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ケアマネジャーが新しい利用者のケアプランを作る前に、仮名にした過去のケアプランとモニタリングの記録から状態像と生活の課題が近い事例を探し、目標とサービスの組み方の例を示す

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

新しい利用者のアセスメントの要点を入れると、仮名にした過去のケアプランとモニタリングの記録から、状態像と生活の課題が近い事例を探します。その事例で立てた目標、組んだサービス、半年後の目標の達成の具合を、元の記録へのリンク付きで並べます。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
AIサービス
Azure AI/Google Vertex AI/OpenSearch
対象業界
介護/医療/自治体
対象部門
カスタマーサポート
対象業務
情報検索/比較検討
主な課題
判断に時間がかかる/属人化している/情報が見つからない
AIで行う処理
検索(RAG)
主な効果
属人化解消/教育コスト削減/検索時間短縮
導入難易度
★★★★☆
実装レベル
本格構成
費用感
RAG・個別開発(大)
人間の確認
条件付き
現在工数
60h/月
AI導入後
21h/月
想定削減
65%
年間削減
468h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. アセスメントを終え、課題分析標準項目に沿って状態像と生活の課題を整理する
  2. 似た状態の人を自分が担当したことがあるかを思い出す。無ければ同じ事業所の同僚に聞く
  3. 思い当たる利用者がいれば、介護ソフトでその人のケアプランを開き、第2表の課題・目標・サービス内容を見る
  4. その人のモニタリングの記録を開き、目標がどうなったかを読む
  5. 見つからなければ、事例検討会の資料を共有フォルダで探すか、主任ケアマネジャーに相談する
  6. 参考にした例と自分のアセスメントから、原案の目標とサービスを組み立てる
  7. 本人と家族に説明し、サービス担当者会議で合意を取る
導入後(After)
  1. 人ケアマネジャーが、アセスメントの要点(区分の項目と、生活の課題の文)を検索の画面に入れる
  2. 自動要介護度・認知症の日常生活自立度・世帯の状況などの区分で、比べる対象を絞る
  3. 自動絞った中から、課題の文の言葉と意味の近さを合わせて、近い事例を順に探す
  4. 自動上位5件の事例について、第2表の課題・目標・サービス内容と、モニタリングでの目標の達成の具合を取り出す
  5. 自動Claude が5件を比べ、目標の立て方とサービスの組み方の傾向を、元の事例への引用付きでまとめる
  6. 人ケアマネジャーが事例とまとめを読み、自分のアセスメントと違う点を確かめる
  7. 人本人と家族の意向を踏まえて原案を作る。迷うときは、事例を添えて主任に相談する
各工程の詳しい説明を読む
  1. アセスメントを終え、課題分析標準項目に沿って状態像と生活の課題を整理する
  2. 似た状態の人を自分が担当したことがあるかを思い出す。無ければ同じ事業所の同僚に聞く
  3. 思い当たる利用者がいれば、介護ソフトでその人のケアプランを開き、第2表の課題・目標・サービス内容を見る
  4. その人のモニタリングの記録を開き、目標がどうなったかを読む
  5. 見つからなければ、事例検討会の資料を共有フォルダで探すか、主任ケアマネジャーに相談する
  6. 参考にした例と自分のアセスメントから、原案の目標とサービスを組み立てる
  7. 本人と家族に説明し、サービス担当者会議で合意を取る

(a)似た事例の探し方が記憶に頼っている。 2番目で思い出せるのは、自分か身近な同僚が担当した人だけです。他の事業所のケアマネジャーが同じような世帯を何件も支えていても、その事例には届きません。

(b)探しても、なぜその組み方にしたかが分からない。 3番目で第2表を開いても、目標とサービス内容しか書かれていません。その組み方が半年後にどうなったかは、モニタリングの記録を何回分も読まないと分かりません。 時間が無いと、組み方だけを真似ることになります。

