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新商品・提携・人事の社内の決定メモからプレスリリースの下書きを作り、数字・固有名詞・公表日を元資料と照らして広報の確認に回す

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

事業部から届く新商品・提携・人事の決定メモと、自社の表記ルールから、プレスリリースの下書きを作ります。下書きに出てくる数字・社名・製品名・日付を1つずつ書き出し、元資料のどこにあるかを照合表にして、広報の確認に回します。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
対象業界
IT・SaaS/小売/製造/金融
対象部門
マーケティング
対象業務
内容確認・チェック/書類作成
主な課題
属人化している/書類作成に時間がかかる/確認ミスが多い
AIで行う処理
生成
主な効果
入力漏れ削減/品質標準化/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
必須
現在工数
48h/月
AI導入後
20h/月
想定削減
58%
年間削減
336h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 事業部から決定メモと関係する資料(仕様の資料、稟議、提携の合意の要旨など)が届く
  2. 広報の担当がメモを読み、足りない情報を事業部に問い合わせる
  3. 過去の似たリリースを探し、構成と言い回しを参考にする
  4. 見出し・リード・本文・会社概要を書き起こす
  5. 書き上げた下書きの数字・社名・製品名・日付を、メモと資料に戻って1つずつ確かめる
  6. 事業部、提携先の広報、上場会社なら開示の担当に確認を回す
  7. 戻ってきた修正を反映し、最終の確認を経て配信する
導入後(After)
  1. 人事業部から決定メモと資料が届く
  2. 人広報の担当が、ChatGPT のプロジェクト「プレスリリース」で新しいチャットを始め、メモと資料を貼るか添付する
  3. 自動ChatGPT が、元資料から「書くこと」を抜き出し、足りない項目を一覧で返す
  4. 人足りない項目を事業部に問い合わせ、答えを同じチャットに足す
  5. 自動ChatGPT が、プロジェクトの表記ルールと定型文に沿って下書きを作る
  6. 自動ChatGPT が、下書きの数字・固有名詞・日付を書き出し、元資料のどこにあるかを照合表にする
  7. 人広報の担当が、照合表の「元資料に無い」と「要確認」の行を先に見て、下書きを直す
  8. 人照合表で「開示の担当の確認」に印が付いたものは、開示の担当に回す
  9. 人事業部と関係先の確認を経て、配信する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 事業部から決定メモと関係する資料(仕様の資料、稟議、提携の合意の要旨など)が届く
  2. 広報の担当がメモを読み、足りない情報を事業部に問い合わせる
  3. 過去の似たリリースを探し、構成と言い回しを参考にする
  4. 見出し・リード・本文・会社概要を書き起こす
  5. 書き上げた下書きの数字・社名・製品名・日付を、メモと資料に戻って1つずつ確かめる
  6. 事業部、提携先の広報、上場会社なら開示の担当に確認を回す
  7. 戻ってきた修正を反映し、最終の確認を経て配信する

(a)毎回ゼロから書き起こしている。 似たリリースを探すところから始まり、構成と言い回しを過去の文から拾い直します。同じ「新機能の提供開始」でも、担当者によって見出しの付け方とリードの長さが違います。

(b)照合が後回しになる。 5番目の照合は、書き上げた後にまとめて行います。締め切りが近いと、数字の照合だけを済ませて、社名や役職の表記は「たぶん合っている」で通ってしまいます。

(c)書き足しに気づかない。 書き起こすうちに、元のメモに無い言葉が入ります。「業界初」「大幅に」「多くの企業で」。書いた本人には自然な言い回しで、照合の段では数字ではないので見落とします。 根拠を問われて答えられない表現が、そのまま配信されます。

(d)開示の担当への回し忘れ。 提携や新事業のリリースのうち、どれを開示の担当に見せるかは担当者の判断に頼っています。見せるべきものを広報だけで出してしまう危険が、担当者の経験の差になって残っています。

(e)見本になるリリースが探せない。 過去のリリースは配信サービスと社内の文書共有に散らばり、題材ごとに整理されていません。「前回の提携のときはどう書いたか」を探すだけで10分以上かかることがあり、見つからなければ別の題材の文を手直しして使います。結果として、同じ題材のリリースでも見出しの型が回ごとに変わります。

