AIの出力に人名が出たときの手順|伏せる範囲を先に決める

AIの出力に人名が出たときの手順|伏せる範囲を先に決める

「AIに作らせた文章に取引先の担当者の名前が入っていたので、消してから使いました」「社内の資料を要約させたら、退職した人の名前が出てきたので削除しました」——どちらも、その場の対応としては間違っていません。ただし、消したのは表に出た1件だけで、同じ名前が次に出ることは何も止まっていません。人名が出たら消す、という理解は、対応の半分で止まっています。

人名の扱いは、出てきたものを消す作業ではありません。本当は、出てくる経路をふさぐ作業と、伏せる範囲を先に決めておく作業の2つです。しかも伏せるかどうかは、個人情報に当たるかどうかだけでは決まりません。この記事では、人名が出る3つの経路と、経路ごとの止め方、そして伏せる範囲を何で決めるのかを、実務の手順に落として整理します。


カメ先生カメ先生

AIの出力に人名が出たときはね、消せば終わり、と思われがちなんだ。でも消しているのは表に出た1件だけで、出てくる経路のほうはそのまま残っている。


カメ子カメ子

同じ名前が、また別の場面で出てくるということでしょうか。


カメ先生カメ先生

そうなるね。しかも経路は3つあって、止め方が全部違うんだ。こちらが入力に入れた場合、読ませた社内文書に載っていた場合、そしてモデルが作り出した場合。


カメ子カメ子

出てきた名前を見ただけでは、どの経路なのかは分からないということですね。


この記事のポイント
  • 人名が出る経路は3つあり、入力、社内文書、モデルの生成で止め方が変わる
  • 伏せる範囲は個人情報に当たるかだけでは決まらず、公表されているか、立場、文脈で変わる
  • 出力に出た人名は本人からの請求では止まらないことがある。止めるのは自社の工程

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目次

「人名が出たら消す」で止まると、何が起きるか

多くの会社で、この論点は現場の裁量に落ちています。出力に名前を見つけた人が、その場で消して先に進む。判断も対応も記録も、すべてが個人の手元で完結してしまいます。悪意はありません。むしろ、気づいて消した人は仕事をしています。問題は、その仕事がどこにも残らないことです。

残らないと何が困るか。同じ場面が別の部署でも起きていることが分かりません。消した人が判断した基準が共有されません。そして、後から「あのとき何をどう処理したのか」を聞かれても誰も答えられません。3つ目は、監査や取引先の確認で必ず聞かれる項目です。

もうひとつ、見えにくい副作用があります。消す作業が個人の負担になると、面倒になった人はそもそも人名が出そうな使い方を避けるようになります。議事録の要約も、問い合わせの整理も、人名が絡むからやらない。結果として、いちばん手間が減るはずだった業務からAIが引き上げていきます。止めたかったのは事故であって、利用そのものではなかったはずです。

  • 見つけた人がその場で消して終える:判断も基準もどこにも残らず、別の部署で同じことが起きる
  • 人名を伏せてとだけ指示する:人名の形をしたものしか落ちず、役職と部署の組み合わせは残る
  • 迷ったものをすべて法務に上げさせる:件数が増えた時点で誰も上げなくなり、現場の裁量に戻る
  • 人名が出そうな業務でAIを使わせない:事故ではなく、いちばん手間が減る使い方のほうが止まる

消したのに、また同じ名前が出てくる

2つ目の相談が、これです。前回消したはずの名前が、別の人の、別の問いの答えにまた出てくる。出力は毎回その場で作り直されるので、前に消したという情報はどこにも残っていません。消す作業は、印刷した紙を捨てるのに近い行為です。版そのものには何も起きていません。

しかも、出方は毎回少しずつ違います。前回は氏名で出たものが、今回は役職と苗字の組み合わせで出る。前回は本文に出たものが、今回は箇条書きの例の中に出る。同じ名前を検索して見つけようとしても、表記が違えば引っかかりません。表記の揺れがあるために、機械的な後追いが効きません

