Midjourneyを広告に使う落とし穴|公開と係争で決める線

「制作会社がMidjourneyで作ったキービジュアルを出してきたが、このまま広告に使ってよいのか判断がつかない」「発表前のキャンペーン案が、ほかの人も見られる場所に載っていたらしいと後から聞いた」。画像生成AIが制作の現場に入ってから、発注側のマーケティング担当や法務の担当者から、こうした相談が寄せられるようになりました。画質が上がり、案出しの速さも十分なだけに、使うこと自体を止めるのは現実的ではありません。とはいえ、問題は画像の出来ではありません。本当は、この製品に固有の既定値と契約の条件を知らないまま使わせていることです。この記事では、Midjourneyに固有の3つの前提から落とし穴の原因をたどり、広告に使う線をどこに引くかを整理します。
カメ先生Midjourneyは、利用規約とヘルプに、ほかの画像生成AIとは違う前提がいくつも書いてある製品なんだ。作った画像が公開されうること、年間の売上で必要なプランが変わること、そして権利の保証をしないこと。
カメ子便利な道具として配る前に、そういう前提を読んでいる会社は多くなさそうですね。
カメ先生そうなんだよ。しかも大手の映画会社との訴訟も続いている。だから広告に使うかどうかは、画像の良し悪しより先に、どの用途なら使ってよいかの線引きで決まるんだ。
カメ子線を引くのは発注する側の仕事で、制作会社任せにはできない、ということですね。
- Midjourneyは、ステルスを使わない限り作った画像が公開されうる前提で、ステルスは上位の2つのプランだけ
- 年間売上100万米ドルを超える企業は、生成物を所有するのに上位のプランが必要で、規約は権利の保証をしない
- 用途を社内の構想用・社外公開物の素材・そのまま広告に分け、契約と類似の確認の担当で線を引く
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広告の現場で起きている3つの落とし穴
Midjourneyを広告や販促に使う場面で起きる問題は、大きく3つに分けられます。1つ目は、発表前の案が外から見えてしまうこと。2つ目は、納品された画像が他社の作品やキャラクターに似ていること。3つ目は、問題が起きたときに責任を持つ人が誰もいないことです。
この3つは、どれも画像の品質とは関係がありません。どれほど見栄えのよい画像でも、公開の前に外に出ていれば情報漏れになり、他社の作品に似ていれば差し替えと謝罪が必要になります。品質の確認だけをしている体制では、どれも防げないところが共通しています。
また、3つとも発注側が気づきにくい場所で起きます。制作会社の担当者の手元で、どのプランを使い、どんな設定で画像を作ったかは、納品物からは分かりません。発注側が知らないうちに、製品の既定値のまま作業が進んでいることが多いのです。
以下では、まず3つの落とし穴がどう起きるかを具体的に見ます。そのうえで、原因をMidjourneyの規約とヘルプに書かれた前提にたどり、最後に発注側が引くべき線を対策として整理します。
落とし穴1:発表前の案が外から見えていた
新商品のキャンペーンで、制作会社が複数のビジュアル案をMidjourneyで作ったとします。社内の検討が終わる前に、商品名を入れた指示文や、商品の特徴が分かる画像が、ほかの利用者から見える場所に並んでいた、という事態が起こりえます。発表前の情報が、作業の過程そのものから漏れるという落とし穴です。
この落とし穴がやっかいなのは、誰も漏らそうとしていないことです。制作会社の担当者は、普段どおりに画像を作っただけです。発注側も、画像を作る作業が外から見えうるとは考えていません。誰の過失ともいえないまま、情報が外に出ている状態になります。
指示文に書いた言葉も、見られうる情報に含まれると考えておく必要があります。商品名、発売の時期、提携先の名前などを指示文に書けば、画像だけでなく、その言葉も手がかりになります。競合他社が、キャンペーンの方向性を先に知る材料になりかねません。
