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SNS投稿の二次利用の許諾依頼に投稿者から届いた返信を判定し、許諾・条件付き・拒否を利用条件とあわせて台帳に記録する

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

自社の商品が写ったSNS投稿の投稿者に二次利用の許諾を依頼し、届いた返信を担当者が貼り付けると、許諾・条件付き・拒否・質問・不明に判定します。条件付きなら、その条件を項目ごとに許諾台帳へ記録します。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
EC/宿泊/小売/飲食
対象部門
マーケティング
対象業務
分類・仕分け/台帳・マスタ管理
主な課題
入力作業が多い/期限・対応漏れが起きる/確認ミスが多い
AIで行う処理
判定
主な効果
入力漏れ削減/品質標準化/工数削減
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
20h/月
AI導入後
8h/月
想定削減
60%
年間削減
144h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 担当者が、タグ付けされた投稿から販促に使いたいものを選ぶ
  2. 投稿者に、定型の依頼文をDMで送る(使う媒体、期間、クレジットの表記、取り下げの方法)
  3. 返信が届いたら、担当者が読んで、許諾か、条件付きか、断られたかを判断する
  4. 許諾の一覧に、投稿のURL、投稿者、判断、条件を書き込む
  5. 条件付きなら、その条件を受け入れるかを担当者どうしで相談する
  6. 質問が来たら、答えを書いて返信する
  7. ECと店舗の担当者は、一覧の「OK」の列を見て画像を使う
導入後(After)
  1. 自動公式アカウントがタグ付けされた投稿が、候補のテーブルに1行ずつ入る
  2. 人担当者が候補から使いたい投稿を選び、依頼番号を付けて、定型の依頼文をDMで送る
  3. 人返信が届いたら、担当者が「返信の登録」フォームに依頼番号と返信の原文を貼る
  4. 自動依頼の内容(使う媒体、期間、クレジット、加工)を台帳から引く
  5. 自動AIが返信を判定し、条件と、権利者でない可能性の手がかりを書き出す
  6. 自動判定ごとに分かれて台帳を更新する。条件付き・質問・不明は担当者に Slack で知らせる
  7. 人担当者が判定と条件を確かめ、台帳の「確定」のボタンを押す
  8. 自動確定したものだけが、ECと店舗の担当者が見る「使ってよい投稿」の表示に出る
各工程の詳しい説明を読む
  1. 担当者が、タグ付けされた投稿から販促に使いたいものを選ぶ
  2. 投稿者に、定型の依頼文をDMで送る(使う媒体、期間、クレジットの表記、取り下げの方法)
  3. 返信が届いたら、担当者が読んで、許諾か、条件付きか、断られたかを判断する
  4. 許諾の一覧に、投稿のURL、投稿者、判断、条件を書き込む
  5. 条件付きなら、その条件を受け入れるかを担当者どうしで相談する
  6. 質問が来たら、答えを書いて返信する
  7. ECと店舗の担当者は、一覧の「OK」の列を見て画像を使う

(a)返信の書き方がばらばらで、読み違える。 「どうぞどうぞ」「ぜひ!」「使ってもらえるなんて光栄です」は許諾と読めますが、「わ〜ありがとうございます」は読めません。忙しい日ほど、前向きな返信をまとめて「OK」にしてしまいます。

(b)条件が台帳に残らない。 「名前を出してほしい」「加工しないで」「ストーリーズだけ」は、条件の欄に書くはずのものです。自由記入なので、書いたり書かなかったりします。 ECの担当者は「OK」の列しか見ないので、条件付きの許諾が、条件の外で使われます。

(c)記録が後回しになる。 返信を読んでその場で返事を書くことはしても、一覧への記録は後でまとめてやります。後でやる記録は、返信を探し直すところから始まります。

(d)投稿者が権利者でない投稿が混ざる。 友人が撮った写真、別の人の投稿を転載したもの、子どもが写っている写真。投稿者が「いいですよ」と言っても、写っている人や撮った人の許諾にはなりません。 返信の中にその手がかりがあっても、読み流されています。

