ThreadsはBtoBで使える?|テキストSNSの新しい選択肢

テキストSNSといえばX(旧Twitter)一択だった状況が、この2年で変わりました。Metaが運営するThreadsは、2026年6月16日の公式発表で月間アクティブユーザー5億人への到達を公表し、コミュニティ機能の正式化やフィード調整機能の拡張を続けています。前年2025年7月時点の4億人から1年足らずで1億人を積み増した計算で、Metaは日本を「世界で最も高い成長率とエンゲージメントを記録している国のひとつ」と位置づけています。一方で、企業アカウント、特にBtoB企業の参入はまだ少数派です。本記事では、Threadsの仕様をXとの違いを軸に整理し、BtoB企業が無理なく始めて続けるための運用の型——始め方、投稿ネタ、週次の習慣、効果測定——までを解説します。
カメ先生Threadsの月間ユーザーは2026年6月に5億人へ到達したとMetaが発表した。しかも閲覧の半数を返信面が占めるとされるくらい、会話中心の設計なんだ。BtoBとの相性は悪くないよ。
カメ子5億人…!でもBtoBの会社がテキストSNSをもう1つ増やすのは、正直しんどい気がします。Xだけでは足りないんでしょうか?
カメ先生足すかどうかは仕様で判断しよう。Threadsは外部リンクの扱いがXより寛容で、オウンドメディアへの導線として機能しやすい。広告も2026年1月から世界展開されて、Metaの広告基盤がそのまま使える。Xと同じ投稿を流すだけなら不要だが、役割を分けるなら価値があるんだ。
カメ子なるほど、「もう1つのX」ではなくて別の役割を持たせるんですね。仕様の違いから順番に見ていきます。
- Threadsは2026年6月時点で月間5億ユーザー。会話(返信)を重視するアルゴリズムで、企業の参入がまだ少なく先行余地がある
- 外部リンクに寛容・Meta広告基盤との統合・APIでの予約投稿とインサイト取得など、BtoBの実務に効く仕様がそろってきた
- 成否は続ける体制で決まる。Xとの役割分担を決め、投稿ネタを型で持ち、週次の習慣に落とすことが定着の条件
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Threadsの現在地:5億人に到達したテキストSNS
Threadsは、Metaが2023年7月に公開したテキスト中心のSNSです。Instagramのアカウント基盤の上に作られており、Instagramユーザーはそのままの名前とフォロワー関係を土台にThreadsを始められます。Metaの公式発表によると、月間アクティブユーザーは2025年7月に4億人を突破し、2026年6月16日には5億人への到達が発表されました。同じ発表では、コミュニティ機能の正式化(カスタムアイコン、メインメニューへの統合)や、日本・韓国・台湾でのローカルコミュニティの言語タグ対応も案内されており、日本語圏の会話が明確に意識されています。
フィードの表示を利用者が調整できる「Your Algo」という機能も導入が進んでいます。特定トピックの表示頻度を期間指定で調整できる仕組みで、執筆時点では米国・カナダ・英国・オーストラリア・ニュージーランドでの展開が発表されています(日本への展開は執筆時点では確認できません)。ここから読み取るべきは個々の機能そのものより、Metaがテキストの公開会話に本格投資を続けているという方向性です。実験的なサービスの段階は終わり、企業が腰を据えて取り組む対象になったと判断できます。
BtoBでThreadsに注目する3つの理由
BtoB企業にとってのThreadsの魅力は、規模よりも構造にあります。1つ目は競合企業の少なさです。国内のSNS支援各社の解説が一致して指摘するとおり、2026年時点でもXと比べて企業アカウントの参入率は低く、業種によっては「その分野の定番アカウント」の座席がまだ空いています。フォロワー獲得競争が激しいXで後発から存在感を出すコストと比べると、先行者の利得が残っている数少ない場所です。
