Copilot Coworkとは?|任せる仕事と開く範囲

2026年6月16日、マイクロソフトはCopilot Coworkの一般提供を始めたと発表しました。2026年3月に発表され、先行利用のプログラムで試されてきた機能です。発表文の説明は、複雑で長く続き、複数の道具をまたぐ仕事を実行し、利用者が定義した仕事を最初から最後まで進めて、下書きや提案ではなく完成した結果を返す、というものです。課金は同じ日に始まり、既定では無効で、いつ有効にするかと誰に使わせるかは管理者が決めるとされています。つまりライセンスを配っただけでは動かず、誰に開けるか、いくらで止めるか、外に出る操作をどこで止めるかを管理者が決めてはじめて使える作りです。この記事では、開く、上限を置く、承認を決める、完成物を確かめる、見直す、という順番で、マイクロソフトの管理機能と課金の単位に沿って運用の決めごとを整理します。
カメ先生Coworkは、Copilotの会話の延長だと思われがちですが、本当は管理の入口がまったく別です。会話は有償ライセンスを割り当てれば使えますが、Coworkは使った分だけ課金される仕組みの側に置かれていて、支出の設定に入っている人だけが使えます。
カメ子ライセンスを持っていても、それだけでは使えないということですか。
カメ先生使えません。管理者が使った分の課金を有効にし、支出ポリシーという設定の対象に入れた人にだけ開きます。しかも完成物まで返ってくるので、人が確かめる場所が、書いている途中から、受け取ったあとと外に送る直前に移ります。
カメ子会話で使うときと比べて、人が確かめる場面はどこが変わるのでしょうか。
- 2026年6月16日に一般提供が始まった。前提はCopilotの有償ライセンスで、その上にCopilotクレジットによる従量課金が乗る。既定では無効で、管理者が使った分の課金を有効にし、支出ポリシーの対象に入れた人だけが使える
- 上限は既定のポリシー、追加のポリシー、利用者1人ごとに置ける。上限に当たるとその月は使えなくなり、翌月1日に戻る。前払いの残高を使い切っても利用は止まらない
- メールの送信やチームズへの投稿は、既定で実行の前に承認を求める。確認を省ける広さを社内で決め、完成物は外に出す前に、使った資料と数字の出どころを照らして確かめる
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2026年6月16日の一般提供で、何が使えるようになったのか
事実から確認します。発表はマイクロソフトの公式ブログに2026年6月16日付けで掲載され、書いたのはCopilotとエージェントの基盤を担当する執行副社長のチャールズ・ラマンナ氏です。発表文によれば、Copilot Coworkは世界中のCopilotの顧客に向けて一般提供が始まり、課金も同じ日から始まりました。先行利用のプログラムに参加していたテナントには、6月30日までの猶予が設けられています。発表文は、米国の売上上位500社の半数を超える企業がすでに使っているとも述べています。
マイクロソフトの技術文書サイトにある説明ページ(2026年9月上旬の更新)には、Coworkができることが具体的に並んでいます。アウトルックでのメールの作成と送信、会議の予定の作成と出席者の追加、ワード・エクセル・パワーポイント・PDFの文書の作成、チームズのチャネルやチャットへの投稿、組織内の検索、ワンドライブとシェアポイントのファイルの整理、複数の情報源にまたがる調べ物と報告書のまとめ、関係者への連絡文の作成、決まった時刻に指示を実行する設定までが挙がっています。
ここで押さえておきたいのは、結果が残る場所です。Copilotの会話では、答えは会話の画面に出て、それを文書やメールに移すのは人の作業でした。Coworkでは、作ったファイルはワンドライブとシェアポイントの作業場所に保存され、送ったメールは送信済みに、登録した会議は予定表に残ります。作業の各段は画面に順に表示されるので、何をしているかは追えます。成果物が業務の置き場所に直接届くという一点が、このあとに続く運用の決めごとをすべて左右します。
Copilotの会話や、調べ物のエージェントとはどこが違うのか
