リードを集めても需要は増えない|需要をつくる側の設計

「問い合わせの件数は伸びているのに、商談の数が去年と変わらない」「広告もセミナーも回しているが、いつも同じような会社としか会っていない気がする」——期の後半に入ると、定例会議でこの手の声が必ず出てきます。数を追う努力が足りないのだと受け取られがちですが、問い合わせの件数は、市場にある需要の総量ではありません。本当は、すでに探している人を拾う仕事と、まだ困っていると気づいていない人に気づかせる仕事が混ざったまま、前者の物差しだけで両方を測っているのが原因です。この記事では、需要をつくる側をどう設計し、どう社内に説明するかを順に見ていきます。
カメ先生需要をつくる、というと広告の量を増やすことだと思われがちなんだけど、本当は『まだ探していない人に、探す理由を渡すこと』なんだよ。
カメ子探していない人に広告を見せても、素通りされるだけではないでしょうか。
カメ先生見せる順番が逆なんだ。先にその人が困る場面を洗い出して、そこに言葉を置いておく。すると、実際に困ったときに思い出してもらえる。
カメ子気づいてもらう仕事と、売り込む仕事は、別々に考えるということですか。
- すでに探している人を拾う仕事と、まだ気づいていない人に気づかせる仕事は、打ち手も測り方も違う
- つくる側は、相手が自社を思い出す場面を先に洗い出し、その場面ごとに言葉を置いていく設計になる
- 生成AIは切り口の候補出しと記録の要約に効くが、市場に需要があるかどうかの結論は人が裏を取る
リードが増えても商談が増えないとき、何が起きているのか
件数は伸びているのに商談が増えない、という状態は、たいてい同じ構造で起きています。集めている相手が、もともと探していた人ばかりだからです。資料請求も、比較記事からの流入も、検索連動の広告も、入口の形は違いますが、拾っているのはその分野の道具をいま探している状態の人です。母数が動いていなければ、拾い方をどれだけ磨いても、拾える上限は変わりません。
上限に近づくと、単価だけが上がります。同じ層に何社も入札し、同じ検索語に各社が記事を出すので、1件あたりの費用は年ごとに重くなります。件数の伸びが鈍りながら費用が増えるのは、施策が下手になったからではなく、取り合っている母数が動いていないことの表れです。ここで打ち手を「もっと集める」に寄せると、費用の増え方だけが加速します。
見るべきは拾い方の効率ではなく、母数のほうです。今期、自社の商材を実際に検討している会社は何社あるのか。この問いを一度も数で置いていないチームは珍しくありません。置いた瞬間に、集める努力の限界が数字として見えます。計算の仕方は後の見出しで扱いますが、先に押さえておきたいのは、母数を増やす活動と、母数から拾う活動は別の仕事だということです。
刈り取る仕事と、つくる仕事は別物である
刈り取る側の仕事は、すでに探している人が探しに来る場所に、自社を置いておくことです。比較の材料、指名で検索されたときの受け皿、検索連動の広告、問い合わせまでの導線、一度来た人への再訪の働きかけ。いずれも相手の行動が先にあり、こちらはそこに現れます。動きが速く、出した月のうちに数字が返ってくるのが特徴です。
つくる側の仕事は、まだ探していない人の頭の中に、困りごとと自社を結びつけておくことです。相手の行動を待たない代わりに、効いてくるのは相手が実際に困った時点であり、それが来月とは限りません。半年後かもしれないし、来期かもしれない。出した時点と効いた時点がずれるのが、この仕事の扱いにくさであり、同時に本質でもあります。
| 見る点 | 刈り取る側 | つくる側 |
|---|---|---|
| 起点 | 相手が探し始めたところから | 相手がまだ探していないところから |
| 主な打ち手 | 指名検索の受け皿、比較の材料、問い合わせの導線 | 困りごとを言葉にする発信、場面と自社を結びつける活動 |
| 効いてくる時点 | 出した直後 | 相手が困った時点。数か月先のこともある |
