動画はYouTubeか自社配信か|置き場所で変わる成果

動画はYouTubeか自社配信か|置き場所で変わる成果

「動画を置く場所を、社外の共有の場にするか自社のサイトにするかで意見が割れる」「広く見てもらいたいが、名簿も取りたい」——動画を使い始めた企業が最初に迷う分かれ道です。置き場所は好みの問題ではなく、その動画に何をさせたいかで決まります。広く届ける動画と、見た人を特定したい動画では、置くべき場所が逆になります。この記事では、置き場所ごとの向き不向きと、決め方の順序を整理します。


カメ先生カメ先生

動画の置き場所はね、どちらが優れているかという話に見えて、実は『その動画の役割』で決まるものなんだ。


カメ子カメ子

同じ動画でも、置く場所を変える意味があるのでしょうか。


カメ先生カメ先生

ある。認知を広げたい動画は人が集まる場所に置く。検討中の相手に見せる動画は、自社側に置いて動きを記録する。


カメ子カメ子

1つに決めなくてもよいのですね。使い分けの基準を知りたいです。


この記事のポイント
  • Googleの動画インデックスは、埋め込みでも自社ホストでも同じ条件で判断される。鍵はサムネイルの認識と視認性
  • リッチな動画表示の対象になるのは、動画がそのページの主役である場合。製品ページの補足動画は対象外
  • 限定配信が向くのは、フォーム後の視聴・研修・顧客限定の内容。用途で置き場所を分けるのが現実解

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目次

置き場所で変わるのは露出の面

動画の置き場所を決めることは、その動画がどこで発見されるかを決めることです。YouTubeにアップロードすれば、YouTube内の検索と関連動画という面が付いてきます。自社サイトだけで配信すれば、その面はありません。代わりに、誰にも邪魔されない導線を持てます。

BtoBの場合、この違いは「認知を広げたいのか」「検討中の相手に見せたいのか」で効いてきます。まだ社名を知らない層に届けたいならYouTubeの面が有利で、資料請求まで来た相手に見せる内容ならその面は不要です。同じ動画でも、狙う段階で最適な置き場所は変わります。

そして両方を同時に使えます。YouTubeにアップロードして自社ページに埋め込む構成なら、YouTube内の面と自社ページの面を両方持てます。どちらかを選ぶ問題ではなく、用途ごとに置き分ける設計の問題だと捉えると、判断がすっきりします。

YouTubeに上げればSEOに効く、ではない

よくある誤解を先に外しておきます。「YouTubeはGoogleのサービスだから、上げるだけで自社サイトのSEOに効く」という話です。実際には、YouTube上の動画が評価されることと、自社サイトのページが検索で評価されることは別の処理です。

Googleは公式に、動画の検索対応について条件を示しています。そこで扱われるのは「視聴ページ」、つまり動画が置かれているページ側の状態です。その視聴ページ自体が先に検索で評価されている必要があり、ページが評価されていない状態で動画だけが拾われることはありません

さらに公式は、埋め込まれたYouTubeやVimeoの動画も自社ホストの動画と同じ規則で扱われると説明しています。つまり外部サービスに置いたから条件が緩くなる、ということはありません。埋め込みは楽になる部分が多い手段ですが、検索面での特別扱いを買う手段ではありません。

4つの置き場所を一覧で比べる

実務で選択肢になるのは、次の4つです。それぞれの得意分野が違うため、比較して選ぶより「どの用途に割り当てるか」で考えるほうが早くなります。

置き場所強み弱み向く用途
YouTube検索と関連動画の面/費用0/再生が安定競合が関連表示に出る/細かい制御が弱い認知目的・ノウハウ解説・事例紹介
限定配信サービスパスワードやドメイン制限/広告なし月額費用/発見される面はないフォーム後の視聴・研修・顧客限定
自社サーバー直置き完全に自社管理帯域と再生品質の負担/実装工数短い装飾用の動画・ループ映像
ウェビナーツールのオンデマンド視聴者の特定とリード連携外部からの流入は期待しにくい録画の再配信・見逃し対応

この表で注目したいのは、右の2列です。「発見される面がない」置き場所は、集客ではなく検討中の相手への提示に使う道具です。ここを混同すると、限定配信に力を入れたのに再生数が伸びないという当然の結果に悩むことになります。

逆に、YouTubeに置いた動画で顧客リストを作ることはできません。誰が見たかは分からず、視聴データはチャンネル単位の統計として返ってきます。用途と置き場所の組み合わせを最初に決めておくのが、遠回りを避ける方法です。

用語の整理(視聴ページ・埋め込み・オンデマンド)

