CTAを相手で出し分ける方法|次の一手を取りこぼさない

「記事の下には、どのページも同じ資料請求の欄を置いています」「相手によって出し分けたほうがよいと言われたのですが、何種類作ればよいのか見当がつきません」——サイトに記事がたまってきた会社から、この2つは続けて届きます。どちらも、出し分けを欄を増やす作業だと考えているところでつまずいています。出し分けは欄を書き分ける作業ではなく、先に受け皿の数を決めて、そこへ相手を振り分ける作業です。この記事では、1つのページに同時に来ている4つの場面を順に追いながら、受け皿の決め方、軸の本数、材料にしてよい記録、AIに任せる範囲と人が決める線、そして効果の見方までを並べます。
カメ先生出し分けというと、相手ごとに文言を書き換えることだと思われがちなんだ。でも効くのはもっと手前でね。渡せるものが1種類しかない状態では、誰に何を出しても同じものが出る。
カメ子書き分ける前に、渡せるものを増やしておくということですか。
カメ先生順番としてはそうなるね。ただ増やしすぎると、今度は社内のほうが回らなくなる。受け皿の数は、作る手間ではなく、来たものを受ける側の手間で決まるんだ。
カメ子資料を1つ足すたびに、その後の対応まで増えるという意味でしょうか。
- 出し分けは欄を書き分ける作業ではない。先に受け皿を何種類持つかを決め、そこへ相手を振り分ける
- 軸は2本まで。3本目を足した時点で組み合わせが8通りになり、作った本人しか直せなくなる
- 材料にしてよいのは、こちらが受け取った記録と流入の経路まで。端末に残る記録を使うなら通知か公表が要る
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同じページに、別の場面の相手が同時に来ている
1つのサービス紹介ページを思い浮かべてください。ある日の午前中に、そのページを4人が開いています。検索から初めて来た人、3か月前に資料を受け取って戻ってきた人、すでに取引のある会社の担当者、そして同業の下見で見ている人です。4人が見ている文章は同じですが、その先にしてほしいことは4つとも違います。
4人の違いは、性格や役職ではありません。どこから来たかと、これまでにこちらが何を渡したか、の2つだけで分かれています。この2つは、こちらの手元にある記録で分かります。分からないのは、いま何を探しているかのほうです。だから出し分けは、相手の頭の中を当てる作業ではなく、手元の記録で振り分ける作業になります。
この記事で扱う範囲も、ここで区切っておきます。欄にどう書くか、どこに置くか、どう見せるかは扱いません。別ページを用意して着地点を分けるかどうかも扱いません。扱うのは、同じ1ページの中で、誰に何を出すかを決めるところだけです。文言と置き場所の話は、出し分けを決めたあとに始まる別の作業になります。
進め方は、実際に手を動かす順に並べます。取りこぼしがどちら側で起きているかを見る、受け皿の数を決める、場面ごとに何を出すかを決める、軸の本数を絞る、材料の線を引く、作った後の崩れに備える、効果を見る。7段です。受け皿が2種類以上ある会社なら、最初の設計は半日ほどで組めます。
全員に同じ一手を出すと、取りこぼすのはどちら側か
出し分けをしていない状態は、1つの受け皿に全員を通している状態です。ここで起きる取りこぼしは、どちらの受け皿を選んでいるかで向きが変わります。問い合わせだけを置いている場合は、まだ比べている途中の人が全部落ちます。問い合わせは、相手に社名と連絡先を出させる行為なので、決めていない段階では押されません。
逆に資料請求だけを置いている場合は、いますぐ話したい人を回り道させます。見積もりを急いでいる人に資料を渡すと、その人は資料を読まずに連絡先を探し始めます。探して見つからなければ、そのまま他社に行きます。どちらに寄せても、片側は必ず落ちます。
この取りこぼしが厄介なのは、落ちた側が数字にまったく出ないことです。問い合わせだけを置いているサイトの数字には、問い合わせの件数しか並びません。比べている途中で離れた人は、記録のどこにも残りません。数字を見ている限り、取りこぼしは見えないままになります。
