AIに作らせた資料の体裁を揃える方法|型と後処理で直す

AIに作らせた資料の体裁を揃える方法|型と後処理で直す

「AIに資料の下書きを作らせると、毎回ちがう形で出てきます」「体裁の決まりを指示文に書き足していたら、指示のほうが資料より長くなりました」——資料作成にAIを使い始めた部署からは、そろってこの2つが出てきます。総務省の令和7年版情報通信白書に載った2024年度の調査では、企画・資料作成などの補助に生成AIを業務で使っていると答えた日本企業は47.3%。使う会社が増えたぶん、揃わないという声も同じ速さで増えました。体裁が揃わないのは、指示文が足りないからではありません。揃える工程を、生成の前にしか置いていないことが原因。この記事では、ぶれる場所の見分け方と、渡す型と後処理で揃える手順を整理します。


カメ先生カメ先生

資料の体裁が毎回変わるのを、指示の書き方が悪いせいだと考える人が多いんだ。でも生成AIは次に来る語を確率で選んでいるから、同じ指示を出しても、出てくる形はそのつど揺れる。指示を厚くして揺れを抑えにいくと、ある所から先は効き目が伸びなくなるんだ。


カメ子カメ子

指示を細かくしても、完全には揃わないということですか。


カメ先生カメ先生

そう。だから工程を分ける。渡す時点では、形そのものを現物として渡す。出てきたものは機械で直す。それでも残るところだけ人が手を入れる。この3段に分けると、直す場所が毎回同じところに落ち着く。


カメ子カメ子

生成の後ろにも、揃える工程を置くという考え方なのですね。何から順に決めればよいのでしょう。


この記事のポイント
  • 体裁がぶれる場所は6つに決まっている。見出しの階層、箇条書きの粒度、表の列、数字と単位、語尾、図の置き場
  • 指示文を厚くして揃える道は途中で頭打ちになる。決まりは指示文に5つまで、それ以上は現物で渡す
  • 揃え方は3段。渡す時点で形を決め打ちする/出てきたものを機械で直す/人は数えられないところだけ見る

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目次

体裁がぶれるのは、指示が足りないからではない

まず仕組みを押さえます。生成AIは、次に来る語を確率で選んで文を作ります。確率がいちばん高い語だけを選ぶ設定にしても、候補の差がわずかなところでは選ばれる語が入れ替わります。計算の丸めや、処理をまとめる単位の違いでも結果は動きます。同じ指示を2回通せば、2回とも同じ形で返ってくるとはかぎりません

ここが体裁の話に効いてきます。中身は多少揺れても読めますが、形が揺れると使えません。見出しが3階層の回と4階層の回があれば、そのまま並べられない。表の列数が違えば、前回と比べられない。中身の揺れは許せても、形の揺れは次の工程を止めます

だから対処の向きが変わります。揺れをゼロにしようとするのではなく、揺れる前提で、後ろに直す工程を置く。これは校正や検算と同じ考え方です。間違いが出ない書き手を探すのではなく、出た間違いを決まった手順で拾う。資料の体裁も、同じ扱いにします。

この向きで見ると、直す工程をどこに置くかも決まります。生成の直後に1回だけ通し、人が中身を読むより前に済ませる形にします。人が読んだあとに形を直すと、読んだときの判断と直したあとの形がずれて、もう一度読み直すことになります。形を先に固定してから中身を読む、という順番にすれば、読む作業は1回で終わります。確認に時間がかかっている部署ほど、この順番が逆になっています。

ぶれる場所は6つに決まっている

体裁がぶれると言うとき、実際に何が動いているのかを分解します。数十本の下書きを並べて見ると、動くのは6か所に集まります。見出しの階層、箇条書きの粒度、表の列、数字と単位の書き方、語尾、図の置き場。それ以外の部分は、指示を変えないかぎりほとんど動きません。

