ウェビナーの配信は会議ツールか専用基盤か|規模で決める選び方

ウェビナーの配信は会議ツールか専用基盤か|規模で決める選び方

「毎月のウェビナーは会議用の道具でやっています。そろそろ限界でしょうか」「配信専用の基盤に移したら、いま取れている申込の名簿が取れなくなると言われました」——道具を替えたいと言い出した側が、社内で最初に浴びる指摘です。どちらも、機能の多い少ないでは答えが出ません。会議用の道具と配信専用の基盤は、同じ道具の小さい版と大きい版ではないからです。部屋の作りが違う。誰が声を出せるか、誰の名前が誰に見えるか、入口に受付があるかが、入る前から決まっている。しかも上限は連続した坂ではなく段になっていて、段を上げると増える機能と、段を上げたせいで使えなくなる機能が同時にあります。この記事では、公表されている仕様に沿って、何人・どの目的で境目が来るのかを整理します。


カメ先生カメ先生

ウェビナーの道具の話は人数の上限だけで語られがちですが、実際に効いてくるのは部屋の作りのほうです。会議は全員が対等に入る部屋で、配信専用は舞台と客席が最初から分かれている部屋です。


カメ子カメ子

上限に収まっていれば、会議用の道具のままでよいということですか。


カメ先生カメ先生

収まっていても外すことがあります。会議の部屋は参加者の一覧が全員に見える作りなので、社外向けに使うと、来た会社の名前が来た人どうしに見えてしまう。人数ではなく、その一点だけで移す会社があります。


カメ子カメ子

上限の話と、見え方の話は別に置いたほうがよいのでしょうか。


この記事のポイント
  • 会議用の道具と配信専用の基盤の差は機能の数ではなく部屋の作り。参加者の一覧が全員に見えるかどうかが、社外向けでは人数より先に来る境目になる
  • 人数の段は上げるほど良くなるわけではない。ある基盤では申込の受付が使えるのは1,000人までの催しに限られ、それを超える段では申込のフォームそのものが選べない
  • 字幕の下書き、録画からの要約、見どころの切り出し、質問の束ね直しは機械の側に寄せられる。反対に、誰に見せるか・どこを公開するか・参加者の発言を残すかは、後から根拠を問われる決めなので人の側に置く

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目次

会議用の道具と配信専用の基盤は、大小の違いではない

最初に押さえるのは、2つが別々の部屋の設計だということです。会議に特化した道具の公式資料は、機能の比較をこう書き分けています。会議では「すべての参加者が自分の映像を出せる」「自分の画面を共有できる」。対して配信の型では「主催者と登壇者だけが映像を出せる」「主催者と登壇者だけが画面を共有できる」。音声も同じで、配信の型では出席者は聞くだけの状態で入る、と明記されています。つまり会議は全員が舞台に立てる部屋、配信は舞台と客席が壁で仕切られた部屋です。

この差は、当日の運営の手間に直結します。会議の部屋では、参加者の側で何かが起きる可能性が常に残ります。生活音が入る、映像が急に映る、画面共有の権限が渡ってしまう。主催者が設定で抑えることはできますが、抑える操作をする人が要ります。配信の部屋では、その可能性が最初から無い代わりに、参加者の反応が薄く見えるので、質疑や投票をどう拾うかを進行の側で設計しないと、誰も何も言わないまま60分が終わることになります。

残る記録も別物です。同じ公式資料は、会議で取れるのは出席の記録と会議の時間と投票の結果、配信の型で取れるのは申込の情報・関与の指標・質疑と投票への参加・回答の結果で、これらを書き出せる、と書き分けています。取れるものが違うということは、終わったあとに営業へ渡せる情報の粒が、道具の型で決まっているということです。人数が同じでも、渡せるものは同じになりません。

