ChatGPT Sitesは使わせるべき?|公開してよいページの線

「ChatGPTでキャンペーンのページを作って、そのまま公開できると聞いた。現場に使わせて大丈夫なのか」「気づいたら、営業がお客様向けの案内ページを自分で作って送っていた」。どちらも、情シスやマーケの責任者から実際に出てくる声です。便利さとこわさが同じ機能の中に同居しているのですから、判断に迷うのは当然でしょう。ChatGPT Sitesは、会話からページやアプリを作り、置き場所まで用意して公開するところまでを一続きで行える機能です。ここで考えるべきなのは、使わせるか禁止するかの二択ではありません。本当は、どの範囲までなら、誰の確認を経て公開してよいかという線の引き方です。この記事では、全面禁止、社内公開だけ許す、条件付きで一般公開も許す、の3案を比べながら、公開してよいページの線を整理します。
カメ先生ChatGPTのサイト機能は、ページを作る道具と思われがちなんだけど、本当は「作ったものを、その場で世界中に公開できる」ところに重みがある機能なんだ。
カメ子作るだけなら試作と同じでも、公開のボタンが同じ画面にあるのが違うということですか。
カメ先生そう。しかも公開されたページは自社のサイトの外に立つ。だから、作ることは広く許しても、社外に公開してよいかは人が決める形にしておく必要がある。見た目や文面をAIに作らせるのはいいけれど、公開の可否をAIに判断させてはいけないよ。
カメ子作る権利と、公開する権利を分けて考えるんですね。
- ChatGPT Sitesは公開ベータの機能で、公開の範囲は持ち主だけからインターネット全体まで段階がある
- エンタープライズ版は一般公開が初期状態で無効、ビジネス版はサイト機能が初期状態で有効
- おすすめは「社内公開を基本に、一般公開は承認を経たものだけ」。AIの役目はページの試作まで
AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
ChatGPT Sitesで何ができるのか
ChatGPT Sitesは、ChatGPTの会話の中で、ウェブサイト、ウェブアプリ、簡単なゲームなどを作り、置き場所を用意し、直し、共有するところまでを行える機能です。公式の解説では、別の場所へ載せ替える作業なしに、作ったものをそのまま公開できると説明されています。会話の中で「サイト」と頼むか、サイトの機能を呼び出して始めます。
公式のヘルプでは、作れるものの例として、ダッシュボード、案件の進み具合の管理表、発売までの日程表、試作品、社内の案内ページ、報告書などが挙げられています。社内向けの小さな道具から、社外の人に見せるページまで、用途の幅がかなり広いのが特徴です。
もう一つの特徴は、ページの見た目だけでなく、データを保存する仕組みまで持てることです。公式の解説によると、表形式のデータベースを10ギガバイトまで、ファイルの保管場所を使え、フォーム、ファイルのアップロード、ChatGPTのアカウントでのログインにも対応しています。つまり、見る人から情報を受け取るページも作れるということです。
公開の手順は、版を保存する段階と、それを公開する段階の2つに分かれています。公式の解説は、公開のアドレスはすべて本番として扱われると書いています。試しに公開したつもりでも、そのアドレスを知った人から見える状態になる、ということです。この点が、使わせるかどうかを考えるときの出発点になります。
提供の段階と、使えるプラン
2026年9月時点の公式の解説では、ChatGPT Sitesは公開ベータ、つまり正式版の前の段階として提供されています。対象は、プラス、プロ、ビジネス、エンタープライズ、エデュの各プランで、無料のプランなどは対象外です。ベータの期間中は、プランごとに利用の上限が設けられています。
