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社員からの職務発明の届出・報奨・発表前の手続きの質問に、職務発明規程と知財部の手引きを根拠にチャットで答え、判断の要るものを知財部へ回す

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

研究者や技術者が職務発明の届出・報奨・学会発表の前の手続きをチャットで聞くと、発明の状況と発表の予定を確かめ、職務発明規程・知財の手引き・特許法の条文から根拠付きで答えます。判断の要るものと期限の迫ったものは知財部へ回します。

サマリー
生成AI
Gemini
AIサービス
Azure AI/Google Vertex AI/OpenSearch
連携・自動化
Python
対象業界
IT・SaaS/医療/商社/製造
対象部門
知財/研究開発
対象業務
問い合わせ対応/情報検索
主な課題
問い合わせが多い/情報が見つからない/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
対話
主な効果
対応スピード向上/教育コスト削減/機会損失防止
導入難易度
★★★☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
RAG・個別開発(大)
人間の確認
条件付き
現在工数
40h/月
AI導入後
15h/月
想定削減
63%
年間削減
300h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 研究者が、発表の予定や発明の扱いについて、知財部の担当者にメールか電話で聞く
  2. 担当者が、発明の内容、発表の予定日、共同研究先の有無、発明届を出したかを聞き返す
  3. 職務発明規程、知財の手引き、必要なら特許法の条文を開いて、該当する箇所を探す
  4. 規程の版が問題になる質問は、発明届の受付の仕組みで届出の日を確かめる
  5. 手続きと期限を返信する。発表前に出願が要るものは、出願の段取りを始める
  6. 判断の要るもの(職務発明に当たるか、報奨への不服)は、部長と相談して答える
  7. やり取りを、問い合わせの記録の表に書く
導入後(After)
  1. 人研究者が、社内ポータルの知財チャットで質問する(例:「来月の学会で新しい電極の構造を発表する。何をすればよいか」)
  2. 自動中継プログラムが、ログインした研究者の所属と研究所を受け取る
  3. 自動質問を「届出」「報奨」「発表前の手続き」「その他」に分け、足りない条件(発表の予定日、発表の形、発明届を出したか、共同研究か、届出番号)を選択肢で聞き返す
  4. 自動回す条件(すでに公にした、職務発明かどうかの判断、報奨への不服、共同研究の発明、発表まで一定の日数を切っている)に当たれば、答えを作らずに知財部へ回す
  5. 自動届出番号があれば受付の仕組みから届出の日を引き、その日に効く規程の版に絞って、Agent Search(旧 Vertex AI Search)の answer メソッドが根拠付きで答える
  6. 自動発表前の手続きには、手引きが定める社内の締め切りを、発表の予定日から数えた日付で添える
  7. 人研究者は、根拠の規程と手引きのページを確かめてから、届出や手続きを進める
  8. 人知財部の担当者は、回ってきた質問だけを、聞き取り済みの条件を見て判断する
各工程の詳しい説明を読む
  1. 研究者が、発表の予定や発明の扱いについて、知財部の担当者にメールか電話で聞く
  2. 担当者が、発明の内容、発表の予定日、共同研究先の有無、発明届を出したかを聞き返す
  3. 職務発明規程、知財の手引き、必要なら特許法の条文を開いて、該当する箇所を探す
  4. 規程の版が問題になる質問は、発明届の受付の仕組みで届出の日を確かめる
  5. 手続きと期限を返信する。発表前に出願が要るものは、出願の段取りを始める
  6. 判断の要るもの(職務発明に当たるか、報奨への不服)は、部長と相談して答える
  7. やり取りを、問い合わせの記録の表に書く

(a)発表の直前に質問が届く。 学会の発表が決まり、予稿の締め切りが迫ってから知財部に連絡が来ます。担当者が別の締め切りに追われていると返事が数日遅れ、出願が発表に間に合わなくなります。

(b)規程の版を取り違える。 報奨の質問に、今の規程で答えてしまう。届出の日を確かめずに答えると、後で研究者から「聞いた話と違う」と言われます。

(c)共同研究の発明の扱いが分からない。 大学や取引先と共同で行った研究の成果は、共同研究の契約で扱いが決まっていることがあります。研究者は契約の存在を知らず、社内の規程だけで判断しようとします。

