広告素材の自動加工はオンかオフか|媒体のAIに任せる線

「入稿した製品画面の画像が、配信面では端が描き足された形で出ていた」「広告の文言に、うちが書いていない言い回しが混ざっていた」。媒体の自動化が進むにつれ、広告の担当者からこうした報告を聞くことが増えました。驚いてすべての自動機能を切りたくなる気持ちは自然ですが、一律にオフにすれば配信の機会を狭めることにもなります。問われているのは機能の良し悪しではありません。本当は、どの加工をどこまで媒体のAIに任せるか、その線を自社で引いていないことが問題なのです。この記事では、広告素材の自動加工を種類ごとにオン・条件付き・オフに振り分ける判断と、オンにした場合の確認の手順を整理します。
カメ先生広告の媒体は、入稿された素材をそのまま流す場所だと思われがちなんだ。でも今は、配信の瞬間に文言を組み替えたり、画像を広げたり、リンク先のページから別の画像を拾ってきたりする機能がある。
カメ子入稿した素材と、実際に見られている広告が違うことがあるんですか。
カメ先生そう。だから全部オンか全部オフかで考えるんじゃなくて、加工の種類ごとに線を引く。出てきた広告を集めて、どこが変わったかの候補を洗い出すところまではAIに手伝わせていい。でも、出してよいかは人が決めるんだ。
カメ子機能の名前で覚えるのではなく、素材のどこが変わるかで分けて考える、ということですね。
- 媒体のAIの加工は「組み合わせる」「拾って補う」「作り替える」の3つの深さに分かれ、深いほど事故の幅が広がる
- 製品画面・効果の表現・ブランドの色・業界の表示規制に関わる素材は、作り替える加工を既定でオフにする
- オンにするなら配信された広告を定期的に集めて見る。改変の候補の洗い出しはAIに任せ、出してよいかは人が決める
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入稿した素材と、配信された広告は同じとは限らない
以前の広告運用では、入稿した画像と文言がそのまま配信面に出るのが前提でした。担当者が作り、社内で確認し、媒体の審査を通ったものが、見る人の画面に届く。確認の段取りも、この前提の上に組み立てられてきました。ところが今の広告媒体には、配信の瞬間に素材を組み替えたり補ったりする仕組みが組み込まれています。
こうした仕組みは、媒体の側から見れば理にかなっています。配信面の大きさや縦横の比率はさまざまで、見る人の関心も一人ひとり違います。入稿された素材を配信面や相手に合わせて作り変えれば、反応が上がる見込みがある。そのために、媒体のAIが入稿後の素材に手を加える余地が年々広がってきました。
問題は、社内の確認の段取りが入稿前で止まっていることです。法務や製品の担当者が確認したのは入稿した素材であって、配信された広告ではありません。確認した素材と、世に出た広告の間に、誰も見ていない差が生まれる。この差をどこまで許すかを決めるのが、この記事でいう「線を引く」という作業です。
媒体のAIの加工は、3つの深さに分かれる
媒体ごとに機能の名前はばらばらで、しかも頻繁に変わります。名前で覚えようとすると追いつかないので、素材にどこまで手が入るかという深さで3つに分けて考えます。1つ目は「組み合わせる」加工です。入稿した複数の見出しや画像の中から、配信のたびに組み合わせを選ぶもので、素材そのものには手を入れません。
2つ目は「拾って補う」加工です。入稿していない情報を、リンク先のページや登録されたビジネス情報から拾い、広告に足します。素材の中身は自社のページにあるものですが、どの文や画像が選ばれるかを入稿の時点では確かめられない点が1つ目と違います。3つ目は「作り替える」加工です。画像の端を描き足す、背景を差し替える、文言を言い換える、動きや音を付けるなど、入稿した素材そのものを変えるものです。
