HockeyStackの貢献度は信じるか疑うか|商談への寄与を測る線

「展示会の貢献度がマーケの資料と営業の資料で倍も違って、どちらを信じればよいのか分からない」「アトリビューションの道具を入れたのに、予算会議では結局いつもの感覚で配分が決まる」——BtoBのマーケ部門で、担当者とその上長から聞こえてくる声です。道具を入れればどの施策が効いたかが分かる、と思われがちです。でも本当は、貢献度は計算の型と前提の置き方で変わる数字であって、道具が出す唯一の正解ではありません。この記事では、米国の HockeyStack を例に、商談への貢献を出す道具を入れたとき、どの数字を予算の判断に使い、どれを参考にとどめるかを決める線を、2026年10月時点の公式情報をもとに整理します。
カメ先生貢献度の分析って、道具が施策の本当の効き目を教えてくれるものだと思われがちなんだ。でも本当は、どういう決まりで手柄を分けるかを選んだ結果が出ているだけなんだよ。
カメ子決まりを変えれば、同じ施策でも数字が変わる、ということですか。
カメ先生そう。だから大事なのは、どの決まりの数字を社内の正にするかと、その数字で本当に予算を動かしてよいかを、確かめる方法を別に持っておくことなんだ。
カメ子道具の数字を信じるか疑うかではなく、使い道ごとに扱いを分けるんですね。
- HockeyStack は、匿名の最初の接点から受注までをつなぎ、複数の型の貢献度・接触した企業としなかった企業の差(リフト)・AIの推奨を出す分析の基盤(2026年10月時点)
- 貢献度が部署で食い違う原因は、型の選び方・匿名の接点の名寄せ・オフラインの接点の入れ方・AIの推奨の根拠の見えにくさにある
- 集計と型ごとの比較は道具に任せ、どの型を社内の正とするか・予算を動かすかは人が決める。予算に使う数字は差分で確かめてから
データ分析にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
HockeyStackは何を測る道具か
HockeyStack は、BtoBの見込み客が広告、サイトの閲覧、メール、営業の活動などで会社と接した記録をつなぎ、施策ごとに商談や売上にどれだけ寄与したかを出す分析の基盤です。公式サイトでは、オンラインとオフラインの接点のデータを、購買までの経路と画面にまとめると説明されています(2026年10月時点)。
主な機能として、複数のアトリビューションの型を当てて並べて比べる機能、重みづけや遡る期間を調整する機能、広告に接触した企業と接触していない企業を比べるリフトの報告、クッキーに頼らない計測で匿名の行動を拾う機能が挙げられています。データの土台は Atlas と呼ばれ、顧客管理、MA、広告媒体、サイトの行動、データ基盤からデータを取り込み、身元を名寄せするとされています。顧客管理・広告媒体・データ基盤との間で、データを双方向に同期する機能も案内されています。
AIの機能としては、分析役のAIとして Odin が紹介され、先を見た示唆と次の一手を図と一緒に示すとされています。ほかにも、区分ごとの推奨と次の一手を出すAIエージェントや、売上の予測に異を唱える役割のエージェント(フォーキャスト・チャレンジャー)が案内されています。一方で、こうしたエージェントが自分で何かを実行するのか、提案だけにとどまるのか、人の承認を挟めるのかは、公開されているページからは確かめられませんでした。
作っている会社と、国内でまだ知られていない理由
HockeyStack は米国の会社で、公式サイトに載っている会社の情報では創業は2020年です。公式サイトには、海外のソフトウェア企業を中心に多くの導入企業のロゴが並び、事例のページも英語で公開されています。2026年10月時点で、終了や名称の変更、他社への統合の告知は公式サイトに見当たりません。
公式サイトでは、データ基盤の上で動く作りであることや、自社で集めたデータの収集と、企業向けの個人情報の保護・統制を前提に設計していることがうたわれています。一方で、取り込んだ自社のデータをAIの機能の学習や改善に使うかどうかは、公開されているページでは確かめられませんでした。商談の金額や顧客の行動を丸ごと渡す道具なので、検討の段階でデータ処理の契約とあわせて書面で確かめておく項目です。
日本語でこの道具を紹介した記事は、2026年10月時点でほとんどありません。確かめられる範囲の理由として、まず公式サイト、公式ドキュメント、事例がすべて英語であることが挙げられます。料金も公式サイトでは商談の申し込みから始まる形で、日本円の価格や日本語の画面の案内は見当たりません。
