MAの乗り換えでスコアが消える原因|点数を付け直す順番

MAの乗り換えでスコアが消える原因|点数を付け直す順番

「乗り換えた翌週、営業に渡すリストが空のまま出てきました」「前の道具で80点だった人が、新しい道具では全員0点で並んでいます」——配信と育成を自動化する仕組みを入れ替えた会社から、この2つの声が届きます。並べてみると、起きているのは道具の不具合ではありません。点数そのものではなく、点数を毎日作り替えていた材料のほうが残っていないのです。提供元が公開している乗り換えの解説(2026年時点)でも、蓄積してきたデータは乗り換え先に移行できず、スコアリングが初期化される可能性が高いとはっきり書かれています。この記事では、点数と行動の記録が引き継げない理由を5つに分け、移行の前に書き出しておく物、乗り換えた後に点数を付け直す順番、付け直しの途中で営業へ渡す線をどう保つかを順に並べます。


カメ先生カメ先生

乗り換えというと、点数はそのままで道具の画面だけが変わると思われがちなんだ。でも実際に残らないのは点数そのものではなくてね。点数を毎日作り替えていた行動の記録のほうが、先に落ちてしまうんだよ。


カメ子カメ子

点数の数字だけを写して持っていく、というやり方では足りないのでしょうか。


カメ先生カメ先生

数字は写せるよ。ただ、写した数字はその日から動かなくなる。加点も減点も、元になる行動の記録がない場所では働かないからね。動かない80点は、何を表している80点なのか誰にも説明できなくなるんだ。


カメ子カメ子

動かない数字が並んでいるとすると、営業に渡す順番は何を見て決めればよいのでしょうか。


この記事のポイント
  • 消えるのは点数ではなく、点数を作っていた行動の記録。定義も粒度も保持期間も道具ごとに違うので、数字だけを写しても翌日から動かない
  • 移行の前に書き出すのは6つ。全項目の出力、配信停止と許諾、条件で動くリストの中身、施策の参加履歴、自動化の設定、連携の対応表
  • 付け直す順番は、属性、直近の行動、減点、上限、営業に渡す線。付け直しの間は点数を使わず、行動の事実そのもので仕分けて渡す

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目次

消えるのは点数ではなく、点数を作っていた材料

乗り換えの相談で最初に出るのは「これまでの点数は移せますか」という問いです。移せるかどうかだけで言えば、数字の欄として写すことはできます。けれど写した数字は、その翌日から動きません。点数は保存された値ではなく、行動の記録から毎日作り直されている計算の結果だからです。材料が向こう側に無ければ、計算はもう走りません。

提供元が公開している乗り換えの解説(2026年時点)にも、蓄積してきたデータが乗り換え先の道具に移行できず、スコアリングが初期化されてしまう可能性が高い、と書かれています。同じ解説では、計算のしかたが道具ごとに異なるため、こまかい設定は画面の控えやメモで残しておくしかない、とも整理されています。移せない前提で段取りを組むほうが早いということです。

扱う範囲を先にはっきりさせます。移行そのものの進め方はこの記事では扱いません。契約の切り替え、担当の割り振り、切り替え日の決め方といった段取りは別の記事の領分です。点数の付け方の入門も扱いません。どの行動を何点にするか、何点を合格にするかという設計の話も、ここでは踏み込みません。扱うのは、乗り換えの前後で点数と行動の記録に何が起きるか、それだけです。

対象になるのは、点数を使って営業へ渡す順番を決めている会社です。点数は作っているけれど誰も見ていない、という状態なら、付け直す作業そのものが要りません。困るのは、点数が営業の動き出す合図になっている場合です。合図が消えた日から、誰に先に声をかけるかの根拠がなくなります。まずは自社の点数がその合図になっているかどうかを確かめるところから始めます。

乗り換えた翌日に、手元から消えるもの

何が消えるかを先に並べます。移行支援の会社が公開している一覧(2026年時点)では、移せるものとして、人の情報の一部の項目、メールを送る住所、名簿、分類の札が挙げられています。一方で移せないものとして、メールのひな形、入力欄、着地用のページ、自動で動くルール、一連の流れの設定、出し分けの設定、計測に使う入り口、そして行動の記録が挙げられています。