  • 本記事の仕様は、2026年9月時点で公表されている2つの基盤の公式資料に基づきます。一方は業務の共同作業の基盤に会議と催しの機能が組み込まれた型、もう一方は会議に特化した型です。製品名は本記事では扱わず、型として書きます
  • 数値は契約の種類と追加の枠の有無で変わります。導入の直前には必ず自社の契約で確かめてください
  • 原文の機能名には英字の略語が多いため、本記事では「申込の受付」「参加者一覧」「操作卓」など日本語に置き換えて表記しています

参加者の名前が参加者に見える、という一点

人数の話より先に来る境目があります。参加者の一覧が誰に見えるか、です。会議に特化した道具の公式比較表は、参加者一覧の行をこう書いています。会議では「すべての参加者に見える」、配信の型では「主催者と登壇者にだけ見える」。この1行が、社外向けのウェビナーでは決定的に効きます。

実務では、参加者が表示名に会社名を入れる慣習があります。案内で「所属と氏名でご入室ください」と書けば、なおさらそろいます。その状態で会議の部屋を使うと、どの会社の誰が申し込んで、当日どの回に来たかが、参加者どうしに見える。招待した相手の競合が同じ回にいることも、取引先が別の取引先の担当者名を見ることもあります。こちらの管理の問題ではなく、部屋の作りの問題です。

しかも、これは人数が20人でも起きます。上限には遠く届いていない規模で起きるので、「まだ会議の道具で足りている」という判断とは無関係に発生します。参加者の名前を伏せる設定を持つ基盤もありますが、共同作業の基盤に組み込まれた型の公式比較表では、その設定が使えるのは会議と1,000人までの催しまでで、大人数向けに最適化した型では使えないと記されています。参加者の名前の変更を許す設定も同様です。見え方の手当ては、段によって手段が変わります。

  • 社外向けの回を、参加者一覧の見え方を確認しないまま会議の部屋で開く
  • 案内文で所属の記入を求めておきながら、その所属が誰に見えるかを確かめていない
  • 「うちは少人数だから会議の道具で十分」と、人数だけで見え方の問題を判断する

会議の道具には、申込の受付が付いていない

2つ目の境目は、入口に受付があるかどうかです。共同作業の基盤に組み込まれた型の公式比較表は、申込の受付の行で会議に印を付けていません。案内メールの文面を差し替える機能も、催し向けの2つの型にはあり、会議にはありません。録画を後から公開して見せる仕組みも同じで、催しの型にはあり、会議にはありません。もう一方の会議に特化した道具でも、会議の申込は簡易なものと位置づけられ、配信の型には項目を足せる申込のフォームが標準で付く、と書き分けられています。

受付が無いことが実務で意味するのは、名簿を取りたいなら、外部のフォームを別に立てて、参加の記録と手で突き合わせることになる、ということです。申し込んだ人の一覧はフォーム側にあり、当日に入室した人の一覧は会議側にある。この2つを結ぶ鍵が、入室時の表示名しかありません。表示名は本人が自由に書けるので、突き合わせは必ず一定の割合で失敗します。毎回その手作業が発生している会社は、道具の費用ではなく、突き合わせの時間で移行の判断ができます

逆に言えば、名簿が要らない回なら受付が無いことは欠点になりません。全社への周知、既存顧客だけを招く説明会、社内の研修。参加する人の一覧が最初から手元にある回では、受付は二重の作業になるだけです。目的から見た境目は、この一点で切れます。後で触れるとおり、上限の段によっては受付そのものが選べなくなるため、「名簿を取りたいから大きい段へ」という発想は成り立たない場合があります。

人数の段は3つある。上げるほど良くなるとは限らない

上限を数字で見ていきます。共同作業の基盤に組み込まれた型では、管理者向けの資料が容量を明記しています。会議で対等にやりとりできる参加者は企業向けの契約で1,000人、小規模向けの契約で300人。これに見るだけの参加者を1万人まで足せて、合計は最大1万1,000人。見るだけの枠は企業向けの契約に限られます。催しの側は、1,000人までの型と、大人数向けに最適化した型の2つに分かれ、後者は追加の枠を買うことで最大10万人まで届きます。

