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新しい仕入先との取引を始める前に、会社案内・見積・品質の資料・訪問のメモから取引先評価シートの下書きを作り、確認できていない項目を挙げる

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

新しい仕入先から受け取った会社案内・見積・品質の資料と、工場を訪問したときのメモを読み、取引先評価シートの下書きを項目ごとに根拠付きで作ります。あわせて、どの資料でも確認できていない項目を一覧にし、仕入先への問い合わせの文面にします。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate
対象業界
商社/小売/建設/製造
対象部門
品質管理/購買
対象業務
内容確認・チェック/書類作成
主な課題
属人化している/書類作成に時間がかかる/確認ミスが多い
AIで行う処理
要約
主な効果
入力漏れ削減/品質標準化/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
30h/月
AI導入後
10h/月
想定削減
67%
年間削減
240h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 候補の会社から資料がメールで届き、担当者が自分の OneDrive に保存する
  2. 担当者が会社案内を読み、会社の概要の欄(設立、資本金、従業員数、拠点、主要な取引先)を埋める
  3. 見積書を読み、価格と納期と取引の条件の欄を埋める
  4. 品質の資料を読み、品質の体制の欄を埋める。認証書の写しがあれば有効期限を見る
  5. 工場を訪問した場合は、品質管理部の担当者が訪問のメモから所見の欄を埋める
  6. 埋まらない欄について、候補の会社に問い合わせのメールを書く
  7. 回答を待ってシートを仕上げ、審査に回す
導入後(After)
  1. 自動担当者が購買の申請の一覧に候補の会社を登録すると、Power Automate が SharePoint に候補ごとのフォルダを作る
  2. 人担当者が、届いた資料と訪問のメモを候補のフォルダに入れる
  3. 人担当者が候補ごとの Copilot Notebooks を作り、フォルダを参照先に加える
  4. 自動Copilot が評価シートの項目ごとに、値・根拠の資料と箇所・確認の度合いを表にする
  5. 自動Copilot が `未確認` の項目と、資料の間で値が食い違う項目を一覧にする
  6. 自動Copilot が `未確認` の項目から、候補の会社への問い合わせの文面を1通にまとめる
  7. 人担当者が表を資料と照らして確かめ、問い合わせを直して送る
  8. 人回答が届いたらフォルダに入れ、表を作り直させる
  9. 人担当者が Word の評価シートの様式に表を移し、Word の Copilot で所見の文を整える
  10. 人審査に回す
各工程の詳しい説明を読む
  1. 候補の会社から資料がメールで届き、担当者が自分の OneDrive に保存する
  2. 担当者が会社案内を読み、会社の概要の欄(設立、資本金、従業員数、拠点、主要な取引先)を埋める
  3. 見積書を読み、価格と納期と取引の条件の欄を埋める
  4. 品質の資料を読み、品質の体制の欄を埋める。認証書の写しがあれば有効期限を見る
  5. 工場を訪問した場合は、品質管理部の担当者が訪問のメモから所見の欄を埋める
  6. 埋まらない欄について、候補の会社に問い合わせのメールを書く
  7. 回答を待ってシートを仕上げ、審査に回す

(a)転記に時間がかかる。 資料の形式が会社ごとに違い、資本金が会社案内の最後のページにあったり、従業員数がウェブサイトにしか無かったりします。 30の項目を、数種類の資料の中から1つずつ探して書き写すのに、1社で1時間以上かかります。

(b)「確認済み」の基準が人で違う。 ある担当者は会社案内の記載で品質の欄を埋め、別の担当者は認証書の写しを取り寄せてから埋めます。審査の場では、どちらも同じ「ISO 9001 取得」に見えます。 後で認証の有効期限が切れていたと分かった例もあります。

(c)空欄が埋まったまま審査に回る。 締め切りが迫ると、「対応可能とのこと」「問題なし」のような書き方で欄を埋めて回すことがあります。誰が、いつ、何で確かめたのかが残りません。 審査する側は、シートを信じるしかありません。