マイクロソフトのよくある質問のページは、Copilotの会話とCoworkの違いを表で示しています。要点を並べ直すと次のとおりです。最後の行だけは、管理者向けの説明から補いました。
| 比べる点 | Copilotの会話 | Copilot Cowork |
|---|---|---|
| 何をするか | 下書き、要約、質問への回答 | 複数の段を踏む仕事を、アプリをまたいで実行する |
| 向く場面 | すぐ欲しい下書きや答え | アプリやファイルをまたいで、操作まで進めたいとき |
| かかる時間 | 数秒から数分 | 数分から数時間 |
| 仕事の形 | 1段で、1回の会話の中で終わる | 複数の段で、複数の資料と作業をまたぐ |
| 代表的な使い方 | 日々の確認、進捗の把握、質問、文面の下書き | 受信箱と予定表の整理、案件の立ち上げ、会議の準備 |
| 管理の入口 | 有償ライセンスの割り当て | 使った分の課金と、支出ポリシーへの登録 |
調べ物の専用機能との違いも整理しておきます。Copilotの有償ライセンスには、複数の段を踏んで深く調べる既製のエージェント(リサーチャー)が含まれています。一方、Coworkにも深い調べ物の技能が組み込まれています。違いは、調べた先でファイルを作り、メールを送り、予定を入れるところまで進むかどうかと、それが使った分の課金になるかどうかです。報告書を読めば足りる調べ物なら、課金の面からはライセンスに含まれる側で済ませる選択が先に立ちます。
もう1つ、管理画面での扱いが変わった点があります。管理者向けの説明には、Coworkはエージェントとは異なる、エージェント的な仕組みとして扱うと明記されています。先行版のときは、管理センターのエージェントの一覧でCoworkを許可したり止めたりしていましたが、一般提供では、その一覧の設定を変えても、誰が使えるかには影響しません。先行版で許可する人の一覧を作っていた会社は、その人たちをセキュリティグループにまとめ、支出ポリシーとして作り直す必要があります。
前提は2階建て。ライセンスの上に、使った分の課金が乗る
1階はライセンスです。発表文は、Coworkの前提としてマイクロソフト365のCopilotの利用者ライセンスを挙げています。使い始めの手順を説明するページでも、有償のCopilotライセンスが割り当てられていること、Coworkが有効になっていること、使った分の課金が有効になっていることが条件として並んでいます。Copilot本体を誰に配るかという判断は、Coworkの前に済んでいる前提で、その判断そのものは別の記事で扱っています。
2階が、Copilotクレジットによる従量課金です。発表文に示された、使った分だけ払う方式の単価は1クレジットあたり0.01ドルです。あらかじめ1年分のクレジットを買う事前購入プラン(P3)もあり、管理者向けの説明では、事前購入は使った分だけ払う方式より割安で、量が大きいほど割引も大きくなるとされています。ただし事前購入は別の払い方ではなく、使った分だけ払う方式の上に重なる形です。買った分を使い切ると、利用は止まらず、自動的に使った分だけ払う方式で続きます。
請求先の決め方にも、あとから効く制約があります。クレジットは支出ポリシーごとに選んだアジュールの契約に請求され、容量パックと事前購入の両方がある場合は、容量パック、事前購入、使った分の支払いの順に使われます。容量パックはパワープラットフォームの管理画面で扱うサービスとも共有されるので、そちらで環境に割り当てた分や使われた分は、Coworkに回せる残りから減ります。そして支出ポリシーを作ったあとは、その請求方法を変えられません。変えるにはポリシーを消して作り直すことになるので、請求先は最初のポリシーを作る前に決めておきます。
- Copilot本体を全社に配るかどうか、自作のエージェントをどう作り保守するか、従量課金のAIを年度予算にどう組み込むかは、この記事では扱いません。ここではCoworkの管理画面と課金の単位に出てくる決めごとだけを取り上げます
開く1:使えるかどうかは、支出ポリシーに入っているかで決まる
