SNS運用代行は任せるか自社でやるか|残す仕事の線引き

「投稿は外に出したいのですが、うちの商品の話を社外の人が書けるのか不安です」「3社から見積もりを取ったのに、金額の幅が大きすぎて比べようがありません」——SNSの運用を外に出すかどうかを決める場面では、この2つがほぼ同時に出てきます。迷いの正体は、代行会社の良し悪しでも予算の多寡でもありません。SNSの運用を1つの仕事として見ているために、出すか出さないかの二択になってしまっていることです。実際に決めるべきなのは、運用の中のどの工程を外に出し、どの工程を社内に残すかという、工程ごとの線引きです。この記事では、線を引くための3つの軸と、生成AIが入ってきたことで動いた境目、そして比べられる形に費用を組み直す手順を順に整理します。
カメ先生外注か内製か、という問いの立て方そのものが答えを遠ざけているんだ。SNSの運用は、企画・素材集め・下書き・社内の確認・投稿・反応の対応・集計と、性質の違う工程が数珠つなぎになっている。工程ごとに向き不向きがまるで違うよ。
カメ子工程によって、外に出しやすいところと出しにくいところがあるということですか。
カメ先生そう。しかも境目は固定ではないんだ。下書きや素材の一次案は、生成AIが入ってきたことで社内で片づく量が増えた。反対に、社内の事実を確かめる工程と、何かあったときに謝る工程は、どこにも出せないまま残る。
カメ子外に出す範囲を決める前に、AIに寄せられる工程を見ておく必要がある、ということでしょうか。
- SNSの運用は1つの仕事ではない。工程ごとに出す・残すを決めると、二択の迷いが消える
- 線を引く軸は3つ。材料が社内にしかないか、失敗したときに誰が謝るか、AIで置き換わりつつあるか
- 費用は投稿1本あたりの単価ではなく、社内に残る確認の時間を足した総額で比べる
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「全部任せる」か「全部やる」かで決めようとするから決まらない
会議で最初に出る問いは、たいてい「外注するかどうか」という形をしています。この形で聞かれると、答えは2つしかありません。ところが実際に運用が回っている会社を見ると、全部を外に出している会社も、全部を自社で抱えている会社も少数派です。多くは一部を出して一部を残しています。現実の答えは二択の外側にあるのに、問いの形が二択なので決まらない、という状態です。
二択で押し切ると、決めた後に必ず揺り戻しが来ます。全部を出した場合は、社内の事実に触れる投稿が出るたびに確認の往復が増え、半年後には社内の担当者が原稿を書き直しています。全部を抱えた場合は、担当が別の業務に呼ばれた月から投稿が止まります。どちらの失敗も、能力ではなく分け方の問題として起きています。
だから最初にやることは、代行会社の比較検討ではありません。自社のSNS運用が実際にはどんな工程に分かれているかを、紙1枚に書き出すことです。工程が見えると、出す・残すの判断は工程の数だけに分解されます。1つの大きな決断が、小さな判断の集まりに変わります。小さな判断は、後から1つずつ引き直せます。
SNSの運用は、8つの工程が数珠つなぎになっている
自社の運用を書き出すと、たいてい8つの工程に分かれます。月ごとの企画、写真や図の素材集め、投稿の下書き、社内の事実の確認、投稿の作業と時刻の管理、コメントや問い合わせの一次対応、数字の集計と要約、そして何かが起きたときの初動。呼び名は会社ごとに違いますが、どれかが丸ごと抜けている会社はほとんどありません。
大事なのは、8つの重さが同じではないことです。投稿の作業は手順書があれば誰でもできますが、社内の事実の確認は、開発と法務と営業の3か所に聞かないと終わらないことがあります。時間で数えると小さいのに、止まると全部が止まる工程がいくつかあります。外に出す順番は、この重さの違いから決まります。
