Colossyanの研修動画は監修で決まる|台本とテストの線引き

Colossyanの研修動画は監修で決まる|台本とテストの線引き

「製品資料を入れれば研修動画ができるなら、もう外注しなくていいのでは」「AIが作った理解度テストの正解が本当に正しいのか、誰が確かめるのか決まっていない」——研修や製品説明の動画をAIで内製しようとする会社の、人事・研修担当とマーケの間でよく交わされる声です。英語圏で研修動画の制作基盤として広く使われている Colossyan は、2026年6月にAIエージェントが資料から場面と台本を下書きする動画生成の仕組みを作り直し、人が承認するまで動画を書き出さない設計を前面に出しました。それでも、資料の読み違いや古い数字、テストの誤った正解を見つけるのは人の仕事です。研修動画の内製が成功するかどうかは、AIの性能より監修の設計で決まります。この記事では、Colossyan で社内研修・製品説明・ウェビナー後の解説動画を作るとき、台本と理解度テストまでAIに任せる範囲、研修担当・法務・製品担当が監修する線、アバターと声の権利、多言語化の確かめ方、学習管理システムとの接続を、場面ごとに整理します。


カメ先生カメ先生

AIが資料から動画を作れるようになると、制作の仕事がなくなると思われがちなんだけど、本当は仕事の中身が変わるんだ。撮影や編集の手間が減る代わりに、資料のどこを教えるか、何を正解とするかを決める監修の比重が大きくなるんだよ。


カメ子カメ子

作る人より、確かめる人のほうが大事になるということですか。


カメ先生カメ先生

そう。しかも研修動画は、間違えた内容が社員の行動になって残る。テストの正解が一つ違うだけで、全員が間違った手順を覚えてしまうこともあるんだ。


カメ子カメ子

速く作れるほど、どこで人が止めるかを先に決めておかないといけないんですね。


この記事のポイント
  • Colossyan は台本・資料から、AIアバターが話す研修動画と講座を作る制作基盤。理解度テストの作成、多言語化、学習管理システム向けの書き出しまで一つの画面で扱う
  • 2026年6月に作り直したAI動画生成では、AIエージェントが場面ごとに出典を示した下書きを出し、骨子と全体案の二回の承認を経てから書き出す。ただし承認の中身を担うのは人
  • 理解度テストの正解、製品の数字、法令に触れる表現、翻訳、社員のアバターと声の同意は、AIに判断させず担当者が確かめる。誰が何を見るかを場面ごとに決めておく

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目次

Colossyan は、AIアバターが話す研修・教育動画の制作基盤

Colossyan は、台本や社内資料を入れると、AIアバターが話し手になった研修・教育動画を作れる制作基盤です。公式サイトは自社を「研修と能力開発のためのAI基盤」と位置づけ、動画の制作に加えて、講座の構成、分岐のある対話型の場面、理解度テスト、多言語化、学習管理システムへの配信までを一つの流れで扱うと説明しています。運営会社の表記は Colossyan Inc. で、公式サイトには大手メディア企業や製造業、ホテルチェーンなどの導入事例が並んでいます。

材料として受け付けるのは、文書ファイル、スライド、台本、ウェブページの住所、既存の動画などです。公式サイトによれば、用意されたアバターは300体を超え、100を超える言語での読み上げに対応します。上位の契約では、社員本人を撮影して作る独自のアバターや、本人の声を複製した読み上げも使えます。料金は無料の入門枠、動画の分数と共同作業の規模で上がる有料枠、統制機能や独自アバターを含む大企業向けの枠に分かれていると説明されています。

日本語の解説記事はまだ少なく、国内では比較記事の中で名前が挙がる程度です。AIアバター動画の一般的な活用法や、実写とアバターの使い分けは別の記事で扱っているため、ここでは繰り返しません。この記事では、Colossyan を研修動画の内製に使うとき、AIに任せる工程と人が監修する工程をどこで分けるかに絞ります。

