Zendeskの記録をAIに渡す前の確認項目|外すものと整える順

Zendeskの記録をAIに渡す前の確認項目|外すものと整える順

「問い合わせの記録なら5年分あります。これをAIに読ませれば、回答の下書きはすぐ作れますよね」「試しに1年分だけ渡してみたのですが、返ってくる答えが値上げ前の金額のままで……」——問い合わせ管理の道具を長く使っている会社ほど、この二つは続けて出てきます。道具の性能が足りないという話ではありません。溜まった記録は業務の証跡として残されたものであって、AIに読ませる材料として整えられたものではないからです。この記事では、記録をAIの材料にできる形にするまでの、渡す手前の工程だけを順番に整理します。


カメ先生カメ先生

過去の記録が大量にあるから有利だ、と言われることが多いけれど、実際には量が多いほど渡す手前の作業が増えるんだ。


カメ子カメ子

量が多いと、かえって手間が増えるということですか。


カメ先生カメ先生

増えるのは読ませる手間ではなく、外す手間のほうだね。記録は当時のやりとりをそのまま残したものだから、外に出せない情報と、いまは正しくない情報が同じ本文に混ざっているんだよ。


カメ子カメ子

外に出せない情報と、いまは正しくない情報は、同じやり方で片づくものなのでしょうか。


この記事のポイント
  • 記録は状態で分かれる。閉じてから一定期間で保管に回り、後からまとめて直せなくなる
  • 外すものは3系統。本文に埋まった個人の情報、担当者の私的なメモ、古いまま正として残った記述
  • AIに任せるのは候補の洗い出しまで。何を外すかと、どれを正とするかの決定は人が持つ

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目次

「過去のやりとりを全部読ませればいい」で、たいてい止まる

問い合わせ管理の道具を数年使っていれば、記録は自然に数万件まで増えます。そこにAIを当てれば回答の下書きが自動で作れる、という見通し自体は間違っていません。ところが実際に1年分を渡してみると、返ってくる答えは高い確率で「昔は正しかった答え」になります。値上げ前の金額、終了した機能の操作手順、統合される前の窓口の連絡先。どれも記録の中では正しく、いまは間違いです。

もう一つ、渡してはいけないものが混ざります。問い合わせの本文には、顧客の氏名も、折り返しの電話番号も、契約の番号も、文章の中にそのまま書かれています。担当者どうしの内部メモには、対応が長引いた愚痴や、値引きの相談や、競合の名前が入っていることもあります。記録は「そのとき誰が何をしたか」を残すために書かれたもので、誰かに読ませる前提で書かれていません。ここが、社内の手順書をAIに渡す場合との決定的な違いです。

だから、渡す前に「外す工程」と「選ぶ工程」が要ります。この手前を飛ばして渡すと、直しは渡した後にやってくることになります。渡した後の直しは、出てきた答えの元になった記録を逆にたどる作業から始まるので、渡す前に外すより何倍も時間がかかります。しかも一度おかしな答えを見せてしまうと、現場はその道具を使わなくなります。手前の工程は、順番として先というだけでなく、費用としても先に片づけたほうが安く済みます。

記録は一様ではない。まず状態と量を数える

最初にやるのは、整えることではなく数えることです。数える対象は3つあります。件数、対象にする期間、そして記録の状態です。このうち見落とされやすいのが3つ目で、同じ道具の中にある記録でも、状態によって触り方がまったく違います。

Zendesk の公式ドキュメントでは、チケットは閉じた状態になってから120日で自動的に保管(アーカイブ)に回る、と説明されています。件数が極端に多いアカウントでは120日より早く回ることもあるとされています。そして保管に回った記録はビューに表示されず、トリガーや自動化の対象にもなりません。つまり、後から条件を決めて一括で手を入れる、という直し方ができなくなります。取り出すこと自体は、直接のリンク・検索・大半のAPI・データの書き出しから可能です。

