ホワイトペーパーの題材に選ぶべき7項目|企画の出どころを決める

「次のホワイトペーパーは何にしますか、と聞かれて毎回そこで止まります」「案は出るのですが、これで行こうと決めきれないまま月が変わります」——資料を継続して出している会社ほど、この相談の頻度が上がっていきます。題材が決まらないのは、企画する人の発想力の問題ではありません。多くの場合、候補を持ってくる出どころが、社内で決まっていないことが原因です。この記事では、社内のどこから候補を集め、どの7項目で落として1本に絞るのかを、工程の順に整理していきます。
カメ先生ホワイトペーパーの題材が決まらないという相談は、たいてい発想の話として持ち込まれるんだ。でも実際に詰まっているのは、思いつく力ではなく、材料をどこから持ってくるかのほうなんだよ。
カメ子材料というのは、他社が出している資料を見て回るようなことですか。
カメ先生むしろ逆だね。外を見ると、どこかで見た題材しか出てこない。材料はほとんど社内にあって、問い合わせの文面や、失注の理由や、営業が毎回口で説明していることがそれに当たる。
カメ子集める場所が決まっていないから、企画のたびに何も無いところから考え直すことになる、ということでしょうか。
- 決まらない原因は発想力ではなく、候補を持ってくる出どころが社内で決まっていないこと
- 出どころは6か所。問い合わせの実物・失注の理由・商談での説明・営業が自作した資料・検索の言葉・反応のあった節
- 7項目は選ぶためではなく落とすために使う。採否の判断はAIに渡さない
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題材が決まらないまま、企画の会議だけが3回進む
BtoBの買い手は、売り手に会う前に自分で調べ終えています。HubSpotが2026年6月11日から16日にかけて、直近12か月以内にBtoB商材の購買に関与した従業員50名以上の企業の勤務者1,573名に行った調査では、複数候補のリストアップ以降にはじめて売り手と接触する人が63.5パーセント、複数企業を比較検討する人が80.3パーセントでした。資料は、営業が会う前の時間帯に読まれています。何について書くかを決める作業は、その時間帯に自社が居るかどうかを決める作業でもあります。
それなのに、企画は止まります。止まり方には見覚えのある形があります。1回目の会議で案を10個出し、2回目でどれも決め手に欠けると分かり、3回目で去年の資料の続編に落ち着く。会議のたびに人は集まっていて、時間も使っているのに、持ち寄られた案を比べる基準だけが、毎回ないという状態です。
この間に何が失われるかは、資料そのものよりも大きいものです。営業が商談で毎回している説明は資料にならないまま残り、問い合わせに書かれていた言葉は次の月には流れていきます。止まっているのは企画ではなく、社内にある材料が資料に変わる経路のほうです。だから最初に直すのは、案を出す力ではありません。
「決まらない」には2つの型がある
同じ「決まらない」でも、中身は2つに分かれます。型1は、そもそも候補が出てこない状態。会議の前半が沈黙で、出てきた案も担当者が最近読んだ記事に引きずられています。型2は、候補は並ぶのに絞れない状態。5つの案が横に並んで、どれも悪くないという評価で終わります。この2つは原因も対処も違うので、先に見分けます。
見分け方は簡単です。会議の議事を見て、案が出るまでにかかった時間と、案が出てから決まらなかった時間のどちらが長いかを比べます。前者が長ければ型1、後者が長ければ型2です。型1で基準の議論を始めても、落とす対象がありません。型2で発想の研修をしても、並んだ案は減りません。
実務では両方が同時に起きています。候補が3つしか無いのに、その3つを比べる基準も無い。この状態で会議を重ねると、最後は提案した人の熱量で決まります。だから直す順番は、出どころを先に、基準を後にです。候補が20並んでいれば、基準の粗さはあとから効いてきますが、候補が3つでは基準の精度に意味がありません。