  1. 【人】 事業部から決定メモと資料が届く
  2. 【人】 広報の担当が、ChatGPT のプロジェクト「プレスリリース」で新しいチャットを始め、メモと資料を貼るか添付する
  3. 【自動】 ChatGPT が、元資料から「書くこと」を抜き出し、足りない項目を一覧で返す
  4. 【人】 足りない項目を事業部に問い合わせ、答えを同じチャットに足す
  5. 【自動】 ChatGPT が、プロジェクトの表記ルールと定型文に沿って下書きを作る
  6. 【自動】 ChatGPT が、下書きの数字・固有名詞・日付を書き出し、元資料のどこにあるかを照合表にする
  7. 【人】 広報の担当が、照合表の「元資料に無い」と「要確認」の行を先に見て、下書きを直す
  8. 【人】 照合表で「開示の担当の確認」に印が付いたものは、開示の担当に回す
  9. 【人】 事業部と関係先の確認を経て、配信する

3番目を下書きより先に置いているのが、この設計の要です。 元資料に提供開始日が無いまま下書きを作らせると、AIは日付を空欄にせず、それらしい言い回しでぼかした文を書きます。 先に足りない項目を出させれば、事業部への問い合わせが1回で済みます。

6番目の照合表は、下書きと同じチャットで、続けて作らせます。 元資料と下書きの両方がチャットの中にあるうちに照らすのがいちばん確実です。ただし、照合表もAIの出力です。 7番目で人が元資料に戻って確かめる工程は省きません。

02今回想定するシステム構成

構成図
事業部・人事・経営企画 ── 決定メモと資料
   ▼
ChatGPT のプロジェクト「プレスリリース」(会社のワークスペース)
   │ プロジェクトの指示 … 書き方の手順、書き足しの禁止、照合表の形
   │ Sources … 表記ルール、会社概要の定型文、製品名・役職の正式表記の一覧、
   │            過去のリリース(題材ごとに数本)
   ▼
広報の担当 ── リリース1本ごとに新しいチャット
   │ ①書くことの抜き出しと、足りない項目
   │ ②下書き
   │ ③照合表(数字・固有名詞・日付 → 元資料の箇所)
   ▼
広報の担当が照合表を見て直す
   ├──▶ 開示の担当の確認(印が付いたもの)
   ▼
事業部・関係先の確認 ──▶ 配信サービスで配信
役割想定する製品代替候補
処理ChatGPT(業務用ワークスペースのプロジェクト機能)Claude、Gemini
文書社内の文書共有(決定メモ、表記ルール、過去のリリース)Google ドライブ、SharePoint
配信自社で契約している配信サービス自社サイトのニュースの欄

新しく足すのは、ChatGPT の業務用のワークスペースと、その中のプロジェクト1つだけです。 配信サービスと文書共有は今のまま使い、プログラムは書きません。

プロジェクトは、関連するチャット・ファイル・指示・ソースをまとめておく機能です。 プロジェクトの指示は、そのプロジェクトのチャット全体に適用されます。書き方の手順と照合表の形をプロジェクトの指示に一度書けば、担当者が毎回貼り直す必要がありません。 表記ルールや過去のリリースのように、どのチャットでも使うファイルは Sources に置き、そのチャットだけに使う決定メモはチャットに直接添付します。

公式の案内は、成果ごとに別のチャットを始めることを勧めています。 この構成ではリリース1本につきチャットを1つにします。前のリリースの決定メモが同じチャットに残っていると、別のリリースの数字が混ざる余地ができるからです。

プロジェクトを広報の3名で共有します。 共有すると、プロジェクトに直接アップロードしたファイルはメンバーが引き続き使えます。表記ルールを更新したら、プロジェクトの Sources の版を差し替えるのを広報の誰か1人の役目にします。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

事業部から決定メモが届いたことを起点にします。 届いたら、広報の担当がその日のうちにプロジェクトで新しいチャットを始め、まず「書くことの抜き出しと、足りない項目」だけを出させます。 下書きはまだ作らせません。