だから出し分けを検討するきっかけは、数字の悪化ではないことがほとんどです。営業の側から「話が早い相手ばかり来る」「逆に、まだ全然決まっていない相手ばかり来る」という声が出たときが、片側に寄っている合図になります。声のほうが数字より早く出るので、営業との定例で1問だけ聞いておくと気づけます。
出し分けより先に決めるのは、受け皿の数
ここで順番を間違えないようにします。条件を作るより先に、出せるものが何種類あるかを数えます。受け皿が1種類しかない状態でいくら条件を書いても、出るものは1つしかありません。出し分けの設計は、渡せるものを増やすところから始まります。
ただし、増やせば増やすほどよいわけではありません。受け皿の数を決めるのは作る手間ではなく、来たものを受けたあとに社内で何が起きるかのほうです。ウェビナーの申し込みを受け皿にすれば、開催の準備と当日の運営と後追いの連絡が発生します。個別相談を受け皿にすれば、日程調整と担当の割り当てが毎回発生します。受ける側の手が空いていない受け皿は、置いた時点で事故になります。
実務では、受け皿を1つ足すときに3つを同時に決めます。誰が受けるか、受けてから何時間以内に動くか、動けないときは誰に回すか。この3つが決まらない受け皿は置きません。置いてしまうと、申し込みを受けたのに誰も動かない状態が生まれ、出し分ける前より印象が悪くなります。
- 受け皿を増やす前に、いまある受け皿の後追いが実際に回っているかを2週間だけ数える
- 回っていない受け皿があるなら、増やすのではなくそちらを止めるか、受ける人を変える
- 受け皿ごとに、受けてから最初の連絡までの時間を記録に残す(出し分けの効果を見るときに必要になる)
受け皿を4つに絞る
BtoBでよく置かれる受け皿は、資料の配布、サービスの資料請求、無料の登録や試用、ウェビナー、問い合わせと見積もりです。BtoBサイト改善を支援する会社の解説(2026年)では、数を優先するなら配布用の資料、温度感を優先するなら自社サービスの資料請求、という選び分けが示されています。全部を置くのではなく、自社で受けられる4つまでに絞ります。
4つという数には、運用の側の理由があります。次の章で触れるとおり、軸を2本に抑えると組み合わせは4通りになります。受け皿が4つを超えると、どの組み合わせにも当たらない受け皿が出てきて、置いたまま忘れられます。忘れられた受け皿は、古い内容のまま残り続けます。
| 受け皿 | 向く場面 | 受けたあと社内で起きること | 中身を作り直す頻度 |
|---|---|---|---|
| 配布用の資料 | 検索から初めて来た人、題材を調べている段階 | 名簿に入り、後追いのメールの対象になる | 半年に1度(数値と事例が古くなる) |
| サービスの資料請求 | 自社が候補に入っていて、社内で説明する材料が要る段階 | 営業に連絡が入り、数日以内の返答が要る | 料金や機能が変わったとき |
| 導入事例 | 比べている最中で、似た規模の例を探している段階 | すぐには動かないが、読んだ記録が後で効く | 新しい事例が増えたとき |
| 個別相談と見積もり | 時期が決まっていて、条件を詰めたい段階 | 日程調整と担当の割り当てが毎回発生する | 作り直さない(受ける体制のほうを見る) |
| ウェビナー | 決めていないが、話は聞いてもよい段階 | 開催準備、当日の運営、後追いの連絡が発生する | 開催のたび |
同じ解説(2026年)では、購買の段階ごとに出すものを変える形も示されています。情報を集めている段階には資料や調査、比べている段階には料金と導入事例、決める段階には問い合わせや個別相談、という並びです。この並びは、そのまま出し分けの下敷きになります。段階を当てるのではなく、手元の記録から段階の近いほうへ寄せる、という使い方をします。
場面1 検索から初めて来た人