(c)相談できるまで手が止まる。 5番目の主任への相談は、相手の訪問の合間にしかできません。退院の日が迫っていると、相談できないまま原案を出すことになります。

  1. 【人】 ケアマネジャーが、アセスメントの要点(区分の項目と、生活の課題の文)を検索の画面に入れる
  2. 【自動】 要介護度・認知症の日常生活自立度・世帯の状況などの区分で、比べる対象を絞る
  3. 【自動】 絞った中から、課題の文の言葉と意味の近さを合わせて、近い事例を順に探す
  4. 【自動】 上位5件の事例について、第2表の課題・目標・サービス内容と、モニタリングでの目標の達成の具合を取り出す
  5. 【自動】 Claude が5件を比べ、目標の立て方とサービスの組み方の傾向を、元の事例への引用付きでまとめる
  6. 【人】 ケアマネジャーが事例とまとめを読み、自分のアセスメントと違う点を確かめる
  7. 【人】 本人と家族の意向を踏まえて原案を作る。迷うときは、事例を添えて主任に相談する

6番目が、この設計の分かれ目です。 似た事例は、あくまで別の人の暮らしです。本人が何を大事にしているか、家族がどこまで関われるか、近くにどんな社会資源があるかは、事例ごとに違います。事例をそのまま写した原案は、本人の意向から出発していない原案です。

02今回想定するシステム構成

構成図
介護ソフト(夜間のCSV出力:アセスメント・第1表・第2表・モニタリング)
   │
   ▼【トリガー】毎晩の取り込み(AWS Lambda)
仮名加工 ── 氏名・住所・生年月日・家族の氏名・事業者名を外すか置き換える
   ▼
Amazon Titan Text Embeddings V2 ── 状態像と課題の文をベクトルにする
   ▼
Amazon OpenSearch Service(事例の索引)
   │   区分の項目(要介護度・自立度・世帯)/課題の文(Sudachi)/ベクトル
   │
ケアマネジャーの検索(アセスメントの要点)
   ▼【トリガー】検索の画面での実行
hybrid クエリ ── 区分の絞り込み(filter)+ 言葉の一致 + 意味の近さ
   │   normalization-processor(min_max・arithmetic_mean)
   ▼
上位5件の事例(第2表の課題・目標・サービス内容・モニタリングの結果)
   ▼
Claude(Amazon Bedrock)── 検索結果のブロックとして渡し、引用付きでまとめる
   ▼
【ケアマネジャーが読み、本人の意向から原案を作る】
役割想定する製品代替候補
検索基盤Amazon OpenSearch Service(hybrid クエリ、normalization-processor、Sudachi の日本語の解析)Azure AI Search、Vertex AI Search(Agent Search)
埋め込みAmazon Titan Text Embeddings V2(Amazon Bedrock)Cohere Embed Multilingual(Amazon Bedrock)
生成AIClaude(Amazon Bedrock。検索結果のブロックを使った引用付きのまとめ)Gemini API、OpenAI API
連携AWS Lambda(取り込み、仮名加工、検索の条件の組み立て、画面への返却)AWS Step Functions
保管Amazon S3(仮名加工した記録の写し、検索とまとめの記録)―
元の記録既存の介護ソフト―

介護ソフトには書き込みません。 ケアプランの原案も、これまでどおり介護ソフトでケアマネジャーが作ります。この構成は、過去の事例を探して並べるだけです。

検索には、Amazon OpenSearch Service を使います。 日本語の解析には、プラグインの一覧で日本語に推奨と書かれている Sudachi Analysis を使います。ベクトルの検索に使う k-NN と、言葉の検索とベクトルの検索の点数をまとめる Neural Search も、同じ一覧に載っています。

言葉の近さと意味の近さは、hybrid クエリで1回の検索にまとめます。 hybrid クエリは複数のクエリの関連度の点数を文書ごとに1つの点数にまとめるもので、クエリの句は最大5つです。全部の句にかかる filter を上に1つ置けます。 点数のまとめ方は、検索パイプラインの normalization-processor で決めます。正規化は min_max(既定)・l2・z_score、組み合わせは arithmetic_mean(既定)・geometric_mean・harmonic_mean から選び、句ごとの重みは0.0〜1.0で、合計を1.0にするとされています。

ベクトルは、Amazon Titan Text Embeddings V2 で作ります。 入力は最大8,192トークンまたは50,000文字で、出力は1,024次元(512・256も選べる)です。英語に最適化されたうえで、日本語を含む多くの言語に対応しています。長い文書は段落や節に分けて入れることが勧められているので、事例は「課題1つ=1件」に分けて索引にします。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