深さが増すほど、便利さと引き換えに事故の幅が広がります。組み合わせる加工で起きるのは、せいぜい見出しの組み合わせの不自然さです。拾って補う加工では、古いページの情報や意図しない画像が出ることがあります。作り替える加工では、入稿した素材に存在しなかった絵や言葉が、自社の名前で世に出ることがありえます。判断表もこの3つの深さを軸に組み立てます。
Googleの場合:アカウント単位の自動生成アセット
Google 広告の公式ヘルプには、「アカウント単位の自動生成アセット」という仕組みが説明されています(2026年9月時点)。種類として挙げられているのは、動的サイトリンク、動的構造化スニペット、自動生成住所アセット、販売者評価、動的コールアウト、ビジネス情報の動的アセット、動的画像アセット、自動プロモーション、サイトアクセス数の9つです。いずれも、広告主が個別に入稿しなくても、媒体の側で作られて広告に添えられるものです。
同じヘルプでは、これらはテキスト広告のパフォーマンスの向上が見込まれる場合にのみ表示されると説明されています。裏を返せば、いつ・どの広告に添えられるかは媒体が決めるということです。オフにする手順も書かれており、[アセット]の画面の詳細メニューから「アカウント単位の自動生成アセット」を選び、詳細設定で無効にしたい種類を選んで、理由を選び、コメントを入れて保存する流れです。
また、アカウント単位の自動生成アセットのレポートで、実績を確かめられるとされています。オンのまま運用するなら、このレポートを定期的に開き、実際にどんな文や画像が添えられているかを見ることが確認の出発点になります。なお、検索広告の見出しや説明文の本数、ピン留めといった入稿側の設計は別の話なので、ここでは触れません。加工の線引きに関わるのは、媒体が足す側の設定です。
動的画像アセットは、リンク先のページから画像を拾う
9つのうち、法人向けの広告で特に注意したいのが動的画像アセットです。公式ヘルプによれば、この機能はランディングページから画像を自動で検出して抜き出し、検索の内容に対して関連性の高い画像を選んで広告に添えます。選ばれた画像は、自動または手動による品質の確認を経て配信されると説明されています(2026年9月時点)。
法人向けのサイトのページには、製品の画面、導入企業のロゴ、社員や顧客の写真、料金表の切り抜き、展示会の様子など、さまざまな画像が載っています。そのどれが広告に使われるかは、入稿の時点では分かりません。導入企業のロゴや顧客の写真は、自社のページへの掲載は許されていても、広告への使用までは許されていないことがあります。ページに載っていることと、広告に使ってよいことは別の話です。
同じヘルプには、配信される形式は入札の仕組みで決まり、どの形式を配信するかは管理できないとも書かれています。一方で、表示しないように設定することも可能だとされています。リンク先のページに広告に使いたくない画像が1枚でも載っているなら、この機能はオフにしておくのが無難です。ページの画像の許諾を広告まで確かめていないなら、既定はオフと決めておきます。
Metaの場合:広告の変化形を自動で作って出し分ける
Metaの開発者向けの説明書では、広告クリエイティブの自動強化の仕組みについて、広告の変化形を自動で複数作り、見る人ごとに反応しそうな変化形を出し分けると説明されています(2026年9月時点)。入稿した1つの広告が、配信の場では複数の姿で出ていく、ということです。どんな加工が含まれるかは、広告の作成画面で項目ごとに示されます。
この記事の執筆時点では、個別の加工の名前と、どの項目が既定で有効になっているかを公式ヘルプの本文で確かめることができませんでした。そこで本稿では名前を挙げず、先に挙げた3つの深さで考えることをすすめます。作成画面に並ぶ項目を1つずつ読み、それが素材を組み合わせるだけか、別の情報を拾うか、素材そのものを作り替えるかを判定して、判断表に当てはめます。
