SNSで認知は測れるのか?|声の量を数字にする

SNSで認知は測れるのか?|声の量を数字にする

「月次の報告に、追う人の数と投稿の本数しか並んでいない」「それで認知は広がったのかと聞かれ、答えに詰まった」——投稿の運用を続けている部門に必ず来る場面です。認知は、1つの数字で表せるものではありません。届いた量、反応の深さ、語られた量、名指しで探された数を並べて輪郭を出します。この記事では、その組み立て方を整理します。


カメ先生カメ先生

認知が広がったかどうかはね、追う人の数で示せると思われがちだが、その数はすでに知っている人の数なんだ。


カメ子カメ子

まだ知らない人に届いたかは、どこに出るのでしょうか。


カメ先生カメ先生

別の数字に出る。何人に表示されたか、そのうち何人が保存したり回したりしたか、自社の名前が他人の投稿にどれだけ出たか。最後に、名指しで探した人がどれだけ増えたか。


カメ子カメ子

4つを並べて見るのですね。言葉の定義から見ていきます。


この記事のポイント
  • 認知は「届いた量」「反応の深さ」「語られた量」「名指しで探した数」の4層に分けて測る
  • シェア・オブ・ボイスは自社の言及数をカテゴリ全体の言及数で割った比率。母数の定義で数字が変わる
  • BtoBは母数が小さく単月の増減はノイズになる。四半期の推移で見る前提を先に共有する

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目次

認知という言葉の定義から始める

認知は、社内で最も定義があいまいなまま使われる言葉です。何を認知と呼ぶかを決めないまま数字を出すと、報告の場で必ず議論がかみ合わなくなります。最初にやるべきことは指標の選定ではなく、自社での定義を1行で書き出すことです。

定義の候補は複数あります。自社の名前を見たことがある状態、名前と事業内容が結びついている状態、課題が発生したときに候補として思い浮かぶ状態。この3つはまったく別の状態であり、必要な打ち手も測り方も変わります。どれを狙うのかを先に決めてください。

BtoBのSNS運用で現実的に狙えるのは、多くの場合1つ目と2つ目です。3つ目は指名検索や商談の中での発言に現れる状態で、SNSの数字だけでは追い切れません。ここを混同すると、SNSに過剰な期待がかかります。

定義を書いたら、その定義に対応する数字を1つずつ割り当てます。名前を見た人の数にはリーチ、事業内容と結びついた状態には保存や言及の内容、候補として想起される状態には指名検索。定義と数字を1対1で対応させると、報告の説明がそのまま通ります

定義の話は抽象的に見えますが、実務では予算の説明に直結します。認知を目的として始めた施策に対し、商談件数での評価を求められる状況が起きるのは、定義の共有が抜けているからです。目的と評価軸を同じ紙に書いておけば、この食い違いは事前に防げます。

この作業は30分で終わります。認知の定義を1行、対応する数字を3つ書いた紙を1枚作るだけで、報告の質が変わるという効果があります。作った紙は上司にも共有し、次回以降その紙を前提に話すと決めてください。

フォロワー数だけで語る限界

最も多く報告される数字がフォロワー数ですが、この数字は認知の指標としては弱いものです。理由を整理しておくと、報告の組み立て方が変わります。

第一の理由は、フォロワーがすでに自社を知っている人の集まりだという点です。新しく知った人はフォローせずに離れることも多く、認知の広がりとフォロワーの増減は必ずしも連動しません。実際、投稿が広く届いた月にフォロワーがほとんど増えないことは珍しくありません。

第二の理由は、BtoBでは増え方が緩やかだという点です。月に数十件の増加が普通の規模だと、その増減は担当者の投稿頻度や1本の投稿の当たり外れに強く左右されます。傾向としての意味を読み取るには数が足りません。

第三の理由は、購入や施策の影響で数字が汚れやすい点です。キャンペーンで集めたフォロワーは、事業に関心のない層が混ざるため、その後の反応率を下げます。数だけが増えて反応が落ちる状態は、認知の観点では改善とは言えません。

