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介護事業所の求人に届く応募から、資格・勤務の希望・通勤を拾って面接の案内の返信を下書きし、返事の無い応募者を拾う

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

介護事業所の求人に届いた応募の通知から、資格・勤務の希望・通勤の手段を拾い、応募先の事業所の面接枠に合わせた案内の返信を下書きします。案内を送った後に返事の無い応募者も毎朝拾い、再案内の下書きを作ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
人材/介護/医療
対象部門
人事/採用
対象業務
問い合わせ対応/書類作成
主な課題
人手が足りない/書類作成に時間がかかる/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
生成
主な効果
対応スピード向上/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
60h/月
AI導入後
20h/月
想定削減
67%
年間削減
480h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 採用用のアドレスに届いた応募の通知を開き、応募者の名前、連絡先、応募した求人を確かめる
  2. 資格、経験、雇用形態の希望、勤務できる曜日・時間、夜勤の可否、住所や最寄り駅を読み取り、管理表に書き写す
  3. 応募した事業所の条件を確かめ、資格や夜勤の可否が合っているかを見る
  4. 事業所の面接の枠を共有のカレンダーで確かめ、候補日を2〜3つ選ぶ
  5. 面接の案内のメールを書く。条件の食い違いがあれば、確かめる質問を書き足す
  6. 送ったら管理表に「案内済」と日付を書く
  7. 返事が来たら管理表を更新し、事業所の管理者に面接の予定を知らせる
  8. 手が空いたときに管理表を見て、返事の無い応募者に電話かメールで再連絡する
導入後(After)
  1. 自動採用用のアドレスに応募の通知が届くと、ワークフローが動く
  2. 自動通知の本文から、応募者の名前・連絡先・応募した求人・資格・経験・勤務の希望・夜勤の可否・通勤の手段を拾う
  3. 自動事業所の条件表を引き、応募した事業所の募集の条件と面接の枠を取り出す
  4. 自動拾った項目と事業所の条件を照らし、案内の種類(そのまま案内/確かめる質問つきで案内/情報が足りない)を決める
  5. 自動案内の種類に合わせて、面接の案内の返信を下書きし、Gmail の下書きに保存する
  6. 自動応募者の管理表に1行足し、Slack で採用担当に下書きができたことを知らせる
  7. 人採用担当が下書きを開き、候補日と質問の中身を確かめて送る。電話を希望している応募者には電話する
  8. 自動応募者から返事が来たら、管理表の「返事あり」を更新する
  9. 自動毎朝9時に、案内から2日たっても返事の無い応募者を拾い、再案内の下書きを作る
  10. 人採用担当が再案内の下書きを確かめて送る。2回送って返事が無い応募者は、追わない印を付ける
各工程の詳しい説明を読む
  1. 採用用のアドレスに届いた応募の通知を開き、応募者の名前、連絡先、応募した求人を確かめる
  2. 資格、経験、雇用形態の希望、勤務できる曜日・時間、夜勤の可否、住所や最寄り駅を読み取り、管理表に書き写す
  3. 応募した事業所の条件を確かめ、資格や夜勤の可否が合っているかを見る
  4. 事業所の面接の枠を共有のカレンダーで確かめ、候補日を2〜3つ選ぶ
  5. 面接の案内のメールを書く。条件の食い違いがあれば、確かめる質問を書き足す
  6. 送ったら管理表に「案内済」と日付を書く
  7. 返事が来たら管理表を更新し、事業所の管理者に面接の予定を知らせる
  8. 手が空いたときに管理表を見て、返事の無い応募者に電話かメールで再連絡する

(a)返信が遅れて、面接の機会を失う。 1件の返信に10分前後かかるうえ、応募は夜と週末に集中します。月曜の朝に20件溜まっていると、最後の1件への返信は夕方になります。 その間に応募者は別の事業所と面接の日程を決めてしまい、案内を送っても返事が来ません。

(b)事業所ごとの条件が、担当の記憶に頼っている。 「このデイは送迎の運転ができる人を優先」といった条件は口頭で伝わっており、担当が替わると案内の文面から消えます。