報道では、公開ベータは2026年7月に始まり、プロやエンタープライズなどが先に、プラスやビジネスが数日遅れて使えるようになったと伝えられています。また、欧州経済領域、スイス、英国では開始時点で提供されていなかったとも報じられています。国内の拠点しかない会社ではあまり関係しませんが、海外の拠点を持つ会社では地域によって使える状況が違う可能性があります。
ベータであることは、判断の材料として重く見ておくべきです。機能、上限、管理者の設定は、正式版までに変わる可能性があります。今の設定を前提に決めたルールが、数か月後には合わなくなることを見込んで、見直しの時期をあらかじめ決めておきます。
個人で契約しているプラスやプロのアカウントでも使える点にも注意が要ります。会社がビジネス版やエンタープライズ版で統制をかけていても、社員が個人のアカウントでページを作って公開すれば、その統制は届きません。会社の設定と、個人の契約での利用の禁止を、同時に決めておく必要があります。
公開の範囲は5段階ある
公式の解説によると、新しく作ったサイトは、初期状態では持ち主とワークスペースの管理者しか見られません。ここから、選んだ利用者やグループ、招待した社外の閲覧者、ワークスペース全体、インターネット全体へと、見られる範囲を広げていけます。どこまで広げられるかは、プランと管理者の設定によって決まります。
社外の人に見せたい場合でも、インターネット全体に公開する以外の道があります。公式のヘルプでは、持ち主が社外の特定の人を閲覧者として招待できると説明されています。取引先の担当者数人にだけ見せたい案内ページなら、一般公開ではなく、この招待で足ります。
アクセスの管理、サイトの名前やアドレスの変更、所有権の移転、秘密の情報の設定、独自のドメインの接続は、持ち主だけが行えるとされています。管理者は公開中のサイトを無効にできますが、誰に見せるかの細かい設定は持ち主の手の中にあるということです。持ち主が誰かを把握していないと、見せ方を直してもらうこともできません。
| 公開の範囲 | 見られる人 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 持ち主と管理者のみ | 作った本人と管理者 | 作りかけの試作 |
| 選んだ利用者・グループ | 指定した社内の人 | チーム内の管理表や報告 |
| 社外の招待閲覧者 | 名前を指定した社外の人 | 取引先数人への案内 |
| ワークスペース全体 | 社内の有効なメンバー全員 | 社内の案内ページ |
| インターネット全体 | アドレスを知った誰でも | 承認を経たキャンペーンのページ |
ビジネス版とエンタープライズ版で、初期状態が違う
公式のヘルプでは、法人向けの2つのプランで初期状態が違うと説明されています。エンタープライズ版では、インターネット全体への公開が初期状態で無効です。有効にするには、管理者がワークスペースの設定で一般公開を有効にし、さらに役割ごとの権限の設定で、サイトの作成と公開を許す人やグループを指定します。
一方、ビジネス版では、サイト機能が初期状態で有効になっていると説明されています。社外の閲覧者を招待する権限も、ビジネス版ではサイトの権限の一部として作る人に与えられています。ビジネス版の会社は、何もしなければ使える状態から判断を始めることになります。
エンタープライズ版の管理者は、役割ごとの権限で、誰が作れるか、誰が公開できるかを分けて決められます。社外の閲覧者を招待するには、そのための権限も別に要ります。作る権限と公開する権限を分けられることは、この記事で提案する線の引き方と相性がよい仕組みです。
どちらのプランでも、管理者はワークスペースの設定のサイトの欄から、公開中のサイトを無効にできます。問題のあるページを見つけたときの最後の止め方として、管理者がこの操作の場所を知っておくことが大切です。設定の名前や場所は変わることがあるので、自社の管理画面で実際に確かめておくとよいでしょう。
自社ドメインとブランドの外にページが立つ