2つ目は会話が届く設計です。Threadsのメインフィードはおすすめ表示が中心で、フォロワーが少なくても内容次第で新規リーチが生まれます。後述するとおり、アルゴリズムは返信・会話を強く評価するとされ、一方的な宣伝より「問いかけて答える」型のコミュニケーションが伸びやすい。これは、専門知識で信頼を積み上げたいBtoBの発信と相性が良い構造です。3つ目はMeta広告基盤との接続です。オーガニック運用で手応えを得た後、FacebookやInstagramと同じ管理ツールから広告で増幅できる出口が用意されています。3つとも「バズるため」ではなく、少ない工数で継続して信頼を積むための条件だと捉えてください。
アルゴリズムの核:会話・1行目・頻度
Threadsのアルゴリズムの詳細は非公開ですが、公開情報と国内支援会社の分析から、押さえるべき評価軸は3つに整理できます。第一に会話量。Meta公式のデータとして「閲覧数の半数は返信面が占める」と紹介されており、返信が付き会話が続く投稿ほど露出が広がる構造です。つまり完成された宣言文より、読んだ人が一言返したくなる余白のある投稿が有利になります。
第二に1行目のキーワードです。投稿の冒頭に含まれる語句がおすすめ表示や検索結果への露出に強く影響すると分析されており、伝えたいテーマの単語は飾らず1行目に置くのが定石とされています。第三に投稿頻度。週2〜5回程度の継続が推奨とされ、週1回未満ではおすすめに乗りにくくなる傾向が指摘されています。まとめると、問いかけの余白×1行目の明確さ×週2回以上の継続がThreadsの基本方程式です。逆に、リンクだけを貼った告知の連投は、会話が生まれないため構造的に伸びません。
仕様で見るXとの違い
「Xと何が違うのか」を印象ではなく仕様で押さえます。BtoB運用の判断に関わる項目を比較します。
| 項目 | Threads | X(旧Twitter) |
|---|---|---|
| フィード | おすすめ中心。フォロー外へ届きやすい | おすすめ+フォロー。既存フォロワーの影響が大きい |
| 外部リンク | 比較的寛容とされ、導線に使いやすい | 外部リンク付き投稿はリーチが伸びにくいという分析が多い |
| 広告 | 2026年1月に世界展開。Meta広告基盤を共用 | 広告プラットフォームとして成熟 |
| API・自動化 | 公式APIで投稿・予約・インサイト取得が可能 | APIは有料プラン中心で個人・小規模には高コスト |
| アカウント基盤 | Instagramと連動(フォロワー移行あり) | 独立 |
BtoB目線で特に効くのは外部リンクの扱いです。Xでは外部リンク付き投稿のリーチ低下が広く指摘されており、オウンドメディアへの誘導が難しくなりました。Threadsは相対的にリンクへ寛容とされ、記事やイベントページへの導線としての実用性が高い。ただしThreadsでもリンクだけの投稿は会話を生まないため、本文で価値を語ったうえでリンクを添える形が前提です。またInstagramとアカウントが連動している点は、立ち上げの追い風になる一方、Instagram側のアカウント停止がThreadsに波及するリスクでもあります。
検索機能の強化が続いている点も押さえておきましょう。キーワード検索で過去の投稿を探せるため、投稿は流れて消えるだけでなく、後から発見される可能性を持ちます。とはいえ現状はフロー型の性質が強く、過去投稿の発見性は高くないという指摘もあるため、詳しい解説コンテンツはオウンドメディアに置き、Threadsは入口として要点とリンクで案内する、という分担が現実的です。この分担なら、Threadsの投稿が蓄積型の資産にならなくても、送客先のメディアに資産が積み上がります。
実務仕様で決めるXとの使い分け