取引先との秘密保持の契約で、発表前の情報の扱いを決めている場合は、契約違反の問題にもなりえます。制作会社との契約に秘密保持の条項があっても、画像生成の道具の既定値まで想定しているとは限りません。
落とし穴2:納品物が他社の作品に似ていた
2つ目は、納品された画像が、既存のキャラクターや他社の広告のビジュアルに似ていたという落とし穴です。画像生成AIは、指示の仕方によっては、よく知られた作品の特徴を強く反映した画像を返すことがあります。制作会社が意図していなくても、似ていることに誰も気づかないまま広告に出てしまうおそれがあります。
広告は多くの人の目に触れるため、似ていることに気づかれる確率も高くなります。配信を始めた後で指摘を受ければ、配信の停止、素材の差し替え、場合によっては相手先への対応が必要になります。差し替えにかかる費用と時間は、最初に確かめる手間よりずっと大きいのが普通です。
似ているかどうかの判断が難しいことも、この落とし穴を深くしています。どこからが似ているといえるのかという著作権の一般的な論点は、別の記事で整理しています。ここで押さえておきたいのは、その判断を制作会社の担当者ひとりに任せている体制そのものが問題だという点です。
社内のデザイナーが使う場合も同じです。作った本人は、自分の指示から出てきた画像を、他社の作品と見比べる習慣を持っていないことが多くあります。作る人と確かめる人が同じだと、似ていることに気づく機会がありません。
落とし穴3:問題が起きたとき、誰も補償しない
3つ目は、問題が起きた後に表面化する落とし穴です。広告に使った画像について権利の侵害を指摘されたとき、発注側は制作会社に、制作会社はMidjourneyに責任があると考えがちです。ところが、後で見るとおり、Midjourneyの規約は生成物について権利を侵害しないことを保証していません。
制作会社との契約で、納品物の権利について何も決めていなければ、責任の所在はさらに曖昧になります。誰も補償せず、誰も責任を持たないまま、広告を出した発注側が表に立つことになります。広告主として名前が出るのは発注側だからです。
画像生成AIの中には、法人向けの契約で著作権の補償をうたうものもあります。そのため、「生成AIには補償が付いている」という印象だけが社内に広がっていることがあります。どの製品のどの契約に補償があり、どんな条件で外れるのかは、製品ごとに確かめなければなりません。
Midjourneyを使う場合は、補償がない前提で線を引く必要があります。これが、ほかの製品と同じ感覚で使わせてはいけない一番の理由です。
原因1:作った画像は公開されうる前提になっている
1つ目の落とし穴の原因は、Midjourneyの既定値にあります。利用規約は、ステルスと呼ばれる機能を使っている場合に限って、作った画像を公開しないよう最善を尽くすと書いています。裏を返せば、ステルスを使わない限り、作った画像は公開されうる前提で製品が作られているということです。
そして、そのステルスが使えるのは、公式ヘルプと規約によると、上位のプランであるプロとメガの利用者だけです。以前は追加購入の形でも提供されていましたが、今はプランに含まれる形です。下位のプランで作業している限り、非公開で作る手段がないということになります。
さらに規約は、ステルスを使っていても、ディスコードのチャットの部屋のような共有・公開の場で作ったものは、その場にいる人から見えると明記しています。上位のプランを契約していても、作業する場所を間違えれば非公開にはなりません。プランの指定と、作業する場所の指定の両方が要るということです。
制作会社がどのプランを契約し、どこで作業しているかは、発注側からは見えません。だからこそ、口頭の確認ではなく、契約や発注書で指定する必要があります。
原因2:年間売上でプランの条件が変わる
Midjourneyの利用規約には、企業の規模によってプランの条件が変わる定めがあります。公式ドメインの規約によると、年間の売上が100万米ドルを超える企業、またはその従業員は、生成物を所有するにはプロかメガのプランに入っている必要があるとされています。
