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保険の見積り・資料請求のあとの面談記録と通話メモを要約し、次回のフォロー連絡の案と期日付きのタスクを顧客管理に登録する

実装ステータス:構成例 技術的に実現可能な構成として設計したもの。自社未検証

保険の見積り依頼や資料請求のあった見込み客について、面談や電話のたびに残すメモから、これまでの経緯の要約と次回の連絡の文案を作ります。募集人が確かめて承認すると、期日付きのタスクとして顧客管理に登録されます。

サマリー
生成AI
ChatGPT/Claude/Gemini
連携・自動化
Make/n8n/Power Automate/Zapier
対象業界
不動産/保険/金融
対象部門
営業
対象業務
台帳・マスタ管理/要約
主な課題
営業フォローが追いつかない/属人化している/期限・対応漏れが起きる
AIで行う処理
要約
主な効果
対応スピード向上/工数削減/機会損失防止
導入難易度
★★☆☆☆
実装レベル
本格構成
費用感
ノーコード連携(中)
人間の確認
条件付き
現在工数
80h/月
AI導入後
24h/月
想定削減
70%
年間削減
672h
モデル条件による試算値です。実在企業の実績ではありません。

01導入前 / 導入後の業務フロー

導入前(Before)
  1. 見積り依頼・資料請求が入り、営業管理が募集人に割り当てる
  2. 募集人が電話をかけるか面談し、終わったら顧客管理にメモを残す
  3. 次の連絡に備え、その見込み客の過去のメモを最初から読み返す
  4. 次に何をするか(資料の到着確認、見積りの説明、比較表の送付など)と、その期日を決める
  5. 次回の連絡で送るメールや、電話で話すことの文案を考える
  6. 顧客管理にタスクを登録し、期日を入れる。登録しないで手帳に書くだけの人もいる
  7. 商談の段階(ステージ)を更新する
導入後(After)
  1. 人募集人が面談・通話のあと、今までどおり顧客管理にメモを残す
  2. 自動顧客管理に新しいメモ(面談・通話の記録)が入ったことを Zapier が拾う
  3. 自動その見込み客の連絡先の情報(見積りの対象、これまでの経緯の要約、連絡停止の印)を取る
  4. 自動連絡停止の印が付いている見込み客は、ここで止める
  5. 自動AIが今回のメモと経緯の要約を読み、経緯の要約を更新し、顧客の言葉・こちらの約束・次回の連絡の種類・文案を返す
  6. 自動次回の連絡の種類から、自社で決めた日数の表で期日の案を計算する
  7. 人募集人に承認の依頼が届く。要約・文案・期日を確かめ、直して承認する
  8. 自動承認されたものだけ、期日付きのタスクを顧客管理に登録し、経緯の要約を書き戻す
  9. 人期日の日に、文案を見ながら連絡する。送信や電話は募集人が行う
各工程の詳しい説明を読む
  1. 見積り依頼・資料請求が入り、営業管理が募集人に割り当てる
  2. 募集人が電話をかけるか面談し、終わったら顧客管理にメモを残す
  3. 次の連絡に備え、その見込み客の過去のメモを最初から読み返す
  4. 次に何をするか(資料の到着確認、見積りの説明、比較表の送付など)と、その期日を決める
  5. 次回の連絡で送るメールや、電話で話すことの文案を考える
  6. 顧客管理にタスクを登録し、期日を入れる。登録しないで手帳に書くだけの人もいる
  7. 商談の段階(ステージ)を更新する

(a)期日が顧客管理に残らない。 6番目は決まりになっていますが、面談の直後は次の予定に追われて後回しになります。「あとで入れる」と思ったまま、月末に手帳を見返して気づくことがあります。 その間に顧客は他社の見積りを取っています。

(b)読み返しが毎回かかる。 3回目の接点のときには、1回目と2回目のメモを両方読みます。丁寧に書き起こした人ほど、自分の書いたものを読むのに苦労しています。

(c)担当が替わると経緯が途切れる。 募集人の休みや異動で別の人が引き継ぐと、前任のメモの書き方に慣れていないため、何を約束していたかを読み取れません。 「前回、比較表をお送りすると伺っていたのですが」と顧客に言われて初めて気づきます。