足りない項目の問い合わせは、届いた当日に事業部へ返します。問い合わせが遅れると、事業部の担当者が別の仕事に移り、答えが返ってくるまでに数日かかります。 抜き出しは数分で出るので、メモを受け取ったその場で返せます。

提携のリリースは、相手の会社との公表日の合意が先です。公表日が決まっていない段階でも下書きは作れますが、照合表の公表日の行は「未定」のまま残します。

人事のリリースは、取締役会の決議の前に下書きまで進めておき、決議の後に確定版の発令を添付して照合表だけを作り直させます。 決議の前の案のまま配信の段に進まないよう、照合表の元資料の欄に版の名前が出ることを確かめます。

Step2

入力データを集める

データ中身置き場所
決定メモ何を、いつ、誰が、どこで。数字と固有名詞チャットに添付
関係する資料仕様の資料、稟議、提携の合意の要旨、人事の発令の案チャットに添付
表記ルール数字と単位の書き方、社名の書き方、英字の表記、禁じる言い回しプロジェクトの Sources
会社概要の定型文社名、所在地、代表者、設立、事業内容の決まった文プロジェクトの Sources
正式表記の一覧製品名・プラン名・役職名・主な取引先の正式な表記プロジェクトの Sources
過去のリリース新機能・提携・人事・事例・イベントごとに2〜3本プロジェクトの Sources

質を決めるのは、正式表記の一覧です。 製品名の大文字と小文字、プランの呼び方、役職の正式な名前を一覧にしておけば、照合表で下書きの表記と一覧を突き合わせられます。一覧が無いと、AIは決定メモの書き方をそのまま使い、メモの表記ゆれがリリースに出ます。

過去のリリースは題材ごとに数本に絞ります。 何十本も置くと、似た題材の古いリリースの数字や社名を拾ってくる余地が増えます。型を学ばせるための見本であって、情報の出どころではないことを、プロジェクトの指示にも書きます。

会社概要の定型文は、変えずに貼らせます。 資本金や従業員数をAIに書かせると、過去のリリースの古い数字を使うことがあります。定型文はそのまま末尾に置く、と指示します。

Step3

データの取得方法を決める

決定メモと資料は、事業部から届いたファイルをそのままチャットに添付します。添付は、そのチャットだけで使う資料の置き方です。 表記ルールや定型文と違い、リリースごとに中身が変わるからです。

取るものどこから何に使うか
決定メモと資料事業部から届いたファイル下書きの中身と、照合の元
表記ルール・定型文・正式表記の一覧プロジェクトの Sources下書きの表記と、照合表の表記の行
過去のリリースプロジェクトの Sources構成と言い回しの見本
公表日と解禁の時刻広報が決めてチャットに書く下書きの日付の欄と、照合表

公表日は、AIに決めさせません。 広報が「公表日は2026年10月14日(水)」のようにチャットに書きます。曜日も人が書き、照合表で日付と曜日が合っているかを並べて見せます。

稟議の資料をそのまま添付するときは、公表しない情報(原価、社内の見込み、相手の会社との交渉の経緯)が含まれていないかを先に見ます。含まれているものは、その部分を消した写しを添付します。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. ファイル名に題材と日付を付ける … 「20261014_提携_決定メモ.pdf」のように。照合表で元資料を名前で示すためです
  2. 公表しない情報を消す … 原価、社内の見込み、交渉の経緯、個人の評価にあたる記載
  3. 人事のリリースは発令の案の版を確かめる … 取締役会の前の案と後の確定版が混ざらないようにします
  4. 提携のリリースは相手の会社の正式な名称を一覧に足す … 初めての相手なら、相手の会社の公式サイトの会社概要で確かめてから足します
  5. 公表日と解禁の時刻をチャットの最初に書く … 決まっていなければ「未定」と書きます