原因は発想力ではなく、題材の出どころを持っていないこと
出どころとは、毎回同じ場所から候補を取ってくるという決まりのことです。次の資料を考えるときに、まずここを見る、と決まっている場所があるかどうか。この決まりが無い会社では、企画会議の材料は、担当者がその月に見聞きしたものだけになります。直近の記憶と個人の関心だけが材料になっているので、月によって案の質が大きく振れます。
出どころがある会社では、会議が始まる時点で候補が並んでいます。担当者が案を考えてくるのではなく、決まった場所から候補を拾ってくる。会議でやるのは、考えることではなく落とすことになります。所要時間が半分以下になるうえに、案の出所を後から説明できるようになります。なぜこの題材を選んだのかと聞かれて、「先月の問い合わせに同じ表現が7件ありました」と答えられる状態です。
もうひとつ効きめがあります。出どころが決まっていると、担当者が変わっても続きます。企画が属人的になるのは、発想が属人的だからではなく、材料の置き場所が担当者の頭の中にあるからです。置き場所を外に出すだけで、引き継ぎができる仕事に変わります。
思いつきを持ち寄ると、決め手が声の大きさになる
出どころを持たないまま企画を進めると、判断の材料が「言った人がどれだけ推しているか」に寄ります。本人に悪気はなく、ほかに比べるものが無いからそうなります。次に並べるのは、出どころの代わりに使われがちで、しかも当たりにくい進め方です。どれか1つでも心当たりがあれば、材料の側から組み直したほうが早く進みます。
- 他社のダウンロード資料を並べて、自社に無いものを埋めにいく … 相手の事情の写しになり、社内に材料が無い
- 社内の詳しい人に「何か書けることはありませんか」と聞いて回る … 書ける題材は出るが、読む人が決まらない
- 検索数の多い言葉から先に決めて、中身を後から探す … 需要はあっても自社が答えを持っているとは限らない
- 会議で多数決を取る … 参加者の担当領域に票が寄り、いちばん困っている人の声が入らない
- 去年の資料の続編にする、と先に決める … 型が先に決まるので、題材を型に合わせて歪めることになる
- 営業に「どんな資料が欲しいか」と聞く … 欲しいものは出るが、実際に配る場面まで詰められない
最後の項目は意外に思われるかもしれません。営業に聞くこと自体は正しい方向です。ただ、聞き方が「どんな資料が欲しいか」だと、答えは希望になります。聞くべきは希望ではなく、直近の商談で実際に起きたことです。何を聞かれ、何を口で説明し、どこで話が止まったか。この3つなら、記憶ではなく事実が返ってきます。
先に言葉を整理する。題材・切り口・型は別のもの
企画会議がかみ合わない原因の半分は、参加者が別のことを話していることにあります。ある人は何について書くかを話し、別の人はどんな形の資料にするかを話している。同じ「案」という言葉で呼ばれているので、ずれていることに誰も気づきません。次の4つを先に分けておくと、議論の段が揃います。
- 題材 … 何について書くか。読む人の業務上の困りごとで表す
- 切り口 … その題材をどの角度から書くか。比べる・手順にする・失敗から書く、など
- 型 … 資料の形。ノウハウ・事例・調査・チェックリストなど
- 企画文 … 誰が読んで、翌日に何を決められるようになるかを1行で書いたもの
決める順番は、題材、切り口、型です。逆に進めると必ず歪みます。調査の資料を作ると先に決めてから題材を探すと、調査できる題材の中から選ぶことになり、いちばん困っている人の問いが外れます。型は器で、題材が中身です。器から先に決めると、中身を器に合わせて削ることになります。
企画文だけは、最後に書くものではなく、途中で何度も書き直すものとして扱います。書けないときは、題材が決まっていないか、読む人が2人以上混ざっています。この記事の以降の工程でも、各段階の終わりに企画文を書いてみて、書けるかどうかで進み具合を測ります。
出どころは、社内に6か所ある
