Copilotアプリ統合で確かめる項目|個人と職場を混ぜない

Copilotアプリ統合で確かめる項目|個人と職場を混ぜない

「アイコンが変わったけれど、これまでのコパイロットと同じものか、と社員から問い合わせが来ている」「個人のアカウントでもサインインできるアプリなら、会社の端末ではどう扱えばいいのか」。マイクロソフトが個人向けと職場向けのコパイロットのアプリを1つにまとめ始めてから、情報システムや端末管理の担当者の手元には、こうした声が集まり始めています。見た目が1つになると、個人と職場の境目までなくなったように感じますが、境目がなくなったのではなく、アプリの中の切り替えに移ったというのが実際のところです。本当は、その切り替えを社員が正しく使えるように、設定と周知で支える仕事が増えたのです。この記事では、統合にあたって情シスが確かめる項目を、チェックリストの形で整理します。


カメ先生カメ先生

個人向けのコパイロットと職場向けのコパイロットが、1つのアプリになったんだ。アプリの中でアカウントを切り替えて使う形だよ。


カメ子カメ子

1つのアプリなら、個人の会話と仕事の会話が混ざってしまいそうですが。


カメ先生カメ先生

マイクロソフトは、設計の段階で分けてあって、データは行き来しないと説明している。混ざるおそれがあるのは、むしろ人の側の使い分けなんだ。


カメ子カメ子

どちらのアカウントで開いているのかを、社員が意識できるかどうかが分かれ目なんですね。


この記事のポイント
  • 個人と職場のアカウントは1つのアプリの中で切り替える形になり、データは設計上行き来しない
  • 職場の端末で個人アカウントを使わせないなら、ネットワークでの遮断ではなくテナント制限で管理する
  • 新しいアドレスへの接続、終了した機能、ヘルプデスクの手順書を、社員の問い合わせが来る前にそろえる

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目次

2つのCopilotアプリが1つになった

マイクロソフトのサポートページによれば、個人のアカウント、職場のアカウント、学校のアカウントのどれでも、1つのコパイロットのアプリにサインインできるようになりました。これまでは、個人向けのコパイロットのアプリと、仕事で使うマイクロソフト365コパイロットのアプリが別々にありました。それが、1つのアプリの中でアカウントを切り替えて使う形にまとまります。

見た目の変化もあります。ウィンドウズのタスクバー、マック、スマートフォンのアイコンが新しいものに変わり、ウェブで使っている人は新しい版に自動で移されます。スマートフォンでは、アプリの更新か、新しいアプリの取得が必要になると案内されています。社員の目に最初に入る変化は、アイコンと画面の変化です。

展開は端末の種類ごとに順次進みます。自社の端末にいつ届くかは、マイクロソフト365の管理センターのメッセージセンターで、自社宛ての案内を確かめるのが確実です。届く時期が部署や端末によってずれると、同じ社内で古い画面と新しい画面が混在する期間ができます。

この記事の読者は、端末と業務アカウントを管理する情報システムの担当者を想定しています。有料版を誰に配るかという判断や、無料版と有料版の線引きは別の記事で扱っているので、ここでは統合そのものによって確かめるべき項目に絞ります。

名前とアドレスの変化を先に押さえる

統合に合わせて、名前も変わりました。マイクロソフトの公式の技術文書は、マイクロソフト365コパイロットがマイクロソフトコパイロットに、マイクロソフト365コパイロットチャットがマイクロソフトコパイロットチャットに改名されたと案内しています。個人向けの製品と同じ呼び名になったため、社内の文書で名前だけを書くと、どちらを指すのかが分かりにくくなります。

同じ文書は、新しいアプリに入るための主なアドレスが、クラウド・マイクロソフトという新しい共通の領域の下のものになると案内しています。職場や学校のアカウントで使う入口と、個人のアカウントで使う入口は、アドレスの上でも分かれています。個人向けの入口には、これまでの個人向けのアドレスや検索エンジンのビングのチャットなどが挙げられています。

社内の手順書やポータルのリンクに、古い名前や古いアドレスが残っていないかを確かめます。社内の文書では、職場のアカウントで使うコパイロット、のように使うアカウントを添えて書くと、名前が同じになったことによる取り違えを防げます。

ピン留めの設定にも変化があります。公式の技術文書によれば、欧州の経済領域とスイス以外に主な拠点がある組織では、2026年1月28日から、チャットをピン留めする設定がコパイロットのアプリを制御しなくなりました。オフィスのアプリでピン留めを外しても、アプリからは引き続きチャットを使える、ということです。