検索は、ケアマネジャーが画面で実行したときに1回ずつ動きます。 アセスメントを終えて原案に取りかかる前が、使う場面です。事務所に戻ってから使うことを想定し、訪問先のタブレットからは使わせません。 本人や家族の前で過去の事例の画面を開くと、他の利用者の暮らしが見えてしまうからです。

事例の索引は、毎晩介護ソフトの書き出しから作り直します。 その日に確定したケアプランとモニタリングの記録を、仮名加工してから追加します。未確定の原案は索引に入れません。 合意を取る前の原案が、他のケアマネジャーの例として出てくるのを避けるためです。

事例に付けるモニタリングの結果は、月に一度まとめて更新します。 目標の達成の具合は数か月かけて分かるもので、毎日変わるものではありません。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
検索の条件要介護度、認知症の日常生活自立度、障害高齢者の日常生活自立度、世帯の状況、主な傷病の区分、今回のアセスメントの理由、生活の課題の文ケアマネジャーが画面に入れる
過去のアセスメント課題分析標準項目に沿った記録(健康状態、ADL、IADL、認知機能や判断能力、家族等の状況、居住環境など)介護ソフトの書き出し
過去の第1表利用者と家族の生活に対する意向、総合的な援助の方針介護ソフトの書き出し
過去の第2表生活全般の解決すべき課題、長期目標・短期目標、サービス内容と種別、頻度介護ソフトの書き出し
モニタリングの記録目標ごとの達成の具合、サービスの変更の有無と理由介護ソフトの書き出し

質を決めるのは、第2表の課題の書き方と、モニタリングの記録の書き方です。 課題が「ADL低下」のように短い言葉だけだと、言葉でも意味でも探せません。「夜間に1人でトイレへ行き、ふらついて転びそうになる」のように、生活の場面で書かれている課題ほど、近い事例が引けます。

モニタリングの記録に「目標ごとの達成の具合」の欄が無い事業所は、そこから始めます。 文章で「おおむね順調」とだけ書かれていると、事例の結果として並べられません。達成・一部達成・未達成・目標を変更、の4つの区分を付ける運用を先に決めます。

Step3

データの取得方法を決める

介護ソフトからは、毎晩CSVで書き出したものを Lambda が読みます。 介護ソフトのデータベースへ直接つなぐことはしません。

取るものどこから何に使うか
確定したケアプランの第1表・第2表介護ソフトのCSV事例の本体(課題・目標・サービス内容)
ケアプランを作ったときのアセスメント介護ソフトのCSV区分の項目と状態像の文
モニタリングの記録介護ソフトのCSV目標ごとの達成の具合と、サービスの変更
利用者の番号と事業所介護ソフトのCSV仮名の番号への置き換えと、閲覧の範囲

アセスメントとケアプランは、作った日で結び付けます。 同じ利用者でも、更新のたびに状態像も課題も変わります。最新のアセスメントを古いケアプランに付けると、状態像と組み方がずれた事例になります。

元の利用者の番号と仮名の番号の対応表は、Lambda の外に置きます。 対応表は情報システムの担当だけが見られる場所に保管し、検索の側からは引けないようにします。 元の記録へのリンクは、閲覧の権限を持つケアマネジャーが介護ソフトの側で開く形にします。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 仮名加工 … 氏名、住所、生年月日、電話番号、家族の氏名、主治医と事業者の名称を外すか置き換えます。年齢は5歳刻みの帯にします
  2. 文の中の固有名詞を置き換える … 課題や意向の文に書かれた「長男の○○さん」「△△病院」を、「長男」「入院していた病院」に置き換えます
  3. 事例を課題ごとに分ける … 第2表の課題1つと、その目標・サービス内容・モニタリングの結果を1件にします
  4. 区分の項目をそろえる … 要介護度、自立度、世帯の状況(独居・高齢者のみ・同居)、主な傷病の区分を、決まった値にそろえます
  5. 状態像の文を作る … アセスメントの要点を、決まった並びの短い文にまとめてから、課題の文と合わせてベクトルにします
  6. 少ない事例を外す … 特定の地域にしか無い病気や、ごく珍しい家族構成など、数件しか無い状態像は索引に入れないか、区分をまとめます