(c)資格の書き方がばらばら。 「ヘルパー2級」「初任者」「実務者研修受講中」と書き方が違い、旧制度の名称を読み替える知識が担当によって違います。

(d)返事の無い応募者が埋もれる。 8番目は「手が空いたとき」なので、忙しい週には誰も見ません。

  1. 【自動】 採用用のアドレスに応募の通知が届くと、ワークフローが動く
  2. 【自動】 通知の本文から、応募者の名前・連絡先・応募した求人・資格・経験・勤務の希望・夜勤の可否・通勤の手段を拾う
  3. 【自動】 事業所の条件表を引き、応募した事業所の募集の条件と面接の枠を取り出す
  4. 【自動】 拾った項目と事業所の条件を照らし、案内の種類(そのまま案内/確かめる質問つきで案内/情報が足りない)を決める
  5. 【自動】 案内の種類に合わせて、面接の案内の返信を下書きし、Gmail の下書きに保存する
  6. 【自動】 応募者の管理表に1行足し、Slack で採用担当に下書きができたことを知らせる
  7. 【人】 採用担当が下書きを開き、候補日と質問の中身を確かめて送る。電話を希望している応募者には電話する
  8. 【自動】 応募者から返事が来たら、管理表の「返事あり」を更新する
  9. 【自動】 毎朝9時に、案内から2日たっても返事の無い応募者を拾い、再案内の下書きを作る
  10. 【人】 採用担当が再案内の下書きを確かめて送る。2回送って返事が無い応募者は、追わない印を付ける

7番目が、この設計の分かれ目です。 下書きは送らずに止めます。誤った候補日や、応募者を傷つける書き方が混ざった最初の1通は取り返しがつきません。

4番目で「見送り」を作らないのも、意図してのことです。 見送るかどうかは、事業所の管理者と採用担当が決めます。

02今回想定するシステム構成

構成図
求人媒体3つ・自社の採用サイトの応募フォーム
   │  応募の通知メールが採用用のアドレスに届く
   ▼【トリガー】New Email Matching Search(Gmail)
Zapier(Zap 1:応募の受付)
   ├──▶ AI by Zapier ── 通知の本文から項目を拾う
   ├──▶ Google スプレッドシート ── 事業所の条件表を引く
   ▼
Paths(そのまま案内/質問つきで案内/情報が足りない)
   ▼
AI by Zapier ── 案内の返信の下書き
   ├──▶ Gmail に下書きを作成(送信はしない)
   ├──▶ 応募者の管理表に1行足す
   └──▶ Slack で採用担当に知らせる
   ▼
【人】採用担当が確かめて送る

Zap 2:応募者からの返事 → 管理表の「返事あり」を更新
Zap 3:毎朝9時(Schedule)→ 返事の無い応募者を拾う
   → Looping → AI by Zapier で再案内の下書き → Gmail の下書き
役割想定する製品代替候補
ワークフローZapier(Paths・Looping・Schedule by Zapier)Make、n8n、Power Automate
生成AIAI by Zapier(項目の拾い出しと、案内・再案内の下書き)Claude API、OpenAI API
メールGmail(採用用のアドレス)Outlook
管理表Google スプレッドシート(応募者の管理表、事業所の条件表)採用管理システムの書き出し
通知SlackGoogle Chat、Microsoft Teams

Gmail と応募者の管理表は、新しく足すものではありません。 新しく作るのは、事業所の条件表と、管理表に足す数列だけです。条件表には、事業所名、求人ごとの募集職種、求める資格、夜勤の有無、送迎の運転の要否、最寄り駅と駐車場の有無、面接の担当者、面接ができる曜日と時間帯を書きます。

起点は、Gmail の New Email Matching Search のトリガーです。 検索の文字列に合う新しいメールが届いたときに動くので、媒体の送信元と通知の件名で文字列を作り、応募の通知だけで動くようにします。

下書きは Gmail の Create Draft のアクションで作ります。 Gmail には返信の下書きを作る Create Draft Reply もありますが、求人媒体の通知は送信専用のアドレスから届くことが多く、そこに返信しても応募者に届きません。 応募者のメールアドレスを本文から拾い、新しい下書きの宛先に入れます。

AIのステップには AI by Zapier を使います。 Zap の中に置くAIのステップで、返してほしい項目を名前と型で定義できます。 定義した項目ごとに値が返るので、後ろの Paths や管理表への書き込みで、資格・夜勤の可否・案内の種類を別々に使えます。AI by Zapier は Professional、Team、Enterprise のプランで使え、Free のプランでは使えません。