注意したいのは、広告を複製したときや新しい広告を作ったときに、前の広告で外した項目が引き継がれるとは限らない点です。媒体の画面は頻繁に変わり、新しい項目が有効な状態で追加されることもあります。一度オフにしたから安心、とは考えない。後で述べるとおり、入稿のたびに作成画面の項目を確かめる運用が欠かせません。
起きやすい事故1:製品の画面や図が改変される
法人向けの広告で最も困るのが、製品の画面や図が改変される事故です。ソフトウェアの管理画面、機器の外観、構成図などは、それ自体が製品の説明になっています。画像の縦横の比率を合わせるために端が描き足されると、実際には存在しないメニューやボタン、ありえない配線が描かれることがあります。見る人は、それを製品の実際の姿として受け取ります。
描き足された部分は、遠目には自然に見えるので、担当者も気づきにくいのが厄介なところです。小さな表示枠では細部が読み取れず、拡大して初めて、画面の文字がでたらめだったり、存在しない機能の名前らしきものが描かれていたりすることに気づきます。製品の画面を使う素材は、作り替える加工の対象から外すのが原則です。
どうしても配信面の比率に合わせたい場合は、媒体に任せず、自社で比率ごとの画像を用意して入稿します。手間はかかりますが、確認した絵がそのまま出るという前提を守れます。背景の差し替えも同様で、製品の写真の背景を媒体が作り替えると、実際には置かれない場所に製品が置かれた絵になります。展示会や導入先の写真なども、場所そのものが事実の説明なので、差し替えの対象にしません。
起きやすい事故2:書いていない効果の言い回しが足される
2つ目の事故は、文言の言い換えや追加によって、自社が書いていない効果の言い回しが広告に出るものです。入稿した文言から語を抜き出して見出しに組み直したり、ページの文を拾って説明に足したりする加工では、元の文脈が失われることがあります。「最大3割の工数削減」がある顧客の条件付きの結果だったとしても、抜き出されると条件が消えて一般の約束のように読めます。
こうした表現は、景品表示法の優良誤認のように、実際より著しく優れていると見せる表示の問題に近づきます。広告の文言は、法務や製品の担当者が、根拠の資料と突き合わせて確かめてきたはずです。媒体が組み直した文言は、その確認を経ていないという点を忘れてはいけません。根拠の資料が求められたときに、自社で書いていない言い回しの根拠は用意できません。
拾って補う加工にも同じ危うさがあります。リンク先のページに古い料金や終了したキャンペーンの文が残っていれば、それが拾われて広告に添えられることがあります。ページに残った古い文も、拾われれば広告の文言になると考え、文言を拾う加工をオンにするなら、リンク先のページの棚卸しを先に済ませておく必要があります。
起きやすい事故3:ブランドの色・ロゴ・余白が崩れる
3つ目は、ブランドの見た目が崩れる事故です。明るさや色合いの自動補正、画像の上に文字を重ねる加工、枠や飾りを付ける加工は、どれも目を引くことを狙っています。その結果、決められた色が別の色に寄ったり、ロゴの周りに置くべき余白に文字が重なったりします。1本の広告では小さな崩れでも、配信の数が多ければ、崩れた姿のほうがよく見られることになります。
ブランドの決まりごとは、多くの会社でブランドガイドラインとしてまとめられています。項目の立て方は別の記事に譲りますが、ここで大事なのは、決まりごとの多くは入稿前の制作物にしか当てられていないという点です。配信の場で作り替えられた広告は、決まりごとの確認を経ずに出ていきます。色やロゴの扱いに厳しい決まりがある会社ほど、見た目を変える加工は慎重に扱う必要があります。
判断の目安は、ロゴや製品名が画像の中に入っているかどうかです。ロゴが入っている画像に色の補正や文字の重ね合わせが加わると、崩れがそのままブランドの問題になります。ロゴを画像に入れず、広告の枠の外で表示される仕組みに任せている素材なら、見た目の加工の影響は比較的小さく済みます。素材の作り方と加工の設定は、一緒に考えるべきものです。
