SpeedaのAIで業界調査は足りる?|汎用AIと分ける範囲

SpeedaのAIで業界調査は足りる?|汎用AIと分ける範囲

「業界調査をSpeedaのAIに任せれば、もう汎用の生成AIは要らないのではないか」「逆に、社内のAIで深く調べられるなら、有料の経済情報は削れるのではないか」。経営企画や事業開発の会議では、この2つの声が同じ席で出てきます。どちらにも一理があり、片方だけが正しいわけではありません。ただ、問うべきは、どちらのAIが賢いかではありません。本当は、その調査の数字をどの資料までたどる必要があるかです。この記事では、公式の発表で確かめたSpeedaのAIの機能と連携を押さえたうえで、汎用のAIで足りる範囲と、経済情報に特化したAIに回す範囲の分け方を整理します。


カメ先生カメ先生

経済情報のAIと汎用のAIは、同じ調べ物をしているようで、読みに行く資料の棚が違うんだ。Speedaのほうは、有価証券報告書や業界レポートのように、置き場所の決まった資料を横断して読む作りになっているんだよ。


カメ子カメ子

同じ質問を投げても、答えの材料になる資料がそもそも違うということですか。


カメ先生カメ先生

そういうこと。だから比べるべきは文章のうまさではなく、答えの数字がどの資料のどの箇所から来たかをたどれるかどうかなんだ。そこを軸にすると、どちらに回すかが決めやすくなるよ。


カメ子カメ子

調査の種類ごとに、どこまでたどる必要があるかで振り分ければいいんですね。


この記事のポイント
  • SpeedaのAIは、置き場所の決まった経済情報を横断して読む深い調査・素早い調査・資料の自動作成を持つ
  • 汎用AIとの分かれ目は、出典のたどりやすさ・数字の再現性・業界の区切り・一次情報の要否の4つ
  • 社内の生成AIから呼び出す連携は2026年9月に提供開始。ただし提携元のデータは許諾なしでは使われない

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目次

SpeedaのAIは何をするのか

ユーザベースは2025年6月、経済情報に特化したAIエージェントを発表しました。公式の発表では、市場調査や競合分析のための高度な作業を自律的に進めること、2つのエージェントが連携して多様な経済情報を構造化し、横断的な比較と分析を可能にすることが示されています。土台は、同社が17年以上かけて作ってきた経済情報の基盤です。

デスクトップ版の提供は2025年10月1日に始まり、対象はSpeedaをすでに利用している企業に限られていました。最初に並んだ機能は、競合企業の分析、経営課題の樹形図の自動作成、経営課題のレポート、投資の分析の4つです。競合の分析は、有価証券報告書や決算説明会の資料に基づいて、事業の区分ごとの売上と利益の変化の要因を解説する作りになっています。

その後、公式のリリースノートでは、深い調査(ディープリサーチ)が2026年1月に、素早い調査(フラッシュリサーチ)から専門家へ質問をつなぐ支援が2026年2月に、スライドの自動作成が2026年4月に加わったと記されています。今のSpeedaのAIは、探す・掘り下げる・資料にする、の3段を1つの製品の中に持っていることになります。

押さえておきたいのは、これが汎用のチャットに経済データを足したものではなく、経済情報の製品の中に、調査の手順を組み込んだものだという点です。読む資料の範囲が先に決まっているぶん、答えの幅は狭くなりますが、出どころは追いやすくなります。この性質が、汎用のAIとの使い分けを考えるときの出発点です。

深い調査が読む資料は、先に決まっている

公式のリリースノートによると、深い調査はSpeedaに収めた経済情報を横断して検索し、情報を構造化する機能です。参照する資料は、有価証券報告書、業界レポート、中期経営計画書、決算説明会の資料、統合報告書、同社独自の業界レポート、決算短信、企業の発表などに限られています。ウェブ全体を自由に巡回して材料を集める作りではありません。

