YextでAI回答の自社情報を正す方法|正本と承認者を先に決める

YextでAI回答の自社情報を正す方法|正本と承認者を先に決める

「生成AIに自社のことを聞いたら、3年前に閉じた営業所の住所が答えに出てきた」「製品名が旧称のまま説明されていて、どこに直せと言えばいいのか分からない」——AI検索への対応を任されたマーケ担当から、ここ半年で急に増えた相談です。多くの人は、AIの答えはAIの側の問題で、自社には手が出せないと考えています。けれども実際には、AIが拾う自社情報の多くは、自社がどこかに出した情報の写しであり、直す起点は自社の正本の持ち方にあります。この記事では、拠点・製品・人などのブランド情報を一元管理する Yext を例に、正本を決め、項目ごとの持ち主を決め、AIの修正提案を承認して反映するまでの運用を、定着させる順に整理します。


カメ先生カメ先生

AIの回答に出る自社の情報が間違っていると、AIの会社に直してもらうしかないと思われがちなんだけど、本当はAIが読んでいる元の情報、つまり自社のサイトや地図や各種の掲載先のほうを直すのが先なんだ。


カメ子カメ子

AIそのものではなく、AIが読みに行く先を直す、ということですか。


カメ先生カメ先生

そう。ただ、元の情報が社内のあちこちに散っていると、どれが正しいのか誰も言えない。だから Yext のような基盤を入れる前に、どの情報を正本にして、誰が持つのかを決めておく必要があるんだ。


カメ子カメ子

道具を入れる前に、正しさの持ち主を決めるんですね。


この記事のポイント
  • Yext は拠点・製品・人などのブランド情報をナレッジグラフで一元管理し、検索・地図・AIの回答に配る基盤。2026年6月に全機能をMCPやAPIでも使えるようにし、9月には Scout の拡張と、複数人でエージェントを動かす共同作業の場を発表した
  • 直す起点は「正本」。項目ごとに正とする情報と持ち主を決め、Scout が出す修正提案は持ち主が承認してから反映する
  • AIに判断させないのは、営業所の統廃合・製品の位置づけ・価格の表現。外のAIに渡すのは公開してよい項目に絞り、書き込みは最初は開かない

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目次

Yext は、ブランド情報の正本を持ち、検索とAIに配る基盤

Yext は米ニューヨークに本社を置く上場企業で、企業の拠点・製品・人・よくある質問といったブランド情報を、ナレッジグラフという形で一か所にまとめて管理する基盤を提供しています。ナレッジグラフは、情報を文章のまま持つのではなく、「この営業所はこの製品を扱う」「この担当者はこの拠点に属する」といった対象と関係で持つ仕組みです。Yext はこの一か所の情報を、地図サービス、口コミサイト、SNS、自社サイトなどの掲載先に配信します。公式の発表では、186の国と地域で1,200万を超える拠点の情報を扱っているとしていますが、これは同社の公表値です。

もともとは店舗や支店を多く持つ小売・飲食・金融・医療などの企業が、各地の営業時間や住所を正しく保つために使ってきた基盤です。そこに2025年3月、AIの検索と従来の検索の両方で自社と競合がどう見えているかを調べるエージェント Scout が加わりました。公表値では、Scout は1拠点あたり150の指標を見て、拠点ごとに20の競合と比べ、4つのAIの回答を調べるとしています。Scout は、どの地域で自社の露出が競合に負けているか、どの掲載先で情報の同期が遅れているかを見つけ、直す候補を示します。つまり Yext は、正本を持つ仕組みと、ずれを見つける仕組みと、配る仕組みを一つの基盤に持っている点が特徴です。BtoB企業でも、拠点や製品が多い会社ほどこの三つがそろう意味が大きくなります。

