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建設現場の週次の定例打合せの記録から、決まったこと・宿題・工程の変更を議事録にして参加者へ配る

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

建設現場の週次の定例打合せを Teams の会議として開き、その文字起こしから議事録の下書きを作ります。決まったこと、宿題(どの会社が・いつまでに)、工程の変更を決めた様式で並べ、工事担当が直して参加者へ配ります。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini/Microsoft Copilot
連携・自動化
Make/Power Automate/Zapier
対象業界
不動産/建設
対象部門
生産
対象業務
記録・議事録作成
主な課題
人手が足りない/書類作成に時間がかかる/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
要約
主な効果
品質標準化/対応スピード向上/工数削減
導入難易度
★☆☆☆☆
実装レベル
半自動化
費用感
SaaS追加(小)
人間の確認
条件付き
現在工数
125h/月
AI導入後
40h/月
想定削減
68%
年間削減
1,020h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 工事担当が定例のあいだ、手元のノートにメモを取る
  2. 定例の後、現場の巡回を済ませてから、夕方以降にメモを見返す
  3. メモで足りないところを、Teams の録画を早送りしながら探して聞き直す
  4. 議事録の様式(Word)に、議題ごとに決まったことと宿題を書く
  5. 工程の変更があれば、工程表と見比べて日付を確かめ、議事録に書き足す
  6. 所長に確かめてもらい、直す
  7. PDFにして、施主・設計事務所・協力会社へメールで送る
導入後(After)
  1. 人工事担当が定例を Teams の会議として開き、冒頭で録画と文字起こしを始める。現場事務所の参加者は、会議室のマイクに向かって会社名から話す
  2. 自動会議が終わると、文字起こしが会議の記録とともに保存される
  3. 人工事担当が会議のチャットから Copilot を開き、共有されている議事録用のプロンプトを貼って実行する
  4. 自動Copilot が、決定事項・承認待ち・協議中・宿題・工程の変更・前回の宿題の状況を、決めた様式の表で返す
  5. 人工事担当が下書きを議事録の様式(Word)に貼り、日付・数量・会社名を文字起こしと照らして直す
  6. 人所長が確かめ、承認待ちの欄に漏れがないかを見る
  7. 人工事担当が確定版を配布用のフォルダに保存する
  8. 自動保存をきっかけにフローが動き、PDFに変換して参加者の名簿の宛先へメールで送る
各工程の詳しい説明を読む
  1. 工事担当が定例のあいだ、手元のノートにメモを取る
  2. 定例の後、現場の巡回を済ませてから、夕方以降にメモを見返す
  3. メモで足りないところを、Teams の録画を早送りしながら探して聞き直す
  4. 議事録の様式(Word)に、議題ごとに決まったことと宿題を書く
  5. 工程の変更があれば、工程表と見比べて日付を確かめ、議事録に書き足す
  6. 所長に確かめてもらい、直す
  7. PDFにして、施主・設計事務所・協力会社へメールで送る

(a)録画を見返すのに時間がかかる。 3番は、1時間の録画の中から「あの話はどこだったか」を探す作業です。メモが薄い議題ほど、見返す時間が長くなります。 議事録の作成の時間の半分近くがここに消えます。

(b)配布が遅れる。 2番で夕方以降に回るのは、日中は現場を離れられないからです。定例が水曜なら、議事録が届くのは金曜か翌週の月曜です。 その間に、協力会社は口頭の記憶で動きます。

(c)宿題の持ち主と期限が曖昧になる。 会議の中では「それ、確認しておきます」「来週までに」という言い方で宿題が生まれます。誰が言ったのか、来週のいつまでなのかを、メモから復元できないことがあります。 議事録に「〇〇の件、確認する」とだけ書かれた宿題は、次の定例で「誰がやるんでしたっけ」になります。

(d)承認待ちのものが決定事項に紛れる。 現場で合意した納まりの変更が、施主の承認前なのに「決定」として議事録に載ることがあります。協力会社がそれを見て材料を手配してしまうと、後から戻せません。

