Strellaで定性調査を始める前の確認項目|取引先に聞く前の準備

Strellaで定性調査を始める前の確認項目|取引先に聞く前の準備

「AIが聞き手になってくれるなら、顧客インタビューを毎月回せるかもしれない」「でも、取引先の担当者に録画つきでAIと話してもらって、本当に失礼にならないのだろうか」——AIの聞き手を使う定性調査の話が社内で出たとき、BtoBのマーケ担当や製品担当からは、この二つの声がほぼ同時に上がります。けれども、導入の可否を分けるのはAIの聞き方の上手さではありません。相手が「取引先の社員」であることを前提に、集め方・同意・データの出口・結果の持ち主を先に決められるかどうかです。この記事では、米国の Strella を使う前に確かめる項目を、「新しい価格体系を既存顧客と見込み客に聞く」という一つの調査を最初から最後まで追いながら整理します。


カメ先生カメ先生

AIの聞き手を入れると、調査の手間がまるごと消えると思われがちなんだけど、本当は手間の場所が変わるだけなんだ。聞く作業は減っても、誰に・どんな約束で聞き、聞いた話をどこまで社内に開くかを決める作業が前に出てくる。


カメ子カメ子

聞くのが楽になる分、聞く前の準備が重くなる、ということですか。


カメ先生カメ先生

そう。とくにBtoBでは、相手は消費者ではなく取引先の担当者だからね。録画の同意、謝礼の渡し方、発言が営業に回るかどうかまで、相手の会社の目も意識して決める必要があるんだ。


カメ子カメ子

AIに聞かせる前に、人が決めておく約束ごとの一覧が要るんですね。


この記事のポイント
  • Strella は、AIの聞き手が音声で深掘りの質問をする定性インタビューと、その結果の集約を担う米国の基盤。2026年3月には、Claude や ChatGPT などの社内のAIから調査データを引ける AI コネクタを発表した
  • BtoBの顧客に使うときの論点は、対象者の集め方と謝礼、録画・録音の同意、海外の事業者にデータが渡ること、AIコネクタで社内に開く範囲の四つ
  • 結果は発言録に戻って検収し、営業・製品・マーケのどこが何を持つかを先に決める。価格のような誘導しやすい問いは、AIの深掘りを試験で確かめてから本番に出す

データ分析にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

目次

Strella は、AIの聞き手が深掘りする定性インタビューの基盤

Strella は、2023年に米国で創業した顧客調査の基盤です。調査の目的を入力すると、AIが聞き取りの台本(ディスカッションガイド)の下書きを作り、対象者を集め、AIの聞き手が音声で一人ずつ話を聞き、終わった調査から順に論点や発言を集約します。出資元のベンチャーキャピタルが2026年4月に公開した紹介では、相手の答えに応じて深掘りの質問を変え、最長90分の会話を続けられると説明されています。

公式サイトでは、46を超える言語での調査、最大800万人とされる外部の回答者の母集団、自社の顧客を対象にした募集、論点や回答者の群れごとの集約、発言の場面をつないだ短い動画(ハイライト)の作成を挙げています。AIではなく自社の担当者が聞き手を務めることもできるとしています。日本語の紹介記事はまだほとんどなく、国内では「名前は聞いたが、取引先に使ってよいかは誰も判断していない」段階の製品だといえます。

AIの聞き手に任せる線や、人の聞き手を残す調査の一般論は別の記事で扱いました。ここではそれを繰り返さず、Strella という具体の製品を、BtoBの顧客・見込み客・解約顧客に当てるときに何を確かめるかに絞ります。消費者向けの調査なら問題にならないことが、相手が取引先になると問題になる、という場面が多いからです。

2026年の動き:3月の AI コネクタと、9月の使いやすさ試験

同社は2025年10月に、米国のベンチャーキャピタルが主導する1,400万ドルのシリーズAの調達を発表しました。顧客としては、米国の大手小売の Amazon や語学学習アプリの会社、食品メーカーなどの名前が公表されています。出資元の紹介によると、収益化の初年度に約160万ドルの継続収益を上げ、最初の設計協力企業12社がすべて有料契約に移ったとしています。