併用する場合の役割分担を、実務の型として示します。基本の整理は「Xは速報と拡散、Threadsは会話と信頼」です。新機能リリースや障害情報のような即時性の高い告知は、リアルタイム性の文化が強いXが主戦場。一方、ノウハウの小出し、現場の裏話、業界の話題への見解表明のような「人格が見える発信」はThreadsのアルゴリズムと噛み合います。同じ出来事でも、Xでは事実を1文で速く、Threadsでは背景や学びを問いかけ付きで、と書き分けるのが理想です。
工数が限られる場合の現実解は、完全な書き分けをやめて「変換」にすることです。まずThreads向けに会話形の原稿を書き、X向けには要点を切り詰めた告知形へ変換する(またはその逆)と、1つのネタで2媒体を賄えます。このとき同文の同時投稿だけは避けてください。両方をフォローする読者に手抜きが伝わるうえ、媒体ごとの評価軸に合わないため両方で伸びません。また、成果の出口も分けておきます。Xはプロフィールやリプライ欄からの導線が中心になるのに対し、Threadsは投稿本文にリンクを置けるため、オウンドメディアへの送客を数えるならThreads側に計測用URLを仕込むのが実務的です。
始め方:開設から最初の1か月
準備から検証開始までの手順です。Instagramの企業アカウントがあれば、開設自体は30分もかかりません。
Instagramの企業アカウントからThreadsを有効化します。プロフィール文には「誰に何を発信するか」を明記し、オウンドメディアなど成果につなげたいURLを設定します。Instagramのフォロワーに開設が通知されるため、最初の投稿を用意してから有効化するのが順序です。
担当者・週の投稿回数(まず週2〜3回)・扱うテーマ3つ・返信の方針(誰がいつ返すか)・NG事項を文書化します。トーンは「中の人」の一人称で書けるところまで具体化しておくと、投稿のたびに迷いません。
会社紹介の連投ではなく、自分たちの仕事の裏側や専門分野の小ネタを、問いかけを添えて投稿します。1行目にテーマの単語を置く型をこの期間に体に入れます。
ノウハウ系・裏話系・問いかけ系・時事見解系など複数パターンを試し、閲覧数と返信数を記録します。反応の良い2つの型を翌月の主力に据えます。
この1か月で目指すのはフォロワー数ではなく、無理なく出せる投稿の型を2つ見つけることです。国内支援会社の運用フレームでも、立ち上げ期は投稿パターンの検証期間と位置づけられており、ここを飛ばして「とにかく毎日投稿」を課すと、ネタが尽きて2か月目に止まります。
企業アカウントの実例:主力SNSを移した農家と役割分担するメディア
国内の先行事例を2つ見ます。1つ目は石川県のブロッコリー農家・安井ファームです。Xで「日本一バズる農家」として知られた同社は、2025年12月にThreadsを主力SNSとする方針を公式に表明し、スタッフ2名の運用でフォロワー10万人超を獲得しています。独自の言い回しやQ&A形式で「中の人」の人格を一貫させ、商品を売り込むのではなく会話の文化を作る運用が、Threadsのアルゴリズムと噛み合った例です。取引の主軸は量販店というBtoB性の強い事業でありながら、消費者側の認知がブランドと販路に波及している点も示唆的です。
2つ目は子育てメディアのトモニテ(株式会社エブリー)です。Instagramで70万超のフォロワーを持つ同メディアは、Threadsでも12.5万フォロワーを獲得していますが、注目すべきは書き分けです。Instagramではビジュアル中心のライフハック動画、Threadsではテキストで悩みに寄り添う投稿と、テーマは統一しつつ表現を媒体ごとに変えています。2社に共通するのは、トーンの言語化と媒体ごとの役割分担が徹底されていること。フォロワー規模ではなく、この設計の部分がBtoB企業にも移植できる要素です。
伸びる投稿の基本形:会話の余白を作る
Threadsの投稿づくりは、3つの部品で考えると迷いません。1行目のテーマ提示、本文の具体、末尾の問いかけです。たとえば「展示会の名刺、御社では誰がデータ化していますか。うちは営業3人で月200枚を手入力していて、先月ようやく仕組み化しました。最初にやめたのは——」のように、1行目にテーマ(展示会・名刺管理)を置き、本文で自社の実話を具体的に語り、読者が自分の状況を答えたくなる形で終える構成です。
