【2026年】使っているAIが終わるとき|止まらない備えを作る

「去年から業務に組み込んだ機能が、来月で終わると通知が来ました」「代わりはあると言われたのですが、うちのどの作業が止まるのかを誰も把握していませんでした」——提供の終わりに直面した現場から届く相談は、たいていこの2つが並びます。終わること自体は、もう珍しい出来事ではありません。マイクロソフトが公開しているモデルの提供終了の資料では、一般提供のモデルは提供開始の時点で18か月後の終了日が設定されると明記されており、公開されている一覧には2026年だけで数十の版の終了日が並んでいます。終わりは事故ではなく、最初から予定に入っていると考えたほうが実務に合います。この記事では、終わり方の型を分けたうえで、止まる業務の一覧の作り方から、告知が届いてから移し終えるまでの動き方までを整理します。
カメ先生使っているものが終わると聞くと、提供元の会社が無くなる話だと受け取られがちだよね。実際に多いのは、機能が1つ取り下げられるとか、モデルの版が入れ替わるといった形なんだ。
カメ子会社は続いているのに、使っていたものだけが無くなるということですか。
カメ先生そう。しかも告知は管理者宛に1通届くだけで、業務を回している人には伝わらないことが多い。困るのは終わったこと自体より、どの業務がその上に乗っていたかを誰も一覧で持っていないことなんだ。
カメ子道具の側ではなく、業務の側から数えておく必要がある、ということでしょうか。
- 終わり方は4つある。提供そのものの終了、機能の取り下げ、料金体系の変更で使えなくなる形、提供元が変わる形。猶予も告知の出方も型ごとに違う
- 先に作るのは道具の一覧ではなく、止まる業務の一覧。業務ごとに、止まった日に何時間の遅れが出るかを数字で見積もる
- 告知が来る前に、取り出せるかを1度試す。会話の履歴・作った設定・つないだ先は、移し替えの道具が用意されないことがある
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終わりは例外ではなく、予定として組まれている
提供の終わりを特別な事故として扱っていると、備えの形を間違えます。いまの生成AIでは、終わりは最初から日程表に入っています。マイクロソフトが公開している資料では、一般提供のモデルは提供開始の時点で18か月後の終了日が自動的に設定されると書かれており、別途の発表を待つ形ではなく、始まった瞬間から終わる日が決まっているとされています。提供元によっては、この周期が12か月のものもあります。
猶予の長さも一定ではありません。同じ資料では、一般提供の版の終了については少なくとも60日前に通知が届き、試験提供の版については少なくとも30日前の通知で、新しい版へ強制的に入れ替えられるか、代わりが無ければそのまま終了すると説明されています。公開されている終了日の一覧には、提供終了の15日前の通知と明記されている提供元も含まれます。猶予は60日から15日まで開きがあります。
さらに、安全や法令適合の問題が見つかった場合には、通知を短くした緊急の終了がありうるとも書かれています。同じ資料には、終了日の延長は認められないとも明記されています。交渉で先送りにする余地は無い前提で日程を組む必要がある、ということです。つまり「半年はあるだろう」という見込みで備えを組むと外れます。最短の猶予でも動ける形を先に作っておくのが、この分野の備え方になります。
終わり方は4つある。型ごとに、気づき方も猶予も違う
備えを具体化する前に、終わり方を分けます。ひとくくりに提供終了と呼ぶと、対応の粒度が合いません。次の表は、実務で実際に起きる4つの型を、気づき方と猶予の目安、現場で最初に困ることと並べたものです。自社が備えるべきなのがどの型かは、使い方によって変わります。
| 終わり方の型 | どう気づくか | 猶予の目安 | 現場で最初に困ること |
|---|---|---|---|