工程に分けると、見積もりの読み方も変わります。同じ「SNS運用代行」という名前でも、企画から素材の撮影まで含むものと、確定した原稿を投稿するだけのものが同じ言葉で売られています。各社が公開している料金表を横断すると、月額の目安は数万円台から数十万円台まで幅があり、初期費用が別に置かれていることもあります。金額の差を読む前に、含まれている工程の数を読むのが順番です。
線を引く軸1:その工程の材料が社内にしかないか
1つ目の軸は、その工程を進めるための材料が、社内にしか無いかどうかです。来月の展示会に何を出すのか、新しい機能がいつ動くようになるのか、以前の不具合についてどこまで話してよいのか。これらは社外の人が自分で調べて手に入れられる情報ではありません。材料が社内にしか無い工程は、外に出しても往復が増えるだけで、社内の時間は減りません。
逆に、材料が外にある工程は出しやすいです。各SNSの仕様の変化を追う、他社の投稿の傾向を並べる、決まった形式に原稿を整える。これらは社外でも同じ品質でできますし、複数の会社を見ている分だけ速いこともあります。判断の目安は単純で、その工程の材料を、社外の人が自分で取りに行けるかを問うだけで足ります。
注意したいのは、材料が社内にあることと、作業が社内でしかできないことは別だという点です。材料さえ渡せば、形にするのは外でもできます。だから実務では、材料を出す係は社内、形にする係は社外という分け方が多くなります。ただしこの形にすると、材料を出す時間が社内に残り続けます。その時間は、後の費用の節で必ず数えます。
線を引く軸2:うまくいかなかったときに誰が謝るか
2つ目の軸は、その工程で問題が起きたとき、最終的に誰が説明し、誰が謝るのかです。投稿の誤字なら代行会社が直して終わります。しかし、製品の性能を実際より良く読める形で書いてしまった場合、説明を求められるのは発注した側です。作業は移せますが、説明する立場は移りません。
この軸で見ると、外に出せない工程がはっきりします。表示の内容が正しいかどうかの最終確認、他社との比較の表現、価格や納期の記載、そして問題が起きたときの初動。どれも作業量は小さいのに、判断の重さだけが大きい工程です。作業量ではなく、説明する立場の重さで線を引くと、見落としが減ります。
発注側の責任は契約で移せると思われがちですが、社外に対しては移りません。契約でできるのは、自社と代行会社の間で負担をどう分けるかを決めることだけです。読者や顧客から見れば、出したのは発注した会社です。社外に対する説明の窓口は、必ず社内に残ります。この前提を置くと、残す工程の選び方が変わります。
広告だと分からない表示は、頼んだ側の違反になる
前の節の話が、そのまま法令の形になっている場面があります。消費者庁は、令和5年10月1日からステルスマーケティングが景品表示法違反となることを示しています。対象は、広告であるにもかかわらず広告であることを隠すことです。インターネット上の表示だけでなく、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌等も含むとされています。
では誰が問われるのか。消費者庁の説明では、規制の対象となるのは商品・サービスを供給する事業者であり、企業から広告・宣伝の依頼を受けたインフルエンサー等の第三者は規制の対象とはならない、とされています。つまり代行会社に投稿を任せていても、問われるのは依頼した側です。判断は、表示内容の決定に関与した事業者かどうかに置かれ、やり取りの内容や対価の有無などを総合して見るとされています。
社内の投稿にも同じ話が及びます。公表されている質問と回答の資料では、商品や役務の販売を促進することが必要とされる地位や立場にある者、例えば販売や開発に係る役員、管理職、担当チームの一員による投稿は、事業者の表示に該当する可能性があるとされています。外に出すか自社でやるかに関わらず、表示の判断は社内に残るということです。
- 広告であることを示す語は、投稿の本文の中で読み取れる位置に置く。「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」の記載や、提供を受けて投稿している旨の文章が例として挙げられている
- 所属を明示しただけでは、事業者の表示であることが明瞭となっているとは必ずしもいえないとされている