管理者向けの説明で、最初に重要な注意として置かれているのがこの点です。Coworkを使わせるには、管理者が使った分の課金を有効にする必要があります。そのうえで、支出ポリシーは予算の枠であると同時に、利用の許可そのものだと書かれています。Coworkを選んだ支出ポリシーの対象に入っている人は、上限の額がどれだけ小さくても使えます。上限を1クレジットにしたポリシーでも、利用の許可は与えられます。
ここから出てくる実務の注意は1つです。使わせたくない人を、上限を下げることで締め出そうとしてはいけません。上限が極端に低くても、利用者はCoworkを開いて作業を始められ、上限に当たるまでは動きます。締め出したい人は、Coworkを選んだどのポリシーにも入れない、というのが説明の指示です。対象の指定はセキュリティグループの単位で、特定の個人を入れたいときも、先にその人をグループに入れてから選びます。
もう1つ見落としやすいのが、使い始めの画面の既定値です。管理センターのコスト管理の画面から既定の支出ポリシーを有効にする流れでは、既定の設定は組織全体と全ユーザーが対象になっています。対象を特定のグループに絞るには、有効にする前に設定の変更を開きます。画面で決める項目は、説明に書かれている順に次のとおりです。
どのアジュールの契約に請求するかを選ぶ。ここで選んだ契約が、以後に作るポリシーの既定になる。操作できるのはグローバル管理者と課金管理者。
上限を置かないか、月に使えるクレジットの数を決めるかのどちらかを選ぶ。
任意の項目だが、1人が全体の枠を使い切るのを防ぐために確認して設定するよう説明されている。
クレジットの数か割合で水準を置き、達したときにメールを受け取る人を選ぶ。1人あたりの上限を置いた場合は、利用者本人への通知も設定できる。
既定では有効。今後対応するCopilotのサービスやエージェントが、自動でこのポリシーに加わる。
既定は組織全体。先行して使う部署だけに開くなら、有効にする前にグループを指定する。
開く2:どこから開けるか。材料の置き場所と拠点で絞る
最初に開く部署を選ぶとき、Coworkに固有の条件がいくつかあります。よくある質問のページが挙げる制約では、Coworkは端末の中に保存されたファイルを開けず、扱えるのはワンドライブとシェアポイントにあるファイルです。暗号化されたファイルは、利用者に権限があっても読めません。添付できるファイルは200メガバイト未満です。仕事の材料が個人のPCや社内のファイルサーバーに置かれている部署に開いても、材料を移す作業から始まることになります。
扱える範囲は、利用者の権限をそのまま引き継ぎます。利用者が開けないファイルやメールは、Coworkも開けません。参照したファイルに秘密度のラベルが付いていればそれを表示し、その作業の中でいちばん高いラベルを示す作りです。権限の付け方そのものの見直しはこの記事では扱いませんが、完成物にどの秘密度の資料が混ざったかを作業の画面で確かめられるという点は、機密の多い部署に開くかどうかを決める材料になります。
拠点の条件もあります。よくある質問のページによれば、Coworkは推論や下書きや道具を使う作業の多くに、アンソロピックのモデルをサブプロセッサー(処理の再委託先)として使います。そのため利用はアンソロピックが対応している地域に限られ、Coworkはその例外に当たらないと明記されています。海外の拠点を含めて開く会社は、拠点ごとに確かめる必要があります。管理者はアンソロピックのモデル群を利用者やグループの単位で止められますが、止めても利用の許可は変わらず、利用者はGPTなど組織が許可している残りのモデルで作業を続けます。モデルの設定は、使えるかどうかではなく、どのモデルが選べるかを決める設定です。
開く前に決めておきたいのが、申請の受け口です。管理者がCoworkを利用者に見える状態にしておき、使った分の課金を有効にしていない場合、利用者はアプリの中から直接利用を申請できます。管理センターには申請の一覧があり、初めての利用や上限の引き上げの申請が並びます。申請を社内の窓口や承認の流れに回す設定もあるので、見える状態にする前に、誰が何日で判断するかを決めておくと、申請が管理センターに溜まったまま放置されるのを防げます。