第四の理由は、他社との比較に耐えないことです。同業でも、アカウントの開設時期や広告の投下量が違えばフォロワー数の水準はまったく変わります。自社の前月比なら意味がありますが、他社との横並びで優劣を語ると、条件の違いを無視した議論になります。

ではフォロワー数を見なくてよいのかというと、そうではありません。フォロワーは投稿が最低限届く土台の大きさを示す数字として読むのが適切です。認知の成果ではなく、配信基盤の規模として位置づけてください。

認知を4つの層に分けて測る

認知を1つの数字で表そうとすると必ず無理が出ます。層に分けて、それぞれに対応する数字を置くほうが実務に耐えます。

第1層は「届いた量」です。投稿が何人の画面に表示されたかで、リーチとインプレッションが対応します。ここは配信の広さを示す層で、投稿の本数や時間帯の改善が直接効きます。

第2層は「反応の深さ」です。いいねよりも保存やリンクのクリック、プロフィールの閲覧が該当します。届いた人のうち、内容を自分の仕事に関係があると判断した人の割合を示す層です。ここが低いと、届いていても記憶に残っていない可能性があります。

第3層は「語られた量」です。自社名や製品名が他社のアカウントや個人の投稿で言及された回数で、ソーシャルリスニングの領域になります。第2層までは自社の投稿の話ですが、第3層からは自社の外で起きた反応です。

第4層は「名指しで探した数」です。社名や製品名での検索数と、検索経由の直接的な流入がこの層に対応します。ここまで来ると、認知が行動につながった状態と言えます。4層のうちどこまで動いたかで、施策の効きどころが分かります。

4層は順番に進むものとして扱うと分かりやすくなります。届いていなければ反応は起きず、反応がなければ語られず、語られなければ名指しで探されることもありません。どこで止まっているかを見れば、次に手を入れる場所が1つに絞られます。

インプレッションとリーチの違い

第1層の数字は2種類あり、混同されやすいものです。違いを押さえておくと、報告での説明が正確になります。

一般的な整理では、リーチ数は投稿や広告が到達したユニークユーザーの数、インプレッション数は表示された回数を指し、同じ人に複数回表示された場合もカウントされます。つまりインプレッションはリーチ以上の数になります。

認知の広がりを見たいなら、優先するのはリーチです。同じ人に5回表示されるのと、5人に1回ずつ表示されるのは、認知の観点ではまったく違う結果になります。インプレッションだけを報告すると、この違いが隠れます。

一方でインプレッションにも意味があります。インプレッションをリーチで割った値は、1人あたりの平均表示回数になります。この値が高いのは、同じ層に繰り返し届いている状態を示します。既存の関心層への反復として意図しているなら問題ありませんが、新規への広がりを狙っているなら見直しの合図です。

報告に載せる並べ方も決めておきます。リーチを主指標として大きく示し、インプレッションと1人あたりの表示回数はその補足として小さく添える。この順序を固定すると、月ごとに強調する数字が入れ替わって傾向が読めなくなる事故を避けられます。

プラットフォームによって定義や取得できる範囲が違う点にも注意が必要です。同じ名前の指標でも各SNSで数え方が異なるため、SNSをまたいだ単純合算は避けるのが安全です。合算するなら、指標の定義を確認したうえで注記を添えてください。

保存とシェアが示すもの

第2層の中で、BtoBで特に見る価値があるのが保存とシェアです。理由は、後で読み返す意思や、他人に見せる判断が伴う行動だからです。

いいねは反射的に押せる行動で、内容を読まずに押されることもあります。それに対して保存は、いまは読み切れないが後で必要になると判断した行動です。業務に関係があると認識された証拠として読めます。

シェアは、自分のアカウントで他人に見せる行動です。BtoBでは、社内の他部署に見せたい、取引先に共有したいという動機で起こります。件数は少なくても、1件の重みが大きい指標になります。