ここで多くの会社が誤解します。段を上げれば、下の段でできたことは全部できるうえに、もっと大きな人数に届く——という理解です。実際は違います。同じ資料の機能比較表を段ごとに読むと、上の段でだけ使えなくなる機能と、真ん中の段でだけ使えない機能が、両方ある。段は上りの階段ではなく、性質の違う3つの部屋だと考えるほうが実態に合います。

下の表は、公表されている行のうち、道具を選ぶときに効くものだけを抜いたものです。自社が「どれを捨てられないか」で読むと、段が決まります。

見る点会議の部屋1,000人までの催しの型大人数向けに最適化した型
参加者の声と映像全員が出せる出せる(1,000人までの催しに限る)使えない。設定の画面で切られ、主催者が入れ直せない
申込の受付付いていない使える1,000人までの催しに限り使える
待合の部屋使える使える使えない
参加者の名前を伏せる使える使える使えない
外部の配信機材をつなぐ入口使える使えない使える
画質の高い設定使える使えない使える(2万人まで)
録画を後から公開する仕組み付いていない使える使える
操作卓の持ち主を決める設定無い無いある

千人の段と二万人の段で、それぞれ何が落ちるか

段の境目にある数字は、公式資料の中では3つです。1,000人、2万人、10万人。1つ目の1,000人は、参加者が声と映像を出せる限界であり、同時に申込の受付が使える限界でもあります。資料の注記は、1,001人から10万人までの催しではこれらの機能が予定の画面で切られており、主催者が入れ直すことはできない、と書いています。「先着1,000人にだけ許す」という部分的な運用もできません。

2つ目の2万人は、その場のやりとりの限界です。文字のやりとり、反応、挙手、投票は2万人までの催しで使え、2万1人以上の催しでは同じく予定の画面で切られます。画質の高い設定と、遅れの少ない配信の仕組みも2万人までです。一方、質疑の受け付けだけは10万人まで使えると別扱いになっています。大人数の回で参加者から拾えるのは、実質的に質疑だけになる、と読み替えられます。

3つ目の10万人は、追加の枠を買ったときの上限です。ここまで来ると、待合の部屋も、参加者の名前を伏せる設定も、参加者どうしで画面の操作を渡す機能も無くなります。小さな部屋を分けて話し合う機能も、参加者が1,000人を超えると使えなくなると注記されています。捨てるものが多い代わりに、社内の回線への負荷を分散する仕組みと、音を出さずに本番同様の確認をする仕組みが、この段にだけ用意されています。大人数向けの段は、届けることに全振りした部屋だということです。

目的から引く境目:名簿を取るか、全員に届けるか

人数の段が分かったら、目的の側から線を引きます。ここでは「名簿を取る回」「全員に確実に届ける回」「その場でやりとりする回」の3つで切ります。集客か商談化か研修か、という分け方とは別の切り口です。こちらは受付が要るか、上限が要るか、双方向が要るかという、道具の仕様に直接ぶつかる軸だからです。

名簿を取る回は、申込の受付がある段に留まるのが唯一の条件になります。受付が1,000人までの催しに限られる以上、名簿が目的なら、上限は1,000人を超えないところに置く。「1万人来るかもしれないから大きい段にしておく」という備え方は、この基盤では受付を失うので目的と矛盾します。見込みが1,000人を超えるなら、回を分けるか、自社サイト側に申込のページを持って、案内の中で入室の経路を配る形にします。

全員に確実に届ける回は、名簿が既に手元にあるので受付は要りません。全社の周知、決算の説明、取引先を限定した年次の案内。この型では、届く確実さと回線の負荷分散が優先され、参加者の声を拾わない前提で組みます。その場でやりとりする回は、会議の部屋のままでよい場面です。研修や少人数の相談会は、参加者が声を出せることが目的そのものなので、段を上げると目的が達成できなくなります