回答には、深い推論と検証を行うため数十分ほどかかると書かれています。会議の直前に数分で答えがほしい場面には向きません。前日までに問いを投げておき、翌朝に読むくらいの段取りで使うと、待ち時間が気になりません。問いを投げる前に、何を知りたいのかを一文で書いておくと、答えの読み方もぶれません。

資料の範囲が決まっていることには、表と裏があります。表は、答えの材料が企業の開示資料や業界レポートに寄るので、数字の出どころを原典で確かめやすいことです。裏は、新興の市場や、開示資料にまだ現れていない動き、個人の発信や海外の小さな報道のように、範囲の外にある情報を拾いにくいことです。

そのため深い調査は、「業界の構造と主要企業の数字を、開示資料の裏付けつきで整理する」問いに向きます。反対に、「まだ名前の定まらない新しい市場の兆しを広く拾う」問いは、範囲の外の情報が主役になるので、汎用のAIの調べ物と組み合わせたほうが取りこぼしが減ります。問いの性質が、どちらに回すかを決めると考えておくと迷いません。

素早い調査と、専門家の知見への橋渡し

素早い調査は、Speedaのデータやコンテンツを材料に、自由な文章で問いかけて探せる、経済情報に特化したAI検索です。公式のリリースノートでは、2026年2月19日から、ベータ版の素早い調査から専門家への質問につなぐ支援が加わったとされています。

公式の説明では、机上の調査で得た二次情報をさらに掘り下げ、専門家の知見という一次情報を切れ目なく得られる、と位置づけられています。開示資料や記事の要約では分からない、現場の実感や業界の慣行を聞きに行く入口があることは、汎用のAIには無い性質です。

実務では、素早い調査で「この市場の主要な企業と、最近の論点」をつかみ、分からない点を質問の形に整えてから専門家に当たる、という順になります。質問を整える段階ではAIの下書きが役に立ちますが、誰に何を聞くかを決めるのは調査の担当者です。

注意したいのは、この機能が名前のとおり「質問をつなぐ支援」であり、AIが専門家の代わりに答えるものではない点です。専門家の知見を使う条件や費用は契約ごとに異なるため、使う前に担当の窓口で確かめておきます。聞いた内容を社内の資料に使うときは、誰から聞いた話かを記録し、資料の数字と同じ扱いにしないことも決めておきます。

資料の自動作成は、上場企業から

公式のリリースノートでは、2026年4月に、分析の結果から10枚以上の図解入りのスライドを作る機能が加わったとされています。営業の場面で使う、顧客ごとの攻め方をまとめた計画書の形で、そのまま使える作りです。

ただし、この時点で対象は上場企業に限られると明記されています。非上場の取引先や、設立間もない企業の計画書をこの機能で作ろうとしても、対象の外になる可能性があります。自社の顧客の多くが非上場なら、効果は限られると見ておくべきです。

スライドの自動作成で気をつけたいのは、見た目の出来と中身の確かさが別物だという点です。図解が整っていると、会議の参加者は数字を疑わなくなります。配る前に、スライドの数字を1つずつ元の資料の該当箇所に当てる時間を、作業の工程に入れておくことが欠かせません。

使い方としては、自動で作ったスライドを完成品ではなく、担当者が直す前提の骨組みとして扱うのが現実的です。どの論点を残し、どれを削るか、顧客に何を提案するかは営業の担当者が決めます。AIの骨組みは、白紙から作る時間を減らすためのものであり、提案の中身を決めるものではありません。

汎用AIで足りる調査、足りない調査

汎用の生成AIで市場調査を回す流れそのものは、市場調査の進め方を扱った別の記事で整理しています。ここで扱うのは、どの問いを経済情報のAIに回すべきかという振り分けだけです。

振り分けの軸は4つあります。出典を原典までたどれるか、同じ問いで同じ数字が返るか、業界の区切り方を揃えられるか、開示資料に無い一次情報が要るか、です。どれか1つでも欠かせない調査は、汎用AIの答えだけで決裁に回さない、というのが基本の線になります。

