Typelessを許す前の確認項目|画面を読む音声入力の線

「社員から、話すだけで文章になるアプリを入れたいと申請が来た。便利そうだが、許してよいのか」「画面の文字まで送っているという話を聞いた。止めたほうがいいのか、それとも条件付きで通せるのか」。Typelessのような音声入力のアプリが社内で広まり始めると、情シスにはこうした相談が続けて届きます。申請の文面が短いほど、判断の材料はこちらで集めるしかありません。そしてこのアプリの審査は、声が漏れるかどうかの話ではありません。本当は、話した内容以外に何を読み、どこへ送るアプリなのかを確かめる話です。この記事では、Typelessを会社のパソコンに入れる前に確かめる項目と、許す・条件付き・止めるを決める手順を整理します。
カメ先生音声入力のアプリは、マイクの声だけを扱うものだと思われがちなんだ。でもTypelessの公式の説明を読むと、文章をうまく整えるために、使っているアプリとその中の文字も処理に使うと書いてあるんだよ。
カメ子声より先に、画面に出ている文字のほうが気になりますね。
カメ先生そうなんだ。だから審査では、どんな権限を求めて、何をどこへ送り、どれだけ残すのかを公式の記載で1つずつ確かめる。そのうえで、使ってよい場面と使わない場面を決めるんだ。
カメ子便利かどうかより、どの画面の上で使うかが判断の分かれ目になるんですね。
- Typelessは声に加えて、使っているアプリとその中の関連する文字を処理に使うと公式に書かれている。送信先は米国で、結果を返したら破棄すると説明している
- 審査は、求める権限の一覧、送られるものと送信先、学習と履歴の扱いを公式の記載で確かめ、使わない場面を先に決める順で進める
- AIに任せるのは利用規程案と社員向けの案内文の下書き、規約の要点の抜き出しまで。許すかどうかは情シスが原文を読んで決める
AIの導入・活用、何から始めるべきかお悩みですか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
Typelessは「話した言葉だけ」を送るアプリではない
Typelessは、話した言葉をAIが整え、句読点や言い直しを直した文章として、入力中の欄に入れてくれるアプリです。同じ種類の製品には、アクア・ボイスなどもあります。キーボードで打つより速く文章が書けるため、メールやチャット、資料の下書きで使いたいという声が出やすい製品です。
ここで押さえておきたいのは、公式のプライバシーポリシーが処理の材料として、音声に加えて使っているアプリと、その中の関連する文字を挙げている点です。前後の文脈が分かれば、話し言葉を文章に整える精度は上がります。便利さの理由そのものが、話した内容以外の情報を扱うことにある、ということです。
つまり、審査の対象は「マイクの声」だけではありません。話している間に画面に出ている文字が、処理の材料になりうるという前提で考える必要があります。顧客の情報が出ている画面や、社外秘の資料を開いた画面の上で使えば、その一部が送られる可能性があります。
ブラウザの拡張機能の権限の読み方や、許可の工程の一般論は別の記事で整理しています。この記事では、端末に入れる音声入力のアプリに固有の論点、つまり権限、画面の文字、送信先、履歴、使う場面に絞って進めます。
仕組みを押さえる:声をクラウドで文章に整える
Typelessの処理は、端末の中だけで完結するわけではありません。公式のプライバシーポリシーは、音声はクラウドのサーバーでその場で処理され、結果が端末に返されたら直ちに破棄されると説明しています。文脈の情報も同じように、その場で処理して破棄するとしています。
料金の案内の画面には「クラウドにデータを残さない」「履歴は端末に保存」といった言葉が並びますが、処理そのものはクラウドで行われます。残さないことと、送らないことは別です。審査では、送られたうえで残さないという約束なのか、そもそも送らないのかを分けて読む必要があります。