(d)判断の要る話が、普通の質問に混ざる。 「先週の展示会で、まだ届け出ていない構造を見せてしまった」は手続きの質問ではなく、期限の数え始めが決まってしまった出来事です。 メールの山に埋もれると、出願の検討が遅れます。

  1. 【人】 研究者が、社内ポータルの知財チャットで質問する(例:「来月の学会で新しい電極の構造を発表する。何をすればよいか」)
  2. 【自動】 中継プログラムが、ログインした研究者の所属と研究所を受け取る
  3. 【自動】 質問を「届出」「報奨」「発表前の手続き」「その他」に分け、足りない条件(発表の予定日、発表の形、発明届を出したか、共同研究か、届出番号)を選択肢で聞き返す
  4. 【自動】 回す条件(すでに公にした、職務発明かどうかの判断、報奨への不服、共同研究の発明、発表まで一定の日数を切っている)に当たれば、答えを作らずに知財部へ回す
  5. 【自動】 届出番号があれば受付の仕組みから届出の日を引き、その日に効く規程の版に絞って、Agent Search(旧 Vertex AI Search)の answer メソッドが根拠付きで答える
  6. 【自動】 発表前の手続きには、手引きが定める社内の締め切りを、発表の予定日から数えた日付で添える
  7. 【人】 研究者は、根拠の規程と手引きのページを確かめてから、届出や手続きを進める
  8. 【人】 知財部の担当者は、回ってきた質問だけを、聞き取り済みの条件を見て判断する

4番目が、この設計の分かれ目です。 回すかどうかは、質問の種類と聞き返しの値から、中継プログラムの規則で決めます。 「すでに発表した」「展示会で見せた」が選ばれたら、内容にかかわらず回します。AIに任せると、特許法の例外の条文を見つけて手続きを説明し、研究者は「1年あるなら大丈夫」と受け取ります。 例外に頼るかどうかは、知財部が発表の内容を見て決めることです。

6番目の日付は、中継プログラムが計算します。 手引きの「発表の30日前までに発明届」のような締め切りを規則の表に持ち、発表の予定日から引いた日付を表示します。 モデルに日付を数えさせると、月をまたぐところで誤ります。

02今回想定するシステム構成

構成図
社内ポータルの知財チャット(研究者・技術者)
   ▼【トリガー】質問の送信(社員の ID 付き)
中継プログラム(Python、Cloud Run)
   ├──▶ 質問の種類の判定 → 聞き返しの選択肢
   ├──▶ 発明届の受付の仕組み:届出番号 → 届出の日
   ├──▶ 締め切りの表:発表の予定日 → 社内の締め切りの日付
   ├──▶ 回す条件 → 知財部の待ち行列(期限の近い順)
   ▼
Agent Search(Vertex AI Search)── answer メソッド
   │  データストア:職務発明規程(新旧)+社員向けの知財の手引き
   │               +特許法の条文+過去の質疑
   │  絞り込み:doc_type/topic/valid_from/valid_to
   │  閲覧の範囲:知財部の内部の運用メモは知財部だけ
   ▼
中継プログラム ── 根拠の規程の版が届出の日に合っているかを確かめる
   ├──▶ 回答・根拠・社内の締め切りの日付を返す
   └──▶ 答えられない・版が合わない → 知財部の待ち行列
役割想定する製品代替候補
検索基盤Vertex AI Search(Agent Search)の answer メソッドAzure AI Search、Amazon OpenSearch Service
生成AIGemini(answer メソッドの回答の生成に使うモデル)─
連携中継プログラム(Python。Cloud Run で動かし、チャット・受付の仕組み・検索・待ち行列をつなぐ)Node.js で同じものを書く
認証社内の ID 基盤(Microsoft Entra ID など。Workforce Identity Federation でつなぐ)Google の ID
保管Cloud Storage(規程・手引き・条文の原本とメタデータ)─