この一覧で目を引くのは、作成日とグレードも移らないと書かれている点です。作成日が移らないと、いつからの見込み客なのかが分からなくなります。グレードが移らないと、行動の点数と属性の評価を二本立てで持っていた会社は、片方だけを持って新しい環境へ行くことになります。二本立てが一本になると、並び順の意味が変わります。

記録が消えることで実際に止まるのは3つです。1つ目は条件で自動的に出入りするリストの中身、2つ目は過去の行動を見て出していた案内、3つ目は点数で並べ替えた営業向けの一覧。止まるというより、エラーにもならず静かに0件になります。画面は正常に見えるので、気づくのはたいてい数週間あとです。

この段階でやることは1つだけです。消えるものの一覧を、自社の画面と突き合わせます。一覧の中身は道具ごとに違うので、移行先の提供元に「移せないものの一覧を出してほしい」と先に聞きます。聞かずに始めると、切り替えた日に初めて分かることになります。聞いた一覧は、後で出てくる書き出しの作業の元にもなります。

原因① 点数の定義が道具ごとに違う

1つ目の原因は、点数という言葉が同じでも、中身が違うことです。支援実績80社以上をもとに公開されているスコア設計の解説(2026年時点)では、学習で出す型は過去の成約のかたちを自動で分析し、10日ごとにやり直す仕組みだと説明されています。一方、ルールで足す型は担当が行動ごとに点を決めて設定し、更新はルールを変えたときだけです。

この2つは、数字の意味がまるで違います。ルールで足す型の80点は「この行動をこれだけした」の合計です。学習で出す型の80点は「似た動きをした人が過去に成約した確からしさ」です。同じ80という数字でも、片方をもう片方に置き換えることはできません。写した瞬間に、意味の違う数字が同じ欄に並びます。

さらに、点数とは別にグレードを持つ道具があります。点数は行動、グレードは属性、という分け方です。これを1本の点数にまとめている道具へ移すと、2つの軸が1つに潰れます。潰れた直後に起きるのは、属性は合っていないのに行動の回数だけ多い人が上位に来るという並びです。営業に渡すと、最初の数件で信用を失います。

だから最初に確かめるのは、移行先が何を1点として数えているかです。加点の刻み、1つの行動に上限があるか、属性を混ぜて計算するか。この3つを聞けば足ります。3つが分かった時点で、写した数字が使えるのか、そもそも並べ替えの参考にもならないのかが決まります。聞くのは営業担当ではなく、設定の画面を触れる人に聞きます。

原因② 行動の記録は、粒度が違う

2つ目は、記録のこまかさです。ページを1枚見るたびに1件残す道具と、1日分をまとめて1件にする道具があります。どちらが正しいということはありませんが、こまかい側からあらい側へ移すと、情報は必ず落ちます。あらい側からこまかい側へ移しても、落ちた分が戻ることはありません。

量の実際を押さえます。2つの道具のあいだで閲覧の記録を移せるか検証した報告(2026年)では、長く使っている会社の記録は数百万から数千万件に達すると書かれています。同じ報告では、1日分をまとめる形にすると件数を50分の1から100分の1に圧縮できるとされています。50分の1に縮めないと運べない量だということです。

縮めると何が失われるか。1日に4ページ見た人が1件になると、どの順番で見たかが消えます。価格のページを見てから事例を見た人と、事例を見てから価格を見た人が、同じ1件になります。順番を条件にしていた自動の案内は、移した先で再現できません。条件の文だけを写しても、参照する記録の形が違うためです。

運ぶ手段も、標準では用意されていません。同じ報告では、外部とつなぐ口を使えば再現できるものの、1回の求めで返るのは最大1,000件で、続けて求めると制限に当たるため待ち時間を挟む必要があると書かれています。移すと決めるなら、何日かかる作業なのかを先に見積もります。見積もらずに始めると、切り替え日に間に合わないことが途中で分かります。