回の目的名簿置く段この段で捨てるもの
申込を集めて名簿にするこれから取る1,000人までの催しの型外部の配信機材、画質の高い設定
手元の名簿に確実に届ける既にある大人数向けに最適化した型申込の受付、待合、参加者の声、名前を伏せる設定
その場でやりとりする既にある会議の部屋申込の受付、案内メールの差し替え、録画の公開の仕組み

会議用の道具のままでよい場面

移すことが常に正解ではありません。会議の部屋のままで足りる条件は、はっきりしています。同時に見る人が数十人にとどまり、参加する相手が既に分かっていて、名簿を新しく取る必要がなく、その場のやりとりが目的の中心にある回です。この条件がそろっているなら、道具を増やすほど当日の手数が増えるだけになります。

  • 同時に見る人のピークが、契約している対等な参加者の上限の半分より下にある
  • 参加する相手が既知で、名簿を新しく取る必要がない
  • その場の質問と応答が、回の中身そのものになっている
  • 録画を社外に出す予定がない、または出す先が限られている
  • 当日に張り付ける人が、登壇者を除いて1人までしかいない

会議の部屋を続ける利点は、参加者が入り慣れていることです。招待の経路が普段の会議と同じなので、入室でつまずく人が少ない。配信の基盤に移すと、参加者にとっては初めての入口になり、開始5分の問い合わせが確実に増えます。この負荷は移行の初回に集中するので、回の重要度が高い日を移行の初回にしないほうが安全です。

ただし社外の相手が混ざるなら、続ける場合でも手当てが1つ要ります。参加者一覧の見え方をどうするか、を先に決めることです。表示名を氏名だけにしてもらう、伏せる設定がある契約なら有効にする、あるいは所属を書いてもらう代わりに同じ回に競合が同席しうることを案内に書いておく。決めずに続けるのが、いちばん危険な状態です。

配信専用に移す合図を5つに絞る

移すべきかどうかは、上限までの余裕だけでは判断できません。実務で観測できる合図を5つに絞ると、社内の説明もしやすくなります。1つ出たら検討、2つが同時に2回続いたら移行、という決め方が現実的です。

  1. 同じ回に社外の複数社が申し込むようになった。参加者一覧の見え方が問題として立ち上がる
  2. 申込のフォームを別に立てて、当日の参加の記録と手作業で突き合わせている
  3. 当日、登壇者以外に2人以上が張り付いている。声を切る、画面を戻す、質問を拾う、の分担が要る
  4. 同時に見る人のピークが、契約している対等な参加者の上限の7割を超えた
  5. 録画を後から見せる運用が定例になり、置き場所と公開期間の管理が毎回発生している

5つのうち、社内の説得にいちばん効くのは2番目です。突き合わせの手作業は時間で測れるので、月あたりの作業時間として稟議に載せられます。4番目の7割という目安は、当日の申込の伸びと、見るだけの枠に回る人の扱いを考えた余裕です。上限を超えたときの挙動は基盤によって違い、入れなくなる仕組みもあれば、見るだけの枠に回る仕組みもあります。超えたときにどうなるかは、契約の前に必ず自社の契約で確かめてください

反対に、合図として弱いのは「機能が足りない気がする」という感覚です。感覚で移すと、移した先で使わない機能に費用を払い、当日の操作が増えた分だけ事故が増えます。5つの合図はいずれも、誰かの時間が実際に減るか、実際に起きた問題が消えるかで書いてあります。この形にしておくと、移行の効果も同じ物差しで測れます。