- 返信の連なりの中に書くと、一般消費者が気付かないおそれがあるとされている
線を引く軸3:AIで置き換わりつつある工程か
3つ目の軸は、ここ1年ほどで置きどころが動いた工程かどうかです。生成AIが実務に入ってきたことで、投稿の下書き、写真や図の一次案、コメントの分類、数字の要約といった工程は、社内で片づく量が増えました。以前は外に出す理由が「時間が無いから」だった工程ほど、外に出す理由が薄くなっています。
ただし、置き換わったのは工程の全部ではなく前半だけです。下書きは出てきますが、その中の数字と固有名詞が正しいかを確かめる作業は別に残ります。素材の一次案は出てきますが、自社の製品の見た目と違っていないかは人が見ます。生成AIが短くしたのは、何も無いところから一次案を作る時間だけで、そこから先を確かめる時間は減っていません。
だから線を引くときは、工程を前半と後半に割ってから3つの軸を当てます。前半は社内でAIに寄せられるか、後半は誰が見るか。この2段で見ると、外に出す範囲は以前より狭く、しかし以前より深くなります。浅く広く任せる形から、狭く深く任せる形へ移るのが、ここ1年の実務での動き方です。
併せて注意したいのは、境目の動き方が工程ごとに逆を向くことです。下書きの前半は短くなりましたが、社内の事実の確認はむしろ増えます。一次案が速く大量に出るぶん、確かめる対象の数も増えるからです。前半が軽くなった分を、後半の確認に回す前提で人を置いてください。前半だけを見て人を減らすと、必ず後半で詰まります。
外注の範囲より先に、AIに寄せる工程を決める
順番を間違えると、決めた直後に見直しが必要になります。先に外注の範囲を決めてしまうと、社内でAIに寄せられる工程まで契約に含まれます。含まれた工程は、契約の期間が終わるまで払い続けることになります。先に決めるのはAIに寄せる工程で、外注の範囲はその残りから決める、という順番にしてください。
寄せやすいのは3つです。投稿の下書きの一次案、写真や図の構図の候補出し、届いたコメントと数字の要約。いずれも出てきたものを人がその場で捨てられる工程で、間違っていても社外には出ません。逆に寄せにくいのは、社外に出る文面の最終形、他社への言及、価格や仕様の記載です。ここは出す前の確認が本体なので、前半だけを切り出しても軽くなりません。
寄せるときの注意が1つあります。入力したデータの扱いは、契約している条件によって変わります。個人情報保護委員会は、個人情報を含む指示文を入れる場合に、特定された当該個人情報の利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認すること、そして本人の同意を得ずに個人データを含む指示文を入れる場合には、提供する事業者が当該個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること、を求めています。顧客名が混ざる作業を寄せる前に、この確認を済ませておきます。
AIに寄せたあとも、人の側に残るもの
寄せた工程には、必ず3つの決まりを添えます。1つ目は、判断させないことです。この投稿を出してよいか、この表現は言い過ぎではないか、といった問いの形にしないこと。尋ねれば答えは返ってきますが、その答えの責任は誰も引き受けません。責任の所在が空いたまま外に出る文面ができあがります。
2つ目は、根拠を書かせることです。下書きに数字や固有名詞が入るときは、どこから取ったのかを同時に出させます。出どころが書けないものは、書けないという形で返ってくるようにします。出どころの無い一文は、そのまま社外に出る一文になります。ここを省くと、後段の確認の工程が丸ごと機能しなくなります。
3つ目は、人が確認する範囲を先に決めておくことです。全部を読み直す運用は続きません。数字、固有名詞、他社への言及、価格と納期。この4つだけは必ず人が見る、と決めておくと、確認は1本あたり数分で終わります。範囲を決めずに全部を見る運用は、2か月で崩れます。崩れた後は、誰も見ていない状態に戻ります。