2026年の動き:6月の全面開放、9月の Scout 拡張と共同作業の場

2026年の発表を日付で並べます。まず2月2日、最高経営責任者が出していた会社の非公開化の提案を、資金の手当てができないとして撤回しました。会社は代わりに自社株を買い戻す手続きを進め、買収や身売りは起きていません。次に6月17日、Yext は基盤の全機能を、画面、スマートフォン、MCP、APIの四つの入口から使えるようにしたと発表しました。社員が普段使う生成AIから、Yext の情報や Scout の分析を呼び出せるようにする狙いです。

9月初めには、Scout が直す対象とする掲載先を広げ、エージェントをまとめて管理する Action Center から、Scout が見つけた修正を掲載情報・口コミ・SNS・ナレッジグラフにわたって実行できるようにしたと発表しました。さらに9月30日、同社の年次イベントに合わせて、マーケ部門・営業の現場・代理店・加盟店・拠点の責任者が同じデータを見ながら同じエージェントに指示を出せる共同作業の場を Scout の中に設けたと発表しています。ただし報道によれば、この共同作業の場は発表時点では Yext の担当チームが顧客支援に使う段階で、一般の顧客は順番待ちの登録でした。誰がどのエージェントに何を指示できるかという権限の説明も、発表には含まれていませんでした。

このほか、2026年5月の公式ブログでは、企業が自前で使う生成AIを Scout の観測データに直接つなぐ仕組みを紹介し、観測の規模を月に100億件の信号と説明しています。9月30日の発表には、地域ごとの有料広告を運用する会社を買収する正式な合意も含まれており、Yext が情報の管理から、露出を増やす施策の実行まで手を広げようとしていることが読み取れます。導入を考える側から見れば、提案と実行の対象が広がるほど、承認すべき変更の種類も増えるということです。

誤解:「AIの回答はAIの側の問題で、自社には直せない」

生成AIが自社の古い住所や旧製品名を答えると、多くの担当者はAIの会社に問い合わせるか、諦めるかのどちらかを考えます。けれども、検索と連動するAIの多くは、答えを作るときにウェブ上の情報を読みに行きます。読みに行く先には、自社サイト、地図サービスの拠点情報、業界の名簿サイト、口コミサイト、過去のプレスリリースの転載などが含まれます。そこに古い情報が残っていれば、AIはそれを材料にします。AIの答えが間違っている原因の多くは、自社が過去に出した情報が、更新されないまま外に残っていることにあります。

もう一つの誤解は、「正しい情報を自社サイトに書けば、いずれAIが拾ってくれる」というものです。自社サイトだけ直しても、地図や名簿サイトに旧情報が残っていれば、AIはどちらを信じるかを自分で決めます。どちらが正しいかをAIに判断させている状態です。Yext の考え方は、正しい情報を一か所に決め、そこから掲載先へ配って外の情報をそろえることにあります。ただ、この「一か所」に何を入れるかを決めるのは基盤ではなく自社です。基盤は正本を配ることはできても、何が正本かを決めることはできません。AIの回答での露出を測る話は別の記事で扱ったので、ここでは直す側に絞ります。

直す前に決めること1:どの情報を正本にするか

正本とは、社内で「これが正しい」と決めた唯一の情報源のことです。拠点の住所や電話番号は総務の台帳、製品名と製品の説明は製品企画の資料、役員の名前と肩書は広報の資料、というように、会社の情報はもともと部門ごとに別々の場所で持たれています。これをそのままにして Yext に流し込むと、どの部門の資料を写したのか誰も覚えていない状態で、新しい「正本らしきもの」がもう一つ増えるだけになります。

最初にやるべきは、項目ごとに「社内のどの台帳を正とし、Yext はその写しとして扱うのか」「Yext 自体を正とし、社内の台帳を Yext に合わせるのか」を決めることです。拠点の住所のように社内に確かな台帳がある項目は、社内の台帳を正にして Yext へ写すほうが安全です。一方で、よくある質問の答えや、拠点ごとの対応できる業務のように、社内にきちんとした台帳がない項目は、Yext を正本として作り始めてもかまいません。どちらを正にするかを項目ごとに書いておかないと、直したはずの情報が翌月の一括取り込みで古い値に戻るという事故が起きます。

