動画広告の冒頭3秒をAIで設計する|離脱させない出だし

「冒頭の演出を派手にしたのに、最後まで見られる割合が上がりませんでした」「制作会社に冒頭のつかみが弱いと言われましたが、何を直せばよいのか分かりません」——動画広告を出しているBtoBの担当者から届く声です。どちらも冒頭を作り直したあとに出てきた言葉で、直す方向そのものがずれていた例にあたります。冒頭の数秒は、目を引く演出を置く場所ではありません。本当は、見ている人が「これは自分に関係がある」と判定するための材料を置く場所です。この記事では、冒頭に何を置くか、型をどう選ぶか、音が出ない前提でどう組むか、そしてAIをどこまで使ってよいかを、作る順番どおりに整理します。
カメ先生冒頭3秒っていうとね、最初の3秒で目を引けという話だと思われがちなんだ。でも実際に起きているのは、見ている人が「これは自分向けかどうか」を数秒で判定していて、違うと判定したら指が動く、っていうことなんだよ。
カメ子目を引くことと、自分向けだと分かることは、別のことなのですか。
カメ先生別だね。派手な映像は目を引くけれど、自分向けかどうかの判定材料にはならない。だから驚かせる作りほど、驚いたあとで離れていくんだ。
カメ子では冒頭に置くべきなのは、演出ではなくて、見ている人が自分を対象だと判定できる情報のほうになりますね。
- 冒頭の数秒に置くのは演出ではなく、見ている人が自分を対象だと判定できる手がかり
- 型は4つ。問いかけ・結論を先に言う・場面を見せる・数字を出す。商材と配信面で向き不向きが分かれる
- AIは案を並べる・既存動画の冒頭を書き起こして型に分ける作業に使い、どれを出すかは人が決める
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つかみを演出の問題として扱うと外す
冒頭を直すという話になると、最初に出てくるのは演出の案です。音を鳴らす、動きを速くする、驚く絵から始める。どれも目を引く効果はありますが、BtoBの動画広告でこれだけを足しても、最後まで見られる割合はあまり動きません。理由は単純で、目を引くことと、自分に関係があると分かることが別の働きだからです。前者は視線を止めますが、後者がなければ止まった視線はすぐ次に移ります。
見ている人が冒頭の数秒でしているのは、内容の評価ではありません。自分が読む対象かどうかの選別です。流れてきた広告に対して、自分の仕事に関係があるか、いま困っていることに触れているか、を判定している。判定に必要な材料が出てこなければ、内容の善し悪しにたどり着く前に指が動きます。冒頭で落ちているのは興味ではなく、対象かどうかの判定材料です。
演出が効かないという話ではありません。効く順番が違います。対象だと分かったあとの数秒では、演出は最後まで見るかどうかに効きます。逆に、対象だと分からないうちに演出を重ねると、驚いた直後に離れるという結果になります。制作の相談で冒頭が弱いと言われたときは、演出の強さではなく、相手を指定する情報が冒頭にあるかどうかを先に確かめます。ここを飛ばして演出の案を出し合うと、作り直しが何度でも起きます。
実務では、冒頭を直す相談に入る前に3つだけ確かめます。最初の1秒に文字が出ているか、その文字に職種か場面か困りごとが入っているか、音を消しても意味が通るか。この3つが通っていない動画に演出を足しても、成績はほとんど動きません。3つが通っていれば、そこから先は演出の検討に進んでよい段階だと判断できます。制作会社への依頼書にも、この3つを確認済みかどうかを先に書いておくと、提案の中身が変わります。
3秒という数字はどこから来たのか
冒頭3秒という言い方は、制作の理論から出たものではありません。媒体が再生を1回と数えるときの条件から来ています。媒体別の指標を比べた整理によると、大手の交流サイトの広告は3秒以上の再生を1回と数え、国内の大手ポータルの広告は再生開始・3秒・10秒という区切りで、国内の対話アプリの広告は視聴開始・3秒という区切りで記録します。3秒は、多くの媒体が最初に置いた計測の目盛りです。