ぶれる場所よくある出方機械で直せるか人が要るところ
見出しの階層3階層の回と4階層の回が混じる。同じ深さで本数が2本と9本に開く直せる。深さと本数は数えられる見出しの言葉の粒がそろっているか
箇条書きの粒度1項目が12字の回と140字の回が混じる。入れ子が2段に伸びる直せる。字数と入れ子の段は数えられる並びに順序の意味があるか
表の列列が3列の回と6列の回が混じる。空欄の埋め方が回ごとに変わる直せる。列数と空欄の表記は数えられる列の意味が重なっていないか
数字と単位算用数字と漢数字が混じる。単位の付け方と位取りが揺れる直せる。置換の表で機械的に寄せられる丸める桁を変えてよいか
語尾ですます調とである調が同じ資料の中で混じる。一人称が3種類出る直せる。混在は数えれば出る強さを変えてよい箇所かどうか
図の置き場節の頭に入る回と末尾に入る回がある。説明文の位置が動く直せる。置き場の規則で寄せられるその図が要るかどうか

この表の使い方は2つあります。1つは、直す順番を決めること。上から順に直すと、あとの工程で前の工程が壊れません。もう1つは、担当を分けること。3列目が「直せる」の行は人が見なくてよい行で、人が読むのは4列目だけになります。ここを分けないと、毎回すべてを読み直すことになります。

「指示文を厚くすれば揃う」は途中で頭打ちになる

最初に多くの人が試すのが、指示文に体裁の決まりを書き足していく方法です。効きます。ただし、ある所から伸びが止まります。理由は2つ。長い指示文の中では後ろのほうの決まりが守られにくくなること、そして決まり同士が矛盾したときにどちらを優先するかを書けないことです。

  • 体裁の決まりを20行書き足したところ、中身の指示が相対的に薄まり、資料の主張がぼやけた
  • 「見出しは3階層まで」と「詳しく分けて」を同時に書いたため、回ごとにどちらかが無視された
  • 指示文が長くなりすぎて、誰も全文を読まないまま使い回され、古い決まりが残り続けた
  • 決まりを守れたかどうかを確かめる手段がなく、守られていない回に誰も気づかなかった

実務の目安を1つ置きます。体裁の決まりは、指示文の中に5つまで。6つ目からは現物で渡すほうが早く、確実です。この5つには、いちばん壊れると困るものを充てます。多くの場合は、見出しの深さ、箇条書きの1項目の字数、表の列数、語尾、図の置き場です。指示文で守るのは上限の5つだけ、と決めてから残りの設計を始めます

指示文で揃えにいく方法には、持ち主の問題もあります。決まりが指示文の中にあると、直せるのはその指示文を書いた人だけになり、体裁を変えたい人が自分で動けません。形を現物として渡す作りにしておけば、直したい人は現物のほうを直せばよく、指示文には触らずに済みます。形を決める人と、資料を作る人を分けられるかどうかが、この運用が続くかどうかの分かれ目です。

揃え方を3段に分けると、直す場所が毎回同じになる

6か所を3段に割り当てます。第1段は渡す時点。形そのものを現物として渡し、埋めさせます。第2段は出てきたものを機械で直す。数えられるものだけを、決まった手順で寄せます。第3段は人の最後の一手。数えられないところだけを読みます。

割り当ての原則は単純です。後の段になるほど費用が高いので、早い段で止められるものは早い段で止めます。現物を渡すのは一度作れば繰り返し使えるので最も安く、機械の処理は毎回動くので中くらい、人が読むのは毎回時間を使うので最も高い。この順に詰めていきます。

段を分ける利点は、直す場所が毎回同じになることです。ぶれた資料を見たときに「どこを直せばよいか」ではなく「どの段が抜けたか」を問えるようになります。同じ場所が3回続けて崩れたら、その決まりは1段前に移します。第2段で毎回直しているものは第1段へ、第3段で毎回直しているものは第2段へ。段を動かすだけで、後ろの手間が減ります。

第1段。形は文章で頼まず、穴あきの現物で渡す

第1段の要点は、形を言葉で説明しないことです。「見出しは3階層まで、各階層は3本から7本」と書くより、3階層の見出しが空欄で並んだ現物を渡し、埋めさせるほうが確実に守られます。言葉は解釈が入りますが、現物には解釈の余地がありません。