項目の例正とする場所持ち主変える頻度の目安
拠点の住所・電話番号・営業時間総務の拠点台帳を正、Yext は写し総務移転・統廃合のたび
製品名・製品の短い説明製品企画の資料を正、Yext は写し製品企画製品の改定のたび
会社概要・役員・沿革広報の資料を正、Yext は写し広報役員の交代・決算期
拠点ごとの対応業務・担当地域Yext を正本として新たに作る営業企画四半期ごと
よくある質問と答えYext を正本として新たに作るマーケ(内容は各部門が確認)月次

直す前に決めること2:項目ごとの持ち主

正本の場所を決めたら、次は項目ごとの持ち主です。持ち主とは、その項目の値が正しいことに責任を持ち、変更を承認する人のことです。Yext の操作はマーケが行うとしても、拠点の住所が正しいかを保証できるのはマーケではなく総務です。操作する人と、正しさに責任を持つ人を分けて書いておくと、AIの修正提案が来たときに誰に回せばよいかが迷わなくなります。

持ち主を決めるときに見落としやすいのが、統廃合や改称の予定を誰が知っているかという点です。営業所の閉鎖や製品名の変更は、決まってから公表までに時間があります。その間に Yext 上の情報を先に変えてしまうと、社外に未公表の情報が出ます。逆に、公表されたのに Yext への反映が遅れると、AIは古い情報を答え続けます。持ち主には、公表の日付に合わせて変更を予約する役目まで持たせておくと、ずれが小さくなります。持ち主が異動したときの引き継ぎ先も、項目の一覧に書いておきます。

ナレッジグラフに載せる項目の選び方:BtoBで効く順

BtoB企業が Yext のナレッジグラフに最初から全部を載せる必要はありません。効く順に並べると、まず会社の基本情報と拠点の情報です。AIに「〇〇社の大阪の窓口はどこか」と聞かれたときに誤答が出やすく、しかも間違えると問い合わせが届かないという実害が出ます。次に製品と、その製品を扱う拠点や窓口の関係です。製品が多い会社では、旧製品と新製品の名前が混ざって答えられることが多く、製品と拠点の関係を持たせることで、どの窓口に何を聞けばよいかまで正しく答えられるようになります。

後回しにしてよいのは、担当者個人の情報です。人の情報は異動で古くなりやすく、外に出すことで個人への営業電話が増えるなどの別の問題も起きます。載せる場合も、窓口の名前と部署までにとどめ、個人の連絡先は載せないのが無難です。よくある質問は、AIの回答に引かれやすい形式ですが、答えの中身に価格や契約条件が入ると、変更のたびに直す負担が大きくなります。価格や契約条件は答えに直接書かず、正式な案内のページへ誘導する形にとどめると、正本の手入れが続けやすくなります。

運用定着の全体像:観測、提案、承認、反映、確認

Yext を使って自社情報を正す運用は、五つの段に分けると回しやすくなります。Scout が外の情報とAIの回答を観測し、ずれを見つけて修正を提案し、持ち主が承認し、Action Center などから反映し、反映後に外の情報がそろったかを確かめる、という流れです。このうちAIに任せられるのは観測と提案の下書きまでで、承認と、反映してよいかの最終判断は人が持ちます。

STEP1
観測

Scout が、AIの検索と従来の検索、地図や口コミの掲載先を見て、自社の情報がどう出ているか、競合とどう違うかを集めます。ここでは数字を集めるだけで、直す判断はしません。