(d)問い合わせが小出しになる。 埋まらない欄に気づくたびに問い合わせるので、同じ会社に何度もメールを送ることになります。候補の会社にとっても負担で、回答が遅れる原因になります。

  1. 【自動】 担当者が購買の申請の一覧に候補の会社を登録すると、Power Automate が SharePoint に候補ごとのフォルダを作る
  2. 【人】 担当者が、届いた資料と訪問のメモを候補のフォルダに入れる
  3. 【人】 担当者が候補ごとの Copilot Notebooks を作り、フォルダを参照先に加える
  4. 【自動】 Copilot が評価シートの項目ごとに、値・根拠の資料と箇所・確認の度合いを表にする
  5. 【自動】 Copilot が 未確認 の項目と、資料の間で値が食い違う項目を一覧にする
  6. 【自動】 Copilot が 未確認 の項目から、候補の会社への問い合わせの文面を1通にまとめる
  7. 【人】 担当者が表を資料と照らして確かめ、問い合わせを直して送る
  8. 【人】 回答が届いたらフォルダに入れ、表を作り直させる
  9. 【人】 担当者が Word の評価シートの様式に表を移し、Word の Copilot で所見の文を整える
  10. 【人】 審査に回す

7番目が、この設計の分かれ目です。 人が見るのは、表の「根拠の資料と箇所」の列です。根拠が示されていれば資料のその箇所を開いて確かめ、示されていなければ 未確認 のままにします。 資料を最初から読み直す確認にすると、時間は減りません。

6番目で問い合わせを1通にまとめるのも、意図してのことです。 埋まらない欄を最初にすべて洗い出せば、候補の会社に送るのは1回で済みます。小出しの問い合わせが減ることが、相手の負担も減らします。

02今回想定するシステム構成

構成図
候補の会社から届く資料(会社案内・見積・品質の資料)+ 訪問のメモ
   ▼【トリガー】購買の申請の一覧への候補の登録
Power Automate ── 候補ごとのフォルダを SharePoint に作成
   ▼
担当者が資料と訪問のメモをフォルダへ
   ▼
Microsoft 365 Copilot(候補ごとの Copilot Notebooks)
   │   参照先:候補のフォルダ/評価シートの様式と記入の手引
   ├──▶ 項目ごとの表(値・根拠の資料と箇所・確認の度合い)
   ├──▶ 未確認の項目と、資料の間の食い違い
   └──▶ 候補の会社への問い合わせの文面
   ▼【人が根拠を資料と照らして確かめる】
Word の評価シートへ(Word の Copilot で所見の文を整える)
   ▼
審査 ── 承認されたら購買システムの取引先マスタへ登録(人)
役割想定する製品代替候補
処理Microsoft 365 Copilot(Copilot Notebooks と Word の Copilot)ChatGPT Enterprise、Gemini、Claude
連携Power Automate(候補ごとのフォルダの作成)Make、n8n
保管SharePoint ドキュメントライブラリ(候補ごとのフォルダ)OneDrive
取引先マスタ既存の購買システム-

新しく足すのは、候補ごとのフォルダを作る流れと、Notebooks の使い方の決まりだけです。 購買システムには書き込みません。取引先マスタへの登録は、審査を通ったあとに担当者が行います。

候補ごとの資料をまとめる場所に、Copilot Notebooks を使います。 Notebooks にはファイルや SharePoint のフォルダを参照先として加えられ、Copilot はそこに置かれた対応する形式のファイルを使って質問に答えたり、要約したり、新しい内容を作ったりできるとされています。1社の資料を1つのノートブックにまとめれば、資料をまたいだ照合を1回の指示で頼めます。

参照先の上限は、ライセンスで違います。 公開資料では、Microsoft Copilot の利用者はノートブックに300を超える参照先を加えられるが根拠に使われるのは最初の300まで、Copilot Chat の利用者は50まで加えられて50すべてが使われるとされています。1社の資料は多くても20前後なので、どちらでも足ります。 対応する形式は .docx、.pptx、.xlsx、.pdf、.txt、.rtf などで、Notebooks を作るには SharePoint または OneDrive のライセンスが要るとされています。