  1. 【人】 工事担当が定例を Teams の会議として開き、冒頭で録画と文字起こしを始める。現場事務所の参加者は、会議室のマイクに向かって会社名から話す
  2. 【自動】 会議が終わると、文字起こしが会議の記録とともに保存される
  3. 【人】 工事担当が会議のチャットから Copilot を開き、共有されている議事録用のプロンプトを貼って実行する
  4. 【自動】 Copilot が、決定事項・承認待ち・協議中・宿題・工程の変更・前回の宿題の状況を、決めた様式の表で返す
  5. 【人】 工事担当が下書きを議事録の様式(Word)に貼り、日付・数量・会社名を文字起こしと照らして直す
  6. 【人】 所長が確かめ、承認待ちの欄に漏れがないかを見る
  7. 【人】 工事担当が確定版を配布用のフォルダに保存する
  8. 【自動】 保存をきっかけにフローが動き、PDFに変換して参加者の名簿の宛先へメールで送る

5番目が、この設計の分かれ目です。 Copilot の下書きは、文字起こしに書かれていることをもとに作られます。文字起こしが「7月」を「1月」と聞き違えていれば、下書きも1月になります。 日付と数量と会社名だけは、必ず文字起こしの原文と照らします。

6番目で所長が見るのは、承認待ちの欄です。 決定事項に紛れた承認待ちは、協力会社の手配を誤らせます。所長は議事録の全文を読み直す代わりに、決定事項と承認待ちの仕分けが正しいかに時間を使います。

02今回想定するシステム構成

構成図
定例打合せ(Teams の会議。現場事務所+本社・設計事務所)
   │  冒頭で録画と文字起こしを開始
   ▼ 文字起こしが会議の記録とともに保存される
Microsoft Copilot(会議のチャット/まとめのタブ)
   │  議事録用のプロンプトを実行
   │   ・決定事項/承認待ち/協議中
   │   ・宿題(会社・内容・期限)
   │   ・工程の変更(変更前・変更後・影響する作業)
   │   ・前回の宿題の状況
   ▼
【人】工事担当が様式に貼り、日付・数量・会社名を直す
【人】所長が承認待ちの仕分けを確かめる
   ▼ 確定版を配布用のフォルダに保存
Power Automate ── PDFに変換 ── 参加者へメール
役割想定する製品代替候補
処理Microsoft Copilot(Teams 会議の Copilot)Claude、ChatGPT、Gemini
連携Power Automate(PDFへの変換とメールの送信)Make、Zapier
会議と文字起こしMicrosoft TeamsZoom、Google Meet
保管OneDrive、SharePointBox、Google ドライブ

Microsoft Copilot を選ぶのは、会議の文字起こしと同じ場所で下書きを作れるからです。 文字起こしを書き出してほかのサービスへ貼る手間がなく、文字起こしを会社の外へ持ち出さずに済みます。 なお、Microsoft 365 Copilot は Microsoft Copilot に名前が変わっていますが、提供されている機能とライセンスの名前は移行の途中で旧称が残っているとされています。

会議の後に Copilot を使うには、文字起こしが要ります。 会議が終わった後に、会議で話されたことについて質問するには、会議の文字起こしが必要とされています。会議の後は、会議のチャットの右上から Copilot を開くか、文字起こしが有効だった場合は「まとめ」のタブから使えます。 文字起こしを始めると、会議の24時間前からのチャットも合わせて使われます。

管理者の設定も確かめます。 Teams 管理センターの会議ポリシーで、Copilot の設定は「保存された文字起こしが必要」が既定値で、このとき主催者の会議のオプションは「会議中と会議後」に固定されます。文字起こしの設定は新しいポリシーでは既定でオンです。主催者がオンで、録画や文字起こしを始める人もオンである必要があります。

ライセンスは、議事録を作る工事担当に付ければ足ります。 Copilot は Microsoft 365 の対象のプランへの追加のライセンスとして提供されます。施主や協力会社の参加者には要りません。 議事録は工事担当が作り、PDFで配るからです。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

起点は、工事担当が会議の後に Copilot を開いてプロンプトを実行することです。 会議の終了と同時に自動で議事録を作る形にはしません。定例の後、工事担当が5分でも内容を思い返してから下書きを作るほうが、直す箇所が先に分かるからです。