(d)断りのサインが見落とされる。 「今回は結構です」「家族と相談してこちらから連絡します」とメモに書いてあっても、次のタスクが機械的に入っていれば、担当者は電話をかけてしまいます。 断った相手に何度も連絡することは、顧客の側から見れば迷惑な勧誘です。

  1. 【人】 募集人が面談・通話のあと、今までどおり顧客管理にメモを残す
  2. 【自動】 顧客管理に新しいメモ(面談・通話の記録)が入ったことを Zapier が拾う
  3. 【自動】 その見込み客の連絡先の情報(見積りの対象、これまでの経緯の要約、連絡停止の印)を取る
  4. 【自動】 連絡停止の印が付いている見込み客は、ここで止める
  5. 【自動】 AIが今回のメモと経緯の要約を読み、経緯の要約を更新し、顧客の言葉・こちらの約束・次回の連絡の種類・文案を返す
  6. 【自動】 次回の連絡の種類から、自社で決めた日数の表で期日の案を計算する
  7. 【人】 募集人に承認の依頼が届く。要約・文案・期日を確かめ、直して承認する
  8. 【自動】 承認されたものだけ、期日付きのタスクを顧客管理に登録し、経緯の要約を書き戻す
  9. 【人】 期日の日に、文案を見ながら連絡する。送信や電話は募集人が行う

7番目が、この設計の分かれ目です。 AIが作ったものは、募集人が承認するまで顧客管理に入りません。 承認の画面では、期日と文案を直してから通せます。顧客が「来月の車検のあとで」と言っていたなら、募集人がその日付を入れます。

4番目を最初に置いているのも、意図してのことです。 見送りが決まった見込み客にまでAIを通すと、丁寧な文案と期日付きのタスクが毎回できあがり、断った人に連絡する準備が整ってしまいます。 止める判断はAIより前で、人が付けた印で行います。

02今回想定するシステム構成

構成図
面談・通話のあと、募集人が HubSpot にメモを残す
   ▼【トリガー】HubSpot の New Engagement(新しいメモの記録)
Zapier
   ├──▶ HubSpot の Get Contact(見積りの対象/経緯の要約/連絡停止の印)
   ▼
Paths ── 連絡停止の印あり → 終了 / なし → 次へ
   ▼
AI by Zapier
   │   ① 経緯の要約の更新   ② 顧客の言葉(原文のまま)
   │   ③ こちらの約束       ④ 次回の連絡の種類と文案
   │   ⑤ 断りのサイン・健康状態への言及の有無
   ▼
Formatter(Add/Subtract Time)── 種類ごとの日数で期日の案を出す
   ▼
Human in the Loop(Request Approval)── 募集人が確かめ、直して承認
   ▼
HubSpot ── Create Engagement(期日付きのタスク)
        └─ Update Contact(経緯の要約を書き戻す)
役割想定する製品代替候補
ワークフローZapierMake、Power Automate、n8n
生成AIAI by Zapier(Analyze and Return Data)OpenAI API、Claude API、Gemini API
顧客管理HubSpot(連絡先・メモ・タスク)Salesforce、Zoho CRM
承認Human in the Loop(Request Approval)Slack のメッセージで承認を受ける自作の分岐
通知SlackMicrosoft Teams、メール

顧客管理は、新しく足すものではありません。 募集人がメモを残す場所も、タスクを見る場所も今までどおり HubSpot です。変わるのは、メモを残したあとに承認の依頼が届くことだけです。 連絡先に「経緯の要約」と「連絡停止の印」の2つのプロパティを足すのが、最初の準備作業です。

Zapier の HubSpot 連携には、HubSpot の無料または有料のプランと、Super Admin の権限が要ります。 トリガーにはメモや通話などの記録(エンゲージメント)が入ったことを拾う New Engagement があり、これはポーリング型です。面談が終わってから数分の遅れは出ますが、次の連絡の準備としては十分です。 アクションには Create Engagement、Update Contact、Get Contact、Find Contact があります。

AI by Zapier は、Zap の中にAIの処理を1ステップとして足せる機能です。 指示文を書き、出力の項目を名前・型・説明で決めると、後ろのステップでその項目を1つずつ使えます。 Professional、Team、Enterprise のプランで使え、OpenAI、Anthropic、Google Gemini、Azure OpenAI、Amazon Bedrock の自社のキーをつなぐこともできます。

