ImprovadoでAIに数字を聞く方法|渡す範囲と検算の線

ImprovadoでAIに数字を聞く方法|渡す範囲と検算の線

「媒体ごとに管理画面を開いて数字を写すだけで、週に半日が消える」「AIに『先月の商談単価は?』と聞けば答えが出るらしいが、その数字を役員会に出してよいのか分からない」——広告とSNSと顧客管理をまたいで数字を追うマーケ部門で、担当者と上長からよく聞く声です。数字を集める手間も、出てきた数字を信じてよいかの不安も、どちらももっともです。ただ、AIに数字を聞けるかどうかは、AIの賢さの問題ではありません。本当は、AIに聞く前に、チャネルをまたいで数字の定義と名前がそろっているかどうかの問題です。この記事では、米国の Improvado を例に、AIに数字を聞く仕組みを入れるとき、AIに渡す範囲、指標の定義、検算を誰が持つかを、進め方の順に整理します。


カメ先生カメ先生

AIに数字を聞けるようになると、集計の担当がいらなくなると思われがちなんだ。でも本当は、AIが答えられるのは、定義と名前がそろった数字についてだけなんだよ。


カメ子カメ子

媒体ごとに数え方が違うままだと、AIの答えも食い違う、ということですか。


カメ先生カメ先生

そう。だから仕事は、集める作業から、定義を決めて答えを確かめる作業に移るんだ。そこを決めないまま聞くと、速く出た答えほど疑われることになる。


カメ子カメ子

AIに聞く前の準備と、聞いた後の検算のほうが、仕事の中心になるんですね。


この記事のポイント
  • Improvado は、広告・SNS・顧客管理・分析の道具など多数のチャネルのデータを集めて整え、データ基盤に置き、その上でAIに自然な言葉で数字を聞ける基盤(2026年10月時点)
  • 公式は、生成AIのモデルに渡すのは列名やテーブル名などの情報に限り、顧客のデータは学習に使わないと説明している
  • 集計と答えの下書きはAIに任せ、指標の定義・名寄せのルール・数字の検算・会議に出すかの判断は人が持つ

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目次

Improvadoは何をする製品か

Improvado は、広告の媒体、SNS、顧客管理、分析の道具など、マーケで使う多数の道具からデータを取り込み、整えてデータ基盤に置く製品です。公式サイトでは、取り込み元は1,000以上とされ、自社が管理するデータ基盤に記録を置き、整えて分析に使える表にすると説明されています(2026年10月時点)。すべてのチャネルを1つの共通の型にそろえる、という考え方も示されています。

その上に載っているのが AI Agent です。公式の製品ページでは、自然な言葉で質問すると、答え、グラフ、ダッシュボードの形で返すと説明されています。定期のレポート、指標の目安と比べた推奨、費用と広告費用対効果の予測といった機能も案内されています。さらに、MCP と外部向けの接続口を備え、Claude や Cursor、Codex などの外部のAIの道具からも、整えたデータに問い合わせられるとされています。

管理の面では、命名や予算、計測の誤りを公開前に見つける機能、予算や入札の変更に承認の流れを挟む機能、問い合わせの記録を400日残す機能、役割に応じた権限、監査の記録、SSO や SAML による認証、欧州でのデータの置き場所の選択、SOC 2 への対応が掲げられています。データを集める道具というより、集めた数字の扱いまでを1つの基盤で持つことを狙った製品だと言えます。

作っている会社と、国内でまだ知られていない理由

Improvado は米国の会社で、公式サイトでは所在地をサンディエゴとしています。2026年10月時点で、公式サイトに製品の終了や名称の変更、他社への統合の告知は見当たりません。公式サイトでは、ブランドを持つ会社と広告代理店の両方を相手にし、小売、医療、金融、エンターテインメント、教育などの業種が挙げられています。