自社がどの段にいるかを測る5工程

合図が出たら、次は自社の実測です。カタログを読む前に、直近の回の数字を並べます。この5工程は1回あたり30分ほどで済み、終わると候補の段が1つに絞れます

STEP1
直近3回の、同時に見ていた人のピークを数える

申込数でも延べの視聴者数でもなく、同じ瞬間に部屋にいた人の最大値を取る。多くの基盤は出席の記録から拾える。3回の平均ではなく最大値を使う。

STEP2
その3回それぞれの目的を、1つだけ書く

名簿を取る、手元の名簿に届ける、その場でやりとりする、のどれか。2つ書きたくなった回は、回を分けるべき回である可能性が高い。

STEP3
参加者一覧が誰に見えていたかを確認する

実際に当日の画面を開いて確かめる。設定の説明ではなく、参加者の目に何が映っていたかを見る。社外の相手が混ざっていた回だけ抜き出す。

STEP4
当日、手が足りなかった瞬間を書き出す

音が入った、質問が流れた、資料が映らなかった、入室の問い合わせに出られなかった。時刻と、そのとき誰が何をしていたかまで書く。人手の設計に直結する。

STEP5
必要な段を決め、その段で落ちる機能を先に一覧にする

上の表の行を使い、捨てるものを紙に書く。捨てられないものが混ざっていたら、段の選び直しか、回の分割を検討する。

この5工程で最も効くのは3番目です。設定の一覧を読んでも「見えるはず」「見えないはず」の議論になりますが、当日の画面を開けば1分で終わります。そして経験上、ここで初めて問題に気づく会社が少なくありません。見えていた事実が分かると、移行の判断は人数の議論を飛ばして決まります。

当日の人手が変わる。操作卓を誰が持つか

段を上げると、当日の役割が増えます。共同作業の基盤に組み込まれた型の資料では、催しの発表者は最大100人、共同の主催者は最大10人まで置けます。そして大人数向けに最適化した型にだけ、配信の操作卓を誰が握るかを決める設定があります。会議と1,000人までの催しには、この設定がありません。

これは細かい話に見えて、当日の事故の起き方を変えます。操作卓の持ち主が決まっていない部屋では、画面の切り替えを複数の人が同時にやろうとして、映るものが行ったり来たりします。持ち主を1人に決められる部屋では、その事故は起きない代わりに、その1人が落ちたときに切り替える人がいなくなります。どちらの部屋でも、進行・登壇・操作卓・質疑の束ね・記録の5つを、名前で埋めておくことが要ります。

練習のやり方も段で変わります。音を出さずに本番同様の確認をする仕組みは、大人数向けの型と、会議の側の上位の契約にはありますが、1,000人までの催しの型には用意されていません。この段でリハーサルをするなら、本番と同じ設定の別の回を作って通す形になります。移行の初回だけは、本番の1週間前に同じ時間帯で1本通しておくと、入室の経路と音の確認が同時に済みます。

録画の仕様が、後で残す作業を縛る

後で残すつもりがあるなら、録画の仕様を先に見ます。同じ資料には、会議も催しも1回の長さの上限が30時間、録画の長さの上限が4時間または1.5ギガバイトで、この上限に達すると録画はいったん終了し、自動的に録り直しが始まる、と書かれています。半日の催しを通しで録るつもりでいると、手元に届くのは分割された複数の記録になります。

分割は、後の作業に2つの影響を与えます。1つは時刻のずれです。章立てや見どころの一覧を作るとき、何分何秒という表記が記録ごとにゼロから振り直されるので、通しの時刻で書いた一覧が、途中から実際の場所とずれる。もう1つは切れ目の位置です。録り直しの境目が、話の途中に落ちることがあります。

さらに、録画を後から公開して見せる仕組みは、催しの2つの型にはあり、会議には付いていません。会議で撮った録画を後から配るなら、置き場所と閲覧の権限を自分で用意することになります。毎回この作業をしているなら、それ自体が移行の合図の5番目に該当します。なお、公開する範囲や期間そのものの決め方は本記事では扱いません。ここでは道具の型で作業量が変わるという一点だけを見ています。