起きやすい事故4:業界の表示規制に触れる
4つ目は、業界ごとの表示の決まりに触れる事故です。医療機器や健康に関わる製品、金融商品、人材の紹介、不動産など、法令や業界の自主基準で広告の表現が細かく決められている分野があります。法人向けの商材でも、顧客の業界によってはこうした決まりが関わります。こうした分野では、言ってよい効果、必ず添える表示、使ってはいけない言葉が決まっていることが少なくありません。
媒体のAIは、一般的な広告としての反応を狙って素材を作り変えます。業界ごとの細かな決まりを踏まえて言い換えてくれるわけではありません。必ず添えるべき注意書きが、見出しの組み直しで外れてしまう、効果を言い切る語が足される、といったことが起こりえます。表示の決まりがある分野の広告では、文言を変える加工は既定でオフにします。
また、許認可の番号や登録の表示を画像に入れている場合、画像の端が切り取られたり描き足されたりすると、その表示が欠けることがあります。決まりのある分野では、必要な表示が配信面でも読める状態で残っているかを、実際に配信された広告で確かめる必要があります。入稿した素材で確かめただけでは足りません。
表示の決まりがある分野では、社内の確認の記録そのものが求められる場面もあります。どの文言を誰が確かめ、どの根拠の資料と突き合わせたかを残しているなら、媒体が組み直した文言はその記録の外にあることになります。記録の外にある文言を、配信の場に出さないためにも、文言を変える加工は切っておくのが筋です。
- 業界の表示の決まりは分野ごとに異なるため、判断に迷う表現は法務や業界団体の資料で確かめる
- 媒体の審査を通ったことは、法令や業界の決まりに沿っていることの保証にはならない
加工の種類ごとの既定の判断表
ここまでの事故の型を踏まえて、加工の種類ごとに既定の判断を決めておきます。「既定」とは、特段の理由がなければこの扱いにする、という出発点のことです。商材や素材によって例外はありえますが、出発点が決まっていれば、入稿のたびに一から議論する必要がなくなります。表は3つの深さの順に並べています。
| 加工の種類 | 深さ | 既定の判断 | 条件・理由 |
|---|---|---|---|
| 入稿した見出しや画像の組み合わせを選ぶ | 組み合わせる | オン | どの組み合わせでも意味が通るよう、1本ずつ単独で読める文にしておく |
| 登録済みのビジネス情報を添える | 拾って補う | オン | 住所や電話番号などの登録情報を最新にしておくことが条件 |
| リンク先のページから文言を拾って添える | 拾って補う | 条件付き | ページの古い文を棚卸し済みで、効果の数字に条件が併記されていれば可 |
| リンク先のページから画像を拾って添える | 拾って補う | 条件付き | ページの画像すべてについて、広告への使用の許諾を確かめてあれば可 |
| 明るさ・色合いの自動補正 | 作り替える | 条件付き | ロゴや製品名が画像に入っていない素材に限る |
| 画像の端を描き足す・背景を差し替える | 作り替える | オフ | 製品の画面・外観・導入先の写真では事実と違う絵になる |
| 文言を言い換える・語を抜き出して重ねる | 作り替える | オフ | 効果の表現や必須の表示が、確認を経ずに変わる |
| 動きや音を付ける | 作り替える | 条件付き | ブランドの決まりに動きや音の扱いがなければ、試験的に一部で可 |
この表のうち「条件付き」の行は、条件を満たしているかを誰が確かめたかを記録したうえでオンにします。条件を確かめた人がいなければ、オフのままにしておきます。判断表は一度作って終わりではなく、媒体に新しい加工が加わるたびに、どの深さに当たるかを判定して1行を足していきます。行ごとに判定した日と判定した人の列も持たせておくと、見直しの時期が来た行を見つけやすくなります。
オンにしてよい条件は、素材とページの側で決まる