モデルの階層は Standard(1倍のタスク)から始めます。 Advanced は3倍、Premium は5倍のタスクを使います。必要な情報をすべてプロンプトに差し込み、道具を使わせないので、Standard で足ります。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

応募の通知が採用用のアドレスに届いたことを起点にします。 1日1回の定時実行にはしません。応募者が別の事業所と日程を決めてしまう前に下書きを用意するのが目的なので、夜や週末に届いた応募も、届いたその時点で下書きまで進めておきます。 採用担当は翌朝、溜まった下書きを上から確かめて送るだけになります。

検索の文字列は、媒体ごとの送信元と件名の組み合わせで作ります。たとえば媒体Aは送信元のアドレス、媒体Bは件名の「応募がありました」、自社の応募フォームは通知の件名に付けた【応募】という印です。新しい媒体と契約したら、この検索の文字列に1行足すのを忘れないようにします。 忘れると、その媒体の応募だけが下書きされない期間ができます。

返事の側には別の Zap を置きます(Zap 2)。 採用用のアドレスへの新しいメールを受け、差出人のアドレスで管理表を引き、「返事あり」と日時を書き込みます。日程を確定させるのは人で、この Zap は返事が来たことを記録するだけです。

再案内は、Schedule by Zapier の Every Day で平日の毎朝9時に動かします(Zap 3)。 アカウントに設定した時間帯で、予定の時刻から数分以内に動くとされています。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
応募の通知応募者の名前、連絡先、応募した求人、資格、経験、希望、自由記述、媒体名Gmail(採用用のアドレス)
事業所の条件表事業所名、求人の番号、職種、求める資格、夜勤の有無、送迎の運転、最寄り駅、駐車場、面接の担当者、面接の曜日と時間帯Google スプレッドシート
資格の読み替え表旧制度の名称といまの名称の対応、受講中の扱いGoogle スプレッドシート
応募者の管理表応募日、応募者、事業所、案内日、返事の有無、再案内の回数、状態Google スプレッドシート
案内の決まり文句面接の持ち物、所要時間、交通費の扱い、署名Google スプレッドシート

質を決めるのは、事業所の条件表です。 ここに「夜勤あり」と書かれていなければ、夜勤ができない応募者に何も確かめずに案内を送ります。条件表は、事業所の管理者が月に1回見直す決まりにします。 面接ができる曜日が変わったときも、ここを直せば次の応募から反映されます。

資格の読み替え表を別に持つのは、資格の名称が制度の改正で変わってきたためです。 応募者が書く名称は、資格を取った時期の名称のままです。「ヘルパー2級」と書かれていれば、いまの初任者研修に相当する扱いをする、という読み替えを表で持ち、AIが自分の知識で読み替えないようにします。 どの旧資格をどう扱うかは、法人の採用の方針で決めることです。

Step3

データの取得方法を決める

応募の通知は、トリガーが返す本文をそのまま使います。 添付の履歴書は読みません。最初の返信には本文の項目で足り、読ませると外部に渡す個人の情報が増えます。

取るものどこから何に使うか
応募の通知の本文と件名、送信元Gmail のトリガー項目の拾い出しと、媒体の判別
応募した事業所の条件Lookup Spreadsheet Row(事業所の条件表)条件との照らし合わせ、面接の枠
資格の読み替えLookup Spreadsheet Row(資格の読み替え表)書かれた資格の読み替え
返事の無い応募者Lookup Spreadsheet Rows (Advanced)(管理表)再案内の対象を拾う