発明届の受付の仕組みは、新しく足すものではありません。 中継プログラムは届出番号から届出の日を読むだけで、届出の中身(発明の内容)は引きません。最初の準備は、手引きの「発表の何日前までに何をするか」を締め切りの表に起こすことです。

検索の土台は、Agent Search(Vertex AI Search から改称中)の answer メソッドです。 検索の結果から回答を作り、出典を付けられます。セッションを使った複数回のやり取りに対応し、質問の言い換えは既定で有効です。関係の薄い内容しか無いときは回答を作らない設定と、根拠の強さを示すスコアが低い回答を落とす設定があります。

規程の土台は、特許法第35条です。 第35条は、職務発明について、契約や勤務規則などであらかじめ使用者等に特許を受ける権利を取得させることを定めたときは、その権利は発生した時から使用者等に帰属するとしています。そのうえで従業者等は相当の金銭その他の経済上の利益(相当の利益)を受ける権利を持ち、相当の利益の定めは、基準の策定での協議、基準の開示、従業者等からの意見の聴取の状況などを考えて不合理であってはならないとしています。職務発明規程の報奨の章と、報奨に不服があるときの意見の申出の手続きは、この条文の上に立っています。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

起点は、研究者が社内ポータルの知財チャットに質問を送ったことです。 チャットは社内の ID でログインした社員が使え、所属と研究所から、回したときにどの担当者の待ち行列に載せるかを決めます。

発表前の手続きの質問では、発表の予定日を必須にします。 日付が決まっていなければ「未定」を選べますが、未定のまま答えるのは手引きの一般的な手順だけにし、締め切りの日付は出しません。 日付が決まったら、同じセッションで入れ直してもらいます。

1件の質問は、1つのセッションで最後まで続けます。 「では論文の投稿の場合は」のような続けての質問も同じセッションでつなぎ、別の発明の話は新しいセッションで始めます。 前の発明の条件が言い換えの中に残るからです。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
質問研究者が打った質問の文、選んだ聞き返しの値チャット
社員の情報所属、研究所社内の ID 基盤
届出の情報届出番号、届出の日、出願の有無(発明の内容は引かない)発明届の受付の仕組み
職務発明規程新旧の規程の全文、適用の区分(附則)社内ポータルのPDF
社員向けの知財の手引き届出の手順、発表前の手続き、共同研究の扱い、報奨の説明社内ポータルのPDF
特許法の条文第29条(特許の要件)、第30条(新規性の喪失の例外)、第35条(職務発明)e-Gov 法令検索の法令API
締め切りの表発表の形ごとに、発表の何日前までに何をするか知財部が作る表
回す条件の表質問の種類ごとに、聞き返す項目と選択肢、答えずに回す値知財部が作る表

質を決めるのは、回す条件の表です。 「すでに公にした」「職務の範囲かどうか分からない」「報奨の額に納得できない」「共同研究の相手がいる」「発表まで14日を切っている」のような値が選ばれたら、答えを作らずに回す、という規則をこの表に書きます。 14日のような日数は、知財部が出願の段取りに要る日数から決めます。

発明の内容は、この構成に入れません。 研究者が質問の文に技術の中身を書くことがありますが、決まりを答えるのに発明の中身は要りません。 チャットの画面にその旨を表示し、中継プログラムは検索の文に技術の説明を含めない形で組み立てます。

Step3

データの取得方法を決める

規程・手引き・条文・過去の質疑は、Cloud Storage に置いてデータストアに取り込みます。 文書ごとのメタデータに、文書の種類、話題(届出/報奨/発表前/共同研究)、適用開始日、適用終了日、閲覧の範囲を持たせます。

取るものどこから何に使うか
文書の種類(規程/手引き/条文/質疑)メタデータ絞り込みと、根拠の表示の順
話題メタデータ質問の種類に合う記載だけに絞る
適用開始日・終了日メタデータ届出の日に効く規程の版だけに絞る
閲覧の範囲acl_info知財部の内部の運用メモを知財部だけに出す