原因③ 記録には保持期間がある

3つ目は、移す前からもう消えている記録があることです。行動の記録は永久に残っているわけではなく、道具の側で保持の期間が決まっています。ここを知らないまま「あとで移そう」と後回しにすると、移す対象そのものが日々減っていきます。

移行で失いやすい設定とデータをまとめた点検表(2026年時点)では、マルケトについて、メールの送信や配信、ページの訪問、リンクのクリックといった件数の多い記録は保持が90日、それ以外の標準的な記録は25か月(有償の延長で37か月)と整理されています。90日より前の閲覧は、移す移さない以前に、もう手元にありません

ここから2つのことが決まります。1つ目、「過去90日以内に価格のページを見た人」のような条件で動くリストは、移行の作業を後回しにできません。日が過ぎるほど中身が減ります。2つ目、年単位の行動を前提にした点数は、そもそも同じ形では作り直せません。同じ点数を再現しようとせず、別の形に置き換えることになります。

手当ては1つです。条件で動くリストを、その時点の該当者を並べた固定の名簿に変えます。同じ点検表でもこの手順が挙げられています。固定した名簿は日が経っても減らないので、移した先で受け皿になります。変換の作業は件数が多いほど時間がかかるので、書き出しの作業の中でも早い順番に置きます。

原因④ 減点の設計が残らない

4つ目は、点数が足すだけの仕組みではないことです。多くの設計には、時間が経つと引く仕掛けが入っています。放っておくと全員の点数が上がり続けて、上位という区分が意味をなくすためです。この引く側の設計は、数字を写しても一緒には移りません。

具体例を見ます。支援実績80社以上をもとに公開されているスコア設計の解説(2026年時点)では、30日間の訪問なしで5点減、60日で15点減、180日で30点減、メールの配信停止で50点減という例が挙げられています。運用の目安としては、点数が高くても最後の行動から90日以上空いていれば優先度を下げる、とも書かれています。

ここが、乗り換えで最も分かりにくい壊れ方です。数字だけを写すと、減点がもう効かない状態で高い点だけが残ります。配信を断った人が50点引かれた後の値で並んでいたはずが、移した先では引かれたことも引かれる理由も残らないまま、ただの高い点として並びます。並びを見ただけでは異常に見えません。

確かめ方は簡単です。写した数字の上位50件を取り出し、その人の最後の行動の日付を横に並べます。90日より古い人が上位に混じっていたら、その数字は減点が効いていない証拠です。混じっていたら、写した数字は営業には渡しません。参考の欄として置いておくだけにします。

原因⑤ 条件で動くものは、移した瞬間に中身が変わる

5つ目は、条件で自動的に出入りする仕組み全般です。名簿、案内の自動送信、担当への通知。どれも「この条件に当てはまる人」という書き方をしているので、条件の文そのものは新しい道具にも書き写せます。書き写せることが、かえって問題になります。

条件の文が同じでも、参照する行動の記録が新しい環境では空なので、移した直後の該当者は0件になります。0件になったことに気づきにくいのは、画面上はエラーにならず、ただ0と表示されるからです。設定を終えた担当は、条件を写し終えた時点で作業が済んだと思っています。

実務で効いてくるのは、案内の自動送信です。該当者が0件のまま静かに止まります。止まったことに気づくのは、たいてい問い合わせの件数が減ったと営業が言い出すときで、そこから原因をたどると1か月以上が経っています。止まったことを知らせる仕組みが、どの道具にも標準では付いていません

対策は、切り替えの前に条件で動くものを全部書き出し、それぞれの現在の該当件数を数字で控えることです。切り替えた後に同じものを数え、0件になっているものだけを先に直します。件数の控えがあれば、直す順番も件数の多い順に決まります。控えが無いと、どれが止まっているのかを1つずつ開いて確かめることになります。

移行の前に書き出しておく6つ

ここからは対策です。まず、移行の前に手元へ出しておく物を並べます。点検表(2026年時点)で挙げられている出力の順序をもとに、後から取り直せるかどうかと、忘れたときに何が起きるかを添えた形にします。順序そのものに意味があるので、上から順に進めます。