  1. 【自動】 公式アカウントがタグ付けされた投稿が、候補のテーブルに1行ずつ入る
  2. 【人】 担当者が候補から使いたい投稿を選び、依頼番号を付けて、定型の依頼文をDMで送る
  3. 【人】 返信が届いたら、担当者が「返信の登録」フォームに依頼番号と返信の原文を貼る
  4. 【自動】 依頼の内容(使う媒体、期間、クレジット、加工)を台帳から引く
  5. 【自動】 AIが返信を判定し、条件と、権利者でない可能性の手がかりを書き出す
  6. 【自動】 判定ごとに分かれて台帳を更新する。条件付き・質問・不明は担当者に Slack で知らせる
  7. 【人】 担当者が判定と条件を確かめ、台帳の「確定」のボタンを押す
  8. 【自動】 確定したものだけが、ECと店舗の担当者が見る「使ってよい投稿」の表示に出る

5番目でAIがするのは判定と書き出しまでです。 条件を受け入れるか、質問にどう答えるかは担当者が決めます。

7番目のボタンが、この設計の分かれ目です。 AIが「許諾」と判定しても、人が確定するまでは使ってよい投稿の表示に出ません。 判定の誤りが、そのままECの商品ページに出る経路を作らないためです。

02今回想定するシステム構成

構成図
Instagram(公式アカウントがタグ付けされた投稿)
   ▼【トリガー1】New Tagged Media(定期的な確認)
Zapier の Zap ── 候補のテーブル(Zapier Tables)に1行足す
   ▼
【人】使う投稿を選び、依頼番号を付けて DM で依頼する
【人】返信を「返信の登録」フォーム(Zapier Forms)に貼る
   ▼【トリガー2】返信のテーブルへの新しいレコード
Zapier の Zap
   ├──▶ Zapier Tables:依頼番号で許諾台帳を引く(依頼した範囲)
   ├──▶ AI by Zapier(Analyze and Return Data):判定・条件・手がかり
   ├──▶ Paths:許諾/条件付き/拒否/質問・不明
   ├──▶ Zapier Tables:許諾台帳を更新(判定・条件の欄・原文)
   └──▶ Slack:条件付き・質問・不明を担当者に知らせる
   ▼
【人】担当者が判定を確かめ、台帳の「確定」のボタンを押す
   ▼【トリガー3】ボタン → 確定の日時と確定した人を記録
「使ってよい投稿」の表示(ECと店舗の担当者が見る)
役割想定する製品代替候補
ワークフローZapier(Instagram for Business、Zapier Forms、Zapier Tables、Paths、Slack)Make、n8n、Power Automate
生成AIAI by Zapier(Analyze and Return Data)ChatGPT(OpenAI)、Claude
SNSInstagram のビジネスアカウント―

新しく足すのは、Zapier の中の3つのテーブル(候補・返信・許諾台帳)とフォーム、Zap 3本です。 今の許諾の一覧のスプレッドシートは、移した後は見るだけにします。ECのシステムと店舗の販促物の仕組みには書き込みません。

候補の取り込みは、Zapier の Instagram for Business です。 使えるのはビジネスアカウントかクリエイターアカウントだけで、個人のアカウントはつなげません。 トリガーは「自分の投稿」と「タグ付けされた投稿(New Tagged Media)」の2つで、どちらも定期的に確かめる方式なので、投稿から Zap が動くまでに時間差があります。

DMの送受信は、この構成では自動にしません。 Zapier の Instagram for Business の説明には、コメントやDMを受けるトリガーが載っていません。 依頼を送るのも、返信を写すのも担当者です。返信の原文はフォームに貼ってもらい、そこから先を自動にします。