特許法の条文は、e-Gov 法令検索の法令API(laws.e-gov.go.jp/api/2/law_data/…)から取り込みます。 条文の改正の施行日をメタデータに持たせ、半年に一度、APIの改正情報を知財部が確かめます。

絞り込みの式は、話題と版で書きます。 項目を索引可能にしておけば、topic: ANY("reward") AND valid_from <= "2021-03-15" AND valid_to >= "2021-03-15" のように、届出の日に効いていた規程の版だけを引けます。日付は ISO 8601 の形式でそろえます。届出番号が無い質問は、今の版で答えます。

知財部の内部の運用メモには、閲覧の範囲を付けます。 報奨の算定の内部の目安や、審査の場の運用は、研究者に見せる文書ではありません。 acl_info に知財部のグループだけを書きます。この設定はデータストアの作成時にしか選べず、データソースのアクセス制御はプレビューの機能です。 使わない場合は、内部の運用メモを別のデータストアに分け、知財部の画面からしか呼ばない形にします。

Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 規程を条ごとに分ける … 新旧の規程を、条の見出しが付いた形で取り込みます。附則の適用の区分は、別の断片にします
  2. 版の適用開始と終了を付ける … 旧規程には改定の日を終了日として書きます
  3. 手引きを話題で分ける … 届出、発表前、共同研究、報奨の見出しを立てます
  4. 締め切りの表を作る … 手引きの「発表の○日前までに」を、発表の形(学会・論文・展示会・顧客への説明・プレスリリース)ごとに表にします
  5. 条文を取り込む … 第29条、第30条、第35条を、条の見出しを付けて取り込みます
  6. 過去の質疑を整える … 研究者の氏名と技術の中身を消し、根拠の条を書き添えます
  7. 見出しを断片に含める … データストアの作成時に分割を有効にし、includeAncestorHeadings を有効にします

2番目の版の付け方が、この構成でいちばん効きます。 報奨の質問の多くは「登録されたら何がもらえるか」で、版が届出の日で決まるのか、出願や登録の日で決まるのかは、自社の附則に書いてあります。 附則を読んで適用の基準日を決め、メタデータに持たせます。本記事のモデルでは届出の日を基準にしています。

7番目は、データストアを作る前に決めます。 分割はデータストアの作成のあとでは有効にも無効にもできず、見出しを含める設定は既定では無効です。 「前項の届出」のような断片は、見出しが無いとどの条の話か分かりません。分割の大きさは100〜500トークンで、既定は500です。

Step5

AIに処理させる

させるのは、聞き取った条件に当たる規程・手引き・条文の記載を見つけ、研究者が次に何をすればよいかを、根拠を付けて短く返すことです。 何を聞き返すか、何を回すかは、回す条件の表で中継プログラムが決めます。

要素中身根拠
次にすること届出・相談・書類の提出などを順に手引き
決まりの根拠規程の条、手引きの節規程、手引き
条文の位置関係する特許法の条条文
締め切り中継プログラムが計算した日付をそのまま締め切りの表

answer メソッドの設定は次のようにします。

設定値理由
session質問ごとのセッション聞き返しと続けての質問をつなぐ
includeCitations有効回答に規程の条と手引きの節を付ける
ignoreLowRelevantContent有効規程と手引きに無い話に答えない
ignoreNonAnswerSeekingQuery有効あいさつや雑談で検索しない
groundingSpec の filteringLevelFILTERING_LEVEL_HIGH根拠の弱い回答を出さない
filter話題、版、文書の種類届出の日に効く版と、質問の話題だけにする
preamble下の指示答え方の規則を与える
させないこと理由
職務発明に当たるかの判断業務範囲と職務の範囲は知財部が事情を聞いて判断する
報奨の額の計算規程の算定は知財部が行う
出願するか・秘匿するかの判断審査の場で決める
新規性の喪失の例外に頼れるかの判断発表の内容と時期を知財部が見て決める
一般的な特許の知識で補う自社の規程と手引きと違いうる

4行目がいちばん起きやすい失敗です。 特許法第30条の条文は検索で見つかり、モデルは条文どおりに「1年以内に出願すれば」と説明できてしまいます。 それを読んだ研究者は、発表してから出願すればよいと受け取ります。例外の条文は、知財部へ回すときの説明にだけ使います。