ただし、下書きを作る時刻は決めます。定例が終わってから現場の巡回に出る前の15分を、議事録の下書きの時間として予定表に入れます。この時点では直さず、下書きを様式に貼るところまでで止めます。

配布の側は、ファイルの保存が起点です。 確定版を配布用のフォルダに保存したことをきっかけに、Power Automate のフローが動きます。OneDrive のトリガー「ファイルが作成されたとき」を使います。このトリガーは、OneDrive の中で移動したファイルを新しいファイルとして扱わないとされています。 下書きのフォルダから確定版を「移動」すると動かないので、配布用のフォルダには「名前を付けて保存」で新しく保存する決まりにします。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
文字起こし発言の時刻と話し手、話した内容Teams の会議(会議の記録とともに保存)
会議のチャット会議の中と前後に書かれたメッセージ、共有された資料のリンクTeams の会議のチャット
前回の議事録前回の宿題の一覧(会社・内容・期限)議事録の保管フォルダ
参加者の名簿会社名、氏名、役割、議事録の送り先現場ごとの名簿
議事録の様式見出しと表の列の決まりWord の様式

質を決めるのは、文字起こしの話し手の情報です。 本社や設計事務所から Teams につないでいる人は、自分のアカウントの名前で記録されます。一方、現場事務所に集まった人が会議室のパソコン1台から参加していると、発言を一人ひとりに分けて記録できないことを前提にすべきです。 そのため、現場事務所の参加者には「〇〇設備の△△です」と会社名から話してもらう決まりを作ります。

前回の議事録は、会議のチャットに貼っておきます。 定例の冒頭で、工事担当が前回の宿題の一覧をチャットに貼ります。会議のチャットは Copilot の材料になるので、これだけで前回の宿題の状況を突き合わせられます。 別のファイルを Copilot に読ませる手順を増やさずに済みます。

Step3

データの取得方法を決める

Teams の会議として開き、冒頭で録画と文字起こしを始めます。 文字起こしは会議の記録とともに OneDrive と SharePoint に保存されます。チャネルではない会議の記録は、主催者の OneDrive に保存されます。 会議の後は、工事担当が会議のチャットから Copilot を開くだけで、文字起こしが材料になります。

取るものどこからどう取るか
文字起こし会議の記録会議で文字起こしを始めておく。会議の後に Copilot が参照する
前回の宿題前回の議事録定例の冒頭に、工事担当が会議のチャットへ貼る
話している言語会議の設定文字起こしを始めるときに、話している言語を日本語にする
参加者と送り先現場ごとの名簿配布のフローが名簿を読む

話している言語の設定を軽く見ないでください。 文字起こしは選んだ話し言葉の言語で行われます。言語が合っていないと、文字起こしそのものが崩れ、下書きも崩れます。 日本語は文字起こしの対応言語に含まれています。

録画と文字起こしには保存の期限があります。 会議の録画と文字起こしは、既定で120日で期限が切れ、ごみ箱へ移るとされています。議事録の根拠として残したい場合は、期限の設定を確かめ、確定した議事録と一緒に必要な期間保管する手順を決めます。

Step4

AIへ渡す前に整形する

AIに渡す前の処理は、ほとんどが会議の開き方の決まりです。

  1. 会議を Teams の会議として予定する … 毎週の定例を、定期的な会議として予定表に入れます。会議のチャットが毎週同じ場所に残ります
  2. 冒頭で録画と文字起こしを始める … 始める前に、参加者に録画と文字起こしをすることを口頭で伝えます
  3. 前回の宿題をチャットに貼る … 会社・内容・期限の3列の表で貼ります
  4. 会社名から話す … 現場事務所の参加者は、発言の最初に会社名を言います
  5. 日付は月日と曜日で言う … 「来週の頭」ではなく「10月14日の火曜」と言ってもらいます。工程の変更の話のときだけでよいので、所長が意識して言い直します
  6. 図面を指して話した箇所は、図面番号を口に出す … 画面共有の中身は文字起こしに残りません

5番目と6番目が、下書きの質にいちばん効きます。 「ここをこう」「その次の週」という話し方は、会議の中では通じても、文字起こしには何も残りません。会議の運び方を少し変えるだけで、AIが読める情報が増えます。