軸汎用のAIで足りる例経済情報のAIに回したい例
出典のたどりやすさ業界の概要をつかむ、用語の意味を調べる決裁資料に載せる市場の大きさや企業の業績
数字の再現性1回きりの下調べ四半期ごとに更新する競合の比較表
業界の区切り大まかな業界の地図を描く事業の区分ごとに売上を並べて比べる
一次情報の要否公開情報だけで答えが出る問い業界の慣行や現場の実感が要る問い

表の左の列に入る調査は、汎用のAIで十分なことが多く、追加の費用もかかりません。右の列に入る調査は、答えを外に出したり意思決定の根拠にしたりする場面が多く、出どころが曖昧なまま使うと後から説明できなくなります。同じ業界調査でも、使い道によって行き先が変わると考えると整理しやすくなります。

どちらに回すかは、調査の最初に決めておきます。途中で「やはり根拠が要る」と気づくと、汎用のAIの答えに合う資料を後から探す、逆向きの作業になりがちです。逆向きの確かめは、答えに都合のよい資料だけを拾う偏りも生みます。

分かれ目1:出典を原典までたどれるか

業界調査の答えを社内の決裁や顧客への提案に使うとき、最初に問われるのは「その数字はどこから来たのか」です。汎用のAIの調べ物は、ウェブ上の多様な記事から答えを組み立てるため、引用元が又聞きの記事になることがあり、元の数字にたどり着くまでに手間がかかります。

Speedaの深い調査は、参照先が開示資料や業界レポートに限られているので、たどる先の見当がつけやすくなります。ただし、参照先が限られていることは、答えが正しいことの保証ではありません。AIが資料の数字を読み違えたり、決算の期や金額の単位を取り違えたりすることは起こりえます。

実務の線引きとしては、決裁資料や社外に出す資料に載せる数字は、どちらのAIを使っても原典の該当箇所で確かめます。違いは、確かめに行く手間の大きさです。確かめる手間が大きい調査ほど、経済情報のAIに回す理由が強くなる、と覚えておくと判断が速くなります。

確かめた結果は、資料の脚注に「どの資料の、何年度の、どの表か」を残します。AIの答えそのものを出典として書くと、後から誰も同じ数字にたどり着けません。出典の欄には、AIの名前ではなく原典の名前を書くことを、調査の決まりにしておきます。

分かれ目2:同じ数字がもう一度出るか

競合の比較表を四半期ごとに更新するような定例の調査では、前回と同じ手順で同じ数字が出ることが大切です。汎用のAIは、同じ問いでも参照する記事が毎回変わり、答えの数字が揺れることがあります。揺れが業績の変化なのか、参照先の違いなのか、区別がつかなくなります。

経済情報のAIは、決まった資料の範囲から読むため、同じ企業の同じ期の数字であれば揃いやすくなります。ただし、公式の発表に数字の再現性を保証する記載はありません。定例の調査では、AIの答えではなく、確かめた原典の数字を表に書き写す運用にしておくと、揺れの影響を受けません。

定例の調査をAIに任せるときの落とし穴は、前回の表をAIに渡して「更新して」と頼み、どの数字が新しくなったのかが分からなくなることです。更新した行には、確かめた日付と資料名を必ず書き足させ、変わった数字には印を付けさせます。

再現性が問われない1回きりの下調べなら、汎用のAIの揺れは大きな問題になりません。定例か1回きりかで行き先を分けるだけでも、有料の経済情報を使う場面を絞れます。費用の見積もりを考えるうえでも、定例の調査の本数を先に数えておくと役に立ちます。

分かれ目3:業界の区切り方を揃えられるか

業界調査で意外に手間がかかるのが、業界の区切り方です。同じ「物流」でも、倉庫、運送、物流の仕組みの提供を含めるかどうかで、市場の大きさも主要な企業の顔ぶれも変わります。汎用のAIに尋ねると、参照した記事ごとに区切り方が違い、数字を並べても比べられないことがあります。