だから、同じ名前がまた出るかどうかは、消したかどうかでは決まりません。決まるのは、その名前がどの経路から出力に入ってきているのか、そしてその経路が塞がれているかどうかです。経路を見ないまま消す作業だけを続けると、件数はいつまでも減りません。

そもそも、誰の仕事なのかが決まっていない

3つ目は体制の話です。人名が出た瞬間に判断を迫られるのは、使っている本人です。ところが、伏せるかどうかの基準を持っているのは法務か個人情報の担当で、経路を塞げるのは情報システムです。気づく人、決める人、直す人が、全員別です

この分かれ方のせいで、実務は2つのうちどちらかに寄ります。ひとつは、全部を現場の判断に任せて基準がばらつく形。もうひとつは、すべてを法務に上げさせて、実際には誰も上げなくなる形です。どちらも、件数が増えたときに耐えません。

解き方は決まっています。判断を3段に分けて、現場が即決できる範囲を広く取ることです。そのまま使ってよいもの、伏せてから使うもの、上に上げるもの。この3つに分けて、上に上げるものだけを絞り込めば、現場は止まりません。相談の件数を減らすのではなく、相談しなくてよい範囲を広げるのが先です

人名が出る経路は、3つに分かれる

ここから原因の側に入ります。出力に人名が入ってくる道は3本しかありません。こちらが入力に入れた、読ませた社内文書に載っていた、モデルが作り出した、の3つです。出てきた名前を眺めても、どの経路かは分かりません。経路を特定する作業が、対応の最初の1歩になります

経路見分け方塞ぐ場所
入力に含まれていた自分が貼り付けた文や、会話の前のやり取りに同じ名前がある入力の手前。貼り付ける前に落とす
社内文書に載っていた根拠として示された文書を開くと、その名前が載っている読ませる範囲と権限、および索引の側
モデルが作り出した入力にも根拠の文書にも、その名前が見当たらない出力のあと。人が確かめる工程

3行目の見分け方は、消去法になります。入力を見て無い、根拠の文書を開いて無い、それでも名前が出ている。このときは、モデルが文脈に合いそうな名前を補ったと考えるのが自然です。経路が違えば、同じ人名でも取るべき手当てが正反対になります。入力の経路なら手前で落とせますが、生成の経路は手前に止める場所がありません。

実務では、この3つが同時に起きることもあります。入力に含めた名前が社内文書にも載っていて、出力ではさらに別の肩書きが付いている、という形です。そのときは、いちばん手前の経路から順に塞ぎます。手前を塞がずに出口だけ直しても、件数は減りません。

経路1:こちらが入力に入れていた

いちばん多く、いちばん止めやすいのがこの経路です。議事録の原稿、問い合わせのメール、名簿、稟議の文面。人名の入ったものをそのまま貼り付けて、要約や下書きを頼む。悪気なく起きます。

この経路には、公的な注意喚起があります。個人情報保護委員会は2023年6月2日に、生成AIサービスの利用に関する注意喚起を公表しました。そこでは、個人情報を含む指示文を入力する場合には、特定された当該個人情報の利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認すること、そして、そのサービスを提供する事業者が個人データを機械学習に利用しないことを十分に確認すること、の2点が事業者向けの注意点として挙げられています。入れてよいかどうかを、その場の感覚ではなく、もともと決めた利用目的の範囲で測る、という考え方です。

後者を確認しないまま入れると、第三者への提供や外国にある事業者への提供の規制に触れる可能性がある、と解説されています。実務の手当てはこうです。使ってよいサービスを一覧にして、学習に使われない設定になっているかを確認した日付と一緒に書いておく。そして、人名を入れてよいサービスと、入れてはいけないサービスを、一覧の上で分けておく。分けずに「気をつけて使う」と書いても、現場では判断できません。

経路2:読ませた社内文書に載っていた

2つ目は、社内の資料をAIに読ませている場合に起きます。議事録、名簿、稟議、問い合わせの記録、評価の記録。これらには人名が当然のように載っています。読ませる範囲を決めるときに人名の観点が入っていないと、答えの根拠として引かれた瞬間に表に出ます。