3つの軸を8つの工程に当てた割り当て
ここまでの3つの軸を、先に挙げた8つの工程に当てたものが次の表です。自社の工程名に置き換えて、いちばん右の列だけを書き直してください。表の形をそのまま使うことが目的ではなく、自社の8行を自分の言葉で埋めることが目的です。埋まらない行があれば、その工程は誰も担当していない可能性があります。
| 工程 | 材料の出どころ | 説明する立場 | いまの置きどころ |
|---|---|---|---|
| 月ごとの企画 | 社内の予定と営業の実感 | 自社 | 社内に残す |
| 写真や図の素材集め | 既存の素材と製品の情報 | 自社 | 外かAIで一次案、選ぶのは社内 |
| 投稿の下書き | 企画と過去の投稿 | 自社 | AIで一次案、人が直す |
| 社内の事実の確認 | 開発と法務と営業 | 自社 | 社内だけ |
| 投稿の作業と時刻の管理 | 確定した原稿 | 代行でも可 | 外に出しやすい |
| コメントの一次対応 | 届いた文面 | 自社 | 仕分けは外かAI、返信は社内 |
| 数字の集計と要約 | 各SNSの管理画面 | 代行でも可 | 外かAI |
| 何かが起きたときの初動 | 社内の事実と経営の判断 | 自社 | 社内だけ |
表を埋めると、代行に出す範囲はたいてい2つか3つの行に収まります。全部を出すつもりで見積もりを取っていた会社ほど、この段階で金額が下がります。ただし減るのは払う金額だけで、社内に残る時間は減りません。その時間をどう数えるかは、費用の節で扱います。
埋めるときに迷いやすいのがコメントの一次対応です。届いた文面の仕分けは外でもできますが、返信の文面は自社の名前で出ていきます。実務では、仕分けまでを外かAIに寄せ、返信の文面だけを社内が持つ形が落ち着きます。同じ工程の中で線が引けることもあります。工程の単位で迷ったら、さらに前半と後半に割ってみてください。
アカウントの権限は、業務の委託とは別に扱う
作業を委託しても、アカウントそのものは自社の資産です。ところが実務では、設定を任せた流れで管理者の権限ごと渡してしまい、社内に管理者が1人も残っていない状態になっていることがあります。契約が終わる日に、自社のアカウントに入れなくなるのはこの形です。復旧には時間がかかり、その間は投稿も削除もできません。
分け方は単純です。管理者は社内に2名以上置く、代行会社には投稿と分析に必要な権限だけを渡す、渡した権限の一覧を月に1度見る。権限は業務の範囲とは別の台帳で持ちます。業務の範囲が変わっても、権限が自動で変わるわけではないからです。台帳が業務の側に埋まっていると、範囲の見直しと権限の見直しがずれていきます。
見落としが多いのは、担当が交代したときです。代行会社の担当者が替わっても、前の担当者の権限が残っていることがあります。社内でも同じで、異動した人の権限が数年残っている例は珍しくありません。権限の棚卸しは、業務の見直しとは別の周期で回します。四半期に1度、台帳と実際の一覧を突き合わせるだけで足ります。
何かが起きたときの初動だけは、外に出すと遅くなる
問題が起きたときの初動は、作業としては小さく、判断としては重い工程です。止めるかどうか、何を言うか、誰の名前で言うか。この3つは社内の事実と経営の判断が材料なので、外に出しても待ち時間が増えるだけです。一報を受ける窓口が社外にあると、社内に伝わるまでに数時間が消えます。
実務で決めておくのは、窓口と時間だけで足ります。代行会社が異変に気づいたら、何分以内に、誰の電話に、どの経路で入れるか。そして社内で最初に集まるのは誰か。細かい手順書を作り込むより、最初の連絡が届くまでの時間を短くするほうが効きます。手順書は起きてから読まれますが、連絡は起きた瞬間に要るからです。
併せて、止める操作の権限を社内が持っているかを確かめてください。投稿を下げる、広告を止める、コメントの受付を閉じる。この操作が社外の担当者の営業時間に依存していると、夜間と休日に動けません。止める操作だけは、社内の複数名ができる状態にしておきます。動かす権限と止める権限は、別々に考えたほうが安全です。