サイト機能で公開したページは、初期状態ではChatGPTが用意するアドレスに置かれます。公式の解説では、持ち主がこのアドレスの一部を変えられると書かれています。つまり、見る人から見ると、会社の名前や商品名を含んだアドレスのページが、会社のサイトとは別の場所に立つことになります。
これは、見る人にとって本物かどうかを見分けにくいという問題を生みます。会社の正式なサイトの外にあるのに、ロゴや商品名が入ったページは、本物の告知なのか、なりすましなのかを受け取った人が判断できない状態です。社員が善意で作ったページでも、取引先から見れば怪しいページに見えることがあります。
独自のドメインを接続できる場合もありますが、その設定も持ち主だけが行える操作です。会社のドメインの設定を変える作業を、ページを作った社員が個別に行う形は避けるべきでしょう。ドメインの管理は情シスの担当として、社員個人が会社のドメインをつなぐことは認めないと決めておくのが安全です。
さらに、自社のサイトの外に立つページは、自社の計測の仕組みの外にもあります。GA4の設定、問い合わせの管理、個人情報の扱いの表示など、自社のサイトで整えてきた仕組みがそのページには入っていません。どれだけ見られたか、誰が情報を入れたかを、会社として把握できないページが増えていくことになります。
キャンペーンのページを勝手に作られたときの影響
マーケの部署でいちばん起きやすいのは、担当者がキャンペーンや催しの案内ページを自分で作って公開してしまうことです。ページを作ること自体は数分で済みます。しかし、社外に向けた告知には、表示の規制という別の重さがあります。
例えば、「業界最安」「満足度第1位」といった表現は、根拠を示せなければ景品表示法の問題になりえます。割引の期間や条件の書き方、懸賞の景品の額にも決まりがあります。自社のサイトなら法務や上長の確認を経て公開していたはずの文面が、サイト機能を使うと確認を飛ばして世に出るおそれがあります。AIが書いた文面は、それらしく見えるぶん、根拠のない表現が混ざっても気づきにくいものです。
もう一つは、個人の情報を受け取るフォームです。サイト機能ではフォームやデータの保存ができるため、申し込みのフォームを付けたページも作れます。そうなると、氏名やメールアドレスが、会社の管理する仕組みではなく、そのサイトの保存場所に溜まっていきます。利用目的の表示、保存の期間、誰が見られるかを決めないまま情報を集めることになります。
公式の解説では、医療の保護対象の情報、支払いのカードの情報、13歳未満の子どもを対象にした内容、なりすましやフィッシングなどは、サイト機能で扱ってはいけないとされています。会社として決めるルールは、この禁止事項の上に、自社の扱いの基準を重ねる形になります。公式の禁止事項を守っていれば十分、というわけではありません。
- 担当者がキャンペーンの案内ページを作り、上長の確認なしで一般公開する
- 申し込みのフォームを付けたページを公開し、集めた情報の扱いを誰も決めていない
- 会社のロゴと商品名を入れたページを、社外の取引先に独断で送る
3つの案を並べて比べる
ここまでの事実を踏まえて、会社としての選択肢を3つに整理します。案1は全面禁止、案2は社内公開だけ許す、案3は条件付きで一般公開も許す、です。どれが正解というより、会社の規模、社外に出す文面の確認の体制、個人の情報の扱いの成熟度によって向き不向きが変わります。
比べるときの軸は4つです。現場の便利さ、表示の規制や情報の扱いの危険、管理の手間、そして禁止したときに個人の契約へ流れる危険です。特に最後の軸は見落とされがちで、禁止を強めるほど、会社の見えない場所で使われるという逆の効果が出ることがあります。
| 比べる軸 | 案1 全面禁止 | 案2 社内公開だけ許す | 案3 条件付きで一般公開も許す |
|---|---|---|---|
| 現場の便利さ | 低い | 社内の道具や試作には十分 | 高い |
| 社外への表示の危険 | 会社の設定の上では無い | 招待の閲覧者に限れば小さい | 承認の運用しだい |
