待ちの集客と攻めの開拓を噛み合わせる方法|届く順番から組む

「記事も資料も出しているが、待っているだけでは案件の数が足りない」「かといって片っ端から当たるやり方は、担当者が続かない」——新規開拓の相談で、いちばん多く聞く2つの声です。どちらを選ぶかの議論になりがちですが、この2つは、選ぶものではなく順番を決めるものです。本当は、片方が生んだものをもう片方が使う関係にあり、その受け渡しが決まっていないから、両方やっているのにどちらも中途半端に見えているだけです。この記事では、2つをどの順番でつなぐと片方がもう片方を助けるようになるのかをまとめます。
カメ先生待ちと攻めは、どちらが効率的かで比べられがちなんだけど、役割そのものが違うんだ。待ちは相手を選べない代わりに信用の下地ができる。攻めは相手を選べる代わりに、下地がない状態から始まる。
カメ子下地がないと、当てても読んでもらえないということでしょうか。
カメ先生行き来させるのが要点でね。待ちで作った材料を攻めのときに渡して、攻めで返ってきた断り文句を待ちの題材に戻す。
カメ子では、どちらを増やすかより、受け渡しの形を決めるほうが先になりますね。
- 待ちと攻めは、効き始めるまでの時間と費用の性質が違う。同じ物差しで比べると必ず片方が負ける
- 噛み合わせの型は3つ。下地をつくってから当てる、出た反応を題材に戻す、同じ相手に両方から届ける
- 生成AIは言い換えと束ねる作業に効くが、当てるかどうかの判断と文面の最終確認は人が持つ
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どちらが正しいかという問いでは、決まらない
会議で「うちは待ちで育てる」「いや今は当たりに行くべきだ」という議論になると、たいてい結論が出ません。理由は単純で、比べている軸が人によって違うからです。ある人は1件あたりの費用を見ており、ある人は今期の案件数を見ており、ある人は担当者の負荷を見ている。同じ言葉で違うものを議論しているので、どれだけ話しても噛み合いません。
そして、どちらかに寄せると決めた会社でも、実際にはもう片方をやめていません。記事を出している会社も、展示会で名刺を集めれば後追いの連絡をします。当たりに行っている会社も、相手が社名を検索したときに何も出てこなければ困ります。実務ではすでに両方やっているのに、設計だけが片方に寄っている、という状態が多く見られます。
決めるべきは、どちらかではなく、2つの間の受け渡しです。何を待ちの側で作り、それを攻めのどこで使うのか。攻めで得た何を、待ちのどこに戻すのか。この受け渡しが決まっていないと、両方やっていても、両方が別々に薄まります。以下、その受け渡しの形を順に組み立てていきます。
待ちと攻めは、届き方の向きが違う
待ちの集客は、相手が探しに来たときに見つけてもらう届き方です。相手の意思が先にあり、こちらはその行き先に置かれている。攻めの開拓は、相手の意思と関係なく、こちらから届ける届き方です。国内の解説でも、この向きの違いで2つを分けるのが一般的な整理になっています。
この向きの違いが、後のすべての差を生みます。相手が探しに来る側では、こちらは相手を選べません。来た人が対象外の会社でも、来てしまえば対応の手間はかかります。こちらから届ける側では、相手を1社ずつ選べますが、選んだ相手が聞く気になっている保証はありません。
つまり、相手を選べることと、相手に聞く気があることは、同時に成り立ちません。どちらの方法にも、構造として欠けている部分がある。噛み合わせるというのは、この欠けを互いに埋め合うように順番を組むことです。片方を強化しても、欠けている部分は埋まりません。
時間軸で比べる。効き始めるまでの長さが違う
攻めは、始めた月から反応が返ります。当てる先を決めて連絡すれば、その週のうちに断りか返事が来ます。数は少なくても、動いたかどうかがすぐ分かる。だから、期の途中で案件が足りないと分かったときに使える手段は、実質こちらだけです。この即応性が、攻めの最大の価値です。