2026年の更新:AIエージェントが下書きし、人が承認するまで書き出さない

2026年6月10日の公式ブログは、資料から動画を作る機能を作り直したと発表しました。以前は資料を入れると完成品の動画が返る作りでしたが、作り直した版では、同社のAIエージェントが資料全体を読み、研修の狙いを見立てて、場面・台本・アバターの配置・間の取り方を人が手を入れる前提の下書きとして出します。公式は「作る作業はエージェントが、創作の判断は利用者が」という趣旨で説明しています。作り直した版は、申し込み順に案内する早期提供の形で始まりました。

7月13日の公式ブログでは、創業者で最高経営責任者がこの考え方をさらに詳しく説明しています。エージェントは場面ごとに、その場面が資料のどの段落から来たかを示し、骨子の段階と全体案の段階の二回の確認点を経てからでないと書き出しません。下書きは承認されるまで作業領域に残り、資料にないことは足さず、利用者の資料をモデルの学習に使わず、アバター・声・ブランド設定・資料はいつでも取り消せて、操作の記録を書き出せる、とも書かれています。

ほかにも、4月27日にはスライドの取り込みの高速化や一括の書式変更などエディタの8つの改善、5月21日には ChatGPT の中で理解度テストと講座の骨子を作る二つのアプリ、7月13日には漫画風のアバターが公開されました。どれも、作る速さを上げる更新であって、内容の正しさを保証する更新ではありません。出典を示す仕組みは監修を助けますが、出典の段落そのものが古い、あるいは読み違えている場合は、人が気づくしかありません。

誤解:「AIが資料から作るなら、監修は最後の確認だけでよい」

資料から動画を作る道具を入れたとき、もっとも起きやすい誤解は、元の資料が正しければ動画も正しい、だから監修は完成した動画を通して見るだけでよい、という考え方です。実際には、資料を要約して台本にする段階で、条件の省略、例外の削除、数字の取り違えが起きます。「原則として〜。ただし〜の場合を除く」という文の後半が落ちるのは、要約ではよくある失敗です。

完成した動画を最後に見る確認は、映像と音声に気を取られて、台本の細部を見落としやすいという弱点もあります。監修は、書き出す前の骨子と台本の段階で行うほうが、見落としも手戻りも少なくなります。Colossyan のエージェントが骨子と全体案の二回で止まる設計は、この順番に合っています。その二回の確認点に、誰が何を見て承認するかを割り当てるのが、導入する会社の仕事です。

もう一つの誤解は、AIが場面ごとに出典を示すなら、出典が付いている場面は正しいとみなせる、というものです。出典は「どこから来たか」を示すだけで、「その資料が今も有効か」「読み方が合っているか」は示しません。改定前の規程や、旧製品の資料が混ざっていれば、出典付きの誤りになります。資料を入れる前に、版と有効期限を確かめる工程を、監修の最初に置いておきます。

内製を始めた会社で、実際に起きやすい監修の失敗を挙げておきます。

  • 完成した動画を研修担当が通して見るだけで、台本の数字や例外を製品担当が確かめていない
  • エージェントの骨子と全体案の二回の確認点を、作った本人が一人で承認している
  • 改定前の規程や旧製品の資料を、版を確かめずにまとめて渡している
  • AIが作ったテストを、正解を確かめないまま学習管理システムに載せて採点に使っている

先に分ける:AIに任せる工程と、人が監修する工程

場面に入る前に、研修動画を作る工程を分けて、それぞれの担い手を決めておきます。BtoB企業の研修動画で現実的な分け方は、次の表のとおりです。

工程AIに任せてよい範囲人が監修する範囲監修する人
資料の選定なし版・有効期限・社外秘の区分を確かめて入れる資料を決める研修担当と資料の持ち主
骨子と学習目標資料から骨子と目標の下書きを作る誰に何をできるようにさせるかを決める研修担当
台本場面ごとの台本の下書き、言い回しの調整数字・手順・例外・禁止事項の正しさ製品担当、規程なら法務
理解度テスト設問と選択肢の下書き正解の正しさ、紛らわしい選択肢の妥当性製品担当または法務
多言語化翻訳と読み上げ、字幕用語・固有名・敬意の表し方、安全に関わる文の意味現地の担当者
書き出しと配信形式の変換誰に配り、何を記録するか研修担当と情シス