1番目と2番目の仮名加工は、この構成で最も手間のかかる処理です。 決まった欄の氏名や住所は外せますが、自由に書かれた文の中の固有名詞は、規則だけでは取り切れません。 置き換えの結果を、索引に入れる前に抜き取りで人が確かめます。

6番目を省くと、仮名にしても誰の事例か分かります。 同じ法人のケアマネジャーが読むので、「珍しい病気の独居の90代の男性」というだけで本人が浮かぶことがあります。

Step5

AIに処理させる

AIにさせることは2つです。 課題の文と状態像の文をベクトルにすることと、検索で上がった5件の事例を比べて傾向をまとめることです。どの事例を上げるかは、検索の点数と区分の絞り込みで決まります。

段させることさせないこと
埋め込み課題の文と状態像の文をベクトルにする―
検索区分で絞り、言葉と意味の近さで順に並べる事例の良し悪しで並べ替える
まとめ5件の目標の立て方とサービスの組み方の共通点と違い新しい利用者の目標やサービスを決める
結果の並べモニタリングでの達成の具合を事例ごとに示すうまくいった理由を推し量る

検索は、hybrid クエリに次の3つを入れます。 全体にかける filter には、要介護度(前後1段階まで)、認知症の日常生活自立度、世帯の状況を入れます。句の1つ目は、Sudachi で解析した課題の文への match、2つ目は状態像と課題のベクトルへの k-NN です。重みは言葉の句を0.3、意味の句を0.7から始めます。 言葉の句を軽くしすぎると、「福祉用具」「訪問看護」のようにケアマネジャーが確実に一致させたい言葉が外れます。

まとめは、Claude に検索結果のブロックとして渡します。 検索結果のブロックは、自分の文書を出典付きで引用させるための形で、source と title と本文の content を持ちます。引用を有効にするかどうかは、1回の依頼の中の全部の検索結果でそろえる必要があり、混ぜると誤りになります。 事例の番号を source に入れ、まとめの一文ずつがどの事例から来たかを画面に出します。

まとめで比べさせるのは、5件の間の共通点と違いだけです。 「5件中4件で、短期目標に夜間のトイレの動作を置き、福祉用具の貸与と訪問リハビリを組んでいる」「残る1件は家族の介護の負担を先に課題に置き、短期入所を組んでいる」のような整理です。新しい利用者に何を勧めるかは書かせません。

機械にさせないこと理由
新しい利用者の目標やサービスを提案する本人と家族の意向を知らない。原案を写す形になる
うまくいった・いかなかった理由を推し量る結果には本人の体調や家族の事情など、記録に無い要因が多い
事例を「良い例」「悪い例」と評価する同じ法人の同僚の仕事の評価になる
仮名の事例から元の利用者を推し量る仮名加工の意味がなくなる

1行目がいちばん起きやすい失敗です。 5件の傾向をまとめさせると、生成AIは自然に「この方にも〜を検討するとよいでしょう」と書き足します。一文でも勧める言い方が入ると、経験の浅いケアマネジャーほどそれを原案の起点にします。 指示で禁じ、後段でも言い回しを検知します。

Step6

指示内容を固定する

あなたは居宅介護支援事業所で、ケアマネジャーが過去の事例を読むのを手伝う立場です。
渡す検索結果(過去の事例)だけを根拠に、まとめを書いてください。

【渡すもの】
- 今回の利用者の状態像の要点(区分の項目と、生活の課題の文)
- 過去の事例 最大5件(検索結果のブロック。source は事例の番号)
  各事例:状態像の要点/生活全般の解決すべき課題/長期目標/短期目標/
          サービス内容と種別・頻度/モニタリングでの目標の達成の具合と変更

【書くこと】
1. 5件の事例で、課題をどう書いているかの共通点と違い
2. 目標(長期・短期)の立て方の共通点と違い
3. サービスの組み方(種別と頻度)の共通点と違い
4. モニタリングで目標が「未達成」「目標を変更」となった事例で、記録に書かれている変更の内容
5. 今回の利用者の状態像と、各事例の状態像の違い(区分の項目と課題の文から分かる範囲)