待ちは、作ったものが見つけてもらえるまでに時間がかかり、見つけてもらってからも、相手が実際に困るまで動きません。効き始めるまでの長さは分野によって違いますが、共通しているのは、始めた月には何も起きないことです。その代わり、一度効き始めると、止めてもしばらく効き続けます。
この非対称が、社内の意思決定を歪めます。今期の数字が足りない会議では、必ず攻めの話になります。攻めを増やせば今期は埋まりますが、その分だけ待ちの側に手が回らないので、来期も同じ会議が開かれる。時間軸の違うものを、同じ会議の同じ議題で決めないこと。今期の穴埋めと、来期の下地づくりは、別の紙に書いて別の場で決めます。
待ちが遅いのは、2つの遅れが重なるからです。1つは、作ったものが相手の目に触れるまでの遅れ。検索で見つかるようになるまでにも、社内で共有されるまでにも時間がかかります。もう1つは、目に触れてから相手が実際に困るまでの遅れです。この2つは足し算になるので、前者を短くしても後者は縮みません。逆に言えば、当てる相手がすでに決まっているなら、前者の遅れは攻めの側で飛ばせます。後で挙げる3つの型のうち1つ目が効くのは、この飛ばし方をしているからです。
費用の性質で比べる。積み上がるものと、都度かかるもの
攻めの費用は、届けた数にほぼ比例します。当てる先を倍にすれば、調べる時間も、書く時間も、追いかける時間も倍になる。件数を増やすには人を増やすしかない構造なので、1件あたりの費用が下がりにくい。ここは道具を入れても大きくは変わりません。
待ちの費用は、作るときにかかり、その後は減っていきます。同じ資料や記事が翌年も読まれるなら、1件あたりの費用は時間とともに下がります。ただし、読まれなかったものの費用は下がらず、かけた分がそのまま残ります。積み上がるというのは、当たったものだけが積み上がる、という意味です。
| 見る点 | 待ちの集客 | 攻めの開拓 |
|---|---|---|
| 相手を選べるか | 選べない。来た相手に対応する | 選べる。1社ずつ決められる |
| 効き始めるまで | 遅い。始めた月には動かない | 速い。当てた週に反応が返る |
| 費用の性質 | 作るときにかかり、その後は下がる | 届けた数に比例して増える |
| 止めたときの落ち方 | しばらく落ちず、遅れて効いてくる | その月から止まる |
| 担当者の負荷 | 作る時期に集中する | 毎週一定量がかかり続ける |
なお、世の中に出回っている「待ちのほうが1件あたり何割安い」といった数字は、出典をたどると提供元の自社集計であることが多く、業種も期間も条件もばらばらです。他社の平均値ではなく、自社の数字で比べてください。自社の数字は、直近1年の受注案件を入口別に分けて、かかった人の時間と外部費用を足すだけで概算できます。
計算の手順はこうです。受注した案件を入口で分けます。最初の接点が自社サイトや説明会だったものが待ち、こちらから連絡したものが攻めです。分けたら、それぞれに投じた人の時間と外部への支払いを足し、受注件数で割ります。ここで迷うのが、待ちの側に過去の制作費をどこまで乗せるかです。今年の費用だけで割ると待ちが安く見え、全期間分を乗せると高く見える。絶対額ではなく、前年と比べてどちらに動いたかで見ると、この歪みを避けられます。
待ちだけだと起きること
待ちだけで回している会社で最初に起きるのは、来た相手を選べないことです。問い合わせの数は増えても、対象外の規模、対象外の業種、学生の調べもの、同業の調査が混ざります。営業の時間は有限なので、選別に時間が取られ始め、件数が増えたのに商談が増えない、という状態になります。
もう一つは、狙った会社に届かないことです。取引したい50社が決まっているとき、待っているだけでは、その50社が偶然探しに来るのを待つことになります。そのうち、いま実際に検討している会社は数社しかありません。残りに届く手段が、待ちの側にはありません。
- 記事や資料の本数を増やすことが目的になり、誰に届いたかを見なくなる