表で大事なのは、一番上の資料の選定にAIの欄がないことです。何を教えるかの元を決めるのは人で、AIが動くのはその後です。そのうえで、台本とテストの正しさを確かめる人は、研修担当ではなく内容の持ち主にします。研修担当は動画の作り方には詳しくても、製品の仕様や規程の解釈の最終責任者ではないからです。

この分担を、Colossyan のエージェントの二回の確認点に重ねると、書き出しまでの監修は次の段取りになります。

STEP1
資料をそろえて版を記録する

研修担当が資料の持ち主に版と有効期限を確かめ、渡す資料の一覧と版を記録します。社外秘の区分もここで確かめます。

STEP2
骨子を研修担当が承認する

エージェントが出した骨子を、学習目標と受講者に照らして確かめます。足りない論点や不要な場面は、この段階で指示して作り直させます。

STEP3
全体案の台本を内容の持ち主が承認する

場面ごとの出典を手がかりに、製品担当や法務が数字・手順・例外を確かめます。直した箇所は、元の資料の側も直すべきかを合わせて判断します。

STEP4
テストの正解を確かめてから書き出す

設問ごとに正解の根拠となる資料の箇所を書き添え、内容の持ち主が確かめてから書き出しと配信に進みます。

段取りを四つに分けるのは、承認した人と承認した中身を、後から一対一でたどれるようにするためです。公式が書き出せるとしている操作の記録と、社内の承認の記録をそろえておけば、誤りが見つかったときに、どの段階で見落としたのかを振り返れます。

場面1:新製品の社内研修を、製品資料から作る

新製品の発売前に、営業とカスタマーサポートに向けた研修動画を作る場面です。製品資料と価格表、よくある質問の回答集をエージェントに渡すと、骨子と場面ごとの台本が出てきます。ここで研修担当が見るのは骨子の段階で、「営業が顧客に説明できるようになる」「サポートが初回の問い合わせに答えられるようになる」といった学習目標に、場面の並びが合っているかです。

台本の段階では、製品担当が数字と仕様を確かめます。発売前の製品は資料が何度も改定されるため、エージェントに渡した版と、最終の版がずれることがよくあります。価格、対応環境、提供開始日、他製品との組み合わせの条件は、台本の該当箇所に印を付け、製品担当が一つずつ確かめてから全体案を承認します。

発売後の改定にも備えます。公式は、内容が変わったときに撮り直さずに動画を更新できることを利点に挙げていますが、直せるということは、古い版と新しい版が並んで出回る危険もあるということです。動画ごとに元にした資料の版を記録し、資料が改定されたら該当する動画を洗い出して直す手順を、製品担当と研修担当で決めておきます。

場面2:コンプライアンス研修の理解度テストを、AIに作らせる

情報セキュリティや取引の規程についての年次研修で、理解度テストまでAIに作らせる場面です。2026年5月21日の公式ブログによれば、ChatGPT の中で使えるテスト作成のアプリに研修資料を貼り付けると、多肢選択、正誤、穴埋め、短答、場面を想定した設問などの問題集が、難易度を指定して整った形で返ってきます。Colossyan の画面には、こうしたテストを動画に組み込み、分岐のある場面を作る機能もあります。

この場面で最も危ないのは、AIが作った正解が、規程の解釈として間違っていることです。規程の文言は「原則」と「例外」の組み合わせでできていることが多く、AIは例外を落とした設問や、例外を原則と取り違えた正解を作りがちです。間違った正解で採点されると、正しく理解している社員が不正解になり、誤った理解が正解として固まります。テストの正解は、法務か規程の所管部署が一問ずつ確かめます。