この条件は、見落とされやすいものです。社員が個人で下位のプランに入り、業務の画像を作っているとします。会社の売上がこの基準を超えていれば、規約の上では、その画像を所有する条件を満たしていないことになります。個人の契約で業務に使わせることの危うさが、ここにあります。
制作会社に作業を任せる場合も、確かめるべきことは同じです。規約の条件は、画像を作る企業とその従業員について定めているので、制作会社の規模によっては、制作会社が上位のプランに入っている必要があります。発注側としては、どのプランで作ったのかを納品の条件として示してもらうのが確実です。
- 年間売上の基準は米ドルで書かれているため、円に直すと為替で基準を超えるかどうかが変わりうる。境目に近い会社は法務と経理で判断をそろえる
- 基準は企業の売上で定められており、使う人の部署や人数では変わらない
規約の文言は改定されることがあります。この記事の内容は2026年9月に公式の規約で確かめた範囲です。社内の手順書には、確かめた日付と規約の該当箇所を書き添え、改定の有無を定期的に確かめてください。
原因3:規約は権利を保証せず、判断の責任は利用者にある
3つ目の落とし穴の原因は、利用規約の保証の定めです。規約は、サービスと生成物を現状のまま提供するとし、権原や権利の非侵害を含めて、いかなる保証もしないと書いています。つまり、作った画像が他者の権利を侵害しないことを、Midjourneyは約束していないということです。
規約は続けて、生成物を使ったり配ったりすることが適切かどうかを判断する責任は利用者だけにあり、サービスの利用に伴うリスクも利用者が負うと定めています。また、第三者の知的財産やプライバシーの権利を侵害する形で指示文を入れたり、画像を読み込ませたりしてはならないとしています。判断と責任の置き場所は、はっきり利用者の側にあります。
この定めは、発注側にとって重い意味を持ちます。制作会社が作った画像でも、広告として公開するかを最終的に判断するのは発注側です。規約上の利用者は制作会社であっても、公開の判断を下した発注側が責任を免れるわけではありません。
補償がないことは、使ってはいけないという意味ではありません。補償がない前提で、どの用途なら許容できるかを決めればよいのです。その線引きの材料として、次に係争の状況を押さえておきます。
原因4:大手映画会社との係争が続いている
Midjourneyは、アメリカの大手映画会社から著作権の侵害で訴えられています。報道と訴訟の記録によると、2025年6月にディズニーとユニバーサルがカリフォルニア州の連邦地方裁判所に提訴し、同年9月にはワーナー・ブラザース・ディスカバリーも提訴しました。2つの訴訟は、2025年11月に1つにまとめられています。
訴えの中身は、映画会社が権利を持つキャラクターに似た画像を、利用者が簡単に作れる状態にあることなどを問題にしたものと報じられています。2026年に入っても、証拠を開示し合う段階にあると伝えられており、判決はまだ出ていません。どのような結論になるかは、現時点では分かりません。
発注側にとって、この係争が意味するのは、結論が出るまでの間、製品の仕様や規約が変わりうるということです。訴訟の結果によっては、作れる画像の範囲や利用の条件が変わる可能性があります。今日の規約を前提に作った運用が、そのまま続けられるとは限らないと考えておきましょう。
もう一つ、係争の対象になっている製品を広告に使うこと自体が、社内の説明を難しくする面もあります。問題が起きたときに、なぜその製品を選んだのかを説明できるよう、用途を限定した理由を記録に残しておくことが大切です。
- 訴訟の日付と段階は、2026年9月時点の報道と訴訟の記録で確かめた範囲。今後の日程や結論は変わりうるため、社内の判断資料には確かめた日付を添える
- 訴訟はアメリカの裁判所で争われているもので、日本の著作権法の判断が直接示されるものではない
原因5:確認の工程が契約と社内の手順の外にある