費用は何に対して増えるか

金額の一覧を作っても、改定で古くなります。見るべきは何に対して増えるかという増え方の形です。会議用の道具は、主催できる人の席の数で増えます。参加する人が何人来ても、上限の中なら費用は動きません。だから、開催の回数が増えても費用は増えにくい。増えるのは、主催できる人を増やしたときだけです。

配信専用の側は、増え方が逆です。同時に見られる人数の上限の段で決まり、段を1つ上げると跳ねます。共同作業の基盤に組み込まれた型では、上限を上げるために追加の枠を買う形が資料に明記されています。つまり回数を増やしても費用は動かず、1回の規模を上げた瞬間に動く。年に1回の大きい回のために年間の段を上げる判断は、この形を知らないと通りません。

見落とされやすい費用が3つあります。当日に張り付く人の時間、字幕や通訳の確認にかかる時間、そして録画の置き場所です。どれも道具の請求書には出てこないので、移行の効果を測るときに片側だけが見えます。なお、上位の追加契約に入っていた機能が標準側に移ることもあり、この基盤では2026年4月1日付で一部の機能の扱いが変わったと資料の冒頭に告知されています。契約の版によって、できることの線は動きます

AIに任せる工程と、人が決める工程

道具の型が決まると、AIに渡せる材料も決まります。字幕と文字起こしは、会議でも催しの2つの型でも取れると資料に印が付いています。出席と関与の記録も3つとも取れます。一方、申込の情報は受付がある段でしか取れません。つまり機械に束ねさせる材料の種類は、選んだ段の時点で先に決まっている。道具を決めてからAIの使い道を考えるのではなく、順番は逆になります。

任せてよいのは4つです。字幕の下書き録画からの要約見どころの切り出し質問の束ね直し。どれも、間違っていても人がその場で気づける種類の仕事です。質問の束ね直しは効果が分かりやすく、同じ趣旨の質問が20件来た回でも、束ねれば回答すべきは5件になります。ただし束ねる前に、質問者の所属と氏名は落としてから渡します。外部の道具に貼るなら、なおさら先に落とします。

人が決めるのは3つです。誰に見せるかどこを公開するか参加者の発言を残すかどうか。3つ目は、質疑の記録に質問者の社名や氏名が含まれる以上、本人の了解の範囲を超えて残せません。AIの出力の良し悪しでは決まらない、事実と了解の問題です。この線引きは、後から誰かに「なぜそう決めたのか」と問われる決めは人が持つ、という一本で引けます。

段の選び方がAIの使い勝手を左右する例も挙げておきます。同じ資料では、通訳の割り当ては会議でだけ使え、催しの2つの型では使えません。AIが通訳を担う機能も同様で、会議の側にしかありません。また大人数向けに最適化した型では、AIの助手を使えるのが主催者・共同の主催者・発表者に限られ、参加者の側は使えないと明記されています。「多言語で届けたいから大きな段へ上げる」という判断は、この基盤では逆方向に働きます。

  • 公開してよいかどうかの判断まで機械に任せる。出せるかどうかは了解の有無という事実の問題
  • 質問者の社名と氏名が入ったままの記録を、社外の道具にそのまま貼る
  • 録画が分割されている前提を知らずに、通しの時刻で見どころの一覧を作らせる
  • AIの機能を使いたいという理由で段を上げ、通訳と参加者側の機能を落とす

移す前に決めておく確認項目

最後に、契約の前に埋めておく項目を一覧にします。決め損ねたときに何が起きるかを併記しておくと、社内で優先順位を説明しやすくなります。上から順に、決まっていない項目が1つでもあれば契約を待ちます。

