SemrushはAdobeで何が変わる?|AI検索の露出の測り方

「Semrushを契約しているが、Adobeに買われて契約や画面はどうなるのか」「AIの回答の中で自社が出ているかを測れと言われたが、何を数えればいいのか分からない」。SEOの責任者からは、この2つの疑問が同じ時期に聞こえてきます。無理もありません。Adobeは2026年4月28日にSemrushの買収を完了したと発表し、同じ月にはAIの回答の中での露出を測る仕組みも打ち出しました。Adobeの調べでは、米国の小売サイトへのAI経由の訪問は、2026年3月に前年同月比で269%増えています。ただ、これは道具の乗り換えを急ぐ話ではありません。本当は、測る数字を何の判断に使うかを先に決める話です。この記事では、買収で変わること・当面変わらないことを公式の案内で確かめたうえで、AI検索の露出をどう測り、どう使うかを整理します。
カメ先生買収の知らせを聞くと、契約も画面もすぐに入れ替わると思われがちなんだ。でもSemrushの顧客向けの案内では、今の契約や窓口は当面そのまま、と書かれているんだよ。
カメ子それなら、しばらく何もしなくていいということですか。
カメ先生契約はそうだね。ただ、AIの回答の中での露出を測る仕組みは、名前も中身も動いている。何を測って、その数字を何の判断に使うかは、今のうちに社内で決めておかないと、画面が変わるたびに報告の中身がぶれてしまうんだ。
カメ子契約の確認と、測る数字の決め方は、別の仕事として分けて考えるんですね。
- AdobeはSemrushの買収を2026年4月28日に完了した。顧客向けの案内では、今のサービス・契約・窓口・請求は当面そのまま
- AIの回答の中での露出は、アドビのブランドビジビリティ(旧LLMオプティマイザー)が可視性・言及と引用・声のシェアなどで測る
- AIに任せるのは露出の変化の要約と仮説出しまで。回答は揺れるので、1つの数字だけで施策の成否を決めず、人が複数の指標で判断する
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2026年4月28日、SemrushはAdobeの一員になった
Adobeは2026年4月28日、Semrushの買収を完了したと発表しました。発表によると、Semrushはアドビの中で顧客体験の組み立てを担う事業部門に入り、「アドビの会社」という位置づけになります。Semrushという名前はそのまま残り、ブランドとしての看板を下ろすわけではありません。買収の金額は、完了の発表の本文には書かれていません。
発表文の中でアドビが繰り返しているのは、検索とAIの両方で見つけてもらうための道具をまとめるという方向です。Semrushの従来のSEOの道具に加えて、生成AIの回答の中で見つけてもらうための道具や、AIエージェントが情報を探すときに選ばれるための道具が、アドビのコンテンツ管理やコマースの製品と並べて紹介されています。つまり、SEOの道具が、AIの回答まで含めた「見つけてもらう」仕事の道具の一部になったという整理です。
発表では、あらゆる規模のSemrushの顧客に対して、継続した投資と製品の計画の拡大を約束しています。大企業だけを相手にするようになるのではないか、という心配に対する答えとして読めます。ただし、どの機能がいつ、どのように変わるかの具体的な日程は、完了の発表の時点では示されていません。
ここで押さえておきたいのは、買収の完了と、製品の統合の完了は別の出来事だということです。会社としては一つになりましたが、画面や契約の仕組みがすぐに一つになるわけではありません。社内で「もうアドビの製品になった」と説明する前に、次に見る顧客向けの案内で、当面の扱いを確かめておく必要があります。
契約・請求・窓口は「当面そのまま」と案内されている
Semrushは、買収について顧客向けのよくある質問の一覧を公開しています。そこでは、現在のサービス、契約、窓口にすぐの変更はないと書かれています。Semrushの運用は中断なく続くとされ、利用中の機能への入り方や請求の扱いも、当面は今のままと案内されています。