Step5

AIに処理させる

させるのは、文字起こしと会議のチャットから、決めた欄を埋めることだけです。

欄中身判断できないときの扱い
決定事項その場で合意され、承認の手続きが要らないもの承認が要るか分からなければ「承認待ち」に置く
承認待ち合意したが、施主の承認・設計変更の手続き・監理者の確認が要るもの-
協議中結論が出ず、次回以降に持ち越すもの-
宿題会社、内容、期限、根拠の発言の時刻会社が分からなければ「不明」、期限が無ければ「期限なし」
工程の変更作業、変更前、変更後、理由、影響する作業、承認の要否日付が言われていなければ空欄
前回の宿題の状況完了/継続/触れられず触れられなければ「触れられず」

1行目の「判断できないときは承認待ちに置く」が、第1章で書いた中心です。 承認待ちを決定事項に入れる誤りと、決定事項を承認待ちに入れる誤りでは、前者のほうがはるかに重いからです。迷ったら軽いほうの誤りに倒します。

最後の行の「触れられず」も大事です。 前回の宿題のうち、今回の定例で一度も話に出なかったものは、完了したのか忘れられたのか分かりません。「触れられず」と明記して、工事担当が次回の冒頭で確かめます。

させないこと理由
承認が済んだと判断する承認の有無は記録で確かめる
話し手が分からない発言を誰かに割り当てる宿題の持ち主を取り違える
言われていない日付を補う工程の変更は協力会社の手配に直結する
工程表と照らして日付を直す工程表は工事担当が見る
安全上の指摘を省く短くするより、漏らさないほうが大事

5行目の安全の連絡は、議事録の中で唯一「短くしない」欄です。 「足場の手すりの外し忘れ」「クレーン作業の立入禁止の範囲」は、要約すると対象の会社と場所が落ちます。 安全の連絡は、言われたとおりの言葉で、対象の会社と一緒に残させます。

Step6

指示内容を固定する

この会議は、建設現場の週次の定例打合せです。
会議の文字起こしと会議のチャットだけを根拠に、議事録の下書きを作ってください。
書かれていないことを補わないでください。

【出力する欄】次の順で、それぞれ表で出してください。
1. 決定事項(議題/内容/根拠の発言の時刻)
2. 承認待ち(議題/内容/誰の承認が要るか/根拠の発言の時刻)
3. 協議中(議題/論点/次回までに必要なこと)
4. 宿題(会社/内容/期限/根拠の発言の時刻)
5. 工程の変更(作業/変更前/変更後/理由/影響する作業/承認の要否)
6. 前回の宿題の状況(チャットに貼られた前回の宿題ごとに、完了/継続/触れられず)
7. 安全の連絡(内容/対象の会社)

【厳守事項】
- 施主の承認、設計変更の手続き、監理者の確認が必要と話されたものは、
  決定事項に入れず、承認待ちに入れてください。
  必要かどうか分からないものも承認待ちに入れてください。
- 宿題の会社は、発言の中で名乗られた会社名か、話し手の所属で決めてください。
  決められない場合は「不明」と書き、推測しないでください。
- 期限は、会議の中で言われた日付だけを書いてください。
  「来週中」のように日付が言われていない場合は、言われたとおりに書いてください。
- 工程の変更で、変更前または変更後の日付が言われていない場合は空欄にしてください。
  工程表などから日付を補わないでください。
- 各行に、根拠にした発言の時刻を書いてください。
- 数量、寸法、日付は、文字起こしに出てきた表記のまま書いてください。
- 安全に関する連絡は、短くまとめずにすべて書いてください。

「分からないものも承認待ちに」を明記しないと、AIは会議の雰囲気で決定事項に入れます。 現場での合意は「じゃあそれで」という言い方で終わることが多く、文字起こしの上では決まったように見えるからです。

「根拠の発言の時刻」を全行に付けるのは、工事担当の確認を速くするためです。 時刻があれば、文字起こしのその箇所を開いて原文を読めます。録画を頭から探し直す作業が、時刻を開く作業に変わります。 これが第4章の①が縮む理由です。

Step7

出力形式を固定する

Copilot には、表で返させます。 下書きを使うのは人で、そのまま議事録の様式(Word)に貼るためです。JSONで返させて変換するより、表のまま貼るほうが手間がありません。