事業所の条件は、求人の番号で引きます。 事業所名は書き方が揺れるので、媒体に掲載する求人のタイトルの末尾に条件表の番号を入れておきます。

返事の無い応募者は、Lookup Spreadsheet Rows (Advanced) で一度に取ります。 このアクションは最大500行を返します。管理表には「要再案内」の列を計算式で作っておき、案内日から2日以上たち、返事が無く、再案内が2回未満の行に「要」と出すようにして、その列で引きます。日付の計算をワークフローで組むより、管理表の計算式のほうが、後で条件を変えるときに直しやすいからです。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 通知かどうかの確認 … 件名と送信元から、応募の通知であることを確かめます。媒体からのお知らせや請求のメールは、ここで止めます
  2. 重複の確認 … 同じメールアドレスか電話番号で、直近30日に応募が無いかを管理表で引きます。同じ人が複数の事業所に応募していることがあります
  3. 求人の番号の取り出し … 件名か本文から求人の番号を取り出し、条件表を引きます。番号が無い通知は、事業所名で引いたうえで人に回します
  4. 署名と定型文の除去 … 媒体の通知の末尾にある注意書きや広告の文は、AIに渡す前に切ります。長いほど、関係の無い文から項目を拾う誤りが増えます
  5. 面接の枠の取り出し … 条件表から、その事業所の面接の曜日と時間帯を取り出し、今日から5営業日分の候補をワークフローで日付にします

2番目を軽く見ないでください。 同じ人が近くの特養とデイサービスの両方に応募してくることはよくあり、別々に案内を送ると、同じ法人から別の日時の案内が2通届きます。 重複が見つかったら下書きを作らず、どちらで面接するかを採用担当に決めてもらいます。

5番目で候補日をワークフローで作るのは、AIに日付の計算をさせないためです。 任せると、存在しない日付や休みの日が候補に入ることがあります。

Step5

AIに処理させる

AIのステップは2つに分けます。 1つ目で通知から項目を拾い、2つ目で案内の文面を書きます。1つにまとめると、拾った項目を確かめる前に文面ができ、拾い誤りがそのまま応募者に届きます。 間に Paths を挟み、案内の種類をワークフローの規則で決めます。

1つ目のステップ(項目の拾い出し)でさせること:

拾う項目拾い方書かれていないとき
名前、メールアドレス、電話番号通知の本文のまま空欄。メールアドレスが無ければ電話の対象
応募した求人の番号件名か本文から空欄。人に回す
資格書かれた名称のまま。受講中かも拾う「記載なし」
経験の年数書かれた数字のまま「記載なし」
雇用形態の希望常勤/非常勤/どちらでも「記載なし」
勤務できる曜日・時間書かれたまま「記載なし」
夜勤の可否可/不可/記載なし「記載なし」
通勤の手段と最寄り駅書かれたまま「記載なし」
連絡の希望電話がよい/メールがよい/時間帯「記載なし」

2つ目のステップ(案内の下書き)でさせること: 面接の案内の文面を、Paths で決まった案内の種類に合わせて書きます。候補日はワークフローが作ったものをそのまま並べ、条件と食い違う点があれば、決めつけずに確かめる質問を1〜2文で入れます。

させないこと理由
見送りの判断と、見送りの文面採否は事業所の管理者と採用担当が決める
資格の読み替え読み替え表の結果だけを使う。AIの知識で読み替えない
候補日の計算存在しない日付や休みの日が混ざる。ワークフローで作る
給与や待遇の記載求人票と食い違うと労働条件の誤りになる。文面に入れない
年齢・家族・健康についての質問採否に関係の無い事項を聞かない

4行目が、最も起きやすい失敗です。 AIは親切に「月給は〇〇円からです」と書き足しますが、求人票と1円でも違えば、応募者にとっては約束と同じです。

Step6

指示内容を固定する

1つ目のステップ(項目の拾い出し):

あなたは介護事業所の採用担当の補助です。
求人媒体から届いた応募の通知を読み、決められた項目を拾ってください。

【厳守事項】
- 本文に書かれていることだけを拾ってください。推測で埋めないでください。
- 書かれていない項目は「記載なし」としてください。
- 資格は、書かれた名称をそのまま入れてください。
  名称を読み替えたり、いまの名称に直したりしないでください。
- 「受講中」「取得予定」と書かれていれば、qualification_status に
  「受講中」と入れてください。修了と扱わないでください。
- 夜勤の可否は、本文に夜勤についての記述がある場合だけ「可」「不可」と
  してください。記述が無ければ「記載なし」です。
- 年齢、性別、家族、健康についての記述があっても、拾わないでください。
- 媒体の注意書きや広告の文から項目を拾わないでください。

【応募の通知】{email_body}
【件名】{email_subject}

2つ目のステップ(案内の下書き):