日本語でこの製品を紹介した記事は、2026年10月時点でほとんど見当たりません。確かめられる範囲で理由を挙げると、まず公式サイト、ドキュメント、事例がすべて英語です。料金も公式サイトでは金額を示さず、商談から始まる形です。加えて、取り込み元として案内されている道具の多くは海外の媒体や道具で、国内の媒体や国産の道具にどこまで対応しているかは、公開資料からは一つずつ確かめる必要があります。

もう一つは、前提にしている規模です。多数の媒体に広告を出し、複数の事業やブランド、あるいは多くの顧客企業の数字を横断して見る必要がある会社や代理店が、主な相手と読むのが自然です。国内では、数字の集計を表計算と担当者の手作業で回している部門も多く、一元化の基盤を比べる段階にまだ来ていない会社が少なくありません。ただ、AIに数字を聞く仕組みは、規模の大小を問わず同じ問題を抱えます。この記事の進め方は、他の道具を使う場合にも当てはまります。

AIに聞く前に、数字が1か所でそろっている必要がある

AIに数字を聞く仕組みが答えを出せるのは、聞かれた数字が、1つの定義で、1か所にそろっているときだけです。ところがマーケの数字は、媒体ごとに数え方が違います。コンバージョンを何日さかのぼって数えるか、閲覧だけの接触を含めるか、通貨や時間帯の区切りをどう扱うかは、媒体の管理画面ごとに既定が違います。

この違いを残したまま数字を1つの表に並べると、合計した値は、どの媒体の定義にも合わない数字になります。AIはその表から計算するので、答えは速く出ても、何を数えた数字なのかを誰も説明できない、という状態が生まれます。管理画面の数字と解析の道具の数字が合わない問題は広告レポートの記事で扱っているので、ここでは「聞く前にそろえる」側に絞ります。

Improvado が、すべてのチャネルを1つの共通の型にそろえることを前面に出しているのは、この問題があるからです。ただ、型にそろえる作業を道具が手伝っても、どの定義に合わせるかを決めるのは、数字を使う会社の側です。AIに数字を聞く仕組みの価値は、AIの機能よりも、この決めごとがどれだけ済んでいるかで決まります。

進め方の全体像

AIに数字を聞く仕組みを入れるときは、次の6つの段で進めます。段ごとに、AIや道具に任せることと、人が確かめることを分けておきます。

STEP1
集めるチャネルと権限を決める
道具は取り込みを担う。人は、どの媒体を誰の資格でつなぐかを決める。
STEP2
指標の定義と名寄せのルールを書く
道具は対応づけを支える。人は、どの定義に合わせるか、名前のそろえ方を決める。
STEP3
聞いてよい問いと聞かせない問いを分ける
AIは問いに答えを返す。人は、AIに答えさせる問いの範囲を決める。
STEP4
答えを検算する
AIは集計と下書きを出す。人は、元の数字と照らして確かめる。
STEP5
共有の範囲と出典の付け方を決める
道具は会話の共有を支える。人は、誰に見せるか、答えに何を添えるかを決める。
STEP6
定期に見直す
道具は利用と問い合わせの記録を残す。人は、定義・接続・使われ方を見直す。

6つの段のうち、AIが主役になるのは3つ目と4つ目の一部だけです。答えの正しさは、1つ目と2つ目の段の決め方でほぼ決まります。導入の期間の多くを、AIを試すことではなく、つなぐ範囲と定義を決めることに使うのが近道です。

始める範囲も絞ります。最初から部門のすべての数字を対象にせず、毎月の定例の会議で使う1枚の資料を選び、その資料に載る数字だけを6つの段に通します。1枚の資料で、つなぐ媒体、定義、名寄せ、検算の手間がどれだけかかるかが分かれば、広げたときの手間と、検算に必要な人の時間を見積もれます。うまく回ったら、次の会議の資料へと対象を広げていきます。

集めるチャネルと、つなぐ人の権限を決める

最初に決めるのは、どの媒体と道具のデータを集めるかです。取り込み元が1,000以上あるからといって、全部をつなぐ必要はありません。会議で実際に使っている数字がどの媒体から来ているかを洗い出し、判断に使う数字の元になっている媒体から順につなぐのが基本です。使っていない媒体までつなぐと、定義をそろえる手間だけが増えます。