| 提供そのものの終了 | 提供元からの告知と、管理者宛の通知 | 数週間から数か月。提供元による差が大きい | 同じ作業をする手段が無くなり、手作業に戻る |
| 機能や版の取り下げ | 更新情報の一覧、または画面上の案内 | 30日から60日が多い。短いものは15日 | 全体は動くのに、組み込んでいた1つの作業だけが落ちる |
| 料金体系の変更で使えなくなる | 料金のページの更新と、請求額の変化 | 次の請求の締めまで。事実上ほぼ猶予がない | 上限に達して月末に止まる。予算の枠から外れる |
| 提供元が変わる | 会社の発表、または契約の相手方の変更通知 | 数か月。ただし条件は移行後に変わることがある | 契約と設定を結び直すまで、扱える情報の範囲が不明になる |
2つ目の型がいちばん多く、いちばん見落とされます。全体が使えなくなるわけではないので、通知を読んだ管理者が「大きな影響は無い」と判断して止まってしまうからです。ところが、その1つの機能の上に月次の定型作業が乗っていることがあります。影響の大小を判断できるのは、業務の一覧を持っている人だけです。
3つ目は終了とは呼ばれないので、備えの対象から漏れがちです。使えるのに、使うと予算を超えるから使えない。現場から見れば止まったのと同じです。この型を一覧に入れておかないと、月末に突然の停止として現れます。
まず作るのは、道具の一覧ではなく「止まる業務の一覧」
ここがこの記事でいちばん伝えたい順番です。備えを始めるとき、多くの会社はまず使っている道具の一覧を作ります。提供元の名前、契約している数、月額。作ると安心しますが、告知が届いた日にこの一覧は使えません。一覧に書いてあるのは道具の名前だけで、その道具の上で何が動いているかが書かれていないからです。
実際の場面を想像してください。ある機能を来月末で取り下げる、という告知が届きます。管理者は道具の一覧を開き、その提供元と契約していることを確認します。次に必要なのは、その機能を使っている業務の名前と、その業務を回している人の名前です。道具の一覧からは、どちらも出てきません。結果として全社にお知らせを流し、誰も自分のことだと思わないまま終了日を迎えることになります。
だから最初に作るのは、業務を主語にした一覧です。業務の名前から始めて、その業務が何に乗っているかを後ろに書く。順番を逆にするだけで、告知が届いた日に連絡すべき相手と、止まる作業の数が即座に出ます。道具の一覧は、契約と費用を管理するためには要りますが、備えの土台にはなりません。
業務の一覧に書く5つの列
列は5つで足ります。多くすると埋まりません。1列目は業務の名前で、部署名ではなく作業の名前にします。2列目は使っている機能で、道具の名前ではなく、その道具の何を使っているかを書きます。要約なのか、文章の生成なのか、社内データを参照させる仕組みなのか。ここが細かいほど、機能の取り下げに当たったときの判断が速くなります。
3列目は回す頻度です。毎日か、週次か、月末だけか。4列目は締切で、その業務がいつまでに終わっていないと次が困るかを書きます。5列目が最も重要で、その業務を手でやる場合に何時間かかるかを入れます。この数字があると、止まったときの被害が時間で出ます。無いと、全部が同じ重さに見えます。
埋め方は、担当者に聞くのがいちばん速く済みます。1業務あたり5分です。全部で30業務あっても半日で終わります。作った後に古びるのが唯一の問題なので、これは後の章で点検の当番として扱います。最初の版は、止まったら困る順に上から15業務だけで構いません。
止まったときの影響は、日数ではなく時間で見積もる
被害の見積もりを「大・中・小」で付けると、後で使えません。使えるのは時間です。5列目に入れた手作業の時間に、3列目の頻度を掛けると、止まっている間に増える作業時間が出ます。週次の業務で手作業なら4時間かかるものが2週間止まれば、8時間の追加です。この数字が、移行に人を何人出すかの根拠になります。