書き出す物出す形後から取り直せるか忘れたときに起きること
全ての人の全項目表形式の一覧旧環境を止めるまでは可止めた後は二度と取り直せない
配信停止と許諾の記録他と混ぜない単独の一覧不可断った人へもう一度送ってしまう
条件で動くリストの中身その時点の該当者の名簿日が経つほど減る同じ相手の集まりを作り直せない
施策ごとの参加履歴施策名・参加者・状態の3点不可何に反応した人かが分からない
自動化の設定画面の控えと一覧不可同じ流れをもう一度組めない
連携の対応表項目の対応と同期の条件不可顧客管理の仕組みと食い違う

6つのうち、2行目だけは順番を繰り上げてでも先に出します。断った人へもう一度送ることは、他のどの失敗よりも取り返しがつきません。他の項目と同じ表に混ぜると、項目の対応がずれたときに巻き込まれます。単独の一覧にして、移した後も突き合わせられる形で残します。

3行目の条件で動くリストは、前の章で書いたとおり、日が経つほど中身が減ります。書き出しの中で唯一、待つと損をする項目です。移行の話が出た時点で、条件で動いているものを固定の名簿に変える作業だけ先に始めて構いません。ほかの5つは切り替えの直前でも間に合います。

出した物の置き場所と持ち主も決めます。担当者の手元にだけ置くと、引き継ぎの時点で行方が分からなくなります。会社として置く場所を1つ決め、出した日付をファイルの名前に入れます。日付が無いと、どの時点の状態なのかが半年後には判別できなくなります。

点数は上書きせず、別の欄に退避する

数字を写すと決めた場合でも、点数の欄には入れません。点検表(2026年時点)では、移行時点の点数を「旧スコア」として参照用の別の欄に退避する方法が挙げられています。同じ欄に入れるのと別の欄に入れるのとでは、その後の運用がまるで変わります。

別の欄にする理由は2つあります。1つ目、新しい環境の計算が動き出した時点で、同じ欄にある数字は上書きされます。写した意味がなくなります。2つ目、見た人が現在の点数だと誤解します。欄の名前に「移行前」と日付を入れておきます。名前だけで、誤解のほとんどは防げます。

退避した数字の使い道は、実は1つしかありません。付け直した点数が妥当かどうかを見るときの参考です。新しい点数で並べた上位50件と、退避した数字で並べた上位50件を突き合わせます。まったく重ならないなら、新しい配点が業務の実感から外れている可能性があります。

使わないと決める場面も先に決めておきます。営業に渡すリストの並べ替えには、退避した数字を一度も使いません。参考の欄に置いた数字は、急いでいるときに必ず使われます。使われないようにするには、営業が見る画面には出さない設定にしておくのが確実です。

点数を付け直す順番

付け直しは、配点を考えるところから始めたくなります。けれど順番を間違えると、後から入れた設計が先に入れた設計を壊します。材料の少ないところから順に効かせる、という並びにします。5段で進めます。

STEP1
属性だけで並べ直す

行動の記録がまだ無いので、業種・規模・役職といった動かない情報だけで並べる。ここで作った並びは、行動が溜まるまでの代役として使う。代役だと営業にも伝えておく。

STEP2
直近の行動だけを足す

切り替えた後に新しく溜まった行動だけを加点する。過去の行動を遡って足さない。遡ると、記録の残っていた人だけが高くなり、同じ時期に接触した人のあいだで差がつく。

STEP3
減点を先に入れる

加点の設計が固まる前に、時間が経つと引く仕掛けを入れる。後から入れると、既に高い点になっている人だけが引かれずに残る。配信を断った人の扱いもここで決める。

STEP4
上限と刻みを決める

1つの行動あたりの上限と、1日あたりの上限を決める。上限が無いと、同じページを何度も開いた人だけが上位に来る。刻みは細かくしすぎず、後から動かせる幅を残す。

STEP5
営業に渡す線を引き直す

点数の分布が出てから線を引く。旧環境で使っていた線の数字をそのまま持ってこない。分布が違えば、同じ数字でも該当する人数が桁で変わる。

3段目が意外に思われる順番です。減点を先に入れるのは、加点を先に入れると分布が右に寄り、寄った後に減点を入れてももともと高い人の順位はほとんど動かないからです。引く設計が効いている状態で足し始めると、上位の入れ替わりがきちんと起きます。