文章を整える部分には、外部の大規模言語モデルの提供元が使われています。公式のポリシーは、外部の提供元に送ったデータはその提供元の学習には使われず、保持しない設定にしていると書いています。提供元の名前は、ポリシーの本文からは確かめられませんでした。気になる場合は、提供元の一覧を問い合わせる項目に入れておきます。
対応する端末は、公式の料金の画面によると、マック、ウィンドウズ、リナックスのパソコンと、スマートフォンです。会社のパソコンだけを審査しても、社員が私物のスマートフォンで同じアカウントを使えば、履歴の同期の扱いが変わることがあります。審査の範囲をパソコンに限るのか、スマートフォンも含めるのかを先に決めておきます。
手順1:求められる権限を一覧にする
最初の手順は、アプリが端末に何の権限を求めるかを一覧にすることです。公式のマック向けの導入の手順では、アクセシビリティの権限とマイクの権限の2つを許可するよう案内しています。アクセシビリティは話した言葉を入力中の欄に貼り付けるため、マイクは音声入力のため、という説明です。
| 権限 | 公式の説明 | 審査で見ること |
|---|---|---|
| マイク | 音声入力のために使う | 会議や通話の最中に起動したときの扱い |
| アクセシビリティ | 話した言葉を入力中の欄に貼り付ける | 他のアプリの画面の中身に触れられる強い権限であること |
| その他 | マック向けの手順では上の2つだけ | ウィンドウズやスマートフォンで何を求めるかは実機で確かめる |
公式の手順に書かれているのはマック向けの内容で、ウィンドウズやスマートフォンでの権限の扱いは、確かめた範囲の資料には書かれていませんでした。権限の一覧は、公式の手順と、検証用の端末に実際に入れた結果の両方で作るのが確実です。検証用の端末では、導入の最初の画面から順に、求められた権限を画面の写しで残しておきます。
一覧ができたら、版が上がったときに権限が増えていないかを見る手がかりにもなります。アプリの更新で新しい権限を求めるようになった場合、社内で許した条件の前提が変わります。一覧に確かめた版と日付を書いておくと、次の見直しで違いに気づきやすくなります。
アクセシビリティの権限が重い理由
アクセシビリティの権限は、もともと体の不自由な人の操作を助けるために、他のアプリの画面の要素を読み取ったり操作したりできるように用意された仕組みです。そのため、この権限を持つアプリは、他のアプリの画面の中身に広く触れられることになります。入力中の欄に文字を入れるには必要な権限ですが、できることの幅は文字の貼り付けより広い点に注意します。
Typelessの公式のポリシーが、使っているアプリとその中の関連する文字を処理に使うと書いていることと、この権限の性質は結びついています。画面の中の文字を読めるからこそ、文脈に合わせた文章に整えられる、ということです。審査では、権限そのものが悪いのではなく、その権限で何を読むと約束しているかを確かめるという姿勢で読みます。
社内ですでにアクセシビリティの権限を許しているアプリがあるかも確かめておきます。画面の読み上げや、遠隔の操作の道具などに許している場合、その審査の基準と揃えると判断がぶれません。反対に、これまで一度も許していないなら、Typelessが最初の例になるため、基準を新しく作る必要があります。
端末の管理の仕組みを使っている会社では、この権限を利用者が自分で許せるのか、管理者があらかじめ許しておくのかも決めます。利用者に任せると、審査を通していない別の音声入力のアプリにも同じ権限を与えてしまうことがあります。権限を与えられるアプリを管理者の側で絞れるかを、端末の管理の担当と確かめておきます。
手順2:送られるものを公式の記載で確かめる
次の手順は、何が送られるかを公式の記載で確かめることです。公式のプライバシーポリシーから読み取れる送られるものは、大きく3つあります。音声、使っているアプリとその中の関連する文字、端末の情報です。端末の情報には、ネットワーク上の住所、端末の種類、ブラウザの種類と版、言語の設定、端末を見分ける番号、動作の記録や性能の指標が含まれると書かれています。