フォームは Zapier Forms です。 すべてのプランで使え、送信内容はつないだテーブルに自動で入ります。台帳は Zapier Tables で、ボタンの欄から Zap を起こせます。 判定は AI by Zapier の Analyze and Return Data で行い、返してほしい項目を名前・型・説明・必須かどうかで決めておくと、その形で値を返します。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

起点は3つあります。 タグ付けされた投稿の取り込み、返信の登録、担当者の確定です。

1つ目は、公式アカウントがタグ付けされた投稿です。 New Tagged Media は、ビジネスアカウントが写真や動画にタグ付けされたときに動きます。キャプションでの言及(@の付いた文字)では動かないので、候補はタグ付けされた投稿に限られます。候補のテーブルに投稿のURL・投稿者・キャプション・時刻を足すだけで、AIは呼びません。 候補の数は多く、どれを使うかは人が選ぶからです。

2つ目は、返信のテーブルに新しいレコードが入ったときです。 担当者が「返信の登録」フォームを送ると、つないだテーブルにレコードが入り、それを起点に判定の Zap が動きます。

3つ目は、許諾台帳の「確定」のボタンです。 Zapier Tables のボタンの欄は、Zap を起こしたり、続けたりできるとされています。押されたら、確定の日時と押した人を記録し、状態を「確定」にします。

DMの返信を自動で拾わないのは、拾う手段が無いからです。 返信をメールで受け取る運用に変える方法もありますが、投稿者にとって手間が増え、返信率が下がります。 返信はDMのまま受け、貼る手間だけを担当者が負います。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
返信の原文投稿者から届いた返信の全文。絵文字を含めてそのまま返信の登録フォーム
依頼番号依頼文に入れた番号(例:R-2610-0123)同じフォーム
依頼した範囲使う媒体(公式SNS/EC/店頭)、期間、クレジットの表記、加工の有無、依頼文の版許諾台帳
投稿の情報投稿のURL、投稿者のアカウント名、キャプション候補のテーブル(台帳にも写す)
判定の基準許諾とみなす言葉の例、条件の種類、権利者でない可能性の手がかり自社で決めた基準(指示に埋め込む)

質を決めるのは、依頼した範囲です。 「EC・店頭・公式SNSで1年間」と依頼したのに「SNSならいいですよ」と返ってきたら、それは許諾ではなく条件付きです。 依頼の範囲を渡さないと、AIは「いいですよ」だけを見て許諾と判定します。

依頼文の版を台帳に残しておきます。 依頼文を途中で直すと、同じ「OKです」でも何に対するOKかが変わります。返信は、その人に送った版の依頼文に対する答えとして読みます。

Step3

データの取得方法を決める

取るものどこから何に使うか
返信の原文と依頼番号トリガーで受けた返信のレコード判定の材料
依頼した範囲と投稿の情報Zapier Tables の許諾台帳を依頼番号で検索返信をどの依頼に照らすか
判定の基準指示に埋め込んだ一覧許諾とみなす言葉、条件の種類

検索は依頼番号の1つだけで行います。 Zapier Tables の検索は、指定したすべての条件に合うレコードだけを見つけるとされています。投稿者のアカウント名を条件に足すと、投稿者が名前を変えたときに見つからなくなります。

見つからなければ、判定せずに担当者に返します。 検索の設定には「見つからなければレコードを作る」という選択肢がありますが、使いません。 番号の写し間違いで新しい依頼が作られ、どの依頼にも紐づかない許諾が台帳に残るからです。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 依頼番号の形の確認 … 「R-」と年月と4桁の形かを確かめます。全角の英数字は半角にします
  2. 原文の保存 … 返信の原文は、手を加える前の形で台帳に写します。判定に使う文字列とは別に残します
  3. 定型の部分の除去 … DMの画面から写すと付いてくる「既読」や時刻の文字を除きます
  4. 同じ依頼への2通目の確認 … 同じ依頼番号の返信がすでにあれば、前の返信と判定もあわせてAIに渡します
  5. 依頼してからの日数 … 依頼の日から返信の日までを数えます。依頼の期限を過ぎた返信は、担当者に回します