確かめる観点は三つに絞れます。正解が規程の条文と一致しているか、誤りの選択肢が「どう考えても誤り」ではなく「よくある誤解」になっているか、場面を想定した設問で登場人物の行動が現実の業務とずれていないか。設問の数を増やすより、法務が確かめられる数にとどめるほうが、研修の質は上がります。ChatGPT のアプリを使う場合は、貼り付ける研修資料が社外の生成AIに渡ることになるため、社外秘の規程を入れてよいかを情シスと決めておきます。

場面3:ウェビナー後の解説動画を、営業資料から作る

マーケが主催したウェビナーの内容を、参加できなかった見込み客向けに短い解説動画にまとめる場面です。社内研修と違い、これは社外に出る動画です。登壇資料と営業資料から台本を作らせると、AIは資料の中の強い言い回しをそのまま拾ったり、条件付きの成果を言い切りの形に縮めたりします。「導入企業の平均で〜%削減」といった数字は、どの条件の、どの期間の数字なのかが落ちやすい箇所です。

社外向けの動画では、成果の数字、他社との比較、価格や無料の表現が景品表示法の観点で問題にならないかを、マーケの責任者と法務が台本の段階で確かめます。研修動画では許されていた社内向けの略語や、開発中の機能への言及も、社外向けでは削る対象になります。AIに社外向けに書き直させた台本でも、何を削ったかを人が確かめる必要があります。

もう一つ決めておきたいのが、AIアバターであることの伝え方です。登壇した社員が話しているように見える動画を、本人の撮影なしで作れることは便利ですが、見込み客が本人の発言だと受け取る誤解を生みます。社外向けの動画では、AIで作った話し手であることを、動画の説明か冒頭で明示すると決めておくと、後で問い合わせを受けたときに説明に困りません。

場面4:海外拠点向けに、研修動画を多言語化する

日本で作った研修動画を、海外の拠点や取引先に向けて翻訳する場面です。公式サイトは、一つの元の動画から100を超える言語の版を作れると説明しており、本人の声を複製した読み上げは30を超える言語に対応するとしています。読み上げの発音を単語ごとに指定して、次の動画でも覚えさせておく機能もあります。

多言語化で起きやすい誤りは、製品名や社内用語の訳し方のぶれ、安全や禁止に関わる文の強さの変化、敬意の表し方の違いです。たとえば「〜してはいけません」が、翻訳の過程で「〜しないことをおすすめします」のような弱い表現に変わると、研修の意味が変わります。安全・禁止・法令に関わる文だけでも、現地の担当者に読んでもらう工程を外さないことが大切です。

現地に読める人がいない言語では、翻訳した台本を別の手段で日本語に訳し戻し、元の台本と意味が一致しているかを確かめる方法があります。ただし訳し戻しで分かるのは意味のずれまでで、現地の言い回しとして自然かどうかは分かりません。用語は最初に対訳の一覧を作って固定し、訳し戻しで意味を、現地の担当者で自然さを確かめるという分担にしておくと、言語が増えても監修の手間が読めます。

社員をアバターにするときの同意と、やめた後の扱い

研修担当や製品の責任者を本人のアバターにして話させたい、という要望は内製の現場でよく出ます。公式サイトによれば、独自のアバターは大企業向けの契約で作れ、本人が撮影に応じることが前提です。スマートフォンなどで撮った映像から短時間で作る簡易版と、専用の撮影を経て作る本格版があり、18歳以上であること、明確な同意があることが条件とされています。作ったアバターを誰が使えるかは利用者側で決められると説明されています。

社内の手続きとしては、同意を口頭で済ませず、使う目的・社内向けか社外向けか・使う期間・退職や異動の後の扱いを書面にして、本人と所属長の署名を残します。公式は、アバターや声はいつでも取り消せ、操作の記録を書き出せると説明しているため、本人から取り下げの申し出があったときに、誰が取り消しの操作をして、既に配った動画をどうするかまで決めておけます。