この分野は、社内と制作会社で言葉の指す範囲がずれやすい領域です。議論の前に、4つの言葉を揃えておくと話が噛み合います。

  • 視聴ページ:動画が置かれているWebページのこと。検索側の評価対象はこのページで、動画ファイル単体ではない
  • 埋め込み:外部サービスに置いた動画を、自社ページの中で再生できるようにする方法。ファイルは自社に置かれない
  • ホスティング:動画ファイルそのものをどこに保管し、どこから配信するか。自社サーバー・CDN・外部サービスの選択
  • オンデマンド配信:録画済みの内容を、視聴者が好きな時に見られる形で提供すること。ウェビナーの見逃し対応がこれに当たる

特に混乱を生むのが、視聴ページとホスティングの区別です。YouTubeに置いた動画を自社ページに埋め込んだ場合、ホスティングはYouTube、視聴ページは自社サイトという分かれ方になります。検索側の条件は視聴ページに掛かるため、「YouTubeに置いたから自社では何もしなくてよい」という整理は成り立ちません。

YouTubeを選ぶと得られるもの

YouTubeの利点は、配信の安定性とコストです。回線状況に応じた画質の切り替え、対応端末の広さ、再生の安定性は、自前で用意すると相応の費用がかかる部分です。それが無料で使えます。

次に、面の広さです。YouTube内の検索、関連動画、チャンネル登録者への通知という発見経路が付きます。BtoBの専門的な内容でも、社名を知らない層が用語や課題で検索して辿り着く経路が生まれます

見落とされがちな利点として、二次利用のしやすさもあります。埋め込みコードを渡すだけで、営業がメールに貼る・パートナーが自社サイトで紹介するといった展開ができます。配布のしやすさは、動画を作ったあとの活用量を左右する要素です。

YouTubeで失うもの

一方で、手放すものもあります。まず、関連動画の枠に他社の動画が表示されることです。自社の解説動画を見終えた視聴者に、競合の動画が提示される可能性があります。埋め込み時のパラメータで挙動は変わりますが、完全に制御できるものではありません。

次に、視聴データの粒度です。YouTube側では視聴維持率や流入経路といった統計は見られますが、どの会社の誰が見たかは分かりません。商談中の企業が繰り返し見ているという情報を営業に渡したい場合、YouTubeでは実現できません。

三つ目は、内容の寿命の管理です。誤りが見つかった動画を差し替えるとURLが変わり、既に貼られた埋め込みが切れます。差し替え前提の内容は、URLを維持できる置き場所を選ぶという判断が必要になります。

四つ目に、規約と表示の変更です。プラットフォーム側の仕様変更で、埋め込みの見た目や表示される情報が変わることがあります。自社の管理外の要素が画面に混ざる前提で使う必要があります。

限定配信が向く場面

限定配信サービスの価値は、見せる相手を選べることです。パスワード保護、特定ドメインでのみ再生を許可する制限、期限付きの公開といった設定が使えます。広告も表示されません。

BtoBで効くのは、資料請求やフォーム送信の後に見せるコンテンツです。誰が見たかを紐づけられるため、視聴という行動を検討度合いの手掛かりにできます。「事例動画を最後まで見た相手」を抽出できるかどうかで、営業のアプローチの精度が変わります

研修や社内向けの内容も、この置き場所が適切です。社外に出ると困る情報が含まれる動画をYouTubeの限定公開に置く運用は、URLが共有されれば誰でも見られるという穴が残ります。限定公開はアクセス制御ではなく、URLを知らせない運用でしかない点に注意が必要です。

埋め込みは表示速度を落とす

動画の埋め込みは、ページの表示速度に影響します。埋め込み用のフレームは読み込むファイルが多く、ページ上部に置くと初期表示の指標が悪化します。動画を主役にしたページで、この影響がそのまま出ます。

対処は段階的にできます。まず、フレームにloading属性を付けて遅延読み込みにする方法です。ページ内の下部にある動画なら、これだけで初期表示への影響が減ります。スクロールされるまで読み込まない指定は、1行の追加で済む改善です

さらに効くのが、サムネイル画像と再生ボタンだけを先に置き、クリックされてから本体を読み込む方式です。軽量な代替表示に置き換える手法として広く使われており、専用のライブラリやプラグインも提供されています。

判断の材料は実測で取れます。埋め込みを入れる前と後で表示速度を測り、初期表示の指標がどれだけ動いたかを見ます。ページ上部に動画を置いた場合と、下部に置いた場合で影響の大きさが変わるため、配置も含めて比べるのが実務的です。数字が動かないなら、対策を入れる必要はありません。