もう1つ、いつ止まるかで被害が変わる業務を分けておきます。毎日回っているものは、止まった翌日に分かります。月末にしか回らないものは、止まっていることに気づくのが月末で、しかもその日が締切です。月次と四半期の業務は、止まった事実と締切が同じ日に来るため、優先して備える対象になります。
見積もりの粒度は粗くて構いません。1時間単位で十分です。細かく詰めようとすると、一覧を作る作業そのものが終わらなくなります。実務で効くのは、精度ではなく、全業務が同じ物差しで並んでいることです。並んでいれば、上から順に手を付けられます。
告知が届いた月曜の朝から、実際に何が起きるか
ここで、備えが無い場合の実際の進み方をたどります。月曜の朝、情報システムの共有の受信箱に通知が届きます。件名は更新のお知らせで、本文の中ほどに、ある機能を来月末で取り下げる旨が1段落だけ書かれています。担当者は読み、影響が分からないので、とりあえず関係しそうな部署に転送します。ここまでが1日目です。
実際の告知は、これより素っ気ないこともあります。ある大手提供元は、2026年8月3日に画像生成の機能の1つを取り下げると告知し、終了日を同年8月30日に置きました。告知から終了まで27日です。利用者への案内は、残しておきたい画像は期限までに保存してほしい、という趣旨の1文でした。何をどう移すかは、利用者の側で考える前提になっています。
転送を受けた部署では、誰も自分の業務が該当するとは思いません。2週目に入り、たまたま設定を触った担当者が、自分の週次の作業がその機能を使っていることに気づきます。ここから慌てて代わりを探し始めますが、残りは10日ほどです。業務の一覧があれば、この2週間はまるごと不要になります。1日目に該当する業務の名前が出て、そのまま担当者へ直接連絡が行くからです。
取り出せない形で溜まっているものを、先に見つける
移すと決めた後に効いてくるのが、溜まっているものの形です。文章や画像のような成果物は手元に残せますが、業務の続きに要るのはそれだけではありません。典型は4つあります。やり取りの履歴、業務用に作り込んだ設定や指示文、他の仕組みとつないだ口、そして自社のデータで調整した版です。どれも画面の中にしか無く、書き出す機能が用意されているとは限りません。
実際、複数の技術媒体が伝えた提供終了の一覧では、2026年8月26日に、やり取りの履歴を保持する仕組みを含む外部とつなぐ口の一式が取り下げられ、溜まった履歴を新しい仕組みへ自動で移す道具は用意されない、と提供元が案内したことが報じられています。代わりの仕組みは用意されていても、そこへ運ぶ手段は別の話だということです。
いっぽうで、確かめられる材料は増えつつあります。2026年に国内で策定された指針では、生成AIの提供元に対し、学習に使う情報の概要を公表することや、条件を満たす問い合わせに応じることが求められています。法的な拘束力や罰則は無いとされていますが、聞いてよい範囲が広がったことは備えの側には追い風です。書き出せる形式と、終了後の保管期間は、契約の前に聞いておける項目になりました。
取り出せるかどうかは、告知が来る前に1度試す
書き出しの機能があることを確認しただけでは、備えたことになりません。実際に試すと、たいてい何かが欠けます。履歴は取れたが、どの指示に対する応答かが分からない。設定は取れたが、貼り直す先が無い。形式は取れたが、開くと文字が崩れている。確かめるべきは機能の有無ではなく、取り出したものが次の場所で使えるかどうかです。
試し方は簡単です。上位の5業務について、1件ずつ実際に書き出し、別の場所で開いてみます。半日で終わります。この半日をやるかどうかで、告知が届いた日の動き方が変わります。試した結果は、業務の一覧に6列目として足してください。書き出せる、一部欠ける、取り出せない、の3段階で十分です。
- やり取りの履歴:書き出せるか。書き出したとき、日時と指示と応答の対応が残るか
- 業務用に作り込んだ指示文:画面の中だけに置いていないか。手元の文書にも同じものがあるか