あなたは介護事業所の採用担当です。応募してくれた方へ、
面接の案内の返信を下書きしてください。

【書き方】
- 応募へのお礼から始め、3〜4段落、400字以内にしてください。
- 候補日は【面接の候補日】をそのまま箇条書きにしてください。
  日付や曜日を変えたり、足したりしないでください。
- 案内の種類が「質問つき」のときは、【食い違い】の点を1〜2文で
  確かめてください。決めつけず、他の働き方の可能性も残してください。
  例:「夜勤の無い日勤のみの働き方もご相談できますので、
  ご希望をお聞かせください。」
- 案内の種類が「情報が足りない」のときは、足りない項目だけを
  丁寧に尋ねてください。
- 給与、手当、休日などの待遇は書かないでください。
  尋ねられていれば「面接の際にご説明します」としてください。
- 見送りや不採用を示す表現は書かないでください。
- 持ち物、所要時間、交通費の扱いは【決まり文句】のとおりに書いてください。

【応募者】{name} 様(応募した求人:{job_title})
【案内の種類】{route}
【食い違い】{mismatch}
【面接の候補日】{slots}
【面接の場所と担当】{place} / {interviewer}
【決まり文句】{boilerplate}

1つ目の「名称を読み替えない」が要です。 任せると、受講中の研修を修了と書いたり、旧制度の名称の当てはめを推測で決めたりします。

2つ目の「決めつけず、他の働き方の可能性も残す」は、例を添えないと効きません。 例が無いと、「夜勤ができない方は応募の対象外です」と書きます。指示の中に、望む言い回しを1文そのまま置きます。

Step7

出力形式を固定する

1つ目のステップは、AI by Zapier の出力の項目として定義します。 項目を定義しないと、まとめた1つの文章が返り、後ろのステップで項目ごとに使えません。

{
  "applicant_name": "",
  "email": "",
  "phone": "",
  "job_code": "",
  "qualification_raw": "",
  "qualification_status": "修了 | 受講中 | 記載なし",
  "experience_years": "",
  "employment_type": "常勤 | 非常勤 | どちらでも | 記載なし",
  "available_days": "",
  "night_shift": "可 | 不可 | 記載なし",
  "commute": "",
  "contact_preference": "",
  "missing_items": []
}

項目ごとに受け取れば、Paths の条件にそのまま使えます。 案内の種類は次の規則で決めます。

案内の種類条件
情報が足りないemail と phone がどちらも空、または job_code が空
質問つきで案内条件表の「夜勤あり」で night_shift が「不可」、条件表の「資格必須」で読み替えた資格が足りない、送迎の運転が要るのに通勤の手段が公共交通のみ、のいずれか
そのまま案内上のどれにも当たらない

Paths は左から順に評価され、どれにも当たらないときの分岐を1つ置けます。 「情報が足りない」を左端に置き、どれにも当たらない分岐は採用担当への通知にします。1つのグループに置ける分岐は10本までです。

管理表にも項目ごとに書き込めるので、事業所の管理者が面接の前に応募者の概要を一覧で読めます。

2つ目のステップは、subject(件名)と body(本文)、notes_for_staff(採用担当への注意。たとえば「待遇の質問あり」)の3項目で受け取ります。notes_for_staff は下書きには入れず、Slack の通知にだけ載せます。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
GmailNew Email Matching Search のトリガー応募の通知を受ける
Google スプレッドシートLookup Spreadsheet Row事業所の条件表と、資格の読み替え表を引く
AI by ZapierZap のステップ項目の拾い出しと、案内・再案内の下書き
GmailCreate Draft応募者宛ての下書きを作る(送信はしない)
Google スプレッドシートCreate Spreadsheet Row / Update Spreadsheet Row管理表に1行足す、返事や再案内を記録する
Slackメッセージの送信採用担当に下書きができたことと注意を知らせる

Gmail へは、送信ではなく下書きの作成だけを行います。 Gmail には Send Email のアクションもありますが、この構成では使いません。送信の権限をワークフローに持たせないことで、誤った1通が自動で届く経路を最初から無くします。

再案内の Zap 3 では、Looping by Zapier で1人ずつ下書きを作ります。 Lookup Spreadsheet Rows (Advanced) が返した複数の行を、ループで1行ずつ回し、それぞれに AI by Zapier の再案内と Gmail の下書きを作ります。ループは最大500回まで回せ、ループの後ろのアクションは1回ごとに1タスクを使います。 Looping は Professional 以上のプランで使え、いまはオープンベータとされています。ループの入れ子はできず、1つの Zap の中で複数の Paths にループを置くこともできません。 そのため、再案内の Zap は Paths を使わない単純な形にします。