2026年3月28日、同社は公式ブログで AI コネクタを発表しました。MCP という共通の接続方式を使い、Claude、ChatGPT、Microsoft の Copilot Studio、Cursor、Claude Code、Notion のエージェントなどから、過去の調査の発見や発言、調査をまたいだ論点を引けるとしています。既存の顧客向けに提供され、Claude と ChatGPT には公式の接続先として登録されていると説明されています。

さらに2026年9月28日には、使いやすさの試験とその指標を、AIの聞き手による深掘りと組み合わせる機能を公式ブログで紹介しました。公式ブログは10月にも調査手法の記事を毎週のように更新しており、製品と発信が動いていることは確認できます。ただし、時間削減や費用削減の割合など、公式サイトに並ぶ効果の数字は同社と顧客の説明であり、自社の調査で同じになる保証はありません。

この記事で追うシナリオ:新しい価格体系を、既存顧客と見込み客に聞く

ここからは、ある業務用ソフトの会社が、月額の定額制から利用量に応じた課金への切り替えを検討している、という場面を置きます。聞きたいのは、既存顧客が今の請求をどう受け止めているか、見込み客が予算をどう組んでいるか、そして過去1年に解約した顧客が何を理由に離れたかです。対象は既存顧客15人、見込み客10人、解約顧客5人の合計30人とします。

この調査は、AIの聞き手が向く条件と、BtoBならではの難しさがそろっています。向く条件は、同じ問いを多くの相手に同じ順番で聞きたいこと、時差のある海外拠点の顧客も含めたいことです。難しさは、相手が取引先の社員であり、価格という営業上の機微に触れる話題であることです。発言が担当営業の耳に入るのか、値引き交渉の材料に使われるのかを、相手は必ず気にします。

以下では、この調査を「問いを決める」「人を集める」「同意を取る」「データの出口を決める」「AIの聞き方を試す」「結果を検収する」「社内に開く」「持ち分を決める」「費用とやめ方」の順に追います。どの段にも、AIに任せる部分と人が決める部分があるので、それぞれの段で線を引いていきます。

確認1:問いを決めるのは人、AIに任せるのは台本の下書きまで

Strella は調査の目的から台本の下書きを作ります。下書きは速く、質問の抜けも見つけてくれますが、「何を決めるために聞くのか」は人が先に一文で書く必要があります。今回なら「利用量課金に切り替えたとき、既存顧客の何割が予算の組み直しを必要とするかの見当をつける」のように、調査の後に下す判断から逆算して書きます。

価格の調査で崩れやすいのは、「いくらなら払いますか」と直接聞いてしまうことです。定性調査で金額を聞いても、答えは交渉の構えで歪みます。それより、今の請求の決まり方、稟議の通し方、予算の締め時期、超過したときに誰が説明するかといった事実を聞くほうが、価格体系の判断に使えます。AIの下書きにこうした事実の質問が入っているかを、人が確かめて足します。

台本の確定は、調査の責任者と、価格を決める側の責任者の二人で行います。AIの下書きを採ったか直したかは、台本の版として残しておきます。後で結果を読む人が「この問いはAIが作ったのか、人が足したのか」をたどれるようにしておくと、結論に疑問が出たときに設計の段まで戻れます。

確認2:対象者の集め方。自社の顧客か、外部の回答者か

Strella では、自社の顧客を招く方法と、同社が提携する外部の回答者の母集団から条件で選ぶ方法の両方が使えます。外部の回答者は集まるのが速い反面、BtoBで「業務用ソフトの予算を持つ部長職」のような条件を付けると、自己申告の肩書きが本当かを確かめる手段が限られることに注意が要ります。公式の記事では回答者の質を確かめる取り組みを説明していますが、日本の法人の決裁者がどれだけ含まれるかは、見積もりの段で具体の条件を出して確かめるしかありません。