【厳守事項】
- 今回の利用者に、どの目標やサービスがよいかを書かないでください。
  「検討するとよい」「おすすめです」「望ましい」のような勧める言い方をしないでください。
- 事例に書かれていないことを補わないでください。記録に無ければ「記録に無い」と書いてください。
- 目標が達成された・されなかった理由を推し量らないでください。
  記録に理由が書かれている場合だけ、その記録を引用してください。
- 事例を良い・悪いで評価しないでください。
- 事例の利用者が誰かを推し量る書き方をしないでください。
- 医学的な判断(病状の見通し、薬の効果など)を書かないでください。
- 5件のうち、今回の利用者と区分が大きく違う事例があれば、最初にそのことを書いてください。

【今回の利用者の状態像の要点】{query_profile}

「勧める言い方をしない」に、具体的な言い回しを並べているのには理由があります。 「提案しない」とだけ書くと、「〜という選択肢もあります」と言い方を変えて同じことを書きます。禁じたい言い回しを例として並べ、後段の検知の一覧と同じ言葉にそろえます。

「区分が大きく違う事例を最初に書く」は、検索の側の限界への備えです。 絞り込みで要介護度を前後1段階まで広げているので、区分の境目にいる利用者では、状態がかなり違う事例が混ざります。 読む人がそれに最初に気づけるようにします。

Step7

出力形式を固定する

画面に出すのは、事例の一覧とまとめの2つです。 事例の一覧は検索結果から Lambda が組み立て、まとめは Claude の引用付きの文をそのまま出します。

{
  "search_id": "CS-2026-1008-031",
  "query_profile": {
    "care_level": "要介護2",
    "dementia_independence": "IIa",
    "household": "独居",
    "main_condition_class": "脳血管疾患",
    "assessment_reason": "退院・退所",
    "need_text": "夜間に1人でトイレへ行き、ふらついて転びそうになる"
  },
  "cases": [
    {
      "case_id": "C-00412-03",
      "score": 0.00,
      "profile_diff": ["要介護度が1段階重い"],
      "need": "",
      "long_term_goal": "",
      "short_term_goal": "",
      "services": [ { "type": "", "frequency": "" } ],
      "monitoring": { "status": "achieved | partly | not_achieved | changed", "note": "" }
    }
  ],
  "summary": [ { "text": "", "cited_case_ids": [] } ],
  "flags": []
}

1つ目の理由は、profile_diff で事例と今回の利用者の違いを先に見せられることです。 検索の点数が高くても、要介護度や世帯の状況が違えば読み方が変わります。違いを区分の項目で機械的に並べ、読む前に目に入るようにします。

2つ目は、monitoring.status を区分で持つことです。 事例の一覧を「達成」「未達成」「目標を変更」で並べ替えたり、色を分けたりできます。うまくいかなかった事例ほど、読む価値があることが多いからです。

3つ目は、summary の一文ずつに cited_case_ids が付くことです。 まとめのどの文がどの事例から来たかが分かり、引用の無い文は画面で印を付けます。 引用の無い文は、検索結果の外から来た文だからです。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
介護ソフト夜間のCSVの書き出しを読むアセスメント・第1表・第2表・モニタリング
Amazon Titan Text Embeddings V2Bedrock の呼び出し状態像と課題の文のベクトル
Amazon OpenSearch Service索引への登録と hybrid クエリ事例の索引と検索
Claude(Amazon Bedrock)検索結果のブロックを渡す呼び出し引用付きのまとめ
検索の画面社内のWebの画面条件の入力と、事例とまとめの表示
Amazon S3保存仮名加工した記録の写しと、検索とまとめの記録

介護ソフトへは書き込みません。 検索の結果を原案に取り込むボタンも作りません。事例から写すのではなく、自分のアセスメントから書き起こす手順を守るためです。

元の記録は、介護ソフトの側で開きます。 検索の画面には仮名の番号しか出しません。主任ケアマネジャーなど、他の事業所の利用者を見る権限を持つ人だけが、対応表を通じて元の記録を開けるようにします。