例外も公式に示されています。イベントが10,000件を超えるチケットと、関連する記録(イベント・項目の入力・監査・指標)が2MBを超えるチケットは、自動では保管に回りません。長期化した複雑な案件ほどこの例外に当たります。数えるときは、この2種類を別枠として数えておくと、後で「なぜこの案件だけ扱いが違うのか」と悩まずに済みます。

記録の状態ビューと自動処理条件を決めてまとめて直せるか取り出し方
開いている・対応中対象になるできる画面・検索・API
閉じた直後(およそ120日まで)対象になるできる画面・検索・API
保管に回った(閉じて120日超)ビューに出ず、自動処理も動かないできない直接のリンク・検索・API・書き出し
例外(イベント1万超・2MB超)自動では保管に回らないできる画面・検索・API

そのままでは使えない理由は、大きく4つに分かれる

記録が材料にならない理由を並べると、実務では4つに収まります。顧客の名前・電話番号・契約番号が本文に埋まっていること、担当者の私的なメモが混ざっていること、古い料金や終了した仕様が正として残っていること、同じ問いに違う答えが並んでいること。この4つです。

大事なのは、4つが同じ性質ではないという点です。前の2つは「外に出してはいけないもの」で、作業としては外すこと(消すか置き換えるか)になります。後の2つは「間違っているもの」で、作業としては選ぶこと(どれを正とするか決めること)になります。外す作業と選ぶ作業は、判断する人も、必要な知識も違います。前者は契約と個人情報を見る立場の人、後者は現在の手順と製品を知っている人です。

順番は、外すのが先です。選ぶ作業を先にやってしまうと、後から外す段階で記録そのものが欠けたり置き換わったりして、選び直しになります。実際、先に「よく使う回答」を50件選び終えてから個人情報の除去に入り、半分が使えない形になってやり直した、という進み方は珍しくありません。この順番だけでも、最初の一周にかかる時間はかなり変わります。

外すもの(1)本文に埋まった個人の情報と、契約の番号

項目として用意された欄に入っている個人情報は、比較的簡単に落とせます。難しいのは、本文の文章の中に書かれているものです。「先ほどお電話をいただいた090から始まる番号の件ですが」「山田様の契約番号でお調べしました」という書き方は、どの会社の記録にも大量にあります。欄を消すだけでは、これらは一つも減りません

見分け方は、項目名で探すのではなく、出現の型で探すことです。数字の並び、宛名の行、署名の欄、申込内容を転記した箇所、そして添付ファイルと本文に貼られた画像。画面の写真は見落としの筆頭で、注文画面や管理画面を撮った画像には、氏名も住所も金額もそのまま写っています。文字だけを検索しても、この種の混入は見つかりません。

道具の側にも仕組みがあります。Zendesk では、公開コメントと内部メモ、添付、本文中の画像、側の会話などを対象に内容を伏せる機能が用意されています。追加の契約が要るデータ保護の機能を入れると、伏せる候補の自動提示や、条件を決めた自動実行まで使えるようになると公式に説明されています。一方で、進行中のチャット、SMSから作られたコメント、翻訳されたメッセージなど、伏せられない種類も明記されています。自社の記録がどの経路から入ってきたものかで、使える手が変わります。

「消す」のか「置き換える」のか——外し方で後が変わる

外し方には二つの道があります。元の記録そのものから消す道と、AIに渡すために取り出した複製の側で置き換える道です。どちらを選ぶかで、後からできることが大きく変わります。ここを決めずに作業を始めると、途中で戻れなくなります。

消す道には、公式に明記された制約があります。Zendesk のドキュメントには「チケットの内容を伏せる操作は元に戻せない」とはっきり書かれています。加えて、1回の操作で扱える添付は最大75件まで、まとめての一括処理には対応していない、と説明されています。さらに一度この操作を行うと、そのチケットでは元のメールを表示する機能が使えなくなります。元の記録に手を入れるのは、本当に残してはいけないものに限る——これが現実的な線引きです。