候補を取りに行く場所は、6か所に絞れます。どれも新しく作るものではなく、すでに社内にあって、企画とは別の目的で貯まっているものです。順番にも意味があります。上の4つは社内の実物、下の2つは社外から見た検算です。上から4つを先に見て、下の2つで確かめるという順で使います。
| 出どころ | そこから取れるもの | 取りに行く先 | 取るときの決まり |
|---|---|---|---|
| 問い合わせの実物 | 整えられる前の言い回し | フォームの自由記述、電話や受付のメモ | 要約せず、原文のまま残す |
| 失注の理由 | 比べられた相手と、決め手になった条件 | 商談管理の記録、営業への聞き取り | 「価格」の一言の中身を開く |
| 商談で毎回している説明 | 資料になっていない説明 | 同行の記録、商談の書き起こし | 説明した回数を数える |
| 営業が自分で作った資料 | 頼まれなくても必要だったもの | 共有の保管場所、送信の履歴 | 作られた日付と、使われた回数を見る |
| 検索されている言葉 | 社外にある需要の量 | 検索の記録、問い合わせ前の閲覧の記録 | 需要があっても答えを持つとは限らない |
| 既存記事で反応のあった節 | どこで読む人が止まったか | 記事ごとの読まれ方、社内外での引用 | 記事全体ではなく、節の単位で見る |
6か所すべてを毎回見る必要はありません。ただし、どこを見たかは記録に残します。前回は問い合わせと失注だけを見た、今回は商談の説明も見た、と分かるようにしておくと、同じ場所ばかり見て候補が枯れていくことを防げます。出どころが枯れたと感じたときは、たいてい4か所のうち1か所しか見ていません。
出どころ1 問い合わせの実物と、出どころ2 失注の理由
問い合わせから取るのは、要約ではなく原文です。営業が管理の画面に入力した「価格を知りたい」ではなく、送信された文面にあった「社内の稟議に出す資料が要る」という表現のほうを拾います。整えられた時点で、困りごとの手触りが落ちているからです。直近4週間ぶんを、原文のまま短く切り出して並べるところから始めます。1件しか無い言い回しも消しません。
失注の理由は、そのままでは使えません。記録の多くは「価格」で終わっているからです。この一言を開くと、値段そのものではなく、社内で説明しきれなかった、比較の材料が足りなかった、決裁の段で別の観点が出てきた、といった中身が出てきます。資料の題材になるのは、値段ではなく、説明しきれなかったところです。四半期に一度、営業に10分だけ聞く時間を取れば足ります。
この2つを重ねると、検討の入口と出口が両端で揃います。問い合わせは入口で何に困っていたか、失注は出口で何が足りなかったかを示します。両端に共通して出てくる言葉があれば、それは検討の全体を通して引っかかっている論点です。そこから作った資料は、配る場面が最初から決まっているという強みを持ちます。
出どころ3 商談での説明と、出どころ4 営業が自分で作った資料
営業が商談のたびに口で説明していることは、その説明が資料になっていないという証拠です。だから拾い方は単純で、説明の内容そのものより先に、回数を数えます。3人の営業が今月それぞれ5回ずつ同じ説明をしていたなら、15回ぶんの時間がそこに使われています。回数が多い説明ほど、資料にしたときの効きめが読みやすいという点で、ほかの出どころにない性質があります。
営業が誰にも頼まれずに自分で作った資料は、さらに強い材料です。作るのに時間がかかることを知っていて、それでも作ったということは、その場面で必要だったという実測値だからです。共有の保管場所や送信の履歴を見ると、体裁の整っていない1枚が何度も送られていることがあります。整っていないのに使われ続けているものほど、題材としての当たりが大きいと考えて構いません。
この2つから題材を起こすときの注意は、資料の作り直しにしないことです。営業が作った1枚をきれいにするだけでは、使う人が増えません。その1枚が答えている問いを取り出して、問いの側から作り直します。問いが取り出せたら、作った本人に「これは何のために作ったのか」を1行で言ってもらいます。その1行が、そのまま企画文の下敷きになります。