Step9

人が確認する

ケアマネジャーは、事例の一覧を先に、まとめを後に読みます。

  1. profile_diff を見る … 今回の利用者と区分が違う事例を、読み方を変えて読みます
  2. 事例の第2表とモニタリングの結果を読む … 少なくとも上位3件は、まとめではなく事例そのものを読みます
  3. まとめを読む … 引用の無い文と、勧める言い方が検知された文には印が付いています
  4. 自分のアセスメントに戻る … 本人と家族の意向から原案を書き起こします
  5. 迷うときは事例を添えて主任に相談する … 相談の結果を、検索の記録に一言残します

2番目を省かないでください。 まとめは5件の共通点を拾うので、1件だけにあった工夫が落ちます。その1件の工夫が、今回の利用者に一番近いことがあります。

目標は、90件をならして1件14分です。 状態像がはっきりした利用者は事例を数件読んで10分前後で済み、区分の境目にいる利用者や事例の少ない状態像では、主任への相談を含めて20分以上かかります。

Step10

例外に対処する

起きること対応
絞り込んだ結果が5件未満絞り込みを1段階広げて再検索し、広げたことを画面に出す
広げても2件未満まとめは作らず、「事例が少ない」として主任への相談を勧める表示を出す
まとめに勧める言い方が入った検知した文に印を付けて表示し、記録に残す
まとめに引用の無い文がある印を付けて表示する
仮名加工の抜き取りで固有名詞が見つかったその日の取り込みを止め、置き換えの規則を直してからやり直す
モニタリングの達成の具合が空欄の事例「記録なし」として出し、並べ替えでは後ろに置く
Bedrock または OpenSearch が応答しない事例の一覧だけ、またはエラーを表示する。まとめを作らずに出してよい

2行目で、無理に事例を出さないことが大事です。 状態像が珍しい利用者ほど、遠い事例を似ているものとして読んでしまいます。事例が少ないこと自体が、主任に相談すべきという合図です。

Step11

記録を残す

  • 検索の日時、検索した人、検索の条件(仮名の状態像の要点)
  • 上がった事例の番号と点数、絞り込みを広げたかどうか
  • Claude に渡した事例と、返ってきたまとめ、引用の対応
  • 勧める言い方の検知と、引用の無い文の記録
  • ケアマネジャーが残した一言(主任に相談したか、どの事例が役に立ったか)
  • 仮名加工の抜き取りの確認の結果と、置き換えの規則の版

「どの事例が役に立ったか」の一言は、重みの見直しに使います。 役に立ったと書かれた事例が下位に多いなら、言葉の句と意味の句の重みが合っていません。

検索の記録には、元の利用者を特定できる情報を入れません。 検索の条件は仮名の状態像の要点だけにし、今回の利用者の氏名や番号は残しません。

04実装レベルの3段階

最小構成:事例を手で書き出し、表計算の絞り込みと言葉の検索で探す / 区分と言葉での事例の検索
半自動化:上記+毎晩の仮名加工と OpenSearch の索引、hybrid クエリで探す / 事例の取り込みと、区分・言葉・意味での検索
本格構成:上記+モニタリングの結果を事例に付け、Claude が引用付きで5件の傾向をまとめる / 検索、結果の並べ、傾向のまとめまで

半自動化で、1件40分が25分程度になります。 似た事例を探す時間は短くなりますが、事例ごとのモニタリングの記録を介護ソフトで開いて読む時間が残ります。本格構成で14分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、結果を事例に付けて並べることで、モニタリングの記録を何回分も読む作業がなくなるからです。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
12 名
月間件数
90 件
1件あたり現在時間
40 分
1件あたり導入後時間
14 分
現在  90件 × 40分 ÷ 60 = 60 時間/月
導入後 90件 × 14分 ÷ 60 = 21 時間/月
月間削減時間
39h
削減率
65%
年間削減時間
468h
年間金額換算(時間単価3,000円)
140万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 複数の事業所にケアマネジャーが十数名いる居宅介護支援事業所や、地域包括支援センターを受託している法人。介護ソフトにケアプランの第1表・第2表とアセスメント・モニタリングの記録が数年分たまっている場合。経験の浅いケアマネジャーが、退院直後や認知症のある独居の利用者などの難しいケースで、先輩に相談するまで手が止まっている場合。病院の退院支援の部署で、退院後の在宅の暮らしの組み立ての例を探したい場合。
向いていない
  1. ケアマネジャーが1〜2名で、過去の事例を全員が覚えている事業所。ケアプランが紙だけで、第2表の課題・目標・サービス内容が文字のデータとして残っていない場合。過去の記録を仮名にする作業の手間と責任を持てない場合。なお、その利用者に合う目標とサービスの決定、本人と家族の意向の聴き取り、サービス担当者会議での合意は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 主任ケアマネジャーが、過去に相談を受けた難しいケースを10件選ぶ
  2. その10件それぞれについて、「似ている」と思う過去の事例を主任が3件ずつ挙げておく
  3. 過去1年分の確定したケアプランから、第2表の課題・目標・サービス内容を書き出し、氏名と固有名詞を手で消す
  4. 書き出した事例を、表計算に課題1つ=1行で並べ、要介護度・自立度・世帯の列を付ける
  5. 10件それぞれについて、表計算の絞り込みと、課題の文の言葉の検索で近い事例を探し、主任の3件と比べる