| 数字の出方 | その月の件数にそのまま出る | その月の件数には出にくい |
| 止めたときの影響 | すぐに件数が落ちる | しばらく落ちないが、半年ほど先に刈り取り側が痩せる |
表の最終行が、社内でいちばん説明しにくいところです。つくる側を止めても、その月の数字は落ちません。落ちないので止めても平気だったという結論が出て、半年後に刈り取り側の効率が下がったときには、原因として結びつけられなくなっています。
デマンドジェネレーションという言葉は、二通りに使われている
日本のBtoBでは、デマンドジェネレーションを「見込み客の獲得、育成、選別の3つをまとめた総称」として説明することが多くあります。獲得から商談化までの流れ全体を指す使い方で、この意味で使うと、需要はすでに存在するものとして扱われ、主題は流れの設計になります。国内の解説記事の多くがこの並びで書いています。
一方、海外の実務では、需要をつくる活動と需要を刈り取る活動を分けて語る場面が増えています。前者は市場の外にいる買い手に気づいてもらう活動、後者はすでに市場にいる買い手を捕まえる活動という切り分けです。同じ言葉が、片方では総称、片方では二分法の片側を指しています。
どちらが正しいという話ではありません。実務で困るのは、社内で意味が混ざったまま会話が進むことです。「デマンドジェネレーションの数字はどうか」と聞かれたときに、獲得件数を答える人と、認知の広がりを答える人が同じ会議に座っている。最初にどちらの意味で使うかを決めて書き出しておくだけで、その後の議論がかみ合うようになります。
- 用語を統一するより、自社では何と呼ぶかを1行で決めて共有するほうが早い
- 「需要をつくる」と「需要を刈り取る」は日本語で書き分けたほうが誤解が少ない
- 資料の1ページ目に定義を置き、会議のたびに参照できるようにしておく
いま市場にいるのは何社か、自分の数字で計算する
エレンバーグ・バス研究所のジョン・ドーズ教授が示した考え方に、95対5と呼ばれるものがあります。ある分野の買い手のうち、任意の時点で実際に買う動きをしているのは5%ほどで、残りは市場の外にいる、という見方です。BtoBの買い物が長く、頻度が低いことから来ています。ただし5%という数字そのものは目安で、業種と検討の長さによって変わります。解説の多くもその点を断っています。
大事なのは割合を覚えることではなく、自社の数字で計算し直すことです。計算は単純で、検討にかかる期間を、買い替えの周期で割ります。買い替えが5年に一度で、検討に3か月かかる分野なら、3を60で割っておよそ5%。買い替えが3年で検討に6か月かかる分野なら、6を36で割っておよそ17%になります。同じ5%でも、自社の商材では17%かもしれないのです。
既存顧客の契約更新や入れ替えの間隔を平均します。分からなければ、解約と再契約の記録から概算します。
受注した案件の、最初の接点から受注までの日数の中央値を取ります。平均だと長期案件に引っ張られます。
検討期間を買い替え周期で割ります。これが、いま市場にいる買い手の割合の見当になります。
狙う会社の総数に掛けると、刈り取りの施策が届く上限の社数が出ます。
対象が300社で、割合が5%なら15社です。刈り取りの施策で届く相手が15社だと分かると、「もっと集めよう」という指示の意味が変わります。問うべきは、残りの285社に対していま何を出しているか、です。この問いが、つくる側の設計の出発点になります。
創業から間もなく、買い替えの記録がまだ無い場合はどうするか。代わりに使えるのは、顧客側の予算の周期です。多くの企業は年に一度か半年に一度しか新しい支出を決めないので、その間隔を買い替え周期の代わりに置きます。もう一つ、失注の理由に「今期は予算がない」が並ぶ割合も手がかりになります。この割合が高いほど、市場にいる社数は少なく、待っていても出会えない相手が多いということです。厳密な数値でなくてかまいません。桁が分かれば、集める努力だけでは届かない範囲があることを社内で共有できます。