現物の作り方は、既存の良い資料から起こします。過去に作った資料のうち、形が整っていて評判がよかったものを1本選び、中身を全部消して枠だけにする。見出しの位置、箇条書きの数、表の列、図の場所が空欄で残ります。ゼロから設計すると必ず抜けが出るので、実在した資料から起こします。

この現物を渡すやり方は、指示文の中にひな形を書き写すのとは違います。渡すのは形であって、書き方の指示ではありません。なお、指示文をどう設計し、誰が管理し、どこに置くかは、この記事では扱いません。別の記事の領分です。ここで扱うのは、出てきたものをどう揃えるかだけにとどめます。

見出しの階層は、深さの上限を数で決める

見出しは最も早く崩れる場所です。決めるのは3つ。深さの上限、1つの階層に並ぶ本数の幅、見出し1本の字数の幅。たとえば深さは3まで、同じ深さに並ぶのは3本から7本、1本は13字から25字。数で書けば、あとで機械が数えられます。

上限を3にする理由は、読む側の都合です。4階層まで下りると、いま自分がどこを読んでいるのかが追えなくなります。3階層で収まらないときは、章を分けるほうが読めます。本数の幅も同じで、2本しかない階層は分ける意味がなく、8本以上ある階層は分け方が粗いという合図になります。

字数の幅は、目次に並べたときの見え方で決まります。5字の見出しと40字の見出しが並ぶと、目次が資料に見えなくなります。ここも数で決めておくと、生成後に幅から外れたものだけを抜き出せます。直す候補を人が探すのではなく、幅から外れたものを機械に出させます

上限を守らせるときに効くのが、上限に達した場合の逃がし方まで先に決めておくことです。3階層で収まらない節が出たら、4階層目を作るのではなく、節そのものを2つに割る。割ったあとの見出しをどう付けるかまで書いておくと、生成のたびに人の判断が要らなくなります。逃がし方の書いていない上限は、急いでいるときに必ず破られます。

箇条書きの粒度は、1項目の字数の幅で決める

箇条書きは、粒度が揃っていないことが最も目立つ場所です。1項目が12字の行と140字の行が同じ箇条書きに並ぶと、読み手は同じ重さのものとして読めません。決めるのは3つ。1項目の字数の幅、1つの箇条書きの項目数、入れ子の段数です。

目安としては、1項目40字から80字、1つの箇条書きは3項目から6項目、入れ子は1段まで。字数の下限を置く理由は、短すぎる項目が名詞の羅列になって意味を持たなくなるからです。上限を置く理由は、80字を超えた項目はたいてい2つのことを言っているからで、分けるべきかどうかの合図として使えます。

項目数の上限も効きます。7項目を超えた箇条書きは、たいてい分類が1段足りていません。生成後に7項目以上の箇条書きだけを抜き出して見ると、上位の区分を足せば2つか3つの束に割れるものがほとんどです。ここは機械で抜き出し、割り方だけ人が決めます。

表は列と並び順、それに空欄の書き方まで先に固定する

表は、揃っていないことが数字として見える場所です。決めるのは4つ。列数の幅、1列目に何を置くか、行の並び順、空欄の書き方。列数は3列から5列。2列の表は文章に戻したほうが読め、6列を超えると横に溢れます。

1列目は、読み手が探す手がかりを置きます。比較する対象、工程の名前、期間のいずれかです。ここが揺れると、同じ資料の中で表ごとに読み方が変わります。行の並び順も先に決めます。大きい順か、時系列か、工程の順か。並び順を決めない表は、生成のたびに順番が入れ替わります

見落とされがちなのが空欄です。空けたまま出す回、ハイフンを入れる回、「なし」と書く回が混じります。空欄を作らず「該当なし」と書く、と1つに決めます。理由は、空欄だと「まだ調べていない」のか「本当にない」のかが読み手に伝わらないからです。調べていないなら「確認中」と書き分けます。この2語を決めておくだけで、表の信頼度が変わります。