音声と文脈の情報は、その場で処理して結果を返したら破棄する、とされています。例外は、利用者が自分から意見を送った場合です。一方で端末の情報は、基本的な分析のために社内での分析に使うと書かれており、音声と同じ扱いではありません。何を捨て、何を残すと書いてあるかを、種類ごとに分けて読むと、約束の範囲が見えてきます。
確かめるときは、ポリシーの最終更新日を必ず控えます。今回確かめたポリシーは2026年8月25日の更新でした。ポリシーは予告なく改定されうるため、審査の記録には、読んだ日、最終更新日、読んだ箇所の要点を並べて残します。要点の抜き出しはAIに手伝わせてもよいですが、抜き出しが原文と合っているかは人が原文で確かめます。
公式の信頼性の情報をまとめたページも用意されていますが、今回の確認では本文を取り出せませんでした。第三者の監査の報告書や認証の写しは、こうしたページから申し込む形になっていることが多いため、必要なら営業の窓口を通じて取り寄せます。取り寄せた資料は、ポリシーの記載と食い違いがないかを突き合わせます。
送信先と保存:米国で処理し、結果を返したら捨てる
送信先について、公式のポリシーは、データが米国に移転され、米国で処理されると書いています。社内の規程で、個人情報や顧客の情報を国外で処理するサービスに条件を付けている場合は、その条件に照らして判断します。国内の保存を選べるといった記載は、確かめた範囲では見当たりませんでした。
保存について、公式の説明は、音声には保持しない方針を取り、文脈の情報もその場で処理して破棄するとしています。ただし、これは運用の方針としての約束で、仕組みの上で残せない作りになっているかまでは、ポリシーの文面からは分からない点に注意します。約束を信じるかどうかの判断材料として、第三者の監査の結果を求めるのが一般的です。
利用規約も合わせて読みます。規約では、入力した内容と出力の権利は利用者の側にあり、Typelessは所有しないとしています。一方で、サービスの提供、改善、保護のために、内容を扱う利用許諾を与えるとも書かれています。権利は利用者にあっても、扱うことは許しているという構図です。規約の準拠法は米国のカリフォルニア州の法とされています。
これらを審査の記録に写すときは、「送信先は米国」「音声と文脈は処理後に破棄と説明」「端末の情報は分析に利用」「内容の扱いは提供・改善・保護の目的で許諾」のように、1行ずつ短く書きます。情シスの外の人、たとえば法務や情報管理の責任者が読んでも判断できる形にしておくと、承認が早く進みます。
学習の扱いは、表示と本文を突き合わせる
学習の扱いは、審査で最も質問が集まる項目です。料金の画面のよくある質問には「あなたのデータで学習しない」という趣旨の言葉が並んでいます。一方、プライバシーポリシーの本文は、利用者の明示の同意がある場合に限り、仮名化した文字や訂正の内容を、全ての利用者のための改善に使うと書いています。
この2つは、同意しなければ使わない、という点では矛盾しません。ただ、同意の設定がどこにあり、既定でどうなっているかは、本文だけでは分かりません。利用規約も、内容をAIの学習に使うかどうかはサービスの設定で管理できると書いています。検証用の端末で設定の画面を開き、既定の状態を確かめて記録に残します。
会社として使う場合は、社員一人ひとりが同意の設定を変えられるかどうかが問題になります。社員が善意で改善への協力に同意すれば、業務で話した内容の一部が、仮名化されたうえで改善に使われることになります。同意の設定を会社の側で固定できるかを、法人向けのプランの確認項目に入れておきます。
外部の大規模言語モデルの提供元については、先に触れたとおり、提供元の学習には使われず保持もしない設定にしていると書かれています。学習の論点は、Typeless自身の改善と、外部の提供元の2段で分けて確かめると整理しやすくなります。どちらか一方だけを確かめて安心しないようにします。
手元に残る履歴と、クラウドの同期
話した内容の履歴がどこに残るかも、端末に入れるアプリならではの論点です。料金の画面は、履歴を端末に保存すると案内しています。一方でプライバシーポリシーは、履歴のクラウドの同期を有効にすると、履歴の文字を保存することがあると書いています。同期を切れば、保存された履歴の文字は削除されるとされています。