STEP2
提案

ずれを見つけたら、どの項目をどう直すかの候補が出ます。候補には、何を見てそう判断したのかという根拠を必ず付けて受け取ります。根拠のない提案は採りません。

STEP3
承認

候補を項目の持ち主に回し、正本と照らして承認するかを決めます。承認の記録には、誰が、いつ、どの根拠で決めたかを残します。

STEP4
反映

承認された変更だけを Yext に反映し、掲載先へ配ります。公表日が決まっている変更は、その日まで予約にしておきます。

STEP5
確認

反映から数週間おいて、掲載先とAIの回答が変わったかを確かめます。変わらなければ、どの掲載先に古い情報が残っているかを探します。

五つの段を一度に全部回そうとすると定着しません。最初の3か月は観測と提案を受け取るだけにして、提案の質と量を見ます。提案が多すぎる、根拠が弱いといった傾向が分かってから、承認の流れを決めるほうが、承認者の負担を正しく見積もれます。

Scout の修正提案を誰が承認するか

Scout の提案は、正しいこともあれば、正しくないこともあります。たとえば「この地域で競合に負けているので、拠点の説明文に製品名を足すべき」という提案は、露出を上げる観点では合理的でも、その拠点で実際にその製品を扱っていなければ誤った情報を増やすことになります。提案は「露出が上がるかどうか」を軸に出てくるため、事実として正しいかどうかは、項目の持ち主にしか判断できないのです。

承認の分け方は、変更の種類で決めると運用しやすくなります。営業時間の表記ゆれや電話番号の書式のような体裁の修正は、マーケの担当者だけで承認してよい範囲にします。住所・拠点の有無・製品の扱いのような事実の変更は、項目の持ち主の承認を必須にします。説明文の書き換えや、よくある質問の追加のように会社の言葉として外に出るものは、広報か法務の確認を一度挟みます。Action Center から修正を実行できるようになったからといって、承認の段を飛ばしてよいことにはなりません。

承認には期限も決めておきます。持ち主に回した提案が何週間も止まっていると、その間AIは古い情報を答え続けます。事実の変更は1週間、文章の書き換えは2週間など、種類ごとに目安を置き、期限を過ぎたものは月次の打ち合わせで持ち主と一緒に片づけます。期限を決めるときは、持ち主が本業の合間に判断できる件数を超えないように、提案の受け取り方を絞ることも同時に考えます。

  • 2026年9月の共同作業の場の発表には、誰がどのエージェントに指示を出せるかという権限の説明がありませんでした。代理店や加盟店に使わせる前に、指示できる範囲と承認の流れを契約先に必ず確かめてください
  • 提案を却下した理由も記録しておくと、同じ提案が繰り返し出たときに判断が速くなります

測るのは最小限でよい:変化を確かめる三つの数字

AIの回答での露出をどう測るか、質問文をどう作るか、日々のぶれをどう読むかは、AIの回答を計測する道具の記事で詳しく扱いました。正本を直す運用で見る数字は、もっと少なくてかまいません。一つ目は、正本と食い違う情報を出している掲載先の数です。二つ目は、AIに自社の基本情報を聞いたときに、古い拠点や旧製品名が出る割合です。三つ目は、承認待ちのまま止まっている修正提案の件数です。

三つ目の数字は見落とされがちですが、運用が定着しているかを最もよく表します。承認待ちが積み上がっているなら、持ち主の負担が重すぎるか、提案の量を絞る設定が必要です。Scout は拠点ごとに多くの指標を出しますが、指標が多いほど良い運用になるわけではなく、持ち主が判断できる量に絞るほうが直りは速くなります。月に一度、三つの数字を見て、承認の分け方を見直す程度で十分です。

API・MCPで外のAIに渡す範囲:読ませるか、書かせるか

Yext は2025年12月にMCPサーバーを試験提供として公開し、ナレッジグラフの情報を ChatGPT・Claude・Gemini などの生成AIから使えるようにしました。公式ブログでは、エージェントが拠点の詳細や製品の情報を読むだけでなく編集もできると説明しています。同社のヘルプでは、書き込みができるのはナレッジグラフと口コミで、Scout は読み取りのみとされています。

社員が普段使う生成AIから Yext を呼べるのは便利ですが、書き込みを開くと、社員がAIに「大阪の営業所の営業時間を変えて」と頼むだけで、承認を経ずに外の掲載先まで変わる可能性があります。最初は読み取りだけに絞り、書き込みは、承認の流れを Yext の中に作れたことを確かめてから、項目を限って開くのが安全です。誰の権限で接続するかも決めておきます。共有の管理者権限で接続すると、誰の指示で何が変わったのかが記録から追えなくなります。