- 問い合わせが増えたことを成果とし、対象外だった割合を数えていない
- 取引したい会社の一覧を作らないまま、来た相手だけで年度を終える
- 来た相手の質が下がったときに、入口ではなく営業の対応を疑う
攻めだけだと起きること
攻めだけだと、相手が社名を調べたときに何も出てきません。連絡を受けた担当者は、まず社名を検索します。そこで何も出てこない、あるいは出てきたものが会社案内だけだと、判断の材料がない。判断の材料がないときの既定の答えは、見送りです。断られた理由が「必要ない」に見えても、実際は「分からない」であることが少なくありません。
下地といっても、大掛かりなものは要りません。当てる相手が調べたときに、自社が何を解決する会社なのかが1画面で分かること。そして、その説明が相手の業種で使われる言葉で書かれていること。この2つが満たされていれば、少なくとも「分からないから見送る」は減ります。
次に、断られた理由が残りません。当てて断られるたびに情報は生まれているのに、記録の形が決まっていないと、担当者の頭の中だけに残って消えます。1年当て続けても、翌年の当て方が変わらない。攻めが「消耗する仕事」と言われるのは、この蓄積の無さから来ています。
そして担当者が続きません。断られる回数が圧倒的に多い仕事なので、成果が受注数でしか返ってこないと、人が入れ替わります。入れ替わると、頭の中にあった蓄積がもう一度消えます。待ちの側に材料が残っていれば、引き継ぎの起点になります。
噛み合わせの型その1 下地をつくってから当てる
最も単純な型です。当てる前に、相手が調べたときに出てくるものを用意しておく。用意するのは会社案内ではなく、相手の困りごとに対する答えです。当てる相手が決まっているなら、その業種で起きる困りごとに絞って3本あれば足ります。本数ではなく、当てる相手が読む内容かどうかで決めます。
業種、規模、想定する困りごとをそろえます。ばらばらだと、次の工程で書く内容が決まりません。
50社に共通する困りごとを1つに絞ります。複数に手を出すと、どれも浅くなります。
相手が1回で開ける場所に置きます。会員登録が要る場所に置くと、この型は機能しません。
開かれたかどうか、どこまで読まれたかを残します。断られた相手の反応も次の材料になります。
順番を守ることが要点です。先に当ててから材料を作ると、断られた相手に2度目は届きません。この型が効くのは、相手が社内で説明する場面です。担当者が上長に「こういう会社から連絡があった」と伝えるとき、手元に見せられるものがあるかどうかで、話が先に進むかどうかが変わります。
噛み合わせの型その2 当てて出た反応を、題材に戻す
攻めの価値は、案件が取れることだけではありません。市場の反応が最短で返ってくることのほうが、長い目では効きます。待ちの側で同じことを知ろうとすると、作って出して数か月待つ必要があります。攻めなら、100社に当てればその週のうちに断り文句が集まります。
集まるのは3種類です。断りの理由の内訳、返信で聞かれた質問、話が進んだ相手に共通していた状況。これらはそのまま待ちの側の題材になります。よく聞かれる質問を先に答えの形にしておけば、次に当てる相手は事前に読んでくれます。攻めで1回説明したことを、待ちの側で何度も説明できる形に変えるのがこの型です。
記録の形を先に決めておくことだけ注意します。選択肢だけにすると集計はできますが相手の言葉が消え、自由記述だけにすると読み切れません。断りの理由は選択肢で、相手が使った言い回しは自由記述で、両方を残します。この2列があるかどうかで、半年後にできることが変わります。
なお、断り文句の内訳が読めるようになるのは、当てた数がある程度たまってからです。10社では偏りますし、そもそも同じ理由が2回出ることもありません。数が少ないうちに傾向を決めつけると、たまたま最初に言われたことを市場の声だと思い込みます。母数がたまるまでは、まとめずに貯めるだけにしておくほうが安全です。
噛み合わせの型その3 同じ相手に、両方から届ける