この「当面」という言葉は、読み飛ばさないほうがよい部分です。案内は、今すぐ変わらないことを約束していますが、将来も変わらないとまでは書いていません。統合の時期については「知らせることができるようになったら知らせる」という書き方にとどまっています。変わらないのは今の時点の扱いで、先の予定はまだ決まっていないと読むのが正確です。
実務では、契約の更新日を一覧にしておくことが役に立ちます。更新の時期が近い契約ほど、そのときの条件や窓口の案内が変わっている可能性があるからです。更新の案内が届いたら、前回の条件と見比べ、変わった箇所に印をつけておきます。更新日の一覧は、統合の知らせを受け取ったときに影響の大きさを測る物差しになります。
データの扱いについても、案内はアドビが利用者のデータを守ることに強く取り組むと書き、両社が業界の良い慣行と規制の順守に取り組むとしています。ただ、社内の情報管理の基準で見ると、この書き方だけでは細かな条件までは分かりません。気になる点があれば、担当の窓口に書面で問い合わせ、回答を契約の記録と一緒に残しておくのが確実です。
両方と契約している会社は、2本の契約を並べて持つ
大手の企業では、Semrushとアドビの製品の両方をすでに契約していることがあります。顧客向けの案内は、この場合についても答えています。当面は、両方の契約と両方の仕組みをそのまま使い続けられるとされ、統合は裏側で進めると書かれています。
ここで起きやすいのが、社内の管理の重複です。SEOの担当はSemrushの画面を、ウェブの担当はアドビの画面を、それぞれ別の予算と別の窓口で見ている、という形です。買収の前なら問題になりませんでしたが、今後、同じ種類の数字が両方の画面に出てくるようになると、どちらの数字を社内の正式な値として扱うかで揉めることになります。
先に決めておきたいのは、契約の持ち主と数字の持ち主です。契約の持ち主は、更新と窓口とのやりとりを受け持つ部署です。数字の持ち主は、AI検索の露出の数字を社内に報告する部署です。この2つが別の部署でも構いませんが、名前を書いて決めておくと、統合の知らせが来たときに誰が判断するかで迷いません。
また、両方の製品で同じ質問文や同じ競合を登録している場合は、その一覧を突き合わせておきます。登録の中身が食い違っていると、同じ名前の数字でも値が変わります。数字の違いの多くは、道具の性能ではなく登録の違いから生まれるので、統合を待つ前に一覧を一つにしておくと、後の手間が減ります。
課題1:AIの回答の中で自社が出ているかが見えない
この記事の読者が抱えている課題の一つめは、AIの回答の中で自社が出ているかどうかが分からない、というものです。検索の順位表は毎日見ているのに、生成AIに業界の質問をしたとき、自社の名前が挙がるのか、競合の名前が挙がるのか、社内の誰も答えられない、という状態です。
この課題が急に重くなったのは、AI経由の訪問が増えているからです。アドビは、米国の小売サイトへのAI経由の訪問が、2026年3月に前年同月比で269%増えたという自社の調べを示しています。数字は米国の小売の話なので、日本のBtoBにそのまま当てはめることはできません。ただ、AIの回答を入口にした訪問が、無視できない流れになりつつあることは読み取れます。
経営層から「うちはAIの回答に出ているのか」と聞かれて、答えに詰まる場面も増えています。ここで困るのは、答えがないことよりも、人によって答えが違うことです。ある担当者は自分で質問して出ていたと言い、別の担当者は出ていなかったと言う。手元での確認だけでは、社内の共通の答えにならないのです。
この課題は、道具を入れれば自動的に解けるものではありません。何を質問したときに、どのAIで、どの競合と比べて出ているかを決めて初めて、答えになります。後の章で、アドビの製品が公式に挙げる数字を手がかりに、この決め方を順に見ていきます。
課題2:買収で画面と数字の先行きが読めない