刈り取りの物差しでつくる側を測ると、必ず負ける
同じ月の問い合わせ件数で両方を並べると、つくる側は必ず負けます。出した月に反応が返ってくる設計になっていないからです。そして負けた側は止められます。つくる側の施策が社内で続かない理由のほとんどは、効果がなかったからではなく、効果が出る前の時点で、別の仕事の物差しに当てられたからです。
つくる側に置く数字は、件数ではなく構成比と質のほうに寄ります。たとえば、問い合わせのうち初回接触が半年以上前だった割合、商談化した案件のうち「前から名前は知っていた」と答えた割合、指名での検索や直接の来訪の伸び、自社が答えられる問いの数に対して実際に発信できている割合。いずれもその月の件数とは別の軸で、月ごとの上下ではなく数か月の傾きで見ます。
- 需要をつくる施策を、出した月の問い合わせ件数で評価して3か月で打ち切る
- 認知の指標と獲得の指標を1枚の表に並べ、桁の大きいほうだけを見て判断する
- 「まだ効果が出ていない」を、いつまでに何が動く想定かを決めないまま言う
- つくる側の担当を刈り取りの担当と兼務にし、忙しい月に真っ先に後回しにする
表を分けるのは形式の話に見えますが、効果は大きいです。人は同じ表に並んだ数字のうち、桁の大きいほうに目を向けます。件数と構成比を並べれば、必ず件数の話になります。
段階1 気づいていない人には何を出すか
ここから、相手の状態を4つの段階に分けて、それぞれ何を出すのかを通して見ていきます。最初の段階は、いまのやり方に不満を感じていないか、不満はあってもそれが解決できるものだと思っていない状態です。この段階の相手は、商材の名前も、分野の名前も検索しません。検索されない以上、検索の側で待っていても出会えません。
出すのは、相手が自分の状態を測れる材料です。他社が同じ業務をどう回しているかの実情、そのまま続けたときに何が起きるかの説明、自社の状態を簡単に照らせる目安。たとえば「この作業に月何時間かけていたら見直しどきか」といった具体的な線引きは、相手が自分の位置を確かめる材料になります。逆に効かないのは、機能の説明と価格です。比べる対象を持っていない相手には、読む理由がありません。
この段階を抜けたかどうかは、同じ話題の記事を続けて読む、社名で検索する、社内の別の人が同じページを見る、といった動きで分かります。問い合わせは、この段階の成果指標にはなりません。動いたことが分かる小さな兆候を、先に決めておきます。
段階2 自分ごとになった人には何を出すか
次の段階は、これは自社の問題だと認識したものの、どうすればいいか分からない状態です。ここで相手が抱えているのは、解決策の比較ではなく、問題の切り分け方です。何から手を付けるのか、社内の誰を巻き込むのか、上司にどう説明するのか。この段階の相手に商談を打診しても、まだ相談相手を決める段に至っていないため、断られるか、返事が来ません。
出すのは、判断の順番と、社内で使える材料です。課題を分解する型、決める順番、そのまま上長に見せられる1枚の資料。BtoBでは、担当者が社内を説得できるかどうかが検討の速度を決めます。担当者を助ける材料は、そのまま自社の代弁者を1人つくることになります。ここで渡した資料が、後の稟議の添付になっていることは珍しくありません。
進んだ合図は、資料の取得、ウェビナーの申し込み、同じ会社から複数の人が来る、といった動きです。とくに同一社からの複数人の接触は、社内で話題になった証拠なので、見逃さないようにしておきます。
段階3 調べ始めた人には何を出すか
三つ目は、手段を探し始めた段階です。分野の名前や比較の言葉で検索が始まり、候補の名前が並び始めます。ここでようやく、刈り取り側の打ち手が効き始めます。ただし、この段階の相手に最初の段階の啓発を出しても響きません。もう知っている話だからです。段階が変わったら、出すものも変えます。