ここまでの4つは製品の側の前提でした。最後の原因は、発注側の体制にあります。多くの会社では、制作物の確認の工程が、画質やブランドの表現に合っているかどうかの確認だけで組まれています。どの道具で、どの設定で作ったかを確かめる工程が、そもそも存在しないのです。
制作会社との契約も、画像生成AIが普及する前の形のままであることがよくあります。納品物の権利を発注側に移す条項はあっても、生成AIを使ったかどうかを申告する義務や、使った場合のプランと設定を示す義務は入っていません。契約の外で道具が使われている状態です。
社内の利用ルールにも同じ穴があります。生成AIの利用ルールが文章生成AIを想定して作られていて、画像生成AIの公開の既定値や、年間売上による条件までは書かれていないことが多いのです。ルールがあるから大丈夫、という思い込みが、確認の抜けを生みます。
つまり、3つの落とし穴は、製品の前提と、発注側の確認の抜けが重なって起きています。対策も、この両方に手を入れる形で考えます。
対策1:用途を3つに分けて線を引く
最初の対策は、Midjourneyで作った画像の用途を3つに分け、それぞれで使ってよい条件を決めることです。すべてを禁止するのでも、すべてを許すのでもなく、用途ごとに許す範囲を変えるのが現実的な線の引き方です。
| 用途 | 例 | 使ってよい条件 | 人が持つ確認 |
|---|---|---|---|
| 社内の構想用 | 企画会議の雰囲気の案、絵コンテの下書き | 発表前の情報を指示文に書かない。上位のプランとステルスで作る | 社外に出さないことの確認 |
| 社外公開物の素材 | 背景や質感の一部として加工して使う | 上位のプランで作り、元の画像と加工の記録を残す | 加工後の類似の確認と採否 |
| そのまま広告 | 生成した画像を主役のビジュアルとして出す | 原則として避ける。使う場合は法務の承認を必須にする | 類似の確認、法務の承認、記録 |
社内の構想用は、外に出さない限りリスクが小さく、Midjourneyの強みである案出しの速さを最も生かせる用途です。ただし、発表前の情報を扱うなら、公開の既定値の問題があるため、上位のプランとステルスの指定は欠かせません。
そのまま広告に使う用途は、補償がないこと、係争が続いていることを考えると、最も慎重に扱うべき用途です。主役のビジュアルは、生成した画像を下敷きにして人が描き直すか、撮影で作るという線を引いている会社もあります。自社がどこまで許容するかを、法務と一緒に決めてください。
区分は、作った時点ではなく使う時点で判断します。構想用に作った画像が、締め切り間際にそのまま広告へ転用されることがよくあるからです。用途を変えるときは、変えた先の区分の条件を満たしているかを確かめ直すことを手順に入れておきます。構想用として下位の条件で作った画像は、原則として広告には転用しないと決めておくと迷いません。
対策2:プランと作業の場所を指定する
2つ目の対策は、Midjourneyを使うときのプランと作業の場所を指定することです。社内で使う場合は、会社として上位のプランを契約し、社員が個人の契約で業務に使うことを禁じます。業務の画像は会社の契約でしか作らない、という一文を利用ルールに入れておきます。
作業の場所も指定します。規約のとおり、共有・公開の場で作ったものはステルスでも見えるので、公開のチャットの部屋では業務の画像を作らないと決めます。利用する画面と手順を、手順書に具体的に書いておくと、担当者が迷いません。
指示文に書いてよい情報の範囲も決めておきます。商品名、発売の時期、提携先の名前など、発表前の情報は、ステルスを使う場合でも指示文に書かないのが安全です。画像の雰囲気を伝えるのに、固有の名前は要らないことがほとんどです。
年間売上の条件についても、自社の売上が基準を超えているかを、法務か経理に確かめておきます。基準を超えていれば、上位のプランの契約が前提になります。
対策3:制作会社との契約に入れる条項