03どうやって実装するのか

Step1

処理の起点を決める

募集人が HubSpot に面談または通話のメモを残したことを起点にします。 トリガーは HubSpot の New Engagement です。メモ、通話、面談などの記録が入ったときに動くので、募集人の手順は何も変わりません。 別の入力画面を作ると、そちらに書かない人が必ず出ます。

動かす対象は、新規の見込み客の記録だけに絞ります。 既存の契約者への連絡や、事故の受付の記録にまで動くと、関係のない承認の依頼が募集人に届きます。絞る材料は連絡先の「ライフサイクルステージ」で、見込み客の段階にある連絡先の記録だけを先へ進めます。 判定は次の Get Contact のあとに Paths で行います。

記録の種類も見ます。 メールの自動記録や、営業管理が付けた社内の申し送りのメモでは動かしません。募集人が顧客と話した記録だけが対象です。 種類を見分けられるように、面談と通話のメモの冒頭に「【面談】」「【通話】」と書く決まりを1つだけ足します。

1日1回まとめて動かす形にはしません。 翌朝にまとめて届くと、承認は中身を読まずに通されます。

Step2

入力データを集める

データ中身取得元
今回のメモ面談・通話の記録の本文、記録した日時、記録した募集人New Engagement のトリガー
連絡先の情報氏名、見積り・資料請求の対象(自動車・火災・医療など)、流入日、ライフサイクルステージHubSpot の Get Contact
経緯の要約前回までの接点を要約した文章(連絡先のプロパティとして保持)同上
連絡停止の印見送り・連絡を望まない旨を人が付けた印同上
連絡の希望電話かメールか、つながりやすい時間帯同上(フォームの回答から転記)
次回の連絡の日数の表連絡の種類ごとに、何日後を期日の案にするか自社で決めた表

質を決めるのは、「経緯の要約」のプロパティです。 過去のメモを毎回すべて読ませるのではなく、前回までの要約と今回のメモだけを渡し、要約を更新させます。 接点が5回、6回と増えても、AIに渡す量は増えません。承認された要約だけが書き戻されるので、要約はいつも人が一度確かめたものです。

Step3

データの取得方法を決める

トリガーが返すのは記録そのものなので、連絡先の情報は別に取ります。 記録に関連付いた連絡先のIDで Get Contact を呼び、必要なプロパティを取り出します。関連付けが無い記録(連絡先を選ばずに残したメモ)は、ここで止めて募集人に知らせます。

取るものどこから何に使うか
メモの本文と記録日時New Engagement のトリガー今回の接点の内容
連絡先のID記録に関連付いた連絡先Get Contact の鍵
見積りの対象、ステージ、連絡の希望Get Contact文案の形と、動かす対象の判定
経緯の要約、連絡停止の印Get Contact(自社で足したプロパティ)要約の更新と、止める判定
連絡の種類ごとの日数Zap の中に固定値として持つ表期日の案の計算

期日の計算は Formatter の Date / Time で行います。 Add/Subtract Time は、日付に「+3 days」のような式で日数を足せます。AIが返した連絡の種類を Paths で分け、種類ごとに決めた日数を足します。 当日の日付は Zapier の変数で入れられます。

連絡の種類期日の案考え方
資料の到着確認記録日の3日後郵送の到着を待ってから
見積りの説明記録日の2日後見積りを出した熱の冷めないうちに
比較表の送付記録日の1日後こちらの約束なので早く
顧客が時期を指定空欄(募集人が入れる)顧客の言葉から人が決める
連絡を待つ記録日の14日後催促ではなく様子伺い
Step4

AIへ渡す前に整形する

  1. 対象の絞り込み … ライフサイクルステージが見込み客の段階で、メモの冒頭に「【面談】」「【通話】」があるものだけを進めます
  2. 連絡停止の確認 … 連絡停止の印があれば、AIに渡さずに終了します
  3. 関連付けの確認 … 連絡先が関連付いていない記録は、募集人に「連絡先を選んで記録し直してください」と知らせて止めます
  4. 定型文の除去 … メモの末尾に付く署名や、テンプレートの見出しだけの行を落とします
  5. 健康状態の記述の扱い … 医療保険の見込み客のメモには、持病や通院の話が書かれることがあります。AIには渡しますが、要約と文案に写さないよう指示で禁じ、言及があったことだけを印で返させます
  6. 長さの確認 … 会話の書き起こしを貼った長いメモは、そのまま渡します。分割はしません。 分けると、顧客の言葉と約束が別々の塊に入ります