5段目の線について、参考になる公開値はあります。先のスコア設計の解説(2026年時点)では、属性の点数が20点以上かつ行動の点数が40点以上、という組み合わせが参考値として挙げられています。ただし他社の数字をそのまま持ってきません。同じ数字でも、自社の分布では該当者が月に数件しか出ないことがあります。

付け直しの間、営業へ渡す線をどう保つか

付け直しには時間がかかります。行動の記録が溜まるまで待つ必要があるからです。その待ち時間のあいだ、営業への供給を止めるわけにはいきません。ここで「まだ点数が出ないので待ってください」と言ってしまうと、次に点数を出したときには誰も見なくなっています。

待つあいだは、点数を使わずに渡します。代わりに渡すのは行動の事実そのものです。価格のページを見た、資料を取った、入力欄を開いて途中で閉じた。点数に畳む前の事実は、切り替えた翌日から溜まり始めます。畳む工程がないぶん、むしろ早く出せます。

渡す形も変えます。点数の高い順に並べた一覧ではなく、行動の種類ごとに分けた一覧にします。営業の側は、どの行動をした人かで声のかけ方を変えられます。点数が使えない期間は、並べ替えではなく仕分けで渡します。仕分けなら、件数が少なくても使える形になります。

期間は先に伝えます。「3か月は点数を使いません」と口頭ではなく書面で営業に渡しておきます。伝えていないと、点数の欄が空なのを見て「新しい道具が壊れている」という話になり、道具の評価そのものが下がります。いつから点数で渡すかを日付で示します。日付があれば、その日まで待てます。

AIに任せてよい範囲と、人が決める範囲

付け直しの作業にAIを使える場面は3つあります。1つ目は旧環境の設定を読んで一覧の形に直すこと、2つ目は行動の種類を似たもの同士で束ねること、3つ目は付け直した点数と成約の関係を見ることです。どれも手で回すと数日かかる作業なので、使う価値はあります。

任せてよいのは1つ目と2つ目の下ごしらえまでです。ただしAIが束ねた結果をそのまま配点に使いません。資料を取る動きと価格を見る動きが同じ束に入ることがありますが、営業の実感ではまったく別の動きです。束ねさせるときは、どの行動をどう見て同じ束にしたのかという根拠を併せて書かせ、人が読んで直します。

AIに判断させないのは、営業へ渡す線をどこに引くかです。線の位置は、営業が1週間に動ける件数と、線から外した人にどこまで手を打てるかで決まります。どちらも道具の中の記録には入っていない情報です。記録に入っていない条件で決まるものを、記録しか見ていない相手に決めさせることはできません。

人が確認する範囲も先に決めます。全件は見ません。線のすぐ上の20件と、すぐ下の20件だけを人が読みます。渡してよい人か、渡すと無駄足になる人かを判定し、外した理由を1行書きます。範囲を決めておかないと、付け直しのたびに全件を眺めることになり、数回でやらなくなります。

よくある詰まり方

ここまでの手当てを飛ばしたときに、実際に起きる詰まり方を並べます。どれも作業としては正しく見えるので、進めている最中は気づきません。

  • 旧環境の点数をそのまま新環境の点数の欄に入れた。翌日から数字が動かず、営業は古い並びのまま3か月回し続けた
  • 条件で動くリストを固定の名簿に変えずに切り替えた。90日で消える記録が前提の条件だったため、移した先で該当者が0件になった
  • 配信停止の記録を全項目の出力に混ぜて持っていった。項目の対応が1つずれ、断った人が配信先の一覧に戻った
  • 過去の行動を遡って加点した。記録の残っていた人だけが高い点になり、同じ時期に接触した人のあいだで説明できない差がついた
  • 他社の解説にあった線(属性20点以上かつ行動40点以上)をそのまま持ってきた。自社の分布では該当者が月に数件しか出ず、営業が点数を見なくなった