制作会社に任せる場合は、契約や発注書に、画像生成AIの扱いを書き込みます。口頭の確認では、担当者が変わったときに引き継がれません。入れておきたい条項は次のとおりです。
- 画像生成AIを使うかどうか、使う場合は製品名を事前に申告する
- Midjourneyを使う場合は、上位のプランとステルスで作業し、公開の場で作らない
- 発表前の情報を指示文に書かない
- 納品時に、使った指示文と生成の記録、加工の内容を添える
- 生成物をそのまま主役のビジュアルに使う場合は、事前に発注側の承認を得る
- 権利の侵害を指摘されたときの対応と費用の分担を定める
このうち、生成の記録を添える条項は特に大切です。問題が起きたとき、どんな指示でどの画像を作り、どう加工したかが分かれば、似た画像ができた経緯を説明できます。記録がなければ、意図して似せたのではないことを示すのが難しくなります。
費用の分担の条項は、法務と相談して決めます。制作会社にすべての責任を負わせる条項を入れても、制作会社の規模によっては実際には負担しきれないことがあります。条項で決めることと、そもそも危うい用途を避けることは、両方そろえて初めて効きます。
既存の取引先との契約を一度に改めるのが難しい場合は、発注書の備考や、別紙の確認書で対応する方法もあります。次の案件の発注から、画像生成AIの申告と生成の記録の添付を条件に加えるだけでも、確認の材料は大きく増えます。条項を加えたことは、取引先の担当者に口頭でも伝え、現場の作業手順に落としてもらうよう依頼します。
対策4:公開前の類似の確認の担当を決める
4つ目の対策は、社外に出す画像の類似の確認を、作った人とは別の担当者が持つことです。作る人と確かめる人を分けるだけで、似ていることに気づく機会が生まれます。確認は次の順で進めます。
その画像が、社内の構想用・社外公開物の素材・そのまま広告のどれに当たるかを最初に確かめます。
使ったプラン、作業の場所、指示文に既存の作品名や人名が入っていないかを記録で確かめます。
画像検索で似た画像がないかを探し、有名なキャラクターや他社の広告と見比べます。
少しでも似ていると感じたら、担当者の判断で進めず、法務に回します。
採用か不採用かと、その理由を記録に残し、広告の公開の承認に添えます。
確認の担当者は、マーケティングの部署の中で、制作に直接関わっていない人を充てるのが現実的です。確認の担当者に、止める権限を持たせておくことも大切です。締め切りが迫っているときほど、確認が形だけになりがちだからです。
確認にかける時間は、用途の重さで変えます。社外公開物の素材として一部に使うだけなら画像検索と記録の確認で足り、主役のビジュアルに使うなら法務の承認まで通します。
確認の記録は、広告の配信が終わった後も一定期間残しておきます。配信の終了後に指摘を受けることもあるためです。画像、指示文、類似の確認の結果、承認者の名前を1つの置き場所にまとめておけば、指摘を受けたときにすぐ経緯を示せます。保存の期間は、法務と相談して決めます。
AIに任せる範囲:構想段階の案出しまで
ここまでの線引きを、AIに任せる範囲と人が持つ範囲に分けて整理します。Midjourneyに任せてよいのは、構想段階の案出しまでです。企画会議で方向性を話し合うための雰囲気の案や、撮影や描き起こしの前の下書きとして使う分には、速さの利点を十分に生かせます。
一方で、社外に出す画像の採否と、他社の作品に似ていないかの確認は、人が持ちます。AIに判断させず、似ているかどうかの判断は必ず人が下すことを、利用ルールに書いておきます。画像を作るAIは、作った画像が何かに似ていることを教えてはくれません。
確認の作業の一部にAIの手を借りることはできます。たとえば、生成の記録として残った指示文の一覧を文章生成AIに読ませ、既存の作品名や人名が含まれていないかを洗い出させる使い方です。このときも、どの指示文のどの語が当たったのかを根拠として示させ、最終的な判断は人がします。