ライセンスの違いはもう1つあります。 Copilot Chat(Basic)と Microsoft 365 Copilot(Basic)は Microsoft Graph 経由で組織のデータを使えず、組織のデータを使うにはファイルをアップロードするなどの操作が要るとされています。この構成は、Notebooks に参照先を明示して渡す形なので、どのライセンスでも同じ手順で動きます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

購買の申請の一覧に、候補の会社が登録されたことを起点にします。 一覧は SharePoint のリストで、担当者が候補の会社名・調達する品目・担当者・審査の予定日を入れます。Power Automate がこの登録を検知し、仕入先候補/2026-10_〇〇工業/ のような候補ごとのフォルダを作って、担当者に Teams で知らせます。

Copilot に表を作らせるのは、担当者が資料をそろえたと判断したときです。 資料が届くたびに自動で走らせることはしません。半分しか資料が無い状態で表を作ると、未確認 の行が多すぎて、どれを問い合わせるべきかが分かりにくくなります。

時点担当者がすること
候補の登録申請の一覧に入れる。フォルダが自動で作られる
資料の受領フォルダに入れる。メールの本文で届いたものは PDF にする
訪問の後訪問のメモを Word で入れる
資料がそろったノートブックで表を作らせる
回答の受領回答をフォルダに入れ、表を作り直させる
Step2

入力データを集める

データ中身取得元
会社案内設立、資本金、従業員数、拠点、設備、主要な取引先候補のフォルダ
見積書品目、単価、数量の条件、納期、支払の条件、有効期限候補のフォルダ
品質の資料認証書の写し(規格、範囲、有効期限)、品質管理の体制の説明、検査の成績候補のフォルダ
訪問のメモ訪問した日、見た工程、気づいた点、相手の説明候補のフォルダ
候補の会社への質問票の回答自社の定型の質問票(事業継続の備え、環境、紛争鉱物など)への回答候補のフォルダ
評価シートの様式と記入の手引項目の一覧と、各項目の「確認済み」とする条件共通のフォルダ

質を決めるのは、いちばん下の記入の手引です。 項目ごとに「何を見れば 証憑で確認 としてよいか」を書いておきます。例えば品質の認証なら「認証書の写しで、規格・範囲・有効期限を見た」、資本金なら「登記事項証明書か決算書で見た」です。 これが無いと、Copilot も人も、確認の度合いを同じ基準で付けられません。

訪問のメモは、見たことと聞いたことを分けて書きます。 「検査の記録を見た」と「検査は全数と聞いた」は、確認の度合いが違います。メモの様式に「見た」「聞いた」の欄を作っておきます。

Step3

データの取得方法を決める

資料は、担当者がフォルダに入れたものだけを使います。 候補の会社のウェブサイトを Copilot に調べさせることはしません。ウェブの情報は古いことがあり、いつの何を根拠にしたかが残りにくいからです。 ウェブで見たものを使うときは、担当者が PDF にしてフォルダに入れます。

取るものどこから何に使うか
候補の資料候補のフォルダ(Notebooks の参照先)項目ごとの値と根拠
様式と記入の手引共通のフォルダ(Notebooks の参照先)項目の一覧と確認の度合いの基準
申請の情報SharePoint のリスト品目と審査の予定日

ノートブックには、候補のフォルダと共通のフォルダの2つを参照先に加えます。 SharePoint のフォルダを参照先にすると、Copilot はその場所にある対応する形式のファイルのうち、利用者がアクセスできるものを使うとされています。資料が増えたらフォルダに入れるだけで、ノートブックを作り直す必要はありません。

アクセスできるもの、という点が効いてきます。 共通のフォルダに置く記入の手引と指示は、購買部と品質管理部の全員が読める権限にします。一方で候補のフォルダは、その候補の担当者と品質管理部の仕入先担当だけが読める権限にします。 他の担当者がノートブックを開いても、権限の無い候補の資料は根拠に使われません。

