AI端末の入れ替え時期はどう決める?|性能不足を数で見る

AI端末の入れ替え時期はどう決める?|性能不足を数で見る

「配ってから4年目の端末が半分以上あって、現場からは遅いと言われるのですが、どのくらい遅いのかと聞かれると答えられません」「AIの道具を入れたいのに、いまの端末で動くのかどうかを誰も判断できず、話が半年止まっています」——情報システム部門から、この形の相談が続いています。端末の入れ替えは、必要性そのものは社内で共有されているのに、決める材料がないまま先送りされる代表格です。入れ替え時期は、配った年や機種の発売年からは決まりません。決まるのは、いまの端末で何が何秒かかっているかという、手元で測れる数からです。この記事では、性能不足を数で見る5つの見方と、理由ごとに変わる決裁の通し方、そして替え方の比べ方までを順に整理します。


カメ先生カメ先生

端末の入れ替えというと、何年で替えるのが正しいかという年数の話になりがちなんだけどね。年数は会計の都合で決まっている面が大きくて、現場がどれだけ待たされているかとは別の物差しなんだよ。


カメ子カメ子

税務上の年数を過ぎたかどうかと、仕事が滞っているかどうかは、別に見るということですか。


カメ先生カメ先生

分けたほうが話が進むね。しかも入れ替える理由は1つではなくて、性能が足りない、提供が終わる、壊れた、の3つに分かれる。この3つは必要な資料も決裁の通り方も違うから、まとめて1本の相談にすると必ず途中で止まる。


カメ子カメ子

3つを混ぜずに、いまはどれの話をしているのかを先に決める、ということでしょうか。


この記事のポイント
  • 入れ替える理由は3つに分かれる。性能不足、提供の終わりなどの期限、故障。必要な資料も決裁の通し方も違うので、混ぜて1本の相談にしない
  • 性能不足は5つの数で見る。待ち時間の秒数、同時に開ける数、電池の持ち、手元で動かせる処理の可否、記憶の空き。どれも自社の端末で測れる
  • 本人の申告だけで決めない。稼働記録の要約と入れ替え順の下書きはAIに任せ、台数と予算は人が決める

AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

目次

「重くなったら替える」では、いつまでも順番が決まらない

重い、遅い、という言葉は端末の状態を表していません。同じ機種でも、表計算の大きな表を扱う人と、資料を読むだけの人では体感がまったく違います。さらに困るのは、申告が上がってくる量が部署ごとに偏ることです。声の大きい部署から順に替わり、黙って待っている部署の端末が最後まで残ります。これは端末の問題ではなく、判断の材料が言葉でできていることの問題です。

では年数で決めればよいかというと、こちらも別の物差しです。パソコンの法定耐用年数は4年とされていますが、これは税務上の償却の区切りであって、4年目に性能が落ちるという意味ではありません。実際には、同じ年に配った端末でも、使われ方によって3年目で足りなくなるものと、6年目でも困らないものが混ざります。配った年でそろえた入れ替えは、必要な端末を後回しにし、必要でない端末を先に替えます

必要なのは、言葉でも年数でもない第3の物差しです。手元で測れて、機種が違っても比べられて、決裁の資料にそのまま載せられるもの。この記事では5つを使います。待ち時間の秒数、同時に開ける数、電池の持ち、手元で動かせる処理の可否、記憶の空きです。5つとも、自社の端末で1日あれば測れる範囲に絞ってあります。測るのに外部の道具を入れる必要はありません。

入れ替える理由は3つに分かれる:性能不足・期限・故障

最初にすることは、いま議論している入れ替えがどの理由なのかを決めることです。理由は3つに分かれます。1つ目は性能不足で、動いてはいるが遅い、新しい道具が動かない、という状態です。2つ目は期限で、基本ソフトや業務で使う仕組みの提供が終わる、保守が切れる、といった日付で決まるものです。3つ目は故障で、壊れた、あるいは修理費が買い替え費用に近づいた状態を指します。