出どころ5 検索されている言葉と、出どころ6 反応のあった節
ここからの2つは、社内の実物ではなく、社外から見た検算に使います。検索されている言葉は、需要がどこにあるかを示します。ただし需要の大きさは、自社が答えを持っているかどうかとは無関係です。よく探されている言葉から先に題材を決めると、社内に材料が無いまま書き始めることになり、他社の記事の要約に近づきます。検索の言葉は、候補を作る側ではなく、候補を確かめる側で使います。
既存記事で反応のあった節は、記事の単位ではなく節の単位で見ます。よく読まれた記事の中で、どの見出しのところで読む人が止まっているか、どの節が社内外で引用されているか。記事全体の数字は入口の強さを示すだけですが、節の反応は、読む人がもっと知りたいと思った場所を直接示します。1つの節が飛び抜けていれば、その節は1本の資料になる大きさを持っています。
この2つを使う順番は、社内の4か所から候補を出した後です。先に使うと、需要の側から題材を組み立ててしまい、社内に材料があるかどうかの検査が後回しになります。順番を守れば、社内から出た候補のうち、どれが社外でも探されているかという形で答えが出ます。両方に当てはまるものが、その期の1本目になります。
選ぶ7項目 その1から3
候補が並んだら、次は落とす作業です。7つの項目で見ますが、前の3つは題材そのものの条件で、ここで落ちるものがいちばん多くなります。順に開きます。
- 読む人が特定できるか … 役割だけでなく、会社の規模と、いま抱えている状況まで下ろせるか
- その人の業務判断が変わるか … 読み終えた翌日に、その人が決められることが1つあるか
- 自社が答えを持っているか … 社内に一次の材料(実際の数字・実際の手順・失敗の記録)があるか
1つ目でつまずく典型が「BtoBのマーケ担当」という書き方です。これは役割であって、読む人ではありません。「マーケの担当が1人目で、月に2本のウェビナーを回している、社員300人規模の会社の担当者」まで下ろすと、章立ても、例に出す数字の大きさも決まります。先のHubSpotの調査では、購買に社内関係者が5人以上関与する割合が46.9パーセントでした。関わる人が多いほど、誰に向けた1本かを決めずに書くと、全員に薄く当たることになります。
2つ目は、動詞で確かめると早く判定できます。読んだ人が翌日に「決める」「やめる」「聞きに行く」ことがあるか。「理解が深まる」「関心を持ってもらえる」は、判断ではありません。3つ目は、材料の置き場所まで書けるかどうかで見ます。答えを持っているつもりでも、置き場所が言えない材料は、作り始めてから出てきません。外注に出すかどうかにかかわらず、ここで落ちた題材は必ず途中で止まります。
選ぶ7項目 その4と5
次の2つは、社内にすでにあるものとの関係と、作ったものの寿命を見ます。前の3つを通った題材が、ここで半分ほどに減ります。
- 既存の資料と食い合わないか … 同じ人が同じ問いで落とす資料が、すでに手元にないか
- 一度作れば半年は使えるか … 制度や価格や仕様に張りついた題材になっていないか
4つ目で見るのは、題材の重なりではなく、落とす人と問いの重なりです。題材の言葉が違っていても、同じ読者が同じ場面で落とすなら、2本目は前に進みません。確かめ方は、既存資料の目次を並べるのではなく、既存資料をダウンロードした人の属性と、その後の動きを見ることです。同じ人が2本落としているのに商談に進んでいないなら、その領域はもう1本では動きません。
5つ目は、更新の担当が決まっているかまで含めて判定します。半年で古くなる題材が悪いわけではありません。古くなることを承知で、誰がいつ直すかが決まっていれば作れます。決まっていないなら、作った瞬間から古くなる時計が動き始めます。判断に迷うときは、その題材の中で、来年も変わらない部分がどれだけ残るかを数えてみてください。
選ぶ7項目 その6と7