判断表を見ると分かるとおり、オンにしてよいかどうかは、媒体の機能そのものより、自社の素材とページの状態で決まります。組み合わせる加工なら、入稿する見出しを1本ずつ単独で読める文にしておけば、どう組み合わされても意味が崩れません。拾って補う加工なら、リンク先のページに広告に出てほしくない情報が載っていないことが条件になります。
逆に言えば、素材とページを整えれば、オンにできる範囲は広がります。製品の画面を使わない、ロゴを画像に入れない、効果の数字には必ず条件を添える、古いページは削除するか広告のリンク先から外す。こうした準備ができていれば、作り替える加工の一部も、条件付きで試せるようになります。オフにするか否かは、準備の度合いに応じて変わる相対的な判断です。
ここで役に立つのが、広告専用のリンク先のページを用意する方法です。会社のサイトの製品ページは、さまざまな目的で作られ、多くの画像や文が載っています。広告からの着地を専用のページにし、載せる画像と文を広告に使ってよいものだけに絞れば、拾われて困るものが、そもそもページにない状態を作れます。拾って補う加工を活かしたい場合に、最も効き目のある準備です。
オンにするなら、配信された広告を見る手順
加工をオンにした場合、確認の対象は入稿した素材から、配信された広告へ移ります。媒体の管理画面には、配信面ごとの見え方を確かめるプレビューや、どのアセットがどれだけ表示されたかを示すレポートが用意されていることが多いので、これを定期的に開きます。頻度の目安は、オンにした直後の2週間は週に1回、その後は月に1回です。
どの広告で、どの加工を、いつオンにしたかを一覧に残します。判断表の行と対応させます。
小さな枠だけでなく、大きな枠や縦長の枠でも確かめ、拡大して細部まで見ます。
自動で添えられた文や画像を一覧にし、入稿した素材との違いを洗い出します。
製品の画面・効果の表現・ロゴ・必須の表示に関わる変化を、1件ずつ出してよいか決めます。
該当する加工をオフにし、何が起きたかと切った理由を一覧に書き足します。
手順の中で最も手間がかかるのは、3つ目の、実際に添えられた素材を集める作業です。媒体によっては、組み合わせの結果や作り替えた後の姿が、すべては一覧で見られないこともあります。見られる範囲で確かめ、見られない加工は、確かめられないという理由で慎重に扱うのが筋です。
確かめた広告は、日付を入れて画面の写しを保存しておきます。作り替える加工や組み合わせる加工では、同じ広告でも見る人や日によって姿が変わるため、後から問い合わせや指摘を受けたときに、その時点でどんな広告が出ていたかを再現できないことがあります。写しと確認した日付が残っていれば、何が出ていて、誰がいつ見たかを説明できるようになります。保存先は判断表や確認の記録と同じ場所にまとめ、担当者が替わっても辿れるようにしておきます。
入稿のたびに、既定の状態を確かめる
既定の判断を決めても、それが実際の設定に反映されていなければ意味がありません。広告の媒体では、新しい広告を作る、既存の広告を複製する、新しい種類の配信を始める、といった操作のたびに、加工の設定が初期の状態で始まることがあります。担当者が替われば、前任者がオフにしていた理由も引き継がれません。
そこで、入稿のたびに作成画面の加工の項目を確かめることを、入稿の手順に組み込みます。確認の結果は、判断表の既定と違う項目があればその理由と一緒に記録します。確認を担当者の記憶に頼らず、入稿の手順書の1行にすることが、続けるための要です。
- 作成画面に並ぶ加工の項目が、判断表の既定どおりになっているか
- 前回の入稿から新しく増えた項目がないか(あれば深さを判定して判断表に足す)
- アカウント単位で有効になる自動の素材の設定が、意図どおりか
- リンク先のページに、広告に出てほしくない画像や古い文が載っていないか
- 複製した広告で、元の広告の設定が引き継がれているか