Speedaの競合分析は、事業の区分ごとの売上と利益の関係を企業別に示すとされています。開示資料の事業区分に沿って並ぶので、少なくとも「どの区切りの数字か」は明らかになります。比べる前に区切りを揃える手間が減ることは、経済情報のAIを使う大きな理由の1つです。

ただし、企業が開示する事業区分は、その企業の都合で決まっています。自社が見たい市場の区切りと一致するとは限りません。区切りが合わないときは、AIに無理に合わせさせず、どの区分をどう足し合わせたかを担当者が決めて注記します。注記には、足し合わせた区分の名前と、除いた区分の名前の両方を書きます。除いた理由まで書いておけば、別の担当者が次の四半期に同じ数字を作り直せます。

区切り方の判断をAIに任せると、もっともらしい合算の数字が出てきて、根拠が追えなくなります。区切りを決めるのは人、決めた区切りで数字を集めるのがAIという分担にしておけば、数字の意味を後から説明できます。

分かれ目4:開示資料に無い一次情報が要るか

業界の慣行、取引の実態、現場で起きている変化のように、開示資料にも記事にもまだ出ていない情報が要る問いがあります。汎用のAIも経済情報のAIも、資料から読む限りはここに届きません。

Speedaが他と違うのは、素早い調査から専門家への質問につなぐ支援を持っている点です。資料で分かる範囲と、人に聞かないと分からない範囲を、同じ製品の中で行き来できることが、事業開発や新しい市場への参入の検討で効いてきます。

一次情報が要る問いでは、AIの役割は「資料で分かることを先に片づけ、残った問いを絞る」ことです。聞く前に資料で答えが出る問いを削っておけば、専門家に使う時間を、本当に分からない点に集中できます。

反対に、公開情報だけで答えが出る問いにまで専門家の知見を使う必要はありません。問いごとに、資料で足りるか、人に聞くかを担当者が先に仕分けておくと、費用の使いすぎを防げます。仕分けの結果は、調査の計画書に一行ずつ書いておくと、後から見直せます。

社内のAIから呼ぶか、専用の画面で使うか

2026年3月19日、SpeedaのAIエージェントに、他のAIエージェントとの連携が加わりました。公式の発表では、Speedaの分析や示唆を、利用者がふだん使う業務の画面や主要な生成AIの上で呼び出せるようになり、社内のデータとSpeedaの外部データを1つの画面で横断して調べられる、とされています。

さらに2026年7月1日には、社内の生成AIから経済情報を呼び出すMCP連携の試用が始まり、9月10日の公式の発表で、2026年9月1日から契約者が使えるようになったと示されました。対応先は、主要な対話型の生成AI、マイクロソフトとグーグルの企業向けのAI基盤、業務チャットのスラックです。提供の形はAIエージェントの契約者向けの追加オプションと単体のプランで、サービスごとに対象プラン・管理者権限・設定が要るとされています。接続の審査や権限の一般的な考え方は、別の記事で扱っています。

社内のAIから呼ぶ形が向くのは、社内の資料や顧客管理のデータと、外部の経済情報を合わせて見たい調査です。たとえば、自社の顧客の一覧と、その顧客の直近の業績を並べる作業は、1つの画面で済むぶん楽になります。公式の発表でも、会社概要と直近の業績を尋ねると、企業の検索から財務の指標の取得までを続けて行う例が示されています。

専用の画面が向くのは、深い調査や資料の自動作成のように、Speedaの中で組まれた手順をそのまま使いたい調査です。呼び出す形では、専用の画面の機能がすべて使えるとは限らないため、どの機能をどちらで使うかを、導入の前に試して確かめておきます。

提携元のデータは、許諾なしでは使われない

公式の発表には、どの段階でも同じ但し書きがあります。データやコンテンツの提携企業と専門家から提供されたデータ・コンテンツ・知見は、提供元の許諾なしには、AIエージェントでも、社内のAIから呼び出す連携でも使わない、というものです。