- 他の仕組みとつないだ口:どこから呼ばれているか。呼んでいる側の一覧を持っているか
- 自社のデータで調整した版:元にしたデータが手元に残っているか。調整の条件を記録してあるか
- 共有の設定や権限:誰が何を使えるかの設定を、別の形で書き出してあるか
3つ目は特に抜けます。つないだ口は作った人しか知らないことが多く、その人が異動すると、どこから呼ばれているかが分からなくなります。呼んでいる側の一覧を持っているかどうかを、業務の一覧とは別に確かめてください。
契約で確かめておく項目は4つ
契約の側でできる備えもあります。契約実務で共有されている確認項目のうち、提供の終わりに直接効くのは4つです。1つ目は、終了の何日前までに通知するかという定め。数か月を置く例が多いものの、事業者による差が大きいので、具体的な日数が書かれているかを見ます。書かれていなければ、交渉の対象になります。
2つ目は、預けたデータを返してもらえるかどうか。3つ目は、その形式です。特定の道具でしか開けない形式で返されても移せないので、汎用性の高い形式で受け取れることを取り決めておきます。4つ目は、契約が終わった後の保管期間です。終了と同時に消されると、移す作業をする時間そのものが無くなります。移行に必要な期間は保管してもらい、その後に廃棄する形が実務では使われます。
この4つは、契約を結ぶ前なら書き加えられます。すでに使っているものについては、条件のページを読んで、書かれていない項目を洗い出すところまでが現実的です。加えて、運営している会社の資本関係や財務の状況を契約前に調べておくことも、事業の継続という観点では有効とされています。小さく速い提供元ほど、この確認の価値が上がります。
代わりを1つ見ておく、という備えの粒度
備えの話をすると、常に2つの提供元と契約しておく案が出ます。実際にやると、費用が2倍になるうえ、どちらも中途半端にしか使われず、いざというときに移せません。使っていない側の設定は古び、担当者も操作を覚えていないからです。二重に持つのは、止まると即日で損害が出る業務だけに絞ります。
それ以外の業務でやるのは、代わりの候補を1つ、名前と条件だけ調べて一覧に書いておくことです。調べるのは4項目で足ります。同じことができるか、扱ってよい情報の範囲は同じか、月額はいくらか、移すのにおよそ何日かかるか。1業務あたり30分です。この30分があると、告知が届いた日に検討を始める必要がなくなります。
候補は古びるので、後述する点検のときに日付だけ見直します。ただし、正式な代わりが提供元から示されるのは意外に遅く、先の資料では終了日のおよそ90日から120日前に決まるとされています。理由も書かれていて、早く決めすぎると、移すころにはもっと良い選択肢が出ているからです。提供元の推奨を待つ前提で組むと、動き出しが遅れます。
告知が届いてから移し終えるまでの手順
ここまでの準備があれば、告知が届いた後の動きは6段に収まります。大事なのは、最初の2段を同じ日のうちに終えることです。ここが翌週に流れると、猶予が15日の型に当たったときに間に合いません。
告知から、いつ何が終わるのかと、自社が使っている機能が含まれるかを確かめます。ここまでは30分で終わります。
2列目で突き合わせ、該当する業務の名前と担当者を書き出します。5列目の時間と3列目の頻度から、止まった場合の被害を時間で出します。
全社向けのお知らせではなく、該当する担当者へ業務の名前で連絡します。この段で、現場が把握している別の使い方が出てくることがあります。
移す先を決める前に、履歴・設定・つないだ先を書き出します。終了日の直前は混み合うので、判断を待たずに先に取り出します。
一覧に書いておいた候補で、最も重い業務を1本だけ通してみます。全業務を並行して移すと、失敗したときに戻れなくなります。
通った形をほかの業務へ広げます。最後に、旧い口を使っている場所が残っていないかを確かめてから閉じます。