| 管理の手間 | 少ないが監視が要る | 中くらい | 大きい |
| 個人の契約へ流れる危険 | 高い | 中くらい | 低い |
| 向いている会社 | 情報の扱いが厳しい業種 | 多くの会社の出発点 | 確認の体制が整った会社 |
多くの会社にとって現実的なのは、案2から始めて、必要が明らかになった用途だけ案3に進める順序です。以下で、それぞれの案の中身と、選んだときに必ず決めておくことを見ていきます。
どの案を選ぶかは、情シスだけで決めないことも大切です。社外に出る文面の確認は法務や広報、個人の情報の扱いは個人情報の担当、現場の必要はマーケや営業が持っています。関係する部署が同じ表を見て決めると、あとから「聞いていない」と覆されにくくなります。
案1:全面禁止が合う会社と、その代償
全面禁止が合うのは、扱う情報の規制が厳しい業種や、社外に出す文面をすべて法務が確認する決まりのある会社です。エンタープライズ版なら役割ごとの権限でサイトの作成を許さない設定ができます。ビジネス版では初期状態で有効になっているため、管理者の設定で止める作業が要ります。
この案の代償は、現場の不満と、個人の契約への流出です。先に触れたとおり、サイト機能は個人のプラスやプロでも使えます。会社で禁止しても、社員が個人のアカウントで作ったページを取引先に送れば、会社の設定では止められません。禁止するなら、個人の契約での業務利用も禁止すると明文化する必要があります。
もう一つの代償は、試作の手段を失うことです。社内の打ち合わせで画面のイメージを見せる、手作業の管理表を小さな道具に置き換える、といった使い方は、表示の規制とも個人の情報とも関係がありません。全面禁止は、こうした安全な使い方まで止めてしまいます。
全面禁止を選ぶ場合も、期限を決めておくのがおすすめです。例えば、ベータの間は禁止し、正式版になった時点で見直す、といった形です。理由と見直しの時期が書かれた禁止は、現場も受け入れやすいものです。
案2:社内公開だけ許す
案2は、サイトを作ること、社内の人に共有することは許し、インターネット全体への公開は許さない形です。エンタープライズ版なら、初期状態で一般公開が無効なので、そのまま作成の権限だけを与えればこの形になります。ビジネス版では、公開の範囲の設定を管理画面で確かめたうえで、社内のルールで補います。
この案の良さは、便利さの大半を残しながら、表示の規制や個人の情報の危険を社内に閉じ込められることです。チームの進み具合の管理表、社内の案内ページ、会議で見せる試作といった使い方は、社内公開で十分に役立ちます。社外の目に触れないので、確認の手間も軽くできます。
社外の特定の人に見せたい場面では、社外の閲覧者の招待をどう扱うかを決めておきます。取引先の数人に試作を見せる程度なら招待を許し、ただし招待した相手と目的を記録に残す、といった条件が考えられます。招待はインターネット全体への公開よりも範囲が狭いですが、社外に出ることに変わりはありません。
社内公開だけでも、フォームで社員の情報を集めるページは作れます。社内のアンケートで個人の評価や健康に関わる内容を集めるといった使い方は、社内であっても扱いを決めてから行います。社内だから何を集めてもよい、とは考えないことを、ルールに一文入れておきます。
案3:条件付きで一般公開も許す
案3は、承認を経たページに限って、インターネット全体への公開を許す形です。短い期間の催しの案内や、商品の簡単な紹介のように、正式なサイトに載せるほどではないが社外に見せたいページが多い会社では、この案に進む理由があります。
エンタープライズ版では、一般公開を有効にしたうえで、公開の権限を持つ人を限ります。公開の権限は、ページを作る担当者ではなく、承認を行う立場の少数の人にだけ与えるのが基本です。作る人と公開のボタンを押す人を分けることで、承認の手順が仕組みの上でも守られます。