4番目は、条件が後から足される返信のためです。 1通目で「いいですよ」、2通目で「あ、名前は出さないでください」と来ることがあります。2通目だけを読むと「条件の追加」が分からず、1通目だけで確定すると条件が抜けます。 同じ依頼の返信は、まとめて判定し直します。

2番目を軽く見ないでください。 許諾の根拠は、返信の原文そのものです。整えた後の文字列しか残っていないと、後で確かめるときに「本当にそう書かれていたか」が言えなくなります。

Step5

AIに処理させる

させるのは、返信を5つのどれかに判定し、条件と手がかりを書き出すことだけです。

判定意味例
granted依頼した範囲のまま、使ってよいと明言している「どうぞお使いください」「OKです、ぜひ」
conditional使ってよいと言っているが、範囲を狭めるか条件を付けている「名前を出してくれるなら」「Instagram だけなら」
declined使わないでほしいと言っている「今回はごめんなさい」「控えてください」
question判断の前に質問をしている「どこに載りますか」「顔は写りますか」
unclear許諾とも拒否とも読めない「ありがとうございます!」「👍」だけ

unclear を広く取るのが、この構成でいちばん大事な決まりです。 前向きに見える返信でも、使ってよいという言葉が無ければ unclear です。 担当者がもう一度確かめる手間は増えますが、許諾の無い投稿を使うよりずっと軽く済みます。

条件は種類ごとに書き出します。 媒体の限定、期間、クレジットの表記(アカウント名・本名・表記不要)、加工の可否、謝礼の求め、その他の6種類です。

させないこと理由
条件を受け入れるかの判断販促の計画と照らして人が決める
質問への回答回答は約束になる。担当者が書く
権利者かどうかの結論手がかりを書き出すだけ。確かめるのは人
絵文字やスタンプの意味の解釈で許諾にすること「👍」が許諾かは書き手しか分からない
投稿の画像の内容の判定判定の材料は返信の文面だけ

権利者かどうかの手がかりは、返信の文面に出てくるものだけを書き出します。 「友だちが撮ってくれた写真です」「娘の写真なので」「元は別の人の投稿です」のような一文です。手がかりが1つでもあれば、判定が granted でも担当者に回します。

Step6

指示内容を固定する

あなたは小売チェーンのマーケティング部で、お客様のSNS投稿を販促に使う許諾の返信を読む担当です。
【依頼した範囲】に対する【返信】が、許諾か、条件付きか、拒否か、質問か、不明かを判定してください。
返信に書かれていることだけで判定してください。書かれていないことを推測しないでください。

【判定の選び方】
- granted ....... 依頼した範囲のまま使ってよいと、言葉で明言している
- conditional ... 使ってよいと言っているが、範囲を狭めるか、条件を付けている
- declined ...... 使わないでほしいと言っている
- question ...... 判断の前に質問をしている(許諾の言葉があっても質問があれば question)
- unclear ....... 上のどれとも言い切れない
迷ったときは unclear を選んでください。granted を選ばないでください。

【厳守事項】
- 感謝や喜びの言葉だけで、使ってよいという言葉が無い返信は unclear です。
- 絵文字やスタンプだけの返信は unclear です。絵文字の意味を解釈しないでください。
- 返信が依頼した範囲の一部だけを認めている場合(例:SNSだけ)は conditional です。
- 条件は【条件の種類】ごとに分けて、返信の言葉をそのまま conditions に写してください。
- 撮影者が別の人である、写っている人が別の人である、別の人の投稿の転載である、
  という手がかりが返信にあれば、その文を rights_clues に写してください。
- 権利者かどうかの結論は書かないでください。
- 質問への回答や返信の文案は書かないでください。
- evidence には、判定の根拠にした返信の言葉をそのまま写してください。