置き換える道は、取り出した複製の側で氏名を「顧客A」、番号を「契約番号」といった印に替える形です。ここで効くのが、同じ人には同じ印を当てるという規則です。全部を同じ印にしてしまうと、誰と誰のやりとりなのかが読めなくなり、話の筋が消えます。印をそろえておけば、個人が特定できない状態のまま、やりとりの流れは残せます。なお、外部の道具に渡す前に匿名の印へ置き換える処理を利用者側で制御できる仕組みも、公式の説明の中に出てきます。

  • 元の記録から消す操作は元に戻せない。まず複製を作り、複製の側で置き換えるのを既定にする
  • 同じ人・同じ契約には同じ印を当てる。印がばらばらだと話の筋が読めなくなる
  • 添付と本文中の画像は文字検索に引っかからない。件数を先に数えて別工程にする
  • 伏せられない種類の記録(進行中のチャットなど)がある。対象外の記録は最初から材料に含めない

外すもの(2)担当者の私的なメモと、社内だけの言い回し

内部メモの欄には、驚くほど雑多なものが入っています。対応が長引いたときの愚痴、原因についての推測、他部署への申し送り、値引きの相談、担当者の交代の経緯。これがそのまま材料になると、回答の下書きに社内の事情が混ざります。顧客に見せる文章の中に「この顧客は以前も同じ件で連絡してきている」という一文が現れる、という形の事故が起きます。

扱い方は単純で、欄で切ります。内部メモは丸ごと外すのが基本です。ただし例外があり、原因が内部メモにしか書かれていない案件が、必ず一定数あります。公開のやりとりでは「確認しております」で終わり、内部メモに「これは設定の初期値が原因」と書いてある、という型です。この場合は、内部メモを材料から外したうえで、原因の記述だけを人が拾って別の材料に書き起こします。

もう一つ外すのが、社内だけで通じる言い回しです。旧製品名、部署の符丁、略した機能名、担当者しか知らない工程の呼び方。置き換えの辞書を作り、社内語と外向きの言葉の対応を一覧にしておくと、この作業は機械的に片づきます。辞書は一度作れば、後の運用でも使い回せます。項目は50語も集まれば、記録の大半をまかなえることが多いはずです。

外すもの(3)古い料金と、終了した仕様が「正」として残っている

記録は、書かれた当時の正しさで書かれています。3年前の金額、すでに提供が終わった機能、統合される前の問い合わせ窓口、変更前の返品の条件。これらは誤りとして残っているのではなく、正解として残っています。だから「間違いを探す」という探し方では見つかりません。

最も安く済む見分け方は、期間で切ることです。ただし単純に古い記録を捨てると、いまも有効な操作手順まで一緒に消えます。そこで先に作るのが、変更の年表です。料金の改定、仕様の変更、提供の終了、窓口の統合。この4種類だけを、日付と一行の説明で並べます。年表があれば、記録を1件ずつ読まなくても「この日より前の、この話題の記録は使わない」と線を引けます。

年表は、材料を整えるためだけの道具ではありません。渡した後に出てきた答えがおかしいとき、どの変更を踏んでいないのかを特定する手がかりになります。作る手間は半日から1日、更新は変更があったときだけです。この一枚がないまま整え始めると、判断のたびに製品担当へ確認が飛び、作業が止まります。

外すものどこに入っているか外し方残す側の判断
氏名・連絡先・契約番号本文・件名・添付・画像複製の側で印に置き換える同じ人には同じ印を当てて筋を残す
担当者の私的なメモ・推測内部メモの欄欄ごと外す原因の記述だけ人が拾って書き起こす
値引きの相談・他社の名前内部メモ・側の会話欄ごと外す残さない
古い料金・終了した仕様本文・定型の返信年表で期間を切るいまも有効な手順は日付で残す