  • 名前・アドレス・画面の場所は今後も変わりうるため、社内の文書にはいつの時点の情報かを書いておく
  • 自社の端末への展開の時期は、メッセージセンターの自社宛ての案内で確かめる

1つのアプリの中で、個人と職場はどう分かれるか

サポートページは、アプリの中にアカウントを切り替える仕組みがあり、個人と職場や学校の体験を切り替えられると説明しています。そのうえで、職場と個人の体験は設計の段階で分かれていて、データは両者の間を行き来しないと明記しています。個人のマイクロソフトアカウントと、職場のエントラのアカウントは、設計上別のものだという説明です。

公式の技術文書も、使ったアカウントによって、会話、ファイル、権限、使える機能、保護の内容が分かれたままになると書いています。職場のデータが個人の側に移ることはなく、組織の管理者が設定しているセキュリティやコンプライアンスの管理も、引き続き職場の側に適用されるとサポートページは説明しています。

つまり、仕組みの上では混ざりません。問題になるのは、社員がどちらのアカウントで開いているかを意識せずに使う場面です。個人のアカウントで開いたまま業務の資料を貼り付ければ、その会話は個人の側に残ります。混ざるのはデータの仕組みではなく、人の操作だという前提で、設定と周知を組み立てます。

業務の相談は職場のアカウントで、という原則を社員に伝えるだけでなく、切り替えの位置と、今どちらで開いているかの見分け方を画面の画像で示すと伝わりやすくなります。画像は自社の端末に新しいアプリが届いてから撮り直します。

確認項目1 社員が迷う場面を先に洗い出す

最初の確認項目は、社員が迷う場面の洗い出しです。統合の直後に問い合わせが集まりやすいのは、アイコンが変わってアプリが見つからない、ブックマークしていたアドレスが別の画面に移った、サインインの画面で個人と職場のどちらを選べばよいか分からない、の3つの場面です。

特に注意したいのは、自宅で個人向けのコパイロットを使っていた社員です。会社の端末の新しいアプリでも個人のアカウントでサインインできてしまうと、本人は職場のコパイロットを使っているつもりで、個人の側に業務の情報を入れることが起こりえます。アプリの見た目が同じなので、本人も気づきにくいのです。

反対に、会社の端末では職場のアカウントしか使わせない設定にした場合は、個人のアカウントでサインインしようとした社員が、なぜ入れないのかを問い合わせてきます。どちらの方針でも問い合わせは来るので、方針ごとに答え方を用意しておきます。

迷う場面は、試しに数人の社員に新しいアプリを使ってもらうと具体的に見えてきます。情シスが想像した場面と、実際に社員がつまずく場面は違うことが多いので、全社に届く前に小さく確かめておくのが近道です。よくある失敗も挙げておきます。

  • 社内のポータルに古い名前とアドレスが残り、社員が個人向けの入口から業務に使っていた
  • 個人のアカウントを許すかどうかを決めないまま展開を迎え、部署ごとに扱いがばらばらになった
  • ネットワークでアドレスを遮断して、職場のコパイロットまで使えなくなった
  • 終了した機能の問い合わせに、ヘルプデスクが答えられなかった

確認項目2 職場の端末で個人アカウントを許すか

次に決めるのは、会社の端末の新しいアプリで、個人のアカウントでのサインインを許すかどうかです。これは技術の問題である前に、会社の方針の問題です。私物の端末を業務に使う制度があるか、会社の端末の私的な利用をどこまで認めているかによって、答えが変わります。

公式の技術文書は、企業向けの保護を受けられるように、仕事でチャットを使うときは職場か学校のアカウントでサインインするよう社員に伝えることを勧めています。最低限の線は、業務の情報は職場のアカウントでだけ扱うという原則です。そのうえで、個人のアカウント自体を技術的に止めるかどうかを決めます。

止める場合は、次の節で述べるテナント制限を使います。止めない場合は、周知と研修で使い分けを徹底することになり、個人の側に業務の情報が入ったかどうかを情シスが確かめる手段は限られます。どちらを選んでも、決めた理由を文書に残し、情報セキュリティの規程と矛盾しないようにします。

許可していない生成AIの見つけ方といった一般的な対策は、別の記事で扱っています。この記事で決めるのは、統合されたこのアプリの中で、会社の端末から個人のアカウントに入れるようにするかどうか、という一点です。部署ごとに例外を設けるなら、例外の条件も合わせて決めておきます。

個人アカウントを止める手段は、テナント制限

公式の技術文書は、社員が個人のアカウントでサインインできるかどうかを管理するには、エントラのテナント制限の第2版を参照するよう案内しています。テナント制限は、組織の端末やネットワークから、どの組織のアカウントでサインインできるかを管理者が決める仕組みです。個人のマイクロソフトアカウントも、その対象として扱えます。