【条件の種類】media(媒体)/ period(期間)/ credit(クレジット)/ edit(加工)/ reward(謝礼)/ other
【依頼した範囲】{request_scope}
【これまでの返信と判定】{previous_replies}
【返信】{reply_text}

「感謝の言葉だけは unclear」を明記しないと、ほとんどの前向きな返信が granted になります。 依頼への返信として届いた「ありがとうございます!」は、文脈上は承諾に見えるからです。禁じるのは、文脈で許諾を補うことそのものです。

「迷ったら granted を選ばない」を書くのは、間違え方に重さの差があるからです。 unclear を granted と取り違えると許諾の無い投稿が使われ、granted を unclear と取り違えると担当者の確認が1件増えるだけです。

Step7

出力形式を固定する

AI by Zapier の出力の項目として、次の形で受け取ります。

{
  "verdict": "granted | conditional | declined | question | unclear",
  "evidence": "",
  "conditions": [
    { "type": "media | period | credit | edit | reward | other", "text": "" }
  ],
  "rights_clues": [""],
  "questions_asked": [""],
  "changed_from_previous": true
}

1つ目の理由は、verdict で Paths を機械的に分けられることです。 5つの値のどれかしか返らないので、分岐の条件がそのまま書けます。Paths は1つのグループに最大10本の分岐を置けるので、5つの判定と、どれにも当たらないときのフォールバックを1本置きます。

2つ目は、conditions を台帳の欄に分けて入れられることです。 媒体・期間・クレジット・加工のそれぞれを別の欄にすると、ECの担当者は「クレジット」の欄を見るだけで、表記が要るかが分かります。

3つ目は、evidence と rights_clues で確認が速くなることです。 担当者は返信の全文を読む前に、どの言葉で判定したかを見られます。

verdict台帳の更新担当者への知らせ
granted(rights_clues が空)判定を「許諾(未確定)」になし(一覧で確かめて確定)
granted(rights_clues あり)判定を「要確認」にSlack で知らせる
conditional判定を「条件付き(未確定)」、条件を各欄にSlack で知らせる
declined判定を「拒否」、使ってよい投稿に出さないなし
question/unclear判定を「返答待ち」にSlack で知らせる
Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
InstagramInstagram for Business の New Tagged Mediaタグ付けされた投稿を候補のテーブルに足す
Zapier Forms返信の登録フォーム(社内の担当者だけに共有)依頼番号と返信の原文を受ける
Zapier Tables新しいレコードのトリガー/検索/更新/ボタンの欄候補・返信・許諾台帳
AI by ZapierZap のステップ判定・条件・手がかり
SlackSend Channel Message条件付き・質問・不明・要確認を担当者のチャンネルへ

ECと店舗の担当者には、許諾台帳の「使ってよい投稿」の表示だけを見せます。 Zapier Tables の表示(ビュー)は、絞り込みの条件に合うレコードだけを並べます。状態が「確定」で、判定が許諾か条件付きのものだけを出し、条件の欄を横に並べます。

ECのシステムには書き込みません。 画像を商品ページに載せるのは、今までどおりECの担当者です。この構成が持つのは、使ってよいかの記録までです。

Step9

人が確認する

判定はすべて、担当者が確かめてから確定します。 目標は、1件あたり2分です。

  1. Slack で知らされたものを先に見る … 条件付き、質問、不明、要確認
  2. 条件付きは、条件を受け入れるかを決める … 受け入れるなら確定、受け入れないなら使わない
  3. 質問と不明は、担当者が返信を書いて送る … 新しい返信が来たら、またフォームに貼ります
  4. 許諾(未確定)は一覧で evidence を読み、確定のボタンを押す
  5. 要確認は、投稿の画像を見て、撮影者や写っている人を確かめる

5番目を省かないでください。 子どもが写っている投稿や、友人が撮った写真は、投稿者の許諾だけでは足りないことがあります。 どこまで確かめるかは、社内の基準で決めておきます。