この経路には、消しても消えないという厄介さがあります。検索のための索引は、原本の置き場での削除を自動では追いかけないことが多いからです。マイクロソフトが公開している検索サービスの手引きには、変更の検知は自動だが削除の検知はそうではない、索引を作る仕組みは元のデータでの削除を追跡しない、とはっきり書かれています。さらに、削除を見つける設定は最初の巡回より前に入れておく必要があり、あとから足しても、それ以前に消された分は残ると書かれています。原本から人名を消しても、索引に写しが残っていれば答えには出ます

だから、この経路の手当ては3段になります。原本の側で落とすか置き換えるか。索引の側に削除を伝えるか、そもそも索引の対象から外すか。そして、権限で見える人を絞るか。原本を直しただけで終わりにすると、直したつもりの状態が半年続きます。権限を変えずに組織全体の検索とAIの対象からだけ外す設定も用意されているので、必要な人が開けなくなる副作用を避けたいときはそちらを使います。

経路3:モデルが作り出した

3つ目が、いちばん扱いにくい経路です。入力にも社内文書にも無い人名が、出力の中に現れます。よくある出方は決まっていて、役職者の名前を当てにいく、引用した資料の著者名を補う、事例の中の担当者名をそれらしく埋める、というあたりです。

厄介なのは2点あります。ひとつは、探しても元が見つからないこと。手前に止める場所がないので、出口で確かめるしかありません。もうひとつは、実在する人の名前が、事実でない文脈と一緒に出ることがあることです。存在しない人の名前なら誤りで済みますが、実在の人が、やっていない発言や関与していない案件と結び付けられた形で出ると、内容の性質が変わります。

手当ては地味ですが、これしかありません。人名を含む出力を、そのまま外に出さない。出すなら、その人名が事実かどうかを人が確かめる。確かめられないなら、名前を残さずに立場や役割の表現に置き換えて出す。「先方の担当の方」「当時の責任者」と書けば足りる場面は、実務では思っているより多いものです。

出力に出た人名は、本人からの請求では止まらないことがある

ここで、制度の側の話を1つ入れておきます。これを知らないまま設計すると、外から止めてもらえるはずだという前提で穴が残ります。生成された文章に含まれる個人情報は、本人が訂正や利用停止を求めても、その請求が通らないことが多いと整理されています

理由は定義の作りにあります。専門家の解説では、出力される生成物は通常「個人情報データベース等」に当たらないため、そこに含まれる個人情報は「個人データ」に当たらないことが多く、同じ理由で「保有個人データ」にも当たらないため、本人による訂正や利用停止の請求は認められないケースが多い、と説明されています。外から止めてもらう道が細いということは、止めるのは自社の工程しかないということです

ただし、扱いが変わる瞬間があります。その出力を保存して、検索できる形に整えた時点です。顧客の台帳に貼り付ける、案件の管理に転記する、議事録として整理して共有の場所に置く。保存した瞬間に、検索できる形の情報として扱われる側に移ります。なお、2026年7月17日に公布された改正法では、顔の特徴を取り出したデータなどに新しい規律が置かれ、本人の同意が無くても利用停止を求められる範囲が広がります。施行は公布から2年以内とされており、氏名そのものの扱いがこれで変わるわけではありません。

  • 生成された文章そのものは、検索できる形にまとめたものには当たらないことが多い
  • そのため本人からの訂正や利用停止の請求は、通らないケースが多いと整理されている
  • 台帳や案件の管理に転記した時点で、検索できる形の情報として扱われる側に移る
  • 外からの歯止めが細いぶん、止める手を持っているのは自社の工程だけになる

伏せる範囲は、個人情報かどうかだけでは決まらない

対策の側に入ります。まず、伏せるかどうかを何で決めるのかです。個人情報に当たるかどうかだけで決めようとすると、実務は2つの極に振れます。氏名はすべて伏せる、という運用か、公開情報なら何でもよい、という運用です。どちらも現場では続きません。見るべき軸は3つあります