課金の単位:Copilotクレジットは、何をすると減るのか
発表文は、クレジットの消費がモデルの利用、文脈の取得、道具の呼び出し、実行時間から計算されると説明しています。管理者向けの説明では、モデルの応答、道具と技能の呼び出し、画像の生成、ブラウザでの作業が消費に数えられるとしています。つまり席の数でも送った指示の回数でもなく、1件の仕事の中でどれだけ動いたかで減る仕組みです。長く動き、多くの資料を読み込み、多くの道具を呼ぶ仕事ほど、クレジットは多く減ります。
利用者の側にも、消費を左右するつまみがあります。1つはモデルの選択で、既定の自動では仕事に合うモデルをCoworkが選びます。もう1つが作業の力の入れ具合で、品質と速さと費用の釣り合いを決める設定です。既定は中程度で、日々の仕事にはこれで釣り合いが取れるとされています。力の入れ具合は費用の側にも効く設定だと理解し、上げるのはそれに見合う仕事に限ると決めておくと、1人だけ消費が突出するという事態を減らせます。
消費の見え方も2つ用意されています。利用者は作業の画面で費用を表示するコマンドを入力すると、開いている作業でここまでに使ったおおよそのクレジット、今月の使用量、残りを確かめられます。管理者向けには、Coworkの費用を見積もる道具が公開されています。先行して開く部署では、代表的な仕事を数件回して、1件あたりのおおよそのクレジットを記録しておくと、次の項で置く1人あたりの上限を、根拠のある数字で決められます。
上限1:既定のポリシーと追加のポリシーは、上限を引き継がない
上限の置き場所は、管理センターのCopilotの項目にあるコスト管理の画面です。既定の支出ポリシーを有効にしたときに置く上限は、全ユーザーを対象にした組織の上限になります。ところが説明には、追加で作る支出ポリシーはそれぞれ独立した上限を持ち、組織の上限を引き継がないと書かれています。ポリシーはいくつでも作れます。
ここから言えるのは、月にかかる最大の額を、既定のポリシーの数字だけで見てはいけないということです。部署ごとにポリシーを足していくと、それぞれの上限が別々に効きます。月の最大の支出は、有効なポリシーの上限を並べて把握する必要があります。上限を置かない選択もポリシーごとにできるので、1つでも上限なしのポリシーがあれば、全体の最大の額は決まりません。
権限の分担も、画面の側で決まっています。グローバル管理者と課金管理者は請求の方法を選び、変えられます。AI管理者とライセンス管理者は、支出ポリシーを作り、上限と通知を管理できますが、請求の方法は変えられません。閲覧用の役割は消費の画面を見るだけです。つまり上限を決める人と、請求先を決める人を別にできる作りなので、情報システムの部門が上限を持ち、経理や予算の担当が請求先を持つという分け方が、そのまま画面の権限に載ります。
1人が複数のポリシーに入る場合の決まりも押さえておきます。同じサービスについて複数のポリシーに入っていると、1人あたりの上限がいちばん高いポリシー、同じなら全体の上限が大きいポリシー、それも同じなら最後に作ったポリシーが割り当てられます。選ばれたポリシーがそのまま全部適用され、他のポリシーの設定と足し合わされることはありません。上限に当たっても、別のポリシーに移ることはありません。また、月の途中でグループを移っても、それまでの消費はリセットされずに引き継がれます。
上限2:上限に当たると、翌月1日まで使えない
説明の書き方ははっきりしています。利用者が上限に当たると、その月の残りの期間はエージェントとサービスを使えなくなり、毎月1日にクレジットが戻るまで待つことになります。月末に集中する仕事ほど、上限に当たったときの影響が大きいということです。月次の報告や締めの資料づくりにCoworkを組み込むなら、月の後半に余裕が残る上限にしておかないと、いちばん使いたい日に使えません。
例外が1つあります。グループの支出ポリシーに入っている利用者が、動いている作業の途中で1人あたりの上限を超えた場合、その作業は中断されずに最後まで進められます。超えた分はポリシーの上限に数えられず、請求もされず、コスト管理の画面にも消費として出ません。ただし請求されないのはマイクロソフトの裁量によると書かれています。作業が途中で壊れないのは助かりますが、これを当てにして上限を低めに置く設計にはしないほうが安全です。