確定のボタンを押せる人を決めておきます。 押した人は台帳に残るので、後で問い合わせがあったときに、誰がどの返信を見て確定したかが言えます。

確かめる時間を1日1回に決めます。 返信が届くたびに見ると、担当者の手がそのたびに止まります。午前中に前日分の Slack の知らせと未確定の一覧をまとめて見る運用にすると、2分の目標に収まります。ECの掲載の締切が迫っているものだけは、その場で見ます。

Step10

例外に対処する

起きること対応
依頼番号が台帳に無い判定せず、担当者に返す。番号の写し間違いを疑う
同じ依頼に2通目が届いた前の返信とあわせて判定し直す。確定済みでも、条件が足されたら未確定に戻す
許諾の後に「やっぱり取り下げて」判定を「取り下げ」にし、使ってよい投稿の表示から外す。使っている場所を担当者が洗い出す
返信が依頼の期限を過ぎて届いた判定はするが、確定の前に担当者が依頼の有効性を確かめる
返信が英語など日本語以外判定はする。evidence は原文のまま写す
投稿が削除されていた確定しない。投稿が消えた後に使うかは、社内の基準で決める
AIの判定が止まった(応答なし・内容の規約)返信のレコードに「未判定」を付け、担当者が手で判定する
投稿者のアカウント名が変わっていた依頼番号で引くので判定は続く。台帳には依頼の時点の名前と新しい名前を両方残す
謝礼を求める返信が来たconditional の reward として記録する。謝礼を出すかは担当者が上長と決める
返信のフォームに別の依頼の返信を貼った担当者が気づいたら、返信のレコードを「取り消し」にし、台帳の判定を前の状態に戻す

AI by Zapier は、使うたびに前の判定を覚えていません。 公式の説明でも、前の実行から学ぶことはないとされています。2通目を判定するときに前の返信を渡すのは、そのためです。 渡さなければ、2通目は単独の返信として読まれます。

3行目がいちばん重い例外です。 取り下げの依頼は、許諾の返信と同じ経路(DM)で届きます。フォームに貼って判定すれば、表示から外れるところまでは自動です。 店頭のポップのように印刷したものは、担当者が回収します。

Step11

記録を残す

  • 返信の原文(手を加える前)と、フォームに貼った人と日時
  • 依頼した範囲と依頼文の版
  • AIの出力(verdict、evidence、conditions、rights_clues)
  • 確定した人と日時、確定の前に判定を変えた記録
  • 取り下げの依頼と、表示から外した日時
  • 使ってよい投稿を、どの媒体にいつ使ったかの記録(ECと店舗の担当者が足す)

4つ目で「判定を変えた記録」を残すのは、指示を直す材料にするためです。 unclear を担当者が granted に変えることが多い言い回しがあれば、それは基準の側に「許諾とみなす言葉」として足すかを検討します。 AIの判定を後から緩めるのは、人が決めてからにします。

04実装レベルの3段階

最小構成:返信を手でAIの画面に貼り、判定と条件を書き出させる / 1件ごとの判定
半自動化:上記+フォームから Zap が判定し、許諾台帳を更新して担当者に知らせる / 判定、台帳への記録、知らせ
本格構成:上記+UGCの管理サービスや Meta のAPIを使い、依頼と返信の受け取りまで自動にする / 依頼と返信の取得まで