管理表の更新は、1回の実行で1行です。 Update Spreadsheet Row は1回の Zap の実行で1行しか更新できないとされているので、ループの中で1人ずつ「再案内1回目」を書き込みます。

Step9

人が確認する

応募者に届くものは、すべて採用担当が確かめてから送ります。 下書きを送らずに止めるのは、この構成の前提です。

  1. Slack の通知を見て、notes_for_staff を先に読む … 待遇の質問、重複の応募、条件の食い違いがあれば、そこで分かります
  2. 候補日を確かめる … 事業所の管理者の予定が変わっていないかを確かめます。候補日は条件表から作られるので、急な予定の変更は反映されていません
  3. 質問の書き方を確かめる … 食い違いを確かめる質問が、応募者を突き放す書き方になっていないかを読みます
  4. 電話を希望する応募者には電話する … contact_preference に電話の希望があれば、下書きを送る前に電話します。介護の求人では、メールより電話を望む応募者が少なくありません
  5. 送る … 直したら、そのまま Gmail から送ります

目標は、300件をならして1件4分です。

Step10

例外に対処する

起きること対応
求人の番号が通知に無い事業所名で条件表を引き、引けなければ下書きを作らず Slack で採用担当へ
メールアドレスが無く電話番号だけ下書きを作らず、電話の対象として Slack で知らせる
求人媒体の管理画面でしか返信できない下書きの本文を Slack に貼り、採用担当が管理画面に写して送る
同じ人が複数の事業所に応募下書きを作らず、どちらで面接するかを採用担当が決める
応募の通知でないメールで動いた1つ目のステップで項目がほとんど空になる。下書きを作らず止める
AI by Zapier のステップが失敗した管理表に「下書き失敗」と書き、Slack で知らせる。人が通知を開いて手で返信する
面接の枠がこの先5営業日に無い候補日を入れず、「日程は追ってご連絡します」とした下書きにし、採用担当に知らせる
再案内を2回送っても返事が無い状態を「連絡途絶」にして、以後は再案内の対象から外す
応募者から辞退の返事が来たZap 2 で「返事あり」になるだけ。状態を「辞退」にするのは人

上から3行目は、媒体によって必ず起きます。 応募者のメールアドレスを通知に載せず、管理画面のメッセージ機能でのやり取りを求める媒体があるためで、媒体の規約に沿って連絡します。 6行目の失敗で応募が埋もれないよう、下書きの無い応募の件数を毎朝の通知に載せます。

Step11

記録を残す

  • 応募の通知のメール(Gmail にそのまま残る)と、受け取った日時、媒体名
  • 1つ目のステップで拾った項目と、そのとき引いた事業所の条件
  • 案内の種類と、それを決めた条件(どの食い違いに当たったか)
  • 作った下書きと、採用担当が実際に送った文面
  • 再案内の回数と日付、返事の有無、最終の状態(面接の予定/辞退/連絡途絶)
  • 媒体ごとの、応募から最初の返信までの時間

4つ目で「実際に送った文面」を残すのは、下書きとの差を見るためです。 毎回同じ箇所を直しているなら、指示か決まり文句を直せば済みます。最後の行は、媒体の費用を見直す材料になります。

04実装レベルの3段階

最小構成:通知の本文と事業所の条件を手でAIの画面に貼り、案内を下書きさせる / 1件ごとの項目の拾い出しと案内の下書き
半自動化:上記+Zapier で通知の受信から Gmail の下書き、管理表の記録、返事の無い応募者の再案内の下書きまでを自動で動かす / 受付から下書きまでと、再案内の下書き
本格構成:上記+面接の予約の仕組みと事業所のカレンダーをつなぎ、応募者が候補日を選ぶと予定が入る / 日程の確定と、事業所の管理者への連絡まで