もう1つ、止まる条件を取り違えやすい点があります。事前購入や容量パックの残りを使い切っても、請求の方法に使った分の支払いがつながっていれば、利用は自動で続きます。利用が止まるのは支出ポリシーの上限に当たったときで、前払いの残高が尽きたときではありません。前払いの額を実質の上限だと思っていると、その先の支払いに気づくのが請求の時点になります。
上限に当たった利用者は、追加のクレジットを申請できます。管理者は申請の一覧を見て、利用者をポリシーに加える、新しいポリシーやグループを作る、上限を引き上げる、申請を書き出して別に判断する、といった対応を取れます。月末の締めの前後は申請が集中しやすいので、引き上げを判断する人と、その判断に使う基準を先に決めておきます。基準には、前の項で記録した1件あたりのクレジットが使えます。
上限3:通知は毎週届き、画面の数字は数時間遅れる
通知は、ポリシーの消費がクレジットの数か割合で決めた水準に達したときに、選んだ宛先へメールで届きます。説明によれば、通知は水準に達した時点で始まり、月の区切りで戻るかポリシーを変えるまで毎週届く作りです。宛先の欄には、設定している管理者のメールアドレスが最初から入っています。そのままにすると、部署の予算を持つ人には何も届きません。
1人あたりの上限を置いたポリシーでは、利用者本人に向けた通知も設定できます。水準は割合で決め、上限に近づいた利用者にメールが届きます。管理者向けの通知とは別のものです。本人に届く通知を入れておくと、月末に突然使えなくなるという事態を利用者の側で避けられます。上限を置くなら、本人向けの通知を同時に設定するのが筋です。
画面の数字の遅れも知っておく必要があります。コスト管理の概要の画面は4時間ごと、消費の画面は2時間ごとに更新されます。書き出した報告はその時点の写しなので、画面の数字と一時的に合わないことがあります。また、過去の期間の上限の使用率は、その期間の上限ではなく現在の上限と比べて計算されるため、途中で上限を変えたポリシーの過去の数字は読み違えやすくなります。月次の報告に使うなら、上限を変えた日を別に書き添えておきます。
承認1:メールの送信とチームズへの投稿は、既定で実行の前に止まる
Coworkの説明ページの冒頭には、行動を起こす前に利用者がその都度承認する、と書かれています。よくある質問のページでは、メールの送信やチームズへの投稿のような影響のある操作の前に、承認を求める画面が出るとされています。影響が中程度以上の操作には、危険度の目安が表示されます。メールの送信、チームズへの投稿、会議の登録では、送る中身の下見も出ます。
承認の画面で選べるのは3つです。操作名のボタンで今回だけ実行を許す、隣の選択肢から似た操作の確認をこの作業の残りの間は省く、取り消す、の3つです。さらに、操作の技術的な中身を表示する項目もあります。組織に追加した機能の道具がファイルを扱う場合も、動く前に承認を求める画面が出ます。ブラウザを使う作業は利用者の端末のエッジで、利用者がすでにサインインしているサイトに対して動き、使わせるかどうかは組織の設定で切り替えられ、たどり着けるサイトはエッジに適用している許可と禁止の一覧に従います。
では、承認の画面で人は何を見ればよいのか。下見に出る文面の出来は、Coworkが最も得意な部分です。見るべきなのは、宛先、添付されたファイルがどの版か、本文の数字が元のファイルと合っているかの3点です。文面が整っているほど、この3点の誤りは目に入りにくくなります。承認は、文章を褒める場面ではなく、外に出てから取り戻せない要素だけを照らす場面だと、開く部署に最初に伝えておきます。
承認2:確認を省ける広さを、社内で先に決める
承認の画面の選択肢のうち、運用で最も効くのが、似た操作の確認を省く項目です。よくある質問のページによれば、メールとチームズのメッセージについては、省く広さを選べます。特定の宛先だけ、特定のドメインだけ、その操作はすべて、の3段階です。省いた効果は、その作業の残りの間続きます。Coworkの作業は数分から数時間続くので、途中で一度すべてを選ぶと、そのあとに続くメールは確認なしで送られます。