この3つを混ぜると、相談が必ず止まります。性能不足の話に期限の話を足すと「では期限まで待てばよい」となり、故障の話に性能の話を足すと「まず壊れたものだけ替えよう」となります。どの理由で何台なのかが分かれていない資料は、決裁の場で必ず差し戻されます。逆に、3つに分けた台数さえ出せれば、資料の残りは短くて構いません。

手を動かす話にすると、端末の台帳に列を1つ足すだけです。理由の列を作り、性能・期限・故障のいずれかを入れます。どれにも当てはまらない端末には何も入れません。空欄のままの端末が全体の何割かを見ると、いま替える必要がない台数がその場で分かります。この割合は、予算の相談で最初に聞かれる数字でもあります。

理由ごとに決裁の通し方が変わる

性能不足がいちばん通しにくい理由です。いま動いているものを替える提案なので、困っていない人にも納得してもらう必要があります。ここで効くのが秒数です。1回あたり30秒の差でも、1日に20回あれば10分、年に220日働くなら36時間を超えます。人数を掛けた時間で書くと、端末の値段と同じ土俵に乗ります。感覚を並べた資料は通りませんが、時間を並べた資料は比べられます。

期限は日付が根拠になるので、比較的通りやすい理由です。ただし予算の年度をまたぐことが多く、間に合わない分をどうつなぐかという話が必ず出ます。旧い版の基本ソフト向けに提供されている延長された安全更新は、その典型です。公開されている費用の例では、1台あたり61米ドルから始まり、毎年2倍になっていきます。3年分では累計427米ドルで、しかも累積購入の形なので、1年目を飛ばして2年目から買う場合はその時点で183米ドルを払うことになります。法人向けの1年目は2026年10月13日に終わるとされています。

故障は1台ずつなら通りますが、増えていること自体は集計しないと見えません。修理の依頼を機種と配布年ごとに数え、同じ年に配った端末の故障率が前年の何倍になっているかを出します。故障率が上がり始めた年が、その機種の入れ替えを始める年です。全台が壊れるまで待つと、修理の待ち時間と代替機の手配が一気に来ます。

見る項目の1つ目:待ち時間を、秒で置く

測る対象は3つに絞ります。電源を入れてから業務を始められるまで、いちばんよく使う資料を開き終わるまで、そして会議の接続が始まるまで。この3つは全員が毎日通る工程なので、部署による偏りが出ません。作業内容に依存する処理を測ると、端末の差なのか仕事の差なのかが分からなくなります

測り方は単純です。新しい端末を1台だけ基準機として用意し、同じ手順を同じ時間帯に3回ずつ行って、秒数を記録します。既存の端末についても、機種と配布年ごとに3台ずつ選んで同じことをします。全台を測る必要はありません。機種と配布年がそろえば、同じ傾向が出るためです。測るのは情報システム部門の担当者1人で、1日あれば終わります。

線の引き方は、基準機の何倍かで決めます。実務では2倍が使いやすい線です。基準機で20秒の工程に40秒以上かかる端末は、入れ替え候補にします。倍で見ると、機種や測った日が違っても比べられます。秒数そのものを線にすると、測った日の混み具合で結論が動いてしまいます。

見る項目の2つ目:同時に開ける数が減っていないか

いまの仕事では、資料と表計算と会議と社内の仕組みを同時に開いた状態が普通です。作業用の記憶が足りないと、この同時に開ける数が減ります。減り方は緩やかなので、使っている本人は「最近よく閉じるようになった」としか自覚しません。本人が不便を言語化する前に、作業のしかたのほうが縮んでいます

測るのは使用率です。作業用の記憶の使用率が9割を超えている時間が、1日の何割あるかを見ます。9割超が就業時間の2割を超えている端末は、同時に開ける数が足りていないと判断できます。この数字は端末側の記録から取れるので、本人に聞く必要がありません。逆に、使用率が5割を超えない端末は、記憶の面では当面困りません。

線としてよく使われるのは16ギガバイトです。手元で人工知能の処理を動かすことを条件にした端末の区分でも、作業用の記憶は16ギガバイト以上が必要とされています。8ギガバイトの端末が多く残っているなら、その台数を先に数えるだけで、入れ替えの優先順位はほぼ決まります。増設できる機種かどうかも、同じ台帳で確かめておきます。