テナント制限は、コパイロットのためだけの設定ではありません。設定すると、コパイロット以外のマイクロソフトのサービスでも、個人のアカウントでのサインインに影響が出る可能性があります。取引先の組織のアカウントで参加している会議や共有など、ほかの業務への影響も含めて、試す範囲を絞って確かめてから広げます。

設定を端末に届ける方法や、ウィンドウズとスマートフォンでの効き方の違いは、エントラとインチューンの公式の文書で確かめます。端末の管理の仕組みそのものの設計は、この記事の範囲を超えるので、ここでは個人アカウントを止めるなら、まずテナント制限の文書から読むという入口だけを押さえてください。

止める方針にしたら、社員への案内も同時に用意します。会社の端末では個人のアカウントでは入れないこと、入れないのは故障ではなく会社の方針であること、個人の用途は私物の端末で使うことを、短い文で伝えます。案内がないと、止めた設定そのものが問い合わせの山を生みます。

通信を遮断して止める方法は勧められていない

個人向けの入口のアドレスを、社内のネットワークで遮断すれば済むのではないか、と考えるかもしれません。けれども公式の技術文書は、特定の領域やアドレス、通信の種類を選んで遮断するといったネットワークの段階での制限でコパイロットを管理することは勧めず、サポートもできないと明記しています。

理由として、コパイロットのチャットはアプリに深く組み込まれているため、ネットワークでの制限は予測できない結果を招き、アプリそのものが動かなくなるおそれがあると説明しています。個人向けの入口だけを止めたつもりが、職場のコパイロットや、ほかのオフィスのアプリの機能まで止めてしまう、ということが起こりえます。

管理の手段として勧められているのは、マイクロソフト365の管理センターや各アプリの中にある管理の設定です。個人のアカウントはテナント制限で、チャットの利用はこの後で述べる管理センターの設定で、というように、それぞれ用意された設定の側で管理するのが基本の考え方です。

すでにネットワークの機器で、個人向けのコパイロットのアドレスを遮断している組織もあるでしょう。統合に合わせて、その遮断が職場の側の入口に影響していないかを見直します。遮断を続けるかどうかは、公式の方針を踏まえて、ネットワークの担当者と相談して決めます。

確認項目3 新しいアドレスへの接続を確かめる

統合で入口のアドレスが新しい共通の領域に移るため、社内のネットワークや端末の設定で、その領域への接続が妨げられていないかを確かめます。公式の技術文書は、クラウド・マイクロソフトの領域全体を、端末とネットワークの許可の一覧に加えるよう案内しています。

あわせて、ネットワークの規則や分類による絞り込み、条件付きのアクセスの設定、アプリの制御の方針が、新しいアドレスやコパイロットのアプリを止めていないかも確かめるよう勧めています。接続を確かめる公式の診断の道具も案内されているので、代表的な拠点と端末で試しておくと安心です。

確かめる場所は、本社のネットワークだけでは足りません。支店、在宅勤務のときの接続、社外から入るときの経路など、社員が実際に使う経路ごとに試します。経路によって設定を管理している担当が違う場合は、誰がどの経路を確かめるかを先に割り振ります。

接続の確認は、展開が自社に届く前に済ませておきたい項目です。届いてから止まっていることが分かると、社員はコパイロットが壊れたと受け取り、個人向けの入口や別のAIに流れてしまいかねません。職場の入口が確実に開いていることが、個人の側に流れさせない一番の対策です。

確認項目4 職場のアカウントで使ったときの保護を伝える

社員に使い分けを徹底してもらうには、職場のアカウントで使う理由を伝える必要があります。公式の技術文書は、職場や学校のアカウントでサインインしたときに企業向けの保護が適用されると説明しています。エッジのサイドバーのチャットについても、職場のアカウントでサインインすると企業向けのデータ保護を受けられると書かれています。

サポートページも、統合によって企業のデータの境界は変わらないと説明しています。守られるのは職場のアカウントで使ったときだけであり、同じアプリでも個人のアカウントで使えば、その保護の外に出るということです。この一点を、周知の中心に置きます。

周知では、保護の中身を細かく説明するより、何をしてよく何をしてはいけないかを具体的に書くほうが伝わります。業務の資料や顧客の情報を扱うときは職場のアカウントで開く、個人のアカウントで開いているときは業務の話をしない、どちらか分からなければ切り替えの表示を見る、の3点に絞ると覚えやすくなります。