| 省く広さ | そのあと起きること | 社内の決まりの例 |
|---|---|---|
| 省かない(今回だけ実行) | 毎回、宛先と下見を見て承認する | 社外宛て、顧客宛て、複数の宛先へのメールは必ずこれ |
| 特定の宛先だけ | 同じ宛先への似た送信は確認なしで進む | 自分宛てや、決まった社内チャネルへの定型の投稿に限って可 |
| 特定のドメインだけ | そのドメインのどの宛先にも確認なしで送られる | 自社のドメインに限る。取引先のドメインでは選ばない |
| その操作はすべて | 作業の残りの間、宛先を問わず確認なしで送られる | 原則として使わない |
今回確認した管理者向けの説明には、この省く広さを組織の側で絞る設定は見当たりませんでした。だとすれば、どこまで省いてよいかは、画面ではなく社内の決まりとして利用者に渡すしかありません。上の表のような決まりを、開く部署に配る最初の資料に入れておきます。
誤りに気づいたときの手順も決めておきます。取り消しはその操作を実行させないだけで、作業全体を止める操作は別にあります。一時停止では今の段が終わってから止まり、すぐに止める強い停止も選べます。宛先の誤りに気づいたら、その操作を取り消すだけでなく作業を一時停止し、どの段で宛先が決まったかを画面の記録から確かめるという順番にしておくと、同じ誤りが次の送信で繰り返されにくくなります。
承認3:時刻や受信で動く作業は、作ったときの許可を引き継ぐ
Coworkでは、決まった時刻に指示を実行する設定と、条件に合うメールやチームズのメッセージが届いたときに動く設定を作れます。管理者向けの説明によれば、こうした自動の作業は、作った利用者本人として動き、その人が見られるデータだけを見ます。受信をきっかけにした作業は、既定では操作を自分で実行せず、承認を待つ形で準備します。
注意したいのが、事前の許可の引き継ぎです。人が付き添わなくても動くように、Coworkに事前の許可を与えることができます。この許可は与えた会話の中だけに効き、新しい会話には及ばないとされています。ただし、時刻や受信で起動した作業が新しい会話を始める場合、その作業は作ったときに与えた許可を引き継ぐと書かれています。作った日の判断が、その後の毎回の実行に持ち越されるということです。
備えとしては、実行の頻度に制限があり、作業が自分自身を起動し続ける繰り返しを防ぐ仕組みがあると説明されています。記録は統合監査ログに残り、マイクロソフトのデータ保護の方針も適用されます。利用者の側では、作業の一覧にある自動化の欄で、時刻で動く設定を編集、一時停止、再開、削除できます。事前の許可を与えた自動の作業は、作った人の異動や担当替えの手続の中で一覧から確かめる項目に入れておくと、許可だけが残り続けることを防げます。
確認:完成物で返ってくる分、確かめる負荷は受け取った後に寄る
Copilotの会話では、出てきた文章を文書やメールに移す途中で、人は自然と中身を読んでいました。確認は転記の作業に紛れていたわけです。Coworkでは、エクセルの表もパワーポイントの資料もファイルとして仕上がり、置き場所に保存されます。転記がなくなった分、確認は独立した作業として時間を取らないと起きません。しかも見た目が整っている分、数字の取り違えや古い資料の混入は目に入りにくくなります。
確かめる材料は、作業の画面に残っています。Coworkは各段を順に表示し、読み込んだ技能は横の欄に出ます。作ったファイルはその場で下見でき、作業の状態は進行中、入力待ち、完了、失敗で絞り込めます。途中でCoworkが選択肢つきの質問を出すことがあり、飛ばすと追加の情報なしで作業を進めます。質問を飛ばした作業の完成物は、推測で埋めた箇所を含んでいる前提で読む必要があります。利用者が自作した技能はマイクロソフトが検証していないので、出力を注意深く確かめるよう説明にも書かれています。