もう一つは、こうした道具が前提にしている体制です。顧客管理、MA、複数の広告媒体、データ基盤がすでにつながり、商談と受注のデータが顧客管理にきちんと入っていることが、貢献度を出す前提になります。国内のBtoBでは、商談の記録が営業の個人の手元に残っていたり、展示会の名刺の取り込みが遅れたりすることも多く、道具を入れる前の土台づくりの段階にある会社が少なくありません。そのため、道具が出す数字を読む以前に、何の数字が入っていないのかを把握しておくことが、この種の道具を検討するときの出発点になります。
貢献度は「答え」ではなく「計算の結果」
アトリビューションの貢献度は、受注に至った経路の中の接点に、決まりに沿って手柄を分けた結果です。最初の接点に多く配る決まり、最後の接点に多く配る決まり、均等に配る決まり、途中を重く見る決まりなど、型ごとに配り方が違います。型の種類そのものの説明は別の記事で扱っているので、ここでは型を並べることはしません。
大事なのは、HockeyStack 自身の公式ドキュメントも、貢献度の限界を認めていることです。リフトの分析とマルチタッチのアトリビューションの違いを説明したページでは、マルチタッチのアトリビューションは方向を示すだけで、増分(その施策がなければ起きなかった分)を示すものではないと書かれています。さらに、追いかけやすい終盤の接点に手柄が寄りやすいこと、利用者単位のデータに頼るため個人情報の規制の影響を受けることも挙げられています。
つまり、道具の画面に出る貢献度は、どの施策が受注の経路に多く登場したかを示す数字であって、その施策に予算を足せば受注が増えることを示す数字ではありません。ここを取り違えたまま予算会議に出すと、数字が正しく計算されていても、判断は誤ります。
課題1:同じ施策の貢献度が部署で食い違う
最もよく起きるのは、同じ施策の貢献度が、マーケの資料、営業の資料、広告代理店の報告でそれぞれ違うという状況です。展示会、ウェビナー、広告、記事のどれも、それぞれの資料では大きく貢献しているように見え、合計すると受注額を大きく超えることさえあります。
食い違いの多くは、誰かが間違えているからではなく、それぞれが別の型、別の期間、別の範囲で数えているから起きます。広告の管理画面は広告に接触した後の成果を広告の手柄として数え、営業は最後に会った場面を重く見て、マーケは最初の接点を重く見る、という具合です。HockeyStack のように1つの基盤に集めると、少なくとも同じデータで比べられるようになりますが、型を選び直すたびに数字が動くこと自体は変わりません。
この状態で道具を入れると、各部署が自分に有利な型の画面を会議に持ち込む、ということが起きやすくなります。型を並べて比べられる機能は、使い方次第で、議論を整理する道具にも、議論を長引かせる道具にもなります。
食い違いを放置すると、もう一つの問題が生まれます。貢献度の数字の持ち主が誰なのかが曖昧になることです。マーケの分析担当、広告の運用担当、営業企画のそれぞれが別の画面を持っていると、数字の定義を変えたときに誰に知らせるべきかも分かりません。道具を1つの基盤にまとめるなら、あわせて数字の持ち主を1人に決め、定義の変更はその人を通す、という体制も一緒に作る必要があります。
課題2:予算会議で数字が使えない
もう一つの課題は、貢献度の数字が予算会議で判断の材料として扱われないことです。上長や経営からは「その数字で、来期どこに予算を足せば商談が何件増えるのか」と問われますが、貢献度の数字はその問いに直接は答えません。
結果として、道具の数字は報告の資料には載るものの、配分は前年の実績と感覚で決まる、ということが繰り返されます。せっかくの道具が、報告のための画面にとどまり、判断のための数字にならないのです。費用をかけて入れたのに、判断が何も変わらない、という不満が上長から出るのはこの段階です。
逆に、貢献度の数字をそのまま予算の根拠に使ってしまう会社もあります。たとえば、最後の接点を重く見る型で検索広告の貢献が大きく出たので、展示会の予算を削って検索広告に移した、というような判断です。次の期に商談が減ってから、展示会が経路の入り口を作っていたことに気づく、という失敗は珍しくありません。
上長の側から見ると、予算会議で問うべきことは「どの施策の貢献度が高いか」ではありません。「その数字は、予算を足せば成果が増えると言える種類の数字か」を問うのが本筋です。担当者がこの問いに答えられるように、数字の種類ごとに扱いを決めておくことが、後で述べる対策の中心になります。
原因1:型と遡る期間の選び方で数字が変わる