同じ問いに違う答えが並ぶ——「正はどれか」を決める作業

同じ質問に対して、3人の担当者が3通りに答えている。これは記録が長く残っている会社では当たり前の状態です。しかも3つとも、当時は正しかったことが多い。運用が変わり、例外が増え、担当者ごとの言い回しが分かれた結果です。ここを放置したまま渡すと、AIは最も数の多い答えを選びます。古い答えほど件数が多いので、結果として過去の運用が出てきます。

決め方は、新しい順ではありません。いまの手順書と一致するかどうかで決めます。手順書が存在しない問いについては、その問いを材料から外します。正が決まらない問いを材料に含めると、答えの揺れが記録の件数に左右されるようになります。「決まっていないので外す」は逃げではなく、後から原因をたどれる状態を保つための判断です。

作業の形としては、頻出の問いを上から数十件だけ選び、その分だけ正を1つに決めます。全件をやろうとすると終わりません。実務では、上位の数十件が問い合わせのかなりの割合を占めることが多く、まずそこだけで効果が見えます。残りは、渡した後に「引かれなかった問い」として出てくるので、次の一周で足します。最初から全部を正しくしようとしないのが、この工程の要点です。

分類とタグが育ちすぎたときの畳み方

長く使っている道具ほど、分類とタグは増え続けます。似た名前が並び、付ける人によって選ぶものが変わり、一度作ったものは誰も消さない。この状態のタグをそのまま材料の手がかりにすると、同じ内容の記録が別の束に散ります。分類の数が多いこと自体は問題ではなく、同じものが違う名前で入っていることが問題です。

畳み方は、使用回数で並べるところから始めます。上位のいくつかで全体の何割を占めるかを見ると、裾のほうに一度か二度しか使われていないものが大量にあることが分かります。ここで大事なのは、過去の記録のタグを書き換えるのではなく、渡すときの対応表で寄せることです。保管に回った記録は条件を決めてまとめて直せないので、元を直す方針にすると作業が終わりません。対応表なら、後から寄せ先を変えることもできます。

新しく付け直す前に、何のための区分なのかを決めます。人が後から探すための区分と、AIの材料としての区分は、目的が違います。前者は担当者の探し方に合わせて細かくなりがちですが、後者は答えの作り方が同じものをひとまとめにするほうが役に立ちます。同じ道具の中に2種類の区分が並存してよい、と決めておくと、現場の運用を止めずに済みます。

保管に回った記録は、まとめて直せない

前の節で触れた点を、独立した注意としてもう一度置きます。閉じてから120日を超えて保管に回った記録は、ビューに出ず、トリガーや自動化の対象になりません。つまり「後から条件を決めて一括でタグを付け替える」も「特定の文字を含む記録に印を付ける」も、保管済みには効きません。整える作業の設計は、この制約を前提に組む必要があります。

したがって、直す対象は元の記録ではなく、取り出した複製にします。書き出しやAPIで複製を作り、複製の側で置き換えと寄せを行う。元の記録は業務の証跡として触らず、材料は別に作る、という二本立てにするのが結局いちばん速いやり方です。証跡としての正しさと、材料としての使いやすさは、両立させようとすると必ずどちらかが崩れます。

もう一つ、先に確かめておくべきことがあります。削除の予定表です。公式のドキュメントでは、削除の対象になるのは保管済みの記録(閉じてから120日を超えたもの)で、削除した記録は元に戻せない、と説明されています。予定表は複数作れますが、通常は同時に有効にできるのは1本で、追加のデータ保護の契約を入れると複数を同時に動かせるとされています。材料にしようとしていた古い記録が、来月の予定表で消える——という事故は、着手前の5分で防げます。削除した記録は既定では集計の対象からも外れるため、後から件数で気づくこともできません。

記録を外の道具に渡してよいか、契約のどこを見るか

ここまでは自社の中の作業でした。実際にはもう一つ、社外との約束を確かめる工程が要ります。問い合わせの記録は、顧客から預かった情報の塊です。自社の判断だけで外部の道具に渡してよいとは限りません。見る先は、顧客との取引基本契約、秘密保持の条項、そして業種によっては個別の覚書です。