避けたいのは、完璧な結論で締める投稿です。「〜すべきです。以上」という完成形は有益でも返信の余地がなく、会話を評価するアルゴリズム上は伸びにくい。あえて途中経過や迷いを見せる、二択で意見を聞く、失敗談を先に出す——BtoBの担当者が持つ現場の一次情報は、この形式に変換したときに最も価値が出ます。なお、宣伝色の強い投稿への反応がシビアな点は各社の分析が一致するところで、売り込みは10投稿に1回までを目安に、残りは読者の役に立つ話に徹するくらいの配分が安全です。
書き換えの練習として、ありがちな告知文を変換してみます。告知形「新機能◯◯をリリースしました。詳細はこちら」は、Threadsでは「経理の月次締め、まだ手作業のところはありますか。お客様の入力ミスを減らしたくて◯◯という機能を作ったのですが、開発で一番もめたのは意外な箇所でした。同じ業務の方、締めで一番つらい工程はどこですか」のような形になります。事実は同じでも、読者が答えられる質問を1つ埋め込むだけで、投稿は告知から会話の起点に変わります。
BtoBの投稿ネタ一覧:切らさないための12の型
運用が止まる最大の理由はネタ切れです。BtoB企業がThreadsで使いやすいネタを型として持っておきましょう。
- 仕事の裏側:納品前のチェック風景、社内ツールの画面、開発中の試行錯誤
- 専門知識の小出し:業界用語を1つだけ丁寧に解説、よくある誤解の訂正
- 現場の失敗談:やらかした話と、そこから変えた手順
- 二択の問いかけ:「資料は先に送る派?商談後に送る派?」のような実務二択
- 業界ニュースへの見解:時事に対して自社の立場から一言
- 顧客からの質問紹介:よく聞かれる質問と答え(固有名は伏せる)
- 数字の公開:メルマガ開封率や記事PVなど、出せる範囲の実数と学び
- 採用・チーム紹介:働く人の日常、入社エピソード
- イベント実況:展示会・ウェビナーの準備と当日の様子
- 道具の話:使っているツール・機材とその理由
- 季節×業務:年度末・期初など時期特有の業務あるある
- 過去投稿の続報:以前の問いかけへの回答まとめと御礼
12種のうち、自社で無理なく出せるものに丸を付け、週の投稿枠に型を先に割り当てる(例:月曜は専門知識、木曜は問いかけ)と、ネタ出しが「探す作業」から「埋める作業」に変わります。ネタ帳はチームで共有し、日常業務で見つけた種を随時追記する運用が長持ちのコツです。
ネタの在庫は、社内の情報の流れとつなぐと自然に増えていきます。営業の日報、カスタマーサポートへの問い合わせ、社内チャットの雑談——ここには「顧客が実際に使った言葉」が毎日流れています。週次の仕込みの前に5分だけこれらを見返して、顧客の語彙で書かれた種を3つ拾う習慣を付けると、ネタ切れとはほぼ無縁になります。担当者1人の発想力に頼るのではなく、会社に流れる情報を投稿の水源にする仕組みづくりが本質です。
AIで投稿づくりを軽くする
週2〜5回の投稿を人力だけで続けるのは負担が大きいため、下書きの量産はAIに任せます。効果的なのは、上の12の型とトーンの約束事をまとめた指示文を用意しておくことです。AIに「この会議メモから、問いかけ型のThreads投稿を3案作って」と頼めば、種から複数の下書きが数分で得られます。このとき1行目にテーマ語を置く・末尾は問いかけで終える・宣伝をしない、という制約を指示文に固定しておくと、出力のブレが減ります。
ただし、AIが書いた「それらしい一般論」をそのまま投稿するのは逆効果です。Threadsで反応が生まれるのは一次情報、つまり自社の現場の具体的な出来事や数字であり、AIはそれを持っていません。実務の分担は、種(出来事・気づき・数字)は人が箇条書きで出す、文章化と複数案出しはAIがやる、最後の事実確認と人格の調整は人が戻す、という往復です。返信への応答も同様で、下書きをAIに作らせても、投稿ボタンは必ず人が押す運用にしてください。会話のSNSで機械応答の気配が出ると、積み上げた信頼が一晩で崩れます。