ここから4つの場面を順に見ます。1つ目は、検索から初めて来た人です。手元にある記録は、流入の経路だけです。過去に何かを渡した記録はなく、社名も分かりません。この相手に出すのは、名乗らずに受け取れるものに限ります。
具体的には、配布用の資料か、導入事例のどちらかです。どちらを出すかは、そのページが答えている問いで決めます。題材そのものを調べている途中のページなら資料、似た会社がどうしているかを探しているページなら事例です。ページの中身と受け皿の距離が遠いと、出し分けたことが裏目に出ます。
ここで置かないのは、個別相談と見積もりです。置いても押されないから、という理由だけではありません。押されないものが目立つ位置にあると、押される可能性のあるものが押しのけられます。1つのページに置く受け皿は、出し分けた結果として1つか2つに収めます。
初回の相手に対しては、もう1つ決めておくことがあります。どの受け皿にも当たらなかったときに何を出すかです。条件を作ると必ず「どれにも当たらない」場合が出るので、既定の一手を先に決めておきます。既定は、いちばん受け取りやすいもの、つまり配布用の資料にしておくのが無難です。
場面2 資料を受け取った人が戻ってきたとき
2つ目は、以前に資料を受け取った人が、別の日に戻ってきた場面です。手元には、何をいつ渡したかの記録があります。同じものをもう一度出さない、というだけで出し分けは半分成り立ちます。すでに持っているものを勧められると、見ていないと思われていることが伝わります。
出すのは、1段先の受け皿です。配布用の資料を渡してあるならサービスの資料請求か導入事例、資料請求まで済んでいるなら個別相談。ただし、1段飛ばして個別相談まで進めると、押されないどころか身構えられます。段は1つずつ上げます。
戻ってきた人かどうかをどう見分けるかは、次の章の材料の話につながります。ここで押さえておくのは、見分けられなかったときに困らない設計にしておくことです。端末を変えていれば記録は残っていませんし、社内の別の人が見ていることもあります。見分けられなかった場合は場面1の扱いに落ちるだけ、という形にしておけば、外れても損はしません。
時間の扱いも決めておきます。資料を渡してから半年以上たっている相手は、戻ってきた人ではなく初めて来た人に近い状態です。記録は残っていても、検討は止まっています。記録の有効期間を3か月から6か月で切り、それを過ぎたら既定の一手に戻すという線を入れておきます。
場面3 すでに取引のある会社の人
3つ目は、すでに取引がある会社の担当者が見ている場面です。ここで資料請求や問い合わせを出すのは、いちばん惜しい取りこぼしになります。その人はすでに社内に窓口を持っているので、サイトの欄から入ってくる必要がありません。出しても押されず、押されたとしても営業の側で重複した対応が発生します。
出すとしたら、既存の相手にしか意味のないものに限ります。追加の機能や別のサービスの案内、契約している人向けの資料、担当者向けの勉強会の案内などです。既存の相手に向けた受け皿を1つも持っていないなら、この場面では何も出さないほうが正しい判断です。空けておくのも出し分けの結果の1つです。
取引の有無をどう判別するかは、会社によって条件が変わります。顧客管理の仕組みと連携できるなら記録で分かりますし、連携していないなら判別できません。判別できない場合は、この場面の出し分けを作らないと決めます。作れない条件を無理に近似で埋めると、次の場面の判定まで巻き込んで崩れます。
実務では、この場面を最初の1本目に選ばないほうが進みます。判別に他の仕組みとの連携が要り、設計に時間がかかるためです。場面1と場面2の2つだけで動かし始め、取引の有無は後から足す。この順にすると、最初の出し分けを2週間ほどで動かせます。
場面4 見込みでない相手が見ているとき
4つ目は、採用を探している人、同業の下見、学生の調べものといった場面です。この相手を出し分けで拾おうとすると、条件が急に複雑になります。結論としては、この場面は出し分けの対象から外します。判別できる材料がほとんどないうえ、外した場合の損も小さいためです。