最後の2つは、作った後と作る前の現実を見ます。中身の良し悪しとは別の軸なので、前の5つを通ったものでもここで落ちます。
- 営業が配る場面があるか … 商談のどの場面で、誰に、何と言って渡すかを1行で言えるか
- 作る手間が中身に見合うか … 社内から材料を集める工数まで数えたうえで、割に合うか
6つ目は、企画の段で営業に1行を言ってもらうだけで判定できます。「初回の商談の後、稟議を書く担当者に、社内で説明するときの材料として送ります」のように言えれば通ります。言えないものは、公開した翌月から誰も使いません。配る場面が言えない資料は、置き場所だけを占めて、数字の上でも存在しなくなります。
7つ目の手間は、書く時間ではなく集める時間で数えます。社内の人に聞き取りが要る、過去の数字を取り直す必要がある、法務の確認が入る。この種の工程は、書く作業の何倍もかかります。調査の型が重くなるのはここです。才流が公開している事例では、マーケティングの担当以外のメンバーにも書いてもらう形で本数を確保していました。集める時間を担当者1人で抱える前提だと、7つ目でほとんどの題材が落ちます。
7項目の使い方。全部が当てはまる題材はほとんどない
7項目は、良い題材を選び出すための採点表ではありません。落とすための道具です。7つすべてに当てはまる題材は、年に1本か2本しか出てきません。実務では、落とす順番を決めて、上から順に当てていきます。順番を決めておくと、落ちる理由が毎回そろい、記録として残せます。
落とす順番は、3番、1番、2番、4番、6番、5番、7番です。自社が答えを持っているかを最初に当てるのは、ここで落ちる候補がいちばん多く、しかも後の項目を検討する時間が丸ごと無駄になるからです。読む人と判断が続き、既存との食い合い、配る場面、寿命、手間の順に見ます。手間を最後に置くのは、手間だけを理由に落とすと、いちばん効く題材から順に消えていくからです。
当てはまらなかった項目の扱いにも決まりを置きます。1番で落ちたときは、題材ではなく切り口の問題であることが多く、読む人を絞り直すと通ることがあります。3番で落ちたときは、材料を作る側に回すかどうかを別の議題にします。いずれの場合も、落とした理由を1行だけ残します。理由が残っていないと、次の期に同じ候補が同じ顔で戻ってきます。
実務仕様 題材の棚卸し表
ここまでの工程を1枚に載せます。表計算の1シートで足ります。列は7つで、これ以上増やすと入力されなくなります。既存の資料を並べ直す表とは別物で、こちらはまだ資料になっていない候補の在庫を置く場所です。
| 列 | 何を書くか | 書き方の決まり |
|---|---|---|
| 出どころ | 6か所のどれか | 選択肢から選ぶ。2か所から出たものは行を分ける |
| 拾った言い回し | 原文のまま、短く | 要約しない。言い換えた時点で決め手の言葉が消える |
| 件数 | 同じことを言っている行の数 | 4週間ぶんで数える。1件の行も消さない |
| 読む人 | 役割と会社の規模と、いまの状況 | 1行に1人。2人書きたくなったら行を分ける |
| その人が決めること | 読んだ翌日に決められること | 動詞で書く。分かる・理解するは使わない |
| 社内の材料 | 一次の材料の有無と、その置き場所 | 置き場所まで書けないものは、無いものとして扱う |
| 状態 | 候補・保留・不採用のどれか | 不採用には理由を1行。次の期に同じ候補が戻るのを防ぐ |
この表の値打ちは、企画のときよりも、半年後に出ます。件数の欄が増えていく行は、社内で繰り返し起きている困りごとです。不採用の理由の欄がたまってくると、自社が答えを持っていない領域がどこかが見えてきます。表は候補の置き場所であると同時に、自社に何が無いかの記録でもあります。
棚卸しから企画を確定するまでの工程
表ができたら、企画の確定までは6つの工程で進みます。1回目は半日ほどかかりますが、2回目からは2時間前後に収まります。会議の場でやるのは5番目からで、そこまでは担当者が1人で進めて構いません。