工程の変更の表は、たとえば次の形です。

作業変更前変更後理由影響する作業承認の要否
3階 鉄骨建方10月14日10月21日鉄骨の製作の遅れ3階 デッキ敷き、外装下地要(施主へ報告)

宿題の表と、前回の宿題の状況の表は、次の形です。

会社内容期限根拠の発言の時刻
〇〇設備3階 天井内の配管ルートの再検討図を提出10月17日00:23:41
不明外構の排水勾配の確認期限なし00:41:05
前回の宿題状況根拠の発言の時刻
設計事務所:外壁の色見本の再提出完了00:05:12
元請け:仮設トイレの増設の手配触れられず-

「不明」と「期限なし」と「触れられず」が、工事担当の直す場所の目印です。 この3つの語を表の中で探せば、どこを埋めればよいかが一目で分かります。 AIに空欄で返させると、埋める必要がある空欄と、もともと空でよい欄の区別がつきません。

表の列を固定するのは、様式に貼ったときに列がずれないためです。 欄の順と列の名前をプロンプトで決めておけば、どの現場の議事録も同じ形になります。 協力会社は、どの現場の議事録でも同じ場所を見れば自社の宿題と工程の変更が分かります。

Copilot の応答は、どの情報源を使ったかを示します。 会議の後の質問への応答には、使った情報源が引用として付くとされています。それでも、根拠の発言の時刻は表の列として別に出させます。 引用は画面の上での確認には便利ですが、Word に貼ると残らないからです。

Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
Teams の会議会議のチャットまたは「まとめ」のタブCopilot を開いてプロンプトを実行する
議事録の様式人が貼る下書きの表を Word の様式に貼る
配布用のフォルダOneDrive の「ファイルが作成されたとき」確定版の保存でフローを起動
PDFへの変換OneDrive の「ファイルの変換」Word をPDFに変換する
参加者へのメールOffice 365 Outlook の「メールの送信 (V2)」名簿の送り先にPDFを添付して送る

Copilot と議事録の様式のあいだは、人の手でつなぎます。 下書きを自動で様式に流し込む形も考えられますが、工事担当が直すことを前提にしているので、貼る作業を自動にしても時間はほとんど変わりません。 自動にするのは、確定した後の変換と配布です。

PDFへの変換は、OneDrive のコネクタの「ファイルの変換」で行います。 対応する変換の一覧は公式の案内に示されています。ファイルの作成の直後に変換するとエラーになることがあり、作成と変換のあいだに待ち時間を入れることが勧められています。 また、電子署名・パスワード・IRMで保護された Word はPDFに変換できないとされています。

メールは Office 365 Outlook のコネクタで送ります。件名には現場名と定例の回数を、本文には宿題の件数と工程の変更の有無を入れます。 受け取った協力会社が、PDFを開く前に自社に関係があるかを判断できます。

Step9

人が確認する

  1. 工事担当が、日付・数量・会社名を文字起こしの原文と照らす … 根拠の発言の時刻を開いて確かめます。聞き違いはここでしか直せません
  2. 工事担当が、宿題の「不明」と期限の「期限なし」を埋める … 自分のメモと記憶で埋め、埋められないものは次回の冒頭で確かめる項目にします
  3. 工事担当が、工程の変更を工程表と照らす … 変更後の日付が工程表のどこに影響するかを、影響する作業の欄に足します
  4. 所長が、決定事項と承認待ちの仕分けを確かめる … 承認待ちが決定事項に紛れていないかを見ます
  5. 所長が、配ってよいと決める … 工事担当が確定版を配布用のフォルダに保存します

1番目を省かないでください。 文字起こしは、現場の騒音、専門用語、会社名の読みで崩れます。「デッキ」が「デスク」に、「建方」が「立て方」になることを前提にします。 工程の日付は協力会社の職人の手配に直結するので、1件の聞き違いが現場の1日の空振りになります。