ただし、完全に無視すると別の問題が起きます。採用の情報を探している人が、サービスの資料請求ばかり出てくるページを延々と見ることになります。出し分けの外に、誰にでも見える経路を1本だけ残しておきます。よくあるのは、ページの下部に会社案内と採用への行き先を静かに置いておく形です。
この場面をどう扱うかを決めておくと、効果の見方も整理できます。出し分けの効果を見るときに、この層が分母に混ざっていると数字が動かなくなります。分母から外せないなら、比べるのは全体の転換率ではなく、受け皿ごとの受け取りの件数にします。何を分母にするかは、効果の章でもう一度触れます。
なお、見込みでない相手を判別して弾く、という設計はしません。判別を外したときに、本当の見込み客を弾くことになります。外したときの損が大きい判定は、出し分けに持ち込まないという線を引いておきます。
出し分けの軸は2本までにする
場面が4つあると、軸を何本も立てたくなります。ここに線を引きます。運用できるのは2本までです。1本なら2通り、2本なら4通り、3本にすると8通りになります。8通りの出し分けを、作った本人以外が直せる形で持つのは現実的ではありません。
2本に絞るとき、選ぶのは流入の経路と、こちらが渡した記録の2つになります。この2本を掛け合わせると、検索から初めて来た人、検索から来た再訪の人、他の経路から初めて来た人、他の経路から来た再訪の人、の4通りになります。受け皿が4つあれば、4通りにちょうど1つずつ割り当てられます。数が合うところまで絞るのが、運用が続く条件です。
3本目を足したくなったら、既存の2本のどちらかを外せないかを先に考えます。外せないなら、足さずに既定の一手の側で吸収します。条件を足すのではなく、当たらなかったときに出すものを変えるほうが、直すときの影響が小さくなります。
軸を決めたら、組み合わせの表を1枚作ります。4行の表に、条件、出す受け皿、決めた日、決めた人の4列を並べます。この表がないと、半年後に条件を直すときに、いまどの条件が生きているのかを読み解くところから始めることになります。
軸に使ってよい材料と、使うと壊れる材料
軸に使う材料には、扱いの違いがあります。こちらが受け取った記録と、流入の経路は、そのまま使えます。資料を渡した、申し込みを受けた、どのページから来た。これらは自社が持っている情報なので、使うこと自体に別の手続きは要りません。
一方、閲覧の記録を端末に残しておいて後から読む形にするときは、手続きが要ります。総務省の案内によると、改正電気通信事業法の外部送信規律は2022年6月に公布され、2023年6月16日に施行されています。利用者の端末に外部送信を指示するプログラムを送るときは、あらかじめ、送信される情報の内容・送信先・利用目的を通知するか、容易に知り得る状態に置くことが求められます。
この規律で対象になる「利用者に関する情報」は、個人情報保護法でいう個人情報よりも範囲が広く、端末に記録された識別のための符号や、閲覧したページのURLなどの行動の記録も含まれます。サービスの提供に必要な送信などには例外がありますが、出し分けのために外部の仕組みへ送る形にするなら、まず社内の法務か外部の専門家に確認する段を挟みます。
会社の規模や業種を軸に使いたい、という要望もよく出ます。これは判別の仕組みそのものを別に検討する必要があるため、出し分けの1本目の軸には選びません。判別の精度が落ちる条件がいくつもあり、外れたときに出るものが変わってしまいます。どうしても使うなら、外れても損の小さい場面、たとえば事例の並び順だけに限って使います。
検索エンジンに別のものを見せていないか
出し分けを作ると、必ず出てくる心配があります。相手によって違うものを見せるのは、検索の側で問題にならないか、というものです。検索エンジンが公開しているスパムに関するポリシー(最終更新2026年9月2日)には、クローキングの定義が書かれています。検索ランキングを操作したり、利用者に誤解を与えたりすることを目的に、利用者と検索エンジンに異なるコンテンツを表示すること、という説明です。
