たときに、誰が出すのかを決めておく

出す人と、出してよい項目の範囲を先に決めます。ここが空欄だと、問い合わせのたびに社内で止まります。

この5つを決めたら、いきなり全社に広げず、ひとつの部署のひとつの成果物で1か月回します。回してみると、記録を書く時間が1件あたりどれくらいかかるかが分かります。5分を超えるようなら、様式が重すぎます。項目を減らして、まず続くことを優先してください。

定着せずに止まる型

止まり方にも、はっきりした型があります。いずれも、始めた月だけは記録が残り、3か月目には誰も書かなくなる、という同じ結末になります。

  • 全部の成果物に付けようとする:急ぐ案件から飛ばされ、飛ばした事実も残らない
  • 記録を別の台帳にまとめる:成果物を作る作業と切り離された瞬間に更新されなくなる
  • 参照した資料をリンクだけで残す:リンク先が書き換わると、何を見たのかが分からなくなる
  • 制度の名前だけを規程に書く:使える認定事業者がいるかを確かめておらず、運用を始める時点で止まる
  • 記録を作った担当者だけが置き場を知っている:異動や退職で、成果物と記録の対応が切れる
  • 作り終えてから記録をまとめて書く:後から書けない項目が抜け、残ったものは裏づけにならない

この中でいちばん多いのが、最初の「全部に付けようとする」です。網羅しようとした設計は、見た目には隙がありません。しかし1か月で息切れし、息切れしたことが記録に残らないので、翌年に見返しても何が抜けたのか分かりません。対象を絞った運用のほうが、結果的に多くの成果物について説明できる状態になります。

AIに判断させない範囲

最後に、この運用の中でAIに任せてよい範囲を決めます。記録の欠けている欄を指摘する、版の違いを抜き出す、複数の記録から同じ資料に関するものをまとめる。このあたりはAIが速いです。問い合わせが来たときに、関係する記録を集めて一覧にする作業も任せられます。

一方で、その成果物を自社が作ったものだと言えるか、相手に出してよいか、という判断は人が持ちます。この判断には、契約の内容、相手との関係、公開の範囲といった、記録には書かれていない事情が入ります。出してよいという結論を、AIの出力を根拠にして書かない。判断した人と日付を、判断そのものと一緒に残します。

  • 生成の記録そのものをAIに書かせない。作った当人以外が書くと、記録の意味が消える
  • 出してよいかどうかの判断と、出す範囲の決定は人が持つ
  • 記録の欠けの指摘、版の差分の抽出、問い合わせ時の突き合わせはAIに任せてよい
  • AIに要約させた指示文を、元の指示文の代わりに保存しない。原文をそのまま残す
  • 社外の制作物について、提出された記録の真偽をAIに判定させない。契約で確かめる

まとめ

AIが作った資料の来歴を残す要点は、示したい3つを分け、後から書けない項目だけを生成の直後に押さえることです。時刻の証明は存在と不変を、電子署名は個人が出したことを、法人のシールは組織が発行元であることを示します。そして「何で作ったか」だけは、どの制度の道具でも埋まらず、自社の記録で持つしかありません。法人のシールの制度は全面施行されましたが、認定事業者はまだ出ていないという段階です。まずは、社外に出る成果物をひとつ選び、その隣に記録を1つ置くところから始めてみてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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