出すのは、選び方の基準、失敗しやすい点、費用の考え方、導入の進め方です。ここで自社に有利な基準だけを並べると、かえって信用を落とします。自社が向かない条件を先に書くほうが、結果として選ばれやすくなります。向かない相手を早めに外せるので、商談の効率も上がります。
この段階では、比較の言葉で検索したときに自社が見つかるか、生成AIに聞いたときに名前が挙がるかが効いてきます。前の段階で置いてきた言葉が、ここで回収されます。つくる側と刈り取る側は別の仕事ですが、つながっていないと、つくった需要を他社に拾われます。
段階4 候補に入ったときに何を出すか
最後は、数社に絞って比べている段階です。相手の論点はもう固まっているので、新しい切り口を持ち出しても混乱させるだけです。出すのは、条件に合うかどうかの答え、社内の決裁に耐える材料、導入した後の運用の姿。とくに運用の姿は、検討の終盤で最も聞かれ、最も用意されていない材料です。
ここでの負け方には型があります。機能では勝っていたのに、導入の段取りと社内の巻き込み方を説明できずに落ちる、という形です。相手が想像しなければならない部分を残すと、想像の分だけ不安になります。初月に誰が何をするか、3か月目に何が動いているかを、具体的な作業として書いておきます。
4つの段階を通してみると、同じ相手に対して、時期によって出すものが入れ替わっていることが分かります。施策を種類で並べるのではなく、段階で並べ直すと、自社に何が足りていないかが見えるようになります。多くの会社では、段階3と段階4の材料はそろっていて、段階1と段階2の材料だけが薄い、という偏りが出ます。刈り取り側の要望から資料を作ってきた結果なので、自然な偏りではありますが、この状態のまま件数を増やそうとしても、増えるのは段階3以降の相手だけです。
思い出される場面を洗い出す
つくる側の設計で最初にやるのは、広告の枠を決めることでも記事の本数を決めることでもなく、相手が自社を思い出す場面を洗い出すことです。エレンバーグ・バス研究所のバイロン・シャープとジェニー・ロマニウクは、この場面をカテゴリー参入点と呼び、思い出されやすさをつくる構成要素として位置づけています。
洗い出すときの問いは7つあります。なぜ、いつ、どこで、何をしているときに、誰と、何と一緒に、どんな気持ちのときに。これをBtoBに置き換えると、どんな出来事が起きたときにこの分野を考え始めるのか、期のどの時点で話が出るのか、最初に言い出すのは誰か、どの部署と一緒に決めるのか、どんな不安を抱えているときに調べ始めるのか、という形になります。
属性で区切ったセグメントとは別物です。「従業員300名以上の製造業」は場面ではありません。「担当者が1人辞めて、引き継ぎの資料が残っていないと分かったとき」が場面です。場面で書けると、そこに置く言葉が具体的になります。属性で書くと、誰にでも当てはまる一般論しか置けません。
- 前任者が異動し、手順が誰にも分からなくなったとき
- 取引先から、対応状況を説明できる資料を求められたとき
- 監査や社内点検で、記録が残っていないことを指摘されたとき
- 同じ問い合わせが月に何度も来て、担当者が疲れてきたとき
- 来期の体制を組むときに、いまの人数では回らないと分かったとき
切り口の候補出しに生成AIを使う
場面の洗い出しは、人だけでやると3つか4つで手が止まります。しかも出てくるのは、その場にいる人が最近見聞きした場面に偏ります。ここは生成AIが向いている作業です。先ほどの7つの問いをそのまま指示に変え、自社の商材と顧客の業種を添えて各10案ずつ出させると、数十案が数分で並びます。
ただし、出てきた案の大半は使えません。生成AIは自社の顧客を知らないので、一般的な業務の風景を並べます。人がやるのは選別です。基準は2つで足ります。実際にその場面を口にした顧客が1社でもいるか、その場面が年に何度も起きるか。どちらも満たさない案は、それらしく読めても実務では動きません。