次に、誰の資格でつなぐかを決めます。媒体の管理画面に接続するには、その媒体のアカウントの権限が要ります。担当者が個人の資格でつないだまま異動すると、接続が切れたり、誰の権限で数字を取っているのかが分からなくなったりします。会社として管理するアカウントでつなぎ、つないだ人と日付を記録しておきます。あわせて、媒体ごとに数字がどの間隔で取り込まれるかも確かめます。取り込みの間隔が媒体ごとに違うと、同じ時点で聞いても、媒体によって含まれる日付がずれるからです。

代理店の場合は、顧客企業ごとに、データを集めてよい範囲を契約で確かめておく必要があります。複数の顧客企業の数字を同じ基盤に置くなら、顧客企業の間で数字が見えない分け方になっているかを、権限の設定とあわせて確かめます。顧客企業の数字をAIに聞けるようにしてよいかも、顧客企業との取り決めの対象です。

AIのモデルに渡るのは何か

AIに数字を聞く仕組みで、まず気になるのは、自社のデータが生成AIのモデルにどこまで渡るかです。Improvado の公式の製品ページは、生成AIのモデルに渡すのは列名やテーブル名などのメタデータだけで、機密のマーケのデータは渡さないと説明しています。顧客のデータはAIの学習に使わない、とも明記されています(2026年10月時点)。どの生成AIのモデルを使っているかは、製品ページでは示されていません。

この説明どおりなら、広告費や成果の数字そのものはモデルに渡らず、表の作りの情報だけが渡ることになります。ただし、列名やテーブル名にも情報が含まれることがあります。たとえば、代理店がテーブルの名前に顧客企業の名前を付けていたり、まだ公開していない新製品の名前を列の名前に使っていたりすると、その名前はモデルに渡る範囲に入ります。表や列の名前の付け方も、渡る範囲の一部として見直す必要があります。

データの置き場所は、提供元のクラウドのデータ基盤か、自社の Snowflake や BigQuery などから選べると案内されています。もう一つ確かめたいのが、MCP などで外部のAIの道具から問い合わせる使い方です。この場合、答えの数字は外部のAIの道具の側に返り、その道具のデータの扱いに従います。製品の中で聞く場合と、外部のAIの道具から聞く場合とで、数字がどこまで外に出るかが変わるので、外部からの接続を許すかどうかは情シスと決めます。

指標の定義を、AIに聞く前に書いておく

Improvado のドキュメントには、取り込み元をまたいで指標を対応づけ、名前や型を決め、式から計算の指標を作る機能が説明されています。媒体ごとに違う名前で呼ばれている同じ意味の数字を、1つの名前にまとめる作業です。道具はこの作業を支えますが、どれとどれを同じとみなすかは人が決めます。

たとえば「商談単価」をAIに聞くとき、分子の費用に広告費だけを入れるのか、制作費や代理店の手数料も入れるのか。分母の商談に、営業が自分で作った商談を含めるのか、マーケ経由だけにするのか。これが決まっていないと、AIは手元の表から、もっともらしい組み合わせで計算します。聞くたびに、あるいは聞く人によって、違う商談単価が出る原因になります。

定義は、会議で使う指標から先に書きます。定義書の項目の作り方は別の記事で整理しているので、ここでは、AIに聞く前に最低限そろえておく点だけを挙げます。指標の名前、計算の式、元になる媒体と項目、集計の期間の区切り、除外する条件の5つです。定義が書かれていない指標は、AIに聞かせない、と決めておくと、定義の作業が後回しになりません。

チャネルをまたぐ名寄せのルール

定義と並んで決めておくのが、名前のそろえ方です。同じキャンペーンが、検索広告では英語の略称、SNS広告では日本語の名前、顧客管理では別の番号で呼ばれている、ということはよくあります。名前がそろっていないと、AIに「この施策の全チャネルの費用は」と聞いても、一部の媒体の数字が抜けたまま答えが返ります。