目標は、1回24分です。 下書きは定例の直後に5分で作り、直す作業は日付・数量・会社名と、不明の欄に絞ります。録画を頭から見返すことはしません。

Step10

例外に対処する

起きること対応
文字起こしを始め忘れた会議の後に Copilot で質問できない。工事担当のメモから従来どおり作る
話している言語が日本語になっていなかった文字起こしが崩れる。録画を見返して作る。次回から会議の冒頭で確かめる
現場事務所の発言の話し手が全部同じ名前になる会社名から話す決まりを徹底する。宿題の会社は発言の中の名乗りで決める
宿題の会社が「不明」のまま残る次回の定例の冒頭で確かめる項目に載せる
承認待ちが決定事項に入っていた所長が直す。プロンプトの例を足す
図面を指した話の中身が残っていない図面番号を口に出す決まりにする。残っていないものは工事担当のメモで補う
確定版を「移動」して配布のフローが動かない「名前を付けて保存」で新しく保存し直す
PDFへの変換がエラーになる作成と変換のあいだに待ち時間を入れる。保護された Word は保護を外す
録画と文字起こしの期限が切れたごみ箱から戻せる期間を過ぎると戻せない。確定した議事録の保管を先に決めておく
配った後に施主や協力会社から訂正の申し入れがある版の番号を上げた訂正版を作り、訂正した箇所を冒頭に書いて配り直す

上の2行は、会議の始め方の問題です。 どちらも、定例の冒頭に工事担当が30秒で確かめれば防げます。会議の冒頭の手順に「録画と文字起こし、言語は日本語」を入れておきます。

Step11

記録を残す

  • 確定版の議事録(Word とPDF)と、配った日時・送り先
  • Copilot が出した下書き(直す前のもの)
  • 工事担当と所長が直した箇所 … 日付、数量、会社名、承認待ちの仕分けのどれを直したか
  • 前回の宿題の状況の一覧と、「触れられず」が続いた宿題
  • 工程の変更の一覧(現場ごとに積み上げる)
  • 配った後の訂正の記録 … 誰からの申し入れで、どの箇所を、どの版で直したか

直す前の下書きを残すのは、どこで崩れたかを後から見るためです。 日付の聞き違いが多いのか、承認待ちの仕分けを誤るのかで、直すべきなのが会議の運び方かプロンプトかが分かれます。

工程の変更の一覧は、現場ごとに積み上げます。 議事録ごとに散らばっていると、工期の遅れの理由を後から説明するときに拾い集めることになります。 毎週の表を1枚に追記しておけば、工期の変更の協議の材料になります。

訂正の記録は、議事録が「言った・言わない」の記録であることから残します。 訂正の申し入れがあった箇所が、文字起こしの聞き違いだったのか、発言そのものの食い違いだったのかを残しておくと、次に同じ会社と同じ話になったときの根拠になります。

04実装レベルの3段階

最小構成:会議の後に Copilot へプロンプトを貼り、下書きを様式に貼る / 議事録の下書き
半自動化:上記+共有したプロンプトを全現場で使い、確定版の保存でPDFへの変換と配布を自動で行う / 下書きと配布
本格構成:上記+工程の変更の一覧と宿題の一覧を現場ごとのリストに積み上げ、期限の近い宿題を協力会社へ知らせる / 宿題と工程の変更の追跡