2番目を軽く見ないでください。 下書きに出なくても、チャットに入れた情報は会話の中に残ります。リリースに不要な情報は、そもそも入れないのがいちばん確実です。

Step5

AIに処理させる

させるのは3つで、この順に1つずつ出させます。 書くことの抜き出し、下書き、照合表です。

段させること判断できないときの扱い
① 抜き出し題材の種類(新機能・事例・提携・人事・イベント)、5W1H、数字、固有名詞、日付を元資料から抜き出す。題材ごとの必須項目のうち元資料に無いものを一覧にする元資料に無い項目は「元資料に無い」
② 下書き見出し・リード・本文・問い合わせ先・会社概要の構成で、①の内容だけを使って書く無い項目は【要確認:○○】と書いて空ける
③ 照合表下書きの数字・固有名詞・日付・比較の言い回しを1つずつ書き出し、元資料のファイル名と該当の文を並べる結び付かないものは「元資料に無い」

②の【要確認:○○】が、この構成でいちばん大事な書き方です。 元資料に無い項目を空けずに文を整えようとすると、AIは「近日中に」「順次」のような言葉でぼかします。ぼかした文は読み手に誤りと気づかれにくく、照合表にも出ません。 空けて目立たせるほうが、確認が速く確実です。

③で「比較の言い回し」も書き出させます。 「業界初」「最大」「大幅に」「従来比」は数字でなくても、根拠が要る表現です。元資料に根拠が無ければ「元資料に無い」と出させ、広報が消すか、事業部に根拠を求めます。

させないこと理由
元資料に無い数字・実績・市場の規模の追加根拠を問われて答えられない
公表日・解禁の時刻の決定関係先との合意と開示の手続きで決まる
適時開示に当たるかの判断開示の担当と、必要なら取引所に確かめる
提携先・人物のコメントの創作談話は本人の確認を経たものしか使えない
会社概要の書き換え定型文をそのまま使う

4行目は特に注意します。 リリースには「〇〇社 代表取締役 △△氏のコメント」の欄がよくあり、空けておくとAIはそれらしい談話を書きます。 本人が言っていないコメントを配信すれば、相手の会社との関係に関わります。談話の欄は、受け取った文をそのまま貼るか、【要確認:コメント】で空けます。

Step6

指示内容を固定する

プロジェクトの指示に置く文の例です。 担当者はチャットで「抜き出し」「下書き」「照合表」と順に頼むだけにします。

あなたは当社の広報担当として、社内の決定メモからプレスリリースの下書きを作ります。
元資料に書かれていることだけを使ってください。推測や一般論で埋めないでください。

【手順】担当者の指示に従い、次の3つを1つずつ出してください。
1. 抜き出し:題材の種類、5W1H、数字、固有名詞、日付を元資料から抜き出し、
   題材ごとの必須項目のうち元資料に無いものを「元資料に無い項目」として列挙する
   - 新機能:名称、提供開始日、対象のプラン、料金の変更の有無、問い合わせ先
   - 提携:相手の正式な名称、提携の内容、開始日、双方の役割、公表の合意
   - 人事:氏名、新旧の役職、異動の日付、決議の機関と日付
2. 下書き:見出し(40字以内)、リード(150字以内)、本文、問い合わせ先、会社概要
3. 照合表:下書きの数字・固有名詞・日付・比較の言い回しを1行ずつ書き出し、
   元資料のファイル名と該当する文をそのまま写す

【厳守事項】
- 元資料に無い数字、実績、市場の規模、顧客の数を書かないでください。
- 「業界初」「最大」「No.1」「大幅に」などの比較や程度の言葉は、
  元資料に根拠の文がある場合だけ使ってください。
- 元資料に無い項目は、文をぼかさず【要確認:項目名】と書いて空けてください。
- 社外の人物や提携先のコメントを作らないでください。
  受け取った談話が無ければ【要確認:コメント】と書いてください。
- 製品名・役職名・社名は、Sources の「正式表記の一覧」の表記を使ってください。
  一覧に無いものは、元資料の表記のまま使い、照合表で「一覧に無い」と示してください。
- 会社概要は Sources の定型文をそのまま使い、数字を書き換えないでください。
- 過去のリリースは構成と言い回しの見本です。数字や社名を持ち込まないでください。
- 日付は担当者が書いた公表日を使い、曜日も担当者の書いたとおりにしてください。
- 題材が新製品・新技術の企業化、業務上の提携、新たな事業の開始、
  代表取締役の異動のいずれかに見える場合は、照合表の先頭に
  「開示の担当の確認:要」と書いてください。当たるかどうかの判断は書かないでください。