最小構成では、台帳への記録が残ります。 判定は速くなりますが、条件を欄に分けて書く作業は手のままです。 本記事が想定するのは半自動化です。 1件5分が2分になります。本格構成でDMの送受信まで自動にするには、Zapier の Instagram for Business には無い機能を、別のサービスか API で補う必要があります。 API の利用の審査や、DMの自動送信に関するプラットフォームの決まりを確かめる作業が加わるので、半自動化で依頼文と基準を固めてから検討してください。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
4 名
月間件数
240 件
1件あたり現在時間
5 分
1件あたり導入後時間
2 分
現在  240件 × 5分 ÷ 60 = 20 時間/月
導入後 240件 × 2分 ÷ 60 = 8 時間/月
月間削減時間
12h
削減率
60%
年間削減時間
144h
年間金額換算(時間単価3,500円)
50万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 自社の商品や店舗が写ったお客様のSNS投稿を、公式アカウント・ECの商品ページ・店頭の販促物で使いたい小売・EC・飲食・宿泊の事業者。投稿者に許諾を依頼する件数が月に百件を超え、返信の読み取りと台帳への記録を担当者が手で行っている場合。許諾の条件(クレジットの表記、使う媒体、期間)が返信ごとに違い、台帳に残し切れていない場合。
向いていない
  1. 二次利用の許諾の依頼が月に数件で、担当者が1件ずつ丁寧にやり取りできている場合。投稿の利用を専用のUGC管理サービスで行い、許諾の取得と記録がその中で完結している場合。インフルエンサーへの報酬を伴う起用で、契約書を交わして利用条件を決める場合(返信の判定ではなく契約の管理になる)。

07最小構成で試す方法

  1. 過去3か月の許諾の返信から40件を選ぶ(判断に迷ったもの、条件付きのもの、取り下げられたものを必ず入れる)
  2. その40件について、送った依頼文と、当時の一覧の判断を並べる
  3. 手元のAIサービスの画面に、第7章の指示、依頼した範囲、返信を貼り、1件ずつ判定させる
  4. 当時の判断と並べ、食い違ったものを担当者4名で読む

40件は必ずやってください。 Zap を組む前に、「言葉で明言したものだけを許諾にする」という基準が、自社の返信に合っているかを確かめます。

出てきた内容判断
当時「OK」にしたものの一部が unclear になる想定どおり。 当時の判断のほうが緩かった可能性がある
条件付きを granted にする指示の書き方で直る。構成は有効
unclear が半分を超える依頼文が先。 「OKの場合は『許可します』とご返信ください」と書き添える

1行目は失敗ではありません。 当時「OK」にした返信を担当者で読み直し、許諾と言えるかを改めて決める機会になります。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
感謝の言葉だけの返信が許諾になる感謝だけ・絵文字だけは unclear と明記する
範囲を狭めた返信が許諾になる依頼した範囲を必ず渡す。一部だけ認めたら conditional
2通目で足された条件が抜ける同じ依頼の返信をまとめて判定し直す
ECの担当者が条件を見ない使ってよい投稿の表示に、条件の欄を横に並べる
依頼番号の写し間違いで新しい依頼ができる検索で「見つからなければ作る」を使わない
DMを自動で拾おうとして行き詰まるInstagram for Business にDMのトリガーは無い。 貼る運用にする
キャプションでの言及が候補に入らないNew Tagged Media はタグ付けだけ。言及は担当者が拾う
撮影者や写っている人の許諾が抜けるrights_clues があれば granted でも担当者に回す
取り下げの依頼が埋もれる同じフォームで受け、表示から自動で外す

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも「許諾でないものを許諾として扱う」という同じ方向の間違いです。判定を厳しくする方向にだけ倒しておけば、間違えても担当者の確認が増えるだけで済みます。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 投稿者のアカウント名、返信の文面(本名や家族のことが書かれていることがあります)、投稿のURLとキャプション、許諾の条件です。