今回のシナリオでは、既存顧客と解約顧客は自社の顧客名簿から、見込み客は商談中の企業から招くことになります。ここで決めるのは、誰が名簿を抜き出し、誰が招待を送るかです。担当営業が送ると協力は得やすい一方、相手は本音を言いにくくなります。マーケや調査の担当から送り、担当営業には「調査を依頼した」ことだけを伝える形が無難です。

解約顧客は、そもそも連絡してよいかを確かめます。契約終了後の連絡を断られている相手や、退会時に配信停止を選んだ相手を名簿から外すのは人の仕事です。名簿の抜き出し条件と除外条件を文書にし、送る前に二人目が確かめる手順を入れておくと、送ってはいけない相手への招待を防げます。

確認3:謝礼の渡し方と、相手が取引先の社員であることへの配慮

消費者向けの調査なら、謝礼は電子ギフト券を送れば済みます。BtoBでは、相手の会社が取引先からの金品の受け取りを規程で制限していることがある点を先に考えます。とくに金融機関や大企業、公的な性格を持つ法人の社員は、少額でも受け取れない場合があります。公務員は、立場によっては受け取り自体が問題になりえます。

そのため招待文では、謝礼の有無と内容を明示し、「会社の規程で受け取れない場合は辞退できる」「謝礼を受け取らなくても参加できる」と書いておきます。謝礼の代わりに、調査結果の要約を参加企業に共有する、寄付に回すといった選択肢を用意する会社もあります。謝礼の手配を Strella 側に任せるのか自社で行うのかは、外部の回答者と自社の顧客で分かれることがあるので、契約前に確かめます。

もう一つの配慮は、相手の時間です。AIの聞き手は時差を気にせず相手の都合で受けてもらえる利点がありますが、取引先の担当者にとっては業務時間の一部です。所要時間を正直に書き、最長でも30分程度に収める台本にしておくと、後の調査への協力も得やすくなります。90分まで話せることは、長く聞いてよい理由にはなりません。

確認4:録画・録音の同意と、招待文に書くこと

AIの聞き手との会話は、音声やカメラの映像として記録され、書き起こされ、要約や短い動画の素材になります。参加者に求める同意は、「録音・録画されること」「AIが聞き手であること」「海外の事業者のサーバーで処理されること」「発言が社内でどう使われるか」の四つを分けて書くのが基本です。とくにAIが聞き手であることは、始まってから気づくと不信につながります。

BtoBでは、発言が誰に見えるかを具体的に書くことが効きます。今回の価格調査なら、「発言は製品企画と調査の担当者が読み、担当営業には個人や企業が特定できない形でのみ共有する」のように書きます。営業が値引き交渉の材料に使わないことを約束できるなら、それも明記します。約束した以上は、後述するAIコネクタの開き方もこの約束に合わせる必要があります。

  • 顔を映したくない参加者のために、カメラを切って音声だけで参加できるかを事前に確かめておく
  • 同意の文面は、調査ごとに版を付けて保管する。後で発言の使い方を変えたくなったら、同意の範囲を超えていないかをその版で確かめる
  • 参加の途中で取りやめたい場合の連絡先と、記録を消してほしい場合の受付窓口を招待文に書く

同意の取り方そのものが Strella の画面で完結するのか、自社で別に同意書を用意する必要があるのかは、契約前の確認事項です。同意の記録がどこに残り、何年保存されるかも合わせて確かめます。

確認5:個人情報と、海外の事業者にデータが渡ること

参加者の氏名、所属、声、映像、発言は個人情報として扱います。Strella は米国の事業者なので、日本の企業がこれらを渡す場合は、個人情報保護法の外国にある第三者への提供の規律が関わってきます。委託として渡す場合でも、外国の事業者が相手であれば、本人の同意を取るか、相手が日本の制度と同等の体制を整えていることを確かめる必要があるとされています。どちらの形で渡すかは、自社の法務と個人情報保護の担当者が決めます。