5番目を軽く見ないでください。 病歴は個人情報のなかでも扱いに特に注意が要る情報です。経緯の要約は連絡先のプロパティとして、ほかの募集人や営業管理の目にも触れます。 告知に関わる話は告知書や申込の手続きで扱うもので、フォローのための要約に残すものではありません。

Step5

AIに処理させる

させるのは、今回のメモを読んで経緯の要約を更新し、顧客の言葉と約束を写し出し、次回の連絡の種類を選んで文案を作ることです。

返す項目させ方判断できないときの扱い
経緯の要約前回までの要約に今回の接点を足し、300字以内に保つ前回の要約と今回のメモが食い違えば、両方を残して conflict に書く
顧客の言葉時期・条件・懸念を述べた一文を、メモの文面のまま写す該当する一文が無ければ空欄
こちらの約束募集人が「送る」「調べる」と言ったことを、メモの文面のまま写す約束か提案か分からなければ unclear
次回の連絡の種類決まった5種類から1つ選ぶ選べなければ other
文案連絡の希望に合わせ、メール本文か電話の要点で書く断りのサインがあれば作らない
断りのサイン「結構です」「こちらから連絡します」などの有無迷ったら true
健康状態への言及言及があったかどうかだけ中身は写さない

右端の列の「迷ったら true」が、この構成でいちばん大事な扱いです。 断りのサインを見落とすと、断った人に電話をかける準備が整います。逆に、断っていない人を true にしても、募集人が承認の画面で外せば済みます。 誤りの重さが違うので、迷ったほうへ倒す向きを決めておきます。

させないこと理由
期日を決めること日数の表と募集人が決める。AIが「10月中旬」と書くと、顧客が言っていない期日になる
顧客の言葉の言い換え「来月」を「10月」に、「高い」を「予算オーバー」に直さない
商品の推奨どの保険を勧めるかは募集人の判断
保険料・補償内容の記載見積りの数字は見積りの書面で扱う。文案に書き写さない
連絡停止の判断印を付けるのは人。AIは断りのサインを知らせるだけ
文案の送信送るのは募集人

4行目がいちばん起きやすい失敗です。 メモに「月額4,280円の見積りを説明」と書いてあると、AIは親切に文案に「先日ご案内した月額4,280円のプランについて」と入れます。見積りの条件が変わっていたら、その数字は誤った案内になります。 金額は見積りの書面を見てもらう形にします。

Step6

指示内容を固定する

AI by Zapier の指示文の欄に次の内容を書き、入力の項目に今回のメモ・経緯の要約・見積りの対象・連絡の希望を割り当てます。

あなたは保険代理店の営業を補助する立場です。
見込み客との面談・通話のメモと、これまでの経緯の要約を読み、
次の項目を返してください。メモに書かれていることだけを使ってください。

【返す項目】
- summary:これまでの経緯の要約に今回の接点を足した文章(300字以内)
- customer_words:顧客が時期・条件・懸念を述べた一文。メモの文面のまま
- our_promises:募集人が送る・調べると約束したこと。メモの文面のまま
- next_action:次のどれか1つ
  doc_check(資料の到着確認)/quote_explain(見積りの説明)/
  comparison(比較表の送付)/customer_timing(顧客が時期を指定)/
  wait(顧客からの連絡を待つ)/other
- draft:次回の連絡の文案
- decline_signal:true または false
- health_mentioned:true または false
- conflict:前回の要約と今回のメモで食い違う点

【厳守事項】
- customer_words と our_promises は、メモの文面をそのまま写してください。
  要約したり、言い換えたりしないでください。
- 期日や日付を書かないでください。「来月」「車検のあと」を具体的な日付に直さないでください。
- 顧客が時期を口にしていれば next_action を customer_timing にしてください。
- 「結構です」「今回は見送ります」「こちらから連絡します」「家族と相談します」など、
  断りや保留を示す言葉があれば decline_signal を true にしてください。迷ったら true です。
- decline_signal が true のときは draft を空欄にしてください。
- 持病・通院・服薬・健康診断の結果など健康状態の話があれば、health_mentioned を true にし、
  その内容を summary にも draft にも書かないでください。
- 保険料・補償の金額・特約の内容を draft に書かないでください。
  「お送りした見積書をご覧ください」と書いてください。
- どの商品を勧めるかを書かないでください。
- 連絡の希望が email なら draft はメール本文、phone なら電話で話す要点を3つまでの箇条書きにしてください。
- 書かれていない項目は空欄にしてください。「特になし」と書かないでください。