5つに共通しているのは、数字を早く元の状態に戻したい、という動機から出ていることです。乗り換えの直後は、点数の欄が空いていること自体が落ち着かないので、埋める方向に手が動きます。埋めた数字が動かないことに気づくのは、数週間あとです。

防ぎ方は1つで、埋める前に「この数字は明日も動くか」と自分に聞くことです。動かないなら、それは点数ではなく記録です。動かない数字は、点数の欄ではなく参考の欄に置きます。置き場所を分けるだけで、上の5つのうち3つは起きなくなります。

旧環境をいつ止めるか

止める日を早く決めすぎると、取り直しができなくなります。移行支援の会社の解説(2026年時点)では、新しい環境の運用が始まってから1か月ほど様子を見て旧環境を解約するペースが安心だとされています。別の提供元の解説では、移行の期間として2か月程度の猶予を持つことが勧められています。どちらも「切り替えた日に止める」ではありません

重なっている期間に何をするかも決めます。旧環境では新しい配信をしません。読み出しだけができる状態で置き、取り直しが必要になったときの控えとして残します。配信を続けると、同じ人に両方から届くことになり、どちらを見て反応したのかが分からなくなります。

計測に使う入り口の名前は入れ替えが必要です。同じ解説では、計測用の入り口を旧から新へ変える必要があると書かれています。入れ替えの前後で、同じ閲覧が二重に記録される期間ができます。二重になっている期間の長さを控えておかないと、後から見たときに閲覧数が跳ねた理由が分かりません。

二重に記録される期間の扱いも先に決めます。重なった期間の行動は、点数の材料に使わないと決めておきます。使うと、その期間だけ点数が跳ね上がり、後から見たときに説明のつかない山が残ります。山が残っていると、付け直した配点が正しかったのかどうかを確かめる作業もできなくなります。

付け直した後に、何で確かめるか

付け直した点数が使える状態かどうかは、感覚ではなく3つの見方で確かめます。どれも1回数えれば済むもので、毎週続ける必要はありません。切り替えから1か月、3か月の2回で足ります。

  • 上位50件の最後の行動の日付が、90日より新しい人でおおむね埋まっているか(減点が効いている証拠)
  • 営業に渡した件数が、営業側が1週間に動ける件数に収まっているか(線の位置が合っている証拠)
  • 同じ人の点数が、1週間のあいだに1度は動いているか(材料が溜まり始めている証拠)

3つ目がいちばん大事です。点数が動かない人ばかりなら、行動の記録がまだ入っていません。配点を直す前に、計測の仕組みがきちんと入っているかを先に疑います。入り口の名前を入れ替えたときに、一部のページだけ古い名前のまま残っていることがあります。

確かめる作業は、付け直した本人だけでやりません。営業の側から1人入ってもらい、上位に来ている人の名前を一緒に見ます。数字だけを見ていると、上位に来ている人が実際に話の通じる相手かどうかが分かりません。名前を見て違和感が出るなら、配点ではなく束ね方が合っていません

最後に記録に残します。いつ、どの配点で、どの線で渡したか。この3つを1枚に書いておくと、次の乗り換えのときに一から考えずに済みます。書く場所は道具の中ではなく外に置きます。道具の中に書くと、次の乗り換えで一緒に消えます。

まとめ

乗り換えで消えるのは点数そのものではなく、点数を毎日作り替えていた材料でした。引き継げない理由は5つ。定義が道具ごとに違う、記録の粒度が違う、記録に保持期間がある、減点の設計が残らない、条件で動くものは移した瞬間に0件になる。数字だけを写しても、その翌日から動かない数字が並ぶだけです。

手当ての順は決まっています。移行の前に6つを書き出し、配信停止の記録と条件で動くリストを先に出す。点数は上書きせず「移行前」と日付を付けた別の欄へ退避する。付け直しは属性、直近の行動、減点、上限、線の順で進める。付け直しの3か月は点数ではなく行動の事実で仕分けて渡し、いつから点数に戻すかを日付で伝えておく。線をどこに引くかだけは、AIではなく営業の動ける件数を知っている人が決めます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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