1つ目の原因は、型の選び方と、どこまで遡って接点を数えるかの期間の設定です。HockeyStack の公式サイトでは、すべての型、遡る期間、独自の重みづけを、SQLを書かずに調整できると案内されています。自由に調整できるのは利点ですが、誰がいつ型と期間を変えたかを管理しないと、先月と今月の数字が比べられなくなります。
BtoBの検討は長く、最初の接点から受注まで半年から1年かかることも珍しくありません。遡る期間を短く取れば、入り口の施策は経路から外れ、終盤の施策に手柄が集まります。遡る期間の決め方そのものは別の記事で整理していますが、ここで押さえたいのは、期間も型と同じく、数字を動かす前提の一つだということです。
型を比べる画面は、施策の働き方を理解するには役立ちます。入り口で効く施策、途中で検討を進める施策、最後の一押しになる施策を見分けられるからです。ただし、それは理解のための比較であって、予算会議に出す数字を、その場で都合のよい型から選んでよいという意味ではありません。
公式ドキュメントは、マルチタッチのアトリビューションが統計的な回帰の分析をしないため、有料の広告以外の多くの施策について増分を測れない、とも説明しています。記事、展示会、営業の訪問のように、広告の配信の記録のような細かいデータがない施策ほど、型の数字だけで効き目を語るのは難しいということです。こうした施策ほど、型の比較だけで結論を出さず、次に述べる確かめ方と組み合わせる必要があります。
原因2:匿名の接点の名寄せは推定を含む
2つ目の原因は、匿名の接点の扱いです。BtoBの購買では、名前を名乗る前に、複数の担当者がサイトを見たり記事を読んだりします。HockeyStack は、クッキーに頼らない計測で、顧客管理や最後の接点の型が拾わない活動を捉えると説明しています。Atlas が全てのデータの元をつなぎ、身元を名寄せするとも案内されています。
ここで理解しておきたいのは、匿名の行動を会社や人に結びつける処理には、どうしても推定が含まれるということです。どの訪問をどの会社のものと見なすか、同じ人の別の端末をどう結びつけるかは、道具の側の仕組みに依存します。名寄せの精度が変われば、入り口の施策の貢献度も変わります。公式のページからは、名寄せの方法の細部や精度の数字は確かめられませんでした。
そのため、匿名の接点を含めた数字と、名乗った後の接点だけの数字を、分けて見られるようにしておくのが安全です。名寄せに頼る部分が大きい施策ほど、その貢献度は幅を持たせて読む、という扱いを社内で決めておきます。あわせて、匿名の行動の計測について、サイトの個人情報の扱いの説明と合っているかを、法務と確かめておきます。
原因3:オフラインの接点は入れ方で変わる
3つ目の原因は、展示会、紹介、営業の訪問、電話といったオフラインの接点です。HockeyStack はオンラインとオフラインの接点を経路にまとめると説明していますが、オフラインの接点は、誰かが顧客管理に記録しない限り、データとして存在しません。
展示会の名刺の取り込みが1か月遅れれば、その間の接点は経路に入らず、その後の広告やメールに手柄が流れます。営業が商談の記録に接点を書かない文化なら、営業の活動は経路から消えます。オフラインの施策の貢献度が小さく出たとき、それが施策の弱さなのか、記録の漏れなのかは、数字だけでは区別できません。
オフラインの接点を後から入れる場合も、入れ方で数字が変わります。展示会のブースに立ち寄った人を全員入れるのか、名刺を交換して会話した人だけを入れるのかで、展示会の貢献度は大きく変わります。営業の訪問も、初回の訪問だけを接点として入れるか、毎回の訪問を入れるかで、終盤の手柄の配り方が変わります。入れる基準そのものが、型と同じく数字の前提の一つです。
この点を補うには、オフラインの接点の記録のルールを、道具を入れる前に営業と決めておく必要があります。展示会の名刺を何日以内に取り込むか、紹介や訪問をどの項目に記録するかを決め、記録の漏れの割合をときどき確かめます。本人に「何で当社を知ったか」を聞く自己申告の項目を持っておくと、道具の数字と突き合わせる材料になります。
原因4:AIの推奨の根拠が見えにくい
4つ目の原因は、AIの推奨です。HockeyStack は、AIエージェントが区分ごとに先を見た推奨と次の一手を示すと説明し、分析役の Odin や、売上の予測に異を唱えるエージェントを紹介しています。数字を読む時間が取れないマーケ部門にとって、AIが「次はこの区分にこの施策を」と示してくれるのは魅力的です。
ただ、AIの推奨は、その下にある型の選択、名寄せの推定、オフラインの記録の漏れの上に組み立てられています。土台の数字に偏りがあれば、推奨も同じ方向に偏ります。そして推奨の文章は、前提の偏りを含んだまま、もっともらしい次の一手として示されるため、偏りに気づきにくくなります。