質問票は、候補の会社に最初に送る段階で様式をそろえておきます。 事業継続の備え、環境の取り組み、紛争鉱物、情報セキュリティなど、評価シートの後半の項目は会社案内にはまず書かれていません。質問票の問いの番号と評価シートの項目を対応させておくと、根拠の欄に「質問票の回答 問7」と書かせられ、確認が速くなります。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. メールの本文で届いた回答を PDF にする … 本文のままではフォルダに入れられません。件名と受信日時が残る形で PDF にします
  2. ファイル名をそろえる … 「資料の種類_受領日」(例:見積書_2026-10-02.pdf)にします。根拠を示すときの手がかりになります
  3. 画像だけの PDF を確かめる … スキャンした認証書は、文字が選べるかを開いて確かめます。選べないものは文字を読み取れる形にしてから入れます
  4. 古い版を退避する … 見積が改訂されたら、古い版は 旧版 のフォルダに移します。同じフォルダに残すと、古い単価を拾います
  5. 長い資料は分ける … 数十ページの会社案内や品質マニュアルは、章ごとに分けます。公開資料では、長い文書は分けて渡すか部分ごとに要約させることが勧められています
  6. 訪問のメモを「見た」「聞いた」に分ける … 手書きのメモを打ち直すときに、欄を分けます

4番目を省くと、この構成は逆効果になります。 改訂前の見積が残っていると、整った表に古い単価が入ります。 人が書き写したときより、気づきにくくなります。

Step5

AIに処理させる

させるのは、評価シートの項目ごとに、値と根拠と確認の度合いを表にすることです。 評価や採否は書かせません。

確認の度合い付ける条件例
証憑で確認記入の手引が求める書類(認証書の写し、決算書など)で値を見た認証書の写しで有効期限が2027年3月
訪問で確認訪問のメモの「見た」の欄に記載がある検査の記録を現場で見た
自己申告会社案内・質問票の回答・訪問のメモの「聞いた」の欄にだけ記載がある会社案内に「ISO 9001 取得」
未確認どの資料にも記載が無い事業継続の計画の有無

いちばん大事なのは、自己申告 と 証憑で確認 を分けることです。 どちらも値は埋まりますが、審査で求めている重みが違います。記入の手引に「証憑で確認」の条件が書かれていない項目は、どの資料に書かれていても 自己申告 までしか付けさせません。

資料の間の食い違いも拾わせます。 会社案内の従業員数と質問票の回答の従業員数が違う、見積の納期と訪問のメモで聞いた納期が違う、という形です。どちらが正しいかは決めさせず、両方の値と根拠を並べさせます。

取引の条件にかかわる項目は、別に一覧にさせます。 2026年1月1日に、下請法は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(取適法)として施行されました。公正取引委員会のページでは、適用基準に従業員基準が加わったことと、資本金の額・従業員数・委託の内容を選ぶと適用の範囲を簡易に確認できる仕組みが案内されています。この構成では、資本金と従業員数とその確認の度合いを並べて担当者に渡すところまでにし、該当するかの判断は担当者がその仕組みや社内の手順で行います。

させないこと理由
評価の点数を付ける審査の責任者が決める
取引を始めてよいかを書く同上
根拠の無い欄を文で埋める「体制は整っている」のような文が、未確認を隠す
食い違う値のどちらかを選ぶどちらが正しいかは問い合わせで決める
取適法に該当するかを決める担当者が確認の仕組みと社内の手順で決める
ウェブで調べて補う根拠が残らない

3行目がいちばん起きやすい失敗です。 「品質管理体制」の欄が空だと、モデルは会社案内の「お客様第一の品質を」という一文から、それらしい所見を作ります。根拠の欄には会社案内の名前が入るので、確認したように見えてしまいます。

Step6

指示内容を固定する

ノートブックで使う指示の例です。 担当者が毎回同じ指示を使えるよう、共通のフォルダに置いておきます。

あなたは購買部の担当者が、新しい仕入先の候補について取引先評価シートを
下書きするのを手伝う役割です。参照先の資料だけを根拠にしてください。
ウェブの情報や一般的な知識で補わないでください。