外のAIに渡す情報の範囲も見直します。ナレッジグラフには公開前の拠点や、社内向けの備考欄を入れていることがあります。外のAIに読ませる範囲は、すでに公開してよいと決めた項目だけに限ります。自社サイトの問い合わせ窓口の対話AIなど、社外の人が触れる仕組みにつなぐ場合は、なおさら公開範囲の確認が必要です。

  • 接続は本人の権限か、用途ごとに作った専用の権限で行い、共有の管理者権限は使わない
  • 最初は読み取りだけに絞り、書き込みは項目を限って段階的に開く
  • 外のAIに読ませる項目は、公開済みと決めた項目だけにする
  • 誰の指示で何が変わったかを、Yext の変更履歴で追えるかを試しておく
  • 試験提供の機能は、仕様が変わる前提で社内の手順書に日付を入れておく

多拠点・多製品のBtoB企業での回し方:本社と拠点の持ち分

拠点が多い会社では、本社のマーケがすべての拠点情報を持つのは現実的ではありません。拠点の営業時間や臨時休業は拠点の責任者がいちばん早く知っています。一方で、会社の名前の表記や製品の説明は本社がそろえないと、拠点ごとに言い方が変わってしまいます。そこで、本社が持つ項目と、拠点に任せる項目を分け、拠点には決められた項目だけを直せる権限を渡す形にします。

代理店や販売店を通じて売る会社では、代理店の拠点情報をどこまで Yext に載せるかも決めておきます。代理店の情報を自社が持てば、AIに「どこで買えるか」と聞かれたときに正しく答えられる可能性は上がりますが、代理店の移転や契約終了を自社が把握し続ける負担が生じます。9月に発表された共同作業の場は、加盟店や代理店とエージェントを共有する使い方を想定していますが、社外の相手に指示の権限を渡すと、自社の承認の流れの外で変更が起きるおそれがあります。社外に開くのは、権限の設定と記録の仕組みが確かめられてからにします。

広げる順番も決めておきます。最初は本社と一つの地域の拠点だけで、正本の決め方と承認の流れを試します。3か月ほど回して、拠点の責任者が直した件数と、本社の承認で止まった件数を見れば、拠点にどこまで任せられるかが分かります。そのうえで他の地域へ広げると、地域ごとに違うやり方が生まれるのを防げます。製品が多い会社では、地域ではなく事業部の単位で区切って始めるほうが、製品と窓口の関係を一度にそろえやすくなります。

よくある失敗

Yext のような基盤を入れたのに、AIの回答に出る情報が良くならない会社には、いくつかの共通した失敗があります。多くは道具の問題ではなく、正本と承認の決め方の問題です。

  • 社内の拠点台帳を毎月そのまま一括で取り込み、Yext 上で直した値が翌月に古い値へ戻る
  • Scout の提案を全部採用し、扱っていない製品名まで拠点の説明文に入る
  • 未公表の統廃合を先に反映し、社外に情報が出る
  • 生成AIからの書き込みを全社員に開き、誰が何を変えたか追えなくなる
  • Yext の中だけ直して、自社サイトの古いページや過去のリリースの転載を放置する

最後の失敗は特に多く見られます。AIは Yext の配信先だけを読むわけではありません。自社サイトの古い採用ページや、過去のプレスリリースを転載したニュースサイトに旧情報が残っていれば、AIはそれを拾います。正本を Yext に作っても、自社が過去に出した情報の棚卸しは、別の作業として残ることを、最初から計画に入れておきます。