確かめる材料として、同社は公式サイトから信頼性の情報をまとめた Trust Center を公開しています。ここで見るのは、保存される場所、保存期間、削除の依頼への対応、録音や書き起こしを製品の改良や学習に使うかどうかです。公式サイトの紹介ページにはこれらの詳細が書かれていないので、契約前に書面で回答をもらいます。

BtoBでは、参加者本人だけでなく、発言に出てくる第三者の情報にも注意が要ります。参加者が自社の取引先名や同僚の名前、未公表の予算を話すことは珍しくありません。書き起こしに残った固有名を、社内に共有する前に伏せる工程を入れるかどうか、入れるなら誰がやるかを決めておきます。

確認6:AIの深掘りを、本番の前に社内の試験で確かめる

AIの聞き手は相手の答えに合わせて質問を変えるので、台本どおりの質問しか出ないわけではありません。ここが強みであり、価格の調査では危うさにもなります。深掘りの質問が「では、この金額なら許容できますか」のようにこちらの仮説を相手に言わせる形にずれると、結果は使えなくなります。

そこで、本番の前に社内の数人に参加者役をしてもらい、試験の会話を数本回します。役ごとに「予算に余裕のある既存顧客」「上限を超えて叱られた経験のある担当者」「すでに他社に移った解約顧客」のような設定を渡し、AIの聞き手がどこまで掘り、どこで誘導に寄るかを書き起こしで確かめます。誘導に寄った質問は台本に「この問いはしない」と書き足すなどして直します。

STEP1
試験の役を3つ以上作る

価格に前向きな相手、否定的な相手、話が脱線しやすい相手を用意し、社内の人に演じてもらいます。

STEP2
書き起こしで深掘りの質問だけを抜き出す

AIが台本の外で出した質問を一覧にし、誘導・決めつけ・二つを一度に聞く質問に印を付けます。

STEP3
台本を直して、もう一度回す

直した台本で同じ役をもう一度回し、印が減ったかを確かめます。

STEP4
責任者が本番に出すかを決める

試験の書き起こしを添えて、調査の責任者が本番の開始を承認します。

日本語での調査に使う場合は、敬語の崩れや、業界の言葉の聞き違いもこの試験で拾います。46言語対応という数字は、日本語のBtoBの会話の質を保証するものではありません。試験の書き起こしを、取引先と日常的に話している人に読んでもらうのが確実です。

確認7:集約の結果は、発言録に戻って検収する

30人の聞き取りが終わると、Strella は論点、回答者の群れごとの違い、代表的な発言をまとめます。公式の説明では、発言には時刻が付き、元の場面に戻れる形になっています。この機能を使って、まとめに書かれた論点ごとに、根拠になった発言を最低3件たどるのが検収の基本です。

価格調査で起きやすい誤りは、少数の強い発言が全体の傾向のように書かれることです。たとえば解約顧客5人のうち1人が「請求が読めない」と強く語れば、要約にはその言葉が目立つ形で入ります。論点ごとに、何人が触れたか、どの群れに偏っているかを人が数え直し、要約の言い回しを直します。

もう一つは、語られなかったことです。既存顧客の誰も「予算の締め時期」に触れていなければ、それは問題がないのではなく、聞けていない可能性があります。台本の問いごとに、答えが得られた人数を表にすると、AIの聞き手が深掘りを優先して聞き漏らした問いが見えます。検収した結果だけを、次の段の社内共有に回します。

  • 価格の調査の発言録を、担当営業が個別の取引先との値引き交渉の前に読む
  • AIの要約にあった「多くの顧客が」という表現を、人数を数え直さずに経営会議の資料に写す
  • 参加者に約束していない部門の社員にも、AIコネクタから調査を引ける権限を渡す
  • 試験の会話を回さずに、AIの深掘りの質問を本番の取引先で初めて確かめる

どれも、一度起きると参加した取引先からの信頼を取り戻すのが難しい失敗です。とくに発言録が交渉の場に持ち込まれた場合、相手は次の調査に応じなくなるだけでなく、取引そのものへの不信につながります。失敗が起きたときに誰へ報告し、参加者にどう説明するかも、調査の責任者があらかじめ決めておきます。