4段目を3段目より先にしたくなりますが、順番は変えないでください。現場に連絡すると、一覧に無い使い方が必ず出てきます。取り出す対象は、その追加分を含めてから確定させます。先に取り出してしまうと、後から出てきた分の取り出し口が閉じていることがあります。
もう1つ、5段目と6段目にどれだけ手がかかるかは、契約の形で変わります。マイクロソフトの資料では、標準の形で使っている場合は終了の時点で新しい版へ自動的に入れ替わる一方、処理能力をあらかじめ確保している契約では自動では入れ替わらず、自分で移す必要があると説明されています。設定によっては自動の入れ替えを止めることもできますが、その場合は終了日にそのまま動かなくなります。自動で入れ替わる側にいるからといって、確かめずに済むわけではありません。入れ替わった後の出力が前と同じ品質かどうかは別の話で、5段目の1業務を通す作業は、どちらの側でも省けません。
社内への伝え方は、終了日ではなく締切で書く
連絡の文面で、終了日だけを書くのは効きません。読んだ人は、まだ先だと受け取って動きません。書くのは、その人の業務の締切から逆算した日付です。「月次の集計は10月25日が締切なので、10月10日までに新しい手順に切り替えてください」という形にします。終了日そのものは、根拠として末尾に置けば足ります。
もう1つ、連絡に入れると効くのが、切り替えなかった場合に何が起きるかです。ここを曖昧にすると、忙しい週から順に後回しになります。終了日を過ぎると要求そのものが拒否される、と資料に明記されている形の終了もあります。動かなくなるのか、遅くなるだけなのか、精度が落ちるのかを、分かる範囲で書き分けてください。
伝える相手は、業務の一覧の担当者の列にいる人です。部門長にだけ伝えると、手を動かしている人に届きません。逆に全社へ流すと、自分に関係があると思う人がいなくなります。名指しで、業務の名前で、締切つきで伝える。この3つが揃っている連絡だけが読まれます。
料金体系の変更という、呼ばれない終わり方
4つの型のうち、3つ目だけは終了と呼ばれないので、備えの外に置かれがちです。単価が上がる、含まれる量が減る、上限に達したときに止まる仕様に変わる。どれも提供は続いていますが、予算の枠から外れた時点で、その業務は使えなくなります。現場から見れば、止まったのと区別がつきません。
この型に備えるには、業務の一覧に7列目として、その業務が月にどれくらい使うかの見当を入れておきます。正確でなくて構いません。多いか少ないかが分かれば十分です。単価が変わったときに、影響が大きい業務から順に見られます。逆に、使用量を誰も把握していないと、請求が上がった理由を特定するところから始まります。
もう1つ、上限に達したときの挙動を確かめておいてください。止まるのか、追加で請求されるのか、遅くなるだけなのかで、月末の備え方が変わります。止まる設定のまま月末の集中する業務を乗せていると、締切の日に落ちます。集中する業務は、上限の設定を月の途中で見直す当番を付けるのが実務的です。あわせて、その上限を誰が変えられるのかも決めておいてください。管理画面の権限が情報システムにしか無いと、締切の当日に上限へ当たっても、その場で上げられる人が社内にいません。金曜の夕方に止まると、動き出せるのは翌週の月曜になります。
点検を当番にして、業務の一覧を古びさせない
ここまでの備えは、すべて業務の一覧の鮮度に乗っています。一覧が古びると、告知が届いた日に引ける名前が実態と合わなくなります。古びる原因は3つで、人事異動、新しい業務の追加、そして使わなくなった業務の放置です。どれも半年で起きるので、点検は半年に1度では足りません。
現実的なのは、四半期に1度、30分の当番にすることです。見るのは3か所だけにします。担当者の列に異動した人が残っていないか、この3か月で増えた業務が書かれているか、代わりの候補を調べた日付が1年以上前になっていないか。全行を見直そうとすると続かないので、見る列を決めます。