周知は一度出して終わりにしません。新しいアプリが届いた直後、1か月後、新入社員が入る時期など、節目ごとに繰り返します。利用状況の報告の画面で、職場のアカウントでの利用が思ったほど増えていなければ、周知の届き方を見直す合図になります。

確認項目5 終了した機能と、場所が変わった機能

統合にあわせて、個人向けのアプリの一部の機能が終了しました。サポートページによれば、グループでのチャット、ポッドキャストの作成、個人向けのディープリサーチは、2026年8月18日に終了しています。タスクの機能は、コワークという別の機能に移されると案内されています。

変わったこと公式の案内の内容社内で起きそうな問い合わせ
グループでのチャット2026年8月18日に終了。それ以降、会話は引き継がれない前の会話が見当たらない
ポッドキャストの作成2026年8月18日に終了。終了前に保存する手段が案内された音声の要約が作れない
個人向けのディープリサーチ個人向けのアプリで2026年8月18日に終了調べものの機能が消えた
タスクの機能コワークへ順次移行。保存した記憶は移らない予約していた作業が止まっている
単体のアプリで作ったファイルワンドライブへ移される作ったファイルの場所が分からない

これらは主に個人向けのアプリの変化ですが、会社の端末で個人のアカウントを使っていた社員がいれば、ヘルプデスクに問い合わせが来ます。会社の方針として個人のアカウントを使わせていない場合も、終了した機能の一覧はヘルプデスクに渡しておくと、答えに迷いません。

職場の側でも、アプリの中の画面の配置や、ページ、ノートブック、エージェントといった機能の入口が変わった可能性があります。自社の端末に新しいアプリが届いたら、よく使われている機能の場所を一つずつ確かめ、場所が変わったものを手順書に反映します。

確認項目6 チャットを止める・絞るときの設定

組織によっては、コパイロットのチャットを一部の社員だけに開きたい、あるいは当面は止めておきたい、という事情もあるでしょう。公式の技術文書によれば、管理者はチャットの利用を全員に対して、または特定の利用者やグループに対して止められます。止めると、アプリ、アウトルック、チームズ、ウェブのチャットで使えなくなります。

注意したいのは、止めても、アプリの画面の一覧にはチャットが表示されることがある点です。選ぶと、組織の方針で使えないという案内が出ます。止めたことを社員が故障と受け取らないように、案内の画面に社内の説明への道を付けておくことができます。

管理センターのコパイロットの設定の中に、止めたときに表示する社内の案内のリンクを設定する項目があります。設定すると、社員は案内の画面から、組織の情報を見るためのリンクをたどれます。リンクの先には、止めている理由、使える時期の見通し、代わりに使ってよい手段を書いておきます。

ピン留めを外すだけでは、チャットの利用は止まりません。公式の技術文書も、ピン留めを外してもアプリなどからは使える場合があると注意しています。また、コパイロットのアプリの設定をクラウドの方針で管理するには、オフィスのアプリの管理者の役割が必要とされています。止める・絞る・外すを取り違えないよう、何を止めたいのかを先に言葉にしてから、設定を選ぶようにします。

確認項目7 コパイロットキーとエッジの扱い

新しいウィンドウズの端末には、キーボードにコパイロット専用のキーが付いているものがあります。公式の技術文書によれば、管理された業務や教育の環境では、ウィンドウズの方針の設定で、このキーを押したときにコパイロットのアプリや、組織が認めた別の画面を開くように割り当てられます。インチューンの設定の一覧からも構成できると案内されています。

キーの割り当ては、個人と職場の取り違えを減らす手段にもなります。キーを押せば職場のアカウントで使う画面が開く、と決めておけば、社員が迷う場面が一つ減ります。社員が一番よく使う入口を、職場の側にそろえておくという考え方です。

エッジのサイドバーのチャットも、見落としやすい入口です。公式の技術文書は、職場のアカウントでエッジにサインインしている場合と、個人のアカウントでサインインしている場合とで、閲覧中のページやPDFの内容を回答に使わせるかどうかを、別々の方針で管理できると説明しています。

アプリだけでなく、キー、エッジ、オフィスのアプリの中のチャットと、入口は複数あります。入口ごとに、職場の側で開くか、個人の側で開くか、止めるかを一覧にしておくと、設定の抜けを見つけやすくなります。この一覧は、次に述べる手順書の土台にもなります。

ヘルプデスクの手順書に入れる項目

ここまでの確認項目を、ヘルプデスクが使う手順書にまとめます。手順書は、問い合わせを受けた担当者が、その場で答えを探せる形にします。統合の前後で問い合わせの中身が変わるので、展開が届く前に初版を作り、届いた後に実際の問い合わせで直していきます。