確認8:AIコネクタで、社内のAIに調査データをどこまで開くか

3月に発表された AI コネクタを使うと、社員が普段使う Claude や ChatGPT、Copilot Studio で作ったエージェントから、Strella に蓄積した調査の発見や発言を引けるようになります。公式ブログは、営業と事業開発の部門が四半期の振り返りのために顧客の声をまとめさせる、といった使い方を例に挙げています。便利な反面、確認4で参加者に約束した「誰が発言を読むか」の範囲を、接続一つで越えてしまうおそれがあります。

公式ブログの発表では、誰がどの調査を引けるかの権限の仕組みは詳しく書かれていません。そこで、導入前に次の点を確かめます。接続した社員が、自分の権限で見られる調査だけを引けるのか。調査ごとに、接続から引ける・引けないを分けられるのか。営業への共有を約束していない調査が、営業の使うAIから引けてしまわないか。

確かめられない場合は、運用で線を引きます。価格のような機微な調査は接続から引けない場所に置く、接続を使えるのは調査と製品企画の担当者に限る、営業には検収済みの匿名の要約を別に渡す、といった形です。社内のAIの回答は、元の発言録にたどれるときだけ社内資料に使うという決まりも合わせて置きます。

確認9:営業・製品・マーケで、結果を誰が持つか

BtoBの顧客調査は、同じ結果を複数の部門が別の目的で使います。持ち分を決めないまま共有すると、営業は個別の顧客の発言を探し、製品は機能の要望を拾い、マーケは訴求の言葉を拾い、誰も調査全体の結論に責任を持たない状態になります。今回の価格調査を例に、持ち分を表にします。

部門持つもの持たせないもの
調査の担当(マーケまたは製品企画)台本、同意文、名簿の抜き出し条件、検収、Strella の権限の設定個別の顧客への連絡
製品企画・価格の責任者調査の結論と、価格体系の判断発言の言い回しの書き換え
営業匿名化された論点の要約、顧客への結果の報告個人や企業が特定できる発言録の閲覧
マーケ訴求の言葉の候補(検収済みの発言から)未検収の要約からの引用
法務・個人情報保護の担当同意文と、海外へのデータ提供の判断調査の結論

公式サイトは、調査の設計から実施までを同社のチームが担う運営の形も用意しています。社内に調査の担当者がいない会社には選択肢になりますが、運営を任せても、台本の確定、同意の文面、名簿の抜き出し、結論は自社の側に残す必要があります。外部に任せた部分と自社に残した部分を、表の欄として一行足しておくと、後で問い合わせがあったときに答える人が明確になります。

表のうち、営業の欄は会社によって判断が分かれます。営業が顧客と近い会社ほど、発言録を見たいという要望は強くなります。そのときは参加者への同意の文面を変え、営業が読むことを最初から相手に伝えるしかありません。同意の範囲と社内の持ち分は、必ず同時に決めます。

確認10:費用の増え方と、やめ方

Strella の料金は公式サイトに公開されておらず、問い合わせと実演の申し込みを経た見積もりの形です。定性調査の基盤の費用は、一般に調査の本数、聞き取りの人数、外部の回答者を使うかどうか、利用する社員の数で増えます。AIコネクタで社内の利用者が増えたときに、席の数で費用が増えるのかどうかは、見積もりの段で必ず確かめます。

比べる相手は、従来の調査会社への発注と、社内の人が聞き手を務める場合の手間です。公式サイトは、手作業の定性調査と比べた時間削減や、集団インタビューと比べた費用削減の割合を示していますが、これは同社の説明です。最初の1本は、人の聞き手で同じ調査を数人分だけ並行して行い、AIの聞き手の結果と突き合わせると、費用に見合うかを自社の数字で判断できます。

やめ方として確かめるのは、書き起こし、録音・録画、要約、ハイライトの動画を、自社の手元に書き出して残せるかです。契約終了後にデータがいつ消えるか、消えたことを証明してもらえるかも確認します。参加者に「記録は調査の終了後に削除する」と約束した場合は、その約束を守れる手順を契約前に用意しておきます。