課題の二つめは、買収によって、今使っている画面と数字がこの先どうなるかが読めないことです。Semrushの画面で積み上げてきた順位や競合の記録が、統合の後もそのまま使えるのか。新しく出てきたアドビの画面に、同じ数字が移るのか。担当者としては、報告の土台が揺らぐことが一番の心配です。
加えて、アドビ側の製品の名前が短い期間で動きました。AIの回答の中での露出を測る製品は、もとはLLMオプティマイザーと呼ばれていましたが、公式の説明では「ブランドビジビリティに発展した」と書かれています。名前の変わった製品を社内の資料でどう呼ぶかだけでも、報告書の書き直しが発生します。
この課題への向き合い方は、画面ではなく数字の定義に寄せることです。画面は変わっても、「どの質問文で、どのAIで、何を数えたか」という定義が社内の記録に残っていれば、別の画面に移っても比べられます。報告の土台を画面に置かず、定義の記録に置くと、統合の知らせに振り回されにくくなります。
反対に、画面の数字をそのまま貼り付けた報告を続けていると、統合で数字の計算の仕方が変わったときに、過去と比べられなくなります。前月まで上がっていた数字が急に下がって見えても、それが施策の結果なのか、計算の変更なのか、区別がつきません。
原因1:順位の計測は、AIの回答の中の推薦を数えていない
課題の原因を見ていきます。一つめの原因は、これまでの順位の計測が、検索結果の並び順を数える仕組みだということです。どの語で何位に表示されたかは分かりますが、生成AIが回答の中でどの会社を勧めたか、どのページを出典として示したかは、並び順の数字には入っていません。
アドビがサミットで発表したブランドの見え方を扱う仕組みでは、AIの面での推薦のシェアと、回答の正確さを測る対象に挙げています。AIが自社を勧めているかだけでなく、自社について正しいことを答えているかも見る、という考え方です。これは順位表にはなかった観点です。
回答の正確さは、BtoBの企業にとって特に重い点です。AIが古い製品名や終わったサービスを答えていたり、他社の特徴を自社のものとして説明していたりすると、訪問の数が増えても、商談の場で説明し直す手間が増えます。露出の量だけでなく、回答の中身が合っているかを見る必要があります。
ここで大事なのは、順位の計測が不要になったわけではないことです。検索からの訪問は今も大きな流れで、順位の記録は引き続き要ります。足りなかったのは、AIの回答の側を見る目です。順位表とAIの回答の記録を、別の物差しとして並べて持つのが現実的な姿です。
原因2:アドビの製品は、名前と中身が同じ年のうちに動いた
二つめの原因は、道具の側の変化の速さです。アドビは、2026年4月20日のサミットで、ブランドの見え方を扱う仕組みを発表しました。その8日後にSemrushの買収が完了し、さらに同じ年の途中で、LLMオプティマイザーがブランドビジビリティという製品にまとめられました。
公式の説明では、ブランドビジビリティはアドビの最適化の機能と、Semrushの市場情報を一つの作業の流れにまとめたものとされています。つまり、買収の効果が最初に目に見える形で出てきたのが、この製品です。Semrushを契約している会社にとっては、自分たちの使ってきた市場の情報が、アドビの製品の中にも入ってきたことになります。
名前の変わった時期については、公式の概要の英語版に日付が書かれておらず、この記事では日付を示しません。社内の資料では、「旧名称LLMオプティマイザー、現名称ブランドビジビリティ」と併記しておくと、過去の資料と今の資料をつなげて読めます。
この速さを前にすると、道具の画面を覚えることに時間を使いすぎないほうが賢明です。画面の名前や並びはまた変わるかもしれません。変わりにくいのは、その道具が何を数えると公式に説明しているかです。次の章では、公式の概要に書かれている数字を一覧にして、それぞれを何の判断に使えるかを考えます。
ブランドビジビリティが測ると公式に書かれている数字