Step6

指示内容を固定する

answer メソッドの preamble に、次の指示を入れます。

あなたは知的財産部の担当者として、
研究者・技術者から職務発明の届出・報奨・発表前の手続きの質問に答えます。
読むのは、研究の合間に確かめている社員です。短く答えてください。

【前提】
検索の文の最初に、質問の種類、発表の形、発表の予定日、
発明届を出したか、届出の日、共同研究かどうかが並んでいます。
その条件に当たる記載だけを使って答えてください。

【答え方】
1. 最初に、研究者が次にすることを、手引きの手順の順に書いてください。
2. 締め切りの日付が別に表示されるときは、その日付を書き換えないでください。
3. 根拠にした規程の条と手引きの節を書いてください。
4. 特許法の条文は、手続きの根拠を示すときだけ条の番号を書いてください。

【厳守事項】
- 検索結果の文書に書かれていることだけで答えてください。
  一般的な特許の知識や他社の例で補わないでください。
- 職務発明に当たるかどうかを書かないでください。
- 報奨の額を計算しないでください。
- 発表してから出願すればよい、と受け取れる書き方をしないでください。
  新規性の喪失の例外については、「知財部へ回します」とだけ書いてください。
- 出願するか、秘匿するかを書かないでください。
- 技術の内容に触れないでください。
- 該当する記載が見つからないときは、
  「規程と手引きに該当する記載が見つかりません。知財部へ回します」
  とだけ書いてください。

「発表してから出願すればよい、と受け取れる書き方をしない」が、この指示の要です。 例外の条文を禁じるだけでは、手引きにある「やむを得ず発表した場合は」という節を要約して同じことを書きます。書き方そのものを禁じ、その話題は回す条件の側で拾います。

検索の文は、中継プログラムが組み立てます。 例えば「種類:発表前の手続き、発表の形:学会の口頭発表、発表の予定日:2026-11-20、発明届:未提出、共同研究:なし。発表の前に何をすればよいか」のように、条件を先に並べ、研究者の質問の文を最後に足します。 技術の説明の部分は渡しません。

Step7

出力形式を固定する

answer メソッドの応答を、中継プログラムが次の形に整えて、チャットと記録に渡します。

{
  "inquiry_id": "",
  "session_id": "",
  "lab": "",
  "category": "disclosure | reward | pre_publication | other",
  "conditions": { "publication_type": "conference | paper | exhibition | customer | press | none", "publication_date": "", "disclosure_filed": false, "disclosure_no": "", "disclosure_date": "", "joint_research": false },
  "rule_version": "",
  "status": "answered | escalated | skipped",
  "escalate_reason": "already_public | employee_invention_judgment | reward_objection | joint_research | deadline_short | not_in_rules | version_mismatch | skipped | user_request | none",
  "answer_text": "",
  "internal_deadlines": [ { "step": "", "due_date": "", "rule_row": "" } ],
  "refs": [ { "doc_type": "rule | guide | statute | qa", "title": "", "article": "", "version": "", "uri": "" } ],
  "feedback": "resolved | escalated_after | wrong | none"
}

1つ目の理由は、conditions を回答と一緒に残せることです。 知財部へ回すとき、発表の予定日と届出の状況がそのまま渡るので、担当者は聞き直さずに出願の段取りに入れます。

2つ目は、internal_deadlines を回答の文と分けられることです。 日付は締め切りの表から中継プログラムが計算し、rule_row に表の行を残します。回答の文の中に別の日付が出てきたら、回答を出さずに回します。

3つ目は、escalate_reason で回った理由を数えられることです。 already_public が多い研究所は、発表前の手続きの説明会を開く材料になります。 deadline_short が多い発表の形は、締め切りの表の日数を見直します。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
社内ポータルの知財チャット社内向けの画面質問を受け、聞き返しと回答を表示する
社内の ID 基盤Workforce Identity Federation所属と研究所、閲覧の範囲を決める
発明届の受付の仕組み読み取り(届出番号で照会)届出の日と出願の有無を引く
Agent Searchanswer メソッドの呼び出し社員の ID で、規程・手引き・条文から回答を作る
知財部の待ち行列書き込み回す質問を、条件と一緒に、発表の予定日の近い順に載せる
問い合わせの記録書き込み質問・条件・回答・評価を残す