ここまでは検索基盤を作らずにできます。 「区分の絞り込みと言葉で、主任が思い浮かべる事例に届くか」を先に確かめます。

出てきた内容判断
区分と言葉で主任の3件の多くに届いた検索基盤の構築に進む
区分では届くが、言葉では届かない課題の書き方がばらついている。意味の近さの検索が効く
区分でも届かない主任が見ている「似ている」が区分の外にある。何を見ているかを聞き取る

3行目が出ることは珍しくありません。 主任は「家族の関わり方」や「本人の口ぐせ」のような、区分に無いところで似ていると判断していることがあります。それを聞き取れたら、検索の条件に足す項目が1つ増えます。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
文の中の家族の名前や病院名が残る置き換えの規則と、索引に入れる前の抜き取りの確認
珍しい状態像で誰の事例か分かる数件しか無い状態像は索引に入れないか、区分をまとめる
まとめに勧める言い方が入る指示で禁じ、言い回しの一覧で検知して印を付ける
事例をそのまま写した原案が出てくる原案に取り込むボタンを作らず、自分のアセスメントから書く手順にする
課題が短い言葉で書かれていて引けない生活の場面で書く書き方を、事業所でそろえる
モニタリングの結果が文章だけで並べられない達成・一部達成・未達成・変更の区分を付ける運用を先に決める
古いアセスメントと新しいケアプランが結び付く作った日で結び付ける
言葉の句の重みが軽く、サービスの種別の言葉が外れる重みを試しながら決め、役に立った事例の順位で見直す
検索結果の引用の設定がばらばらで誤りになる引用を有効にするかを、全部の検索結果でそろえる
訪問先で他の利用者の事例を開いてしまう事務所の端末からだけ使えるようにする

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも「仮名にしたつもりが、誰の事例か分かる」という同じ形をしています。同じ法人の中で読むからこそ、名前が無くても本人が浮かびます。 仮名加工は規則で作り、人が確かめ、珍しい状態像は外す、の3つで守ります。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 利用者のアセスメント(健康状態、ADL、認知機能、家族等の状況、居住環境、特に留意すべき状況)、ケアプラン、モニタリングの記録です。要配慮個人情報を含みます。

  1. 仮名加工した記録として扱う … 個人情報保護委員会のQ&Aでは、仮名加工情報(個人情報であるもの)について、利用目的の変更の制限などの規定が適用されない一方で、法令に基づく場合を除き第三者提供は認められず、作成前に本人の同意を得ていても同様とされています。法人の外に事例を出さないことを前提にします
  2. 委託先・共同利用の扱いを確かめる … 同じQ&Aでは、委託・事業承継・共同利用の場合は提供が可能とされています。別の法人の事業所と事例を共有するなら、その形にあたるかを先に確かめます
  3. 対応表を分けて保管する … 元の利用者の番号と仮名の番号の対応表は、検索の仕組みから引けない場所に置きます
  4. 見られる範囲を絞る … Amazon OpenSearch Service の細かなアクセス制御で、文書レベル・項目レベルのセキュリティと項目のマスキングが使えます。主任ケアマネジャー以外には、元の記録へのリンクの項目を見せないようにします。細かなアクセス制御には全通信の HTTPS、保存時の暗号化、ノード間の暗号化が要り、有効にした後は無効にできません
  5. 生成AIに渡すのは仮名の事例だけにする … 今回の利用者の氏名や番号は渡しません。状態像の要点も区分と課題の文だけにします
  6. ケアプランの決定を機械に寄せない … 事例は参考で、目標とサービスは本人と家族の意向から決め、サービス担当者会議で合意を取ります