ただし、この方式には注意点があります。クリックまで動画のフレームが存在しないため、検索側から動画として認識されにくくなる可能性があります。速度を取るか、動画としての認識を取るかは、そのページの目的で決める判断になります。集客が目的の視聴ページでは認識を優先し、補足動画では速度を優先するのが妥当です。

Googleの動画インデックスの条件

自社ページで動画を拾ってほしい場合、公式に示されている条件を満たす必要があります。要点は次の通りです。

  • サムネイル画像が認識できる形式(JPEG・PNG・WebP・AVIFなど)で、安定した公開URLにあること
  • サムネイルのURLが頻繁に変わらないこと(変動が多いとインデックスできない場合がある)
  • 動画ファイルと視聴ページがrobots.txtやログインで遮断されていないこと
  • 動画がページ内に埋め込まれ、他の要素の背後に隠れていないこと
  • 視聴ページ自体が先に検索で評価されていること
  • 動画がそのページの主役であること(リッチな表示の対象になる条件)

最後の2つが実務では効いてきます。製品ページの中ほどに置いた説明動画は、ページの主目的が動画ではないため、リッチな動画表示の対象にはなりません。動画で流入を取りたいなら、その動画のための専用ページを作る判断が必要です。

専用ページを作る場合、動画の下に文章での要約と書き起こしを置きます。動画だけのページは中身が薄いと判断されやすく、視聴ページ自体が評価されないという最初の条件でつまずきます。

構造化データに書く項目

動画の情報を検索側に伝えるには、VideoObjectの構造化データを使います。書く項目はそれほど多くありません。

項目内容書き方の注意
name動画のタイトルページのtitleと揃える(別の動画と重複させない)
description動画の内容説明動画ごとに固有の説明にする
thumbnailUrlサムネイル画像のURL安定したURLを使う。頻繁に変えない
uploadDate公開日ISO 8601形式で書く
duration再生時間ISO 8601形式(PT5M30Sなど)
embedUrl / contentUrl埋め込み用URLまたは動画ファイルのURLどちらかを入れる。両方あってもよい

YouTubeを埋め込む場合、これらの値はYouTube側の情報から作れます。手作業で1本ずつ書くとuploadDateの形式ミスが混ざるため、テンプレート化して埋めるのが安全です。値が無効だったり欠けていると、インデックスされない原因になります。

サムネイルの指定では、YouTubeが生成する画像URLをそのまま使う運用が一般的です。ただし公式は、サムネイルのURLが頻繁に変わるとインデックスできない場合があると注意しています。自動生成に任せきりにせず、URLが安定しているかを一度は確認するのが安全側の運用です。

同じ動画を両方に置くときの整理

実務で最も多いのが、YouTubeに上げて自社ページに埋め込む構成です。この形は問題ありませんが、整理しておく点が2つあります。

1つ目は、どこを主たる視聴の場にするかです。同じ内容がYouTube上のページと自社の視聴ページの両方に存在する状態になります。検索から自社サイトへ来てほしいなら、自社側の視聴ページに書き起こしや補足を足して、そのページ独自の価値を作る必要があります。動画だけを貼ったページは、YouTube上のページと差がなく、選ばれる理由がありません。

2つ目は、相互の導線です。YouTube側の説明欄に自社の視聴ページへのリンクを置き、自社側からは関連する記事や資料へつなぎます。どちらで見つけられても、次の行動に進める状態を作っておくだけで、動画1本あたりの回収量が変わります。

なお、構造化データではembedUrlに埋め込み用のURLを入れます。自社サーバーに直置きした動画ならcontentUrlに動画ファイルのURLを入れます。両方を書ける場合は両方入れて構いませんが、実際に再生できるURLであることが前提です

Search Consoleの動画レポートの読み方

設定したあとの確認は、Search Consoleの動画のインデックス登録レポートで行います。ここには、インデックスされた視聴ページと、されなかった理由が並びます。よく出る理由と原因を整理します。

  • サムネイルを取得できない(画像のURLが変動している/形式が対応外/遮断されている)
  • 動画の視認性が低い(ページの下部にあり、他の要素に埋もれている)
  • 対応していないファイル形式(自社ホストで独自形式や未対応の拡張子を使っている)
  • 動画のサイズが大きすぎる・小さすぎる(極端な解像度は認識されないことがある)
  • 構造化データの値が無効または不足(日付や再生時間の形式違い)
  • 視聴ページがそもそもインデックスされていない(動画の前にページ側の問題を解く)

複数の理由が並んでいるときは、動画そのものの調整を後回しにして、ページ側の問題から片付けるのが定石です。視聴ページがインデックスされていない状態で、サムネイルの寸法を調整しても結果は変わりません