本記事の想定は半自動化です。 介護の採用では電話で話してから日程を決めることも多く、日程の確定まで自動にすると、電話の応募者だけが別の流れになります。 最小構成は、確かめるための段階です。 本格構成に進むかは、半自動化を2か月回し、候補日をそのまま選ぶ返事の割合を見てから決めます。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
3 名
月間件数
300 件
1件あたり現在時間
12 分
1件あたり導入後時間
4 分
現在  300件 × 12分 ÷ 60 = 60 時間/月
導入後 300件 × 4分 ÷ 60 = 20 時間/月
月間削減時間
40h
削減率
67%
年間削減時間
480h
年間金額換算(時間単価2,800円)
134万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 複数の介護事業所(特別養護老人ホーム、デイサービス、訪問介護など)を運営し、求人媒体と自社の採用サイトから月に百〜数百件の応募が届く法人。本部の採用担当が少人数で、応募の通知を読んで事業所ごとに面接の日程を案内しているが、返信が翌日以降になる場合。応募の通知が Gmail のアドレスに集まり、応募者の管理を Google スプレッドシートで行っている場合。
向いていない
  1. 応募が月に数件で、事業所の管理者がその日のうちに電話で連絡できている場合。応募者とのやり取りを求人媒体の管理画面のメッセージ機能だけで行い、メールで連絡しない場合。採用管理システムを導入済みで、応募の受付から日程の案内までがその中で自動化されている場合。なお、採否の判断と、資格や経験が募集の条件を満たすかの判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月届いた応募の通知から20件を選ぶ(夜勤不可、資格が受講中、電話の希望ありのものを必ず混ぜる)
  2. 応募した事業所の条件を、条件表の形で20件分書き出す
  3. 手元のAIサービスの画面に、通知の本文と事業所の条件を貼り付ける
  4. 「この応募の通知から、資格・勤務の希望・夜勤の可否・通勤の手段を拾い、書かれていないものは『記載なし』としてください。そのうえで、事業所の条件と食い違う点があれば、決めつけずに確かめる質問を入れた面接の案内の返信を、待遇を書かずに下書きしてください」と指示する
  5. 出てきた下書きを、実際に送った案内と並べて読む

20件は必ずやってください。 ワークフローを組む前に、「通知の書き方がばらばらでも項目が拾えるか」と「食い違いの質問が突き放す書き方にならないか」を確かめます。

出てきた内容判断
項目が拾え、質問が丁寧に書けているZapier での組み立てに進む
待遇や見送りを書いてしまう指示の書き方で直る。構成は有効
資格や夜勤の可否の拾い誤りが多い媒体の通知の書式を先に見直す。 媒体ごとに拾い方の注意を足す

2行目が出たら、「待遇は書かない」「見送りの表現を書かない」を足して、同じ20件でもう一度試してください。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
待遇を書き足してしまう指示で禁じ、notes_for_staff に「待遇の質問あり」と出させる
条件と合わない応募者に見送りの文面を書く見送りの表現を禁じ、確かめる質問の例文を指示に置く
受講中の資格を修了と扱うqualification_status で受講中を分けて拾う
旧制度の資格名をAIが読み替える読み替えは表で行い、AIには書かれた名称だけを拾わせる
候補日に休みの日が入る候補日はワークフローで計算し、AIには並べるだけをさせる
媒体の通知が送信専用のアドレスから届くCreate Draft Reply ではなく、本文から拾ったアドレス宛ての Create Draft にする
新しい媒体の応募で動かない契約したら検索の文字列に1行足す。月1回、管理表の件数と媒体の管理画面の件数を比べる
同じ人に2通の案内が届く直近30日の重複を管理表で引き、下書きを作らずに人に回す
再案内が何度も届く管理表の再案内の回数で「要」を止める。2回で打ち切る
事業所の条件表が古い事業所の管理者が月1回見直す決まりにする
電話を望む応募者にメールだけを送るcontact_preference を拾い、Slack の通知の先頭に出す
通知の広告の文から項目を拾う前処理で定型の文を切る

上の4行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも、AIが親切に書こうとして、採用担当が決めるべきことを文面の中で決めてしまうという同じ形をしています。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 応募者の名前、メールアドレス、電話番号、資格、経験、勤務の希望、通勤の手段、住所や最寄り駅です。履歴書や職務経歴書のファイルは扱いません。