費用は投稿1本あたりの単価では比べられない
見積もりを並べるときに使われがちなのが、投稿1本あたりの単価です。しかしこの数字は、含まれる工程が違えば比べられません。素材の撮影が入っているもの、確定した原稿を投稿するだけのもの、企画から入るもの。各社が公開している料金表を見ると、月額の目安は数万円台から数十万円台まで幅があり、初期費用が別に置かれていることもあります。同じ名前で、中身の違うものが並んでいるのが実態です。
比べられる形にするには、社内に残る時間を金額に直して足します。材料を渡す時間、原稿を確認する時間、差し戻しの往復、月次の打ち合わせ。この時間は外注しても消えず、出す範囲を広げるほど増えることさえあります。範囲が広いほど、社内が知らない話が原稿に入り、確認が重くなるからです。
だから総額は、払う金額と社内に残る時間の合計で見ます。この形にすると、安く見えていた見積もりが高くなり、高く見えていた見積もりが下がることがあります。逆転が起きるのは、確認の重さが金額の側に現れていなかったからです。現れていない費用は、たいてい特定の1人に集まっています。
初期費用の扱いにも注意が要ります。初期費用は想定する契約の月数で割って月額に足すので、短く試すほど月あたりの負担が重く見えます。3か月で見極める設計にするなら、初期費用の比重が上がることを先に織り込んでおいてください。短く試す設計と、初期費用の大きい見積もりは相性が悪いという関係があります。
総額を出す4つの手順
手順は4つです。数字は正確でなくてかまいません。桁が合っていれば判断は変わります。表計算の1枚で足りるので、見積もりが届いた日のうちに作ってしまってください。作るのに30分、読むのに5分です。
初期費用は想定する契約の月数で割り、月額に足します。対応するSNSを増やす分の追加費用や、素材の撮影が別料金になっている分も、この段に入れます。見積もりの中で「別途」と書かれている項目を全部拾うのがこの手順の役目です。
材料を渡す、原稿を確認する、差し戻す、打ち合わせる。直近1か月の実績を、工程ごとに分単位で書き出します。記憶で書くと必ず少なく出るので、予定表と連絡の履歴を見ながら拾ってください。
数えた時間に、社内の1時間あたりの人件費を掛けます。担当者と承認者では単価が違うので、行を分けて書きます。承認者の時間は短くても単価が高いため、合計に効いてきます。
投稿の本数ではなく、問い合わせや資料の申し込みなど、事業の側ですでに数えている単位で割ります。その単位が無い場合は、まず何を成果と呼ぶかを決めるところからになります。
4の割り方が、比較の質を決めます。投稿の本数で割ると、本数を増やす提案がいつも有利になります。事業の側で数えている単位で割ると、本数の多さは有利になりません。本数と成果の関係は会社ごとに違うので、ここは自社の実績で確かめる必要があります。
出した数字は、契約の途中でもう一度作り直します。1か月目と6か月目では、社内に残る時間がまったく違うからです。最初は材料の渡し方が固まっておらず往復が多く、半年たつと減ります。減っていなければ、代行会社の側ではなく渡し方の側に原因が残っています。
決めきれないときは、1工程だけ出して3か月測る
軸を当てても決めきれない工程は残ります。そのときは全部を決めようとせず、1工程だけを3か月出して測ります。選ぶのは、止まっても事業に響かず、社内の時間をいちばん食っている工程です。多くの会社では、数字の集計と要約か、素材の一次案が該当します。
測るのは3つだけです。社内に残った時間、差し戻しの回数、社外に出てしまった誤りの件数。この3つが3か月で下がらなければ、その工程は外に出しても得になっていません。下がらない原因は代行会社の質ではなく、材料の渡し方にあることが多いので、会社を替える前に渡し方を1度見直してください。
- 「全部おまかせで」と伝え、社内に確認する人を置かないまま始める
- 見積もりを投稿1本あたりの単価だけで並べ、安い順に選ぶ
- 管理者の権限ごと渡し、社内に管理者が1人も残らない状態にする
- 生成AIが出した下書きを、数字と固有名詞を確かめずにそのまま投稿する