【今回のメモ】{note_body}
【これまでの経緯の要約】{summary_so_far}
【見積り・資料請求の対象】{product_line}
【連絡の希望】{contact_pref}

「日付に直さない」を明記しないと、AIは親切に期日を書きます。 記録日が9月29日で顧客が「来月」と言っていれば、「10月中旬ごろ」と書き添えようとします。禁じるのは、日付を作ることそのものです。

「迷ったら true」を書くのも同じ理由です。 「家族と相談します」は、保留とも前向きな検討とも読めます。何も言わなければAIは前向きに読み、文案を作ります。 募集人に判断させる側へ倒しておきます。

Step7

出力形式を固定する

AI by Zapier の出力の項目として、次の形で受け取ります。 出力の項目は名前・型・説明で決めておき、後ろのステップで1つずつ使います。

{
  "summary": "",
  "customer_words": "",
  "our_promises": "",
  "next_action": "doc_check | quote_explain | comparison | customer_timing | wait | other",
  "draft": "",
  "decline_signal": false,
  "health_mentioned": false,
  "conflict": ""
}

1つ目の理由は、next_action を決まった値にできることです。 自由文で「比較表を送る」と返されると、Paths の条件で日数を分けられません。値を6つに固定し、それぞれに日数の表の1行を対応させます。 other は期日の案を空欄にして、募集人に入れてもらいます。

2つ目は、customer_words と summary を別の欄にできることです。 承認の画面で、要約の横に顧客の言葉の原文が並びます。要約が顧客の言葉をねじ曲げていないかを、1行で確かめられます。

3つ目は、decline_signal と health_mentioned を条件に使えることです。

条件承認の画面の扱い
decline_signal が true文案なし。「連絡停止の印を付けるか」を確かめる依頼として届く
health_mentioned が true「健康状態の話あり。要約に残っていないか確認」と注意を添える
conflict が空でない食い違いの内容を先頭に出す
next_action が customer_timing か other期日の欄を空欄にし、入力を求める
Step8

システムへ連携する

つなぎ先方式内容
HubSpot(トリガー)New Engagement面談・通話のメモが入ったことを拾う
HubSpot(取得)Get Contact見積りの対象、経緯の要約、連絡停止の印を取る
AI by ZapierZap のステップ要約の更新と文案の作成
FormatterDate / Time の Add/Subtract Time期日の案を計算する
Human in the LoopRequest Approval募集人の承認を受ける
HubSpot(登録)Create Engagement、Update Contact承認されたタスクと要約を書き込む

タスクは Create Engagement で作ります。 記録の種類を選んで連絡先に関連付けるアクションで、タスクの件名に連絡の種類、本文に文案と顧客の言葉を入れます。 担当者は記録を残した募集人です。

日付の渡し方に注意が要ります。 Zapier のヘルプでは、HubSpot は日付を UNIX タイムスタンプで受け取り、Zapier から送った日付と時刻は UTC の午前0時に切り捨てられるとされています。日本時間の午前0時のつもりで送ると、UTCでは前日の15時になり、切り捨てで期日が1日早まるおそれがあります。 期日に正午を足して送り、テストで画面上の日付を確かめます。

経緯の要約の書き戻しは Update Contact で行います。 書き戻すのは承認の画面で直した後の要約です。AIが最初に返した要約は、ログには残しますが顧客管理には入れません。

Step9

人が確認する

承認の依頼は、メモを残した募集人本人に Slack で届けます。 Request Approval は通知の先に Slack を選べ、承認の画面で内容を直せる設定にできます。