同期は、有料のプロのプランの機能として案内されています。複数の端末で履歴を使えるのは便利ですが、会社のパソコンと私物のスマートフォンで同じアカウントを使うと、業務で話した内容が私物の端末でも見える状態になります。同期を許すかどうかは、私物の端末の扱いと一緒に決めるのが筋です。
端末に残る履歴も、放っておけば溜まり続けます。会社のパソコンが共用であったり、修理や入れ替えで他の人の手に渡ったりする場合、履歴に残った文章が読まれる可能性があります。利用を許すなら、履歴を定期に消すか、残さない設定にするかを決め、社員向けの案内に書いておきます。
履歴の中身は、話した言葉を整えた文章です。顧客の名前や金額、社内の検討の中身が、キーボードで打つより気軽に話されて残ることがあります。録音の端末の持ち込みや録音データの保存先とは別の話ですが、残る文章の扱いという点では、同じくらい丁寧に決めておきたい項目です。
2026年2月の指摘は「直ったかを確かめる手順」にする
Typelessについては、2026年2月に、入力中のアプリの名前やウィンドウの名前、画面上の文字、閲覧中のアドレスなどを米国のサーバーに送っていると指摘されたことが報じられました。提供元はその後、信頼性の情報をまとめたページを出したと伝えられています。ここで大切なのは、報じられた内容をそのまま結論にしないことです。
いま確かめられる公式のポリシーは、送るものを「使っているアプリと、その中の関連する文字」と書いており、ウィンドウの名前や閲覧中のアドレスを項目として挙げてはいません。ただ、「関連する文字」の範囲がどこまでかは、文面からは決めきれません。指摘された項目が今も送られているかは、公式の記載と実機の両方で確かめるのが審査の柱になります。
- 指摘された項目(アプリの名前、ウィンドウの名前、画面上の文字、閲覧中のアドレス)を一覧にする
- 公式のポリシーの現行の版で、それぞれが送る項目に含まれるかを読む
- 含まれるか曖昧な項目を、提供元の窓口に文書で問い合わせる
- 検証用の端末で、機密でない画面の上だけで使い、設定の画面に文脈を切る項目があるかを確かめる
- 結果と日付を記録し、次の見直しで同じ項目を確かめ直す
指摘が古くなっても、同じ種類の懸念は新しい版で形を変えて出てくることがあります。この手順を一度作っておけば、同種の音声入力のアプリが申請されたときにも使い回せます。個別の報道ではなく、確かめる手順を資産にすることが、情シスの負担を減らします。
手順3:使ってよい場面・使わない場面を決める
権限と送られるものが分かったら、使ってよい場面と使わない場面を決めます。基準は、そのとき画面に何が出ているかです。画面の中の関連する文字が処理に使われうる以上、話す内容だけでなく、話している間に開いている画面で線を引く必要があります。
使ってよい場面の例は、社内向けのメモ、公開前提の文章の下書き、自分の予定の整理などです。反対に、顧客の管理の画面、個人情報の一覧、契約書や未公開の決算の資料を開いている画面の上では使わない、と決めます。会議や通話の最中も、相手の発言や画面共有の中身が関わるため、会議・顧客の画面・機密の文書の上では使わないを原則にします。
- 顧客の管理の画面を開いたまま、問い合わせへの返信を音声で書く
- オンライン会議の画面共有の最中に、チャットへの書き込みを音声で行う
- 未公開の資料を開いたウィンドウの横で、別のメールを音声で下書きする
- 他の人の声が入る場所で、相手の同意を取らずに使う
最後の例は、利用規約の禁止事項にも関わります。規約は、他の人の発話を同意なく録ることを禁じています。周りの人の声が入る場所では使わないことも、案内に書いておきます。場面の線は、細かく書くほど守られにくくなるので、原則を3つか4つに絞り、迷ったら使わない、と添えるくらいが実際的です。
手順4:許す・条件付き・止めるの3択