目盛りの位置は媒体でそろっていません。同じ整理によると、短文投稿の場では動画が画面に50%以上表示された状態で2秒経過した時点、短尺動画の場では再生の開始そのもの、大手の動画共有サービスのスキップできる広告では30秒以上または最後まで見た時点を1回と数えます。同じ再生という言葉でも、条件は媒体ごとに別物です。この整理でも、同じ名前でも中身はまったく別物だと明記されています。
制作の側から見ると、3秒に収めること自体が目的ではありません。冒頭のフックを扱った制作会社の解説でも、3秒は目安であり、媒体によっては3秒から6秒で設計したほうが再現性が高い場合があると整理されています。秒数を固定せず、出す媒体の目盛りを確かめてから冒頭の長さを決めるほうが、作り直しが減ります。目盛りが10秒まである媒体なら、判定に使える時間は3秒より長く取れます。
冒頭で外すと、後ろの作り込みは届かない
冒頭に時間をかける理由は、後ろが読まれないからです。動画の離脱を扱った解説では、企業の販促動画で再生開始から30秒から1分以内に約50%以上が離れる傾向があるとされ、3分以内の短い動画では最初の15秒から30秒での離脱が多いと整理されています。別の制作会社の解説では、開始3秒の時点で離脱が7割を超えるという課題提起も出ています。
これらの数値は、媒体も商材も配信面もそろっていない前提で読む必要があります。他社の平均をそのまま自社の目標値に使わないことです。使い方としては、離脱が前半に集中するという形だけを受け取り、実際の割合は自社の配信で測ります。測り方は後半で扱います。数値を目標に据えると、届かないときに冒頭以外の要素まで疑い始めて、判断が散ります。
制作の時間配分も変わります。30秒の広告なら、尺の1割にあたる最初の3秒に、作業時間の3割から4割を当てても割に合います。後ろの説明をどれだけ丁寧にしても、冒頭で選別を通らなかった人には届かないからです。編集の順番も、全体を作ってから冒頭を足すのではなく、冒頭の案を先に確定させてから後ろを組み立てるほうが速く終わります。後から冒頭を差し替えると、つながりを直す作業が毎回発生します。
BtoBで最初に要るのは、相手の指定
冒頭に置く情報は、相手の指定から考えます。指定の材料は3つしかありません。職種、場面、困りごとです。「経理の方へ」は職種、「月末の締めの日に」は場面、「請求書の突き合わせに時間がかかっているなら」は困りごとにあたります。3つのうち少なくとも1つが冒頭の数秒に出ていれば、見ている人は自分が対象かどうかを判定できます。
逆に置いてはいけないのが、商品名と会社名から入る形です。動画の冒頭を扱った解説でも、商品名の説明から入るより、使う場面・困りごと・変化から入るほうが見られやすい場合があると整理されています。名前は判定の材料になりません。知っている人にとっては不要な情報で、知らない人にとっては意味が取れないからです。BtoBの商材は名前から用途が読み取れないものが多く、この傾向はより強く出ます。
指定は1つに絞ります。職種も場面も困りごとも全部を冒頭に詰めると、読む文字が増えて、判定が終わる前に秒数を使い切ります。実務では、利用者が誰かがはっきりしている商材なら職種、使う場面が限られる商材なら場面、困りごとが他社と違うなら困りごと、という選び方が扱いやすくなります。
指定を決めるときに使えるのは、自社が既に持っている情報です。受注した案件の担当者の職種、問い合わせフォームに書かれた困りごとの言葉、商談で最初に出てくる質問。冒頭の文言は、広告のために新しく考えるより、商談の記録から拾うほうが当たります。実際に使われた言い回しは、同じ立場の人に読まれたときの引っかかり方が違います。
冒頭に置く4つの型と、向く商材
相手の指定が決まったら、それをどう見せるかの型を選びます。型は4つです。問いかけから入る、結論を先に言う、場面を見せる、数字を出す。どれも冒頭の数秒で相手を指定するための手段で、優劣はありません。商材と配信面で向き不向きが分かれます。
| 冒頭の型 | 最初の数秒に置くもの | 向く商材・場面 | 外しやすい点 |
|---|---|---|---|
| 問いかけから入る | 相手の困りごとを短い問いの形で置く | 困りごとが言葉になっている商材。改善提案の性格が強いサービス | 問いが一般的すぎると誰の話か分からなくなる |