当番は、業務を回している側から出してください。情報システムだけで持つと、現場で増えた使い方が一覧に入りません。実務では、部門ごとに1人ずつ当番を置き、四半期の初めに自部門の行だけ直す形が回ります。所要は1人30分です。点検の対象は道具でも成果物でもなく、業務の一覧そのものだと決めておくと、作業が発散しません。
移るかどうかを、AIに決めさせない
代わりの候補を調べる作業は、生成AIに手伝わせると速く進みます。条件の一覧を並べる、公開されている仕様を要約する、自社の業務の説明と突き合わせて足りない機能を挙げる。ここまでは任せてよい範囲です。共通しているのは、返ってきたものを人が後から確かめられることです。
任せてはいけないのは、移るかどうかの結論と、扱ってよい情報の範囲の判定です。前者は、止まる業務の締切と社内の人手を知らないと決められません。後者は、間違えたときに間違いに気づく手掛かりが社内に残りません。実際には、条件の面だけで並べた比較の表が返ってきて、それらしく見えるので、そのまま採用されてしまいます。
使い方の決めごとは3つです。1つ目は、比較の各行について、どの公開資料のどこに書いてあるかを併記させること。書けない行は無いものとして扱います。2つ目は、分からない項目を分からないと書かせ、埋めさせないこと。3つ目は、人が確かめる範囲を先に決めておくことです。扱ってよい情報の範囲、終了後のデータの保管、料金の上限の挙動。この3つは、どれだけ急いでいても人が原文で確かめる、と決めておけば残りは任せられます。
これをやると、告知の日に動けない
最後に、備えたつもりで効かなくなる進め方を5つ挙げます。どれも実際に見かける形です。1つでも当てはまるなら、次の告知が届く前に直してください。
- 道具の一覧だけを作り、業務の一覧を作らない:告知が届いても、どの部署の誰に何を伝えればよいかが出てこない
- 告知が管理者の受信箱で止まっている:現場が知るのは、動かなくなった日の朝になる
- 書き出しの機能があることだけを確認して、実際には試さない:形式が合わず、開けないものが終了日の直前に見つかる
- 常に2つの提供元と契約して備える:費用が2倍になるうえ、どちらも中途半端に使われ、いざというとき移せない
- 代わりの選定をAIに比較させ、その結論をそのまま採る:止まる業務と締切を知らないまま、条件だけで並べた表が返ってくる
3つ目は、備えをやったつもりになる典型です。機能の一覧に書き出しの項目があることを確かめると、対応済みの印を付けたくなります。ところが実際に開いてみると、日時と指示の対応が落ちていたり、別の場所へ貼り直せなかったりします。試していない備えは、備えていないのと同じ結果になります。半日で終わるので、上位5業務だけでも先に試してください。
1つ目は、費用の管理から入った会社でよく起きます。道具の一覧は経理の側から必要になるので、先に作られます。それ自体は問題ありませんが、備えの土台として使えると誤解されると、告知の日に何も引けません。2つの一覧は目的が別で、どちらか一方では足りないと考えてください。
まとめ
使っているものが終わるかどうかは、こちらでは決められません。決められるのは、終わると分かった日に何分で動き出せるかだけです。そのために要るのは、道具の一覧ではなく業務の一覧、止まったときの被害を時間で出せる列、取り出せるかを1度試した記録、契約で確かめた4項目、そして四半期に30分の当番の5つです。どれも新しい道具を買わずに、決めごとと半日の作業で作れます。今週やることを1つだけ挙げるなら、止まったら困る業務を5つ書き出して、それぞれが何に乗っているかを2列目に書いてみてください。書けない業務が出てきたら、そこが最初に手当てする場所です。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
AIの導入・活用、何から始めるべきかお悩みですか?
デボノはアカウント開設・初期設定など「そもそものAI導入」から社内定着まで伴走支援。マーケティング活用など一歩進んだご相談にも対応します。