他のAIエージェントとの連携の発表では、同社が所有する独自のデータを使えるのはSpeedaの利用者に限られる、とも書かれています。つまり、画面の上で見られる情報と、AIが答えの材料にできる情報は、同じとは限らないということです。

実務で起きやすいのは、専用の画面で見た業界レポートの数字を、社内のAIから呼び出しても同じように引けると思い込むことです。引けなかった場合に、AIが別の出どころの数字で答えを埋めていないかを、答えに添えられた出典で確かめる必要があります。出典の欄が空の答えや、資料名が曖昧な答えは、その時点で使わずに差し戻します。

導入の前には、自社がよく使う資料の種類を挙げ、それぞれがAIの答えの材料になるか、社内のAIから呼べるかを担当の窓口に確かめて一覧にしておきます。何が流れないかを先に知っておくことが、答えを疑う目安になります。

実務仕様:できること・できないこと

公式の発表とリリースノートで確かめた範囲を、実務で使う形に並べると次のとおりです。料金は公式の発表に記載が無いため、ここでは扱いません。

項目できること(公式の記載)できない・確かめが要ること
深い調査開示資料や業界レポートを横断して検索し、情報を構造化する参照先の範囲外の情報は拾いにくい。回答に数十分かかる
素早い調査経済情報に特化したAI検索。専門家への質問につなぐ支援専門家の知見を使う条件は契約ごとに確かめる
資料の自動作成10枚以上の図解入りのスライドを作る2026年4月の時点では上場企業に限られる
他のAIエージェントとの連携ふだんの業務の画面や主要な生成AIから分析を呼び出す独自のデータはSpeedaの利用者に限られる
社内のAIからの呼び出し企業・業界・財務のデータと専門家の知見を呼び出す提携元のデータは許諾なしでは使われない。管理者の設定が要る
対象と料金デスクトップ版は既存のSpeeda利用企業向けに始まった価格は公式の発表に記載が無い
  • 表は2026年9月末の時点の公式の記載に基づきます。機能は順次加わっているため、検討のたびに最新のリリースノートを読み直してください
  • 「確かめが要ること」の列は、そのまま担当の窓口への質問の一覧として使えます

窓口に聞くときは、自社の調査で使いたい場面を1つ添えると、答えが具体的になります。たとえば「非上場の取引先の計画書を作りたいが対象になるか」「社内のAIから業界レポートの数字を引けるか」のように、使い道と資料の種類を一緒に書きます。

表に載せていない項目もあります。非上場企業のデータがどこまで入っているか、業界をいくつに分けているか、といった点は、今回確かめた公式の発表には書かれていませんでした。公式の記載で確かめられない点は、推測で表を埋めず、窓口への質問として残すのが安全です。

もう1つ大切なのは、試した結果を表に書き足していくことです。公式の記載と、自社で試して分かったことを、別の列に分けて残すと、担当者が替わっても判断の根拠が引き継げます。

出典の確かめ方を、工程に組み込む

どちらのAIを使う場合でも、調査の答えを使う前に出典を確かめる工程が要ります。ここでは、Speedaの答えを社内の資料に載せるまでの手順を、4つの段に分けて示します。

STEP1
答えに使われた資料の種類を確かめる

答えの根拠が、有価証券報告書なのか、業界レポートなのか、企業の発表なのかを見ます。種類によって、数字の確かさと更新の頻度が違います。

STEP2
数字の期と単位を原典で当てる

決算の期、連結か単体か、百万円か億円かを、原典の該当箇所で確かめます。取り違えがいちばん起きやすいところです。

STEP3
区切りと合算を注記する

事業区分をどう足し合わせたか、どの企業を含めたかを、担当者が脚注に書きます。

STEP4
資料の事実とAIの推し量りを分ける

答えのうち、資料に書かれた事実と、AIが資料から推し量った示唆を分けて書かせます。示唆は仮説として扱い、決裁の根拠にしません。

この4段を踏むと、1つの答えを使うまでに時間はかかります。それでも、確かめる手間を惜しんだ数字は、会議で1つ疑われただけで資料全体の信用を落とします。確かめる対象を、決裁や社外に出す数字に絞れば、負担は抑えられます。