| 結論を先に言う | 見た人が得られる結果を最初に言い切る | 効果を言い切れる商材。比較検討が進んでいる相手 | 言い切る根拠がないと誇大に見える |
| 場面を見せる | 使っている場面や困っている場面を映す | 使う場所が限られる商材。現場で使う機器や道具 | 場面が伝わるまでに秒数を使いやすい |
| 数字を出す | 削減率・件数・期間などを1つだけ置く | 既存の顧客で実績が測れている商材 | 出どころを言えない数字は不信につながる |
制作側の整理では、冒頭のフックを問題提起型・結論や便益の先出し型・比較やギャップの型・日常の共感から入る型の4つに分ける分類が使われています。呼び名は違いますが、問題提起型は問いかけ、先出し型は結論、共感から入る型は場面に対応します。比較やギャップの型は、2つの状態を並べて差を見せる形で、場面を見せる型の変化形として扱えます。
1本の中で型を混ぜないことです。問いかけで始めて、すぐ数字を出して、場面も見せる、という作りにすると、どれも中途半端な秒数になります。型を1つに決めて、余った秒数は文字を減らすことに使います。型を変えて試すのは、1本ずつ別の広告として出すときです。
配信される面の性質でも、向く型が変わります。動画の前に差し込まれる面では、見ている人は別の動画を見に来ているので、中断された状態から冒頭が始まります。ここでは問いかけより、結論を先に言う型のほうが通りやすくなります。一覧をめくっている面では、自分で手を動かして進めているので、問いかけや場面を見せる型で手が止まります。同じ商材でも、面が違えば冒頭を作り分けるという判断になります。
数字を出す型は、根拠が言えるときだけ使う
4つの型のうち、数字を出す型だけは条件が付きます。数字は判定の材料として強く働きますが、出どころを聞かれたときに答えられない数字は、逆向きに働きます。BtoBの広告は、見た人がそのまま比較検討に入る前提で作るものなので、最初の数秒に出した数字は商談で必ず確認されます。
使ってよいのは、自社が数えた数字です。導入した社数、対応した件数、既存の顧客で測った作業時間の変化。いずれも、どの範囲を数えたかを社内で言えるものに限ります。他社の調査の数値を冒頭に置く場合は、調査の名前を短く添えられるものだけにします。添えられない数値は、冒頭ではなく本編で扱うか、使いません。
数字の見せ方も、桁を増やさないことです。冒頭で読める数字は1つだけだと考えます。2つ並べると、どちらが主張なのかの判定にまた秒数がかかります。削減率と対象件数を両方見せたいときは、冒頭に置くのは片方だけにします。もう片方は、冒頭を通過したあとの数秒で出せば十分に届きます。
音が出ない前提で最初の一文を決める
冒頭の設計で外せない前提が、音が出ていないことです。制作会社の解説では、交流サイト上の動画広告の多くはスマートフォンの画面かつ無音で再生されると整理されています。BtoBでは、これに加えて執務中や移動中に見られるため、音を出せない状況そのものが多いという事情があります。音声で説明する設計にすると、冒頭の情報がまるごと届きません。
そこで、相手を指定する情報は文字で置きます。置き方には目安があります。同じ解説では、視線が集まりやすい画面の中央から上部に配置し、15文字以内の短い文でフックを示す形が挙げられていました。別の制作会社の解説でも、1画面に1つのメッセージに近づける、表示の時間を確保する、背景とのコントラストを強める、映像と同じことを長文で繰り返さない、という4点が挙がっています。失敗例として挙がっているのは、冒頭の文字が長くて読めないという形です。
ここで決めるのは最初の一文だけです。全体の字幕やテロップの作り方は別の話なので、冒頭の設計では、最初の一文の内容、その長さ、出る位置、消えるまでの秒数という4点に絞ります。この4点が決まっていれば、以降の文字は編集の作業として処理できます。逆に、全体の文字設計から手を付けると、冒頭の一文がいつまでも決まりません。
縦と横で変わること