第2段。出てきたものを機械で直す5工程

ここからが後処理です。順番が重要で、後ろの工程が前の工程を壊さない並びにしてあります。見出しを先に直してから箇条書きを直す、表記の置換は最後に近いところで通す、という順です。

STEP1
見出しの深さと本数を数える

階層の深さが上限を超えていないか、同じ深さに並ぶ本数が幅に入っているかを数えます。ここで構造が決まるので、必ず最初に通します。幅から外れた箇所だけを一覧に出し、章を分けるか統合するかを決めます。

STEP2
箇条書きの字数の幅から外れた項目を抜き出す

1項目の字数、項目数、入れ子の段数を機械で数え、幅の外にあるものだけを並べます。上限を超えた項目は分ける候補、下限を下回った項目は前後の項目に吸収する候補です。

STEP3
表の列数と空欄の書き方を寄せる

列数が幅の外にある表を抜き出し、空欄が残っている升目を「該当なし」か「確認中」に置き換えます。空欄の残った升目の数は、資料が仕上がっているかどうかの指標になります

STEP4
表記の置換表を通す

数字、単位、位取り、かなと漢字の使い分けを、社内の置換表で一括して寄せます。置換は不可逆なので、通す前の版を1つ残します。固有の名前は置換の対象から外し、別の一覧で扱います。

STEP5
語尾と一人称を数え、図の置き場を寄せる

文末の形を数えて混在があれば片方に寄せ、一人称が複数出ていれば1つに統一します。最後に、図と表を決めた置き場に移し、説明文の位置を揃えます。

5工程を通すと、6か所のうち数えられる部分はほぼ片づきます。所要は、20ページ程度の資料で10分から15分。毎回同じ順番で通すことが条件で、順番を変えると前の工程の結果が崩れます。

通す前に、もう1つ決めておきます。5工程のどこかで直しきれなかったものを、どこへ書き出すかです。直せなかった箇所を本文に残したまま次へ進むと、後の工程でさらに崩れて、最後には何が未処理なのか分からなくなります。別の一覧に抜き出し、そのまま第3段へ渡す。この受け渡しの形を決めていないと、後処理と人の確認のあいだで必ず抜けが出ます

数字と単位は、置換の表を1枚だけ持つ

表記の揺れは、直すたびに議論が起きます。議論を短くする方法は、社内で1枚だけ表を持つことです。列は3つ。出てきやすい書き方、社内で使う書き方、置換してよいかどうか。3列目を置く理由は、機械的に置き換えると壊れるものがあるからです。

壊れるものの例を挙げます。引用した文の中の表記、固有の名前に含まれる数字、法令の条番号、金額の桁区切り。これらは自動の置換から外し、別の一覧に移します。置換してよいかどうかの列がない表は、いつか引用を書き換えます

拠り所を社外に1つ置いておくと、社内の議論がさらに短くなります。たとえば国が2022年1月7日に文化審議会の建議として出した「公用文作成の考え方」は、昭和26年の公用文作成の要領を見直し、政府内の手引として使われることを目指したものです。社内の好みで決めるのではなく、外にある手引を基準にしてから例外を足すという順にすると、決め直しが減ります。自社に合わない箇所だけを、理由を書いて例外表に載せます。

語尾と一人称は、直す前に数える

語尾の混在は、読み手がいちばん早く気づく崩れです。同じ資料の中でですます調とである調が混じると、複数人で書いたように見えます。AIに作らせた資料では、章ごとに切り替わることがよく起きます。直す前に、文末の形を数えて割合を出します。

数える理由は、どちらに寄せるかを機械的に決めるためです。9割がですます調なら、残りの1割を寄せます。6割と4割なら、資料の用途から決め直します。社外に出す提案なら、ですます調に寄せるのが安全です。割合を見ずに直し始めると、長いほうを短いほうに合わせてしまうことがあります。