3つ目は、待ちの側で反応があった会社に、攻めの側から当てる型です。資料を取得した、説明会に参加した、特定のページを複数回見た。こうした動きを合図にして、当てる先を決めます。静的な一覧ではなく出来事を起点に当てるやり方は、近年の開拓の実務では一般的な考え方になりつつあります。
合図になる出来事は、自社サイトの動きだけではありません。求人の増加、拠点の新設、担当役員の交代、資金調達の公表、組織改編の発表。いずれも社外から見える形で、その会社の中で何かが変わったことを示します。自社の動きと社外の動きを同じ一覧に並べておくと、当てる順番が決めやすくなります。
使うときの物差しはひとつで足ります。なぜ先月ではなく今日なのかを、一文で言えるか。言えないなら、その合図は弱いということです。弱い合図で当てると、本文が「貴社の取り組みを拝見し」で始まる、どこにでも送れる文面になります。合図が弱いときは、当てずに待ちの側へ戻すのが正解です。
合図を増やしすぎないことも大事です。追う出来事を10も20も決めると、毎日どこかで合図が立ち、結局どれにも反応できなくなります。最初は3つに絞ります。自社の動きから1つ、社外の動きから2つ。3か月回したら、実際に商談につながった合図だけを残し、つながらなかったものは別のものに入れ替える。合図の一覧は、増やすものではなく入れ替えるものです。
- 自社の動き:資料の取得、説明会への参加、料金や導入の手順のページを複数回見た
- 社外の動き:求人の増加、拠点の新設、役員や部門長の交代、組織改編の発表
- 合図を一覧にするときは、起きた日付を必ず入れる。古い合図で当てない
待ちの資料を、当て先ごとに言い換える
待ちの側で作った資料は、広い相手に向けて書かれているので、そのまま当てても刺さりません。ここが生成AIの使いどころです。元の資料と、当てる相手の業種、規模、想定する困りごとを渡して、この相手に関係のある部分だけを残し、その業種で使われる言葉に置き換えて短くまとめるよう指示します。
ただし、言い換えてよいのは表現であって、事実ではありません。数字、機能、実績は元のままにします。生成AIは文脈に合わせて数字を丸めたり、書かれていない適用範囲を足したりします。元の資料に無い記述が1つでも増えていたら、その出力は使わない。確認は、元の資料と生成物を並べて人が見るのが確実です。
運用の形としては、言い換えの指示文を1つに固定し、担当者が変わっても同じ形が出るようにしておきます。指示文が人ごとにばらばらだと、送った文面の質が担当者ごとに変わります。すると、反応の違いが何によるものか分からなくなります。指示文を直すのは月に一度、全員分をまとめて直します。
断り文句と質問を、題材に戻す循環をつくる
攻めの側で集まった断り文句と質問は、そのままでは使えません。数が増えると読み切れず、要約すると相手の言葉が消えます。ここも生成AIが効く場面です。四半期ごとに全部を渡して、同じことを言っている塊にまとめさせ、塊ごとに元の言い回しをそのまま引用させます。引用を残させるのが要点で、要約だけを受け取ると、どの会社の記録から作っても似たような見出しが並びます。
出てきた塊を、待ちの側の題材に変換します。断りの理由が「すでに他社を使っている」なら、乗り換えを判断するときの材料。「今期は予算がない」なら、費用の考え方と社内の通し方。「必要性を感じない」なら、そのままにしたときに起きることの説明。断り文句の一覧は、次に書くべき題材の一覧そのものです。
循環を止めないために、まとめる当番と締め切りを決めます。誰がいつまとめるかが決まっていないと、3か月目に止まります。四半期に1回、30分の作業として予定表に入れてしまうのが、いちばん続きます。循環は、仕組みではなく予定で守ります。
当て先の順番づけに生成AIを使ってよい範囲
使ってよいのは、人が決めた条件を機械的に当てはめる作業です。公開情報を集めて要約する、決めた条件に当てはまるかどうかを振り分ける、当てる順番の草案を作る。いずれも判断の材料をそろえる作業で、判断そのものではありません。この範囲なら、担当者1人あたりの処理できる社数が実際に増えます。