見る項目の3つ目:電池が半日もたないという線

電池は、社外に出る職種と会議の多い職種で効いてきます。会議室で電源を取れない時間が続くと、途中で席を立つことになります。測り方は2つあり、1つは実際に電源を抜いてから業務が続けられる時間、もう1つは設計上の容量に対していまの満充電容量が何割かという劣化の割合です。後者は端末の記録から取れるので、全台を一度に見られます

線は8割が使いやすい位置です。満充電容量が設計容量の8割を切った端末は、電源の無い場所での作業時間が目に見えて短くなります。ただし、席から動かない職種では8割を切っても困りません。だから電池だけは、職種を条件に付けて判断します。外出のある職種と、会議室に長くいる職種を先に洗い出しておきます。

  • 電池だけを交換するという選択肢がある。交換費用と、その端末の残り年数を並べて比べる。残りが1年なら交換のほうが安く、3年あるなら本体の入れ替えを検討する
  • 交換できない機種が増えている。台帳に交換可否の列を作っておくと、その場で判断できる
  • 劣化の進み方は使い方で変わる。常に電源につないだまま使う端末は、持ち歩く端末と別に見る

電池を理由にした入れ替えは、性能不足と混ぜないほうが通ります。電池は交換という代替手段があるため、入れ替えの理由としては弱いと見られるからです。電池が8割を切っていて、かつ待ち時間も基準機の2倍を超えている端末から先に替える、という形で重ねます。

見る項目の4つ目:手元で動かせる処理があるかどうか

ここが数年前と変わった点です。人工知能の処理を、向こう側に送らずに端末の中で動かす使い方が出てきました。マイクロソフトが開発者向けに公開している資料では、この使い方に対応した端末の条件として、1秒あたり40兆回を超える演算ができる専用の演算装置を挙げています。作業用の記憶は16ギガバイト以上、保存領域は256ギガバイト以上という条件も併せて示されています。

手元で動かす利点は2つあります。1つは、扱う内容を外に送らずに済むこと。もう1つは、向こう側との通信が要らないぶん、電池の持ちと応答の速さで有利になることです。同じ資料では、処理を端末側とクラウド側に振り分ける仕組みが説明されており、端末側で動かせる処理は端末側に寄せる方向が示されています。

ただし、これが全社に必要とは限りません。先に決めるのは「どの部署が、どの処理を、手元で動かす必要があるか」の1行です。扱う内容を外に出せない部署、通信の不安定な現場に出る職種、大きな資料を扱う職種。この3つに当てはまらない部署は、当面は向こう側に任せる形で足ります。条件を満たす端末は値段が上がるので、全台に広げると予算が通らなくなります。

見る項目の5つ目:記憶の空きが足りているか

見落とされやすいのが保存領域の空きです。空きが全体の1割を切ると、更新の適用が失敗したり、一時的な書き込みが詰まって全体が遅くなったりします。この状態は性能不足とよく似た症状を出しますが、原因が違うので入れ替えても直りません。空きを増やせば元に戻ります。

空きが減る原因は3つに集中します。同期する共有フォルダを丸ごと端末側に置いている、会議の録画が残り続けている、更新の一時ファイルが消えずに積み上がっている。この3つを片付けるだけで、多くの端末で数十ギガバイトが戻ります。入れ替えの検討を始める前に、まずこの掃除を先に回します。

掃除しても空きが1割を切る端末は、保存領域そのものが足りていません。256ギガバイトの端末で業務用の資料を扱っている場合、この状態になりやすくなります。掃除の前後で空きを2回測り、掃除後も足りない端末だけを候補に残します。掃除の前の数字だけで判断すると、替えなくてよい端末まで候補に入ります。

5つの見方を、1枚の基準表にまとめる

5つをばらばらに見ていると、判断する人によって重みが変わります。表の形にして、測り方と線と例外を並べておきます。次の表は、そのまま台帳の列として使える形にしたものです。いちばん右の列を必ず持たせておくのが要点で、これが無いと線を割った端末が全部候補に入ってしまいます。