一人称も同じ扱いです。弊社、当社、私どもが同じ資料に出てきたら、1つに決めて残りを置換します。ここで扱うのは、数えられるこの2点だけです。用語をどこまで噛み砕くかという問いは、この記事では扱いません。読み手の職種で言い換えの深さを変える話は別の記事の領分なので、体裁の工程には入れないでおきます。

図と画像は、位置ではなく置き場を決める

図の位置は、決め方を間違えると守れません。「図はここに入れる」と個別に指定すると、生成のたびに前後の文量が変わって位置がずれます。決めるのは位置ではなく置き場です。図は各節の末尾に置く、1つの節に1つまで、説明文は図の下に1行。この3つだけで、ほとんどの崩れは止まります。

節の末尾に置く理由は、文章を読み終えてから図を見る順序が自然だからです。頭に置くと、図の意味が分からないまま読み始めることになります。1節1つに絞る理由は、2つ以上あると読み手がどちらを見ればよいか迷うためで、2つ要ると感じたら節を分ける合図として使います。

説明文の位置も1行で決めます。図の下に1行、20字から40字、何を読み取ればよいかを書く。ここを空欄にすると、図が何のために置かれているかが伝わりません。生成後の確認では、説明文のない図が何枚あるかを数えます。この枚数はゼロになるまで直します。

図そのものを作らせるかどうかにも線が要ります。AIに作らせた図は、形は整っていても中身が本文と合っていないことがあります。数の大小が逆になっている、区分の数が本文より1つ多い、といった崩れです。図は本文が固まってから最後に作り、本文の数字と1つずつ突き合わせます。順番を逆にすると、図に合わせて本文を書き直すことになります

機械で直せないものを見分ける

第2段を通しても残るものがあります。見分け方は単純で、数えられるかどうかです。階層の深さ、本数、字数、列数、語尾の割合、図の枚数は数えられます。数えられないのは、言葉の粒がそろっているか、並びに順序の意味があるか、列の意味が重なっていないかの3つです。

言葉の粒とは、同じ深さの見出しが同じ抽象度で書かれているかということです。「原因」「対策」「3日目にやること」が同じ深さに並ぶと、読み手は並列だと思えません。並びの順序とは、箇条書きが重要な順なのか時系列なのかが一貫しているかです。この2つは読まないと分かりません。

列の意味の重なりは、表でよく起きます。「費用」と「初期費用」が別の列にあると、片方にもう片方が含まれるのかどうかが読み手に伝わりません。AIに作らせた表では、似た名前の列が並ぶことが珍しくありません。人が読むのはこの3つだけ、と決めると確認の時間が半分以下になります

この3つは、読む順番も決めておきます。先に表の列を見て、次に箇条書きの並び、最後に見出しの粒。理由は、下の層の崩れが上の層に伝わるからです。列の意味が重なっていれば、その表を説明している箇条書きも重なり、見出しも重なります。いちばん細かいところから見上げると、上の層の直しが1回で済みます。逆から見ると、見出しを直すたびに下を見直すことになります。

第3段。人がやる最後の一手は3つだけ

第3段でやることを3つに絞ります。1つ目はAIに判断させない範囲を守ること。この資料を出すかどうか、数字を丸めてよいかどうか、他社の名前を載せてよいかどうかは、体裁の話ではなく判断の話なので人が決めます。体裁の工程が進むと、この線が曖昧になりがちです。

2つ目は根拠を書かせること。下書きの各節が、渡した現物のどの枠に対応しているか、数字がどの資料の何ページから来たかを、生成のたびに一覧で添えさせます。根拠の一覧がない下書きは、確認にかかる時間が2倍から3倍になります。書かせておけば、読む側は照合するだけで済みます。

3つ目は人が確認する範囲を先に決めること。全部を読み直すのは続きません。外に出す資料、数字が入っている頁、他社の名前が入っている行の3つは例外なく全件を人が読む、と先に決めます。それ以外は、第2段の結果だけで通す。範囲を決めてから確認を始めると、確認が終わる時刻が読めるようになります