確かめの工程でAIに任せられるのは、段落ごとの数字について出典の資料名と箇所を一覧にする作業までです。一覧が正しいかどうかを原典で見るのは、人の仕事です。一覧があるだけで、確かめる人は探す手間を省けます。

確かめた結果は、調査ごとに残しておきます。次に同じ業界を調べるとき、どの資料が役に立ち、どこでAIが読み違えたかが分かっていれば、問いの立て方も良くなります。読み違えの記録は、新しく調査を担当する人への引き継ぎにも使えます。

AIに任せる範囲と、人が持つ範囲

経済情報のAIでも汎用のAIでも、任せてよいのは調査の一次まとめと論点の洗い出しまでです。市場に入るか、どの企業と組むか、いくら投資するかという結論は、AIに判断させません。AIの答えは、判断の材料の1つにとどめます。

任せ方の基本は、答えと一緒に根拠を書かせることです。「どの資料の、どの記載から、そう言えるのか」を毎回の答えに添えさせると、確かめる人の手間が減り、根拠の無い推測が紛れ込んだときに気づきやすくなります。

  • 深い調査の答えを、原典に当たらずに決裁資料へ貼る
  • 自動で作ったスライドを、数字を確かめないまま顧客に出す
  • 業界の区切り方をAIに任せ、合算の根拠が追えなくなる
  • 社内のAIから引けなかった資料の数字を、別の出どころで埋めたまま使う

上のような失敗は、どれも「AIの答えが整っているから大丈夫だろう」という思い込みから起きます。人が確かめる範囲を、調査を始める前に決めておくことが、いちばんの予防になります。

確かめる範囲は、答えの使い道で決めます。社内の下調べなら要点だけ、決裁や社外の資料なら数字をすべて、という具合に、使い道ごとに線を引いておくと、確かめの負担が一部の人に偏りません。

導入の前に確かめること

導入を検討するときは、まず対象の条件を確かめます。デスクトップ版は既存のSpeeda利用企業に限った提供として始まり、社内のAIから呼び出す連携は、AIエージェントの契約者向けのオプションと単体のプランで提供されています。自社がどの形に当たるかで、使える機能が変わります。

次に、料金と利用の条件です。公式の発表には価格の記載が無く、試用開始の発表では、条件や価格は順次案内するとされていました。費用の比較は、担当の窓口から自社の条件で見積もりを取ってから行うのが確実です。汎用のAIの費用と比べるときは、確かめにかかる人の時間も含めて比べます。

3つ目は、社内の体制です。社内のAIから呼び出す連携には、サービスごとに管理者の権限と設定が要るとされています。調査の担当部署だけで決めず、情報システムの担当者と、誰に使わせるか、どの生成AIから呼ばせるかを先に決めておきます。社内のAIから呼べる人が増えるほど、確かめの決まりを知らない人が答えを使う場面も増えるためです。

最後に、試しの設計です。自社がふだん行う業界調査を3つほど選び、汎用のAIと経済情報のAIの両方で同じ問いを立て、出典のたどりやすさと、確かめにかかった時間を比べます。自社の調査で比べた結果が、いちばん確かな判断材料になります。

まとめ

SpeedaのAIは、開示資料や業界レポートのように置き場所の決まった経済情報を横断して読む、深い調査・素早い調査・資料の自動作成を持ち、2026年9月からは社内の生成AIからも呼び出せるようになりました。汎用のAIとの分かれ目は、出典を原典までたどれるか、同じ数字がもう一度出るか、業界の区切りを揃えられるか、一次情報が要るかの4つです。どちらのAIに回すにしても、任せるのは一次まとめと論点の洗い出しまでとし、答えには根拠を書かせ、決裁に使う数字は人が原典で確かめます。結論と意思決定は、人が持ちましょう。

※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。

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