最後の項目で「判断は書かない」と念を押すのは、聞かれなくても結論を書くからです。 「適時開示の対象には当たらないと考えられます」の一文が下書きに残ると、広報が開示の担当に回さない理由になってしまいます。 出させるのは「確認が要る」という印だけです。

「過去のリリースから数字を持ち込まない」も、明記しないと起きます。 過去のリリースの会社概要の従業員数や、前回の提携の相手の名前が、似た文の中に紛れ込みます。

Step7

出力形式を固定する

①の抜き出しは、次の形で出させます。 事業部への問い合わせにそのまま転記できるよう、足りない項目を最後にまとめます。

【題材の種類】業務上の提携
【何を】在庫管理のクラウドサービスと、○○社の物流の受託サービスの連携
【いつ】提供開始:2026年11月4日(決定メモ 2行目)/公表日:2026年10月14日(水)(担当者の指示)
【誰が】当社、○○株式会社(決定メモの表記)
【数字】連携の対象:当社サービスの全プラン(資料 p.2)
【元資料に無い項目】
- 相手の会社の役割の説明(決定メモに記載なし)
- 公表について相手の会社と合意したか(記載なし)
- 相手の会社の談話(受け取っていない)
【開示の担当の確認】要(題材が業務上の提携に見えるため)

抜き出しの各行に、元資料の箇所を括弧で付けさせます。 この時点で出どころが書けない行は、下書きに進む前に消すか問い合わせます。下書きの後で照合するより、ここで止めるほうが手戻りが小さく済みます。

照合表は、次の表の形で出させます。 広報の担当が上から順に元資料に戻って確かめられる並びにします。

区分下書きの表記元資料元資料の該当の文状態
日付2026年10月14日(水)担当者の指示公表日は2026年10月14日(水)一致
社名株式会社○○20261014_提携_決定メモ.pdf提携先:○○株式会社表記が違う
数字導入社数1,200社--元資料に無い
比較業界初--元資料に無い
製品名○○ Cloud正式表記の一覧○○ Cloud一致

状態は「一致」「表記が違う」「元資料に無い」「一覧に無い」の4つに限ります。 状態を絞ると、担当者は太字の行だけを先に見れば済みます。

表にする理由は、確認を1行ずつ終わらせられるからです。 下書きの文を読みながら数字を探す確認は、文の流れに引っ張られて見落とします。表なら、1行ごとに元資料と見比べて印を付け、全部の行に印が付いたら照合が終わりという形になります。

2行目の「表記が違う」は、AIの照合がいちばん役に立つ場面です。 「株式会社○○」と「○○株式会社」の違いは、人が文を読んでいるとき最も見落としやすい誤りです。ただし、どちらが正しいかはAIに決めさせません。 相手の会社の公式な表記を、広報が確かめます。

Step8

システムへ連携する

この構成では、ほかのシステムとは自動でつなぎません。 ChatGPT のプロジェクトの中で下書きと照合表を作り、広報の担当が社内の文書共有に貼り付けて確認に回します。

つなぎ先方式内容
社内の文書共有担当者が貼り付け下書きと照合表を確認用の文書にする
事業部・関係先既存の確認の流れ下書きを確認に回す
開示の担当既存の連絡の経路印が付いたものを回す
配信サービス担当者が入稿確認を経た最終の文を配信する

配信サービスへの入稿は、人の手で行います。 下書きを自動で入稿できる形にすると、確認の途中の版が配信される経路ができます。確認を経た最終の版だけが、人の手で配信サービスに入るようにします。

Step9

人が確認する

広報の担当は、全件の照合表を1行ずつ確かめます。 見る順番を決めておきます。

  1. 「元資料に無い」の行を先に見る … 消すか、事業部に根拠を求めます。比較の言い回しは、根拠が無ければ消します
  2. 「表記が違う」「一覧に無い」の行を見る … 正しい表記を確かめ、正式表記の一覧に足します
  3. 「一致」の行を元資料に戻って確かめる … 照合表もAIの出力なので、元資料の該当の文が本当にあるかを見ます
  4. 【要確認】の箇所を埋める … 事業部の答えを入れ、照合表を作り直させます
  5. 「開示の担当の確認:要」があれば回す … 印が無くても、迷えば回します