この2つは、投稿の型を選ぶ判断材料になります。保存が多い投稿は、チェックリストや基準の整理といった参照される形式に寄っている傾向があります。逆に保存がまったくつかない投稿が続く場合、内容が消費されるだけで残っていない可能性があります。

反応が薄いときの対処は、本数を増やすことではありません。参照される形式に寄せる、対象を絞る、1本で扱う論点を1つに減らす。この3つを順に試すほうが効きます。本数だけを増やすと届く量は増えますが、保存率はほとんど動きません。

見る単位にも注意します。保存の絶対数ではなく、リーチに対する保存の割合で投稿を比較すると、投稿ごとの届き方の差を除いて質を比べられます。月次の報告では、上位3本と下位3本の保存率を並べるだけでも改善のヒントが出ます。

言及数(メンション)をどう数えるか

第3層の言及数は、自社の管理画面には出てこない数字です。取得の方法と数え方を決める必要があります。

数える対象は3つに分かれます。アカウントに直接向けられた言及、アカウントを付けずに社名や製品名を書いた言及、そして自社に関連するハッシュタグを使った投稿です。2つ目は通知が来ないため、検索して拾わないと存在に気づけません

拾い方は、ソーシャルリスニングのツールを使う方法と、SNSの検索機能で手作業で拾う方法があります。ツールは各プラットフォームでの言及を追跡できますが、費用がかかります。まずは手作業で始めて、量が増えてから導入を検討する順序が現実的です。

数えるときは、言及の中身を3分類しておきます。好意的な言及、中立の言及、否定的な言及に分けると、件数だけでは見えない変化が読めます。件数が増えていても否定的な言及が増えているなら、それは認知の改善とは言えません。

期間の区切りも先に決めます。月の1日から末日で数えるのか、直近30日で数えるのかを固定しないと、前月との比較が成立しません。手作業で拾う場合は検索画面で期間を指定し、毎月まったく同じ条件で実行する形にしてください。

表記のゆれにも対応が必要です。社名の略称、英語表記、旧社名、よくある誤字までを検索語のリストに入れておくと取りこぼしが減ります。このリストは一度作れば毎月使い回せます。

シェア・オブ・ボイスの計算と限界

自社の言及数を絶対値で見ても、多いのか少ないのかが判断できません。そこで使われるのが、競合との相対比較です。

SNSにおけるシェア・オブ・ボイスは、一般に、あるSNSでの自社へのメンション数を、そのSNS全体または対象カテゴリのメンション数で割って百分率にしたものとして説明されます。もともとは広告出稿量のシェアを示す用語で、そこからデジタル上の言及の占有率へと使われ方が広がりました。

この指標の価値は、自社の努力とは無関係な市場全体の変動を除けることです。業界全体が話題になった月は自社の言及も増えますが、比率で見ればシェアが変わっていないことが分かります。絶対数だけでは、この区別ができません。

一方で限界も明確です。最大の問題は母数の定義で、どの企業を競合に含めるか、どの語をカテゴリの言及とみなすかで数字が大きく動きます。母数の定義を変えれば、都合のよい数字を作れてしまう指標だという自覚が必要です

もう1つの限界は、拾える範囲が公開された投稿に限られる点です。社内のやり取りや閉じた場での言及は数えられず、BtoBでは検討の会話がそうした場で起きることも多くあります。数字は水面から見える部分だけを示していると理解してください。

運用上の対策は1つです。競合3社と検索語のリストを最初に固定し、以降は同じ条件で数え続けること。定義を変えるときは、過去の月も同じ条件で再計算し、変更した理由を記録に残してください。なお近年は、AIによる回答の中で自社が引用される割合を別の指標として扱う提案も出ています。