使ってはいけないのは3つです。条件そのものを生成AIに決めさせること、確度の点数を出させること、公開情報にない事実を推測させること。とくに3つ目は危険で、推測がそのまま本文に入ると、事実と違う内容で当てることになります。相手にとっては、社名を間違えられるより印象が悪く、その会社には二度と当てられなくなります。
- 当てる条件を生成AIに考えさせ、なぜその条件なのかを誰も説明できない
- 確度の点数をAIに出させ、その順番のまま当てる
- 公開情報にない社内の事情を推測させ、確認せずに本文へ入れる
- 生成した文面を1通も読まずに、まとめて送る
当てるかどうかの最終判断と、送る文面の最終確認は人が持ちます。1件ずつ全部を読む必要はありませんが、当てる先の一覧は人が目を通し、文面は型ごとに1通を人が確認する。この2点だけは外さないでください。
どの型から始めるかを、4つの数字で決める
3つの型のうちどれから始めるかは、好みではなく自社の数字で決まります。見るのは4つです。当てられる会社の総数、その分野で検討が起きる頻度、1件あたりの単価、そして動かせる人数。この4つを先に出しておくと、会議での議論が「どちらが好きか」から「どの順番が回るか」に変わります。
| 自社の状況 | 先に置く型 | そうする理由 |
|---|---|---|
| 当てられる会社が数百社以下で、単価が高い | 型その1 下地をつくってから当てる | 1社ずつ丁寧に扱える規模なので、当てる相手が読む材料を先に置くほうが効く |
| 当てられる会社が数千社以上で、単価が低い | 型その3 合図を見てから当てる | 全社に当てる人手がないため、待ちの側の反応で絞らないと回らない |
| 買い替えが数年に一度で、検討の頻度が低い | 型その2 出た反応を題材に戻す | 当てても大半は時期ではないと返るので、その返答自体を資産にする |
| 動かせる人数が2人以下 | 型を1つに絞る | 3つ同時には回らない。1つを3か月続けたほうが結果が出る |
4つの数字のうち、いちばん見落とされるのが最後の人数です。型を3つとも設計したのに、動かせるのが1人しかいない、という状態はよくあります。型の数は、人数で決まります。1人なら1つ、3人以上いて役割が分かれているなら2つまで。残りは翌四半期に回すほうが、結局は早く進みます。
週次で見るもの、月次で動かすもの
定着するかどうかの分かれ目は、見る周期を分けているかどうかです。週次で見るのは、動いたかどうかがその場で分かるものだけにします。当てた件数、返事のあった件数、待ちの側で新しく反応があった会社の数、合図が立った会社の数。これらは翌週に手が打てる数字です。
月次で動かすのは、配分と題材です。当てる先の条件を変える、言い換えの指示文を直す、書く題材を入れ替える。週次でここを触ると、何が効いたのか分からなくなります。週次は作業の量、月次は作業の中身と分けて、会議の議題そのものを分けてしまうのが確実です。
逆に、週次で見てはいけないものもあります。待ちの側の検索での見つかりやすさ、記事ごとの閲覧数、当てた相手からの受注件数。いずれも週の単位では動かないか、動いても偶然の幅のほうが大きい数字です。毎週これを見ると、動かない数字を前に会議が沈むか、偶然の上下を成果として説明することになります。週の単位で動かない数字は、週次の議題に入れない。月次か四半期に送ります。
四半期で見るのは、噛み合わせが機能しているかどうかです。攻めから待ちに戻った題材が何本あるか、待ちの反応から当てた会社が何社あるか。この2つを数えます。どちらもゼロなら、両方やっていても噛み合っていません。施策の数を増やす前に、この2つの数字を1以上にするほうが先です。
担当が分かれているときの受け渡し