【作るもの】
1. 評価シートの様式の項目ごとに、次の列の表を作ってください。
   項目/値/根拠の資料名と箇所(ページ・見出し)/確認の度合い
2. 確認の度合いは、記入の手引の条件に従って次から選んでください。
   - 証憑で確認 ... 記入の手引が求める書類で値が見られる
   - 訪問で確認 ... 訪問のメモの「見た」の欄に記載がある
   - 自己申告 ..... 会社案内、質問票の回答、訪問のメモの「聞いた」の欄にだけ記載がある
   - 未確認 ....... どの資料にも記載が無い
   迷ったときは、度合いの低いほうを選んでください。
3. 資料の間で値が食い違う項目を、両方の値と根拠を並べて一覧にしてください。
4. 資本金、従業員数、委託の内容を、確認の度合いとあわせて別の表にしてください。
5. 「未確認」の項目と、食い違いのある項目について、候補の会社への問い合わせを
   1通のメールの文面にまとめてください。項目ごとに、求める書類も書いてください。

【厳守事項】
- 記載が無い項目は、値の欄を空にして「未確認」としてください。
  資料の雰囲気や一般論から文を作って埋めないでください。
- 会社案内に書かれているだけの内容を「証憑で確認」にしないでください。
- 根拠の資料名と箇所を挙げられない値は書かないでください。
- 食い違う値のどちらが正しいかを決めないでください。
- 評価の点数、取引を始めてよいか、法令に該当するかを書かないでください。
- 旧版のフォルダの資料は使わないでください。
- 金額と日付は資料の表記のまま写し、換算や丸めをしないでください。

「迷ったときは度合いの低いほうを選ぶ」を明記しないと、自己申告が証憑で確認になります。 会社案内に認証番号まで書かれていると、モデルは確かめたものとして扱います。認証書の写しを見たかどうかと、番号が書かれていることは別です。

「旧版のフォルダの資料は使わない」は、前処理の4番目が漏れたときの保険です。 参照先にフォルダを丸ごと加えているので、退避したつもりの資料も見えています。

Step7

出力形式を固定する

出力は、Word の評価シートにそのまま移せる表で受け取ります。

項目値根拠の資料と箇所確認の度合い
資本金4,800万円会社案内_2026-09-28.pdf p.12「会社概要」自己申告
品質の認証ISO 9001(範囲:精密切削部品の製造)認証書_2026-09-30.pdf p.1証憑で確認
認証の有効期限2027年3月14日認証書_2026-09-30.pdf p.1証憑で確認
最終検査の方法全数の外観検査訪問メモ_2026-10-01.docx「聞いた」自己申告
事業継続の計画--未確認
食い違い値1と根拠値2と根拠
従業員数120名(会社案内 p.12)98名(質問票の回答 問3)

JSON ではなく表にしているのは、出力が人の確認と審査に回るからです。 後段のシステムに入るのは審査の後で、そのときは担当者が取引先マスタに入れます。列を固定しておけば、担当者が変わってもシートの埋め方が同じになります。 これが「確認済みの基準が人で違う」への答えです。

審査に回すシートにも、確認の度合いの列を残します。 様式に列が無ければ足します。審査する側が、どの値をどこまで信じてよいかを一目で見られるようにします。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
購買の申請の一覧(SharePoint のリスト)Power Automate のトリガー候補の登録を検知する
候補のフォルダ(SharePoint)Power Automate の作成候補ごとのフォルダを作る
TeamsPower Automate の通知担当者に知らせる
Copilot Notebooks担当者が使う表と問い合わせの文面を返す
Outlook担当者が送信問い合わせを候補の会社へ
購買システム書き込まない審査の後に担当者が登録する

購買システムへは書き込みません。 審査の前の表が取引先マスタに入ると、承認されていない仕入先に発注できる状態が生まれます。

Step9

人が確認する

人が見るのは、表の「根拠の資料と箇所」の列です。 資料を最初から読み直す確認にすると、第10章の50分には収まりません。

  1. 証憑で確認 の行を先に見る … 根拠の箇所を開き、記入の手引の条件どおりの書類かを確かめます。有効期限は必ず目で見ます
  2. 食い違いの一覧を見る … どちらも問い合わせに入っているかを確かめます
  3. 未確認 の行を見る … 本当に資料に無いかを、資料の目次で確かめます
  4. 問い合わせの文面を直して送る … 求める書類が具体的かを見ます
  5. 確認の度合いを変えたら記録する … どの項目を、どれからどれに変えたかを残します