動画が主役のページに載せる中身

検索から動画で拾われたいなら、動画のための専用ページを作ることになります。ここで多いのが、動画を1本貼っただけのページを量産してしまう失敗です。ページ側の評価が付かず、結果として動画も拾われません。

載せる要素は決まっています。動画の下に、内容の要約を数百字で置く。話している順に見出しを立てた目次を置く。音を出せない環境で読んでも内容が分かる状態を作ると、視聴ページとしての中身が成立します。書き起こしをそのまま貼るのではなく、読める形に整えるのが要点です。

BtoBでは、ここに問い合わせにつながる情報を添えられます。動画で触れた資料へのリンク、関連する記事、登壇者の所属といった情報です。動画を見終えた人が次に何をするかまで用意しておくと、専用ページを作る手間が回収できます。

逆に、製品ページの中ほどに置く補足動画に、この作り込みは不要です。そのページの主目的は製品の説明であり、動画は理解を助ける部品として機能していれば十分です。すべての動画に専用ページを作る必要はありません。

視聴データをどこで取るか

動画の成果を測る指標は、置き場所によって取れるものが変わります。YouTubeなら視聴維持率・平均視聴時間・流入経路がチャンネル単位で見られます。自社サイトの埋め込みなら、再生開始や視聴完了をイベントとして計測に送る実装が必要です。

BtoBで意味があるのは、視聴と商談の接続です。限定配信やウェビナーツールを使えば、視聴者を個人単位で特定でき、その情報を営業側に渡せます。ここまで来ると、動画は認知の道具から検討度合いを測る道具に変わります。

計測の設計で失敗しやすいのは、指標を再生回数だけに置くことです。再生回数は開始した数であって、内容が伝わった数ではありません。何%まで見られたかを段階で計測しておくと、動画の作り直しの判断ができるようになります。

置き場所を決める手順

最後に、実際の決め方を手順にします。動画を作る前にこの順で決めておくと、公開後の作業が減ります。

STEP1
目的を1つに絞る

認知を広げるのか、検討中の相手に見せるのか、既存顧客の運用を支えるのかを決めます。複数を兼ねさせると置き場所が決まりません。

STEP2
見せる相手の範囲を決める

誰でも見てよいのか、フォーム送信者だけか、顧客だけか。制限が必要なら限定配信、不要ならYouTubeが基本になります。

STEP3
測りたい指標を決める

再生回数で足りるのか、個人単位の視聴が必要なのかを決めます。個人単位が必要なら置き場所が限定されます。

STEP4
自社ページで拾いたいかを決める

検索で動画として拾いたいなら専用の視聴ページを用意し、構造化データと書き起こしまで含めて設計します。

STEP5
速度への影響を確認する

埋め込み後にページの表示速度を測り、必要なら遅延読み込みや軽量な代替表示に切り替えます。

STEP6
差し替えと削除の運用を決めておく

内容が古くなったときに誰が判断し、URLを維持するのか変えるのかを決めます。ここを決めていないと放置されます。

この手順の要点は、最初の一つです。目的が絞れていない動画は、どの置き場所でも中途半端な結果になります。「認知も取りたいしリードも取りたい」という要望は、2本に分けたほうが両方の成果が出ます。

運用で起きる落とし穴

最後に、置き場所に関して実際に起きるトラブルを挙げておきます。どれも事前に決めておけば避けられるものです。

  • 限定公開のURLが社外に共有され、意図しない相手に見られる(URLを知る全員が視聴できる)
  • 動画を差し替えてURLが変わり、過去の記事やメールに貼った埋め込みが切れる
  • 担当者の個人アカウントでチャンネルを作っており、退職時に管理権限を移せない
  • サムネイル画像を自動生成に任せており、URLが変動してインデックスされない
  • 自社サーバーに直置きした動画がアクセス集中で再生できなくなる
  • 書き起こしや字幕を用意していないため、音を出せない環境で内容が伝わらない

三つ目は特に軽視されがちですが、影響が長く残ります。チャンネルは組織のアカウントで作り、複数人が管理権限を持つ状態にしておくことを、最初の1本を上げる前に決めてください。

まとめ

動画の置き場所は、露出の面・取れるデータ・制御の強さを同時に決める選択です。YouTubeは発見される面と配信の安定を無料で得られる代わりに、視聴者の特定と細かい制御を手放します。限定配信は逆で、見せる相手を選べる代わりに発見の面がありません。自社ページで検索から拾われたい場合は、サムネイルの安定・視認性・動画が主役であることといった公式の条件を満たし、専用の視聴ページを用意する必要があります。目的を1本ずつ絞り、用途ごとに置き場所を割り当てるのが、遠回りしない進め方です。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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