3番目を省かないでください。 照合表の「一致」は、AIが元資料の文を写したという主張です。写したはずの文が元資料に無いこともあります。 一致の行こそ、元資料を開いて見ます。

5番目は、印の有無にかかわらず担当者が決めます。 印はAIが題材の種類から付けたもので、付いていないことは確認が要らないことを意味しません。

目安は、照合表の確認に1本35分です。 照合表が30行を超えるリリースは、元資料の量が多いか、下書きが長すぎます。見出しとリードを短くし、本文の段落を絞ってから照合表を作り直させるほうが、確認の時間も読み手の負担も減ります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
決定メモに必須項目が足りない①の「元資料に無い項目」をそのまま事業部への問い合わせにする
公表日が決まっていない照合表の日付の行を「未定」のまま残し、決まってから作り直させる
提携先の正式な名称が分からない相手の会社の公式サイトで確かめ、正式表記の一覧に足す
談話が届いていない【要確認:コメント】のまま確認に回し、受け取ってから貼る
元資料どうしで数字が食い違う照合表に両方の元資料を並べ、事業部に確かめる
下書きが過去のリリースの数字を拾った照合表で「元資料に無い」に出る。消して作り直させる
公表しない情報が下書きに出た消したうえで、元資料の写しから該当部分を消して添付し直す
長い資料で抜き出しが漏れる資料を章ごとに分けて添付し、抜き出しを章ごとに出させる
公表日の直前に内容が変わった新しい決定メモを添付し、下書きを直すより先に照合表を作り直させる
提携先の広報から文面の修正が届いた修正の文を元資料として添付し、照合表の該当の行の元資料を差し替える

上から2行目までが大半を占めます。 どちらもAIの問題ではなく、決定メモの段階で情報がそろっていないことの表れです。①の一覧が、事業部の決定メモの雛形を直す材料になります。

Step11

記録を残す

  • 決定メモと資料の版(チャットに添付したファイル)
  • ChatGPT の出した①抜き出し、②下書き、③照合表
  • 広報が照合表に付けた確認の印と、直した箇所
  • 事業部・関係先・開示の担当の確認の記録
  • 配信した最終の版と配信の日時
  • 「元資料に無い」が出た表現の種類と件数(月ごと)

3つ目の確認の印は、社内の文書共有の確認用の文書に残します。 チャットの中だけに残すと、後から誰がどの行を確かめたかをたどれません。照合表を文書に貼り、行ごとに確認者の印を付けます。

最後の行は、表記ルールと決定メモの雛形を直す材料になります。 同じ書き足しが続くなら、プロジェクトの指示の禁じる言い回しに足します。部署ごとに「元資料に無い項目」の件数を数えると、決定メモの書き方を相談すべき部署も見えてきます。訂正のリリースを出したときは、その誤りが照合表のどの行で見逃されたかも、あわせて記録します。

04実装レベルの3段階

最小構成:ChatGPT のチャットに指示と表記ルールを貼り、決定メモから下書きと照合表を出させる / 1本ごとの下書きと照合表
半自動化:上記+業務用のワークスペースにプロジェクトを作り、指示と表記ルール・定型文・正式表記の一覧・見本を Sources に置いて広報で共有する / 書き方と照合の形の統一
本格構成:上記+決定メモの入力フォームを作り、API で抜き出しと下書きと照合表を自動で作って確認用の文書に書き出す / 決定メモの受け取りから照合表までの流れ