ここまでの確認をもとに、判断を3択で下します。1つ目は許すで、確かめた記載と実機の結果に懸念がなく、使う場面の線が守れると見込める場合です。2つ目は条件付きで、プランや設定、使う部署や場面を限れば許せる場合です。3つ目は止めるで、送信先や学習の扱いが社内の規程と合わない場合や、確かめられない項目が残る場合です。
多くの会社にとって現実的なのは、条件付きです。条件の例は、法人向けのプランで会社の管理の下に置くこと、改善への協力の同意を切った状態で使うこと、履歴の同期を切ること、使う部署を広報や企画など機密の画面を扱う時間が少ない部署に限ること、などです。条件は、守られているかを後から確かめられるものだけにすると、形だけの条件になりません。
止めると決めた場合も、理由と、どうなれば見直すかを書いておきます。たとえば「送信先が米国に限られるため、国内の処理が選べるようになったら見直す」といった書き方です。止める理由を書いておくと、社員の納得も得やすくなります。理由の説明がないまま止めると、許可のない利用に流れる原因になります。
判断そのものは、情シスが公式の記載を読んで下します。規約やポリシーの要点をAIに抜き出させるのは効率的ですが、そのアプリが安全かどうかをAIに判断させてはいけません。AIは原文にない約束を補ってしまうことがあるため、抜き出した要点には原文の該当箇所を必ず添えさせ、人がそこを読んで確かめます。
法人向けのプランで管理できること
条件付きで許す場合、どのプランで使わせるかが条件の中心になります。公式の料金の画面によると、無料のプランは週ごとの語数に上限があり、有料のプロのプランでは語数の上限がなくなり、チームの利用者の管理、利用状況の分析、請求の一元化が使えます。
さらに上のエンタープライズのプランは、個別の見積もりで、シングルサインオン、利用者の自動の登録と削除の仕組み、会社のドメインの確認と取り込み、保持期間を設定できる監査の記録、米国の医療情報の規制に合わせた統制の強制が加わると案内されています。社員の入退社に合わせてアカウントを止められるのは、上位のプランからと読めます。
会社のドメインの取り込みは、社員が個人で作ったアカウントを、会社の管理の下にまとめる機能と読み取れます。すでに無料のプランで使っている社員がいる場合、この機能があるかどうかで、移行の手間が変わります。先に使い始めた社員のアカウントをどう扱うかを、プランを選ぶ段階で決めておきます。
確かめた範囲の資料には、改善への協力の同意や履歴の同期を、管理者が会社の全員について固定できるかは書かれていませんでした。条件付きで許す場合の条件がこの設定に頼るなら、営業の窓口に文書で確かめてからプランを決めます。料金の画面の説明は変わることがあるため、見積もりの際に最新の機能の一覧を受け取っておきます。
手順5:配布と止め方、定期の見直し
許すと決めたら、配り方と止め方を決めます。社員が自分で入れる形にすると、版も設定もばらばらになり、条件が守られているかを確かめられません。端末の管理の仕組みから、決めた版と設定で配るのが基本です。
条件付きで許した部署と利用者を一覧にし、それ以外の端末には入れない設定にします。
アクセシビリティとマイクの権限を、対象の端末にだけ与える形で配ります。
改善への協力の同意と履歴の同期の扱いを、社員向けの案内に書いて配ります。
問題が起きたときに、アプリを消す、権限を外す、アカウントを止める順番を決めます。
止め方は、範囲の小さい順に並べておくと使いやすくなります。1人の利用者のアカウントを止める、1台の端末から消す、対象の全端末から消す、の順です。止める手順は、許す前に一度試しておくと、非常時に慌てずに済みます。検証用の端末で、アプリを消したあとに端末の中に履歴が残っていないかも確かめます。
見直しは、半年に一度を目安に、ポリシーの最終更新日、権限の一覧、送る項目の記載、プランの機能を確かめ直します。アプリの大きな更新や、報道で新しい指摘が出たときは、半年を待たずに臨時で見直します。許可のない利用を見つける方法や、社内の利用の棚卸しの進め方は、別の記事で扱っています。
AIに任せるのは規程案と案内文の下書きまで