公式サイトでは、命名や予算、計測の誤りを公開前に見つける機能が案内されています。キャンペーンを出す前に名前の付け方のルールに合っているかを確かめる、という考え方です。道具を使うかどうかにかかわらず、キャンペーンの名前の付け方のルールを、媒体の担当者と代理店で共有しておくことが、チャネルをまたいだ集計の前提になります。

名前のほかに、通貨と時間帯もそろえておきます。海外の媒体では、管理画面の時間帯が日本時間と違う既定になっていることがあり、月の区切りで数字がずれます。複数の通貨で出稿している場合は、どの日の換算の割合で円に直すかも決めます。こうした細かい決めごとは、AIの答えを検算するときに、ずれの原因を探す手がかりにもなります。決めたルールは、定義と同じ場所に書いておきます。

聞いてよい問い・聞かせない問い

定義と名寄せがそろっても、AIに聞いてよい問いには種類があります。問いの種類によって、AIの答えがどこまで信用できるか、人が何を確かめるべきかが変わります。下の表は、マーケでよく出る問いを4つに分けたものです。

問いの種類例AIに任せる範囲人が確かめること
集計の問い先月の媒体別の費用と商談数は集計と表・グラフの下書き定義・期間・除外の条件が決めたとおりか
比較の問い今月と先月で商談単価が上がった媒体は差の計算と並べ替え比べる期間の区切りと、計測の変更がなかったか
理由の問いなぜこの媒体の成果が落ちたのか原因の候補を挙げるところまで候補を元のデータで確かめ、結論は人が出す
予測・推奨の問い来月どの媒体に予算を寄せるべきか目安との比較と予測の下書き前提を確かめ、予算を動かす判断は人が持つ

表のとおり、集計と比較の問いは、定義がそろっていればAIに任せやすい問いです。一方、理由の問いと、予測や推奨の問いは、AIの答えがそれらしい説明の形で返ってくるぶん、確かめずに使われやすい問いです。施策の効き方を統計で確かめる方法は別の記事で扱っているので、ここでは、理由と予測の答えは「候補」として扱い、結論にしない、という線だけ引いておきます。

聞かせない問いも決めておきます。個人を特定できる顧客の情報を引き出す問い、まだ定義が書かれていない指標を使う問い、人事評価に使う個人別の成果を出す問いは、AIに答えさせない範囲に入れます。公式のドキュメントでは、編集の権限を持つ人がAIの規則や指示を変えられるとされているので、聞かせない範囲を規則として書いておけるかも、試用の段階で確かめる項目です。

答えを検算する

AIの答えは、定義どおりに計算されていても、条件の読み違いで外れることがあります。「先月」を暦の月と取るか、直近30日と取るか。「商談」に失注した商談を含めるか。問いの言葉の解釈が1つずれるだけで、答えの数字は変わります。だから、会議に出す数字は、必ず人が検算します。

検算の基本は、AIの答えを、元の媒体の管理画面か、定義書どおりに作った集計と照らすことです。全部を照らす必要はありません。合計の値、件数の大きい媒体の値、前の月と大きく変わった値の3つを優先して確かめます。差があったときは、定義の違い、期間の区切り、名前のずれ、取り込みの遅れの順に原因を探します。

もう一つ大切なのが、AIがどう計算したかを確かめることです。答えに使った表、期間、条件を、答えと一緒に示させ、それが問いの意図と合っているかを見ます。計算の過程を示せない答えは、会議の資料ではなく、自分用の目安としてだけ使うと決めておきます。取り込みが止まっていて最新の数字が入っていない、という状態もAIは自分からは教えてくれないので、最後に数字を取り込んだ日時もあわせて確かめます。

AIの答えを会議に出す前の検算

答えを役員会や部門の会議に出す前に、資料を作る担当者が確かめる項目を一覧にします。承認する上長も、同じ項目で確かめられるようにしておくと、会議の場で「その数字は合っているのか」と問われたときに説明できます。