Threads広告:2026年1月に世界展開された新しい配信面
オーガニック運用の先には広告の選択肢があります。Threadsの広告は段階的なテストを経て、2026年1月に世界の広告主へ展開されました。海外の解説によると、フォーマットは画像(1:1または4:5、テキスト最大500字)、動画(最大60秒)、カルーセル(最大10枚)が用意され、FacebookやInstagramと同じ広告管理ツールから配信できます。カスタムオーディエンスや類似オーディエンス、Advantage+といったMetaの既存のターゲティング資産をそのまま使えるのが最大の特徴で、新しい媒体なのに計測やピクセルの追加設定が要らない点は実務上の利点です。
費用面では、海外の分析で「InstagramよりCPM(表示単価)が3〜4割低い」とする報告もありますが、配信面としては新しく、業種・地域によるばらつきが大きい段階です。BtoBでの現実的な使い方は、いきなり獲得目的の配信をするのではなく、オーガニックで反応の良かった投稿を種にした認知配信から小さく試すことです。テキスト中心の媒体特性上、広告も「広告らしくない語り口」のほうが馴染むとされており、オーガニック運用で掴んだトーンの知見がそのまま広告の質に直結します。
APIと自動化・フェディバース対応
Threadsには公式APIが用意されており、外部ツールからの投稿・予約投稿と、インサイト(閲覧数・いいね・返信数など)の取得が可能です。国内でもGoogleスプレッドシートやGASと組み合わせた予約投稿・分析ダッシュボードの実装例が公開されており、Xの有料APIと比べて小規模チームでも自動化に手が届きやすい環境です。週次でインサイトを自動取得してスプレッドシートに蓄積しておけば、後述の効果測定がほぼ無人化できます。投稿の編集可能時間が15分に拡大されるなど、細かな仕様改善も続いています。
もう1つの特徴が、ActivityPubプロトコルによるフェディバース対応です。設定を有効にすると、Threadsの投稿がMastodonなど他の分散型SNSからもフォロー・閲覧できるようになり、フェディバース経由のフォロワー数表示にも対応しました。BtoBの実務で今すぐ大きな差を生む機能ではありませんが、1つの投稿がThreadsの外にも届く開かれた構造は、プラットフォーム単体の栄枯盛衰に発信資産を委ねないという意味で、中長期の保険と考えられます。
- ユーザー数・機能・広告仕様は変化が速い領域です。本記事の数値は2026年7月の執筆時点でMeta公式発表および公開情報から確認できたものです
- Your Algoなど一部機能は展開地域が限られます。日本のアカウントで利用できるかは、実際の管理画面で確認してください
- フェディバース共有は設定で有効化する方式です。有効化前の投稿の扱いなど、細部は公式ヘルプを参照してください
続けるための体制:週次の習慣に落とす
Threads運用の成否を分けるのは、開設時の設計よりも継続の仕組みです。推奨は週1回45分の「仕込み会」を定例化すること。前半15分で先週の投稿の閲覧数・返信数をふり返り、後半30分で翌週分の投稿3〜5本をネタ帳から下書きします。AIでの複数案出しを組み込めば、この枠内で1週間分が仕込み終わります。日々の作業は、予約投稿の確認と返信対応の10分だけになり、担当者の負担が「毎日ネタを絞り出す苦行」から「週1の定例と隙間の返信」に変わります。
体制面では、担当を1人に固定しないことが重要です。属人化した「中の人」は退職や異動で一気に止まります。トーンの約束事とネタ帳を共有資産にしておき、主担当1名+バックアップ1名の2名体制を最低線にしてください。また、返信対応には権限の線引きが必要です。感謝や雑談への返信は担当者の裁量、クレームや誤情報の指摘への対応は上長確認、といったエスカレーションの基準を先に決めておくと、判断に迷って放置される返信がなくなります。