  1. AIに渡す範囲を、最初の返信に要る項目までに限る … 通知の本文に生年月日や住所の番地まで書かれていても、案内の下書きには要りません。2つ目のステップには、拾った項目のうち必要なものだけを差し込みます
  2. 年齢・性別・家族・健康についての記述を拾わない … 採否に関係の無い事項を、管理表にも文面にも残しません。1つ目のステップの指示で拾わないよう明記します
  3. この構成は採否の判断を代替しない … 資格や経験が条件を満たすか、別の求人に回すかは、事業所の管理者と採用担当が決めることです
  4. 管理表の共有の範囲を決める … 事業所の管理者には、自分の事業所の応募者だけが見える形にします
  5. 保存の期間を決めて消す … 採用に至らなかった応募者の情報をいつまで残すかを、法人の規程で決めておきます

誤りが起きた場合のリスクは、応募者に誤った候補日や待遇を伝えることと、条件の合わない応募者を黙って落とすことの2つです。 前者は候補日をワークフローで作り、待遇を書かせないことで防ぎ、後者は見送りの文面を書かせないことで防ぎます。どちらも、決めることを人の側に置く設計で守ります。

10まず何から始めるか

1週目:事業所の条件表を作る

12事業所の管理者に、求人ごとの職種、求める資格、夜勤の有無、送迎の運転の要否、最寄り駅、面接の担当者と曜日・時間帯を聞き取り、条件表にします。応募の多い上位4事業所から埋めます。 あわせて、資格の読み替え表を、法人の採用の方針に合わせて作ります。

2週目:20件で試す

先月の応募の通知から20件を選び、手元のAIサービスで項目を拾わせ、案内を下書きさせます。待遇を書いていないか、見送りの表現が無いか、受講中の資格を修了と扱っていないかを最優先で見ます。

3週目:受付から下書きまでをつなぐ

Zapier で、Gmail のトリガーから下書き、管理表、Slack までを作ります。この時点では、媒体を1つに絞って動かします。

4週目:返事の記録と再案内を足す

Zap 2 で返事を記録し、Zap 3 で毎朝の再案内の下書きを作ります。再案内の回数で打ち切る計算式を、管理表に入れてから動かします。

2か月目: 媒体を4つ全部に広げ、媒体ごとの応募から最初の返信までの時間を毎週数えます。3か月目以降: 下書きと実際に送った文面の差を見て、指示と決まり文句を直します。1件12分が何分になったかを実測し、本格構成の予約の仕組みにつなぐかを決めた時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-07/最終更新:2026-10-07
確認した内容情報源確認日
AI by Zapier が Zap の中に置くAIのステップであること。出力の項目を名前・型で定義できること。モデルの階層が Standard(1倍)・Advanced(3倍)・Premium(5倍)・Bring Your Own Key(1倍)のタスクであること。Professional・Team・Enterprise のプランで使え Free では使えないこと。過去の実行から学習しないこと。URLの中身を取りに行けないことZapier Help: Use AI by Zapier to analyze and return data2026-10-07
Gmail のトリガーに New Email Matching Search(検索の文字列に合う新しいメールで動く)があること。アクションに Create Draft、Create Draft Reply、Send Email があることZapier: Gmail integrations2026-10-07
Lookup Spreadsheet Row が1行を探すこと。Lookup Spreadsheet Rows (Advanced) が最大500行を返すこと。Update Spreadsheet Row が1回の実行で1行しか更新できないことZapier Help: Find and update spreadsheet rows in Google Sheets2026-10-07
Paths の1グループに最大10本の分岐を置けること。左から順に評価されること。どれにも当たらないときの分岐を1つ置けること。Professional 以上のプランで使えることZapier Help: Add branching logic to Zaps with Paths2026-10-07
Looping by Zapier が最大500回まで回せること。ループの後ろのアクションが1回ごとに1タスクを使うこと。Professional 以上で使えオープンベータであること。入れ子のループができず、複数の Paths にループを置けないことZapier Help: Understanding Looping by Zapier2026-10-07
Schedule by Zapier に Every Day(平日だけにする設定あり)があること。タスクを使わないこと。アカウントの時間帯で動き、予定の時刻から数分以内に動くことZapier Help: Schedule Zap workflows to run at specific intervals2026-10-07

応募者の個人の情報の取り扱いと、採否の判断の基準は、法人の規程と採用の方針で決めてください。 本記事は Zapier の公開している仕様で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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