揃ったかどうかを、毎回同じやり方で確かめる

最後は確かめ方です。確認表を1枚だけ作ります。行は6か所、列は「幅の中か」「外れた件数」「どの段で直したか」。毎回同じ順番で上から見ることが条件で、気になったところから見始めると、見落とす場所が毎回変わります。所要は5分です。

この表の値は、月末に並べて使います。同じ場所が3回続けて外れていたら、その決まりは1段前に移す合図です。第2段で毎回直しているなら現物の側に組み込み、第3段で毎回指摘されているなら機械で数えられる形に言い換える。外れた件数が減らない場所は、直し方ではなく決め方を疑います

  • 確認表は資料ごとに作り直さない。同じ1枚に行を足していくと、外れやすい場所が並びで見える
  • 外れた件数がゼロの行が3回続いたら、その行は確認表から外してよい。見る場所を減らすほうが続く
  • 確認は作った本人以外が通す。本人は自分が決めた形として読んでしまうので、崩れに気づきにくい

確認の質を上げる工夫も1つ。仕上がった資料を、想定する読み手に近い人へ渡し、15分で読み切ってもらって違和感だけを書き戻してもらう方法があります。資料作成の支援をしている事業者が公開している進め方でも、通読、読み手の視点、反論の想定という3回の読みが挙げられています。体裁の確認と、伝わるかどうかの確認は、別の人が別の時間にやるほうが早く終わります

よくある質問

体裁を揃えるのに、結局どれくらい時間がかかりますか

第1段の現物を作るのに、最初の1本で2時間から3時間かかります。ここは一度きりです。第2段の後処理は、20ページ程度の資料で10分から15分。第3段の確認は、範囲を決めてあれば15分前後です。1本目は現物作りのぶんだけ重くなりますが、2本目からは30分前後に落ち着きます。

型は何種類作ればよいですか

最初は3種類までにします。提案、報告、社内の共有のように用途で分けるのが分かりやすい形です。4種類目を作りたくなったときは、既存の3つのどれかを広げて対応できないかを先に考えます。種類が増えるほど、どれを使うかの判断が毎回必要になり、迷った人は結局どれも使わなくなります。3つに収まらないときは、用途ではなく提出先で分け直すと整理できることが多いです。

出てくる資料の形が毎回違うのは、使う道具を変えれば直りますか

道具を変えても、3段の分け方そのものは要ります。次の語を確率で選ぶという仕組みは共通なので、形の揺れがゼロになる道具はありません。現物を渡す仕組みが最初から備わっている道具はあり、それを使えば第1段は軽くなりますが、第2段と第3段は残ります。なお、どの道具を選ぶかそのものは、この記事では扱いません。別の記事の領分です。

部署ごとに型が違うときはどうしますか

揃えるのは、部署をまたいで人が読む資料だけにします。部署の中で完結する資料は、その部署の形のままで構いません。まず、他部署や社外に出る資料が全体の何割かを数えます。2割から3割であれば、その2割だけに共通の型を当てるほうが早く、残り8割に手を入れる必要はありません。

型に合わせると、資料が似すぎませんか

似るのは形であって、中身ではありません。むしろ形が揃うと、中身の違いのほうが目立ちます。読み手は形を毎回学び直す必要がなくなるので、主張の差に集中できます。似すぎると感じたときは、たいてい形ではなく中身が薄いことが原因なので、型を崩すのではなく、第3段で中身のほうを見直します

まとめ

AIに作らせた資料の体裁が揃わないのは、指示文の不足ではなく、揃える工程を生成の前にしか置いていなかったことが原因でした。ぶれる場所は6つ。見出しの階層、箇条書きの粒度、表の列、数字と単位、語尾、図の置き場です。指示文に書く決まりは5つまでにとどめ、6つ目からは穴あきの現物で渡します。出てきたものは5工程で機械的に寄せ、人は数えられない3つだけを読みます。AIには下書きと根拠の一覧までを任せ、出すかどうかと数字の扱いは人が決めます。まずは直近の下書きを3本並べて、6か所のうちどこが毎回ずれているかを数えるところから始めてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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