指名検索と直接流入で裏を取る

SNS内の数字だけでは、認知が事業側の行動につながったかが分かりません。SNSの外の数字と併せて読む必要があります。

併読の対象として挙げられるのは、社名や製品名の検索ボリュームの推移、指名検索経由のサイト流入、そしてブランド関連のハッシュタグの投稿数です。いずれもSNSの投稿の効果が外に出た結果として現れます。

読み方は、時期のずれを前提にすることです。SNSで届いた月にすぐ指名検索が増えるとは限らず、数か月後に動くこともあります。単月の相関を探すのではなく、四半期単位でどちらも上向いているかを見てください。

因果の主張には慎重になる必要があります。展示会やウェビナー、広告も同時に動いている中で、指名検索の増加をSNSの成果と断定することはできません。報告では、SNSが要因の1つと考えられる、という表現に留めるのが誠実です。

取得の手間も踏まえておきます。指名検索の推移は検索の管理画面から、直接流入はサイトの解析から取得しますが、いずれも表記のゆれや計測の仕様で数字が動きます。取得元と条件を記録に残しておけば、後から数字が合わない原因を追えます。

それでも併読には意味があります。SNSの数字が伸びているのに指名検索がまったく動かないなら、届いた層が想定と違う可能性があるという読み方ができます。層のずれは、投稿の内容ではなく対象の設定に原因があることが多いものです。

BtoBは母数が小さいという前提

BtoBのSNS運用では、そもそも数字が小さいという前提を先に置く必要があります。ここを共有していないと、報告のたびに説明が必要になります。

対象となる企業数と担当者数が限られているため、リーチが数千の規模で止まることは普通です。消費者向けの事例で語られる数万や数十万という数字は、そのまま比較の対象になりません。他社事例を持ち出すときは、対象市場の規模を確認してください。

母数が小さいと、1件の反応が比率を大きく動かします。リーチ1,000の投稿で保存が5件なら0.5%ですが、10件になれば1.0%です。倍になったと言える一方、実際の差は5件でしかありません。比率での報告は、必ず分母と実数を添えてください。

この特性は、目標の置き方にも影響します。前年比で何倍という目標は、母数が小さいほど達成も未達も偶然に左右されます。件数の目標より、投稿本数や言及の拾い上げ件数といった行動量の目標を併記するほうが管理しやすくなります。

比較の相手も選び直す必要があります。同業でも対象市場の規模が違えば、リーチの水準はそろいません。参考にするなら、規模が近い企業か、自社の過去の同じ月に限ってください。四半期の前年同期と比べる形なら、季節の影響も同時に除けます。

小さいことは弱点ばかりではありません。言及の1件ずつを読み込めるのは、母数が小さい市場だからこそできる作業です。件数の集計に加えて、実際の言及の文面を月に5件は引用して報告に載せると、数字より説得力が出ます。

単月の増減はノイズになる

認知の数字を月ごとに追うと、上がったり下がったりを繰り返します。この変動にその都度反応すると、施策が定まりません。

変動の主な原因は3つあります。投稿の本数のばらつき、1本の投稿が偶然広く届いたこと、そしてプラットフォーム側の表示の仕組みの変化です。いずれも認知の実態が変わったことを意味しません

対策は見る単位を長くすることです。月次では推移のグラフを載せるが判断はしない、四半期で傾向を判断すると決めておきます。この取り決めを先にしておくと、単月の下落について毎回説明を求められる状況を避けられます

あわせて、移動平均を使う方法もあります。直近3か月の平均を並べると、単月の凸凹が平らになり傾向が見やすくなります。表計算の1列で計算できるため、手間はほとんどかかりません。

グラフの作り方にも注意が必要です。縦軸の下限を0にせず途中から始めると、わずかな変動が大きな上昇や下落に見えます。報告用のグラフは軸の起点を0に固定し、必要なら変動の幅を注記で補ってください。見せ方だけで判断が歪みます。

それでも単月で確認すべき例外があります。否定的な言及の急増だけは、単月でも即時に確認して対応の判断をする必要があります。傾向で見るのは認知の量、即時に見るのは評判のリスク、という切り分けにしてください。