アドビの公式の概要によると、ブランドビジビリティは生成AIの回答やAIの助手の中での自社の見え方を測ります。挙げられている数字を、この記事の読者が使う判断と結びつけて整理すると、次の表のようになります。数字の名前は公式の説明を日本語に置き換えたものです。
| 数字 | 公式の説明の要点 | つなげやすい判断 |
|---|---|---|
| 可視性のスコア | 回答の中で自社がどれだけ、どの位置で出てくるか | 重点の質問文の群ごとに、手を入れる順番を決める |
| 声のシェア | 同じ質問で自社と他社が挙がる割合 | 競合と比べて、どの分野で後れているかを知る |
| 言及と引用 | 回答の中で名前が出たか、ページが出典として示されたか | どのページを直すと引用につながるかを探す |
| 好意度 | 回答の中で自社がどんな調子で語られているか | 誤った説明や不利な書かれ方を見つけて直す |
| エージェントの訪問 | AIの助手が自社のサイトを訪れた動き | AIに読まれているページと読まれていないページを分ける |
| 引用からの訪問 | 出典のリンクから人がサイトに来た動き | AIの回答が実際の来訪につながっているかを確かめる |
表の中で、前の4つはAIの回答の側の数字で、後ろの2つは自社のサイトの側の数字です。この区別は大事です。回答の側の数字は、AIの答えが揺れる影響を受けます。一方、サイトの側の数字は、実際に起きた訪問の記録です。性格の違う数字を同じ重みで扱わないことが、読み違いを防ぎます。
質問文の選び方や、答えが毎回違うことの扱いといった、AI検索の露出の測り方の一般論は、LLMOの道具を買うか自前で測るかを整理した記事にまとめています。ここでは、この製品の数字を社内の判断にどう結びつけるかに絞ります。
測る以外の機能は、打ち手の候補として読む
公式の概要では、ブランドビジビリティの機能を5つに分けて説明しています。自社の見え方を測る、他社と比べる、打ち手の機会を見つける、AIからの訪問の影響を追う、チームで共有する、の5つです。前の章の数字は主に1つめと4つめに当たります。残りの3つは、測った後の動き方に関わる機能です。
打ち手の機会を見つける機能では、公式の説明として、よくある質問のまとめ、要約、ページの構造を示す情報、AIが読み取りやすいかどうかの改善といった候補が挙げられています。ここで気をつけたいのは、候補はあくまで候補で、やるかどうかを決めるのは人だということです。自社の製品の説明として正しいか、法務の確認が要る表現ではないかは、道具には分かりません。
他社と比べる機能は、社内の説得の材料として強い力を持ちます。競合の名前が多く挙がる質問文を示せば、予算の相談は通りやすくなります。ただし、比べる相手の選び方で結果は大きく変わります。比べる競合の一覧は、営業やマーケの責任者と合意したうえで固定し、途中で入れ替えるときは記録を残しておきます。
チームで共有する機能は、SEOの担当だけでなく、コンテンツの制作や広報の担当が同じ数字を見るためのものです。共有の前に決めておきたいのは、誰が数字を直す依頼を出し、誰が受けるかです。数字を見る人を増やすほど、直す依頼の窓口を一つに絞る必要があります。
対策1:まず自社の契約と使っている範囲を棚卸しする
ここから対策に入ります。最初にやるのは、道具の比較ではなく、自社の今の契約と使っている範囲の棚卸しです。買収の知らせに反応して新しい製品の話を聞く前に、手元に何があるかを一覧にします。手順は次のとおりです。
Semrushとアドビの製品のそれぞれについて、契約の名義、更新日、窓口、予算を持つ部署を書き出します。
順位の計測、競合の調査、AIの回答の中での露出の計測など、実際に毎月使っている機能だけを並べます。使っていない機能は別の欄に分けます。
登録している語、質問文、競合の一覧を、両方の製品で突き合わせます。食い違いがあれば、どちらを正とするかを決めます。
更新の条件、統合の予定、データの扱いなど、案内だけでは分からない点を書面で問い合わせます。回答は契約の記録と一緒に残します。