そして、この市場に需要があるかどうかを、生成AIに結論として出させないこと。聞けばそれらしい肯定が返ってきますが、根拠は学習した文章の平均であって、自社が向き合っている市場ではありません。裏取りは、既存顧客への聞き取り、失注の理由、問い合わせの本文で人がやります。AIに任せてよいのは候補を並べることと記録を要約すること、決めるのは人という線を、着手前に引いておきます。
- 候補出しの指示には、自社の商材と顧客の業種、直近の受注理由を具体的に添える
- 出てきた案は、根拠になる顧客の言葉が1つも挙げられなければ採用しない
- 採用しなかった案も残しておく。半年後に別の場面として復活することがある
まだ言葉になっていない困りごとを、手元の記録から束ねる
場面の候補は、外から探す前に手元にあります。商談記録の所感欄、問い合わせフォームの自由記述、セミナー後のアンケートの自由回答、サポートに届いた質問。ここには相手が使った言葉がそのまま残っています。整形されていないので集計には向きませんが、整形されていないからこそ、まだ言葉になっていない困りごとが残っています。
- 期間を決めて全部書き出す。半年分あれば傾向が見える
- 社名と担当者名を落とす。社外のサービスに渡す前に必ず行う
- 生成AIに、同じことを言っている塊にまとめ、塊ごとに相手が使った言い回しをそのまま3つ引用するよう頼む
- 引用を読んで、AIが付けた見出しを人が書き直す
要点は3つ目です。要約だけを受け取ると、元の言葉が消えて、どの会社の記録から作っても同じような見出しが並びます。元の言い回しが残っていないまとめは、切り口の材料になりません。また、件数の少ない塊を消さないこと。年に2件しか出てこない困りごとが、単価の高い案件に結びついていることがあります。
この作業は一度で終わりにせず、四半期に一度は同じ手順で回します。困りごとの言い回しは、法改正や業界の動きで変わります。去年の言葉のまま発信を続けていると、相手の検索する言葉と少しずつずれていきます。
AIの回答に名前が載るかどうかが、認知の入口になってきた
気づいてもらう入口は、検索結果の一覧だけではなくなりました。生成AIに「こういう状態を解決する方法はあるか」と聞き、返ってきた文章に挙がった数社を出発点にする、という調べ方が広がっています。一覧の何番目にいるかではなく、要約された答えの中に名前が入るかどうかが効いてくる、ということです。
この入口は、つくる側の活動と相性が良い面があります。生成AIの回答は、複数の情報源に共通して書かれていることを拾いやすいため、自社サイトの中だけで完結した説明よりも、業界の媒体や第三者の記事、登壇の記録などに繰り返し名前が出ている状態のほうが拾われやすいと考えられます。ただし、どの要因がどれだけ効くかは提供元が公開しておらず、外から観測できる範囲も限られます。断定できる話ではないので、投資の根拠をここ1本に寄せないことです。
実務としてできることは絞られます。自社が答えられる問いを具体的に書く、曖昧な形容ではなく数字と条件を書く、第三者の場に出る。そして月に一度、主要な問いを実際に生成AIに聞いて、自社が挙がるかどうかを記録しておく。この記録は、成果が出るまでの間に見せられる数少ない先行の材料になります。
効果が出るまでの時間差を、社内にどう説明するか
つくる側の最大の弱点は、成果までの時間差です。検討期間の中央値が3か月の分野なら、今日届いた話が問い合わせになるのは早くて3か月後。半年の分野なら半年後です。その間、担当者は「効果が見えない施策」を続けることになり、予算会議のたびに説明を求められます。
有効なのは、先に予告を出しておくことです。1か月目に動くはずの数字、3か月目に動くはずの数字、6か月目に動くはずの数字を、着手前に書いて配っておきます。1か月目は発信の到達と生成AIの回答での言及、3か月目は指名での検索や直接の来訪、6か月目は商談数と、そのうち以前から名前を知っていた割合。予告してあれば、途中の会議で聞かれたときに「予定どおり」と答えられます。