発明届の受付の仕組みには、書き込みません。 届出は研究者が受付の仕組みから出し、チャットは届出の画面へのリンクを示すだけです。 受付の仕組みの照会のしかたは製品によって違い、この部分は個別の実装が必要です。

Step9

人が確認する

研究者は、回答を読んだあと、根拠の規程と手引きのページを開いて確かめてから手続きを進めます。 回答の上には、選んだ条件と、適用した規程の版を並べて表示します。

  1. 条件が合っているかを見る … 発表の予定日と形、共同研究かどうかが、実際と合っているかを確かめます
  2. 規程の版を見る … 報奨の質問では、届出の日と版が合っているかを見ます
  3. 評価を付ける … 解決した/知財部へ回した/誤りを選びます

1番目を軽く見ないでください。 共同研究の契約があるのに「なし」を選ぶと、社内の規程だけで答えが返り、契約の定めが抜け落ちます。 迷ったら「分からない」を選べるようにし、それも回す値にします。

知財部の担当者は、回ってきた質問だけを見ます。 already_public と deadline_short はその日のうちに研究者と話し、出願の段取りを決めます。

目標は、150件をならして1件6分です。 チャットで解決した質問の記録の確認と、回ってきた質問を担当者が判断する時間の平均です。

Step10

例外に対処する

起きること対応
届出番号が見つからない番号の打ち直しを促し、見つからなければ今の版で答え、そのことを表示する
「すでに公にした」が選ばれる答えを作らず already_public で回し、担当者へ即時に通知する
発表まで規定の日数を切っている答えを作らず deadline_short で回し、待ち行列の先頭に載せる
共同研究の発明答えを作らず joint_research で回す
職務の範囲か分からない答えを作らず employee_invention_judgment で回す
報奨の額への不服答えを作らず reward_objection で回し、規程の意見の申出の手続きを示す
根拠の規程の版が届出の日と合わない回答を出さず version_mismatch で回す
回答の文に表と違う日付がある回答を出さずに回す
検索の呼び出しが失敗する「回答を作れませんでした」と表示し、知財部の連絡先を示す

2行目は、運用の約束として研究者に伝えておきます。 公にしてしまったことを報告できる窓口だと分かっていないと、研究者は「発表前に何をすればよいか」という形で聞き、手続きの案内で済ませてしまいます。

Step11

記録を残す

  • 質問の文、選んだ聞き返しの値、日時、所属と研究所
  • 中継プログラムが組み立てた検索の文と、使った絞り込みの式
  • answer メソッドの応答の全文(回答、出典、根拠のスコア、回答しなかった理由)
  • 計算した締め切りの日付と、締め切りの表の行
  • 回す・回さないの判定と、その理由、知財部が最終的に答えた内容
  • そのとき効いていた規程と手引きの版

最後の行は、報奨の行き違いを後から確かめるときに効きます。 「あのとき登録時にももらえると聞いた」という申出に、当時の版と返した回答を並べて見られるようにしておきます。

04実装レベルの3段階

最小構成:規程・手引き・条文を手元のAIサービスに読み込ませ、担当者が質問の条件を貼って聞く / 該当する条と節の検索
半自動化:上記+データストアを作り、担当者がメールを受けながら検索画面で聞く / 根拠付きの回答と、届出の日に合った版の選択
本格構成:上記+研究者がチャットで直接聞き、聞き返しと回す判断、締め切りの日付の計算を行う / 質問の受け付けから回答・引き継ぎまで