棚卸しをすると、多くの会社で「契約はしているが、毎月見ている数字は一部だけ」という実態が見えてきます。それ自体は悪いことではありません。使っていない機能が分かれば、統合の知らせが来たときに影響を受けない範囲もすぐに分かります。
この棚卸しは、道具を選び直すための作業ではありません。どの道具をどの料金で選ぶかという話には、ここでは入りません。目的は、買収の後の変化に対して、社内で判断できる材料をそろえておくことです。
対策2:測る数字は、使う判断から逆算して選ぶ
二つめの対策は、測る数字を、その数字を使う判断から逆算して選ぶことです。前の表の数字をすべて毎月報告すると、見る人は何を決めればよいか分からなくなります。先に「この数字が動いたら何をするか」を決め、それに要る数字だけを選びます。
| 決めたいこと | 主に見る数字 | 判断の持ち主 |
|---|---|---|
| どの分野の記事を先に直すか | 可視性のスコアと声のシェア | SEOの責任者 |
| どのページの説明を正すか | 好意度と言及の中身 | 製品の担当と広報 |
| AIに読まれていないページがあるか | エージェントの訪問 | ウェブの責任者 |
| AIの回答が来訪につながっているか | 引用からの訪問 | SEOとマーケの責任者 |
表の右の列には、判断の持ち主を書きました。数字を見る人と、数字を受けて決める人が一致していないと、報告は「見ました」で終わります。数字ごとに、動いたときに決める人を一人決めておくと、報告が次の動きにつながります。
回答の正確さに関わる数字は、特にBtoBでは優先して見る価値があります。AIが自社の料金の仕組みや提供地域を誤って答えていると、問い合わせの段階で誤解が生まれます。露出を増やすより先に、誤った説明を直すほうが、商談の質に効くことが少なくありません。
逆に、数字が増えたかどうかだけを目標に置くのは避けます。回答の側の数字は、AIの答えが揺れる影響を受けるため、月ごとの上下の多くは施策と関係のない動きです。目標にするなら、サイトの側の数字と組み合わせて、複数の数字が同じ方向に動いたかで見ます。
対策3:見る頻度と、報告の置き場を決める
三つめの対策は、数字を見る頻度と、報告をどこに置くかを決めることです。AIの回答の側の数字は日ごとに揺れるので、毎日見ると上下に振り回されます。社内に報告する単位は月ごとにし、担当者の確認は週ごとにするなど、目的に合わせて頻度を分けます。
報告の置き場は、画面ではなく社内の記録にします。月ごとの報告には、数字そのものに加えて、使った質問文の群、比べた競合の一覧、道具の名前と画面の版を書き添えます。定義を添えた報告だけが、統合の後も過去と比べられるからです。
よく見かける失敗の型を挙げておきます。どれも、買収や名称の変更のような変化が起きたときに、報告の土台を崩す原因になります。
- 画面の数字の画像だけを貼り、質問文や競合の一覧を残していない
- 途中で比べる競合を入れ替えたのに、記録に残していない
- 月ごとの上下を、そのまま施策の成果として経営層に報告している
- SEOの担当とウェブの担当が、別の製品の同じ名前の数字を別々に報告している
- AIが出した改善の候補を、確認せずにそのまま実行の予定に入れている
このうち、同じ名前の数字を別々に報告している状態は、両方の製品を契約している大手の企業で起きやすいものです。社内の正式な値をどちらの製品から取るかを、報告の決まりとして文字にしておきます。
対策4:アドビの基盤を使っていない会社の扱い
四つめの対策は、アドビのコンテンツ管理やコマースの製品を使っていない会社が、どう向き合うかです。サミットで発表されたブランドの見え方を扱う仕組みは、アドビのコンテンツ管理の基盤やコマースの製品と組み合わせる形で説明されています。既存のページを更新したり、新しいページを作ったりするエージェントも、その流れの中で紹介されています。