人が確かめる範囲は、完成物を受け取ってから決めるのではなく、指示を出す前に決めておきます。AIに判断させない部分を先に分けるということです。たとえば、完成物の最後に、使ったファイルの名前と、数字を取った表の場所を一覧で書かせる。材料に無い数字は推測で埋めずに空欄のまま残させる。社外に出す資料は、依頼した本人とは別の1人が数字だけを突き合わせる。こう決めておくと、確認の時間は資料を最初から読み直す時間ではなく、一覧と元のファイルを照らす時間になります。
もう1つ、Coworkにはワンドライブやシェアポイントのファイルやフォルダを削除できないという制約があります。作り直すたびに版の違うファイルが増えていくので、保存先のフォルダの名前と、古い版を片付ける担当を決めておかないと、次の作業で古い版が材料として拾われる原因になり得ます。削除は人の作業として残る、と最初から割り切っておきます。
マーケ業務で任せられる仕事と、人が持つ判断
マイクロソフトの説明ページに挙がっている例を、マーケの仕事に当てはめてみます。公式の例にあるのは、第3四半期の結果をまとめたスライドの作成、複数の情報源にまたがる調べ物を報告書にまとめること、HTMLのメールマガジンを作ってメールで送ること、状況報告や告知といった関係者への連絡文の作成、会議の準備の資料や毎朝の要約です。ここから先の当てはめは、公式の事例ではなく、この記事の整理です。
- 四半期のキャンペーンの結果をまとめたエクセルと、振り返りの会議の記録を材料に、結果のスライドと、次の施策の候補を理由つきで並べた文書を作る
- 競合の公開情報を複数の情報源から集めて比較の資料にまとめ、出典の一覧を最後に付けさせる
- セミナーの参加者に送るお礼のメールをHTMLで作り、送信の直前で承認を待たせる
- 週次の進捗を、社内のチームズのチャネルに投稿する文面にまとめる
- キャンペーンの素材や報告書を、案件ごとのフォルダに振り分け直す
一方で、完成物まで返ってくるからといって、判断まで渡してよいわけではありません。次の施策の候補を並べさせるのはよくても、どの施策に予算を振るか、どの顧客にメールを送るかは人が決めます。Coworkは利用者の権限で動くので、顧客の一覧を開ける人が使えば、その一覧を材料に宛先を組み立てることもできてしまいます。宛先の一覧は人が確定させてから渡す、という順番にしておきます。
候補を出させるときは、根拠を書かせることを条件にします。ある施策を次も続けるべきだという候補には、どの期間のどの数字を見てそう言うのかを必ず添えさせます。根拠の数字が付いていない候補は、会議の資料に載せないと決めておくと、見栄えのよい提案だけが議題に上がることを防げます。社外に出るメールマガジンは、下見の画面で宛先の件数と配信停止の案内の有無を確かめてから承認します。
見直し:月初のリセットに合わせて、設定と使われ方を見る
上限は毎月1日に戻るので、見直しの周期もそれに合わせるのが自然です。コスト管理の消費の画面では、ポリシー、利用者、グループ、エージェント、サービスの単位で消費を見られます。見るのは、上限の使用率が高いポリシー、突出して使っている利用者、申請の件数と理由の3つです。申請が同じ部署から続くなら上限が仕事の量に合っていませんし、特定の人だけが突出しているなら、仕事の渡し方か力の入れ具合を見直す合図です。
設定の側で見落としやすいのが、新しいサービスを自動で加える設定です。既定で有効になっていて、今後対応するCopilotのサービスやエージェントが、自動でそのポリシーに加わります。加わったサービスは、そのポリシーの請求先と上限の中でクレジットを使います。将来のサービスまで自動で含めたくないポリシーでは、この設定を切るよう説明にも書かれています。あわせて、管理者が組織に配った追加機能の一覧と、アンソロピックのモデル群の設定も、月に一度確かめる項目に入れます。
- 使わせたくない人の上限を1クレジットにする。支出ポリシーに入っている限り、利用の許可は残る
- 使い始めの画面を既定のまま有効にする。対象が組織全体と全ユーザーになる
- 新しいサービスを自動で加える設定を放置する。今後のサービスが、同じ上限と請求先で動き出す
- 事前購入の額を上限の代わりにする。使い切っても、使った分の支払いで利用が続く
- すべての送信で確認を省く使い方を黙認する。作業の残りの間、宛先を問わず送信される