見る項目測り方入れ替え候補にする線線を割っても替えなくてよい場合
待ち時間起動・資料を開く・会議の接続の3工程を、同じ時間帯に3回測る基準機の2倍を超える工程が1つでもあるその工程を1日に1回しか通らない職種。時間の合計が小さい
同時に開ける数作業用の記憶の使用率が9割を超える時間が、就業時間の何割かを見る9割超が就業時間の2割を超える記憶を増設できる機種で、増設費用が入れ替え費用の3割以下に収まる
電池の持ち設計上の容量に対する、いまの満充電容量の割合8割を切っている席から動かない職種。電池を交換でき、残り利用年数が1年程度
手元で動かす処理専用の演算装置の有無と、記憶16ギガバイト・保存領域256ギガバイトの充足手元で動かす必要がある部署なのに条件を満たさない向こう側に任せてよい部署。扱う内容を外に出せる業務しかない
記憶の空き同期フォルダ・録画・一時ファイルを片付けた後に、空きの割合を測る掃除後も空きが1割を切る掃除で1割以上に戻った。外付けの保存先に移せる資料が大半を占める

この表を使うと、候補の端末に理由が必ず1つ以上ひも付きます。決裁の資料には、理由ごとの台数と、その理由で失われている時間を書きます。5項目のうち2つ以上で線を割った端末から替える、という順番にすると、台数が現実的な規模に収まります。1つだけ割った端末は、次の年度に回します。

表の線は、最初から自社向けに調整しようとしなくて構いません。1回目は書いてある線のまま使い、候補になった台数を見ます。台数が予算に対して多すぎるなら線を厳しくし、少なすぎるなら緩めます。線を先に議論すると、測る前に議論が終わってしまいます

本人の申告だけで決めると、遅いと言わない人の端末が残る

ここまで測る話を続けてきたのは、申告だけで決めると偏るからです。申告が上がる量は、端末の状態ではなく部署の文化で決まります。困ったらすぐ言う部署と、自分で工夫して乗り切る部署では、同じ状態でも上がってくる件数が何倍も違います。結果として、いちばん我慢している人の端末が最後まで残ります

  • 使っている本人の申告だけで入れ替え対象を決めて、遅いと言わない人の端末が残る。申告のあった20台を替えたあと、翌年に同じ機種が別部署から一斉に上がってくる
  • 申告の無かった部署で、社員が個人の端末で資料を作り始める。会社の管理外に業務の資料が出ていくが、誰も気づかない
  • 入れ替えの予算を組むとき、前年の申告件数を根拠にしてしまう。申告が少なかった部署は台数を削られ、翌年さらに残る

手当ては、稼働の記録を機械で集めることです。待ち時間、記憶の使用率、電池の劣化、保存領域の空き。この4つは端末の側から取れます。申告は5つ目の材料として使い、申告が無い部署についても数字で候補に入れられるようにします。

ただしこれは、個人の作業を監視する仕組みにしてはいけません。取る項目を先に公開し、何を取らないか、つまり画面の内容や操作の履歴は取らないことを明記します。集計する単位も、個人ではなく機種と配布年と部署にそろえます。取る項目と取らない項目を1枚にして先に配る、という手順を飛ばさないことが、この仕組みを続けられるかどうかの分かれ目になります。

手元で動かすか、向こう側に任せるかで、必要な性能が変わる

入れ替える端末をどの水準にするかは、処理をどこで動かすかで変わります。考え方は2つあり、どちらが正しいというものではありません。扱う内容と、通信の安定度と、予算のどれを優先するかで決まります。次の表で並べて比べます。

考え方端末に求められる性能向いている業務気をつける点
手元で動かす専用の演算装置、作業用の記憶16ギガバイト以上、保存領域256ギガバイト以上。値段は上がる外に出せない内容を扱う業務、通信が不安定な現場、大きな資料をその場で扱う業務台数が増えるほど費用が膨らむ。対応する機種が限られ、調達の待ち時間が長くなることがある
向こう側に任せる通信の速さと安定が主。端末側の演算装置と記憶は控えめで足りる文章の下書き、要約、社内の問い合わせ対応など、内容を外に出してよい業務通信が止まると業務も止まる。利用量に応じた費用が毎月かかり、端末の費用と別に管理が要る
両方を混ぜる部署ごとに2つの水準を用意し、台帳で分けて管理する扱う内容が部署によって大きく違う組織。大半の企業はここに当てはまる水準が2つになると、設定も在庫も2系統になる。分ける基準を文書にしておかないと現場で崩れる