1番目を省かないでください。 証憑で確認 は、審査する側がそれ以上確かめずに通す行です。 ここが誤っていると、シート全体が信じられなくなります。

目標は、1社50分です。 内訳は、表の確認30分、訪問の所見の書き足し10分、問い合わせの手直し10分です。それより長くかかる会社は、資料の置き方が乱れているか、記入の手引に条件が書かれていない項目が多いかのどちらかです。

訪問の所見は、人が書き足します。 表の「訪問で確認」の行は、メモに「見た」と書かれた事実を拾っただけで、工場の整理の具合や担当者の受け答えから感じた評価は入っていません。 その評価を書くのは訪問した品質管理部の担当者で、Word の Copilot には言い回しを整えさせるだけにします。

Step10

例外に対処する

起きること対応
資料が画像だけの PDF で読めない文字を読み取れる形にしてから入れ直す。読めない資料の項目は 未確認 のまま
見積が改訂された古い版を 旧版 に移してから表を作り直す
資料の言語が英語や中国語表は日本語で作らせ、値は原文のまま写させる
候補の会社が資料を出さない未確認 のまま審査に回し、その旨をシートに書く
認証の有効期限が切れている値はそのまま。問い合わせに更新の状況を入れる
会社名が資料ごとに違う(旧社名など)食い違いの一覧に入る。同じ会社かを問い合わせる
新しく入れた資料が表に反映されないファイルの形式と置き場所を確かめ、時間をおいて作り直す

| 同じ候補の会社を2人が別々に担当していた | 申請の一覧で重複を見つけ、フォルダを1つにまとめる |

| 審査の前に候補の会社が辞退した | フォルダを辞退の扱いにし、保存の期限に従って消す |

上から2行目までが大半を占めます。 どれもAIの問題ではなく、資料の受け取り方と置き方の問題です。 資料が届いたらその日のうちに PDF にしてフォルダに入れる、という決まりを守るほうが、指示文を工夫するより効きます。

Step11

記録を残す

  • 表を作った日時と、そのときフォルダにあった資料の一覧
  • Copilot が出した表の全文と、問い合わせの文面
  • 人が確認の度合いを変えた記録(どの項目を、どれからどれに)
  • 問い合わせを送った日時と、回答の受領日時
  • 審査に回したシートと、審査の結果

3つ目が、記入の手引を直す材料になります。 自己申告 を 証憑で確認 に上げる修正が特定の項目に偏るなら、その項目の条件が手引に書かれていません。下げる修正が多い項目は、条件があいまいです。

1つ目で「そのときフォルダにあった資料の一覧」を残すのは、資料が後から増えるためです。 回答が届いて表を作り直すと、前の表の根拠が分からなくなります。審査の後に「この値は何を見て書いたのか」と聞かれたとき、答えられるようにしておきます。

04実装レベルの3段階

最小構成:担当者が会社ごとに Notebooks を作り、資料を加えて表を作らせる / 項目ごとの値と根拠の表
半自動化:上記+候補ごとのフォルダを Power Automate で作り、記入の手引と共通の指示を固定する / 表、未確認と食い違いの一覧、問い合わせの文面
本格構成:上記+Copilot Studio で評価シートの下書きまで作るエージェントにし、審査の結果を申請の一覧に記録する / 下書きの作成と、審査までの進み具合の管理