  • 使った指標に、書かれた定義があるか。定義と同じ式・期間・除外の条件で計算されているか
  • 問いの言葉(先月・商談・費用など)を、AIが決めた定義どおりに解釈しているか
  • 合計の値と、件数の大きい媒体の値を、元の管理画面か定義どおりの集計と照らしたか
  • 前の月から大きく変わった値について、計測の変更や取り込みの遅れがなかったか
  • キャンペーンの名前のずれで、一部の媒体の数字が抜けていないか
  • 最後に数字を取り込んだ日時が、会議で使う期間をすべて含んでいるか
  • 理由や予測の答えを、結論ではなく候補として資料に書いているか
  • 資料の数字に、使った指標の定義と、取り込んだ日時と、確かめた人の名前を添えたか

すべてに答えられない数字は、会議では参考の数字として示し、判断の根拠には使わないと明記します。AIが速く出した数字ほど、確かめた範囲を一緒に示すことが、AIの答えへの信頼を積み上げる近道です。

共有する範囲と、出典の付け方

Improvado のドキュメントによれば、AI Agent の権限は、閲覧、編集、共有、利用状況の4つに分かれています。閲覧は既存の会話を読むこと、編集は質問すること、規則を変えること、指示を調整すること、会話を作ること、共有は会話を組織に公開すること、利用状況は依頼とトークンの使用量を見ることです(2025年9月更新)。閲覧者、編集者、ワークスペースの管理者の3つの役割に、これらが割り当てられます。

ここで決めておきたいのが、AIとの会話を組織に公開してよいのは、検算が済んだものだけという線です。検算の前の答えが共有されると、それを見た人が別の資料に数字を写し、確かめていない数字が社内に広がります。共有の権限を持つ人を絞り、共有する会話には、検算した人と日付を書き添える運用にします。

共有した数字には出典も付けます。どの指標の定義で、いつ取り込んだデータから、どの条件で計算したかです。AIの会話の画面をそのまま共有するより、検算した数字を資料に写し、出典を添えて共有するほうが、後から数字の根拠をたどれます。AIとの会話の記録は、数字の出典ではなく、計算の過程の控えとして扱うと整理しやすくなります。

推奨と予測は、予算の判断と切り離す

AI Agent には、指標の目安と比べた推奨や、費用と広告費用対効果の予測の機能が案内されています。どの媒体の費用が無駄になっているか、来月はどう推移しそうか、といった問いにもAIが答えを返します。数字を読む時間が足りない部門にとって、魅力的な機能です。

ただ、推奨や予測は、その下にある定義、名寄せ、取り込みの状態の上に組み立てられています。土台の数字が偏っていれば、推奨も同じ方向に偏ります。そして推奨の文章は、偏りを含んだまま、もっともらしい次の一手として示されます。そのため、推奨と予測は検討の材料にとどめ、予算を動かす判断は人が持つと決めておきます。

公式サイトでは、予算や入札の変更に承認の流れを挟む機能も掲げられています。AIの推奨をもとに予算や入札を変える場合でも、変更の前に人の承認を通す設計にしておくのが安全です。誰が承認するか、どの金額から上長の承認が要るかを決め、AIの推奨に従わなかった判断も記録に残しておくと、後で推奨の当たり外れを振り返れます。予測を会議に出す場合は、どの期間の数字をもとにした予測か、季節の変動や大きな出稿の予定を織り込んでいるかを添えます。前提が書かれていない予測の数字は、見た人が確定した見通しとして受け取りやすいからです。

定期に見直すこと

AIに数字を聞く仕組みは、入れた後に崩れていきます。媒体が仕様を変えて項目の名前や数え方が変わる、新しい媒体に出稿を始めたのにつないでいない、担当者が異動して接続が切れる、といった変化が、少しずつ答えをずらしていきます。月に1回は、接続が生きているか、新しい媒体が漏れていないかを確かめます。