1つ目は、公表されているかどうか。公式サイトに役員として載っている名前と、社内の面談記録に出てくる名前は、同じ氏名でも置かれている場所が違います。2つ目は、本人の立場です。会社を代表して表に出ている人、業務上の窓口として名乗っている人、業務とは関係なく名前が出ただけの人では、扱いが変わります。3つ目は文脈です。同じ名前でも、何と結び付けて書かれているかで、伏せるべきかどうかが反転します

3つ目がいちばん見落とされます。公表されている役員の名前であっても、評価や健康や紛争の話と一緒に出ていれば、公表されていることは理由になりません。逆に、担当者の氏名であっても、窓口として名乗っている連絡先の文脈で出ているなら、伏せる必要が薄いこともあります。公表されているかどうかは、3つの軸のうちの1つでしかありません

行き先で決める:下書き、外に出す資料、残す記録

3つの軸で見たあと、実際にどこまで伏せるかは、その文章の行き先で決めます。同じ出力でも、社内の下書きとして使うのか、社外に出す資料にするのか、記録として残すのかで、必要な強さが違うからです。行き先を決めずに伏せる強さだけを議論すると、必ず過剰か過少のどちらかになります

行き先人名の扱い確かめる人残す情報
社内の下書き残してよい。ただし外に出す前に必ず見直す作った本人どの経路から出たか
社外に出す資料原則として伏せる。残すなら事実確認を取る作った本人と、出す前の確認者確認した日と、確認した相手
記録として残すもの識別子に置き換え、対応表を別に保つ所管の部署判断した人と、適用した基準

2行目の「事実確認を取る」が、実務では要になります。相手方の担当者名を出すなら、その人が本当にその役割なのかを確かめてから出す。確かめられないなら書かない。確かめていない名前を社外に出さない、という線が引けていれば、経路3の事故はほぼ表に出ません

3行目の識別子への置き換えは、議事録や対応の記録で効きます。本文には「担当者A」と書き、誰がAなのかは別の場所で管理する。本文と対応表を分けておくと、本文だけを広く共有できます。分けずに氏名を本文に書くと、共有の範囲を広げるたびに判断がやり直しになります。

経路ごとに、止め方を分ける

ここまでの内容を、経路ごとの手当てとして並べ直します。同じ「人名対策」という名前で語られていますが、実際にやることは3つとも違います。同じ会議で3つをまとめて議論すると、話が噛み合わなくなります

  • 経路1(入力):使ってよいサービスの一覧に、人名を入れてよいかどうかの欄を足す。入れる前に落とす担当と、落とし方を決める
  • 経路2(社内文書):読ませる範囲から人名の多い文書を外すか、権限で絞るか、索引の対象から外す。原本を直しただけで終わりにしない
  • 経路3(生成):出口に確認の工程を置く。社外に出す文章は、人名の事実確認を通らないと出せない形にする

この3つのうち、着手の順番を聞かれたら経路1からです。止める場所が手前にあり、費用がかからず、効果がすぐ出ます。経路2は置き場の整理が絡むので時間がかかります。経路3は仕組みでは止められないので、人の工程として設計します。手前から順に塞ぐ、という順番だけ守れば、途中で止まっても被害は減ります

もうひとつ、3つに共通する手当てがあります。人名が出たときの連絡先を1つ決めて、全員に配っておくことです。判断に迷った出力を、誰に見せればよいかが分かっているだけで、現場の消す作業が相談に変わります。相談に変われば、件数も経路も数えられるようになります。

出てしまった日の手順を、5段に決めておく

最後は、実際に出てしまった日の動き方です。事前の設計をどれだけ丁寧にやっても、出るときは出ます。慌てて消すのではなく、順番を決めておきます。

STEP1
消す前に、出た状態を残す

どの問いで、どう出たかが分からなくなると、経路の特定ができません。ただし残す範囲は先に決めます。記録のつもりで、本人の情報を新たに増やしてしまうことがあるからです。