  1. 顧客の言葉と要約を見比べる … 要約が顧客の言葉と違う意味になっていないかを確かめます
  2. 約束を確かめる … our_promises に抜けがないか。自分が言ったことは自分がいちばん覚えています
  3. 期日を決める … 案のままでよいか。顧客が時期を言っていれば日付を入れます
  4. 文案を直す … そのまま使える形になっているかを見ます。送るのは期日の日です
  5. 断りのサインがあれば … 連絡停止の印を付けるかを決めます。付けるのは募集人です

承認されないまま放っておかれたときの扱いを決めます。 Request Approval にはタイムアウトを設定でき、期限が来たら「そのまま続ける」か「実行を終える」かを選べます。この構成では「実行を終える」を選びます。 誰も確かめていないタスクと要約を顧客管理に入れないためです。終わったものは営業管理に一覧で知らせます。

レビュー担当者は Zapier のアカウントを持つ必要があります。 募集人12名それぞれに承認を届けるには、アカウントのメンバーに加える必要があり、Team 以上のプランを前提にします。 Professional のプランでは、承認の依頼を自分自身にしか送れないとされています。

Step10

例外に対処する

起きること対応
連絡先が関連付いていないメモGet Contact で止め、募集人に記録のし直しを知らせる
経緯の要約が空(初回の接点)そのまま渡す。今回のメモだけから要約を作らせる
decline_signal が true文案を作らず、連絡停止の印を付けるかの確認依頼にする
next_action が other期日を空欄で承認に回し、募集人に入れてもらう
承認がタイムアウトした実行を終える。営業管理に一覧で知らせる
募集人が却下したタスクも要約も書き込まない。却下の理由を任意で残す
AI by Zapier がエラーを返した要約なしで「メモを残したのでタスクを手で登録してください」と通知する
担当の募集人が不在・異動承認の依頼先を営業管理に切り替える

上から3行目が、いちばん気をつけるところです。 断りのサインがあったのに文案が作られると、担当者は迷わず連絡します。文案を作らないことそのものが、連絡を止める仕組みになります。

Step11

記録を残す

  • 今回のメモの本文と記録日時、トリガーが拾った日時
  • AI by Zapier が最初に返した出力の全項目
  • 承認の画面で募集人が直した後の値と、直した項目
  • 承認・却下・タイムアウトの結果と、その日時
  • 登録したタスクの期日と、書き戻した経緯の要約
  • decline_signal が true になった件と、連絡停止の印を付けたかどうか

3つ目は、指示文を直す材料です。 募集人が毎回同じ項目を直しているなら、直すべきは指示文です。

最後の行は、勧誘の運用を確かめる記録になります。 断りのサインを検知したのに連絡停止にしなかった件が続く募集人がいれば、営業管理が理由を聞けます。

04実装レベルの3段階

最小構成:メモを手で生成AIの画面に貼り、要約と文案を作らせる / 経緯の要約と文案づくり
半自動化:上記+メモの記録を起点に Zap が動き、要約と文案を Slack で募集人に届ける / 読み返しと文案づくり。タスクの登録は手作業
本格構成:上記+期日の計算と承認の画面を足し、承認されたものをタスクと要約として顧客管理に書き込む / 読み返しから期日付きのタスクの登録まで

最小構成では件数がさばけません。 メモを1件ずつ貼るので、月480件には使えません。確かめるための段階です。 半自動化で、1件10分が5分程度になります。 読み返しと文案づくりは消えますが、期日を決めてタスクを登録する③が手作業のまま残ります。 第3章の(a)は、ここが残る限り直りません。本格構成で3分になり、この段階が本記事の想定です。 差が大きいのは、承認と同時にタスクが入るので、「あとで入れる」がなくなるからです。 段階を飛ばさないでください。 半自動化の段階で1か月動かすと、どの募集人のメモから何が拾えないかが分かります。

05工数削減シミュレーション

前提値(モデル条件)
対象人数
12 名
月間件数
480 件
1件あたり現在時間
10 分
1件あたり導入後時間
3 分
現在  480件 × 10分 ÷ 60 = 80 時間/月
導入後 480件 × 3分 ÷ 60 = 24 時間/月
月間削減時間
56h
削減率
70%
年間削減時間
672h
年間金額換算(時間単価3,000円)
202万円
モデル条件による試算であり、実際の効果は業務内容・運用方法によって異なります。