この審査の作業のうち、AIに手伝わせてよいのは、文章を作る部分です。具体的には、利用規程の案、社員向けの案内文の下書き、規約とポリシーの要点の抜き出しの3つです。どれも、人が読んで直してから使うもので、間違いがあっても外に出る前に止められます。
規約の要点を抜き出させるときは、原文を読ませたうえで、送られるもの、送信先、保存、学習、履歴の5つの項目に分けて書かせ、それぞれに原文の該当する一文を必ず添えさせるようにします。原文の一文が付いていない要点は、AIが補った可能性があるものとして扱い、使いません。
社員向けの案内文では、使ってよい場面と使わない場面、設定の確かめ方、困ったときの連絡先を、短い文章でまとめさせます。下書きができたら、情シスが実機の画面と照らして、設定の場所や名前が合っているかを確かめます。画面の名前はアプリの更新で変わるため、案内文には確かめた日付を添えます。
反対に、AIに任せないのは、そのアプリを許してよいかの判断です。AIに「このアプリは安全か」と尋ねると、もっともらしい答えが返ってきますが、根拠は公式の記載と実機の結果にしかありません。判断は情シスが原文を読んで下し、判断の理由を記録に残します。
許可前の確認項目一覧
最後に、ここまでの確認の項目を1枚の表にまとめます。審査の記録の見出しとして使い、各項目に「確かめた内容」「確かめた資料と日付」「判断」を書き込む形にすると、次の見直しや、同種のアプリの審査にもそのまま使えます。
| 区分 | 確認項目 | 確かめる先 |
|---|---|---|
| 権限 | マイクとアクセシビリティ以外に求める権限はないか | 公式の導入の手順と検証用の端末 |
| 送るもの | 音声・使っているアプリと中の文字・端末の情報のどれを送るか | プライバシーポリシーの現行の版 |
| 送信先 | どの国で処理するか。国内の処理を選べるか | プライバシーポリシーと営業の窓口 |
| 保存 | 音声と文脈を処理後に破棄すると約束しているか。第三者の監査はあるか | ポリシーと監査の報告書 |
| 学習 | 改善への協力の同意の既定値と、会社で固定できるか | 設定の画面と営業の窓口 |
| 履歴 | 端末に残る履歴の消し方と、クラウドの同期の扱い | 設定の画面とポリシー |
| 場面 | 会議・顧客の画面・機密の文書の上で使わない決まりを置いたか | 社内の利用規程 |
| プラン | 利用者の管理、入退社に合わせた停止、監査の記録が使えるか | 料金の画面と見積もり |
| 止め方 | アカウント停止・端末からの削除・全体の停止の手順を試したか | 端末の管理の仕組み |
- 表の項目は、2026年9月時点の公式の記載をもとにしている。ポリシーと料金の画面は改定されうる
- 確かめられない項目が残る場合は、条件付きか止めるの判断に寄せる
- 同種の音声入力のアプリを審査するときも、同じ表を使って比べる
この表のうち、1つでも「確かめられない」が残るなら、許すの判断は保留にします。確かめられないことは、安全だという意味ではないからです。保留にした項目は、提供元への問い合わせや実機の検証で埋め、埋まった時点で判断をやり直します。
まとめ
Typelessは、声だけでなく、使っているアプリとその中の関連する文字も処理に使う音声入力のアプリです。許す前に、求められる権限を一覧にし、送られるものと送信先、保存、学習の同意、履歴の同期を公式の記載で確かめ、2026年2月に報じられた指摘が今も当てはまるかを実機でも確かめます。そのうえで、会議・顧客の画面・機密の文書の上では使わないと決め、許す・条件付き・止めるの3択で判断しましょう。AIに任せるのは規程案と案内文の下書き、要点の抜き出しまでにとどめ、原文の一文を添えさせ、許すかどうかは情シスが原文を読んで決めます。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AIの導入・活用、何から始めるべきかお悩みですか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