誤りが起きた場合のリスクは、事例から誰かが分かってしまうことと、事例を写した原案で本人の意向が置き去りになることの2つです。 前者は仮名加工の確認、後者は勧める言い方の禁止と取り込みのボタンを作らないことで防ぎます。

10まず何から始めるか

1週目:主任ケアマネジャーと10件を選ぶ

主任ケアマネジャーが過去に相談を受けた難しいケースを10件選び、それぞれに似ていると思う事例を3件ずつ挙げてもらいます。 これが、検索がうまくいったかを測る物差しになります。

2週目:書き出して手で探す

過去1年分の第2表を書き出し、氏名と固有名詞を手で消して、表計算で区分と言葉で探します。主任の3件にどれだけ届くかを数えます。

3週目:モニタリングの記録の書き方を決める

目標ごとに「達成・一部達成・未達成・目標を変更」の区分を付ける運用を決め、翌月のモニタリングから付けてもらいます。 あわせて、第2表の課題を生活の場面で書く書き方の例を事業所で共有します。

4週目:仮名加工の規則を作る

決まった欄の外し方と、文の中の固有名詞の置き換えの規則を作り、100件を抜き取って人が確かめます。 残っていた固有名詞の種類を、規則に足します。

2か月目: OpenSearch の索引と hybrid クエリで半自動化の段階を作り、主任の10件で重みと絞り込みの範囲を決めます。3か月目以降: モニタリングの結果を事例に付け、Claude のまとめを足します。1件40分が何分になったかを実測し、新人のケアマネジャーが事例を添えて主任に相談できるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-08/最終更新:2026-10-08
確認した内容情報源確認日
「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」が2023年10月16日付で一部改正されたこと。課題分析標準項目が、健康状態、ADL、IADL、認知機能や判断能力、家族等の状況、居住環境、その他留意すべき事項・状況などの23の項目であること厚生労働省: 介護保険最新情報 Vol.11782026-10-08
仮名加工情報(個人情報であるもの)等に利用目的の変更の制限などの規定が適用されないこと。法令に基づく場合を除き第三者提供が認められず、作成前に本人の同意を得ていても同様であること。委託・事業承継・共同利用の場合は提供が可能であること個人情報保護委員会: FAQ Q14-172026-10-08
Amazon OpenSearch Service で Sudachi Analysis(日本語に推奨)、k-NN、Neural Search の各プラグインが使えることAWS: Plugins by engine version2026-10-08
hybrid クエリが複数のクエリの関連度の点数を文書ごとにまとめ、クエリの句が最大5つであること。全部の句にかかる filter を置けることOpenSearch: Hybrid query2026-10-08
normalization-processor の正規化が min_max(既定)・l2・z_score、組み合わせが arithmetic_mean(既定)・geometric_mean・harmonic_mean であること。重みが0.0〜1.0で合計1.0であることOpenSearch: Normalization processor2026-10-08
細かなアクセス制御で文書・項目レベルのセキュリティと項目のマスキングが使えること。HTTPS、保存時の暗号化、ノード間の暗号化が必要で、有効にした後は無効にできないことAWS: Fine-grained access control2026-10-08
Titan Text Embeddings V2 の入力が最大8,192トークンまたは50,000文字、出力が1,024次元(512・256も可)であること。英語に最適化され、日本語を含む多言語に対応すること。長い文書は段落や節に分けることが勧められていることAWS: Amazon Titan Text Embeddings models2026-10-08
検索結果のブロックが source・title・content を持ち、引用を付けられること。引用の有効・無効を全部の検索結果でそろえる必要があること。Claude API・Amazon Bedrock・Google Cloud で使えることClaude: Search results2026-10-08

仮名加工の方法と、事例を法人の中でどの範囲まで使うかは、法人の個人情報の担当と決めてください。 本記事は公開されている通知と仕様で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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