自社条件で導入効果を整理したい方へ

このユースケースを自社に当てはめた場合の前提値と削減見込みを、業務ヒアリングをもとに整理します。

AI活用について相談する

06向いている企業・向いていない企業

向いている
  1. Webサイトや比較サイトから見積り依頼・資料請求が毎月まとまって入り、募集人が複数で見込み客を分担している保険代理店。面談や電話のたびに顧客管理へメモは残しているが、次の連絡の期日と内容が担当者の頭の中にしかない場合。HubSpot などの顧客管理を使っており、Zapier の有料プランを契約できる場合。
向いていない
  1. 見込み客が月に数件で、担当者が1人で覚えていられる代理店。面談や通話のメモを顧客管理に残す運用がまだなく、紙の手帳や個人のメモ帳に書いている場合(まず記録を残す運用から始める)。なお、どの商品を勧めるか、いつまで連絡を続けるかという募集上の判断は、この構成では代替できません。

07最小構成で試す方法

  1. 先月の新規の見込み客から20件を選ぶ(うち数件は、見送りになったものを入れる)
  2. それぞれの面談・通話のメモを、古い順に並べてテキストにする
  3. 手元の生成AIの画面に、第7章の指示文と1件分のメモを貼る
  4. 返ってきた要約・顧客の言葉・次回の連絡の種類・文案を、実際にその後どうなったかと突き合わせる
  5. 見送りになった件で、decline_signal が true になったかを確かめる

20件は必ずやってください。 Zap を組む前に、「メモの書き方がばらばらでも要約が作れるのか」を確かめます。

出てきた内容判断
実際にした連絡と同じ種類が選ばれたZapier の構成に進む
顧客の言葉が言い換えられていた指示の書き方で直る。構成は有効
3行のメモからは何も拾えなかったメモの書き方が先。 顧客の言葉と約束を1行ずつ書く決まりを足す

3行目が出ることは珍しくありません。 失敗ではなく、引き継ぎで経緯が途切れていた理由が1つ分かったということです。 「顧客の言葉」「約束したこと」の2行を必ず書く決まりにして、同じ20件で比べてください。

08実装時につまずきやすいポイント

問題対策
顧客の言葉が要約の中で言い換えられる原文のまま写す欄を別に持つ。 承認の画面で並べて見る
AIが期日を書き込む指示で日付の作成を禁じ、期日は日数の表と募集人で決める
断りのサインを見落として文案が作られる「迷ったら true」と指示し、true なら文案を作らない
期日が1日早くずれるHubSpot への日付は UTC の午前0時に切り捨てられる。 正午を足して送る
文案に見積りの金額が写される金額の記載を禁じ、「見積書をご覧ください」と書かせる
健康状態の話が要約に残る指示で禁じ、言及の有無だけを返させて承認の画面で注意を出す
承認の依頼が募集人に届かないProfessional では自分にしか送れない。メンバーを加えられるプランにする
承認が放置されるタイムアウトで実行を終え、営業管理に一覧で知らせる
既存契約者や事故受付のメモでも動くライフサイクルステージとメモの冒頭の見出しで絞る
募集人が中身を読まずに承認する面談の直後に届ける。翌朝まとめて届けない

上の3行が、この構成の失敗のほとんどです。 どれも、AIが気を利かせて顧客が言っていないことを付け足すところから出発しています。

09セキュリティ・AIガバナンス上の注意点

この構成で扱うデータ: 見込み客の氏名と連絡先、見積りの対象、面談・通話のメモ、そして医療保険の見込み客の場合は健康状態に関わる話です。

  1. 健康状態の話を要約と文案に残さない … 病歴は扱いに特に注意が要る情報です。AIには渡りますが、顧客管理に書き戻す要約からは除きます。 告知に関わる話は、告知書と申込の手続きで扱います
  2. AIへの接続を自社で選ぶ … AI by Zapier は過去の処理から学習しないとされています。それでも、どの事業者のモデルに渡るかは契約の条件として確かめ、必要なら自社のキーをつなぐ構成にします
  3. 断った人への連絡を仕組みで止める … 連絡停止の印はAIより前で見ます。印を付けるのは人で、AIは知らせるだけです。 何度も連絡することは、顧客にとって迷惑な勧誘になります
  4. 文案を自動で送らない … 出すのは下書きまでです。送信も電話も募集人が行います
  5. この構成は募集上の判断を代替しません … どの商品を勧めるか、いつまで連絡を続けるか、意向の把握や比較の説明をどう記録するかは、自社の募集の規程と保険会社の定めに従います
  6. 承認の履歴を残す … 誰がいつ何を直して承認したかを残します。顧客から「そんな約束はしていない」と言われたときに、元のメモと承認された要約を並べられます