半自動化で、1件16分が10分程度になります。 探す時間は縮みますが、メールの聞き返しと、担当者が全件を受ける形が残ります。本格構成で6分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、聞き返しがチャットの選択肢に移り、期限の迫ったものが最初から分かれて届くからです。 段階を飛ばさないでください。 半自動化の1か月で、担当者が最初に何を聞き返しているかを拾い、聞き返しの選択肢と回す条件の表の元にします。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
5 名
月間件数
150 件
1件あたり現在時間
16 分
1件あたり導入後時間
6 分
現在  150件 × 16分 ÷ 60 = 40 時間/月
導入後 150件 × 6分 ÷ 60 = 15 時間/月
月間削減時間
25h
削減率
63%
年間削減時間
300h
年間金額換算(時間単価4,500円)
135万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 研究開発の部門を持ち、研究者・技術者が数百名以上いて、職務発明規程と社員向けの知財の手引きを定めている企業。学会発表・論文投稿・展示会・プレスリリースの前の手続きや、発明の届出と報奨について、知財部にメールと電話で質問が毎月届いている場合。職務発明規程を改定したことがあり、届出の時期によって適用される版が違う場合。
向いていない
  1. 研究者が数名で、知財の担当者が全員の研究を把握している場合。職務発明規程や社員向けの手引きが無く、扱いを知財部の担当者が毎回決めている場合(根拠にする文書が無いので、まず規程と手引きを整えるのが先です)。職務発明に当たるか、報奨をいくらにするか、出願するかをAIに決めさせたい場合(この構成は規程と手引きの該当箇所を示すだけで、判断は知財部と職務発明の審査の場で行います)。

07最小構成で試す方法

  1. 過去半年に知財部に届いた質問から30件を選ぶ(発表前の手続きと、報奨で規程の版が問題になった質問を数件ずつ入れる)
  2. その30件について、担当者がどの規程と手引きを見てどう答えたかを記録から拾う
  3. 新旧の職務発明規程、社員向けの手引き、特許法の第29条・第30条・第35条を、手元のAIサービスに資料として読み込ませる
  4. 条件を並べて貼り、「添付の資料だけを根拠に、次にすることを答えてください。職務発明に当たるか、報奨の額、例外に頼れるかは書かないでください」と指示する
  5. 出てきた回答を、当時の担当者の回答と突き合わせる
出てきた内容判断
当時と同じ根拠で同じ答えが出たデータストアの構築に進む
例外の条文で「発表後でも」と説明した指示の書き方と回す条件で直る。構成は有効
規程の版を取り違えた附則の適用の基準日を決め、版を付けるのが先。 検索の問題ではない

3行目が出ることは珍しくありません。 担当者が記憶で補っていた「この発明は旧規程」が、文書の側に付いていないと分かったということです。 附則を読み直して版を付け、同じ30件で試し直してください。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
例外の条文で「発表後でも出願できる」と説明する書き方を禁じ、公にした話題は回す条件で拾う
報奨の質問に今の規程で答える届出番号から届出の日を引き、版で絞り込む
職務発明に当たるかを答える回す条件の表に入れ、答えられても答えさせない
共同研究の契約の定めが抜ける共同研究を聞き返しの必須項目にし、ありなら回す
モデルが締め切りの日付を数え違える日付は中継プログラムが計算し、文の中の日付を表と照らす
質問の文に技術の中身が書かれる画面で注意し、検索の文に技術の説明を渡さない
内部の運用メモが研究者に見える閲覧の範囲を付けるか、別のデータストアに分ける
見出しの無い断片で答える作成時に includeAncestorHeadings を有効にする。後から変えられない

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、条文や規程としては正しい記載を引いているのに、その研究者のその発明には当てはまらないという失敗です。公にしたかどうかと届出の日を、最初に機械で確かめているかで防げるかが決まります。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 職務発明規程、社員向けの知財の手引き、特許法の条文、過去の質疑、発明届の届出の日、研究者の質問の文です。質問の文には、未出願の発明の中身が書かれることがあります。