読む箇所は決まっています。目的外での利用を禁じている条項、第三者への開示を認める範囲、再委託の可否と事前の承諾が要るかどうか、情報を保管する国や地域の指定、そして契約終了時の返却と消去の定めです。とくに再委託の条項は、外部のAIの道具を使うこと自体が再委託に当たるかどうかで読み方が割れます。ここは法務と一緒に一度だけ整理し、判断の型を残しておくと、次の道具を選ぶときに繰り返さずに済みます。

道具の側の条件も確かめます。Zendesk は公式の説明の中で、第三者の大規模言語モデルを使う生成の機能について、Zendesk の顧客データで学習させていないこと、第三者が入力を自社モデルの学習や改善に使わないことを明記しています。一方、同じ文書には、自社の(生成ではない)モデルについては、利用者名やメールアドレスといった識別子の欄を学習用のデータから除いたうえで顧客データを学習に使う、とも書かれています。「学習に使わない」という一言が、どの機能を指しているのかは道具ごとに違います。契約書の文言ではなく、機能ごとの説明を読みにいくのが確実です。

文脈が落ちた記録は、渡しても引かれない

整えて渡した後に、想定外の形でつまずくことがあります。質問をしても、関係があるはずの記録が出てこない。原因の多くは、AIの側ではなく記録の側にあります。何の問いに対する答えなのかが、本文から読み取れない記録が一定の割合で存在するからです

典型は3つあります。件名が返信の記号だけで内容を含まないもの。本文が「添付をご確認ください」の一行で、中身が画像になっているもの。そして電話で解決し、記録には結果だけが短く書かれているもの。どれも当時の担当者には分かっていた情報が、記録の外側にあるために落ちています。件数を数えると、古い記録ほどこの割合が高い傾向が出ます。

直し方として、1件ずつ書き足すのは現実的ではありません。頻出の問いの側から逆に作ります。「よく来る問い」と「いまの正しい答え」の対を数十件だけ新しく書き起こし、過去の記録はその裏づけとして置くという形です。こうすると、文脈が落ちた記録が残っていても、引かれる材料の質は保てます。記録を直すのではなく、記録の上に薄い層を一枚足す、と考えると設計しやすくなります。

  • 件数が多いからと、全期間の記録をそのまま一度に渡す:古い答えが多数決で選ばれる
  • 元の記録の側で個人情報を伏せ始める:元に戻せず、まとめての処理もできないため途中で止まる
  • 過去のタグを一括で付け替えようとする:保管に回った記録には条件を決めた処理が効かない
  • 正が決まっていない問いも材料に入れる:答えの揺れが記録の件数で決まってしまう
  • 契約と規約の確認を最後に回す:外に出せない記録が見つかった時点で、整えた分がやり直しになる

整える順番——7つの工程に分けて回す

ここまでの内容を、着手の順番に並べ直します。途中の工程を入れ替えると、前の工程の成果が無駄になる箇所があるので、順番そのものが判断のひとつです。とくに工程2を後ろに回すと、最悪の場合はすべてやり直しになります。

STEP1
量と状態を数える

件数、対象にする期間、記録の状態の3つを数えます。保管に回っている分と、例外として保管に回っていない分は別枠にします。

STEP2
契約と規約で、外に出せる範囲を確定する

顧客との契約の目的外利用・第三者開示・再委託・保管場所・終了時の扱いを読みます。道具の側の機能ごとの説明も、この段階で確かめます。

STEP3
変更の年表を作る

料金の改定、仕様の変更、提供の終了、窓口の統合の4種類を、日付と一行の説明で並べます。ここが後の判断の基準になります。

STEP4
外す(欄で切る、型で探す、印をそろえる)