3行目を選ぶ会社が多いのですが、ここで失敗しやすいのが基準の書き方です。「重要な情報を扱う部署」のような書き方にすると、どの部署も自分が当てはまると考えます。部署名で名指しするか、扱う資料の区分名で書くかの、どちらかにします

市場の動きも参考になります。調査会社の分析では、旧い版の基本ソフトの提供終了という要因があった年の反動で、2026年は買い替えの周期が通常の複数年の間隔に戻るという見立てが示されています。同じ分析では、人工知能の処理を担う端末は、利用者にとって移行と高性能化の次の要素であり、現段階では需要をけん引する主因ではないとされています。急いで全台を新しい水準にそろえる理由は、いまのところ外部の事情の側にはありません

一斉に替えるか、順に替えるか

台数が決まったら、次は替え方です。一斉に替えると、設定作業を一度にまとめられ、機種がそろうので問い合わせの内容も1種類で済みます。一方で費用が1年に集中し、数年後に同じ山がもう一度来ます。一斉入れ替えは、次の一斉入れ替えを予約する行為でもあります

順に替える場合、よく使われるのは毎年3分の1ずつという配分です。この形にすると、次の更新のときに全台が同時に期限を迎える状況を避けられます。費用も毎年ほぼ同じ額になるので、予算の説明がしやすくなります。欠点は、社内に3世代の機種が混ざることで、設定や問い合わせの手間が増える点です。

どちらを選ぶかは、いまの機種の散らばり方で決めます。すでに3世代以上が混ざっているなら、一度そろえる価値があります。1世代に集中しているなら、順に替える形に移すほうが次の山を作りません。在庫を持つ台数も先に決めます。故障や中途入社に備えて、全台数の2%程度を目安に置く形が扱いやすいです。在庫を置かないと、1台の故障のたびに個別に調達することになります。

決めてから、回収と消去までの順番

入れ替えは、新しい端末を配ったところでは終わりません。古い端末の回収と、中の情報の消去までが1つの工程です。ここを設計に入れていないと、使わない端末が机の引き出しに残り、台帳と実物が合わなくなります。次の5段が、決裁が下りてから台帳を閉じるまでの順番です。なお、配る作業そのものの詰まり方は、別の記事で扱う領分です。

STEP1
台帳を、理由と線の結果で並べ替える

性能・期限・故障の理由別に、線を割った項目数の多い順に並べます。ここで初めて「上から何台まで替えるか」という話ができます。予算が先に決まっている場合も、並べた順に上から切るだけなので、部署間の調整が短く済みます。

STEP2
替える順番を、部署ではなく職種で決める

同じ部署の中でも、外に出る職種と席から動かない職種では急ぎ方が違います。部署単位で替えると、急いでいない人にも先に新しい端末が渡ります。職種で並べると、待たせている人から順に解消できます。

STEP3
旧い端末の返却期限を、新しい端末を渡す前に決める

渡したあとに返却をお願いすると、まず返ってきません。渡す条件として返却日を先に伝えます。返却日から逆算して、移行に必要な期間を2週間程度見ておきます。期間は職種ごとに変えて構いません。

STEP4
回収した端末の消去を、台数と日付で記録する

消去は、誰がいつ何台に対して行ったかを記録に残します。記録が無いと、外部に売却や処分を委託するときに証明ができません。消去の方法も、機種によって手順が変わるので、機種ごとに1枚の手順を作っておきます。

STEP5
台帳から落とし、次の入れ替えの予定年を入れる

新しい端末を台帳に載せるとき、同時に次の入れ替えの目安年を入れておきます。目安年は、この記事の5つの項目を次にいつ測るかという意味であって、その年に必ず替えるという意味ではありません。測る年を決めておくだけで、次の先送りが起きにくくなります。