同じ紙に、止める条件も書きます。3か月目の数字が1つも動かなければ切り口を入れ替える、6か月目に商談の構成比が変わらなければ入口を替える。止める条件を先に書いた提案のほうが、通りやすいのは、無期限に守るべき施策として出されると、決裁する側が引き受ける不確実性が大きすぎるからです。
やりがちな失敗と、小さく始める形
失敗の型はおおむね決まっています。洗い出した場面すべてに同時に手を出して、どれも中途半端になる。つくる側の施策なのに問い合わせの導線を主役にしてしまい、結局いつもの層しか反応しない。認知の活動を担当者の空き時間の仕事にして、忙しい月に止まる。いずれも、つくる側を刈り取り側の運用に乗せようとしたことから起きています。
始め方は小さくします。1つの困りごと、1つの入口、3か月。困りごとは手元の記録で最も多く出てきた場面を1つだけ選びます。入口は、いま人が集まっている場所を1つ。自社の配信でも、登壇でも、特定の媒体でも構いませんが、複数に散らさないこと。3か月は、途中で切り口を替えない期間として先に決めます。
3か月後にやることも決めておきます。予告した数字を見る、生成AIの回答での言及を記録と比べる、そして書いた記事や資料が実際に商談で使われたかを営業に聞く。最後の1つが効きます。営業から「あの資料が商談で役に立った」と返ってくることは、どの数字よりも次の予算を通しやすくします。
よくある質問
広告を止めて、その予算をつくる側に移すべきでしょうか
移し替える前に、刈り取り側の上限を測ることを勧めます。市場にいる社数を計算して、まだ届いていない相手が残っているなら、まずそこを埋めるほうが早く効きます。上限の近くで単価だけが上がっているなら、増える分をつくる側に回します。全部を移すと、その期の件数が落ちて、説明が難しくなります。
認知の施策は、どのくらいの期間で判断すればよいですか
自社の検討期間を基準にします。最初の接点から受注までの中央値が3か月なら、商談の数字は最短でも3か月は見ない前提で組みます。ただし1か月目に動くはずの数字は置いておき、それがまったく動かないときだけ、期間を待たずに切り口を替えます。何も置かずに待つのと、先行の数字を置いて待つのとでは、社内の受け止めが違います。
生成AIに切り口を作らせると、他社と似た内容になりませんか
そのまま使えば似ます。生成AIが出すのは学習した文章の平均なので、平均に寄るのは仕組みどおりです。避ける方法は1つで、自社の記録から拾った顧客の言い回しを材料として混ぜることです。相手が実際に使った言葉は平均には含まれていないので、そこだけは他社と重なりません。
営業から今月の件数を増やしてほしいと言われます。どう両立させますか
期間の違う2つの約束に分けます。今月の件数は刈り取り側で約束し、つくる側は3か月後と6か月後に何が変わるかで約束する。同じ会議で同じ物差しに当てないことです。そのうえで、つくる側の成果物を営業がそのまま使える形にしておくと、短期の仕事にも貢献するので、社内の理解が得やすくなります。
まとめ
問い合わせの件数は、市場にある需要の総量ではありません。件数が伸びても商談が増えないときは、拾い方の問題ではなく、拾える母数が動いていない可能性を先に疑います。自社の検討期間と買い替え周期から、いま市場にいる社数を計算してみると、集める努力の限界がはっきりします。
需要をつくる側は、相手が自社を思い出す場面を洗い出し、段階ごとに出すものを変え、時間差を前提に数字を置く仕事です。生成AIは候補出しと記録の要約で力を発揮しますが、市場に需要があるかどうかの結論は人が裏を取ります。1つの困りごと、1つの入口、3か月から始めて、予告した数字と止める条件を先に書いておくことが、この仕事を社内で続けるための現実的な形になります。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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