最小構成では、担当者ごとに貼る指示と表記ルールの版がずれます。 月12本に使い続けると、誰が古い表記ルールを貼ったかが分からなくなります。確かめるための段階です。 半自動化で、1本240分が100分になります。 書き起こしと照合の準備がAIの側に移り、広報が行うのは照合表の確認と直しです。本記事の想定はこの段階で、プログラムを書かずに組めます。 本格構成は、半自動化を3か月回してから考えます。 決定メモの雛形が固まり、題材ごとの必須項目が安定してからでないと、入力フォームの項目を決められません。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
12 件
1件あたり現在時間
240 分
1件あたり導入後時間
100 分
現在  12件 × 240分 ÷ 60 = 48 時間/月
導入後 12件 × 100分 ÷ 60 = 20 時間/月
月間削減時間
28h
削減率
58%
年間削減時間
336h
年間金額換算(時間単価4,000円)
134万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 新機能の提供開始、導入事例、他社との提携、役員の異動などのプレスリリースを月に10本前後出しており、2〜3名の広報が事業部の決定メモや稟議の資料から毎回ゼロから書き起こしている会社。リリースの表記ルール、会社概要の定型文、製品名の正式な表記の一覧がある(または作れる)場合。社員が使える ChatGPT の業務用のワークスペースを用意できる場合。
向いていない
  1. リリースが年に数本で、広報が1本ずつ時間をかけて書けている場合。決定メモが無く、事業部への聞き取りから書く内容を固めている場合(この構成は元資料にあることしか書きません)。上場会社で適時開示に当たる情報を、開示の手続きと切り離して広報だけで出そうとしている場合。なお、開示の要否、公表してよい範囲と時刻の判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 過去3か月のリリースから5本を選ぶ(新機能・提携・人事を1本以上ずつ入れる)
  2. その5本の元になった決定メモと資料を集める
  3. ChatGPT のチャットに、第7章の指示と表記ルールを貼り、決定メモを添付して下書きと照合表を出させる
  4. 出てきた下書きを、実際に配信したリリースと並べて見る
  5. 照合表の「元資料に無い」が、配信したリリースでどう扱われていたかを確かめる

5本は必ずやってください。 プロジェクトを作る前に、「決定メモだけで下書きが書けるのか」を確かめます。

出てきた内容判断
配信した版に近い下書きと、筋の通った照合表が出たプロジェクトを作って広報の3名で共有する
【要確認】ばかりの下書きになった決定メモの雛形が先。 事業部に書いてもらう項目を決める
元資料に無い言い回しが残る指示の禁じる言い回しを具体的に足す。構成は有効

2行目が出ることは珍しくありません。 失敗ではなく、広報が書き起こしの前に事業部と何往復もしていた理由が見えたということです。 必須項目を決定メモの雛形に入れてもらうだけで、AIの有無にかかわらず書き起こしが速くなります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
元資料に無い数字や実績が入る指示で禁じ、照合表で「元資料に無い」として出させる
足りない項目をぼかした文で埋める【要確認:項目名】で空けさせる
「業界初」などの言い回しが残る比較の言い回しも照合表に出させ、根拠が無ければ消す
談話をAIが作る受け取った文だけを使い、無ければ空ける
過去のリリースの数字が紛れ込む見本は題材ごとに数本に絞り、数字を持ち込まないと指示する
会社概要の数字が古い定型文をそのまま使わせ、定型文の更新を担当の役目にする
照合表の「一致」を信じて通す一致の行も元資料に戻って確かめる
別のリリースの資料が混ざるリリース1本につきチャットを1つにする
開示の担当への回し忘れ印を出させるが、印が無くても迷えば回す
公表しない情報が下書きに出る添付する前に消した写しを作る

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、AIが「文を完成させよう」とすることから起きます。空けることを許し、空いた箇所を照合表で目立たせることで、人が見るべき箇所がはっきりします。

7行目も、慣れたころに起きます。 照合表の太字の行だけを見る運用が続くと、「一致」の行は誰も開かなくなります。月に1本は、一致の行を含めて全部の行を元資料に戻って確かめる日を決めておくと、照合表そのものの誤りに気づけます。

最後の2行は、仕組みではなく運用の決め事で防ぎます。 開示の担当に回す基準と、添付する前に消す情報の一覧を、プロジェクトの指示とは別に広報の手順書に書いておきます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 公表前の新商品の情報、提携の内容と相手の会社の名前、役員の人事、場合によっては業績に関わる数字です。公表されるまでは、社内でも知っている人を限るべき情報です。