STEP2
経路を特定する

入力を見る、根拠の文書を開く、どちらにも無ければ生成と判断する。この3手で足ります。ここを飛ばすと、次の1件も同じように出ます。

STEP3
広がりを測る

同じ問いを他の人も使っていないか、その出力がすでに外に出ていないかを確かめます。外に出ているかどうかで、この後の重さが変わります。

STEP4
経路に合った手当てを打つ

入力なら一覧と落とす工程、社内文書なら権限と索引、生成なら出口の確認。出た1件を消すだけで終わらせないところが要です。

STEP5
判断した人と、適用した基準を記録する

氏名そのものではなく、判断した人、適用した基準、打った手当てを残します。次に同じ場面が来たときに、同じ判断ができる状態にしておきます。

1段目には注意があります。記録のために出力をそのまま保存すると、先ほどの話のとおり、保存した瞬間に扱いが変わります。残すのは、出力の全文ではなく、経路と判断と手当ての3つで足ります。全文を残す必要があると判断した場合は、保存場所と保存期間と開ける人を、そのときに決めてください。

AIに、伏せる判定をさせない

よく出てくるのが、出力をもう一度AIに読ませて人名を伏せさせる、という案です。作業としては速くなります。ただし、伏せるかどうかの判定そのものをAIに任せてはいけません。落ちない型が決まっていて、しかもその型は落ちたかどうかが目で見えないからです。

落ちにくい型を並べます。役職と部署の組み合わせだけで特定できてしまう書き方。社名と担当の組み合わせ。社内でしか通じない呼び名や略称。かなと漢字の揺れ。外国語の表記と日本語の表記が混ざっている場合。氏名の形をしていない識別のされ方は、指示の言葉に引っかかりません。「人名を伏せて」と頼んでも、伏せられるのは人名の形をしたものだけです。

だから、役割を分けます。AIにやらせるのは候補の洗い出しまでです。人名らしきものを列挙させ、人が見て伏せるかどうかを決める。洗い出しは機械、判定は人という線を、先に文書に書いておきます。そのうえで、人が確認する範囲も先に決めます。社外に出す文章は全件、社内の下書きは抜き取り、記録として残すものは所管が全件。この3行が決まっていれば、現場は迷いません。

記録に残す項目と、残さない項目

最後に、残す記録の設計です。ここを決めておかないと、記録を作ること自体が新しいリスクになります。個人の情報を消すための記録に、その人の情報を書き写してしまう、という逆転が実際に起きます。

  • 残す:起きた日時と、使っていた場面(どの業務で、どの問いか)
  • 残す:経路(入力、社内文書、生成のどれか)
  • 残す:行き先(社内の下書き、社外に出す資料、記録のどれか)
  • 残す:判断した人と、適用した基準
  • 残す:打った手当てと、その後の確認
  • 残さない:当の氏名そのもの(識別子に置き換える)
  • 残さない:その人の属性(所属、立場、経歴などの周辺の情報)

この分け方の狙いは単純です。件数と経路は数えられるが、誰のことかは記録からは分からないという状態を作ることです。件数と経路が数えられれば、どの経路が多いかが分かり、手当ての優先順位が決まります。誰のことかが分からなければ、記録そのものを広く共有できます。

運用を始めて3か月ほど経つと、経路の分布が見えてきます。入力の経路が多ければ、一覧と教育が足りていません。社内文書の経路が多ければ、読ませる範囲の設計に戻ります。生成の経路が多ければ、出口の確認の工程が回っていません。記録は、犯人を探すためではなく、どの経路を先に塞ぐかを決めるために取ります

よくある質問

公表されている代表者の名前なら、そのまま使ってよいですか

公表されていることは、判断の3つの軸のうち1つでしかありません。残りの2つ、つまりその人の立場と、どんな文脈と結び付けて書かれているかを併せて見てください。公式サイトに載っている代表者の名前であっても、評価や紛争や健康に関わる文脈と一緒に出ているなら、公表されていることは理由になりません。逆に、窓口として名乗っている連絡先の文脈であれば、伏せる必要は薄くなります。判断に迷ったら、その文章の行き先を先に確かめてください。社外に出すのか、社内の下書きなのかで、必要な強さが変わります。