媒体の仕様は変わるものなので、判断表と確認の項目は、半年に1回を目安に見直します。媒体の公式ヘルプの更新や管理画面の変化に気づいたら、その時点で見直してもかまいません。
自社側のAIに任せる範囲:配信された素材の一覧と改変の候補
加工の線引きでは、AIが2つの立場で登場します。1つは媒体のAIで、素材を組み合わせたり作り替えたりする側です。もう1つは自社で使うAIで、配信された広告を集めて確かめる作業を手伝う側です。自社側のAIに任せてよいのは、実際に配信された素材の一覧を整え、入稿した素材と比べて改変の候補を洗い出すところまでです。
たとえば、レポートから書き出した文言の一覧を渡し、入稿した文言にない語や、数字を含む言い回し、言い切りの表現を抜き出させる。配信面のプレビューの画像を渡し、入稿した画像と比べて違う部分を挙げさせる。こうした作業では、なぜその箇所を候補に挙げたのかの根拠を書かせることが大切です。根拠が書かれていれば、人は候補を短い時間で見極められます。
一方で、候補に挙がったものを出してよいか、加工をオンのままにするかは、AIに判断させません。表現が法令や業界の決まりに触れるか、ブランドの崩れとして許せる範囲かは、社内の事情と責任の所在を知る人が決めることです。AIに任せるのは洗い出しまで、出してよいかは人という線を、広告の運用の決まりとして明文化しておきます。人が確認する範囲を先に決めておけば、AIの洗い出しも的を絞れます。
判断の理由を残し、やりがちな失敗を避ける
Google 広告の公式ヘルプでは、アカウント単位の自動生成アセットをオフにする際に、理由を選んでコメントを入れる流れが示されています。自社の記録でも同じように、オンにした理由とオフにした理由を残しておきます。半年後に担当者が替わったとき、「なぜこの加工はオフなのか」に答えられなければ、効果を理由にオンに戻され、同じ事故が繰り返されます。
- すべての加工を一律にオフにする:組み合わせるだけの加工まで切ると、配信の機会を狭め、判断の理由も残らない
- 既定のまま、確かめずに配信を続ける:作り替えられた広告が、社内の確認を経ずに自社の名前で出続ける
- 入稿した素材だけを見て確認を終える:配信された広告との差に、誰も気づかない
- 媒体の審査を通ったから問題ないと考える:審査は媒体の基準で見ており、自社のブランドや業界の決まりは見ていない
- 自社側のAIに、出してよいかまで判定させる:判断の責任の所在があいまいになる
中でも2つ目の失敗は、担当者が気づかないまま長く続きやすいものです。配信の成果が良ければ、誰も広告の中身を見直そうとしません。成果の数字が良いときこそ、その数字を出した広告が、実際にはどんな姿で配信されていたかを確かめる習慣が、事故を未然に防ぎます。
まとめ
広告の媒体には、入稿した素材を配信の瞬間に組み合わせ、拾って補い、作り替える仕組みが組み込まれています。Google 広告のアカウント単位の自動生成アセットや動的画像アセット、Metaの広告の変化形の自動作成は、いずれも媒体のAIが入稿後の広告に手を加えるものです(2026年9月時点)。全部をオンにするか全部をオフにするかではなく、組み合わせる・拾って補う・作り替えるの3つの深さで加工を分け、製品の画面、効果の表現、ブランドの見た目、業界の表示の決まりに関わる素材では、作り替える加工を既定でオフにします。オンにする範囲は、素材とリンク先のページを整えるほど広げられます。オンにしたら配信された広告を定期的に集めて確かめ、入稿のたびに設定を見直します。自社側のAIには改変の候補の洗い出しを根拠つきで任せ、出してよいかは人が決めます。まずは今配信中の広告の作成画面を開き、加工の項目を判断表に当てはめるところから始めてみてください。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
広告・SNS・動画にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