最小構成で、時間の大半は減ります。 いちばん大きい①の録画の見返しが、根拠の時刻を開く作業に変わるからです。 半自動化が、本記事の想定です。 全現場で同じプロンプトを使うことで、議事録の形がそろいます。工事部で1つのプロンプトを育て、その文面を全現場に配ります。配布の自動化は時間の削減としては小さいものの、配り忘れと送り先の漏れがなくなります。 本格構成で増えるのは、宿題の追跡です。 議事録はPDFで配った時点で読み物になり、宿題の状況は次の議事録まで分かりません。宿題を一覧に積み上げると、期限の近いものを協力会社に知らせられます。 半自動化を3か月回し、議事録の形がそろってから進んでください。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
25 名
月間件数
100 件
1件あたり現在時間
75 分
1件あたり導入後時間
24 分
現在  100件 × 75分 ÷ 60 = 125 時間/月
導入後 100件 × 24分 ÷ 60 = 40 時間/月
月間削減時間
85h
削減率
68%
年間削減時間
1,020h
年間金額換算(時間単価3,500円)
357万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. 施主・設計事務所・協力会社が参加する定例打合せを現場ごとに毎週開いており、議事録を元請けの工事担当が作って配っている建設会社。定例を Microsoft Teams の会議として開き、現場事務所と本社・設計事務所をつないでいる、またはつなげる場合。議事録の作成が工事担当の残業になり、配布が数日遅れることがある場合。
向いていない
  1. 定例をすべて現場事務所の対面だけで行い、Teams の会議を使う予定がない場合。打合せの記録を施主や設計事務所の側が作る取り決めになっている場合。Microsoft 365 を使っておらず、Copilot のライセンスを追加できない場合。なお、設計変更や工程変更を承認するかどうかの判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 文字起こしを始めた定例を、1つの現場で3回分用意する
  2. 3回とも、工事担当がこれまでどおりの方法でも議事録を作る
  3. 会議の後、会議のチャットから Copilot を開き、第7章のプロンプトを貼って実行する
  4. 出てきた下書きを、工事担当の議事録と欄ごとに突き合わせる
  5. 特に、工程の変更の日付、宿題の会社、承認待ちの仕分けの3つを見る

3回は必ずやってください。 配布の仕組みを作る前に、「この現場の定例の話し方で、文字起こしから下書きが作れるのか」を確かめます。

出てきた内容判断
決定事項と宿題がおおむね合っていた配布の仕組みづくりに進む
宿題の会社が「不明」ばかりになった会社名から話す決まりが先。 AIの問題ではない
承認待ちが決定事項に入ったプロンプトに現場の例を足す。構成は有効

2行目が出るのは、現場事務所から1台のパソコンでつないでいる場合です。 会議の運び方を変えるだけで直ることが多いので、決まりを伝えてからもう1回試してください。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
承認待ちが決定事項に入る分からないものは承認待ちに、とプロンプトに明記する
日付と数量の聞き違いがそのまま載る根拠の時刻を開いて原文と照らす。日付は月日と曜日で言ってもらう
現場事務所の発言の話し手が分からない会社名から話す決まりにする
図面を指した話が残らない図面番号を口に出す
文字起こしを始め忘れる会議の冒頭の手順に入れる。所長が確かめる
話している言語が合っていない文字起こしを始めるときに日本語を選ぶ
前回の宿題が突き合わせられない前回の宿題を会議のチャットに貼る
確定版を移動しても配布されない移動したファイルは新しいファイルとして扱われない。新しく保存する
PDFへの変換が失敗する作成と変換のあいだに待ち時間を入れる
録画と文字起こしが期限で消える期限の設定を確かめ、確定版の保管を先に決める
プロンプトが現場ごとに少しずつ違う工事部で1つを育てて共有する

上の2行が、この構成の失敗のほとんどです。 どちらも、誤った議事録が協力会社の手配を誤らせるという同じ結果につながります。承認待ちはプロンプトで、聞き違いは人の照合で止めます。

3行目から6行目は、会議の運び方の問題です。 AIの精度を上げようとするより、定例の冒頭と話し方の決まりを変えるほうが早く効きます。 所長が最初の1か月、意識して言い直すだけで変わります。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 工事の内容、工程、設計の質疑、施主の要望、協力会社の担当者の氏名と発言です。施主の未公表の計画や、建物の構造・設備の情報が含まれることがあります。

  1. 録画と文字起こしをすることを、毎回参加者に伝える … 社外の参加者が多い会議です。冒頭で口頭で伝え、議事録の様式にも録画と文字起こしをしたことを書きます
  2. Copilot が使うのは、使う人が見られるデータだけ … Copilot は、利用者が少なくとも閲覧の権限を持つ組織のデータだけを示すとされています。議事録を作る工事担当が見られない資料が議事録に混ざることはありません
  3. 会議の内容は学習に使われない … プロンプト、応答、Microsoft Graph を通じて取得されたデータは、基盤のモデルの学習に使われないとされています
  4. 生成された内容は事実であることが保証されない … 公式にも、生成AIの応答は100%事実であるとは限らず、人に送る前に確かめるよう書かれています。議事録は、確かめずに配らないでください
  5. 承認の判断を代替させない … この構成が出すのは、承認待ちの仕分けの下書きです。承認が済んだかどうかは、施主と監理者とのやり取りの記録で確かめます
  6. 録画と文字起こしの保存の期限と、議事録の保管期間を分けて決める … 録画は既定の期限で消えます。根拠として残すのは確定版の議事録とし、その保管期間を社内の文書の決まりで決めます