定義も、四半期に1回は見直します。会議で使う指標が変わったのに定義が古いままだと、AIは古い定義で答え続けます。あわせて、公式サイトが案内する問い合わせの記録の保持や監査の記録を使い、どんな問いがよく聞かれ、どの答えが会議に使われたかを振り返ります。よく聞かれるのに定義がない指標があれば、それが次に定義を書く候補です。

利用状況の画面では、依頼とトークンの使用量を管理者が見られるとされています。使われ方の偏りも見直しの材料になります。一部の人しか使っていないなら、聞いてよい問いの例を部門で共有し、使われ方が増えすぎているなら、検算が追いついているかを確かめます。AIに聞く回数が増えても、検算する人の時間は増えないからです。

費用の増え方と、やめるときに残るもの

Improvado の料金は、2026年10月時点の公式サイトでは金額を示さず、商談から始まる形です。費用は、つなぐ取り込み元の数、扱うデータの量、使う人の数、AIへの問い合わせの量に応じて増えていくと考えておくのが妥当です。自社のデータ基盤に置く場合は、データ基盤の側の保存と計算の費用も別にかかります。

比べるときは、担当者が管理画面から数字を写していた時間だけでなく、定義を書く時間、名寄せのルールを守らせる時間、AIの答えを検算する時間も入れます。集める作業の時間は減りますが、確かめる作業の時間は新たに生まれます。これを入れずに見積もると、AIに聞けるようになった分だけ人の時間が減るように見えてしまいます。

やめるときに何が残るかも、始める前に確かめます。データを自社のデータ基盤に置いていれば、整えた表は手元に残ります。定義と名寄せのルールも、自社の文書として書いておけば残ります。一方で、AIとの会話の記録や、道具の中で作った計算の指標が書き出せるかは、契約の前に確かめておく項目です。定義を道具の中だけに置かず、自社の文書として持つことが、乗り換えのときの保険になります。

やってはいけない使い方

最後に、避けたい使い方をまとめます。どれも、AIの性能とは関係なく、人が決めるべきことを決めずに使い始めたときに起きる失敗です。

  • 使っていない媒体まで全部つなぎ、定義をそろえないままAIに聞き始める
  • 担当者の個人の資格で媒体をつなぎ、つないだ人と日付を記録しない
  • 定義が書かれていない指標を、AIの答えのまま役員会の資料に載せる
  • 理由や予測の答えを、確かめずに結論として報告する
  • 検算の前の会話を組織に公開し、確かめていない数字を社内に広げる
  • 外部のAIの道具からの接続を、数字の行き先を確かめずに許す
  • AIの推奨をそのまま予算や入札の変更に反映する

反対に、つなぐ範囲、指標の定義、名寄せのルール、聞いてよい問い、検算、共有の範囲を先に決めておけば、AIに数字を聞く仕組みは、集計の手間を大きく減らす手段になります。集めるのは道具、聞いて下書きを出すのはAI、定義と検算と判断は人という分担を守ってください。

まとめ

Improvado は、多数のチャネルのマーケデータを集めて整え、データ基盤に置いたうえで、AIに自然な言葉で数字を聞ける基盤です。公式は、生成AIのモデルに渡すのは列名やテーブル名などの情報に限り、顧客のデータを学習に使わないと説明しています。集計と答えの下書きはAIに任せ、指標の定義、名寄せのルール、数字の検算、会議に出すかの判断は人が持つ。表や列の名前も渡る範囲の一部として見直す。この線を部門で決めてから、AIに数字を聞く範囲を広げてください。

  • 製品の機能・データの扱い・権限の分け方は、Improvado の公式サイト、AI Agent の製品ページ、公式ドキュメントを2026年10月16日に確かめた範囲に基づきます。機能や条件は更新されることがあるため、利用前に最新の原文を確かめてください
  • 代理店が顧客企業のデータを扱う場合や、外部のAIの道具から接続する場合は、契約と自社の個人情報の扱いの説明に関わります。実際の運用は法務と情シスの担当者と確かめてください

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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