公開してよいページの条件も、あらかじめ決めておきます。例えば、個人の情報を集めるフォームを付けない、価格や効果をうたう表現は法務の確認を経る、会社のロゴを使うなら広報の確認を経る、公開の期間を決めて終わったら取り下げる、といった条件です。フォームがどうしても必要なら、自社で管理している申し込みの仕組みへの案内にとどめる形にしておくと安全です。
ビジネス版では、公開の権限をエンタープライズ版ほど細かく分けられない可能性があります。その場合は、公開の操作を行う前に承認の記録を残すことをルールで義務づけ、後で述べる棚卸しで承認のない公開を見つけて取り下げる、という運用で補うことになります。
マーケの使い方を3案に当てはめる
案の違いは、具体的な使い方に当てはめると分かりやすくなります。1つ目は、チームの週ごとの数字を並べる社内のダッシュボードです。見るのは社内の人だけで、個人の情報も入りません。これはどの案でも許してよい使い方で、案2の範囲で十分に役立ちます。元の数字が正しいかは、公開の前に担当者が表計算と照らし合わせます。
2つ目は、取引先に見せる提案の試作です。新しいサービスの画面のイメージを、打ち合わせの前に取引先の担当者数人に見てもらう、といった場面です。インターネット全体に公開する必要はなく、社外の閲覧者として相手を招待すれば足ります。案2に招待の条件を足した形で扱えます。提案の中の価格や納期は、試作であっても営業の責任者が確かめてから見せます。
3つ目は、展示会や催しの来場者に向けた案内ページです。不特定の人に見せるため、インターネット全体への公開が必要になり、案3の承認の流れに乗せることになります。会場の地図や日程のように事実だけを載せるページなら確認は軽く済みますが、特典や割引をうたう場合は表示の規制の確認が要ります。
4つ目は、催しの申し込みを受け付けるページです。これはフォームで個人の情報を集めるため、どの案でもサイト機能の中で完結させないほうが安全です。案内ページまではサイト機能で作り、申し込みのボタンは自社で管理している申し込みの仕組みへつなぐ、という分け方にしておけば、集めた情報は会社の仕組みの中に残ります。
一般公開までの承認の流れ
案3を選ぶ場合の承認の流れを、段階ごとに整理します。大事なのは、ページの中身の確認と、公開の範囲の確認を分けて行うことです。中身がよくても、公開の範囲が広すぎれば問題になりますし、その逆もあります。
ページの目的、見せる相手、公開の範囲、公開の期間、フォームの有無を書いて申請する。この時点では持ち主と管理者のみの公開にしておく。
価格・効果・比較の表現は法務、ロゴや商品名の使い方は広報が確認する。AIが書いた文面は、根拠のある事実だけが書かれているかを一文ずつ見る。
インターネット全体でなければならない理由があるかを確かめる。社外の数人で足りるなら、招待の閲覧者に切り替える。
公開の権限を持つ承認者が公開の操作を行い、アドレスと公開の日付、取り下げの予定日を台帳に書く。
取り下げの予定日に持ち主が公開をやめる。持ち主が対応できなければ管理者が無効にする。
承認の流れを重くしすぎると、現場は個人の契約へ流れます。公開の申請は短い書式で済むようにし、承認までの目安の日数を決めておきます。速く通る承認の流れは、禁止よりも統制が効くという考え方で設計します。
AIに任せるのはページの試作まで
サイト機能を使うとき、AIの使いどころは、ページの構成を考える、見た目を整える、文面の下書きを作る、といった試作の段階です。会議で見せる画面のイメージや、社内の管理表のような道具づくりでは、この試作がそのまま完成品になることもあります。
一方で、公開してよいかどうかをAIに判断させてはいけません。表示の規制に触れる表現があるか、会社の名前で出してよい内容か、集める情報の扱いが決まっているか、といった判断は、社外への責任を負う人が行うものです。AIに「この文面に問題はないか」と聞けば答えは返ってきますが、その答えは承認の代わりにはなりません。