この定義で効いているのは、目的が判定に入っている点です。相手の状況に合わせて受け皿を変えることと、検索エンジンにだけ別の内容を見せることは、別の行為です。同じポリシーでは、会員限定の出し分けについても、検索エンジンが利用者と同じ条件で中身に到達できるなら該当しない、と整理されています。
実務で引く線は単純です。本文は誰が見ても同じにして、変えるのは受け皿の部分だけにします。記事の中身を訪問者によって差し替える形にすると、検索エンジンが見た版と利用者が見た版が別のものになります。受け皿は本文ではないので、ここを変えても本文の内容は動きません。
確かめ方も決めておきます。出し分けを入れたページを、記録が何も残っていない状態で開いて、本文が全部表示されているかを見ます。この状態が、検索エンジンが見る版にいちばん近い形です。本文の一部が出ない、あるいは既定の一手すら出ないなら、設計を直します。
作った後に必ず起きる3つのこと
出し分けは、作って終わりにはなりません。作った後に起きることが3つあり、どれも設計の段で手を打てます。1つ目は、作った本人しか直せなくなることです。条件が頭の中にしかないと、担当が変わった時点で誰も触れなくなります。前の章で作った4行の表が、ここで効いてきます。
2つ目は、効果が測れなくなることです。出し分けを入れると、同じページの数字の中に別々の受け皿の結果が混ざります。どの受け皿が出ていたかを記録していないと、後から分けられません。解析の道具、たとえばGA4に送る値の中へ、そのとき出した受け皿の種類を1つ足しておきます。入れるのは設計の段で、後から足しても過去の分は戻りません。
3つ目は、条件が重なることです。2本の軸で作っても、どちらにも当たる場合とどちらにも当たらない場合が必ず出ます。当たる条件が複数あるときにどちらを優先するかを、表の上から順、という形で先に決めます。決めておかないと、日によって出るものが変わる状態になります。
- 条件を作った担当が異動し、資料の名前が変わった後も古い資料が出し分けの先に残り続けた
- どの受け皿が出ていたかを記録していなかったため、3か月後に効果を聞かれて答えられなかった
- 2つの条件が重なり、同じページに資料請求と個別相談が同時に出て、どちらも押されなくなった
- 既定の一手を決めていなかったため、条件に当たらない訪問者には受け皿が何も出ないページになっていた
- 取引先の担当者に資料請求が出ていることに営業が気づき、サイト側に相談せず欄ごと外してしまった
AIに条件の素案を出させる手順
条件を組むところは、AIに素案を出させると速くなります。任せるのは条件の候補を並べるところまでで、どれを採るかの決定と、材料に使ってよいかの判断は渡しません。理由は次の章に分けて書きます。
渡す材料は、いま持っている受け皿の一覧と、手元にある記録の種類と、場面ごとの取りこぼしの状況です。受け皿の一覧を渡さずに頼むと、自社にない受け皿を前提にした条件が返ってきます。持っていないものを前提にした条件は、読んだ時点では良く見えるので、気づかずに採ってしまいます。
受け皿の一覧(名前、受けたあと誰が動くか、更新の頻度)と、手元にある記録の種類(渡した資料、申し込み、取引の有無、流入の経路)を渡す。ここに無いものは使えない、と明記して渡す。
いきなり条件を書かせず、軸に使えそうな材料の候補を並べさせる。それぞれについて、判別できる割合が高いか低いか、外れたときに何が出るかも書かせる。判断の材料を先に出させておくと、後で比べられる。
候補の中から2本を選ばせ、なぜその2本かを書かせる。組み合わせが4通りになること、受け皿が4つあること、の2つと数が合うかを確かめる。合わないなら候補に戻る。
条件に当たらなかったときに何を出すかを、必ず組にして書かせる。既定の一手が書かれていない案は、その場で差し戻す。ここを省いた案は、公開してから空欄になって気づくことになる。