実在の社員の姿で話させる場合、本人が実際には言っていない内容を、本人の顔と声で語らせることになります。台本の承認者に、アバターの本人を必ず含める、という一行を規程に入れておくと、本人の知らない発言が本人の姿で広まる事態を防げます。公式の倫理方針は、政治家や著名人など同意のない人物のアバターを作ることを禁じています。

声の複製は、本人の許可と使う範囲を分けて決める

公式サイトでは、1分程度の音声から本人の声を複製し、任意の台本を読み上げさせられると説明しています。複製した声はその利用者の作業領域でしか使えず、本人以外の声は明確な許可がない限り複製できない、という扱いです。研修担当の声で全研修のナレーションをそろえる、といった使い方が想定されています。

社内で決めておきたいのは、声の複製をアバターとは別の同意として扱うことです。姿を使うことには同意しても、声を使われることには抵抗がある人もいます。また、声は姿より単独で流用されやすく、音声だけを切り出して別の用途に使われる危険があります。声の複製を使ってよい動画の種類を、同意書に列挙する形にしておくと、範囲の外の使い方を止めやすくなります。

外部の声優や講師の声を使う場合は、さらに契約の確認が要ります。既存の収録契約が、AIによる複製と新しい台本の読み上げを想定していないことは珍しくありません。複製の可否、使う期間、報酬の扱いを新たに取り決めてから作るのが安全です。

何が社外に出るか:資料・台本・映像の置き場所

Colossyan で動画を作ると、元にした社内資料、AIが作った台本、アバターの映像と声のデータが、Colossyan の基盤に置かれます。公式のセキュリティのページによれば、基盤は米国の大手クラウド事業者の上で欧州と米国の地域に置かれ、保存時には暗号化され、データの置き場所の要望は大企業向けの商談の中で相談できるとされています。SOC 2 の運用評価型の報告を毎年第三者から受け、欧州の一般データ保護規則にも準拠していると説明しています。

学習への利用については、公式は利用者の資料や作った内容を自社のモデルの学習に使わないと明記しています。一方で、AI機能のために外部のAI提供者を使う場合は、法務と安全面の審査を経て採用し、国際的な認証を持つ事業者を優先すると説明しています。どの外部のAI提供者に、どのデータが渡るのかは、契約前に一覧で出してもらう項目です。

日本の個人情報保護法の観点では、研修動画に顧客の事例や社員の個人情報を入れる場合、外国にある事業者の基盤に置くことになる点に注意が要ります。社員のアバターや声も、本人を識別できる情報として扱うのが自然です。顧客名・社員の個人情報・未公開の製品情報は、入れる前に伏せるか、入れないと決めるのが基本で、どうしても必要な場合は法務と越境の扱いを確かめてから入れます。

学習管理システムとの接続:何が記録され、誰が見るか

作った動画や講座は、動画ファイルとして書き出すほか、学習管理システム向けの標準形式(スコーム形式)で書き出して、社内の学習管理システムに載せられます。2026年6月16日には、欧州の学習基盤との提携を発表し、相手の基盤の利用者がこの形式で直接配信できるようにしたと公表しました。Colossyan の側にも、視聴の度合いや修了を追う分析の機能があります。

接続の前に決めておきたいのは、どの記録をどこに残すかです。スコーム形式で載せると、修了の有無やテストの点数が学習管理システムの側に記録されます。一方、Colossyan の共有リンクで配ると、視聴の記録は Colossyan の側に残ります。社員ごとの点数や修了の記録を、社外の基盤に残してよいかは人事と情シスで決め、正式な受講記録は自社の学習管理システムに一本化しておくと、監査や労務の確認で迷いません。

記録の使い方にも線を引きます。理解度テストの点数を個人の評価に使うのか、研修の改善にだけ使うのかで、社員の受け止め方は大きく変わります。AIが作った設問で評価までつなげるなら、場面2で触れた正解の確認はなおさら外せません。点数の低い設問が多い場合は、社員の理解より、設問そのものの誤りを先に疑います。