AIに文面を書かせるときは、数字や事実の根拠を書き添えさせる指示を入れます。例えば「価格や数字を書くときは、どの資料に基づくかを括弧で添えて」と頼んでおけば、確認する人は根拠のない表現を見つけやすくなります。根拠の欄が空の表現は、公開の前に削るか、確かめてから残します。
人が確認する範囲は、ページを作り始める前に決めておきます。社外に公開するページ、フォームのあるページ、価格や効果を書くページの3つは必ず人が見る、といった線です。作り終えてから確認の範囲を考えると、手間を惜しんで線が甘くなります。
棚卸しと取り下げの手順
どの案を選んでも、公開中のページを定期的に棚卸しする仕組みが要ります。サイト機能で作ったページは、作った人が忘れても公開されたまま残ります。キャンペーンが終わったのにページが残り、古い価格や終わった条件が表示され続ける、といったことが起きます。
棚卸しでは、公開中のページごとに、持ち主、公開の範囲、公開の日付、承認の記録の有無、フォームの有無を確かめます。承認の記録がない一般公開のページが見つかったら、まず持ち主に取り下げを依頼し、対応がなければ管理者がワークスペースの設定から無効にします。月に一度、一般公開のページだけでも見ることを目安にします。
持ち主の異動や退職も、棚卸しの対象です。公式のヘルプでは、所有権の移転は持ち主だけが行える操作とされています。持ち主がいなくなってからでは移せなくなるおそれがあるため、退職や異動の手続きの中で、持っているサイトの移転か取り下げを済ませるようにします。
フォームで情報を集めていたページは、取り下げたあとも、集めた情報をどうするかが残ります。決めておいた保存の期間が過ぎたら消す、必要なものは会社の管理する仕組みに移す、といった後始末までを、取り下げの手順に含めておきます。
- 公開の範囲、初期状態、管理者の設定は、2026年9月時点で確認したオープンエーアイの公式のヘルプと解説による。公開ベータのため変わる可能性がある
- AIに作らせた社内の道具を段階ごとに区分する考え方や申請の一般論は、別の記事で扱っている
使わせる前の確認項目一覧
最後に、ChatGPT Sitesを社内で使わせる前に確かめておく項目を一覧にします。案1、案2、案3のどれを選ぶ場合でも、この項目に答えを書いてから始めると、あとで判断がぶれにくくなります。
- 自社のプランがビジネス版かエンタープライズ版かと、サイト機能のいまの状態を管理画面で確かめた
- 3案のどれを選ぶかと、その理由・見直しの時期を書いた
- 作る権限と公開する権限を、誰に与えるかを分けて決めた
- 社外の閲覧者の招待を許すか、許すなら記録の残し方を決めた
- 個人の契約での業務利用を禁止するかを決め、周知した
- 会社のドメインを社員個人がつなぐことを認めないと決めた
- フォームで個人の情報を集めてよいか、集めるなら扱いの基準を決めた
- 価格・効果・比較の表現を公開前に誰が確認するかを決めた
- 公開中のページの台帳と、棚卸しの頻度を決めた
- 退職や異動のときに、持っているサイトを移すか取り下げる手順を入れた
- 管理者が公開中のサイトを無効にする操作の場所を確かめた
これらの項目のうち、答えを書けないものが残るうちは、一般公開を許さない案2にとどめておくのが無難です。項目が埋まった範囲から、少しずつ使える範囲を広げていきます。
まとめ
ChatGPT Sitesは、会話からページを作り、そのままインターネット全体に公開できる公開ベータの機能です。公開の範囲には段階があり、エンタープライズ版では一般公開が初期状態で無効、ビジネス版ではサイト機能が初期状態で有効です。多くの会社にとっては、社内公開を基本にし、一般公開は作る人と公開する人を分けた承認を経たものだけに許す形が出発点になります。AIに任せるのはページの試作までで、公開してよいかは社外への責任を負う人が決めます。自社のサイトの外にページが立つこと、フォームで情報が溜まることを前提に、台帳と棚卸しの仕組みを先に用意しておきましょう。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