  1. 業務用のワークスペースで使う … 公式の案内では、Business、Enterprise、Edu のワークスペースのデータは既定でモデルの学習に使われないとされています。個人のアカウントで公表前の情報を扱わないでください
  2. プロジェクトの共有を広報のメンバーに限る … 共有すると、プロジェクトに直接アップロードしたファイルはメンバーが使えます。公表前の決定メモはプロジェクトではなくチャットに添付し、共有の範囲を広げないでください
  3. 上場会社は、適時開示と内部者取引の規制を先に考える … 東京証券取引所は、TDnet を通じて開示した会社情報が適時開示情報閲覧サービスに掲載された時点で、法令上の重要事実の公表措置が完了するとしています。開示に当たる情報をリリースで先に出さないよう、開示の担当と順番を決めてください
  4. この構成は開示の判断を代替しない … 「開示の担当の確認:要」の印は題材の種類から付けた目安です。当たるかどうかは開示の担当が決めます
  5. 談話と第三者の情報をAIに作らせない … 提携先の名前やコメントは、相手の会社の確認を経たものだけを使います
  6. 公表しない情報をチャットに入れない … 原価、社内の見込み、交渉の経緯は、添付する前に消します

誤りが起きた場合のリスクは、元資料に無い表現や誤った数字が配信されることと、開示に当たる情報が手続きの前に出ることの2つです。 前者は照合表と人の確認で防ぎ、後者はAIではなく、広報と開示の担当の手順で防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:正式表記の一覧と決定メモの必須項目を作る

製品名・プラン名・役職名・主な取引先の正式な表記を一覧にします。題材ごと(新機能・提携・人事)に、決定メモに書いてほしい必須項目を決め、事業部に伝えます。

2週目:5本で試す

過去のリリース5本の決定メモで下書きと照合表を出させ、配信した版と比べます。元資料に無い言い回しが出ていないか、【要確認】で空けているかを最優先で見ます。

3週目:開示の担当と回す題材を決める

どの題材のリリースを開示の担当に回すかを、開示の担当と決めます。 照合表に印を出させる題材の一覧も、ここで決めます。

4週目:プロジェクトを作って共有する

業務用のワークスペースにプロジェクトを作り、指示と表記ルール・定型文・正式表記の一覧・見本を置いて、広報の3名で共有します。最初の1か月は、これまでどおり書き起こした版と並べて比べます。

2か月目: 照合表の確認の印を社内の文書共有に残す形にし、「元資料に無い」が出た表現を数えます。3か月目以降: 禁じる言い回しと決定メモの雛形を直し、1本240分が何分になったかを実測します。事業部の決定メモに必須項目がそろって届き、照合表の確認だけで配信に回せるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-07/最終更新:2026-10-07
確認した内容情報源確認日
プロジェクトが関連するチャット・ファイル・指示・ソースをまとめること。プロジェクトの指示がそのチャット全体に適用されること。全体で使うファイルは Sources に置き、そのチャットだけのファイルはチャットに添付すること。成果ごとに別のチャットを始めることが勧められていることChatGPT docs: Projects and chats2026-10-07
プロジェクトを共有したとき、プロジェクトに直接アップロードしたファイルがメンバーに引き続き使えること。共有は閲覧か編集の権限で行うことChatGPT docs: Manage ChatGPT Space and shared pages2026-10-07
Business、Enterprise、Edu のワークスペースのデータが既定でモデルの学習に使われないこと。データが転送時と保存時に暗号化されることChatGPT docs: ChatGPT Work cloud security2026-10-07
適時開示が求められる上場会社の決定事実に、新製品又は新技術の企業化、業務上の提携又は業務上の提携の解消、新たな事業の開始、代表取締役又は代表執行役の異動などが含まれること(2026年7月10日現在)日本取引所グループ: 適時開示が求められる会社情報2026-10-07
上場会社が適時開示に TDnet を利用することが上場規程で義務付けられていること。TDnet で開示されると、TDnet 開示時刻(報道機関への公開時刻)と同時に適時開示情報閲覧サービスに掲載され、掲載の時点で法令上の重要事実の公表措置が完了すること日本取引所グループ: TDnetの概要2026-10-07

開示の要否と、リリースとの順番は、自社の開示の担当と、必要に応じて取引所に確かめてください。 本記事は上の公開情報で確認できた範囲だけを扱っています。ワークスペースの料金と機能はプランで異なるため、OpenAI の最新の案内を確認してください。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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