AIが出した名前が、実在の人と一致していました。本人に連絡すべきですか

まず、それが外に出ているかどうかを確かめてください。社内の下書きの段階で止まっているなら、消して経路を特定するところまでで足りることが多くなります。すでに社外に出ていて、しかもその人がやっていないことと結び付いている場合は、扱いが変わります。この場合の連絡の要否や進め方は、事実の中身と広がり方で決まるため、自社だけで決めずに法務や外部の専門家に相談してください。共通して言えるのは、消す前に、どの問いでどう出たのかを残しておくことです。

「人名を出さないで」と指示すれば足りますか

足りません。指示で落ちるのは、人名の形をしたものだけです。役職と部署の組み合わせ、社名と担当の組み合わせ、社内でしか通じない呼び名、かなと漢字の揺れといった書き方は、そのまま残ります。しかも、落ちたかどうかは読んだだけでは分かりません。指示は使ってよいのですが、それだけで完了と見なさないことです。洗い出しはAIに任せ、伏せるかどうかの判定と、確認する範囲の線引きは人が持つ、という分け方にしてください。

出力を保存しなければ、個人情報の扱いにはならないのですか

保存していない出力については、検索できる形にまとめたものには当たらないため、本人からの訂正や利用停止の請求が通らないケースが多いと整理されています。ただしこれは、自由に扱ってよいという意味ではありません。請求という外からの歯止めが効きにくいぶん、止めるのは自社の工程だけになるという意味です。そして、その出力を台帳や案件の管理に転記した時点で、検索できる形の情報として扱われる側に移ります。保存するかどうかが分かれ目になるので、保存する場所と期間を先に決めておいてください。

社内の議事録をAIに読ませています。全部から名前を消すべきですか

一律に消すと、議事録としての用が足りなくなります。分けるのは、読ませる範囲と、答えに出す範囲です。読ませる範囲からは、評価や処遇や個人的な事情に触れた記録を外します。答えに出す範囲については、本文を識別子に置き換え、誰がその識別子なのかは別の場所に持つ形が扱いやすくなります。加えて、原本から消しても索引に写しが残ると答えには出続けるため、索引の側に削除を伝えるか、索引の対象から外すところまでを工程に入れてください。

まとめ

AIの出力に人名が出たときにやるべきことは、消すことではありません。経路を特定して塞ぐことと、伏せる範囲を先に決めておくことの2つです。経路は3つしかありません。こちらが入力に入れた、読ませた社内文書に載っていた、モデルが作り出した。入力の経路には、個人情報保護委員会が2023年6月2日に公表した注意喚起が直接効きます。個人情報を含む指示文は、特定された利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認すること、そして提供事業者が個人データを機械学習に利用しないことを十分に確認すること、の2点です。社内文書の経路では、原本から消しても索引に写しが残れば答えには出ます。削除を見つける設定は最初の巡回より前に入れておく必要があると公開資料に書かれており、原本を直しただけでは終わりません。生成の経路には手前に止める場所が無いので、出口に人の確認を置きます。伏せる範囲は、個人情報に当たるかどうかだけでは決まりません。公表されているか、本人の立場、そして何と結び付けて書かれているかという文脈の3つで決まり、最後の文脈がいちばん見落とされます。そのうえで、実際の強さは行き先で決めます。社内の下書き、社外に出す資料、記録として残すもの。生成された文章に含まれる個人情報は、本人からの訂正や利用停止の請求が通らないことが多いと整理されており、外からの歯止めは細い。だからこそ、自社の工程で止めるしかありません。伏せるかどうかの判定はAIに任せず、洗い出しまでを任せて判定は人が持つ。記録には、件数と経路は残し、氏名そのものは残さない。まずは、直近1か月で人名が出た出力が何件あったかを、経路ごとに数えるところから始めてみてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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