誤りが起きた場合のリスクは、承認前のものを決定として配ることと、工程の日付を誤って配ることの2つです。 どちらも協力会社の手配を通じて現場の手戻りになります。所長の確認を、承認待ちの仕分けと工程の変更の表に集中させるのは、この2つを止めるためです。

10まず何から始めるか

1週目:管理者の設定と会議の決まりを確かめる

情報システムの担当と、会議ポリシーの文字起こしと Copilot の設定を確かめます。あわせて、定例の冒頭の手順(録画と文字起こし、言語、前回の宿題をチャットに貼る)と、話し方の決まり(会社名から、日付は月日と曜日で、図面番号を口に出す)を1枚にまとめます。

2週目:1つの現場で3回試す

1つの現場の工事担当に Copilot のライセンスを付け、3回の定例で下書きを作ります。これまでどおりの議事録も並行して作り、欄ごとに突き合わせます。

3週目:プロンプトと様式をそろえる

突き合わせで出た誤りの型をプロンプトに足します。議事録の様式の列を、プロンプトの欄に合わせて直します。

4週目:配布のフローを作る

配布用のフォルダ、PDFへの変換、名簿の送り先へのメールをつなぎます。この時点では、メールの送り先を工事担当自身にして、届いたPDFを見てから手で転送します。

2か月目: 5現場に広げ、プロンプトを共有して同じ形の議事録にします。直した箇所の記録を毎週見ます。3か月目以降: 全現場に広げ、宿題と工程の変更を一覧に積み上げます。定例の当日のうちに、全現場の議事録が配られるようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-10-06/最終更新:2026-10-06
確認した内容情報源確認日
Teams 会議の Copilot の「会議中と会議後」「会議中のみ」の違い。会議ポリシーの Copilot の設定の既定値が「保存された文字起こしが必要」で、主催者の選択が「会議中と会議後」に固定されること。追加の Copilot のライセンスが前提であることMicrosoft Learn: Manage Microsoft Copilot in Teams meetings and events2026-10-06
文字起こしが会議の記録とともに OneDrive と SharePoint に保存されること。主催者と開始する人の両方の設定が要ること。新しいポリシーで既定でオンであること。日本語が対応言語に含まれることMicrosoft Learn: Manage transcription and captions for Teams meetings2026-10-06
録画と文字起こしの既定の期限が120日で、期限が来るとごみ箱へ移ること。チャネルではない会議の記録が主催者の OneDrive に保存されることMicrosoft Learn: Manage Teams recording expiration policy2026-10-06
会議の後に質問するには文字起こしが要ること。会議のチャットと「まとめ」のタブから使えること。会議の24時間前からのチャットが含まれること。応答に使った情報源が示されることMicrosoft サポート: Get started with Copilot in Microsoft Teams meetings2026-10-06
Microsoft 365 Copilot が Microsoft Copilot に改称されたこと。プロンプトと応答が基盤のモデルの学習に使われないこと。利用者が閲覧できるデータだけを示すこと。応答が100%事実とは限らないことMicrosoft Learn: Data, Privacy, and Security for Microsoft Copilot2026-10-06
Copilot が Microsoft 365 の対象のプランへの追加のライセンスとして提供されることMicrosoft Learn: License Options for Microsoft Copilot2026-10-06
OneDrive の「ファイルが作成されたとき」が移動したファイルを新しいファイルとして扱わないこと。「ファイルの変換」があり、作成直後の変換でエラーになる場合は待ち時間を入れるよう案内されていること。保護された Word がPDFに変換できないことMicrosoft Learn: OneDrive for Business connector2026-10-06
Office 365 Outlook のコネクタに「メールの送信 (V2)」があることMicrosoft Learn: Office 365 Outlook connector2026-10-06

設計変更や工程変更を承認するかどうかは、施主・監理者・元請けの所長が判断してください。 本記事は公式の資料で確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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