費用の増え方と、やめ方

Yext の料金は、本稿の調査時点で公式サイトに定価の一覧が見当たらず、個別の見積もりで決まる形です。費用が増える要因として考えておくべきなのは、管理する拠点や項目の数、配信先の範囲、Scout などの追加の機能、そして社員の生成AIから呼び出す回数です。拠点が多い会社ほど、拠点の数に比例して費用が増える前提で、最初に載せる拠点を絞るほうが、効果と費用の釣り合いを確かめやすくなります。

やめ方も先に決めておきます。Yext から配信していた掲載先の情報は、契約を終えたあとにどう扱われるのか、元の状態に戻るのか、最後の値のまま残るのかを契約前に確かめます。ナレッジグラフに作った情報を、社内で使える形で書き出せるかも確認しておきます。正本を Yext の中で新たに作った項目、たとえばよくある質問や拠点ごとの対応業務は、やめるときに社内の台帳へ戻す手順がないと、正本そのものを失うことになります。半年に一度は書き出して保管しておくと安心です。

AIに判断させない部分

Yext の Scout や Action Center は、ずれを見つけて直す候補を出し、承認されたものを実行するところまでを担えます。けれども、どの拠点を残しどの拠点を閉じるか、製品をどう位置づけるか、価格をどう表現するかは経営や事業の判断であり、露出の数字を根拠にAIに決めさせてはいけない部分です。

また、AIが出す提案には、何を見てそう言ったのかの根拠を必ず付けさせます。根拠のない提案は採らない、という決まりを運用の最初に置くだけで、承認者の判断はずっと速くなります。人が確認する範囲は、事実の変更、会社の言葉として外に出る文章、社外の相手に権限を渡す設定の三つです。この三つを先に決めておけば、それ以外の体裁の修正はAIの提案に任せても大きな事故にはなりません。

もう一つ覚えておきたいのは、正本をそろえても、AIの誤答がゼロにはならないことです。生成AIは、材料にない部分を推測で補うことがあります。正本と掲載先を直したのに誤答が続く質問は、一覧にして観測を続け、自社サイトのどのページで答えを明示すればよいかを考える材料にします。直せることと直せないことを分けて報告すれば、経営層に「AI対策をしたのに直らない」と受け取られることも避けられます。

よくある質問

Yext を入れれば、生成AIの回答はすぐに直りますか

すぐには直りません。AIが読みに行く掲載先の情報がそろうまでに時間がかかり、AIの側が情報を読み直す時期も事業者ごとに違います。反映から数週間から数か月の幅で見る必要があり、短い期間の変化で効果を判断しないようにします。また、Yext の配信先以外に残っている古い情報は、自社で別に直す必要があります。

拠点が少ないBtoB企業でも使う意味はありますか

拠点が少なくても、製品が多く旧製品名が残っている会社や、代理店経由の販売が多い会社では意味があります。逆に、拠点も製品も少なく、情報の持ち主がはっきりしている会社であれば、まず自社サイトと主要な掲載先を手で直し、正本の決め方を整えてから検討しても遅くありません。

会社の非公開化の話は、導入に影響しますか

2026年2月に最高経営責任者が非公開化の提案を撤回しており、本稿の時点で買収は起きていません。ただし、どの基盤でも提供元の経営が変わる可能性はあります。正本の情報を書き出せることと、やめたときに掲載先の情報がどうなるかを契約前に確かめておくことが、提供元の変化への備えになります。

まとめ

AIの回答に出る自社情報の誤りは、AIの側ではなく、自社が外に出してきた情報のばらつきから生まれます。Yext はブランド情報の正本を持ち、ずれを見つけ、掲載先に配る仕組みを一つにまとめた基盤で、2026年には生成AIからの利用やエージェントによる修正の実行まで広がりました。ただ、何を正本にするか、誰が承認するか、外のAIにどこまで渡すかは、基盤ではなく自社が決めることです。項目ごとの正本と持ち主を表にし、提案は根拠付きで受け取り、事実の変更は持ち主が承認し、書き込みは段階的に開く。この順で回せば、AIの回答に出る自社の姿を、自社の手で正しく保てるようになります。まずは本社と一つの地域、主要な製品の情報から始めてください。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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