漫画風のアバターを選ぶ場面と、選ばない場面

2026年7月13日、Colossyan は漫画風に動くアバターを公開しました。同社の最新のアバターの仕組みの上で動き、写実的なアバターと場面ごとに切り替えられると説明しています。公式は、入社時の歓迎や社内文化の紹介、扱いの難しいコンプライアンスの場面を、写実的な人物より柔らかく伝えられる用途を挙げています。

実際の使い分けでは、漫画風の話し手は、実在の社員と混同されない利点があります。場面3で触れた「本人の発言だと受け取られる」問題が起きにくく、社員をアバターにする同意の手続きも要りません。ハラスメントや情報漏えいの事例のように、写実的な人物が演じると重くなりすぎる題材にも向いています。

一方で、製品の正式な説明や、規程の改定の告知のように、会社として責任を持って伝える内容には、軽く見える話し手が合わない場合があります。話し手の見た目は、内容の重さと受け手との関係で選ぶと決めておき、社外向けの動画ではブランドの担当者が話し手の選び方を確かめる工程を入れておきます。

内製を始める前の監修確認表

ここまでの場面を、内製を始める前に決めておく項目として並べます。研修担当が一人で決めるのではなく、各項目の担当者の名前を書き込んで使う想定です。

  • エージェントに渡す資料の版と有効期限を、資料の持ち主が確かめる手順があるか
  • 骨子の承認者(研修担当)と、台本の承認者(製品担当・法務)を分けて決めたか
  • 理解度テストの正解を、規程や製品の持ち主が一問ずつ確かめる工程があるか
  • 社外向けの動画で、成果の数字・比較・価格の表現を法務が確かめるか
  • 社外向けの動画で、AIで作った話し手であることをどこで明示するか決めたか
  • 多言語化で、用語の対訳一覧と、安全・禁止に関わる文を現地で読む人を決めたか
  • 社員のアバターと声の複製について、目的・範囲・期間・退職後の扱いを書面で同意したか
  • アバター本人を、その人が話す台本の承認者に含めたか
  • 顧客名・個人情報・未公開の製品情報を入れない、または伏せる基準を決めたか
  • 外部のAI提供者に渡るデータの一覧と、データの置き場所を契約前に確かめたか
  • 正式な受講記録を、どの学習管理システムに残すか決めたか
  • 動画ごとに元にした資料の版を記録し、資料の改定時に洗い出す手順があるか

確認表の項目のうち、AIの機能で代わりに満たせるものは一つもありません。AIエージェントが出典を示し、承認するまで書き出さない設計は、この確認表を回しやすくする道具であって、確認表そのものを不要にする道具ではありません。

  • AI動画生成の作り直しは2026年6月10日、エージェントの確認点と取り消しの扱いは同年7月13日、エディタの改善は4月27日、ChatGPT のアプリは5月21日、漫画風アバターは7月13日、学習基盤との提携は6月16日の公式ブログによる
  • データの置き場所、外部のAI提供者の審査、学習に使わない方針は公式のセキュリティのページ、アバターと声の同意の条件は公式の機能ページと倫理方針による。日本語の読み上げの品質は公式の情報では確かめられないため、試用で確かめる

まとめ

Colossyan は、資料からAIアバターが話す研修動画と講座を作り、理解度テスト、多言語化、学習管理システムへの配信までを一つの流れで扱う制作基盤です。2026年の作り直しで、AIエージェントが出典付きの下書きを出し、人が承認するまで書き出さない形になり、監修を挟みやすくなりました。それでも、資料の版の確認、台本の数字と例外、テストの正解、社外向けの表現、翻訳の意味、社員の姿と声の同意は、AIに判断させてはいけない部分です。骨子は研修担当、台本とテストは内容の持ち主、翻訳は現地、同意は本人という分担を先に決めておけば、研修動画の内製は速さと正しさを両立できます。作る手間が減った分を監修に回す、という考え方で導入するのが、失敗の少ない始め方です。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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