同じ冒頭でも、縦の画面と横の画面では見え方が変わります。縦の画面は手元の端末で全画面に近い形になるため、画面を占める割合が大きくなります。配信設計を扱った解説では、モバイルの一覧画面では画面占有率が高いこと自体が注意を得るうえで物理的に有利になる、と整理され、比率は4:5を基本とすべきだとされていました。配信面が手元の端末中心であれば、縦を基本にする判断が取れます。
一方で、冒頭の文字の置き場所は縦と横で変わります。比率の使い分けを扱った解説では、9:16・16:9・1:1・4:5のどれに切り出しても文字が切れないよう、画面の中央60%から70%の範囲に主要な文字を収める方法が挙げられていました。1本の素材を複数の比率に切り出して使うなら、冒頭の文字は中央寄りに置くのが安全です。
比率を先に決めるか、後で切り出すかで作り方が変わります。配信する面が1つに決まっているなら、その比率に合わせて冒頭を組んだほうが画面を広く使えます。複数の面に同じ素材を出すなら、切り出しても意味が通る位置に文字と被写体を置きます。縦と横のどちらで作るかは、演出の好みではなく、切り出しの有無で決めることになります。
媒体ごとに違う視聴の数え方に引きずられない
冒頭を直したあとは、媒体の管理画面で結果を確かめることになります。ここで起きるのが、数え方の違いに引きずられる事故です。前半で触れたとおり、1回と数える条件は媒体でそろっていません。冒頭の評価に使えるかどうかという観点で並べると、次のようになります。
| 媒体の種類 | 1回と数える主な条件 | 冒頭の評価に使うときの注意 |
|---|---|---|
| 大手の動画共有サービス(スキップできる広告) | 30秒以上、または最後まで見た時点 | 冒頭の良し悪しではほとんど動かない |
| 大手の動画共有サービス(短尺の面) | 10秒以上または最後まで、または行動の発生 | 冒頭が効くが、10秒までの離脱はまとめて落ちる |
| 大手の交流サイトの広告 | 3秒以上の再生 | 冒頭の評価に近いが、自動再生の分が混じる |
| 短文投稿の場 | 画面に50%以上表示された状態で2秒経過、または行動の発生 | 秒数が短く、離脱の判定には粗い |
| 短尺動画の場 | 再生の開始(繰り返し再生を除く) | 冒頭の良し悪しがほとんど反映されない |
| 国内の大手ポータル・対話アプリの広告 | 再生開始・3秒・10秒などの区切りごと | 区切りが細かく、冒頭の比較に使いやすい |
この表から読める運用は2つです。1つは、媒体をまたいで再生数を並べて比べないこと。同じ名前でも中身が別なので、並べた瞬間に判断が壊れます。もう1つは、冒頭の評価には再生数ではなく、再生開始から一定の秒数に到達した割合を使うことです。区切りが用意されている媒体なら、最初の区切りへの到達率が冒頭の成績にいちばん近くなります。
区切りが用意されていない媒体では、平均の再生時間を代わりに使います。ただし平均は後半の長い視聴に引っ張られるため、冒頭だけを比べる目的には向きません。この場合は、同じ媒体・同じ配信面の中で、冒頭だけを変えた2本を同時に出して比べる形にします。管理画面の指標名がそろっていない以上、比較の条件は自分でそろえるしかありません。
到達率を見るときは、分母も確かめます。表示された回数を分母に取るか、再生が始まった回数を分母に取るかで、同じ動画の数字が大きく変わるからです。自動で再生が始まる面では表示と再生開始がほぼ同じ数になり、手で再生を始める面ではまったく別の数になります。冒頭の比較では、再生が始まった回数を分母にそろえるほうが、面をまたいでも読み方が変わりません。分母を書かずに割合だけを報告に載せると、翌月に別の人が違う分母で作り直します。
冒頭の案をAIに複数出させる手順
ここまでが決まってから、AIを使います。使いどころは案を並べる作業です。相手の指定と型が決まっていれば、その条件で冒頭の一文を20本出させる、という使い方ができます。条件を決めずに良い冒頭を考えてと頼むと、どの商材にも当てはまる一般的な一文が並びます。条件を書く作業は人の側に残ります。
相手の指定(職種・場面・困りごとのどれか)、型、配信する媒体、最初の一文の上限文字数、音が出ない前提。この5点を先に書きます。
商談の記録、問い合わせに書かれた困りごとの文言、既存顧客の言い回しを渡します。材料がないと、一般的な言葉しか出てきません。