人が確認する範囲を先に決めておけば、AIを使う場面を広げても、確認が抜けることはありません。用途の区分、プランと場所の指定、契約の条項、類似の確認の担当。この4つがそろって初めて、Midjourneyを広告の制作に安心して組み込めます。
やりがちな失敗
Midjourneyを広告の制作に使うときに起きやすい失敗を挙げておきます。どれも、ほかの画像生成AIと同じ感覚で使わせることから起きています。
- 社員が個人で下位のプランに入り、業務の画像を作っている
- 制作会社がどのプランで、どこで作業しているかを確かめていない
- 発表前の商品名や提携先の名前を、指示文にそのまま書いている
- 生成AIには補償が付いているものだと思い込み、規約を読んでいない
- 作った本人だけが仕上がりを確かめ、似た画像を探す工程がない
- 生成の記録を残さず、問題が起きたときに経緯を説明できない
特に多いのは、個人の契約での業務利用を放置している失敗です。公開の既定値の問題と、年間売上の条件の問題が同時に起きるうえ、会社としてはどの画像がどこで作られたのかを把握できません。まずは社内でMidjourneyを使っている人を把握し、会社の契約に切り替えるところから始めます。
もう一つは、係争のニュースを見て全面的に禁止し、社員が隠れて使うようになる失敗です。禁止するより、用途ごとの線を示して正規の使い方を用意するほうが、確認の目が届く範囲を広げられます。
よくある質問
Midjourneyで作った画像を広告に使うことは禁止されていますか
規約は、条件を満たせば生成物を所有できるとしており、商用の利用そのものを禁じてはいません。ただし、年間売上の条件や、権利を保証しない定めがあるため、使ってよい用途は自社で線を引く必要があります。
ステルスを使えば、作った画像は誰にも見られませんか
規約は、ステルスを使っている場合に公開しないよう最善を尽くすと書いていますが、共有・公開の場で作ったものは、ステルスでもその場の人から見えるとしています。作業の場所の指定も合わせて行ってください。
制作会社が作った画像なら、責任は制作会社にありますか
契約の定め方によります。規約上の利用者が制作会社でも、広告として公開する判断を下すのは発注側です。責任の分担は、発注の前に契約で決めておく必要があります。
係争の結論が出るまで、使うのを待つべきですか
待つかどうかは会社の方針によります。構想段階の案出しに限れば、社外に出ないためリスクは小さく抑えられます。社外に出す画像については、係争の状況と規約の改定を定期的に確かめ、用途の線を見直してください。
社内のデザイナーが使う場合も、同じ手順が要りますか
要ります。会社の契約で上位のプランを使い、作業の場所と指示文の範囲を決め、社外に出す画像は作った人とは別の人が類似を確かめます。社内の人でも、作る人と確かめる人を分ける点は変わりません。
まとめ
Midjourneyを広告に使うときの落とし穴は、画像の品質ではなく、この製品に固有の前提から生まれます。ステルスを使わない限り作った画像は公開されうる前提で、ステルスは上位のプランだけ。年間売上が100万米ドルを超える企業は、生成物を所有するのに上位のプランが必要で、規約は権利の非侵害を保証せず、判断の責任を利用者に置いています。さらに大手映画会社との係争が続き、判決はまだ出ていません。こうした前提に、発注側の確認の抜けが重なると、発表前の案の露出、似た画像の納品、責任の所在の曖昧さという3つの落とし穴が生まれます。用途を社内の構想用・社外公開物の素材・そのまま広告の3つに分け、プランと作業の場所を指定し、制作会社との契約に条項を入れ、類似の確認の担当を決めてください。まずは、社内と取引先の制作会社で、誰がどのプランでMidjourneyを使っているかを確かめるところから始めるのがおすすめです。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AIの導入・活用、何から始めるべきかお悩みですか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