内部メモは欄ごと外し、本文の個人の情報は出現の型で探して印に置き換えます。添付と画像は別工程として件数を数えてから着手します。

STEP5
頻出の問いから、正を1つに決める

上から数十件だけを対象にします。いまの手順書と突き合わせ、手順書がない問いは材料から外します。

STEP6
区分を対応表で寄せる

元の記録のタグは書き換えず、渡すときの対応表で寄せ先を決めます。目的は「答えの作り方が同じものをまとめる」ことです。

STEP7
小さく渡して、引かれ方を見る

最初から全量を渡しません。打ち切りの条件(引かれない問いの割合、古い答えが出た件数)を先に決めておきます。

工程7の打ち切りの条件は、着手前に文章で書いておきます。条件がないと、結果がよくないときに「もう少し記録を足せば」という方向へ進み、量を増やす作業が延々と続きます足すべきは量ではなく、正が決まった問いの数です。この違いを最初に共有しておくと、二周目の議論が短くなります。

AIに任せてよい工程と、人が決める工程

この作業には、機械的な突き合わせが大量に含まれます。本文から個人の情報らしい記述を候補として拾う、内部メモを要約して原因の記述だけを抜く、タグの寄せ先の案を出す、同じ内容の記録を束ねる、年表に当たる記述を抜き出す——このあたりはAIが速く、人がやると数日かかるものが半日で形になります。手作業でやる理由はありません。

一方で、決めるところは人が持ちます。何を外すか、どれを正とするか、どこまで外に出してよいか。この3つはいずれも、記録の中に答えが書かれていない判断です。契約の解釈、現在の運用、社内の体制という、記録の外側の事情で決まります。AIの出力を根拠にして決めると、後から誰も理由を説明できなくなります。とくに外に出してよい範囲の判断は、決めた人と決めた日を記録と一緒に残してください。

  • 個人の情報の候補はAIに洗い出させ、外すかどうかの決定は人が行う。候補には必ず場所を書かせる
  • 内部メモの要約をさせたら、元の記述の位置を併記させ、原文を人が一行ずつ確かめる
  • 正がどれかの判断をAIにさせない。いまの手順書との突き合わせは人が見る
  • 人が確認する範囲を作業前に決める。全件を見るのか、抽出して見るのか、割合まで先に書いておく

よくある質問

何年分まで渡すのがよいですか

年数ではなく、変更の年表で区切るほうが実務に合います。大きな仕様変更や料金改定があった日より前の記録は、その話題については使わない、という切り方です。年数で一律に切ると、変更のない話題まで一緒に落ちてしまいます。まずは直近1年分で一周し、引かれ方を見てから広げてください。

個人の情報を外すのは、元の記録と複製のどちらですか

原則は複製です。元の記録に対して伏せる操作を行うと元に戻せず、まとめての処理にも対応していないため、途中で止まると中途半端な状態が残ります。元の記録に手を入れるのは、社内の規程や法令の要請で、そもそも残してはいけないと判断されたものに限ります。

整える時間が取れません。どこから手を付ければよいですか

工程2の契約の確認と、工程3の年表だけを先に済ませてください。この二つは、後から他の作業をやり直させる力を持っています。逆に、外す作業と正を決める作業は、頻出の問い20件分から始めても効果が見えます。全量を対象にしないと意味がない、ということはありません。

一度整えた記録は、どのくらいで作り直しになりますか

作り直しにはなりません。年表に新しい行が増えたとき、正が決まった問いのうち該当するものだけを見直す形になります。見直しの引き金を「料金の改定」「仕様の変更」「窓口の統合」の3つに決めておくと、毎月の作業にはなりません。

まとめ

問い合わせの記録をAIの材料にする要点は、元の記録を直すのではなく、外すものと正を決めたうえで材料の複製を別に作ることです。閉じた記録は一定期間で保管に回り、後から条件を決めてまとめて直すことができなくなります。外すのは個人の情報と私的なメモと古い正の3系統で、外し方は消すか置き換えるかで後が変わります。まずは件数と状態を数え、契約で外に出せる範囲を確かめるところから始めてみてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?

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