  1. 返信に書かれた個人の情報を広げない … 「娘の写真なので」のような一文は、判定の手がかりとして台帳に残りますが、ECや店舗の担当者が見る表示には出しません
  2. 18歳未満の投稿者や写っている子どもがいる前提で作る … 投稿者の年齢は分かりません。この構成を使うのは社内の担当者だけですが、18歳未満の書いた返信が入りうるので、AI by Zapier で自前のキーを使う場合も Gemini API は選びません。 Gemini API の規約は、18歳未満を対象とする、または18歳未満が利用しうるサービスの一部として使うことを認めていません。子どもが写っている投稿を販促に使うかは、社内の基準で決めます
  3. 許諾の確定を自動にしない … 確定は人がボタンで行います。判定の誤りが、そのまま商品ページに出る経路を作りません
  4. 返信の原文を消さない … 許諾の根拠は原文です。台帳のレコードを消すと、30日を過ぎたら戻せません
  5. フォームを社外に公開しない … 返信の登録フォームは社内の担当者だけに共有します
  6. 使ってよいかの最終的な判断は法務と決める … 投稿の二次利用の扱い、クレジットの表記、取り下げへの対応は、この構成では代替できません

誤りが起きた場合のリスクは、許諾の無い投稿を使うことと、条件の外で使うことの2つです。 前者は unclear を広く取ることで防ぎ、後者は条件を欄に分けて表示に並べることで防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:依頼文を直す

今の依頼文に、依頼番号と「ご了承いただける場合は『許可します』とご返信ください」の一文を入れます。使う媒体・期間・クレジット・加工・取り下げの方法も、項目として並べ直します。依頼文に版の番号を付けます。

2週目:40件で試す

過去の返信40件を手元のAIサービスで判定させ、当時の判断と並べます。当時「OK」にしたものが unclear になったものを、担当者4名で読み直します。

3週目:基準と台帳の欄を決める

許諾とみなす言葉、条件の6種類、要確認とする手がかりを決めます。確定のボタンを押せる人と、子どもが写っている投稿の扱いを、法務の担当と決めます。

4週目:返信の登録から台帳までをつなぐ

Zapier Forms と Zapier Tables に返信の登録と許諾台帳を作り、判定の Zap を組みます。この時点では、使ってよい投稿の表示をECの担当者に見せず、今のスプレッドシートと並行して記録します。

2か月目: タグ付けされた投稿の取り込みと、確定のボタンを足します。使ってよい投稿の表示をECと店舗の担当者に見せ始めます。3か月目以降: 判定を担当者が変えた記録を見て、基準を直します。条件の欄が空のまま確定される許諾が無くなった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
Instagram for Business がビジネスかクリエイターのアカウントだけに対応すること。トリガーが New Media Posted in My Account と New Tagged Media(タグ付けされた写真・動画)の2つで、どちらも定期的な確認の方式であること。コメントやDMを受けるトリガーが載っていないことZapier: How to get started with Instagram for Business on Zapier2026-10-08
Zapier Forms がすべてのプランで使え、送信内容がつないだテーブルに自動で入ること。共有の範囲を変えられることZapier: Zapier Forms2026-10-08
Zapier Tables が自動化のためのデータの置き場であること。削除したレコードが30日以内なら戻せることZapier: Zapier Tables2026-10-08
新しいレコード・更新・表示の絞り込みで Zap を起こせること。ボタンの欄で Zap を起こしたり続けたりできることZapier: Trigger and continue Zaps from records2026-10-08
Zapier Tables の検索が指定したすべての条件に合うレコードだけを見つけること。見つからないときにレコードを作る選択肢があることZapier: Nothing can be found for the search2026-10-08
AI by Zapier が Professional・Team・Enterprise で使えること。モデルの段階とタスクの消費(1倍・3倍・5倍、既定は Premium)、自前のキーで使える提供元。出力の項目を名前・型・説明・必須で定義できること。前の実行から学ばないことZapier: Use AI by Zapier to analyze and return data2026-10-08
Paths が Professional 以上で使え、1つのグループに最大10本の分岐とフォールバックを置けることZapier: Add branching logic with Paths2026-10-08
Slack の Send Channel Message でチャンネルに投稿できることZapier: How to get started with Slack on Zapier2026-10-08
Gemini API を18歳未満が利用する(しうる)サービスで使えないことGoogle: Gemini API Additional Terms of Service2026-10-08

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実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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