逆に、投稿の事前承認フローは最小限に抑えてください。1投稿ごとに上長の決裁を挟むと、会話のテンポが死に、担当者の意欲も削がれます。トーンの約束事の範囲内なら担当者の裁量で出せるようにし、承認が要るのは新しいテーマに踏み込むときとセンシティブな話題に触れるときだけ、と線を引いておくのが、品質と継続を両立させる現実解です。
効果測定:追う数字は3つでいい
BtoBのThreads運用で毎週追う数字は3つに絞ります。第一に閲覧数(投稿の表示回数)の週次合計。露出の総量で、アルゴリズムに評価されているかの体温計です。第二に返信数と返信率。Threadsの評価軸そのものであり、会話が生まれる投稿を作れているかを示します。第三にプロフィールアクセスとリンクのクリック数。関心が自社への興味に転化しているかの指標で、オウンドメディアへの送客を狙うなら計測用URLで流入を記録します。
注意したいのは、フォロワー数を主要KPIにしないことです。おすすめ中心のフィードでは、フォロワー数と実際のリーチの相関がXほど強くなく、フォロワー購買のような歪んだ努力を誘発するだけです。また、商談や問い合わせへの貢献は数か月単位の遅行指標なので、月次で「Threads経由の流入からの資料DL・問い合わせ」を数え、週次の3指標と分けて評価します。週次は会話の質、月次は事業への貢献と時間軸を分けるのが、疲弊しない測定の型です。
計測の手間はAPIで下げられます。前述のインサイトAPIで閲覧数・いいね・返信数を週次でスプレッドシートに自動蓄積しておけば、仕込み会の冒頭で眺めるだけになり、レポート作成の工数はほぼゼロになります。数字の解釈で迷ったら、直近4週間の中央値と比べて上か下かというシンプルな基準で十分です。単発で大きく跳ねた投稿より、中央値がじわじわ上がっていることのほうが、BtoBの信頼構築としては良い兆候だと覚えておいてください。
やりがちな失敗
最後に、Threadsの企業運用で実際に起こりがちな失敗を挙げます。いずれも仕様の理解不足か、体制の設計不足に起因します。
- Xと同じ投稿をそのまま同時配信する:媒体の評価軸に合わず両方で伸びない。変換の一手間を惜しまない
- 告知とリンクだけを投稿し続ける:会話が生まれず露出が先細る。売り込みは1割に抑える
- 初月に毎日投稿を課してネタ切れで停止する:週2〜3回の継続のほうがアルゴリズム上も体制上も有利
- 返信を放置する:会話重視の場で無反応は逆ブランディングになる。返信の担当と基準を先に決める
- フォロワー数だけで成否を判断する:閲覧数・返信率・リンククリックを見なければ改善点が特定できない
5つに共通するのは、Xで培った常識をそのまま持ち込んでいることです。同じテキストSNSでも評価の力学が違うため、最初の1か月は「Xでの成功パターン」をいったん脇に置くくらいの構えがちょうどよい距離感になります。迷ったときは、その投稿に自分なら返信したくなるかを問い直してください。答えがノーなら、それはThreadsではまだ完成していない投稿です。
まとめ
Threadsは、月間5億ユーザーという規模に達しながら、企業——とりわけBtoB——の参入がまだ薄い、珍しい時期にあるSNSです。会話を評価するアルゴリズム、外部リンクへの寛容さ、Meta広告基盤との統合、APIによる自動化のしやすさと、BtoBの実務に効く仕様条件はそろってきました。始めるなら、Xとの役割分担を決め、投稿ネタを型で持ち、週1回の仕込み会で回る体制を作ること。速報と拡散はXに任せ、Threadsでは専門性と人格で会話を積む。その分担ができた企業から、テキストSNSの新しい選択肢は成果に変わっていきます。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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