型を1つに固定して数を出させます。型を混ぜて出させると、比べる軸がなくなって選べなくなります。
文字数の上限を超えたもの、専門語が2つ以上入っているもの、主語が自社になっているものを落とします。ここまでは人の判断が要りません。
残った案が、渡したどの材料から作られたかを1行で書かせます。材料が示せない案は候補から外します。
この手順の要点は、4段目までを機械的な作業にしてあることです。人が読む対象を減らしてから判断に入るので、20本出しても選ぶ時間は増えません。出させる数を増やすより、落とす条件を先に決めるほうが効くという形になります。
出てきた案をそのまま使わないことも決めておきます。言い回しは自社の言葉に直します。とくに、商談で実際に使われていない言葉は、冒頭に置いても判定の材料になりません。読んで意味は通るのに反応が出ない冒頭は、たいていここが原因です。
既にある動画の冒頭を書き起こして型に分ける
もう1つの使いどころが、既にある動画の冒頭を整理する作業です。自社が過去に出した広告と、比較検討で名前が挙がる他社の広告について、最初の数秒を文字に起こし、4つの型のどれかに分類させます。書き起こしと分類はAIが得意な作業で、本数が多いほど効きます。
分類した結果は、偏りを見るために使います。自社の広告の冒頭が全部で結論を先に言う型になっていた、というような偏りは、一覧にしないと気づけません。偏っていること自体は問題ではありませんが、成績の出ていない型に偏っていた場合は、まだ試していない型が残っているという意味になります。
分類の精度は期待しすぎないことです。型の境目は曖昧で、問いかけの形をした結論もあります。実務では、AIが分けた結果を人が2割ほど付け替える前提で使います。分類そのものを正解にする必要はなく、試していない型を見つけられれば目的は足ります。
当たった冒頭は、型と一緒に記録します。文言だけを残すと、次の商材で使い回そうとして外します。型と、そのときの相手の指定、配信した媒体を添えて残すと、別の商材でも組み直せます。記録は1行で足ります。
AIが出した冒頭案で起きる外し方
案出しにAIを使うと、決まった形で外れます。先に知っておくと、落とす条件に組み込めます。実際に出てきたものを並べると、次のような形です。
- 誰にでも当てはまる問いで始まった。業務の効率化にお困りではありませんか、という形は対象を絞らないので判定の材料にならない
- 自社が主語になった。私たちは何々を提供しています、という形には、見ている人が自分に関係あるかを判断する情報が入っていない
- 渡していない数字が入った。実績として扱っていない数値が案の中に現れ、そのまま入稿されかけた
- 文字数を縮めさせたら専門語に置き換えられた。業界の略語で字数を合わせてくるため、読める人が減る
- 全部の案が同じ構文になった。数を増やしても、語尾と名詞が入れ替わっただけの案が並ぶ
最後の1つは、指示の出し方で減らせます。型を固定したまま、相手の指定だけを変えて出し直させる。職種で1回、場面で1回、困りごとで1回。指定を変えると構文も変わるので、同じ本数でも中身の幅が広がります。
数字が勝手に入る件は、落とす条件で機械的に処理します。渡した材料に含まれていない数字が入っている案は、内容を読む前に外します。材料にない数字が出てきた時点で、その案は確認の対象ではなく除外の対象だと決めておくと、判断で迷いません。
どれを出すかは人が決める
任せてよい範囲と、任せない範囲を先に分けておきます。任せてよいのは、案を並べる、書き起こす、型に分ける、文字数を数える、条件に合わない案を落とす、という作業です。量が多く、間違っていても人が気づける範囲だからです。
任せないのは、どの案を出稿するかの決定と、成績の良し悪しの判定です。理由は能力ではなく材料です。AIが見ているのは案の文面だけで、商談でその言葉がどう受け取られたかも、配信面の事情も知らない。判定させると、読みやすい案が選ばれます。読みやすさと冒頭の成績は一致しません。
- AIが出した案には、どの材料から作ったかを1行で書かせる。書けない案は候補にしない