一方で、ブランドビジビリティの公式の概要には、他のアドビの製品が必須だとは書かれていません。アドビの基盤を使っていない場合に、どの機能がどこまで使えるかは、公式の概要だけでは判断できません。この点は推測で社内に説明せず、窓口に確かめてから伝えるのが安全です。
アドビの基盤を使っていない会社にとって、当面の現実的な道は、Semrushの今の契約を使い続けながら、統合の知らせを待つことです。そのあいだに、前の章で決めた質問文の群と競合の一覧を整えておけば、どの製品で測ることになっても、その定義をそのまま持ち込めます。
反対に、統合を理由に、サイトの仕組みまで入れ替える判断を急ぐ必要はありません。サイトの基盤の入れ替えは、露出の計測とは比べものにならない規模の仕事です。計測の都合でサイトの基盤を決めないことは、責任者として押さえておきたい線です。
AIに任せる範囲と、人が決める範囲
AIの回答の中での露出を扱う仕事にも、AIを使える場面はあります。月ごとの数字の変化を要約させる、動きの大きかった質問文を並べさせる、なぜ動いたかの仮説を複数出させる、といった作業です。手作業では時間のかかる整理を、短い時間で下書きにできます。
ただし、AIに施策の成否を判断させないことが前提です。AIの回答そのものが揺れる以上、揺れる数字を別のAIに解釈させると、根拠のあいまいな結論ができあがります。要約や仮説を出させるときは、どの数字のどの変化を根拠にしたかを必ず書かせ、人がその根拠を元の記録で確かめます。
人が確かめる範囲は、作業の前に決めておきます。たとえば、経営層への報告に載せる結論、製品の説明を直す指示、比べる競合の変更の3つは、必ず責任者が確かめる、と決めておきます。確かめる範囲を先に決めておけば、AIの下書きをどこまで信じてよいかで迷わないのです。
打ち手の候補についても同じです。道具が示す改善の候補や、AIが出した仮説は、実行の予定に入れる前に、自社の製品の説明として正しいか、法務の確認が要る表現ではないかを人が見ます。判断は、回答の側とサイトの側の複数の数字をそろえて、人が持つ。これがこの仕事の基本の線です。
ミニ用語解説
この記事で使った言葉を、買収の後のAI検索の露出の計測という文脈に沿って、短く整理します。
- ブランドビジビリティ:アドビの製品。生成AIの回答やAIの助手の中での自社の見え方を測る。旧名称はLLMオプティマイザー
- 可視性のスコア:回答の中で自社がどれだけ、どの位置で出てくるかをまとめた数字
- 声のシェア:同じ質問で、自社と他社が回答の中に挙がる割合
- 言及と引用:回答の中で名前が出ること(言及)と、ページが出典として示されること(引用)
- 好意度:回答の中で、自社がどんな調子で語られているか
- エージェントの訪問:AIの助手が情報を集めるために自社のサイトを訪れる動き
- 引用からの訪問:AIの回答に示された出典のリンクから、人がサイトに来る動き
製品の名前や数字の呼び方は、統合の進み方に合わせてまた変わる可能性があります。社内の手順書には、公式の説明へのリンクと、確かめた日付を合わせて残しておくと、後から読み返すときに迷いません。
まとめ
AdobeはSemrushの買収を2026年4月28日に完了しましたが、顧客向けの案内では、今のサービス・契約・窓口・請求は当面そのままとされています。まず自社の契約と使っている範囲を棚卸しし、両方と契約している場合は正式な値をどちらから取るかを決めます。AIの回答の中での露出は、ブランドビジビリティが挙げる数字を手がかりに、使う判断から逆算して選び、定義を添えて月ごとに報告します。AIには要約と仮説出しを任せて根拠を書かせ、成否の判断は人が複数の数字で持ちましょう。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
コンテンツ制作・SEOにAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
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