待ちをマーケティング、攻めを営業や内勤の開拓担当が持っている会社は多くあります。ここで起きるのが受け渡しの断絶です。マーケティングは記事の本数と問い合わせ件数で評価され、営業は商談数で評価されるため、互いの材料を作る作業が、誰の仕事でもなくなります。悪意ではなく、評価の設計から自然にそうなります。
対策は、受け渡しそのものを担当と締め切りのある仕事にすることです。月に1回、営業から断り文句と質問の一覧をマーケティングへ渡す。マーケティングから、その月に作った材料の一覧を営業へ渡す。渡す形を1枚の表に決め、締め切りを月末に置く。形と期日を決めるだけで、続く確率が大きく変わります。
- 営業からマーケティングへ:断りの理由の内訳と、相手が使った言い回し
- 営業からマーケティングへ:返信で聞かれた質問と、答えに困ったもの
- マーケティングから営業へ:その月に作った材料の一覧と、使いどころの一言
- マーケティングから営業へ:待ちの側で反応があった会社と、その動きの日付
もう一つ効くのが、評価の中に受け渡しを入れることです。攻めの側で実際に使われた材料の本数を、待ちの側の成果として数える。この1行を評価の表に加えるだけで、作るものが変わります。読まれる本数を狙って書いていた人が、使われる材料を狙って書くようになります。
担当が分かれておらず、1人が両方を持っている場合は、受け渡しの相手が自分になります。この場合に起きるのは断絶ではなく、記録を省くことです。自分で覚えているつもりなので書き残さず、3か月後には何を断られたのか思い出せなくなります。対策は同じで、月末に30分、その月の断り文句と質問を1枚に書き出す時間を予定表に置きます。渡す相手がいなくても、形と期日は要ります。
混ざりやすい4語のミニ用語解説
この分野は、似た言葉が違う意味で使われるため、会議で話が噛み合わなくなりがちです。社内で使う前に、次の4語だけは意味をそろえておくと安全です。
インバウンドマーケティング
相手が探しに来たときに見つけてもらう届け方の総称です。記事、検索、資料、説明会などの手段を含みます。なお、この語は訪日客の意味でも広く使われるため、社内文書では「待ちの集客」と日本語で書き分けると、他部署との誤解が減ります。
アウトバウンド営業
相手の意思と関係なく、こちらから接触して開拓する活動です。手段は問わず、電話、手紙、メール、訪問のいずれも含みます。断られる回数のほうが多い前提の仕事なので、始める前に記録の形を決めておくかどうかで、1年後に残るものが変わります。
インサイドセールス
訪問せずに、電話やオンラインの会議で商談の前段を担う役割を指します。待ちで来た相手への対応も、攻めで当てる仕事も、どちらも担当することがあります。「攻めの担当」と同じ意味に扱うと、役割が狭く伝わり、待ちの側の受け皿が空きます。
オールバウンド
待ちと攻めを別々の施策としてではなく、1つの流れとして回す考え方を指す言い方です。待ちで得た反応が、次に当てる先を決める材料になる、という関係を前提にしています。この記事で挙げた3つの型は、いずれもこの考え方に沿った組み立てになります。
まとめ
待ちの集客と攻めの開拓は、どちらが優れているかを決める対象ではありません。相手を選べることと、相手に聞く気があることは同時に成り立たないため、片方だけでは必ずどこかが欠けます。決めるべきは配分の比率より先に、2つの間の受け渡しの形です。
噛み合わせの型は3つ。下地をつくってから当てる、出た反応を題材に戻す、同じ相手に両方から届ける。どれから始めるかは、会社の総数、検討の頻度、単価、動かせる人数の4つで決まります。生成AIは言い換えと束ねる作業で確実に効きますが、当てるかどうかの判断と文面の最終確認は人が持ちます。週次で量を見て、月次で中身を動かし、四半期に一度、受け渡しが実際に起きた本数と社数を数える。この形にしておくと、担当者が替わっても噛み合わせが残ります。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?
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