最小構成では、指示が担当者ごとに変わります。 確認の度合いの付け方がばらつき、「確認済みの基準を揃える」という目的が果たせません。 確かめるための段階です。 半自動化で、1社150分が50分になり、この段階が本記事の想定です。 本格構成では時間はあまり変わらず、増えるのは審査までの進み具合が一覧で見えることです。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
6 名
月間件数
12 件
1件あたり現在時間
150 分
1件あたり導入後時間
50 分
現在  12件 × 150分 ÷ 60 = 30 時間/月
導入後 12件 × 50分 ÷ 60 = 10 時間/月
月間削減時間
20h
削減率
67%
年間削減時間
240h
年間金額換算(時間単価4,000円)
96万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 部品・材料・外注加工の新しい仕入先を毎月いくつも検討している製造業や建設業、商社。取引を始める前に取引先評価シートを作る決まりがあり、相手から届く会社案内・見積・品質の資料がばらばらの形式で、シートへの転記に時間がかかっている場合。担当者によってシートの埋め方や「確認済み」の基準が違う場合。Microsoft 365 Copilot を購買の担当者が使える場合。
向いていない
  1. 新しい仕入先が年に数社しか無い場合。取引先の審査を外部の調査会社にすべて任せている場合。評価シートの様式が無く、担当者の判断で取引を始めている場合(先に様式を作る必要があります)。なお、取引を始めてよいか、評価の点数をどうするかの判断は、購買と品質管理の責任者に残ります。

07最小構成で試す方法

  1. 最近審査を通した新しい仕入先から3社を選ぶ(1社は、後で認証の期限切れなどが分かった会社を入れる)
  2. 当時受け取った資料と訪問のメモを、会社ごとにフォルダにまとめる
  3. 会社ごとに Copilot Notebooks を作り、フォルダと評価シートの様式を参照先に加える
  4. 「評価シートの項目ごとに、値・根拠の資料と箇所・確認の度合い(証憑で確認/訪問で確認/自己申告/未確認)を表にしてください。記載が無い項目は空にしてください」と指示する
  5. 出てきた表を、当時審査に回したシートと突き合わせる

3社は必ずやってください。 フォルダの流れを作る前に、「資料がそろっていれば、表が作れるのか」を確かめます。

出てきた内容判断
当時のシートと同じ値が根拠付きで出たフォルダの流れと手引の整備に進む
会社案内の記載を 証憑で確認 にした指示と記入の手引で直る。構成は有効
当時のシートで埋まっていた欄が 未確認 になった当時のシートの根拠が資料に無かった。 AIの問題ではない

3行目が出ることは珍しくありません。 当時、電話や口頭で確かめて埋めた欄です。それ自体が、「誰が何で確かめたかが残らない」という課題の表れです。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
空欄を一般論の文で埋める記載が無ければ空にして 未確認 と指示し、確認でも見る
会社案内の記載を 証憑で確認 にする記入の手引に条件を書き、迷ったら低いほうと指示する
改訂前の見積の単価を拾う古い版を 旧版 に移し、指示でも使わせない
画像だけの PDF が読まれない文字を読み取れる形にしてから入れる
食い違う値の片方だけが表に入る食い違いを別の一覧にさせ、両方の値と根拠を並べる
根拠の箇所が示されない根拠を挙げられない値は書かないと指示する
取適法の該当を AI が決める資本金と従業員数を並べるところまで。判断は担当者
表を確認せずに審査に回す確認の度合いの列を審査のシートにも残し、誰が確かめたかを書く
問い合わせが小出しになる未確認と食い違いをまとめて1通にする

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも「埋まって見える」ことから起きます。確認の度合いという列を1つ足すだけで、埋まっていることと確かめたことが分かれます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 候補の会社の会社概要、見積の単価と条件、品質の資料、決算の情報(受け取った場合)、そして訪問した工場の様子と担当者の所見です。見積の単価は、候補の会社にとって他社に知られたくない情報です。