  • 参加者一覧が誰に見えるかを、当日の画面で確認した
  • 表示名の書き方を案内に明記し、伏せる設定の有無を契約で確かめた
  • 名簿を取る回かどうかを1つに決め、受付が使える段かを確認した
  • 同時に見る人のピークを直近3回で数え、上限に対する余裕を出した
  • 上限を超えたときの挙動と、追加の費用の有無を契約前に確かめた
  • 当日の5つの役割を名前で埋め、操作卓の持ち主を1人に決めた
  • 録画の分割の条件を確認し、後で残す作業の担当を決めた
  • 字幕・通訳が要る回かどうかを判断し、選ぶ段で使えるかを確かめた
  • 次に段を上げる条件を、数字で1つ書いた

この9項目のうち、後から取り返しがつかないのは1番目と5番目です。参加者一覧の見え方は、開催してしまえば元に戻せません。上限を超えたときの挙動は、超えてから相談しても当日には間に合いません。残りの項目は、初回で決めれば次からは使い回せます。回ごとに変わるのは、目的と、想定するピークの2つだけです。

よくある質問

会議用の道具のまま、人数だけ増やすことはできますか

契約の種類によっては増やせます。共同作業の基盤に組み込まれた型では、対等にやりとりできる参加者が企業向けの契約で1,000人、そこに見るだけの参加者を1万人まで足せて合計1万1,000人まで届く、と資料に書かれています。ただし増えるのは人数だけで、申込の受付も、案内メールの差し替えも、録画を公開する仕組みも付きません。名簿が目的なら、人数を増やしても目的には近づきません。

上限を超えたら、当日どうなりますか

基盤によって違います。入れなくなる仕組み、見るだけの枠に回る仕組み、上の段へ自動で切り替わって費用が変わる仕組みなどがあります。自社の契約でどれになるかは、契約の書面か公式の資料で確かめてください。実務では、直前の申込の伸びを見て前日に判断しても間に合わないことが多いので、上限に対する余裕を7割の時点で確保しておく運用が安全です。

小さく始めて、後から配信専用に移せますか

移せます。ただし移した回の当日は、参加者にとって入口が初めてになるので、開始前後の問い合わせが増えます。重要度の高い回を移行の初回に当てないでください。また、移行の前後で取れる記録の形が変わるため、過去の回と並べて効果を比べたいなら、移行の前に指標の定義を書き直しておく必要があります。同時に見た人のピークだけは、どちらの型でも取れるので、比較の軸として使いやすい数字です。

まとめ

会議用の道具と配信専用の基盤は、同じ道具の大小ではありません。会議は全員が声と映像を出せる部屋、配信は主催者と登壇者だけが出せる部屋です。そして境目は上限の数字より先に来ます。参加者の一覧が、会議では全員に見え、配信の型では主催者と登壇者にだけ見える。社外向けの回では、この1行が20人の規模でも効きます。もう1つの境目は入口の受付で、会議には申込の受付も、案内メールの差し替えも、録画を公開する仕組みも付いていません。

人数は連続した坂ではなく段です。1,000人で参加者の声と映像が止まり、同時に申込の受付が使える限界に達します。2万人で文字のやりとり・反応・挙手・投票が止まり、質疑だけが10万人まで残ります。大人数向けの段では、待合も、名前を伏せる設定も無くなる代わりに、回線の負荷を分散する仕組みと、音を出さない確認の仕組みが加わります。段は上りの階段ではなく、性質の違う3つの部屋だと考えると、選び方を間違えません。

測り方は決まっています。直近3回の同時視聴のピークを数え、目的を1つに書き、参加者一覧の見え方を当日の画面で確かめ、手が足りなかった瞬間を書き出し、必要な段で落ちる機能を先に紙に出す。字幕の下書き、録画からの要約、見どころの切り出し、質問の束ね直しは機械の側に置けますが、誰に見せるか、どこを公開するか、参加者の発言を残すかは人の側に残します。道具を先に決めて運用を合わせるのではなく、自社が捨てられないものを1つ言葉にしたところから、段は自然に1つに絞れます。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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