AIの推奨を使うときは、どの数字とどの期間をもとにした推奨かを、根拠として必ず確かめることを決めておきます。根拠をたどれない推奨は、予算の判断に使わず、仮説の候補として扱います。AIの推奨そのものが自動で広告や営業の動きを変える設定になっていないかも、試用の段階で確かめておく項目です。
売上の予測に異を唱えるエージェントは、公式サイトでは営業の責任者に向けて、狙う企業に営業の力を集中させる道具として紹介されています。つまり、マーケが決めた型や名寄せの前提が、営業の優先順位にまで影響するということです。エージェントの推奨を営業の会議で使うなら、その前提をマーケと営業で共有し、推奨に従わなかった判断も記録に残しておくと、後で推奨の当たり外れを振り返れます。
対策1:社内で正とする型を1つ決め、数字の扱いを分ける
ここからは対策です。最初にやるのは、社内で正とする型を1つ決めることです。どの型が正しいかではなく、報告と比較に使う物差しを1つにそろえるための決めごとです。型と遡る期間を決め、変えるときは誰の承認で変えるかも決めます。ほかの型の画面は、施策の働き方を理解するための参考として残します。
正とする型を決めるときは、自社の検討の長さと、記録が確実に残る接点がどれかの2つを手がかりにします。検討が長く、入り口の接点の記録が不確かな会社が、最初の接点を重く見る型を正にすると、名寄せの推定に大きく頼った数字が報告の中心になります。どの型にも弱点があるので、弱点を承知のうえで選んだ理由を、決めた日付と一緒に記録に残しておきます。
そのうえで、道具が出す数字を、使い道ごとに分けて扱います。下の表は、数字の種類ごとに、分かること、分からないこと、予算の判断にどう使うかを整理したものです。
| 数字の種類 | 分かること | 分からないこと | 予算の判断での扱い |
|---|---|---|---|
| 社内で正とした型の貢献度 | どの施策が受注の経路に多く登場したか | その施策を増やせば受注が増えるか | 報告と比較に使う。単独では予算を動かさない |
| ほかの型の貢献度 | 施策が入り口・途中・終盤のどこで働くか | どの型が正しいか | 施策の役割の理解にとどめる |
| リフト(接触の有無の差) | 接触した企業としなかった企業で成果に差があるか | 対照群が十分に似ていない場合の真の効果 | 標本が足りれば、予算を動かす根拠の候補にする |
| AIの推奨 | 数字から読み取れる仮説と次の一手の候補 | 推奨の前提の偏り | 根拠をたどれたものだけ、仮説として検討する |
この表の要点は、予算を動かす根拠の候補になるのは、差分で確かめた数字だけだということです。貢献度は報告と理解のために使い、予算を動かす前には別の方法で確かめる、という二段の扱いにします。
対策2:差分(リフト)で確かめる
HockeyStack の公式ドキュメントは、マルチタッチのアトリビューションで見つけた仮説を、リフトの分析で確かめる、という使い分けを勧めています。リフトの分析は、施策に接触した群と接触していない群の成果を比べ、その差を施策の上積みの推定として扱う考え方です。
ただし、同じドキュメントは限界も明記しています。比べる対照の群は完全ではないので、結果が偏ることがあること。訪問が十数件しかない記事のように標本が少ないと、意味のある結果にならないこと。データが豊富で、接触した群としなかった群がよく似ているときに最も働き、データが少ないときや群が大きく違うときには崩れること、です。
ここから、実務の線が引けます。リフトの数字を予算の根拠に使うのは、比べる群の数が十分にあり、群の性質が似ていると確かめられた施策に限る、という線です。たとえば、大企業ばかりが接触した施策を、中小企業が多い群と比べても、差は施策の効果ではなく会社の規模の差かもしれません。群の中身を確かめずに差だけを見ると、リフトでも誤った結論に至ります。
公式ドキュメントは、2つの使い方のつなぎ方も示しています。マルチタッチのアトリビューションは、過去のデータや実験の準備なしにすぐ見られるので、初めの気づき、傾向の把握、区分づくりに向くとされます。そこで見つけた区分、たとえばメールの購読者の群を、リフトの分析の材料にして、購読していない群と比べる、という流れです。型の数字で仮説を立て、差分で確かめる、という順番を社内の手順として固定しておくと、数字の扱いがぶれにくくなります。
対策3:予算に使う前に確かめる手順
数字を予算の判断に使う前には、次の手順で確かめます。手順を決めておくと、予算会議で「その数字は信じてよいのか」と問われたときに、確かめた中身を説明できます。