STEP1
どちらのアカウントかを聞く

まず、職場と個人のどちらのアカウントで開いているかを確かめてもらいます。切り替えの表示の見方を画像で示します。

STEP2
会社の方針を伝える

会社の端末で個人のアカウントを許しているかどうかと、業務の情報は職場のアカウントで扱う原則を伝えます。

STEP3
接続の問題を切り分ける

職場の側で開けない場合は、新しいアドレスへの接続と、チャットを止める設定の対象かどうかを確かめます。

STEP4
終了・移動した機能を案内する

見当たらない機能は、終了した機能の一覧と、場所が変わった機能の一覧で答えます。

STEP5
記録して手順書を直す

答えられなかった問い合わせは記録し、週に一度、手順書に反映します。

手順書には、答えるための情報だけでなく、ヘルプデスクが決めてはいけないことも書きます。個人のアカウントを例外として許すかどうか、特定の社員のチャットを開くかどうかは、ヘルプデスクの判断ではなく、情シスの責任者が決める事柄です。その場合の連絡先と、決まるまでの間の答え方を書いておきます。

手順書の最後には、参照した公式の文書の題名と、確かめた日付を書いておきます。画面や名前は今後も変わる可能性があるため、いつの時点の情報かが分かれば、古くなった箇所を見つけやすくなります。

周知文と手順書の下書きにAIを使う範囲

社員向けの周知文やヘルプデスクの手順書は、下書きにAIを使うと早く作れます。確かめた公式の文書の要点と、自社で決めた方針を渡し、社員向けに平易な言葉で3段落の周知文にしてほしい、と頼めば、たたき台はすぐにできます。

ただし、下書きに書かせる内容には、根拠を必ず添えさせます。どの記述がどの公式の文書に基づくかを、文ごとに示させると、人が確かめる手間が減ります。根拠の示せない記述が混ざっていれば、それは推測で書かれた可能性があるので削ります。日付や名前は特に、公式の文書と一字ずつ照らし合わせます。

AIに判断させないことも、はっきり決めておきます。個人のアカウントを許すかどうか、どのグループにチャットを開くか、テナント制限をどこまで効かせるかは、会社の方針と業務への影響を踏まえて情シスが決めることです。AIに、どう設定すべきかを尋ねて、その答えをそのまま方針にしてはいけません。

人が確認する範囲を先に決めておくと、AIの使いどころもはっきりします。事実の記述は公式の文書と照合する、方針の記述は責任者が承認する、表現の分かりやすさは数人の社員に読んでもらう。この3つの確認を通ったものだけを周知に出す、という流れにします。

実務仕様:アカウントごとのデータの扱い

最後に、統合後のアプリで、アカウントごとに何がどう分かれるかを、公式の案内で確かめた範囲で一覧にします。社内の周知や手順書の土台として使ってください。

項目職場・学校のアカウント個人のアカウント
アカウントの種類エントラのアカウント個人のマイクロソフトアカウント
主な入口新しいアプリ、共通の新しい領域のアドレス、エッジやアウトルック、チームズのチャット新しいアプリ、個人向けのアドレス、ビングのチャットなど
保護企業向けの保護と、組織の管理の設定が適用される企業向けの保護の対象外
データの行き来個人の側へは移らない職場の側へは移らない
会話・ファイル・権限職場の側で分かれて保たれる個人の側で分かれて保たれる
管理者が効かせられることチャットを止める・絞る、案内のリンク、エージェントの許可、キーの割り当て会社の端末でのサインインはテナント制限で管理

この表は、2026年9月の時点で確かめた公式の案内に基づいています。表の中身が変わっていないかを、四半期に一度は公式の文書で確かめ直すことを、情シスの定例の作業に入れておくと安心です。

表を社員向けに使うときは、管理者が効かせられることの行は外し、職場と個人のどちらで何をするかだけを残します。社員が知りたいのは設定の中身ではなく、自分がどちらで開けばよいかだからです。

まとめ

個人向けと職場向けのコパイロットのアプリは1つにまとまり、アプリの中でアカウントを切り替えて使う形になりました。データは設計上行き来しませんが、社員がどちらで開いているかを意識しなければ、業務の情報が個人の側に入ることは起こりえます。情シスが確かめるのは、社員が迷う場面、個人のアカウントを許すかどうかとテナント制限、ネットワークでの遮断に頼らないこと、新しいアドレスへの接続、職場のアカウントで使う理由の周知、終了した機能、チャットを止める設定、キーとエッジの入口、そしてヘルプデスクの手順書です。まずは個人のアカウントを許すかどうかの方針を決め、新しいアドレスへの接続を確かめるところから始めてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?

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