10まず何から始めるか

1週目:連絡先に2つのプロパティを足す

HubSpot の連絡先に、「経緯の要約」と「連絡停止の印」のプロパティを足します。あわせて、面談と通話のメモの冒頭に「【面談】」「【通話】」と書く決まりを募集人に伝えます。既存の見込み客の要約は、空のままで始めて構いません。 次の接点から埋まっていきます。

2週目:20件で試す

先月の見込み客から20件を選び、手元の生成AIの画面で第7章の指示文を試します。見送りになった件で断りのサインが拾えるか、顧客の言葉が言い換えられていないかを最優先で見ます。

3週目:連絡の種類ごとの日数を決める

営業管理と募集人で、連絡の種類ごとに何日後を期日の案にするかを決めます。 断りのサインが出たときに誰が連絡停止の印を付けるかも、ここで決めます。決まらないうちに Zap を組むと、期日の案が誰にも納得されません。

4週目:記録から Slack までをつなぐ

Zapier で New Engagement から AI by Zapier までを組み、要約と文案を Slack で募集人に届けるところまで作ります。 この時点ではタスクの登録はしません。

2か月目: 期日の計算と承認の画面を足し、承認されたものをタスクと要約として書き込みます。最初の10件は HubSpot の画面で期日を目で確かめます。3か月目以降: 承認の画面で直された項目を毎月数え、指示文を見直します。期日を過ぎたタスクの一覧を営業管理が毎週見るようになった時点で、この構成は完成です。


11関連ユースケース

12この仕組みを理解するための記事

13技術仕様の確認日・参考情報

技術仕様確認日:2026-09-29/最終更新:2026-09-30
確認した内容情報源確認日
AI by Zapier が Zap にAIの処理を足す組み込みの機能で、指示文と出力の項目(名前・型・説明)を決めて後ろのステップで使えること。Professional、Team、Enterprise のプランで使えること。OpenAI、Anthropic、Google Gemini、Azure OpenAI、Amazon Bedrock の自社のキーをつなげること。過去の処理から学習しないとされることZapier Help: Use AI by Zapier to analyze and return data2026-09-29
Zapier の HubSpot 連携に無料または有料のプランと Super Admin の権限が要ること。New Engagement がポーリング型のトリガーであること。日付を UNIX タイムスタンプで受け、Zapier から送った日付と時刻が UTC の午前0時に切り捨てられること。一部のトリガーとアクションが有料のプランに限られることZapier Help: How to get started with HubSpot on Zapier2026-09-29
HubSpot のアクションに Create Engagement(連絡先の記録を作る)、Update Contact、Get Contact、Find Contact があることZapier: HubSpot integrations2026-09-29
Human in the Loop の Request Approval が Zap の実行を止め、レビュー担当者に承認・却下・データの変更を求めること。通知の先にメール、Slack、別の Zap を選べること。編集を許す設定と「Edited Content」の項目。タイムアウトと、期限後に続けるか終えるかの選択。レビュー担当者に Zapier のアカウントが要り、Professional では自分にしか送れないことZapier Help: Request approval with Human in the Loop2026-09-29
Formatter の Date / Time の Add/Subtract Time で、日付に「+1 month -2 days」のような式で時間を足し引きできること。当日の日付を変数で入れられることZapier Help: Add or subtract dates and times in Zap workflows2026-09-29
Paths が条件で分岐し、分岐が左から右へ1つずつ評価されること。どれにも当たらないときの Fallback を置けること。Free のプランでは使えないことZapier Help: Add branching logic to Zap workflows with Paths2026-09-29

断りを受けた見込み客への連絡の扱いと、募集の記録のしかたは、自社の募集の規程と保険会社の定めに従ってください。 本記事は Zapier のヘルプで確認できた範囲だけを扱っています。

実装ステータス:構成例。 公開仕様に基づいて設計した構成であり、当社で実際に構築・検証したものではありません。工数の数値はモデル条件による試算です。

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