この4段で出てくるのは素案です。素案が出た時点で、設計の半分ほどは終わっています。残りの半分は、素案に含まれていない条件を疑うことに使います。渡した記録の種類が限られている以上、AIはその外側にある材料を挙げません。
AIに決めさせない線
渡さない判断を3つに分けて書きます。1つ目は、材料に使ってよいかどうかの判断です。端末に残る記録を軸に使えるかどうかは、外部送信規律のような決まりと、自社の告知の状況で決まります。AIの側にはどちらも入っていないので、使えるという前提で条件を組んできます。
2つ目は、外れたときの損の大きさの判断です。判別が外れて取引先に資料請求が出るのと、初めて来た人に事例が出るのとでは、起きることの重さが違います。重さの違いは自社の事情でしか決まらないので、AIには量れません。どの判別なら外してよいかを、人の側で先に線引きします。
3つ目は、判断そのものではなく確かめ方の話です。AIに出させた案には、なぜその条件にしたのかの根拠を必ず書かせます。根拠が書かれていない条件は採らない、という決まりにしておけば、それらしい理由を付けた案をそのまま通してしまうことがなくなります。
そのうえで、人が確認する範囲を先に決めておきます。条件の候補は読まなくてよい、選んだ2本の軸と既定の一手は全部読む、材料に使う記録の種類は法務に確認する。この3段を紙に書いて共有しておけば、誰が作業しても同じ位置で止まります。範囲を決めずに全部読もうとすると、忙しい週に読まないまま公開されます。
出し分けたあと、何と何を比べるか
最後に、効果の見方です。ここでつまずく会社が多いのは、比べる相手を間違えているためです。出し分けの前と後で全体の転換率を比べても、動きません。分母に見込みでない相手が混ざっているうえ、受け皿ごとに受け取りやすさが違うからです。
比べるのは、受け皿ごとの受け取り件数と、その後の商談になった割合の2つです。BtoB向けのサイト運営ツールを提供する会社の解説(2026年)では、資料をきっかけに入ったリードが商談になる割合の目安として15%から20%という数字が挙げられています。これはあくまで目安で、自社の値は業種と受け皿の作りでずれます。比べる先は他社の数字ではなく、自社の出し分け前の値になります。
見る間隔も決めておきます。受け皿を出した件数は週ごと、商談になった割合は四半期ごとです。商談になるまでの時間が長い業種ほど、短い間隔で判断すると必ず下がったように見えます。件数と割合を同じ間隔で見ないことが、判断を急がないための仕掛けになります。
- 出し分けの4通りすべてに、出す受け皿が1つ割り当たっているか
- 条件に当たらなかったときの既定の一手が決まっているか
- どの受け皿を出したかが、解析の記録に残る形になっているか
- 本文は誰が見ても同じで、変わるのは受け皿の部分だけになっているか
- 端末に残る記録を軸に使うなら、通知または公表の対応が済んでいるか
- 条件の表に、決めた日と決めた人が書かれているか
まとめ
出し分けの成否は、欄の書き分けではなく、その前に決める2つで決まります。渡せる受け皿を何種類持つか、そして振り分ける軸を何本にするか。受け皿は受ける側の手が空いている数まで、軸は2本まで。この2つを合わせると組み合わせは4通りになり、1つずつ受け皿を割り当てられます。材料に使ってよいのは、こちらが受け取った記録と流入の経路まで。端末に残る記録を使うなら、通知か公表の手続きが先に来ます。AIには条件の候補を並べさせ、どれを採るかと、外れたときの損の重さは人が決めます。まずは場面1と場面2の2つだけ、既定の一手を添えて動かしてみてください。取引の有無は、それが回り始めてから足せば間に合います。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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