測定シートに入れる項目

ここまでの指標を、実務で使えるシートの形にまとめます。項目を固定することが、継続の条件になります。

  • リーチ数(月合計・投稿単位の上位3本も併記):届いた人数の規模を示す
  • インプレッション÷リーチ:1人あたりの表示回数。新規への広がりか反復かを判別する
  • 保存率(保存数÷リーチ):業務に関係があると判断された割合
  • プロフィール閲覧数:投稿から発信元を確かめようとした人の数
  • 言及件数(好意・中立・否定の3分類):自社の外で語られた量
  • シェア・オブ・ボイス(自社言及÷競合3社を含む合計):相対的な存在感
  • 指名検索数と直接流入数:認知が行動に変わったかの裏取り
  • 印象に残った言及の引用(月5件):数字では見えない文脈を残す

この8項目のうち、最後の1つは数字ではありません。引用を残す欄を作っておくと、担当者が代わったときに何が起きていたかが伝わります。数字だけの記録は、後から読んでも意味を復元できません。

シートを埋める担当も決めておきます。運用の担当者が自分で埋めるのが基本ですが、複数人でSNSを回している場合は月ごとの当番にし、埋めた人の名前を残してください。数字の取り方に疑問が出たときに、確認する相手がすぐ分かります。

項目を増やしすぎない判断も重要です。取得に手間のかかる項目を10以上並べると、3か月で更新が止まります。まずは8項目で始め、半年続いてから追加を検討してください。

シートには、取得日と取得方法も書いておきます。同じ指標を別の画面から取ると数字が変わるため、取得元を1つに固定する必要があります。取得元を変えた月は、注記を残してください。

記録の型を決める

シートの項目が決まったら、記録の形式を固定します。形式が毎月変わると、比較ができなくなります。

入れる内容更新の頻度
年月2026-07 の形式で統一する毎月
投稿本数実際に出した本数。休んだ月も0で埋める毎月
リーチ・保存率管理画面の数値と、その割合毎月
言及件数(3分類)手作業またはツールで拾った件数毎月
シェア・オブ・ボイス固定した競合3社を母数に含めた比率毎月
指名検索・直接流入検索の推移とサイト側の流入数毎月
特記事項施策、他部署の動き、外部要因を1行で都度

最後の特記事項の列が、後から最も役に立ちます。展示会に出た月、プレスリリースを出した月、競合が大きな発表をした月を1行で書いておくと、数字の跳ねの理由が説明できます。この列がないと、半年後には理由が思い出せません。

行は月ごとに1行だけにします。投稿ごとの詳細を同じ表に混ぜると、目的の違う表になり更新が重くなります。投稿単位の分析は別のシートに分けてください。

保管場所も決めておきます。個人の端末ではなく共有のフォルダに置き、ファイル名に更新日を入れない運用にすると、最新版がどれか分からなくなる事故を防げます。

毎月の測定を回す手順

記録を続けるには、作業の順序と所要時間を決めておくことが有効です。以下は月次で30分から1時間を想定した流れです。

STEP1
管理画面から第1層と第2層を写す

リーチ、インプレッション、保存、プロフィール閲覧を月合計で取得します。投稿単位の上位3本と下位3本も控えます。

STEP2
検索語のリストで言及を拾う

固定した検索語で各SNSを検索し、期間を絞って件数を数えます。好意・中立・否定の3分類も同時に行います。

STEP3
競合の言及も同じ条件で数える

固定した競合3社について同じ作業を行い、合計を母数としてシェア・オブ・ボイスを算出します。

STEP4
SNSの外の数字を取得する

指名検索の推移とサイトへの直接流入を取得し、SNSの数字と同じ表に並べます。

STEP5
特記事項を1行で書く

その月にあった自社の施策、他部署の動き、外部の出来事を1行で残します。数字の解釈に使います。

STEP6
四半期末だけ判断を書く

3か月分がそろった月に限り、傾向の判断と次の四半期の方針を3行で書きます。単月では判断を書きません。

この6つのうち、2番目と3番目に最も時間がかかります。件数が増えてきて手作業が30分を超えるようになったら、ツールの導入を検討する合図です。最初からツールを入れると、何を数えたいかが決まらないまま費用が発生します。