5段目の「測る年を決める」が、いちばん効きます。入れ替えが先送りされるのは、判断する日が決まっていないからです。決裁の日ではなく、測る日を先にカレンダーに入れておくと、材料がそろった状態で相談を始められます。

AIに任せてよい工程と、人が決める工程

この一連の作業で、AIに任せると効くのは2つです。1つは稼働記録の要約で、機種と配布年ごとに待ち時間や記憶の使用率をまとめ、外れている端末を並べる作業です。件数が多いほど人手では追えなくなるので、ここは任せる価値があります。もう1つは入れ替え順の下書きで、台帳の並べ替えの案を出させる形です。

一方、人が決める工程ははっきりしています。替える台数と予算、どの職種を先にするか、どの部署を手元で動かす水準にするか。この3つは、社内の事情と来期の計画が絡むので、記録の中には答えがありません。AIが出した並べ替えの案をそのまま決裁に載せると、なぜその順番なのかを説明できなくなります。

運用に落とすときは、2つの条件を付けます。1つは、要約や並べ替えを出させるときにどの記録のどの数字を根拠にしたかを必ず書かせること。もう1つは、人が確認する範囲を先に決めておくことです。全件は見られないので、上位20台と、AIが候補から外した端末のうち10台を人が読み返す、という形で範囲を決めておきます。外した側を見ないと、線の引き方の誤りに気づけません。

よくある質問

法定耐用年数の4年を過ぎたら、替えるべきですか

替えるべきという意味ではありません。4年は税務上の償却の区切りで、性能の話とは別の物差しです。判断は、この記事の5つの項目で測った結果で行います。ただし、4年を過ぎた端末は故障率が上がり始める時期でもあるので、修理の件数を機種と配布年ごとに数え始める合図としては使えます。

一部の部署だけ先に新しい端末にすると、不公平になりませんか

先に決めた基準を公開しておけば、順番の説明はできます。公平さは「同時に配ること」ではなく「同じ基準で順番を決めたこと」で担保します。公開するのは、5つの項目と線、そして替える順番を職種で決めるという方針の3つです。個別の端末の測定値まで公開する必要はありません。

作業用の記憶を増やすだけで、延命できませんか

増設できる機種であれば、有効な場合があります。判断の目安は、増設費用が入れ替え費用の3割以下に収まるかどうかです。ただし、待ち時間の遅さが記憶以外の原因で起きている場合は改善しません。増設を検討する前に、5つの項目のどれで線を割っているかを確かめます。記憶の使用率だけが線を割っているなら、増設が効く可能性が高くなります。

貸与ではなく月額で借りる形に変えると、判断は変わりますか

測り方は変わりませんが、決裁の通し方が変わります。月額の形では費用が毎年ならされるため、一斉入れ替えの山が起きません。一方で、契約期間の途中で解約できない条件が付くことが多く、期間の残りを支払う必要が出ます。契約前に、解約の条件と、期間中に機種を変更できるかどうかの2点を確かめておきます。

まとめ

端末の入れ替えが決まらないのは、判断の材料が言葉と年数でできているからです。手元で測れる5つの数、つまり待ち時間の秒数、同時に開ける数、電池の劣化、手元で動かせる処理の可否、記憶の空きに置き換えると、決裁の場で比べられる資料になります。5つのうち2つ以上で線を割った端末から替える、という並べ方にすれば、台数も現実的な規模に収まります。

そのうえで、入れ替えの理由を性能不足・期限・故障の3つに分けて別々に通します。替え方は一斉と順次を機種の散らばり方で選び、回収と消去、そして次に測る年までを1つの工程として設計します。稼働記録の要約と入れ替え順の下書きはAIに任せてよい一方で、台数と予算、どの職種を先にするかは人が決めます。測る日を先にカレンダーに入れることが、次の先送りを止める最初の一手になります。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

AI活用を戦略に落とす前に、まずは導入・定着から始めませんか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

運営会社:株式会社デボノ

目次