- 通知の宛先を、設定した管理者だけにしておく。部署の予算を持つ人に何も届かない
開いてから最初の1か月は、先行する部署に絞り、1件あたりのおおよそのクレジット、上限に当たった人の数、承認の画面で取り消した操作の数を記録しておきます。取り消しが続く仕事は、上限を上げる前に、指示に渡している材料と宛先の決め方を見直す対象です。記録が2か月分そろったところで、開く部署を広げるか、1人あたりの上限を変えるかを判断すると、感覚ではなく数字で次の範囲を決められます。
よくある質問
Copilotの有償ライセンスがあれば、すぐにCoworkを使えますか
使えません。既定では無効で、管理者が使った分の課金を有効にし、Coworkを選んだ支出ポリシーの対象に利用者を入れてはじめて使えます。先行版のときのように管理センターのエージェントの一覧で許可しても、一般提供では効果がありません。
上限に当たったとき、動いている作業は途中で止まりますか
グループの支出ポリシーに入っている利用者が1人あたりの上限を超えた場合、動いている作業は中断されずに進められると説明されています。ただし、その月の残りは新しく使えなくなり、毎月1日に戻るまで待つことになります。
使わせたくない人は、上限を低くすれば防げますか
防げません。上限がどれだけ低くても、支出ポリシーの対象に入っていれば利用の許可があります。締め出すには、Coworkを選んだどのポリシーにも入れないことです。
アンソロピックのモデルを止めると、Coworkも使えなくなりますか
使えなくはなりません。モデルの設定は選べるモデルを決めるもので、利用の許可とは別です。止めた場合も、組織が許可している他のモデルで作業が続きます。
接続が切れたら、作業はどうなりますか
よくある質問のページによれば、自動で再接続して止まったところから続き、切れていた間に進んだ分は保たれます。管理者向けの説明では、作業中のファイルはマイクロソフト365の境界の中にある一時的な作業環境で処理され、作業が終わるとその環境は消されるとされています。
作ったファイルはどこに残りますか
ワンドライブとシェアポイントの作業場所に保存されます。Coworkはそこにあるファイルやフォルダを削除できないので、古い版の片付けは人の作業として決めておきます。
まとめ
Copilot Coworkは、2026年6月16日に一般提供と課金が始まった、定義した仕事を最初から最後まで進めて完成物を返す仕組みです。前提はCopilotの有償ライセンスで、その上に1クレジットあたり0.01ドルのCopilotクレジットによる従量課金が乗ります。既定では無効で、使えるかどうかは支出ポリシーに入っているかで決まります。上限の額をどれだけ小さくしても、ポリシーに入っていれば利用の許可は残るので、締め出すにはどのポリシーにも入れないことです。使い始めの画面の既定は組織全体なので、有効にする前に対象を絞ります。材料がワンドライブとシェアポイントにあるか、拠点がアンソロピックの対応地域に入るかも、開く部署を決める条件になります。上限は既定のポリシーと追加のポリシーで独立して効き、当たるとその月は翌月1日まで使えません。止まるのは上限に当たったときで、前払いの残高が尽きたときではありません。通知は水準に達してから毎週届き、宛先には部署の予算を持つ人を加えます。
外に出る操作は、既定で実行の前に止まり、承認を求めます。運用で効くのは、確認を省ける広さを社内の決まりとして先に配ることと、時刻や受信で動く作業が作ったときの許可を引き継ぐと知っておくことです。完成物で返ってくる分、確認は受け取った後の独立した作業になるので、使ったファイルと数字の出どころを一覧で書かせ、材料に無い数字は空欄で残させ、予算の配分や宛先の確定といった判断は人が持ちます。毎月1日のリセットに合わせて、上限の使用率、突出した利用者、申請、新しいサービスを自動で加える設定を見直します。まずは、材料がクラウドの置き場所にそろっている部署を1つ選び、その部署のグループだけを対象にした支出ポリシーを作るところから始めてください。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