直近4週間ぶんの問い合わせの文面、失注の記録、商談のメモ、営業が自分で作った資料を、1つの場所に集めます。この段では読み込まず、集めるだけにします。
困りごとが表れている言い回しを、原文のまま切り出します。要約しないことが、この工程のすべてです。言い換えた瞬間に、書いた人の言葉が企画者の言葉に置き換わります。
表現が違っていても同じことを言っている行をまとめ、件数を数えます。ここで束ね方に迷ったら、束ねずに残します。後から束ねるのは簡単で、束ねたものを戻すのは難しいからです。
束のそれぞれについて、読む人を1人に決めます。2人書きたくなったら、束を2つに割ります。ここで割っておくと、7項目の1つ目で落ちる候補が減ります。
3番、1番、2番、4番、6番、5番、7番の順に当てます。落とした理由を1行ずつ残します。残った候補には、営業の繁忙期と照らして順番を付けます。
誰が読んで翌日に何を決められるかを1行で書きます。そのうえで営業に、商談のどの場面で誰に渡すかを言ってもらいます。言えたら確定です。
6番目で止まる候補が出てきたら、企画としては未完成です。ここで無理に確定させると、公開後に使われない資料が1本増えます。止まったものは表の「保留」に戻し、理由を書いて次の期に回します。保留に戻すことは失敗ではなく、この工程が正しく働いた証拠です。
AIに任せてよい範囲と、渡してはいけない範囲
この工程でAIが効くのは、材料が多くて人手では束ねきれない場面です。数百行の問い合わせから、同じことを言っている行をまとめる。役割の呼び方が「販促担当」「マーケ担当」「宣伝部」とばらけているものを、1つの呼び名にそろえる。切り口の言い換えの候補を出す。いずれも、判断ではなく、そろえる作業に当たります。
渡してはいけないのは、採否の判断です。理由は能力の問題ではありません。判断の材料が、社内の事情と営業の実感だからです。どの顧客との関係が続いているか、どの説明が商談で効いたか、来期にどの領域へ人を寄せるか。これらは記録に残っていないか、残っていても文字になっていません。試しに題材の案を10個出させると、どの会社でも通る題材が10個返ってきます。どの会社でも通るということは、自社が答えを持っている保証がないということです。
使うときの決まりも先に置きます。束ねた結果には、元の行の番号を必ず添えさせます。件数を聞いたときに、材料に無い数を埋めてこないよう、根拠のない数は出さないことを指示に含めます。そして、束ねた結果は必ず原文に戻って1件ずつ確かめる範囲を先に決めます。確かめる範囲を決めずに使うと、束ね方の誤りが企画の前提として残ります。
- 原文を要約させない。要約した時点で、決め手になる言い回しが消える
- 件数はAIに数えさせてよいが、数えた元の行を必ず出させて、人が突き合わせる
- 読む人の呼び名をそろえるのは任せてよい。読む人を「決める」のは人が行う
- 落とした理由の文章はAIに整えさせてよい。落とすかどうかの判断は会議で決める
まとめ
ホワイトペーパーの題材が決まらないのは、企画する人の発想の問題ではありません。候補を持ってくる出どころが社内で決まっていないために、毎回その月の記憶だけで案を出していることが原因です。出どころは6か所——問い合わせの実物、失注の理由、商談で毎回している説明、営業が自分で作った資料、そして社外からの検算として、検索されている言葉と既存記事で反応のあった節。上の4つから候補を出し、下の2つで確かめます。落とすときは7項目を、3番、1番、2番、4番、6番、5番、7番の順に当てます。落とした理由を1行残すことと、確定の前に営業へ配る場面を言ってもらうことが、次の期を軽くします。AIに任せるのは束ねる作業と呼び名をそろえる作業までで、採否の判断は渡しません。材料が社内の事情と営業の実感である以上、そこはAIの手元に無いからです。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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