この手順のうち、道具に任せられるのは集計と比較の部分です。どの数字を根拠として採るか、どれだけ予算を動かすかは、マーケと上長が決めます。AIの推奨は手順の材料にはなっても、手順を飛ばす理由にはなりません。
確かめた結果は、予算を動かした施策ごとに、使った数字の種類、確かめた手順、動かした額の割合、次の期に見る指標を1枚にまとめて残します。次の期に商談の件数が想定と違ったとき、数字の読み違いだったのか、施策の実行の問題だったのかを切り分ける材料になり、社内で正とする型を見直すかどうかの判断にも使えます。
双方向の同期で数字が外に出ていくとき
HockeyStack は、顧客管理、広告媒体、データ基盤との双方向の同期を案内しています。分析の結果を顧客管理の項目に書き戻したり、関心が高いと判断した企業の一覧を広告媒体や営業の道具に送ったりできる、ということです。
ここで気をつけたいのは、同期した瞬間に、分析の途中の数字が、営業の動きや広告の配信を変える材料になることです。社内で正とする型を決める前に貢献度の点数を顧客管理に書き戻すと、営業は根拠の定まらない数字で優先順位を付けることになります。関心の高い企業の一覧を広告媒体に送る場合は、送る企業の情報の範囲が、自社の個人情報の扱いの説明と合っているかも確かめる必要があります。
そのため、同期は一度に全部を有効にせず、読むだけの使い方から始めるのが安全です。書き戻す項目、送る先、送る条件を、マーケ、営業、情シスで決め、誰の承認で同期を有効にするかを記録に残します。分析そのものをAIに書かせる道具の話は同じ便の別の記事に譲り、ここでは数字が外に出ていく入口の管理にとどめます。
やってはいけない使い方
ここまでの内容を、避けたい使い方としてまとめておきます。どれも、道具の数字が正しく計算されていても起きる失敗です。
- 会議のたびに、自分の部署に有利な型の画面を選んで報告する
- 最後の接点を重く見る型の数字だけで、入り口の施策の予算を削る
- 標本の少ない施策のリフトの数字を、予算を動かす根拠にする
- 根拠の数字と期間をたどれないAIの推奨を、そのまま来期の計画に書き写す
- 社内で正とする型を決める前に、貢献度の点数を顧客管理に書き戻して営業に使わせる
こうした使い方を防ぐには、道具の設定よりも、部門の決めごとが効きます。型と期間を変える承認者、予算に使う数字の条件、同期を有効にする承認者の3つを決めておけば、数字の扱いが人によって変わることを防げます。
予算会議に出す前の確認項目
最後に、貢献度の数字を予算会議に出す前に確かめる項目を一覧にします。会議の資料を作る担当者と、承認する上長の両方で確かめます。
- 社内で正とする型と遡る期間で集計した数字か、期間中に設定を変えていないか
- 数字の種類(正とした型・ほかの型・リフト・AIの推奨)を資料の上で区別しているか
- オフラインの接点の取り込みの遅れや、商談の記録の漏れを把握しているか
- 匿名の接点の名寄せに頼る部分が大きい施策を、幅を持たせて読んでいるか
- 予算を動かしたい施策について、リフトの群の数と性質を確かめたか
- 営業の聞き取りや本人の自己申告と、数字の向きが合っているか
- AIの推奨を使う場合、根拠の数字と期間をたどれたか
- 予算を一度に大きく動かさず、次の期に確かめる計画になっているか
すべてに答えられない数字は、予算会議では参考として示し、判断の根拠には使わないと明記します。確かめた範囲を正直に示すことが、数字への信頼を積み上げる近道です。
まとめ
HockeyStack は、匿名の最初の接点から受注までをつなぎ、型ごとの貢献度、接触の有無の差、AIの推奨を出す分析の基盤です。ただ、貢献度は計算の型と前提で変わる数字で、提供元の公式ドキュメントも、マルチタッチは方向を示すだけで増分ではないと認めています。集計と型ごとの比較は道具に任せ、どの型を社内の正とするか、どの数字で予算を動かすかはマーケと上長が決める。予算を動かすのは差分で確かめた数字だけにする。この線を引いてから、道具の数字を信じる範囲と疑う範囲を分けてください。
- 製品の機能・データの扱い・AIの機能は、HockeyStack の公式サイトと公式ドキュメントを2026年10月15日に確かめた範囲に基づきます。機能や条件は更新されることがあるため、利用前に最新の原文を確かめてください
- 匿名の行動の計測や、企業の一覧を外部に送る運用は、自社の個人情報の扱いの説明に関わります。実際の運用は法務の担当者と確かめてください
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
データ分析にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