- 異変の一報を、代行会社の営業時間だけで受ける形にする
3か月という長さには理由があります。1か月目は立ち上げの手間が乗り、2か月目にようやく素の状態になります。1か月で判断すると、ほぼ確実に「合わなかった」という結論になります。逆に半年を超えると、比べるための元の数字が手元に残っていないことが増えます。測り始める前に、いまの3つの数字を控えておいてください。
よくある質問
代行に出すと、社内にノウハウが残らないのではありませんか
工程ごとに分けていれば、残るものと残らないものがはっきりします。残らないのは、外に出した工程の手の動かし方です。残るのは、企画の決め方、社内の事実を集める経路、確認の観点。この3つを社内に置いていれば、代行会社を替えても運用は続きます。逆に、この3つまで外に出していると、契約が終わった日に何も残りません。何を残すかを先に決めるという意味では、ノウハウの話も工程の線引きの話です。
人数の少ない会社ですが、代行に出す価値があるのはどの工程ですか
材料が社内に無く、しかも毎週必ず発生する工程からです。数字の集計と要約、投稿の作業と時刻の管理がこれに当たります。どちらも止まっても事業には響かず、しかし社内でやると毎週数時間が消えます。逆に、人数が少ない会社ほど企画と社内の確認は外に出せません。聞く相手が少ない分、社外の人が材料にたどり着く経路が細いからです。まず2つだけ出して、残りは表を埋めながら決めてください。
生成AIで下書きが作れるなら、代行はもう要らないのではありませんか
下書きが要らなくなったわけではなく、下書きを作る時間が短くなっただけです。残っているのは、企画を決める、社内の事実を確かめる、確定した原稿を決まった時刻に出し続ける、反応に答える、という工程です。このうち最後の2つは、道具ではなく人の手が毎日動くことで成り立っています。人数が足りないときに効くのはここです。下書きの時間が減った分、外に出す範囲は狭くなりますが、ゼロにはなりません。
代行会社に投稿を任せている場合、表示の責任はどちらにありますか
消費者庁の説明では、規制の対象となるのは商品・サービスを供給する事業者であり、依頼を受けた第三者は対象とならないとされています。判断は、表示内容の決定に関与した事業者かどうかに置かれます。つまり、任せていても依頼した側が問われる前提で組む必要があります。実務としては、価格・性能・他社との比較に触れる投稿だけは、出す前に社内の誰かが必ず見る、と決めておくのが最短の対処です。全部を見る運用にすると続きません。
代行会社を切り替えるとき、いちばん困るのは何ですか
権限と、過去の投稿の元データです。権限は前の節のとおり、社内に管理者を残していれば困りません。元データのほうは、投稿の本文・使った画像・投稿した日時が、代行会社の側の道具にしか無いことがあります。これがあると、切り替えた月から過去との比較ができなくなります。月に1度、投稿の一覧と画像を自社の置き場所に写しておくだけで防げます。契約の話に持ち込む前に、写す運用を先に始めてください。
まとめ
SNSの運用を出すか自社で持つかは、会社の規模でも予算でも決まりません。決まるのは工程の性質です。材料が社内にしか無い工程、説明する立場が自社に残る工程、そしてここ1年で生成AIが前半を短くした工程。この3つの軸を8つの工程に当てると、外に出す範囲はたいてい2つか3つの行に収まります。まず、自社の運用を8行に分けて紙に書き出してみてください。30分で終わります。書き出した時点で、見積もりの読み方も、社内に残す人の置き方も同時に決まります。会社を選ぶのはその後で間に合います。
※本記事にはAIが活用されています。編集者が確認・編集し、可能な限り正確で最新の情報を提供するよう努めておりますが、情報の完全性、正確性、最新性、有用性等について保証するものではありません。本記事の内容に基づいて行動を取る場合は、読者ご自身の責任で行っていただくようお願いいたします。
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