  1. 未出願の技術の中身を入れさせない … 画面に「技術の内容は書かないでください」と表示し、検索の文には条件と質問の部分だけを渡します。 未出願の発明が外部のサービスの記録に残ることを避けます
  2. 職務発明の判断と報奨の額をAIに作らせない … 特許法第35条は、相当の利益の定めが不合理であってはならないとし、意見の聴取の状況などを考慮するとしています。報奨への不服は、規程の手続きで人が聞きます
  3. 例外に頼る判断を知財部に残す … 公にした発明の扱いは、発表の内容と時期を知財部が見て決めます
  4. 内部の運用メモを出し分ける … 報奨の算定の内部の目安は知財部だけが見られるようにします
  5. 問い合わせの記録の保存の期間を決める … 報奨の申出に答えられる期間だけ残し、期間を過ぎたら消します

誤りが起きた場合のリスクは、例外に頼れると受け取らせて発表を先に進めさせることと、規程の版を取り違えて報奨を誤って伝えることの2つです。 前者は回す条件と書き方の禁止で、後者は届出の日による版の絞り込みで防ぎます。どちらも規則と設定で守り、AIの回答の文に頼りません。

10まず何から始めるか

1週目:規程の版と締め切りの表を作る

新旧の職務発明規程の附則を読み、どの日を基準に旧規程と新規程が分かれるかを決めます。あわせて、手引きの「発表の何日前までに」を、学会・論文・展示会・顧客への説明・プレスリリースごとに表にします。

2週目:30件で試す

過去半年の質問から30件を選び、手元のAIサービスに規程・手引き・条文を読み込ませて、条件を並べて聞きます。例外の条文で「発表後でも」と書いていないか、版を取り違えていないかを最優先で見ます。

3週目:回す条件の表を決める

「すでに公にした」「共同研究」「職務の範囲が分からない」「報奨への不服」「発表まで日数が無い」を中心に、聞き返す項目と回す値を表にし、知財部長の承認を取ります。

4週目:データストアを作る

閲覧の範囲と分割・見出しの設定を決めて、規程・手引き・条文・質疑を取り込みます。知財部の担当者が検索画面で使い、自分の回答と比べます。

2か月目: 中継プログラムとチャットを作り、研究所の1つで試します。回った理由を毎週数えます。3か月目以降: 全社に広げ、1件16分が何分になったかを実測します。知財部に届く質問が、判断の要るものと期限の迫ったものだけになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-07/最終更新:2026-10-07
確認した内容情報源確認日
Vertex AI Search が Agent Search へ改称中であること。answer メソッドがセッションによる複数回のやり取りに対応し、質問の言い換えが既定で有効なこと。includeCitations、ignoreLowRelevantContent、ignoreNonAnswerSeekingQuery、preamble、filter、session。groundingSpec の filteringLevel で根拠の弱い回答を落とせることGoogle Cloud: Get answers and follow-ups2026-10-07
絞り込みの ANY()、比較の演算子、AND/OR、項目を索引可能にする必要があること、日付を ISO 8601 で書くことGoogle Cloud: Filter search for structured or unstructured data2026-10-07
レイアウトパーサーが表と見出しを検出し、PDF などを扱えること。分割の大きさが100〜500トークン(既定500)、includeAncestorHeadings が既定で無効、分割は作成後に切り替えられないことGoogle Cloud: Parse and chunk documents2026-10-07
データソースのアクセス制御がプレビューの機能であること。データストアの作成時にしか設定できないこと。Microsoft Entra ID などを Workforce Identity Federation でつなげることGoogle Cloud: Set up data source access control2026-10-07
特許法第35条(職務発明。あらかじめ定めたときは特許を受ける権利が発生した時から使用者等に帰属すること、相当の利益を受ける権利、相当の利益の定めが協議・開示・意見の聴取の状況等を考慮して不合理であってはならないこと)。第30条(特許を受ける権利を有する者の行為に起因して公になった発明について、1年以内の出願で新規性を失わなかったものとみなすこと、出願と同時の書面と30日以内の証明書の提出)。2026年6月24日施行の改正を反映した版e-Gov 法令検索 法令API: 特許法2026-10-07

職務発明に当たるか、報奨の内容、公にした発明の扱いは、自社の職務発明規程と知財部の判断、必要に応じて弁理士の助言に従ってください。 本記事は Google Cloud と e-Gov 法令検索で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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