- 出稿を決める前に、人が確認する範囲を決めておく。数字が入った案と、相手を指定する語句は全件人が読む
- 成績の判定はAIにさせない。どちらの冒頭が良かったかは、同じ媒体・同じ期間の数字を人が見て決める
- 案を出させた記録を残す。渡した条件と材料が分かれば、当たらなかった原因を条件の側から探せる
人が確認する範囲を先に決めておくと、確認の作業が増えません。全部を読むと決めると続かず、決めないと事故が起きます。数字が入った案と、相手を指定する語句だけを全件読む、という線が実務では回ります。
作った後の確かめ方
冒頭を変えたあとは、良くなったかどうかを確かめます。見るのは、再生が始まった人のうち、最初の区切りまで残った割合です。区切りの秒数は媒体が用意しているものを使い、自社で秒数を決め直さないようにします。管理画面にない秒数は、あとから計算で出せないからです。
比べ方には条件が付きます。冒頭以外を変えないこと、同じ媒体の同じ配信面で出すこと、同じ期間に並行して出すこと。順番に出して前後で比べると、期間の違いが混ざります。冒頭の比較は、前後ではなく並行で行うのが基本です。
判断に必要な量は、商材と配信量で変わります。1日に数十回の再生で判断すると、翌週には逆の結果が出ます。実務では、回数が一定に達するまで判断を保留し、達しないうちは案を増やさないと決めておくほうが、作り直しの回数が減ります。到達率が動かないときは、冒頭ではなく配信の対象がずれている可能性を先に見ます。
よくある質問
冒頭は何秒で作ればよいですか
秒数は媒体の目盛りに合わせます。3秒を1回と数える媒体では3秒、10秒の区切りがある媒体では6秒前後まで使える場合があります。制作の解説でも、3秒は目安で、媒体によっては3秒から6秒で設計したほうが再現性が高い場合があると整理されています。固定の正解はありません。
音を出す前提で作ってはいけませんか
音を足すこと自体は問題ありません。順番の問題です。音がなくても冒頭の情報が成立しているかを先に確かめてから、音を足します。逆にすると、音が出ない環境で冒頭が空になります。
冒頭に社名やロゴを入れるべきですか
相手を指定する情報より先には置きません。名前は判定の材料にならないためです。既に名前を知られている相手に向けた配信であれば、判定が済んでいるので冒頭に置く意味が出てきます。相手によって置き場所が変わる、という整理になります。
同じ冒頭を複数の媒体で使い回せますか
使い回せますが、2点の確認が要ります。切り出しても文字が切れない位置に置いてあるか、その媒体の最初の区切りが何秒か。この2点が通れば、同じ冒頭で出せます。通らない媒体だけ、冒頭の文字の位置か長さを直します。
AIに冒頭の良し悪しを点数で出させてよいですか
点数そのものは出せますが、出稿の判断には使いません。点数の根拠が文面の読みやすさに寄るためです。使うなら、文字数の超過、主語が自社になっている、材料にない数字が入っている、という落とす条件に限って機械的に使います。
まとめ
動画広告の冒頭を設計する要点は、演出を強くすることではなく、見ている人が自分を対象だと判定できる材料を先に置くことに尽きます。3秒という数字は媒体が再生を数える目盛りから来たもので、制作の正解ではない。冒頭に置くのは職種・場面・困りごとのどれか1つで、商品名からは入らない。型は問いかけ・結論・場面・数字の4つから1つを選び、混ぜない。音が出ない前提で最初の一文の内容と長さと位置と表示秒数を決め、切り出しを考えて中央寄りに置く。効果は媒体の最初の区切りへの到達率で見て、媒体をまたいで再生数を並べない。AIは案を並べる・書き起こす・型に分ける・条件で落とす作業に使い、どれを出すかの判断はさせず、案の根拠を1行で書かせる。まずは、いま出している動画の最初の3秒を文字に起こして、そこに職種・場面・困りごとのどれが書かれているかを確かめるところから始めてみてください。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
広告・SNS・動画にAIを活かす第一歩、まずは導入から始めませんか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