  1. ノートブックの共有範囲を、担当者と品質管理部に限る … 公開資料では、ノートブックを共有すると、受け取った人はその中のリンクされたファイルすべてに招待されるとされています。見積を見る必要の無い人に共有しないでください
  2. 候補の会社ごとにノートブックを分ける … 複数の会社の資料を1つにまとめると、ある会社の単価が別の会社の問い合わせの文面に混ざるおそれがあります
  3. Microsoft Entra アカウントでサインインして使う … その場合、プロンプトと応答はエンタープライズ データ保護で保護されるとされています。個人のアカウントでは使わせません
  4. この構成は審査の判断を代替しません … 取引を始めてよいか、評価の点数をどうするかは、購買と品質管理の責任者が決めることです。 出てくるのは、資料に何がどこまで書かれていたかという事実だけです
  5. 取適法の該当は担当者が確かめる … 資本金と従業員数は自己申告であることが多く、確認の度合いを見たうえで、社内の手順で判断します
  6. 審査に通らなかった会社の資料を消す期限を決める … 受け取った資料は、取引しなかった会社のものも残ります。保存の期限を決め、フォルダごと消します

誤りが起きた場合のリスクは、確かめていない値を確かめたものとして審査に回すことと、資料にある値を未確認として何度も問い合わせることの2つです。 前者は確認の度合いを甘く付けると起き、後者は資料の置き方が乱れていると起きます。

10まず何から始めるか

1週目:記入の手引に「確認の度合い」の条件を書く

評価シートの約30の項目それぞれに、何を見れば 証憑で確認 としてよいかを書きます。全部を一度に決める必要はありません。品質の認証、資本金、従業員数、決算の情報の4つから始めます。

2週目:3社で試す

最近審査を通した3社の資料で、Notebooks に表を作らせます。当時のシートと突き合わせ、会社案内の記載を 証憑で確認 にしていないかと、空欄を文で埋めていないかを最優先で見ます。

3週目:訪問のメモの様式を直す

品質管理部と、訪問のメモに「見た」「聞いた」の欄を作ります。次の訪問から、この様式で書きます。

4週目:候補ごとのフォルダの流れを作る

Power Automate で、申請の一覧への登録から候補ごとのフォルダを作り、Teams で知らせるところまで作ります。共通の指示を共通のフォルダに置き、全員が同じ指示を使います。

2か月目: 新しい候補のすべてで表を作り、確認の度合いを変えた記録を毎週数えます。3か月目以降: 1社150分が何分になったかを実測し、審査のシートに確認の度合いの列を正式に足します。審査する側が、シートを見て「これはどこまで確かめたのか」と聞かなくなった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-06/最終更新:2026-10-06
確認した内容情報源確認日
Copilot Chat(Basic)と Microsoft 365 Copilot(Basic)は Microsoft Graph 経由で組織のデータを使えず、ファイルのアップロードなどで組織のデータを渡す必要があること。Microsoft Entra アカウントでサインインするとプロンプトと応答がエンタープライズ データ保護で保護されることMicrosoft Learn: Microsoft Copilot とは?2026-10-06
Copilot Notebooks の参照先が、Microsoft Copilot の利用者は最初の300まで、Copilot Chat の利用者は50まで根拠に使われること。対応する形式が .docx、.pptx、.xlsx、.pdf、.loop、.page、.txt、.rtf と OneNote のページであること。SharePoint のフォルダを参照先にすると、アクセスできる対応形式のファイルが使われること。作成に SharePoint または OneDrive のライセンスが要ること。共有するとリンクされたファイルにも招待されることMicrosoft Support: Add references to your Microsoft Copilot Notebook2026-10-06
Word の Copilot がチャットの画面で文書について質問や要約に答え、「/」でファイル・メール・会議を参照できること。共有された文書では変更が先にチャットでプレビューされ、承認するまで文書に加えられないことMicrosoft Support: Welcome to Copilot in Word2026-10-06
長い文書は分けて渡すか、部分ごとに要約させることが勧められていることMicrosoft Support: Keep it short and sweet: a guide on the length of documents that you provide to Copilot2026-10-06
下請法が「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(取適法)として令和8年1月1日から施行されること。適用基準に従業員基準が加わったこと。資本金の額・従業員数・委託内容を選ぶと適用の範囲を簡易に確認できること公正取引委員会: 中小受託取引適正化法(取適法)関係2026-10-06

取引を始めてよいか、取適法に該当するかは、購買と品質管理の責任者、社内の手順で決めてください。 本記事は公開資料で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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