始める前のチェックリスト

ここまでの確認を、最初の調査を始める前に一枚で見返せる形にまとめます。どれか一つでも埋まらない項目があれば、その調査は始めないか、範囲を狭めて始めます。とくに同意と社内に開く範囲は、後から直すと参加者との約束を破ることになるので、先に決めておきます。

  • 調査の後に下す判断を一文で書き、価格の責任者と合意した
  • AIが作った台本の下書きを人が確かめ、版として残した
  • 名簿の抜き出し条件と除外条件を文書にし、二人目が確かめた
  • 謝礼の有無と辞退できることを招待文に書いた
  • 録音・録画、AIが聞き手であること、海外での処理、社内での使い方の四つを同意文に分けて書いた
  • 海外の事業者への提供の形を、法務と個人情報保護の担当者が決めた
  • 社内の試験で、AIの深掘りの誘導を確かめて台本を直した
  • AIコネクタから引ける調査と利用者の範囲を決めた
  • 部門ごとの持ち分の表を作り、関係者に共有した
  • 契約終了時の書き出しと削除の手順を確かめた

このリストは、調査のたびに使い回すより、調査の種類ごとに少しずつ変えていくものです。価格や解約理由のような機微な調査と、使い勝手の調査では、同意の文面も社内に開く範囲も変わるからです。最初の数本を回した後に、どの項目で詰まったかを振り返り、リストを自社の形に直していきます。

よくある質問

取引先にAIが聞き手だと伝えたら、断られませんか

断られる可能性はあります。ただ、伝えずに始めて途中で気づかれるほうが、関係を損ねます。同社は参加者がAIの聞き手を好意的に受け止めているという調査を公式ブログで紹介していますが、日本のBtoBの取引先で同じかは分かりません。最初の調査では、AIか人の聞き手かを選べるようにして、断られた割合も記録しておくと次の判断材料になります。

解約顧客にも、AIの聞き手で聞いてよいですか

聞くこと自体は可能ですが、解約顧客は不満を抱えていることが多く、AIが相手だとさらに不快に感じる人もいます。連絡してよい相手かを確かめたうえで、招待文で調査の目的と謝礼を丁寧に説明し、人の聞き手を選べるようにしておくのが安全です。発言は営業の引き留めに使わないことも明記します。

AIの集約をそのまま経営会議の資料に使えますか

そのままは使わないほうがよいでしょう。論点ごとに根拠の発言をたどり、触れた人数と群れの偏りを人が確かめたうえで、検収済みの版を資料に使います。結論、つまり価格体系をどうするかは、調査の責任者と価格の責任者が書きます。AIの要約は、結論を書くための材料の整理と位置付けます。

社内の試験だけで、AIの聞き手の質は判断できますか

誘導や聞き漏らしの傾向はつかめますが、本番の相手は社内の人より遠慮し、話がそれやすいものです。最初の本番は少人数で始め、書き起こしを読んでから人数を増やすのが確実です。人の聞き手と並行して数人分を聞き、結果を突き合わせると、AIの聞き手に任せてよい調査の種類が見えてきます。

まとめ

Strella は、AIの聞き手が深掘りの質問をし、多くの相手から短い期間で話を集め、社内のAIからも調査データを引けるようにする基盤です。ただ、BtoBの顧客・見込み客・解約顧客に当てるとき、導入の可否を決めるのは聞き方の上手さではありません。何を決めるために聞くかを人が一文で書き、名簿と謝礼を相手の会社の規程まで考えて整え、録音・AIの聞き手・海外での処理・社内での使い方を分けて同意を取り、AIの深掘りを試験で確かめ、集約は発言録に戻って検収し、AIコネクタで開く範囲を同意に合わせて絞る。この順番で準備できれば、AIの聞き手は取引先との信頼を損ねずに、顧客の声を集める回数を増やす道具になります。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

データ分析にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?

デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。

運営会社:株式会社デボノ

目次