所要時間を測っておくことも勧められます。初月は1時間かかっても、2回目以降は30分程度に落ちるのが通常です。逆に毎月1時間を超え続けるなら、項目が多すぎるか取得の方法が非効率になっています。時間の記録が、見直しの合図になります。

6番目を分けている理由は、判断の頻度を落とすためです。記録は毎月、判断は四半期に1回という分担を守ると、続けやすくなるという効果があります。

やりがちな失敗

認知の測定で繰り返し見られる失敗を挙げます。いずれも指標そのものではなく、扱い方から生じるものです。

  • フォロワー数だけを報告する:すでに知っている人の数であり、認知の広がりを示していません
  • 母数の定義を毎回変える:シェア・オブ・ボイスが都合のよい数字になり、推移として読めなくなります
  • 単月の下落に施策で反応する:投稿本数のばらつきに反応しているだけで、方針が定まりません
  • 比率だけを報告する:母数が小さいBtoBでは、5件の差が倍と表現されてしまいます
  • 指名検索の増加をSNSの成果と断定する:他の施策が同時に動いており、切り分けができません

2つ目は特に注意が必要です。競合を1社追加するだけでシェアは下がり、外せば上がります。定義を変える必要が生じたら、過去の月も同じ定義で再計算し、変更の理由を記録に残してください。

4つ目への対処は単純です。比率を書くときは必ず実数を括弧で添えます。保存率1.0%(10件/リーチ1,000)という形にすれば、読み手が自分で重みを判断できます。

  • 検索語のリストと競合3社の定義は、シートの先頭に固定して書いておく
  • 否定的な言及が急増した月は、量の傾向とは切り離して即日で内容を確認する

測定でAIに任せられる作業

認知の測定は、集計と分類に手間がかかる作業です。判断は人が持ちつつ、下ごしらえは道具に任せられます。

最も効果があるのは言及の分類です。拾ってきた投稿の文面を渡して、好意・中立・否定の3分類と、言及されている論点を整理させる使い方です。数十件を目で読む作業が短縮され、分類の基準も一定になります。

検索語のリスト作りにも使えます。社名と製品名を伝えて、略称や英語表記、想定される誤字の候補を挙げさせると、自分では思いつかない表記が出てきます。出てきた候補は実際に検索して、使われているものだけリストに残します。

報告文の下書きにも向いています。数字の表を渡して、傾向の説明と読み取れることを箇条書きで出させると、書き出しの手間が減ります。ただし出てきた解釈は必ず自分で検証してください。

任せてはいけないのは、母数の定義と判断です。どの競合を含めるか、この四半期を良しとするかは事業の判断であり委ねられない領域です。作業の短縮に限って使ってください。

まとめ

SNSの認知は1つの数字にはなりませんが、層に分ければ推移として捉えられます。届いた量はリーチ、反応の深さは保存率とプロフィール閲覧、語られた量は言及件数、行動に変わったかは指名検索と直接流入。この4層を同じ表に並べることが出発点です。シェア・オブ・ボイスは自社の言及をカテゴリ全体の言及で割った比率で、市場全体の変動を除ける利点がある一方、母数の定義で数字が動く弱点があります。競合3社と検索語を固定し、同じ条件で数え続けてください。

BtoBは母数が小さいため、単月の増減はノイズとして扱い、四半期で傾向を判断する取り決めを先に共有しておくと運用が安定します。比率を報告するときは必ず実数を添え、数字だけでなく印象に残った言及の引用も月に数件残してください。担当者が代わっても意味が伝わる記録になります。まずは認知の定義を1行で書き、対応する数字を3つ割り当てるところから始めてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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